JP5885515B2 - Rh真空脱ガス装置の終点判定方法 - Google Patents

Rh真空脱ガス装置の終点判定方法 Download PDF

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本発明は、RH真空脱ガス装置の終点判定方法に関する。
従来より、転炉等で脱炭処理した溶鋼は二次精錬工程へ搬送され、二次精錬工程にてさらに真空脱ガス装置などで真空脱ガス処理(精錬処理)が行われている。真空脱ガス装置で精錬処理を繰り返すと、真空脱ガス装置内に施工した耐火物の溶損が進み残厚が少なくなる。
真空脱ガス装置では、耐火物を出来るだけ使い切った時点で、当該真空脱ガス装置の整備(炉修)を行うことが望まれているため、精錬処理が終わった時点で耐火物の残厚を予測し、予測した耐火物の残厚が小さいと、真空脱ガス装置に終点(炉修を実施する時期)が来たと判断している。真空脱ガス装置内の耐火物の残厚を予測するような技術として、例えば、特許文献1に示すものがある。
特許文献1では、ウェア耐火物におけるパーマネント耐火物側の面又はウェア耐火物の内部に温度計を設置し、温度計の設置位置を同じとした複数の炉代について、各炉代ごとに温度計により測定した窯炉設備の任意の精錬処理回数の精錬処理終了時における測定温度とウェア耐火物の残厚の実測値のデータをデータベースとして求め、測定温度と残厚の実測値との関係を表す温度残厚関係データを予め構築することによって、耐火物の残厚を正確に求めることができるようにしている。
この他に、耐火物の残厚を求める技術ではないものの、真空脱ガス装置などの容器に関する技術が特許文献2〜4に開示されている。
特開2010−281515号公報 特開平10−287914号公報 特開2008−121069号公報 特許4653665号公報
上述した特許文献1では、温度計を用いて測定温度と耐火物の残厚との関係をデータベース化することによって測定温度と耐火物の残厚との関係を正確に求めようとするものである。しかしながら、この技術では、局所的な耐火物の溶損状態は把握できるものの、広範囲、例えば、高さ方向や周方向の耐火物の溶損状態は把握することが困難であり、測定温度から適正に真空脱ガス装置の終点を判定することは難しいのが実情である。また、他の特許文献2〜3を見ても、適正に真空脱ガス装置の終点を判断することが難しい。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、真空脱ガス装置(RH装置)の終点を適正に判定することによって当該真空脱ガス装置の高寿命化を図ることができる方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、外殻である鉄皮の内側に断熱シートが設けられ、前記断熱シートの内側にパーマ煉瓦としてマグクロ煉瓦が設けられ、前記パーマ煉瓦の内側にウェア煉瓦としてマグカーボン煉瓦又はマグクロ煉瓦が設けられた筒状の真空槽を備えたRH真空脱ガス装置の終点を判定するに際し、前記真空脱ガス装置での精錬処理の終了後、20分以上25分以下となる間に、前記真空槽の鉄皮の温度を測定することとし、前記真空槽の槽底から850〜1450mmの範囲であり且つ円周方向の45〜135度又は225〜315度の範囲の鉄皮の温度が400℃以上となったときに、真空脱ガス装置が終点に達したと判断することを特徴とする。
本発明によれば、真空脱ガス装置(RH装置)の終点を適正に判定することができ、当該真空脱ガス装置の高寿命化を図ることができる。
真空脱ガス槽の全体図である。 真空槽(下部槽)の詳細図である。 精錬処理後の経過時間と、鉄皮温度との関係図である。 真空槽の槽底からの高さと溶損速度との関係図である。 温度測定範囲を示す図である。 温度測定範囲(角度)と平均溶損速度との関係図である。 鉄皮温度と残厚との関係図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
一般的に、製鋼工程では、転炉等で脱炭処理した溶鋼を二次精錬工程へ搬送して、二次精錬工程にてさらに精錬を行っている。本発明では、例えば、二次精錬工程で行われる溶鋼の真空脱ガス処理において、当該真空脱ガス処理を行う真空脱ガス装置の終点(真空槽内の耐火物の張り替え等を行う炉修を実施する時期)の判定方法を規定するものである。なお、真空脱ガス装置の終点を判定するものであれば、二次精錬工程に限定されない。
図1は真空脱ガス装置の全体図であり、図2は真空脱ガス装置に設けられる真空槽の詳細図である。まず、真空脱ガス装置について詳しく説明する。
図1に示すように、真空脱ガス装置(RH装置)1は、溶鋼2が装入される取鍋3と、真空状態となって溶鋼2内の脱ガスを行う真空槽4とを有している。取鍋3は、転炉の出鋼時に用いられた取鍋と同一のものであって、真空槽4の直下に配置されるようになっている。真空槽4の下部には、取鍋3内の溶鋼2に浸漬させる2本の浸漬管6、6が設けられており、この浸漬管6、6の一方にはArガス等の不活性ガスを吹き込む吹き込み口が設けられている。真空槽4の上部には、当該真空槽4のガスを排気する排気口7が設けられている。
詳しくは、真空槽4は、筒状に形成されたもので、上下分離型となっており、環流管5、5が設けられた下部槽10と、排気口7が設けられた上部槽11とから構成されている。
さて、真空脱ガス装置1を用いて精錬するにあたっては、まず、下部槽10の下端に設けた浸漬管6、6を取鍋内の溶鋼2に浸漬する。そして、吹き込み口から不活性ガスを吹き込むと共に、排気口7から真空槽4のガスを排気して真空槽4内を略真空状態したうえで、溶鋼2を真空槽4と取鍋3との間で循環させ、溶鋼2内に存在する水素等のガス成分を除去する精錬処理を行う。
溶鋼2を循環させたとき、スラグの一部が下部槽10に入り、下部槽10内の耐火物13とスラグ等との接触により内部に設けられた耐火物が溶損する。耐火物の溶損が進むと、真空脱ガス装置1の整備(炉修)を行わなければならないため、真空脱ガス装置1は終点と判定される。つまり、真空脱ガス装置1を用いて精錬処理を行った場合、下部槽10内の耐火物が溶損していき、当該耐火物が真空脱ガス装置1の終点の律速となる。以下の説明では、下部槽10を中心に真空脱ガス装置1の終点の判定について説明する。
図2に示すように、下部槽10は、主に、外側(外殻)を形成する円筒状の鉄皮12と、この鉄皮12の内側(稼働面側)に設けられた断熱シート15と、この断熱シート15の内側に施工された耐火物13とから構成されている。断熱シート15は、セラミックシートで構成されている。断熱シート15は、耐火物13を施工する際に、当該耐火物13と鉄皮12との間に隙間を生じることを防いだり、耐火物13の膨張代となるためのものであり、このような作用を満たすものであれば、材質はどのようなものであってもよい。
断熱シート15の内側には、下部槽10内に施工する1つ目の耐火物13として複数のパーマ煉瓦13aが施工されている。詳しくは、下部槽10における鉄皮12の下側には、筒状の2つの環流管5、5が所定の間隔を置いて固定され、この環流管5、5の外側面から上方に向けて鉄皮12の上端に至るまで、各パーマ煉瓦13aが鉄皮12の内側に沿
って積み上げられている。
パーマ煉瓦13aの内側には、下部槽10内に施工する2つ目の耐火物13として複数のウェア煉瓦13bが施工されている。詳しくは、環流管5、5の上端部から上方に向けて鉄皮12の上端(最上段のパーマ煉瓦13a)に至るまで、各ウェア煉瓦13bがパーマ煉瓦13aの内側に沿って積み上げられている。
パーマ煉瓦13aとしては、MgOが60質量%以上、Crが16.5質量%以上を含むマグクロ煉瓦が用いられている。ウェア煉瓦13bとしては、MgOが90質量%以上、Cが6質量%以上を含むマグカーボン煉瓦、又は、マグクロ煉瓦が用いられている。なお、パーマ煉瓦13aやウェア煉瓦13bに用いられるマグクロ煉瓦、マグカーボン煉瓦は当業者常用の耐火物13である。
次に、真空脱ガス装置1の終点判定方法について詳しく説明する。
[鉄皮温度の測定タイミングについて]
真空脱ガス装置1の終点判定を行うにあたっては、まず、溶鋼2を貫流して精錬処理(成分調整、脱ガス処理)を行った後、精錬処理の終了してから、20〜25分を経過するまでに(20分以上25分以下となる間)、真空槽4の鉄皮12の温度を測定し、内部の耐火物13の溶損状態を判定することとしている。
詳しくは、精錬処理が終わり、吹き込み口への不活性ガスの吹き込みを終了して浸漬管6、6を溶鋼2から引き抜いた後、20分以上25分以内に、外側から下部槽10の鉄皮の温度(鉄皮温度)を測定する。図3に示すように、精錬処理の終了後の鉄皮温度を見てみると、鉄皮温度は徐々に上昇していき、20〜25分の間でピークとなり、25分を超えると自然冷却等により低下する傾向にある。これから分かるように、鉄皮温度を適切に測定するためには、鉄皮温度がピーク値となる20〜25分の間で測定することが必要である。
なお、鉄皮温度の測定は、サーモビューアを用いて行う。本実施形態では、表1に示すように、熱電対などの接触温度計で鉄皮12を測定した温度と同じとなるように、サーモビューアの放射率を0.97に設定した。サーモビューアを用いて鉄皮温度を測定する場合、当然の如く、鉄皮12の表面の状態に応じて放射率を変更する必要があり、放射率は上述したものに限定されない。
[鉄皮の測定部分について]
図4は、槽底からの高さと耐火物の溶損速度との関係を示したものである。下部槽10において、高さ方向における耐火物13(ウェア煉瓦13b)の溶損速度を考える。
図4に示すように、槽底から850mm未満の箇所の耐火物の溶損速度は最大でも1.1mm/chである。槽底から850mmを超えると溶損速度は一挙に増加して1.8mm/chとなる。つまり、槽底から850mmを超える箇所では、耐火物の溶損速度は急激に上昇していて、溶損が進む部分であるため、本発明では、槽底から850以上mmの範囲の鉄皮12の温度を測定して、その範囲にある耐火物13の溶損状態を把握することとしている。
一方、槽底から850mm以上であっても、槽底から1450mmを超えると、急激に溶損速度は低下し1.1mm/ch以下となる。つまり、槽底から850mm〜1450mmの範囲にある耐火物13が溶損し易いため、本発明では、槽底から850mm〜14
50mmの範囲の鉄皮12の温度を測定して、その範囲にある耐火物13の溶損状態を把握することとしている。なお、下部槽10の鉄皮12において、当該鉄皮12が径内方向に絞られ、環流管5、5と鉄皮12とが最も近くなる基点部(屈曲部)16を槽底としている。また、上述したように、槽底から850mm〜1450mmの範囲は、溶損が進む部分であるため、耐火物(ウェア煉瓦)の厚みを他の部分よりも大きくすることが好ましい。
図5は、下部槽を断面した断面図と、鉄皮温度を測定する測定範囲(角度範囲)との関係を示したものである。図6は、測定箇所と耐火物の溶損速度との関係を示したものである。
下部槽10において、その周方向における耐火物13(ウェア煉瓦13b)の溶損速度を考える。図5に示すように、下部槽10の水平断面を考え、その断面を上面視したとき、下部槽10の中心及び一対の環流管5、5の中心を通るラインをy軸とし、下部槽10の中心を通り且つy軸と直交するラインをx軸とし、y軸において一方側(紙面上側)を0度とし、他方側(紙面下側)を180度とする。なお、時計回りに角度が増加するものとする。
図5に示すように、断面視における耐火物13の位置を定義し、各箇所での溶損速度を見たとき、図6に示すように、円周方向に0〜45度未満の範囲にある耐火物の溶損速度は最大でも1.5mm/chである。一方、45度を超えて135度までの耐火物の溶損速度は、一挙に増加して少なくとも1.7mm/chを超える。135度を超えて180度に至る範囲の耐火物の溶損速度は、一挙に低下して1.5mm/ch未満となる。
このように、下部槽10の耐火物13を断面視し、半分である0〜180度の溶損速度を見たとき、周方向に45〜135度の耐火物の溶損速度は、他の部分に比べて非常に大きく、溶損が進む部分である。そのため、本発明では、周方向に45〜135度の範囲にある鉄皮12の温度を測定して、その内部の耐火物13の溶損状態を把握することとしている。
同様に、下部槽10の耐火物13を断面視して残り半分である180〜360度の溶損速度を見たとき、45〜135度の範囲と対照となる225〜315度における耐火物13についても、その溶損速度は、他の部分に比べて非常に大きい。そのため、本発明では、周方向に225〜315度の範囲にある鉄皮12の温度も測定して、その内部の耐火物13の溶損状態を把握することとしている。
図5に示すように、環流管5、5を用いて溶鋼2を貫流したとき、環流管5、5の左右両側、即ち、y軸を基準とすると、y軸から離れた部分(左右両側)にスラグが移動し易いため、45〜135度の範囲や225〜315度の範囲の耐火物13が溶損し易いと考えられる。言い換えれば、y軸方向を貫流方向とすると、y軸方向と直交する反貫流側(左右両側)における耐火物13の溶損が早い。
つまり、本発明では、真空脱ガス装置1の精錬処理の終了後、20分以上25分以下となる間に、下部槽10の鉄皮温度を測定することとし、下部槽10の槽底から850〜1450mmの範囲であり且つ円周方向の45〜135度又は225〜315度の範囲の鉄皮温度を測定することによって、真空脱ガス装置1の終点を判断することとしている。
図7は、鉄皮温度と、耐火物13の残厚との関係をまとめたものである。
図7に示すように、鉄皮温度が低い場合、耐火物13の残厚は大きい、一方で、鉄皮温度が400℃以上になると、多少のバラツキがあるものの、残厚が0mmとなる場合がある。そのため、本発明では、鉄皮温度を測定したとき、その鉄皮温度が400℃以上となっている場合には、耐火物13の残厚は殆ど無いものとして、真空脱ガス装置1の終点が到来したと判断することとしている。詳しくは、槽底から高さ方向に850〜1450mmの範囲で且つ円周方向の45〜135度の範囲にある鉄皮温度の分布を見たとき、鉄皮温度の最高値が400℃以上となる箇所があれば、真空脱ガス装置1の終点が到来したと判断する。
また、槽底から高さ方向に850〜1450mmの範囲で且つ円周方向の225〜315度の範囲にある鉄皮温度の分布を見たとき、鉄皮温度の最高温度が400℃以上となる
箇所があれば、真空脱ガス装置1の終点が到来したと判断する。
つまり、45〜135度の範囲、或いは、225〜315度の範囲のいずれか一方でも、鉄皮温度の最高温度が400℃以上になると、真空脱ガス装置1の終点が来たと判断して、真空脱ガス装置1を整備することとしている。
表2は、本発明の真空脱ガス装置1の終点判定方法を行った実施例と、本発明とは異なる方法で終点判定を行った比較例とをまとめたものである。
実施例及び比較例の実施条件は次の通りである。
断熱シート15として、690mm(高さ)×370mm(幅)×10mm(厚み)、又は、670mm(高さ)×370mm(幅)×10mm(厚み)のセラミックシートを用いた。また、MgOを77質量%、SiOを3質量%、Igrを20質量%を含有しているセラミックシートを用いた。
パーマ煉瓦13aとして、230mm(高さ)×110〜120mm(幅)×50mm(厚み)の矩形状のマグクロ煉瓦を用いた。パーマ煉瓦13aとして用いたマグクロ煉瓦の組成は、MgOが60質量%以上、Crが17質量%以上、その他が23質量%以下のものを用いた。なお、その他とは、Al、SiO、Feである。
ウェア煉瓦13bとして、100〜150mm(高さ)×80〜130mm(幅)×400〜600mm(厚み)の台形状のマグクロ煉瓦を用いた。ウェア煉瓦13bとして用いたマグクロ煉瓦の組成は、MgOが50質量%以上、Crが30質量%以上、その他が20質量%以下のものを用いた。その他とは、Al、SiO、Feである。
なお、ウェア煉瓦13bとして台形状のマグカーボン煉瓦を用いる場合は、MgOは90質量%以上、Cは6質量%以上、その他が4質量%以下を用いる。その他とは、Al、Feである。
鉄皮温度の測定は、CHINO製、型番CPA2200のサーモビューアを用いた。放射率は、接触温度計とサーモビューアによる測定結果が一致する0.97としている。このことは、例えば、伝熱光学資料改訂第4版、粗鋼板の測定例、p184、図1(b)、丸善株式会社、1986年発行)に記載された数値と同じである。
精錬処理の溶鋼2量を250t/ch、最大環流速度を168〜235t/min、最大ガス流量を2500〜5000Nl/minとした。下部槽10の鉄皮12の厚みは28mm、高さは2100mm〜2700mm、直径は3000〜3300mmである。
実施例及び比較例において、測定場所の高さの欄では、最も鉄皮温度が高い箇所の高さ位置を示しており、測定場所の平面の欄では、最も鉄皮温度が高い箇所の位置を角度で示している。
実施例では、測定時間の欄に示すように精錬処理終了後の20〜25分を経過するまでに鉄皮12の温度を測定しており、測定場所の高さの欄に示すように槽底から850〜1450mmの範囲の鉄皮12であって、測定場所の平面の欄に示すように円周方向の45〜135度或いは225〜315度の範囲の鉄皮12における鉄皮12の温度が、400℃以上となっているため、ウェア煉瓦13bを残厚(実測値)が0mmになるまで使用することができた。また、実験結果の欄に示すように、鉄皮12に穴があくようなことは全く発生することがなかった。
つまり、真空脱ガス装置1にて精錬処理を行った場合、精錬処理の回数(処理回数)が増加するに従い、ウェア煉瓦13bは溶損して薄くなっていくが、本発明では、上述したように、ウェア煉瓦13bの残厚が零になった時点で、真空脱ガス処理の終点と判定できているため、高寿命で停炉させることができる。
一方、比較例1〜3では、測定時間や測定場所は本発明で規定した条件を満たすものの、鉄皮温度が400℃未満で終点が来たと判定しているため、ウェア煉瓦13bの残厚が大きく、高寿命とすることができなかった。また、比較例4〜6及び9、10では、測定時間や測定場所が本発明で規定した条件を満たさないだけでなく、鉄皮温度が400℃未満で終点が来たと判定しているため、ウェア煉瓦13bの残厚が大きく、高寿命とすることができなかった。比較例7では、鉄皮温度が400℃以上で終点と判定しているものの、測定時間や測定場所が本発明で規定する条件を満たしていないため、ウェア煉瓦13bの残厚が大きく、高寿命とすることができなかった。比較例8では、前ch測定実施有無の欄に示すように、鉄皮温度を測定していないため、鉄皮12に穴があくまで使用してしまう結果となった。
以上、本発明によれば、適正な時間(精錬終了後20〜25分を経過する間)、適正な箇所(高さ方向では850〜1450mm、円周方向では45〜135度又は225〜315度の範囲)の鉄皮温度に着目して、その温度が適正な温度(400℃以上)となったときに、真空脱ガス装置1の終点をしているので、耐火物13を最後まで使用した状態で当該真空脱ガス装置1を整備に出すことができ、真空脱ガス装置1の高寿命化を図ることができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 真空脱ガス装置
2 溶鋼
3 取鍋
4 真空槽
5 環流管
6 浸漬管
7 排気口
10 下部槽
11 上部槽
12 鉄皮
13 耐火物
13a パーマ煉瓦
13b ウェア煉瓦
15 断熱シート

Claims (1)

  1. 外殻である鉄皮の内側に断熱シートが設けられ、前記断熱シートの内側にパーマ煉瓦としてマグクロ煉瓦が設けられ、前記パーマ煉瓦の内側にウェア煉瓦としてマグカーボン煉瓦又はマグクロ煉瓦が設けられた筒状の真空槽を備えたRH真空脱ガス装置の終点を判定するに際し、
    前記真空脱ガス装置での精錬処理の終了後、20分以上25分以下となる間に、前記真空槽の鉄皮の温度を測定することとし、
    前記真空槽の槽底から850〜1450mmの範囲であり且つ円周方向の45〜135度又は225〜315度の範囲の鉄皮の温度が400℃以上となったときに、真空脱ガス装置が終点に達したと判断することを特徴とするRH真空脱ガス装置の終点判定方法。
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