JP5886791B2 - ベアリングの固定構造 - Google Patents

ベアリングの固定構造 Download PDF

Info

Publication number
JP5886791B2
JP5886791B2 JP2013118354A JP2013118354A JP5886791B2 JP 5886791 B2 JP5886791 B2 JP 5886791B2 JP 2013118354 A JP2013118354 A JP 2013118354A JP 2013118354 A JP2013118354 A JP 2013118354A JP 5886791 B2 JP5886791 B2 JP 5886791B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing
stopper plate
bolt
casing
outer race
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013118354A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014234911A (ja
Inventor
啓人 佐々木
啓人 佐々木
千秋 卯月
千秋 卯月
茂晴 和久井
茂晴 和久井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2013118354A priority Critical patent/JP5886791B2/ja
Publication of JP2014234911A publication Critical patent/JP2014234911A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5886791B2 publication Critical patent/JP5886791B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Description

本発明は、回転軸を回転自在に支持するためのベアリングを変速機などのケーシング内に固定するための固定構造に関する。
従来、自動車の変速機内の回転軸は、ベアリングによって回動自在に支持されている。このベアリングのアウタレースは、変速機のケース(ハウジング)の内側に嵌合して固定されている。そして、変速機のケーシングは、軽量化を図るためにアルミニウム合金やマグネシウム合金などで構成される。これに対して、ベアリングを構成するアウタレースは、耐久性を確保できるように鋼材で構成される。そして、この鋼材の硬度は、ハウジングの材料であるアルミニウム合金やマグネシウム合金より高い硬度を有している。また、アルミニウム合金やマグネシウム合金の線膨張係数は、ベアリングの材料である鋼材の線膨張係数よりも大きい。
硬度の低いアルミニウム合金やマグネシウム合金等からなるハウジングに組み込まれたベアリングに荷重が負荷された状態で回転軸(内輪)が回転すると、回転軸の回転に伴ってアウタレースがハウジングの内側で微小回転する現象(いわゆるクリープ)が発生する場合がある。
クリープ力は、ベアリングにかかる荷重が大きいほど大きくなる。従って、荷重の大きさに比例してクリープが発生し易くなる。特に、回転軸の回転に伴ってベアリングの温度が上昇すると、ケーシングとベアリングとの線膨張係数の差から締め代が減少し、ケーシングによるアウタレースの保持力が低下してクリープが発生する可能性が高くなる。
そのため、従来、変速機のケーシング内で回転軸を支持するベアリングの固定構造として、例えば、特許文献1に示すように、アウタレースを押圧部材で押え、この押圧部材をボルトでケーシングに締結固定する構造がある。また、特許文献2には、変速機のケーシングにベアリングを固定する際に、ベアリングのアウタレースに設けた切欠きをケースに設けた突起に係合させるようにした構造が記載されている。
特開2010−96337号公報 特開2005−133869号公報
しかしながら、従来のベアリングの固定構造では、変速機のケーシングとベアリングとの間や、押え部材とベアリングとの間には、僅かではあるが組み付けクリアランスが存在する。そのため、依然としてベアリングのアウタレースに微小なクリープが発生する懸念がある。また、ベアリングの微振動による摩耗が発生する懸念もある。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品点数を少なく抑えた簡単な構成で、ベアリングのクリープ及び微振動によるケーシングの摩耗を効果的に抑制することができるベアリングの固定構造を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、回転軸(51)をケーシング(1)に対して回転自在に支持するためのベアリング(10)の固定構造であって、ベアリング(10)のアウタレース(11)の外周側面に形成された径方向の外方を向く平面状の当接部(12)と、当接部(12)に対向する平面状の端辺(37)と該端辺(37)の内側で弾性変形可能に構成した弾性変形部(36)とを有する固定部材(30)と、固定部材(30)に設けた挿通部(32)に挿通されてケーシング(1)に締結されるボルト(42)と、を備え、弾性変形部(36)は、固定部材(30)における端辺(37)と挿通部(32)との間に配置されて、弾性変形によって端辺(37)とボルト(42)との間の寸法を変更可能であり、弾性変形部(36)の弾性力で固定部材(30)の端辺(37)がアウタレース(11)の当接部(12)に押し当てられた状態で当接していることを特徴とする。
本発明にかかるベアリングの固定構造によれば、固定部材に弾性変形部を設け、この弾性変形部の弾性力で平面状の端辺がアウタレースの当接部に押し当てられた状態で当接していることで、固定部材の端辺とベアリングの当接部との間のクリアランスを無くすことができ、ベアリングの組み付けガタを無くすことができる。特に、アルミニウム製のケーシングと鉄製のベアリング(アウタレース)との組み合わせによる固定構造では、高温時にベアリングの嵌め合いがルーズ状態となった場合でも、固定部材の弾性変形部による弾性作用(スプリング効果)によって、ベアリングのアウタレースと固定部材との嵌め合いをタイト状態に維持できる。したがって、ベアリングのアウタレースのクリープ、及びベアリングの微振動によるケーシングの摩耗を効果的に抑制することができる。
また、上記のベアリングの固定構造では、回転軸(51)上に設置された一のギヤ(61)と、他の回転軸(52)上に設置されてギヤ(61)と噛み合う他のギヤ(62)とを備え、固定部材(30)は、一のギヤ(61)にかかる他のギヤ(62)との噛合反力を受けてベアリング(10)に発生する荷重方向の反対側に設置されており、固定部材(30)の弾性変形部(36)の弾性変形による付勢力がベアリング(10)に発生する上記の噛合反力による荷重方向と同一方向に働くように構成するとよい。
この構成によれば、ギヤの噛合反力によりベアリングに発生する荷重方向の反対側に弾性変形部を有する固定部材を設けたことで、ギヤが噛み合うときにベアリングが受ける荷重方向と同じ方向に固定部材からの荷重が作用するようになる。したがって、ギヤの噛合反力が作用している状態でも、ベアリングのアウタレースと固定部材との嵌め合いをタイト状態に維持できる。したがって、ベアリングのアウタレースが回転しようとした場合に、当該回転方向の位置ずれを抑制することができ、ベアリングのアウタレースのクリープ、及びベアリングの微振動によるケーシングの摩耗をより効果的に抑制することができる。
また、上記のベアリングの固定構造では、固定部材(30)は、板状の部材であって、固定部材(30)の弾性変形部(36)は、端辺(37)からボルト(42)に向かう方向の断面がU字型の部分であってよい。
この構成によれば、固定部材の弾性変形部を断面がU字型の部分とすることで、簡単な構成で良好な弾性作用(スプリング効果)を得ることができ、ベアリングのアウタレースと固定部材との嵌め合いをタイト状態に維持できる。したがって、ベアリングのアウタレースのクリープ、及びベアリングの微振動によるケーシングの摩耗をより効果的に抑制することができる。
また、上記のベアリングの固定構造では、ボルト(42)は、固定部材(30)をケーシング(1)に対して位置決めするための位置決め用ボルトであって、固定部材(30)をケーシング(1)に対して本固定するため固定用ボルト(43)をさらに備えてよい。
この構成によれば、固定部材をケーシングに対して固定するボルトとして、固定用ボルトに加えて位置決め用ボルトを備えたことで、ベアリングの高温時に該ベアリングの嵌め合いがルーズ状態になった際に、ベアリングの当接部が固定部材の端辺で押されてセンタリングされる。したがって、偏荷重による固定部材に対する荷重の向きのばらつきを抑制することができ、ベアリングに複数方向からの荷重がかかることによる微振動を防ぐことができる。
また、上記のベアリングの固定構造では、位置決め用ボルト(42)は、組付けガイド(42c)付きのノックボルトであってよい。この構成によれば、組付けガイド付きのノックボルトを備えることで、該ノックボルトを締め付けるだけで固定部材の位置決めを伴う位置決めノックボルトの組み付けを容易に行うことができる。したがって、固定部材の組付効率の向上、及び変速機などの組立効率の向上を図ることができる。
なお、ここでの括弧内の符号は、後述する実施形態の対応する構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかるベアリングの固定構造によれば、部品点数を少なく抑えた簡単な構成で、ベアリングのクリープ及び微振動によるケーシングの摩耗を効果的に抑制することができる。
本発明の一実施形態にかかるベアリングの固定構造でケーシングに固定されたベアリングを示す図である。 図1のA−A矢視断面を示す図である。 ベアリングのアウタレースとストッパプレートを示す斜視図である。 位置決めノックボルトを示す図である。 ストッパプレートの組付手順を説明するための図である。 ストッパプレートの組付け後の状態を説明するための図である。 組付後のベアリングにかかる荷重を説明するための図である。 組付後のベアリングにかかる荷重を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるベアリングの固定構造でケーシングに固定されたベアリングを示す図である。また、図2は、図1のA−A矢視断面を示す図である。また、図3は、ベアリングのアウタレースとストッパプレートを示す斜視図である。これらの図に示すように、本実施形態のベアリングの固定構造は、ケーシング1内に収容したベアリング10を固定するための固定構造であって、ベアリング10のアウタレース11の外周側面に形成した平面状の当接部(切欠部)12と、アウタレース11の微小回転(クリープ)及び位置ずれを防止するためのストッパプレート(固定部材)30と、ストッパプレート30をケーシング1に対して位置決め及び固定するためのノックボルト(位置決め用ボルト)42と締付ボルト(固定用ボルト)43とを備えている。
ベアリング10は、ケーシング1の内面1aに形成した収容部2に収容されるアウタレース(外輪)11と、ケーシング1内で回転する回転軸(第1回転軸)51に嵌合固定されるインナレース(内輪)13と、これらアウタレース11とインナレース13との間に介在するボール(転動体)15とを有するボールベアリングである。ケーシング1の収容部2は、アウタレース11の外周形状に沿う円形の凹部である。アウタレース11の外周側面には、円周面状の一部を平面状に切り欠き(面取り)してなる当接部12が形成されている。当接部12の面は、ベアリング10の軸線に平行で径方向の外方を向いている。
ストッパプレート30は、金属製の板状部材からなり、ケーシング1に固定される細片状の基部31と、該基部31の一端から鋭角方向に延伸する細片状の押え片35とを一体に備え、全体が略L字型に形成された部材である。そして、基部31には、ノックボルト42を挿通するための第1挿通穴(挿通部)32と、締付ボルト43を挿通するための第2挿通穴33とが形成されている。第1挿通穴32は、基部31の長手方向の一端側(押え片35の側)に形成されており、第2挿通穴33は、基部31の長手方向の他端側(押え片35と反対側)に形成されている。また、押え片35には、その長手方向の中間部に設けたバネ形状部(弾性変形部)36と、先端(基部31と反対側の端部)に設けた平面状の先端辺37とを備える。バネ形状部36は、先端辺37からノックボルト42(第1挿通穴32)に向かう方向の断面(図1のA−A断面)が上向きに凸となる略U字型に湾曲形成された部分である。押え片35は、先端辺37に押圧荷重を受けると、バネ形状部36がその弾性力に抗して縮むことで先端辺37を押し返す反力が発生する。なお、押え片35の幅方向の中心線は、ノックボルト42の中心を通っている。
図4は、ノックボルト42を示す図である。同図に示すように、ノックボルト42は、締結用の工具を係合させる多角形状の頭部42aと、ネジ溝及びネジ山が形成されたタップ部42dと、これら頭部42aとタップ部42dとの間に形成されたノック部42b及びガイドテーパ部(組付けガイド部)42cを備えている。ノック部42bは、頭部42aの直下に形成されてタップ部42dよりも径寸法の大きな部分で、該ノック部42bの外周面には、ネジ溝及びネジ山が形成されていない。また、ガイドテーパ部42cは、ノック部42bとタップ部42dとの間に形成された傾斜状の外周側面を有する部分で、タップ部42dからノック部42bに向けて径寸法が次第に大きくなるように形成されている。
図1乃至図3に示すように、ノックボルト42及び締付ボルト43によってストッパプレート30の基部31がケーシング1に固定される。これにより、ストッパプレート30の押え片35の先端辺37がケーシング1の収容部2に収容したベアリング10のアウタレース11に設けた当接部12に押し当てられた状態となり、ベアリング10のアウタレース11が回転止めを施された状態で固定される。
ストッパプレート30の組付手順について説明する。図5は、ストッパプレート30の組付手順を説明するための図である。ストッパプレート30を組み付けるには、ベアリング10をケーシング1の収容部2に収容した状態で、ストッパプレート30の基部31をノックボルト42及び締付ボルト43でケーシング1に固定する。
ノックボルト42を締結する際、図5(a)に示すように、ストッパプレート30の第1挿通穴32がノックボルト42のガイドテーパ部42c及びノック部42bに当接するよりも前に、ノックボルト42のタップ部42dとケーシング1のネジ孔3との螺合が開始される。これにより、ノックボルト42がネジ孔3に螺合していることでノックボルト42の位置ずれが生じないため、ストッパプレート30の先端辺37とベアリング10の当接部12との当接がタイト状態であっても、ノックボルト42を締結してゆくに従ってストッパプレート30の第1挿通穴32がノックボルト42のガイドテーパ部42cによってガイドされることで、バネ形状部36が撓み(縮み)ながらストッパプレート30が装着されてゆく。
そして、図5(b)に示すように、ストッパプレート30の第1挿通穴32がノックボルト42のノック部42bに掛かる。その後、ノックボルト42のガイドテーパ部42cがケーシング1のネジ孔3の開口端に形成したテーパ部3aでガイドされ、図5(c)に示すように、ノック部42bがケーシング1に掛かる。したがって、図5(d)に示すように、ノックボルト42の締め付けを行うだけで、ストッパプレート30の先端辺37をアウタレース11の当接部12にタイト状態で当接させてストッパプレート30をケーシング1に固定できる。このように、ガイドテーパ部(組付けガイド部)42c付きのノックボルト42を用いることによって、当該ノックボルト42を締め付けるだけでストッパプレート30の組み付けを容易に行うことができる。
図6は、ストッパプレート30の組付け後の状態を説明するための図で、(a)は、組付け直後の状態、(b)は、組付け後にストッパプレート30及びベアリング10が高温になったときの状態を示す図である。また、(a),(b)それぞれにおいて、(i)は、ストッパプレート30の平面図であり、(ii)は、ストッパプレート30の変形及び荷重を模式的に示す図である。ケーシング1にストッパプレート30を組み付ける際、アウタレース11の当接部12の向きにばらつきが発生する。そのため、ストッパプレート30の組付けによるベアリング10の固定直後には、図6(a)に示すように、ストッパプレート30の先端辺37の面の向きと、ベアリング10の当接部12の面の向きとが一致していない場合がある。この場合、ストッパプレート30のバネ形状部36が弾性変形することで、ストッパプレート30の先端辺37の面と当接部12の面とを一致させて当接部12をセンタリングさせるような偏荷重(Fa1、Fa2)が発生する。そして、回転軸51(図1参照)の回転によってベアリング10及びストッパプレート30が高温になると、ベアリング10の当接部12とストッパプレート30の先端辺37との当接がルーズ状態となる。これにより、上記の偏荷重Fa1,Fa2によって、図6(b)に示すように、ストッパプレート30の先端辺37の面とベアリング10の当接部12の面とが一致するように当接部12がセンタリングされる。これにより、ストッパプレート30からベアリング10に係る荷重が一方向の一定の荷重Faのみとなる。
このように、本実施形態では、ストッパプレート30の固定をノックボルト42と締付ボルト43の二箇所で行うようにしたことで、高温時にベアリング10の当接部12とストッパプレート30の先端辺37との当接がルーズ状態になった際に、ベアリング10の当接部12にストッパプレート30の先端辺37が押し当てられてベアリング10のアウタレース11がセンタリングされる。これにより、偏荷重によるストッパプレート30にかかる荷重の向きのばらつきを抑制でき、複数の方向からの荷重がかかることによるベアリング10の微振動を効果的に防止できる。
図7及び図8は、組付後のベアリング10にかかる荷重を説明するための図で、図7は、ベアリング10及びストッパプレート30を示す図、図8は、ベアリング10にかかる荷重を模式的に示す図である。また、図8(a)は、本実施形態の固定構造で固定したベアリング10を示す図で、(b)は、従来の固定構造で固定するベアリング10を示す図である。本実施形態の固定構造で固定したベアリング10を備える変速機は、図7に示すように、ベアリング10を取り付けている第1回転軸51上の第1ギヤ(一のギヤ)61と、第1回転軸51と平行に配置された第2回転軸52と、第2回転軸52上に設けられて第1ギヤ61と噛み合う第2ギヤ(他のギヤ)62とを備える。第1ギヤ61の回転方向R1は、図示の反時計回り方向であり、第2ギヤ62の回転方向R2は、図示の時計回り方向である。そして、第1ギヤ61と第2ギヤ62との噛合点Pで発生する反力によって、ベアリング10には、同図に示すベアリング荷重Fbが発生する。また、ストッパプレート30の先端辺37からベアリング10の当接部12に対して、同図に示すストッパ荷重Faが発生する。
すなわち、本実施形態の固定構造によれば、ベアリング10が受ける荷重Fbの作用する向きと反対側にストッパプレート30を取り付けていることで、図8(a)に示すように、第1回転軸51からベアリング10が受ける荷重Fbの大きさが変化しても、ストッパプレート30からベアリング10にかかる荷重Faでベアリング10が常に同じ方向に押し付けられる。したがって、高温時にケーシングの収容部2に対するベアリング10の嵌合いがルーズ状態になっても、ベアリング10(アウタレース11)が受ける荷重Fbによる微振動を抑制することができ、ケーシング1の摩耗を防ぐことができる。
これに対して、ベアリング10が受ける荷重Fbの作用する向きと反対側以外の箇所にストッパプレートを取り付けている構成(従来構成)では、図8(b)に示すように、第1回転軸51から受けるベアリング10の荷重Fbの大きさが変化すると、ストッパプレートからベアリング10にかかる荷重Fa´でベアリング10(アウタレース11)が荷重方向に動いてしまう。これにより、ベアリング10に微振動が生じる懸念がある。
以上説明したように、本実施形態のベアリング10の固定構造では、ベアリング10のアウタレース11の外周側面に形成された径方向の外方を向く平面状の当接部12と、当接部12に対向する平面状の端辺37と該端辺37の内側で弾性変形可能に構成したバネ形状部(弾性変形部)36とを有するストッパプレート(固定部材)30と、ストッパプレート30に設けた第1挿通穴32に挿通されてケーシング1に締結されるノックボルト42と、を備え、バネ形状部36は、ストッパプレート30における先端辺37と挿通穴32との間に配置されて、弾性変形(伸縮変形)によって先端辺37とノックボルト42との間の寸法を変更可能である。そして、バネ形状部36による弾性力で先端辺37がアウタレース11の当接部12に押し当てられた状態で当接している。
本実施形態のベアリングの固定構造によれば、ストッパプレート30にバネ形状部(弾性変形部)36を設け、バネ形状部36による弾性力で平面状の先端辺37がアウタレース11の当接部12に押し当てられた状態で当接していることで、ストッパプレート30の先端辺37とベアリング10の当接部12との間のクリアランスを無くすことができ、ベアリング10の組み付けガタを無くすことができる。特に、アルミニウム製のケーシング1と鉄製のベアリング(アウタレース11)10との組み合わせによる固定構造では、高温時にベアリング10の嵌め合いがルーズ状態となった場合でも、ストッパプレート30のバネ形状部36による弾性作用(スプリング効果)によって、ベアリング10のアウタレース11とストッパプレート30との嵌め合いをタイト状態に維持できる。したがって、ベアリング10のアウタレース11のクリープ、及びベアリング10の微振動によるケーシング1の摩耗を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態のベアリングの固定構造では、ベアリング10は、変速機のケーシング1内に設置されるベアリング10であって、回転軸51上に設置された第1ギヤ61と、他の回転軸52上に設置されて第1ギヤ61と噛み合う第2ギヤ62とを備え、ストッパプレート30は、第1ギヤ61にかかる第2ギヤ62との噛合反力を受けてベアリング10に発生する荷重Fbの作用する向き(方向)の反対側に設置されている。これにより、ストッパプレート30のバネ形状部36の弾性変形による荷重(付勢力)Faがベアリング10に発生する荷重Fbと同一方向に働くように構成している。
この構成によれば、ギヤ61,62が噛み合うときにベアリング10が受ける荷重方向と同じ方向にストッパプレート30からの荷重が作用するようになる。したがって、ギヤ61,62の噛み合い反力が作用している状態でも、ベアリング10のアウタレース11とストッパプレート30との嵌め合いをタイト状態に維持できる。これにより、ベアリング10のアウタレース11が回転しようとした場合に、当該回転方向の位置ずれを抑制することができ、ベアリング10のアウタレース11のクリープ、及びベアリング10の微振動によるケーシング1の摩耗をより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態のベアリングの固定構造では、ストッパプレート30は、板状の部材であって、ストッパプレート30のバネ形状部36は、先端辺37からノックボルト42に向かう方向の断面がU字型の部分である。
これによれば、簡単な構成で良好な弾性作用(スプリング効果)を得ることができ、ベアリング10のアウタレース11とストッパプレート30との嵌め合いをタイト状態に維持できる。したがって、ベアリング10のアウタレース11のクリープ、及びベアリング10の微振動によるケーシング1の摩耗をより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態のベアリングの固定構造では、ストッパプレート30をケーシング1に対して位置決めするための位置決め用ボルトとしてのノックボルト42と、ストッパプレート30をケーシング1に対して本固定するため固定用ボルトとしての締付ボルト43との2個のボルトでストッパプレート30をケーシング1に取り付けている。
この構成によれば、ストッパプレート30をケーシング1に取り付けるためのボルトとして、本固定用の締付ボルト43に加えて位置決め用のノックボルト42を備えたことで、ベアリング10の高温時に該ベアリング10の嵌め合いがルーズ状態になった際に、ベアリング10の当接部12がストッパプレート30の先端辺37で押されてセンタリングされる。したがって、ストッパプレート30からベアリング10にかかる荷重の向きのばらつきを抑制することができ、ベアリング10に複数方向からの荷重がかかることによる微振動を防ぐことができる。
また、本実施形態のベアリングの固定構造では、位置決め用のノックボルト42は、ガイドテーパ部(組付けガイド)42c付きのノックボルトである。この構成によれば、ノックボルト42を締め付けるだけでストッパプレート30の位置決めを伴うノックボルト42の組み付けを容易に行うことができる。したがって、ストッパプレート30の組付効率の向上、及び変速機などの組立効率の向上を図ることができる。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、本発明にかかる固定構造で固定するベアリングは、上記実施形態に示すボールベアリングには限らず、ニードルベアリングなど他の種類のベアリングであってもよい。
1 ケーシング
2 収容部
3 ネジ孔
3a テーパ部
10 ベアリング
11 アウタレース
12 当接部
13 インナレース
30 ストッパプレート(固定部材)
31 基部
32 第1挿通穴(第1挿通部)
35 押え片
36 バネ形状部(弾性変形部)
37 先端辺(端辺)
42 ノックボルト(位置決め用ボルト)
42a 頭部
42b ノック部
42c ガイドテーパ部(組付けガイド部)
42d タップ部
43 締付ボルト(固定用ボルト)
51 第1回転軸
52 第2回転軸
61 第1ギヤ(一のギヤ)
62 第2ギヤ(他のギヤ)

Claims (1)

  1. 回転軸をケーシングに対して回転自在に支持するためのベアリングの固定構造であって、
    前記ベアリングのアウタレースの外周側面に形成された径方向の外方を向く平面状の当接部と、
    前記当接部に対向する平面状の端辺と該端辺の内側で弾性変形可能に構成した弾性変形部とを有する固定部材と、
    前記固定部材に設けた挿通部に挿通されて前記ケーシングに締結されるボルトと、を備え、
    前記弾性変形部は、前記固定部材における前記端辺と前記挿通部との間に配置されて、
    弾性変形によって前記端辺と前記ボルトとの間の寸法を変更可能であり、
    前記弾性変形部の弾性力で前記固定部材の前記端辺が前記アウタレースの前記当接部に押し当てられた状態で当接している
    ことを特徴とするベアリングの固定構造。
JP2013118354A 2013-06-04 2013-06-04 ベアリングの固定構造 Expired - Fee Related JP5886791B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013118354A JP5886791B2 (ja) 2013-06-04 2013-06-04 ベアリングの固定構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013118354A JP5886791B2 (ja) 2013-06-04 2013-06-04 ベアリングの固定構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014234911A JP2014234911A (ja) 2014-12-15
JP5886791B2 true JP5886791B2 (ja) 2016-03-16

Family

ID=52137760

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013118354A Expired - Fee Related JP5886791B2 (ja) 2013-06-04 2013-06-04 ベアリングの固定構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5886791B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10122248A (ja) * 1996-10-14 1998-05-12 Howa Mach Ltd 回転軸の軸受支持構造及び電動機
JP4856509B2 (ja) * 2006-09-29 2012-01-18 本田技研工業株式会社 変速装置
JP5694879B2 (ja) * 2011-08-10 2015-04-01 本田技研工業株式会社 変速機の軸受支持構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014234911A (ja) 2014-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6027946B2 (ja) インパクトレンチ
JP4870978B2 (ja) オートテンショナ
JP6774859B2 (ja) オートテンショナ
US7124868B2 (en) One-way clutch device and method for manufacturing the same
JP5136010B2 (ja) 回転支持装置及び回転支持装置用転がり軸受ユニット
JP2009030794A5 (ja)
JP5886791B2 (ja) ベアリングの固定構造
JP5877084B2 (ja) ベアリング固定構造
JP2005265099A (ja) 複列玉軸受
JP6576901B2 (ja) ボルト・ナットの弛み止め構造
JP2008151216A (ja) スラストころ軸受
JP2005248985A (ja) 転がり軸受一体型一方向クラッチの固定構造
JP2011094727A (ja) 転がり軸受のクリープ防止装置
JP2011007289A (ja) 分割軸受及び結合治具
EP2881603A1 (en) A bearing arrangement, a motor with a bearing arrangement, and a method for preventing rotation of an outer bearing ring
JP7043778B2 (ja) 回転支持部
JP2014156156A (ja) ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット
JP2016056945A (ja) 軸受装置、軸受装置用固定プレート、及び軸受装置の製造方法
JP2014104908A (ja) ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット
JP5703955B2 (ja) 取付板付転がり軸受ユニット
JP6215601B2 (ja) ボルト・ナットの弛み止め構造
JP6231796B2 (ja) ボルト・ナットの弛み止め構造
JP2010025013A (ja) カムシャフト装置
JP2007016863A (ja) 針状ころ軸受
JP5953713B2 (ja) スラストレースとレース付スラストころ軸受及び回転支持装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150319

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150804

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150930

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5886791

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees