JP2000319902A - ブレース付き場所打ち杭及びその構築方法 - Google Patents

ブレース付き場所打ち杭及びその構築方法

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JP2000319902A
JP2000319902A JP12944999A JP12944999A JP2000319902A JP 2000319902 A JP2000319902 A JP 2000319902A JP 12944999 A JP12944999 A JP 12944999A JP 12944999 A JP12944999 A JP 12944999A JP 2000319902 A JP2000319902 A JP 2000319902A
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brace
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Hiroshi Kazama
広志 風間
Katsuyuki Tamaoki
克之 玉置
Atsuo Onoe
篤生 尾上
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟弱地盤における地震時の基礎杭の水平抵抗
性を高める。 【解決手段】 構造物2を支持する杭本体10と、杭本
体10の地中の所定深さを下端定着端11とし、下端定
着端11から杭深度方向に対して所定の取付傾角θをな
して、上端定着端3が構造物2の一部に定着された複数
本の引張ブレース材20とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブレース付き場所打
ち杭及びその構築方法に係り、軟弱地盤において地震時
の水平抵抗性を高めるようにしたブレース付き場所打ち
杭及びその構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、構造物の地震時における安全性を
高めるために種々の基礎構造の開発が進められてきてい
る。特に阪神大震災以来、地震時の基礎杭の耐力を上げ
るための種々の取り組みがなされている。また、東京、
大阪など大都市には軟弱な沖積層地盤の上に発展してき
た臨海地域が多く、このような軟弱地盤地域では杭の地
震時水平抵抗性を高めた高耐震性場所打ち杭の需要が増
加してきている。
【0003】図11は従来の高耐震性場所打ち杭の一例
を示した部分縦断図である。図11に示した鋼管巻き場
所打ち杭50では、構造物フーチング51の下端からあ
る程度の深さ範囲を内面リブ付鋼管52で被覆し、その
部分での杭の抵抗モーメントを増大させている。この内
面リブ付鋼管52の内周面には多数の突起状リブ53が
連続して形成されており、打設されたコンクリートと鋼
管52内面との付着を高めることができる。これによ
り、鋼管とコンクリートとの一体化を図り、杭50の地
震時水平抵抗性を高めている。図12に示した場所打ち
杭60では、構造物基礎フーチング51の下端からある
程度の深さ範囲62を拡径して施工し、その拡径部62
での杭の抵抗モーメントを増大させることにより、杭の
地震時水平抵抗性を高めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図11、図1
2に示したような杭構造では、地震時に杭上部に巨大な
モーメントが発生するため、これに対処するために杭上
部を大幅に補強する必要がある。特に上部構造物の底版
やフーチングと杭頭部とを固定接合させる設計の場合に
は、杭頭部において最大モーメントが発生するため、一
層、杭頭部の補強が必要になる。発生する大きな曲げモ
ーメントに対処するためには杭上部を高耐力にする心要
があり、コストアップにつながる。また、液状化層や軟
弱地盤が厚い等の地盤状況のように地震時に巨大なモー
メントが発生する場合には、杭上部の耐力向上を図るだ
けでは対処できないこともある。
【0005】そこで、本発明の目的は上述した従来の技
術が有する問題点を解消し、通常の杭構造に加え、地震
時に水平抵抗性を増大させることのできる引張ブレース
材を備えたブレース付き場所打ち杭及びその構築方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は構造物を支持する杭本体と、該杭本体の地
中の所定深さを下端定着端とし、該下端定着端から杭深
度方向に対して所定の傾角をなして、上端定着端が前記
構造物の一部に定着された複数本の引張ブレース材とを
備えたことを特徴とする。
【0007】このとき前記引張ブレース材は、前記下端
定着端でUターンするように配線され、前記構造物の一
部に、その両端が定着されたケーブル状引張材とするこ
とが好ましい。
【0008】その構築方法として、構造物を支持する杭
本体を構築するのに先立ち、杭掘削孔内にワイヤーソー
下端折り返し部材と、該下端折り返し部材と地上のワイ
ヤーソー駆動装置との間に掛け渡されたワイヤーソーを
収容した管体とを設置し、前記杭掘削孔内に前記下端折
り返し部材と管体とを杭内部に埋設するようにコンクリ
ートを打設し、所定の養生期間をおいた後に、地上の前
記杭本体縁から遠ざかるように前記ワイヤーソー駆動装
置を移動させることで、前記ワイヤーソーに所定のテン
ションを付加させて、前記杭本体の一部に埋設された前
記下端折り返し部材と前記ワイヤーソー駆動装置との間
を結ぶ範囲の地盤をスリット状に溝を切削し、該スリッ
ト状の溝内に、前記下端折り返し部材と前記ワイヤーソ
ー駆動装置間を結ぶように杭本深度方向に対して所定の
取付傾角をなす引張材を配線し、該引張材に所定の緊張
力を付与して前記構造物の一部に前記引張材の上端を定
着させることで、前記杭本体に引張ブレース材を付設さ
せるようにしたことを特徴とする。
【0009】このとき前記下端折り返し部材は、前記杭
掘削孔内に設置される鉄筋かごに取り付けられた箱状体
内に収容されたプーリー部材とすることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明のブレース付き場所
打ち杭及びその構築方法の一実施の形態について、添付
図面を参照して説明する。図1は本発明のブレース付き
場所打ち杭10(以下、単に場所打ち杭10と記す。)
を、その上部に施工された構造物フーチング2とともに
示した概略構成図である。同図に示したように、本発明
の場所打ち杭10は杭中間高さから上方に向けて所定の
取付傾角θをなして引張ブレース材20がフーチング2
の上面の定着端3までに延設されている。
【0011】本実施の形態では、引張ブレース材20と
してアンボンドPC鋼線が使用されている。この引張ブ
レース材20は下端が杭内に定着され、上端が構造物フ
ーチングに設けられた定着端3に所定の緊張力(プレス
トレス)を付与された状態で定着されている。この引張
ブレース材20は設計で求められた所定の引張強度を有
し、ある程度の撓み性と耐腐食性を備えていれば、種々
の引張材料を使用することができる。たとえば所定断面
積を有する通常のPC鋼線、PC鋼より線、各種長繊維
ケーブル(炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アル
ミナ繊維、炭化ケイ素繊維、ガラス繊維等)を使用する
ことができる。
【0012】図1では紙面上隣接した各杭において左右
両側に向けて引張ブレース材20が設けられた例が示さ
れているが、紙面直交方向にも引張ブレース材20を設
け、平面視して十字形をなすようにすることもある。ま
た、構造物の平面形状に応じて地震時の構造物の揺れ方
向に特異性が現れるような場合にはその方向に抵抗でき
るように引張ブレース材20を配置することが好まし
い。
【0013】図2は多段(2段)に引張ブレース材20
を備えた場所打ち杭の実施の形態を図示したものであ
る。同図に示した基礎杭及び引張ブレース材の取付傾角
θや引張材料の諸元(断面積、材料)は、対象となる基
礎杭が設計対象地盤において、地中の2点の弾性支承で
支持されている条件での地盤解析を行うことで決定する
ことができる。特に、取付傾角θは、基礎杭の造成間
隔、軟弱層の層厚等によりその範囲は変動するが、設置
された引張ブレース材が、引張材として水平方向分力を
十分負担できるような角度に設定することが重要であ
る。
【0014】次に、上述した引張ブレース材20の施工
方法について添付図面を参照して順に説明する。まず、
地上作業において、場所打ち杭10の鉄筋かご12を製
作する。鉄筋かご12の配筋は引張ブレース材20との
合成構造として設計して得られた補強鉄筋量が用いられ
ている。引張ブレース材20の定着端11となる深さに
相当する鉄筋かご12の主筋、フープ筋の一部は切り取
られ、その位置にプーリーボックス13が固着されてい
る。このプーリーボックス13内にはワイヤーソー17
の走行をスムーズにさせるための2個のプーリー15、
16が収容されている。これらのプーリー15,16に
所定長さのワイヤーソー17をループ状に掛け渡した状
態で、掘削完了した場所打ち杭10ための掘削孔1内
に、ワイヤーソー17の端部が地上に残るように鉄筋か
ご12を挿入する。ワイヤーソー17の長さは所定の傾
角をなす引張ブレース材20が設置可能な範囲まで地盤
切削が行える程度にする。
【0015】図3はプーリーボックス13が取り付けら
れた鉄筋かご12を掘削孔内に設置した状態を示してい
る。プーリーボックス13の上面13aには3本の配管
31、32、33の下端が連結されている。これらはプ
ーリーボックス13の内部を洗浄するための洗浄管31
と、洗浄した土砂を地上へ回収するための土砂排出管3
2と、ワイヤーソー17の杭内での走行を容易にし、ワ
イヤーを地上に引き上げるためのワイヤー格納管33と
からなる。各配管31、32、33は掘削孔1内を地上
まで延設され、図示しない各装置まで延設されている。
洗浄管31内には洗浄水と高圧エアとを同時に供給する
エアジェット配管34が挿入できる断面が確保されてい
る。エアジェット配管34は洗浄時に上端口から挿入す
るようになっている。なお、プーリーボックス13の強
度を大きくした場合には硬化材をボックス13内部に充
填する必要がないので、その場合には洗浄管31と土砂
排管32とは不要となる。ワイヤー格納管33は本実施
の形態では塩化ビニルパイプからなり、ワイヤーソー1
7が走行した際にその一部が切断され、管内に収容され
ていたワイヤーソー17の一部が管33の一部を破砕し
て掘削孔1の回りの地盤をスリット状に切削するように
なっている。
【0016】ワイヤーソー17には公知のものを使用で
きるが、切削する地盤の強度に応じてワイヤーソー17
の仕様を選定することが好ましい。軟弱砂層、粘性土層
等の場合にはスチールビーズ・ワイヤーソーを用い、軟
岩層等が挟在している場合にはダイアモンド・ワイヤー
ソーを適用することが好ましい。使用するワイヤーソー
17の長さは緊張位置まで切削しながら移動するのに十
分な長さを用意し、ワイヤー格納管33に入らずに余っ
た分は地上に載置しておく。このとき地上にはワイヤー
ソー駆動装置18と、テンショナー装置19とが配置さ
れ、図3(a)に示したように、ワイヤーソー17は所
定の張力が付与された状態で杭内のプーリーボックス1
3、ワイヤー格納管及びワイヤーソー駆動装置18との
間に掛け渡される。
【0017】ここで、プーリーボックス13の詳細構成
について図3(a)、図3(b)を参照して説明する。
プーリーボックス13は、鋼板を組み立てた箱状体であ
り、杭コンクリートを打設した際にもコンクリート側圧
により変形しないように、図示しないフレーム等で補剛
されている。プーリーボックス13内には主プーリー1
5と、主プーリー15の上方に案内プーリー16とが収
容されている。主プーリー15はワイヤーソー17のワ
イヤーの移動をスムーズに行い、引張ブレース材20と
してのPCケーブル等の緊張時に杭側定着端3となる。
このため、主プーリー15の支持軸はこの緊張作業にお
いても十分な強度を保持するように設計されている。案
内プーリー16はワイヤーソー17による切削の際に杭
本体を切削しないように走行するワイヤーソー17の走
行方向を制御する。また、杭コンクリート打設時にコン
クリートとプーリーボックス13との一体化を図るため
にアンカー筋34が溶接されている。
【0018】このプーリーボックス13の取り付け位置
において主筋12a、フープ筋12bの一部は切断され
る。しかし、それぞれの端部は山形鋼等の連結ピース1
4によりプーリーボックス13の鋼板面に固定され、応
力の伝達が確実に行えるようになっている。また、図3
(a)には上下面13a、13bが水平板で構成された
プーリーボックス13が示されているが、杭打設時にコ
ンクリートが流動しやすいように上下面を斜めにしてボ
ックスを製作してもよい。
【0019】以上に説明した装置を配備した状態で、通
常の場所打ち杭の施工と同様にトレミー管等により掘削
孔1内にコンクリート打設を行い、打設後、必要強度が
発現するまで養生時間をおく。そして、ワイヤーソー1
7による地盤切削を行う。
【0020】図4はワイヤーソー17による切削の開始
時の切削状況を説明したものである。ワイヤーソー駆動
装置18を図示しないウインチ等の牽引装置により矢印
A方向に移動しながらワイヤーソー17を走行させるこ
とで、ワイヤーソー17の一部がワイヤー格納管33の
一部を破砕して地盤内に露出し、地盤を切削していく。
このとき主プーリー15の右端のワイヤー位置は、案内
プーリー16の右端のワイヤー位置よりさらに右側にな
るように設置されている。このため、ワイヤ格納管33
内を上下方向に走行するワイヤーソー17が互いに接触
することがなく、ワイヤーソー17の損傷がない。ま
た、案内プーリー16の右端のワイヤー部分はワイヤー
格納管33に入る位置に設置されている。このため、杭
本体は切削されない。
【0021】図5、図6はワイヤーソー17による地盤
切削の中間過程の状況を説明したものである。図5に示
したように、ワイヤーソー17の一部がワイヤ格納管3
3とプーリーボックス13から完全に繰り出された状態
に達した後に、ワイヤーソー17のテンションを保持す
るために、テンショナー装置19を矢印A方向にワイヤ
ーソー駆動装置18の移動に同調させて移動させる。こ
のときワイヤーソー17のS1側は地盤を切削するが、
2側のワイヤーソー17はすでに切削された地盤の略
ワイヤー幅のスリット内を走行できる。図6はテンショ
ナー装置19がワイヤーソー駆動装置18に追いついた
状態を示している。この状態でテンショナー装置19を
取り外し、ワイヤーソー17に弛みが発生した分だけワ
イヤーソー駆動装置18をさらに矢印A方向に前進さ
せ、ワイヤーソー17の傾角θが設計傾角と等しくなる
ようにする。
【0022】図7はワイヤーソー17のワイヤーを利用
して引張ブレース材20を配線する状況を示している。
図示したように、引張ブレース材として使用するPCケ
ーブル21を地上に準備しておき、ワイヤーソー17の
一部にPCケーブル21の端部を定着し、ワイヤーソー
駆動装置18の駆動プーリ18aをケーブル挿入方向に
回転させることにより、ワイヤーソー17の走行にあわ
せて地上に載置されたPCケーブル21が繰り出され、
ワイヤーソー17に置き換わってPCケーブル21が地
盤内に配線される。
【0023】このとき使用するPCケーブル21がワイ
ヤーソー17のワイヤ径より太く、この方法ではワイヤ
ーソーによるPCケーブル21の配線が困難な場合には
PCケーブル21より細いガイドワイヤを先にセットし
ておき、ワイヤーソー17をこのガイドワイヤに置き換
えた後に、ガイドワイヤをPCケーブル21に置き換え
ればよい。このときPCケーブル21は1本を配線する
のみならず、複数本を配線し、個々のケーブルを緊張し
て所定の引張強度を確保するようにしてもよい。
【0024】次に、プーリーボックス13内の土砂を除
去する清掃を行い、その後プーリーボックス13を硬化
材で充填する。前述したようにプーリーボックス13の
強度が十分な場合には硬化材の充填を行わなくてもよ
い。
【0025】プーリーボックス13内の清掃を行うに
は、洗浄管31内に小径のエアジェット配管(図示せ
ず)を挿入し、その管端をプーリーボックス13内まで
下ろし、エアジェット水流によりボックス13内の清掃
を行う。エアジェット配管の先端ノズル(図示せず)は
回転、上下移動が行えるスイベル構造とし、ボックス1
3の内部を確実に清掃できるようにすることが好まし
い。なお、図示しない地上のエアジェット発生装置には
所定の吐出能力を備えた公知の装置を適用することがで
きる。プーリーボックス13内の土砂は土砂排出管32
を介してエアリフトにより地上まで搬送される。エアリ
フトにはエアジェット水流を利用すればよい。土砂排出
管32を介して地上に搬送された土砂は、さらに地上配
管を通じて土砂分離プラント(図示せず)に搬送され、
同装置において土砂分離される。
【0026】さらに図8に示したように、プーリーボッ
クス13と各配管パイプ内にモルタル等の硬化材を充填
する。まず洗浄管31に硬化材圧送管37を挿入し、プ
ーリーボックス13内に硬化材を注入する。硬化材の注
入に伴って内部の泥水は土砂排出管を通じて地上まで搬
送され、地上配管(図示せず)を介して泥水処理プラン
トに搬送された後、所定の汚泥処理が行われる。図8で
はプーリーボックス13内の主プーリー15まで硬化材
40が充填された状態が示されている。
【0027】図9はプーリーボックス13内と各配管パ
イプ内を硬化材40Aで充填した後に、ワイヤーソー1
7が切削したスリット部分を別種の硬化材40Bで充填
した状態を示している。このスリット5はワイヤーソー
17のワイヤ幅程度のものであるが、地盤の強度を保持
するために確実に閉塞しておくことが好ましい。通常
は、PCケーブル21の挿通後に閉塞すればよいが、地
盤状況によっては崩落防止のために早期に行うことも必
要である。
【0028】図10(a)は、PCケーブル21の頭部
の緊張作業を行う直前の状態を示した概略図である。同
図に示したように、複数本のPCケーブル21が地中の
杭位置でUターンして配線された状態で構造物フーチン
グ2が施工されている。PCケーブル21のフーチング
2を貫通する部分にはケーシングパイプ5が被せられて
おり、フーチング2のコンクリートとPCケーブル21
とは完全に縁が切られている。このケーシングパイプ5
はフーチング2内の鉄筋等を利用して所定の位置に固定
されている。さらにフーチング2上面のPCケーブルが
突出する部分には箱抜き部6が形成されている。この箱
抜き部6は緊張作業時に据え付けられる台座及び定着金
物を収容するために設けられている。箱抜きの大きさ
は、PCケーブル21の頭部において緊張ジャッキ(図
示せず)の先端部分がセットできる程度の大きさに設定
されている。
【0029】図10(a)は2本の緊張ジャッキを配設
して1本の引張ブレース材20としてのPCケーブル2
1を両端引きして緊張する方法を示している。図10
(b)はPCケーブル21の端部を束ねて1本のケーシ
ングパイプ5を通して箱抜き部6に導き、1本の緊張ジ
ャッキを用いてPCケーブル21の緊張を行う変形例を
示している。いずれの場合にも使用する緊張ジャッキと
しては公知の油圧センターホールジャッキ等を使用する
ことができる。また、定着金物に関しても従来のPCケ
ーブル定着用のものをそのまま使用することができる。
【0030】また、定着後の箱抜き部の仕上げ方法も従
来のアンカー頭部定着部のように防錆材等を充填したキ
ャップでアンカー頭部を覆い、モルタル等で凹所を閉塞
させることができる。
【0031】
【発明の効果】以上に述べたように、地震時に生じる杭
頭モーメントに対して杭本体と引張ブレース材とによっ
て抵抗することができ、杭構造としての水平耐力が大幅
に増大し構造物の安全性が向上するとともに、構造物基
礎としての杭の経済設計が可能になるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるブレース付き場所打ち杭の一実施
の形態を示した概略杭構造図。
【図2】ブレース付き場所打ち杭の変形例を示した概略
杭構造図。
【図3】ブレース付き場所打ち杭の施工に用いられるワ
イヤーソー駆動装置群とワイヤーソーの配線状態を示し
た概略構成図。
【図4】ワイヤーソーによる地盤切削状態を示した状態
説明図(その1)。
【図5】ワイヤーソーによる地盤切削状態を示した状態
説明図(その2)。
【図6】ワイヤーソーによる地盤切削状態を示した状態
説明図(その3)。
【図7】ワイヤーソーによる引張ブレース材挿入状態を
示した状態説明図。
【図8】プーリーボックス内への硬化材注入状態を示し
た状態説明図。
【図9】地盤中のスリット内への硬化材注入状態を示し
た状態説明図。
【図10】引張ブレース材の緊張作業を開始する直前状
態を示した状態説明図。
【図11】従来の杭頭部の補強構造の一例を示した概略
杭構造図。
【図12】従来の杭頭部の補強構造の他の例を示した概
略杭構造図。
【符号の説明】
1 杭掘削孔 2 構造物フーチング 3 上端定着端 10 ブレース付き場所打ち杭 11 杭側定着端 13 プーリーボックス 15 主プーリー 16 案内プーリー 17 ワイヤーソー 18 ワイヤーソー駆動装置 19 テンショナー装置 20 引張ブレース材 21 PCケーブル 31 洗浄管 32 土砂排出管 33 ワイヤ格納管 40A,40B 硬化材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾上 篤生 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 Fターム(参考) 2D046 CA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造物を支持する杭本体と、該杭本体の地
    中の所定深さを下端定着端とし、該下端定着端から杭深
    度方向に対して所定の取付傾角をなして、上端定着端が
    前記構造物の一部に定着された複数本の引張ブレース材
    とを備えたことを特徴とするブレース付き場所打ち杭。
  2. 【請求項2】前記引張ブレース材は、前記下端定着端で
    Uターンするように配線され、前記構造物の一部に、そ
    の両端が定着されたケーブル状引張材であることを特徴
    とするブレース付き場所打ち杭。
  3. 【請求項3】構造物を支持する杭本体を構築するのに先
    立ち、杭掘削孔内にワイヤーソー下端折り返し部材と、
    該下端折り返し部材と地上のワイヤーソー駆動装置との
    間に掛け渡されたワイヤーソーを収容した管体とを設置
    し、前記杭掘削孔内に前記下端折り返し部材と管体とを
    杭内部に埋設するようにコンクリートを打設し、所定の
    養生期間をおいた後に、地上の前記杭本体縁から遠ざか
    るように前記ワイヤーソー駆動装置を移動させること
    で、前記ワイヤーソーに所定のテンションを付加させ
    て、前記杭本体の一部に埋設された前記下端折り返し部
    材と前記ワイヤーソー駆動装置との間を結ぶ範囲の地盤
    をスリット状に溝を切削し、該スリット状の溝内に、前
    記下端折り返し部材と前記ワイヤーソー駆動装置間を結
    ぶように杭本深度方向に対して所定の取付傾角をなす引
    張材を配線し、該引張材に所定の緊張力を付与して前記
    構造物の一部に前記引張材の上端を定着させることで、
    前記杭本体に引張ブレース材を付設させるようにしたこ
    とを特徴とするブレース付き場所打ちの構築方法。
  4. 【請求項4】前記下端折り返し部材は、前記杭掘削孔内
    に設置される鉄筋かごに取り付けられた箱状体内に収容
    されたプーリー部材であることを特徴とする請求項3記
    載のブレース付き場所打ちの構築方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013227788A (ja) * 2012-04-26 2013-11-07 Sumitomo Forestry Co Ltd 地中斜材の設置方法
JP2015040462A (ja) * 2013-08-23 2015-03-02 積水化学工業株式会社 グラウンドアンカー、並びに、グラウンドアンカー工法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013227788A (ja) * 2012-04-26 2013-11-07 Sumitomo Forestry Co Ltd 地中斜材の設置方法
JP2015040462A (ja) * 2013-08-23 2015-03-02 積水化学工業株式会社 グラウンドアンカー、並びに、グラウンドアンカー工法

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