JP2004256881A - 真空脱ガス槽の浸漬管 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、寿命が従来より長い真空脱ガス槽の浸漬管を提供することを目的としている。
【解決手段】外側円筒鉄板、内側円筒鉄板及び底板からなり、内部に冷却ガスを流す芯金を内蔵し、その周囲を耐火物で覆った真空脱ガス槽の浸漬管である。そして、外側円筒鉄板及び/又は内側円筒鉄板の冷却ガス流路側の壁面に、鉛直方向に延伸したフィンを複数個設けるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】外側円筒鉄板、内側円筒鉄板及び底板からなり、内部に冷却ガスを流す芯金を内蔵し、その周囲を耐火物で覆った真空脱ガス槽の浸漬管である。そして、外側円筒鉄板及び/又は内側円筒鉄板の冷却ガス流路側の壁面に、鉛直方向に延伸したフィンを複数個設けるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空脱ガス槽の浸漬管に係わり、詳しくは、該浸漬管の溶損を抑制するための構造改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、鋼材の高級化を求める要求が高まり、従来の転炉や電炉による精錬だけでは、その要求を実現することができなくなった。そして、かかる事情に対処するため、転炉や電炉から出鋼した溶鋼の組成をさらに厳密に調整したり、有害不純物成分を一層低減する技術(炉外精錬とか二次精錬と称する)が開発され、実用化されている。特に、減圧下で溶鋼の脱ガス、成分調整、脱炭、脱酸等を行う真空精錬は、その効果が大きく多用されている。
【0003】
その一つに、真空脱ガス槽を利用する技術がある。例えば、所謂RH方式の真空脱ガス槽を用いる場合で説明すると、図3に示すように、取鍋1に保持した溶鋼2へ、それぞれ上昇管3及び下降管4と称する二本の浸漬管を備え、一定内容積を有する槽6をセットし、該浸漬管を介して取鍋1と減圧にした槽6内との間で溶鋼2を環流させて脱ガスを図ると共に、シュート7を介して種々の合金鉄を投入して成分を調整したり、図示していないランスを介して酸素ガスを吹き込み脱炭したり、脱酸を行うものである。なお、溶鋼を環流させるには、上昇管3に環流用ガス8を吹き込む必要がある。
【0004】
ところで、このような溶融金属の真空精錬に用いられる真空脱ガス槽の浸漬管は、図示していない芯金の上に耐火物を施工して構成されているが、高温の溶融金属に接触させるので、化学的な侵食や熱スポーリング等が生じ、耐火物の強度低下や減肉により比較的短期間で使用に耐えなくなる。そのため、従来より芯金に工夫を凝らし、浸漬管の耐火物を冷却することが行われている。例えば、芯金を二重構造にしてその間隙に冷却ガスとして空気、窒素、アルゴン、二酸化炭素、炭化水素等を供給する技術(特許文献1参照)、また、空気と噴霧水との混合凝気体を通過させ、水の気化反応抜熱現象を利用する技術(特許文献2参照)、さらには、ガス流体供給して且つ内周円筒鉄板と外周円筒鉄板の間隙に金属板(邪魔板)を介挿した構造の浸漬管(特許文献3参照)や、ガス流量を処理時間率、侵漬管内径の関数で規定した冷却方法(特許文献4参照)がある。
【0005】
【特許文献1】
特開昭61−253318号公報
【特許文献2】
特開平6−228628号公報
【特許文献3】
特公平6−29454号公報
【特許文献4】
特開平8−218113号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1記載の芯金を二重構造にして二重管間隙部に冷却ガスを供給したり、特許文献2記載の空気と噴霧水の混合凝気体又は冷却水とを供給する冷却方法では、二重管の内側、外側で温度差が生じる。その原因は、浸漬管の周囲を流れる溶鋼の流動が該浸漬管の内側と外側で異なることに起因している。また、二重管の内側(浸漬管の内面側に対応)と外側(浸漬管の外面側に対応)に施工したそれぞれの耐火物厚みや耐火物材質が異なる場合には、さらに温度差が大きくなる。従って、二重管の外側と内側に膨張差が生じ、二重管に亀裂が入るばかりでなく、該亀裂は耐火物にも伝播する。そのため、耐火物中の亀裂を通って、浸漬管の表面から前記した冷却ガスが溶鋼中に噴出することになり、溶鋼が飛散して操業トラブルにつながる。また、溶鋼の還流量を低下させる事態が起きる場合には、溶鋼の品質低下になる。さらに、当然のことながら、浸漬管はガス噴出が起きた時点で使用不能となる。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑み、寿命が従来より長い真空脱ガス槽の浸漬管を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ね、その成果を本発明に具現化した。
【0009】
すなわち、本発明は、外側円筒鉄板、内側円筒鉄板及び底板からなり、内部に冷却ガスを流す芯金を内蔵し、その周囲を耐火物で覆った真空脱ガス槽の浸漬管において、前記外側円筒鉄板及び/又は内側円筒鉄板の冷却ガスの流路側の壁面に、鉛直方向に延伸したフィンを複数個設けたことを特徴とする真空脱ガス槽の浸漬管である。この場合、前記真空脱ガス槽がRH真空脱ガス槽であるのが好ましい。
【0010】
本発明では、芯金に同質材料によるフィンを設け、冷却のための伝熱面積を広げ、その冷却性能が高まるようにしたので、耐火物の溶損速度が低下し、真空脱ガス槽の浸漬管寿命が従来より格段に延長できるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
本発明に係る浸漬管の一本だけを拡大した縦断面を図1に示す。それは、前記槽6の鉄皮下端に取り付けたフランジ9に接続する芯金と、その周囲を覆う耐火物とで形成されている。そして、その芯金は、外側円筒鉄板12、内側円筒鉄板13及びドーナツ状の底板14からなり、これら外側円筒鉄板12、内側円筒鉄板13及び底板14が形成する空間15に冷却ガス16が供給できるよう、外側円筒鉄板12には、冷却ガスの導入口17及び排出口18となる2本のパイプも備えてある。
【0013】
なお、外側円筒鉄板12、内側円筒鉄板13及び底板14の材質は、安価な普通炭素鋼であるが、冷却効果を配慮して銅を用いても良い。また、耐火物としては、通常、ハイ・アルミナ質レンガやマグクロ質レンガ等の耐火レンガ19あるいは不定形のハイ・アルミナ質やマグクロ質等のキャスタブル20が利用されている。
【0014】
本発明の重要ポイントは、上記した従来から存在する浸漬管5の前記外側円筒鉄板12の外壁、すなわち冷却ガスの流路側の壁面に、図1に示すように、鉛直方向に延伸したフィン10を複数個設けたことである。これにより、芯金を冷却するための芯金の伝熱面積が広がり、その冷却性能が高まるからである。なお、外側円筒鉄板12の内壁を主としたのは、そちら側の耐火物の方が内側円筒鉄板13の内壁側の耐火物より溶鋼2の流動が激しく、侵食が大だからである。ただし、内側円筒鉄板の内壁、すなわち冷却ガスの流路側の壁面にフィン10を取り付けると、浸漬管全体としての寿命は一層延長できるので、本発明では、図2の平面図に点線で示すように、フィン10を内側円筒鉄板内壁に取り付けても良い。
【0015】
【実施例】
まず、転炉から容量200トンの取鍋に出鋼した溶鋼を、従来のフィンがない二重管構造で冷却ガスを供給する浸漬管を備えたRH方式真空脱ガス槽で脱ガス処理を連続して多数チャージ行った。各チャージで浸漬管の温度を測定したところ、外側円筒鉄板12の温度は平均して550℃、内側円筒鉄板13の温度は430℃であった。このRH真空脱ガス槽は、稼動後85チャージ目の脱ガス処理で溶鋼が沸き出した(泡立った)ので、使用を中断した。そして、浸漬管を解体したところ、外側円筒鉄板12と底板14との溶接部に亀裂が入っており、そこから冷却ガス16が洩れたことがわかった。
【0016】
そこで、本発明に係る浸漬管を備えたRH真空脱ガス槽とする改造を行った。その際、浸漬管の外周側に施工したの耐火物の厚みを109mm、内周側の厚みを185mmとしたので、外周側の外側円筒鉄板12の温度が内周側より高くなると予想された。そこで、伝熱計算を行い、冷却能を浸漬管の外周側と内周側で同等にするには、幅20mm×長さ140mm×厚み12mmの鋼製のフィン10を外側円筒鉄板12の内壁に円周方向で等間隔に18枚設ければ良いことになった。このような浸漬管を備えたRH真空脱ガス槽で、前記従来例と同等の操業条件による脱ガス処理を再開した。その結果、チャージ毎の内側円筒鉄板13と外側円筒鉄板12の温度は、430℃で等しくなった。また、処理中に溶鋼2が沸くこともなく、円滑に操業ができた。そして、110チャージ目を終了した後に浸漬管の内周側及び外周側の耐火物厚みを測定したところ、いずれも50mmであったので、このRH真空脱ガス槽の使用を停止し、浸漬管の補修を行うことにした。解体した浸漬管の内側円筒鉄板13、外側円筒鉄板12、底板14及びフィン10の変形は全く見られず、耐火物の補修だけで、再使用が開始できた。なお、上記実施例では、RH真空脱ガス槽を用いたが、本発明は、浸漬管が1本しかない所謂DH方式の真空脱ガス槽にも適用できることは、言うまでもない。また、溶融金属も鋼に限らず、銅、亜鉛、鉛、アルミニウム等の非鉄金属であっても良い。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により、溶融金属の精錬に利用する真空脱ガス槽の浸漬管寿命を従来より格段に延長できるようになり、炉材コストの低減が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る真空脱ガス槽の浸漬管を示す横断面図である。
【図2】本発明に係る真空脱ガス槽の浸漬管の一部を示す平断面図である。
【図3】一般的なRH真空脱ガス槽の全体を示す横断面図である。
【符号の説明】
1 取鍋
2 溶鋼
3 上昇管
4 下降管
5 浸漬管
6 槽
7 シュート
8 環流用ガス
9 フランジ
10 フィン
11 スラグ
12 外側円筒鉄板
13 内側円筒鉄板
14 底板
15 空間
16 冷却ガス
17 導入口
18 排出口
19 耐火レンガ
20 キャスタブル
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空脱ガス槽の浸漬管に係わり、詳しくは、該浸漬管の溶損を抑制するための構造改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、鋼材の高級化を求める要求が高まり、従来の転炉や電炉による精錬だけでは、その要求を実現することができなくなった。そして、かかる事情に対処するため、転炉や電炉から出鋼した溶鋼の組成をさらに厳密に調整したり、有害不純物成分を一層低減する技術(炉外精錬とか二次精錬と称する)が開発され、実用化されている。特に、減圧下で溶鋼の脱ガス、成分調整、脱炭、脱酸等を行う真空精錬は、その効果が大きく多用されている。
【0003】
その一つに、真空脱ガス槽を利用する技術がある。例えば、所謂RH方式の真空脱ガス槽を用いる場合で説明すると、図3に示すように、取鍋1に保持した溶鋼2へ、それぞれ上昇管3及び下降管4と称する二本の浸漬管を備え、一定内容積を有する槽6をセットし、該浸漬管を介して取鍋1と減圧にした槽6内との間で溶鋼2を環流させて脱ガスを図ると共に、シュート7を介して種々の合金鉄を投入して成分を調整したり、図示していないランスを介して酸素ガスを吹き込み脱炭したり、脱酸を行うものである。なお、溶鋼を環流させるには、上昇管3に環流用ガス8を吹き込む必要がある。
【0004】
ところで、このような溶融金属の真空精錬に用いられる真空脱ガス槽の浸漬管は、図示していない芯金の上に耐火物を施工して構成されているが、高温の溶融金属に接触させるので、化学的な侵食や熱スポーリング等が生じ、耐火物の強度低下や減肉により比較的短期間で使用に耐えなくなる。そのため、従来より芯金に工夫を凝らし、浸漬管の耐火物を冷却することが行われている。例えば、芯金を二重構造にしてその間隙に冷却ガスとして空気、窒素、アルゴン、二酸化炭素、炭化水素等を供給する技術(特許文献1参照)、また、空気と噴霧水との混合凝気体を通過させ、水の気化反応抜熱現象を利用する技術(特許文献2参照)、さらには、ガス流体供給して且つ内周円筒鉄板と外周円筒鉄板の間隙に金属板(邪魔板)を介挿した構造の浸漬管(特許文献3参照)や、ガス流量を処理時間率、侵漬管内径の関数で規定した冷却方法(特許文献4参照)がある。
【0005】
【特許文献1】
特開昭61−253318号公報
【特許文献2】
特開平6−228628号公報
【特許文献3】
特公平6−29454号公報
【特許文献4】
特開平8−218113号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1記載の芯金を二重構造にして二重管間隙部に冷却ガスを供給したり、特許文献2記載の空気と噴霧水の混合凝気体又は冷却水とを供給する冷却方法では、二重管の内側、外側で温度差が生じる。その原因は、浸漬管の周囲を流れる溶鋼の流動が該浸漬管の内側と外側で異なることに起因している。また、二重管の内側(浸漬管の内面側に対応)と外側(浸漬管の外面側に対応)に施工したそれぞれの耐火物厚みや耐火物材質が異なる場合には、さらに温度差が大きくなる。従って、二重管の外側と内側に膨張差が生じ、二重管に亀裂が入るばかりでなく、該亀裂は耐火物にも伝播する。そのため、耐火物中の亀裂を通って、浸漬管の表面から前記した冷却ガスが溶鋼中に噴出することになり、溶鋼が飛散して操業トラブルにつながる。また、溶鋼の還流量を低下させる事態が起きる場合には、溶鋼の品質低下になる。さらに、当然のことながら、浸漬管はガス噴出が起きた時点で使用不能となる。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑み、寿命が従来より長い真空脱ガス槽の浸漬管を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ね、その成果を本発明に具現化した。
【0009】
すなわち、本発明は、外側円筒鉄板、内側円筒鉄板及び底板からなり、内部に冷却ガスを流す芯金を内蔵し、その周囲を耐火物で覆った真空脱ガス槽の浸漬管において、前記外側円筒鉄板及び/又は内側円筒鉄板の冷却ガスの流路側の壁面に、鉛直方向に延伸したフィンを複数個設けたことを特徴とする真空脱ガス槽の浸漬管である。この場合、前記真空脱ガス槽がRH真空脱ガス槽であるのが好ましい。
【0010】
本発明では、芯金に同質材料によるフィンを設け、冷却のための伝熱面積を広げ、その冷却性能が高まるようにしたので、耐火物の溶損速度が低下し、真空脱ガス槽の浸漬管寿命が従来より格段に延長できるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
本発明に係る浸漬管の一本だけを拡大した縦断面を図1に示す。それは、前記槽6の鉄皮下端に取り付けたフランジ9に接続する芯金と、その周囲を覆う耐火物とで形成されている。そして、その芯金は、外側円筒鉄板12、内側円筒鉄板13及びドーナツ状の底板14からなり、これら外側円筒鉄板12、内側円筒鉄板13及び底板14が形成する空間15に冷却ガス16が供給できるよう、外側円筒鉄板12には、冷却ガスの導入口17及び排出口18となる2本のパイプも備えてある。
【0013】
なお、外側円筒鉄板12、内側円筒鉄板13及び底板14の材質は、安価な普通炭素鋼であるが、冷却効果を配慮して銅を用いても良い。また、耐火物としては、通常、ハイ・アルミナ質レンガやマグクロ質レンガ等の耐火レンガ19あるいは不定形のハイ・アルミナ質やマグクロ質等のキャスタブル20が利用されている。
【0014】
本発明の重要ポイントは、上記した従来から存在する浸漬管5の前記外側円筒鉄板12の外壁、すなわち冷却ガスの流路側の壁面に、図1に示すように、鉛直方向に延伸したフィン10を複数個設けたことである。これにより、芯金を冷却するための芯金の伝熱面積が広がり、その冷却性能が高まるからである。なお、外側円筒鉄板12の内壁を主としたのは、そちら側の耐火物の方が内側円筒鉄板13の内壁側の耐火物より溶鋼2の流動が激しく、侵食が大だからである。ただし、内側円筒鉄板の内壁、すなわち冷却ガスの流路側の壁面にフィン10を取り付けると、浸漬管全体としての寿命は一層延長できるので、本発明では、図2の平面図に点線で示すように、フィン10を内側円筒鉄板内壁に取り付けても良い。
【0015】
【実施例】
まず、転炉から容量200トンの取鍋に出鋼した溶鋼を、従来のフィンがない二重管構造で冷却ガスを供給する浸漬管を備えたRH方式真空脱ガス槽で脱ガス処理を連続して多数チャージ行った。各チャージで浸漬管の温度を測定したところ、外側円筒鉄板12の温度は平均して550℃、内側円筒鉄板13の温度は430℃であった。このRH真空脱ガス槽は、稼動後85チャージ目の脱ガス処理で溶鋼が沸き出した(泡立った)ので、使用を中断した。そして、浸漬管を解体したところ、外側円筒鉄板12と底板14との溶接部に亀裂が入っており、そこから冷却ガス16が洩れたことがわかった。
【0016】
そこで、本発明に係る浸漬管を備えたRH真空脱ガス槽とする改造を行った。その際、浸漬管の外周側に施工したの耐火物の厚みを109mm、内周側の厚みを185mmとしたので、外周側の外側円筒鉄板12の温度が内周側より高くなると予想された。そこで、伝熱計算を行い、冷却能を浸漬管の外周側と内周側で同等にするには、幅20mm×長さ140mm×厚み12mmの鋼製のフィン10を外側円筒鉄板12の内壁に円周方向で等間隔に18枚設ければ良いことになった。このような浸漬管を備えたRH真空脱ガス槽で、前記従来例と同等の操業条件による脱ガス処理を再開した。その結果、チャージ毎の内側円筒鉄板13と外側円筒鉄板12の温度は、430℃で等しくなった。また、処理中に溶鋼2が沸くこともなく、円滑に操業ができた。そして、110チャージ目を終了した後に浸漬管の内周側及び外周側の耐火物厚みを測定したところ、いずれも50mmであったので、このRH真空脱ガス槽の使用を停止し、浸漬管の補修を行うことにした。解体した浸漬管の内側円筒鉄板13、外側円筒鉄板12、底板14及びフィン10の変形は全く見られず、耐火物の補修だけで、再使用が開始できた。なお、上記実施例では、RH真空脱ガス槽を用いたが、本発明は、浸漬管が1本しかない所謂DH方式の真空脱ガス槽にも適用できることは、言うまでもない。また、溶融金属も鋼に限らず、銅、亜鉛、鉛、アルミニウム等の非鉄金属であっても良い。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により、溶融金属の精錬に利用する真空脱ガス槽の浸漬管寿命を従来より格段に延長できるようになり、炉材コストの低減が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る真空脱ガス槽の浸漬管を示す横断面図である。
【図2】本発明に係る真空脱ガス槽の浸漬管の一部を示す平断面図である。
【図3】一般的なRH真空脱ガス槽の全体を示す横断面図である。
【符号の説明】
1 取鍋
2 溶鋼
3 上昇管
4 下降管
5 浸漬管
6 槽
7 シュート
8 環流用ガス
9 フランジ
10 フィン
11 スラグ
12 外側円筒鉄板
13 内側円筒鉄板
14 底板
15 空間
16 冷却ガス
17 導入口
18 排出口
19 耐火レンガ
20 キャスタブル
Claims (2)
- 外側円筒鉄板、内側円筒鉄板及び底板からなり、内部に冷却ガスを流す芯金を内蔵し、その周囲を耐火物で覆った真空脱ガス槽の浸漬管において、
前記外側円筒鉄板及び/又は内側円筒鉄板の冷却ガスの流路側の壁面に、鉛直方向に延伸したフィンを複数個設けたことを特徴とする真空脱ガス槽の浸漬管。 - 前記真空脱ガス槽がRH真空脱ガス槽であることを特徴とする請求項1記載の真空脱ガス槽の浸漬管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003050533A JP2004256881A (ja) | 2003-02-27 | 2003-02-27 | 真空脱ガス槽の浸漬管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003050533A JP2004256881A (ja) | 2003-02-27 | 2003-02-27 | 真空脱ガス槽の浸漬管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004256881A true JP2004256881A (ja) | 2004-09-16 |
Family
ID=33115916
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003050533A Withdrawn JP2004256881A (ja) | 2003-02-27 | 2003-02-27 | 真空脱ガス槽の浸漬管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004256881A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012154714A1 (en) * | 2011-05-11 | 2012-11-15 | Tyk America, Inc. | Degasser snorkel with serpentine flow path cooling |
US9644246B2 (en) | 2011-05-11 | 2017-05-09 | Tyk America, Inc. | Degasser snorkel with serpentine flow path cooling |
-
2003
- 2003-02-27 JP JP2003050533A patent/JP2004256881A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012154714A1 (en) * | 2011-05-11 | 2012-11-15 | Tyk America, Inc. | Degasser snorkel with serpentine flow path cooling |
US9644246B2 (en) | 2011-05-11 | 2017-05-09 | Tyk America, Inc. | Degasser snorkel with serpentine flow path cooling |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060509 |