以下、本発明の車両用空調装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態の車両用空調装置1は、図1に示すように、主制御部をなすエアコンECU101に、空調用センサ120、空調用駆動部130、及び空調用操作部140が接続して構成されるとともに、図2のエアコンユニット100Uを有する。本実施形態のエアコンユニット100Uは、いわゆるHVAC(Heating, Ventilating and Air-Conditioning)ユニットであり、車室内の空調状態を左座席2P側と右座席2D側(本実施形態においては運転席2D側と助手席2P側:図3参照)とで独立して調整可能に構成されている。
エアコンユニット100Uのダクト28には、車内空気を循環させるための内気吸込口42と、車外の空気を取込む外気吸込口41とが形成されており、内外気切替ダンパー30によりいずれかに切り替えて使用される。これら内気吸込口42ないし外気吸込口41からの空気は、ブロワ135によってダクト28内に吸い込まれる。ダクト28内には、吸い込まれた空気を冷却して冷気を発生させるためのエバポレータ21が設けられている。そして、エバポレータ21よりも下流側(吹出口側)は、運転席2D側の吹出口43〜45へ至る運転席側経路28Dと、助手席2P側の吹出口46,47へ至る助手席側経路28Pとに分岐している。
なお、図3に示すように、エアコンユニット100Uには吹出口として、フロントガラス曇り止め用のデフロスタ吹出口43がフロントガラスの内面下縁に対応するインパネ上方奥に、運転席側フェイス吹出口45がインパネの正面中央右寄りと右隅に、助手席側フェイス吹出口46がインパネの正面中央左寄りと左隅に、運転席側フット吹出口44がインパネ下面右奥の運転席側足元に、助手席側フット吹出口47がインパネ下面左奥の助手席側足元に、それぞれ開口しており、図1の吹出口切替用ダンパー32〜36によってそれぞれ開閉状態が切り替えられる。
空調用駆動部130は、上記吹出口切替用ダンパー32〜36や該ダンパー32〜36の開閉状態を切り替えるダンパー駆動ギア機構31P,31D、エアミックスダンパー25P,25D、内外気切替ダンパー30、及びそれらを駆動するサーボモータ131(131P,131D),133(133P,133D),134等である。また、空調用駆動部130は、これらサーボモータ131,133,134の他に、ブロワ135や、コンプレッサ20の駆動部132を含む。これらの空調用駆動部130は、エアコンECU101からの駆動指令信号の入力を受けて駆動する。
なお、コンプレッサ20は、エバポレータ21とエキスパンションバルブ22とレシーバ23とコンデンサ24と共に周知の冷凍サイクルを構成する。コンプレッサ20の直接の駆動源は車載エンジン200であり、上記駆動部132は、その車載エンジンの回転出力とコンプレッサ20との連結・切離しを行うクラッチ機構である。本実施形態のクラッチ機構132はマグネットクラッチとして構成されており、エアコンECU101は、マグネットクラッチ132のクラッチコイルへの通電・非通電を切り替える制御を行い、この切り替えに応じて、エンジン出力とコンプレッサ20とを連結するオン状態と、エンジン200の出力とコンプレッサ20とを切り離すオフ状態とを切り替える。この駆動部132は、コンプレッサ20を直接的に駆動させる専用のモータとしてもよい。
空調用センサ120は、車室内温度を検出する内気温センサ(車室内温度検出手段)121、車外温度を検出する外気温センサ(車外温度検出手段)122、及び日射量を検出する日射センサ123等の周知の空調用センサとを有する。これらの空調用センサ120の検出結果はエアコンECU101に入力され、後述するオート空調制御実行時に目標吹出温度を算出する際の入力パラメータとして用いられる。他にも、エバポレータ21を通過した直後の空気の温度を検出するエバポレータ後センサを空調用センサとして有し、その検出結果を上記入力パラメータに含めてもよい。また、本実施形態の空調用センサ120は、車室内における左右の座席2P,2D側のそれぞれの温度を検出する吹出口用温度センサ125(助手席側吹出口用温度センサ125P,運転席側吹出口用温度センサ125D)を有し、それらの検出結果もエアコンECU101に入力され、オート空調制御実行時に各種空調出力条件を算出する際の入力パラメータとして用いられる。
空調用操作部140は、図3に示すように、運転席2D及び助手席2Pの搭乗者により操作可能なインパネ正面中央に設けられたエアコンパネル(操作パネル)14に設けられる。本実施形態のエアコンパネル14は、図4に示すように、AUTOスイッチ141,OFFスイッチ142,吹出口切替スイッチ(MODEスイッチ)143,内外気切替スイッチ144,風量切替スイッチ145,温度設定スイッチ146,デフロスタスイッチ147,A/Cスイッチ148,DUALスイッチ(独立/一括制御切替スイッチ)149,エコスイッチ104といった各種のスイッチを、ここでは周知の押圧操作部として有する。
また、本実施形態の温度設定スイッチ146は、助手席2P側用と運転席2D側用の温度設定スイッチ146P,146Dとをそれぞれ別に有する。さらに、エコスイッチ104も、助手席2P側用と運転席2D側用のエコスイッチ104P,146Dとをそれぞれ別に有する。DUALスイッチ149がONのとき、温度設定スイッチ146P,146Dは、対応する座席2P,2D側の目標温度(設定温度)をそれぞれ独立して調整可能となり、エコスイッチ104P,104Dは、対応する座席2P,2D側のエコレベルをそれぞれ独立して調整可能となる。他方、DUALスイッチ149がOFFのとき、温度設定スイッチ146P,146Dは、座席2P,2D側で共通の目標温度(設定温度)をそれぞれで調整可能となり、エコスイッチ104P,104Dは、座席2P,2D側で共通のエコレベルをそれぞれで調整可能となる。
エアコンECU101は、CPU、ROM、RAM等を備える周知の構成を有し、各種空調用操作部140の操作状態や各種空調用センサ120の検出結果に基づいて空調用駆動部130を駆動制御することにより、内気吸気・外気吸気切替制御、吹出温度制御、風量制御、及び吹出口切替制御等の周知の空調制御の他、後述するオート空調制御を実行する。これらの空調制御は、エアコンECU101のCPUが自身のROM、エアコンECU101に接続する記憶部107(図1参照)に格納される空調制御プログラムを実行する形で実行される。
オート空調制御は、ユーザ操作により設定される目標温度に車室内温度が近づくよう当該目標温度に基づいて最適な空調出力条件を適宜自動算出し、適宜自動算出される空調出力条件に従う空調出力(以下、オート空調出力という)を行う制御である。本実施形態のオート空調制御では、エアコンECU101が、予め定められた入力パラメータに基づいて、上述の最適な空調出力条件(出力パラメータ)を適宜自動算出し、その算出結果に基づいて、各種空調用駆動部(空調出力手段)130を駆動制御する。なお、本実施形態の上記入力パラメータには、少なくとも上記目標温度と上記車室内温度が含まれる。ここでの上記入力パラメータは、空調用センサ121〜123,125の検出結果(車室内温度と車外温度と日射量)と温度設定スイッチ146による設定内容(目標温度)である。
ところで、本実施形態の車両用空調装置1は、空調用操作部140の1つとして、オート空調出力に対するユーザの不満足レベルを入力する入力操作を受け付けるエコスイッチ(入力操作部)104を備える。そして、エアコンECU101は、上記のオート空調制御時において、エコスイッチ104へのユーザ操作により入力された不満足レベルに基づいて、その不満足レベルが改善されるよう空調用駆動部130の駆動レベルを変更して、オート空調出力の出力レベルを変化させるとともに、上記駆動レベルの変更に伴い車両用空調装置1のエコ(エコロジーとエコノミーの双方)への貢献度合いを変化させる。
即ち、エコスイッチ104への操作とは、オート空調出力の出力レベルの不満の度合いを、エコレベル(エコに対する貢献度合い)という形で入力する操作である。つまり、エコレベルを増す操作とは、ユーザが現在のオート空調出力が出力過剰であるという不満とその程度(不満レベル)を入力する操作であり、この操作によってエコレベルが増すと、空調用駆動部130の駆動レベルが減じられ、オート空調出力は弱くなり、その結果、車両用空調装置1はエコ貢献度の高い状態となる。逆に、エコレベルを減じる操作とは、ユーザが現在のオート空調出力が出力不足であるという不満とその程度を表す操作であり、この操作によってエコレベルが減じられると、空調用駆動部130の駆動レベルが増し、オート空調出力は強くなり、その結果、車両用空調装置1はエコ貢献度の低い状態となる。
本実施形態のオート空調出力では、エアコンECU101が、目標温度に車室内温度が近づけることは保持しつつも、そのために適宜自動算出される空調出力条件を、エコスイッチ104により入力される不満足レベルに基づいて適宜補正することにより、その出力レベルを不満足レベルに応じて増減させる。
具体的にいえば、適宜自動算出される補正前(出力レベル変更前)の空調出力条件に従うオート空調出力の出力レベルが標準レベルとして定められており、その標準レベルでの出力を過剰とする過剰側不満足レベルから、その標準レベルでの出力を不足とする不足側不満足レベルへと、段階的に定められた不満足レベルの入力範囲の中で、エコスイッチ104への操作により、不満足レベルが変更される。即ち、エコスイッチ104がレベル増側に操作されれば、それは出力過剰という不満又は出力を抑えたいという期待の入力操作であるから、入力される不満足レベルが不足側不満足レベル側から過剰側不満足レベル側へと変更される。この場合、エアコンECU101は、オート空調出力の出力レベルがそのレベル変更分に応じて減るよう、各種空調用駆動部(空調出力手段)130を制御する。逆に、エコスイッチ104がレベル減側に操作されれば、それは出力不足という不満又は出力を強めたいという期待の入力操作であるから、入力される不満足レベルが過剰側不満足レベル側から不足側不満足レベル側へと変更される。この場合、エアコンECU101は、オート空調出力の出力レベルがそのレベル変更分に応じて増すよう、各種空調用駆動部(空調出力手段)130を制御する。
ここで、エアコンECU(空調制御手段)101が実行する本実施形態のオート空調制御の具体的な処理内容を、図5を用いて説明する。ただし、ここではDUALスイッチ149のOFFを前提とする左右一括空調制御時の処理について説明する。
DUALスイッチ149がOFFの場合、エアコンECU101は、温度設定スイッチ146(146P,146D)により設定される左右の座席2P,2D側に共通の目標温度(設定温度)と、空調用センサ121〜123の検出結果とを取得する(S201,S202)。そして、これらを入力パラメータとして、空調出力条件を自動算出する(S203及びS205)。
具体的にいえば、まずは、エアコンECU101が、上記入力パラメータに基づいて目標吹出温度を算出する(S203)。算出される目標吹出温度は、車室内温度を上記目標温度に効率的に接近させるために、あるいは車室内温度を上記目標温度で安定保持するために必要な吹出温度、もしくはそれを示す指標であり、例えば下記の式にて算出する。
(式1)TAO=a×TSET−b×TR−c×TAM−d×TS
なお、TAOは目標吹出温度(℃)、TSETは温度設定スイッチ146D,146Pへの操作によりユーザ設定される左右の座席2P,2D共通の目標温度(℃)、TRは内気温センサ121が検出する車室内温度(℃)、TAMは外気温センサ122が検出する車外温度(℃)、TSは日射センサ123が検出する日射量(kcal/(m2・min))である。a,b,c,dは係数である。
そして、エアコンECU101は、エコスイッチ104への入力操作により入力されるエコレベル(S206)に基づいて、上記目標吹出温度から算出される各種空調出力条件を補正し(S205)、オート空調出力の出力レベルを変更する(S207〜S209)。これにより、オート空調出力時の空調用駆動部130の駆動レベルが増減される。なお、ここで入力されるエコレベルは、左右座席2P,2D側に共通に設定されているエコレベルである。
本実施形態における空調出力条件の補正は、オート空調出力の出力レベルの変更は、吹出風量Wの変更、即ちブロワ135の駆動レベル(ブロワスピード)の変更という形でなされる(S207)。
吹出風量Wは、車室内温度を上記目標温度に効率的に接近させるために、あるいは車室内温度を上記目標温度で安定保持するために必要な吹出風量、もしくはそれを示す指標であり、現在の車室内温度と目標温度と間の差分が大きいほど風量がより強くなるように、エアコンECU101が吹出風量Wを算出する。さらに、入力されたエコレベルが高いほど、所定の風量範囲の中で風量がより弱くなるように補正される形で、エアコンECU101が吹出風量Wを算出する。
ここでの吹出風量Wは、先に算出された目標吹出温度(S204)と、入力されたエコレベル(S206)とに基づいて、エアコンECU101が算出する(S205)。具体的にいえば、エアコンECU101は、エコスイッチ104の操作状態に基づいてエコレベルを設定し(S206:不満足レベル設定手段)、設定したエコレベルの設定値Eをエコレベルの標準レベルを示す標準値ENで割った値を、上記目標吹出温度TAOと車室内温度TRとに基づいて算出される基本吹出風量に乗じる形で算出する。ここでの吹出風量Wは以下の式にて算出される。なお、w0は係数である。
(式2)W=w0×(E/EN)×|TAO−TR|
そして、エアコンECU101は、上記吹出風量Wに基づいて、ブロワ135を駆動制御する(S207)。
一方で、吹出対象とされる吹出口44〜47は、エアコンECU101が上記目標吹出温度TAO(S204)に基づいて決定する(S205)。ここでは、フェイス吹出口45,46のみと、フェイス吹出口45,46及びフット吹出口44,47の双方と、フット吹出口44,47のみとの3種の吹出モードがあり、目標吹出温度が高くなるに従いこの順で切り替わるようエアコンECU101が、サーボモータ133P,133Dを駆動制御する(S208)。
具体的にいえば、吹出対象とされる吹出口は、エアコンECU101が上記差分が反映されている目標吹出温度TAOと閾温度TM1,TM2との比較により決定するものであり、ここでは以下の3式を用いて決定される。
(式3)TAO<TM1:フット吹出口44,47を開、他吹出口を閉
(式4)TM1≦TAO<TM2:フット吹出口44,47及びフェイス吹出口45,46を開、他吹出口を閉
(式5)TM2≦TAO:フェイス吹出口45,46を開、他吹出口を閉
そして、吹出対象に決定された吹出口44〜47に対応する吹出口切替用ダンパー33〜36が全開状態、それ以外の吹出口切替用ダンパー33〜36が全閉状態となるよう、エアコンECU101がサーボモータ133P,133Dを駆動制御する。
また、吹出温度Tは、本実施形態においては上記目標吹出温度TAO(S204)を最終的な吹出温度Tとする(S205)。エアコンECU101は、この吹出温度Tに基づいて、エアミックスダンパー25P,25Dの開度を一括決定し、対応するサーボモータ131P,131Dを駆動制御する(S209)。
次に、本実施形態のオート空調制御において、DUALスイッチ149のONを前提とする左右独立空調制御時の処理を、図6を用いて説明する。
DUALスイッチ149がONの場合も、基本的には、DUALスイッチ149がOFFの場合と同様の処理がなされるが、目標吹出温度(S214)が、助手席2P側と運転席2D側とでそれぞれ目標吹出温度TAOP,TAODとして設定され(S213)、それ以降、それら座席2P,2D側の目標吹出温度TAOP,TAODに基づいて、それら座席2P,2D側の吹出風量WP,WD(S217)と、それら座席2P,2D側の吹出対象の吹出口(S218)と、それら座席2P,2D側の最終的な吹出温度TP,TD(S219)がそれぞれ設定される。
具体的にいえば、DUALスイッチ149がONの場合、エアコンECU101は、温度設定スイッチ146D,146Pにより設定される左右の座席2P,2Dそれぞれの目標温度(設定温度)TSETP,TSETDと、空調用センサ121〜123,125の検出結果とを取得する(S211,S202,S210)。そして、これらを上記入力パラメータとし、左右の座席2P,2D側それぞれの空調出力条件を自動算出する(S213及びS215)。そのために、まずは、エアコンECU101が、上記入力パラメータに基づいて、左右の座席2P,2Dの目標吹出温度TAOP,TAOD(S214)を、例えば下記式で算出する(S213)。
(式6)TAOP=a×TSETP−b×TR−c×TAM−d×TS
(式7)TAOD=a×TSETD−b×TR−c×TAM−d×TS
続いてエアコンECU101は、算出された左右の座席2P,2Dの目標吹出温度TAOP,TAOD(S214)と、左右の座席2P,2D側の吹出口用温度センサ125P,125Dの検出温度TP,TD(S210)とに基づいて、オート空調出力における車室内における左右の座席2P,2D側の吹出風量WP,WDを算出する(S215)。吹出風量WP,WDは、車室内における左右の座席2P,2D側の温度TP,TDをそれぞれの座席2P,2D側の目標温度に効率的に接近させるために、あるいは車室内における左右の座席2P,2D側の温度をそれぞれの目標温度で安定保持するためにそれぞれの座席2P,2D側で必要な吹出風量、もしくはそれを示す指標である。
さらにエアコンECU101は、算出される吹出風量WP,WDを、入力されたエコレベル(S216)に基づいて補正して(S215)、オート空調出力の出力レベルを変更する(S217〜S219)。なお、エコレベルEP,EDは、エコスイッチ104P,104Dのそれぞれの操作状態に基づいて、エアコンECU101が左右の座席2P,2D側にそれぞれ設定したエコレベルの設定値である(S206:不満足レベル設定手段)。
本実施形態においては、エアコンECU101が、左右の座席2P,2D側の吹出風量WP,WDを、対応するエコレベルEP,EDを用いて、下記2式により算出する。
(式8)WP=wp×(EP/EN)×|TAOP−TP|
(式9)WD=wd×(ED/EN)×|TAOD−TD|
なお、wp,wdは係数である。また、WP,WDは予め定められた風量範囲で定められるものであり、その風量範囲の上下限値を超える場合には、その上下限値とされる。
また、エアコンECU101は、左右の座席2P,2Dの目標吹出温度TAOP,TAOD(S214)に基づいて基本吹出風量Wを算出する。ここでは、以下の式で算出される。
(式10)W=(WP+WD)/2
エアコンECU101は、上記基本吹出風量Wに基づいて、ブロワ135を駆動制御する(S217)。さらに、エアコンECU101は、上記吹出風量WP,WDに基づいて、サーボモータ133P,133Dを駆動制御し(S217)、これによって、吹出対象とされた助手席2P側と運転席2D側の吹出口44〜47からそれぞれ上記吹出風量WP,WDに応じた空調気流が吹出されるよう、それら座席2P,2D側に対応する吹出口切替用ダンパー33〜36の開度が調整される。
また、吹出対象とされる吹出口44〜47も、上記目標吹出温度TAOP,TAOD(S214)に基づいて、左右の座席2P,2D側毎に、エアコンECU101が決定する(S215)。DUALスイッチ149がONの場合と同様、フェイス吹出口45,46のみと、フェイス吹出口45,46及びフット吹出口44,47の双方と、フット吹出口44,47のみとの3種の吹出モードが、目標吹出温度TAOP,TAODが高くなるに従いこの順で切り替わっていくように、エアコンECU101がサーボモータ133P,133Dを駆動制御する(S218)。吹出対象とされる吹出口44〜47は、ここでは下記6式を用いてエアコンECU101が決定する。
(式11)TAOP<TM1:フット吹出口47を開、左席側他吹出口を閉
(式12)TAOD<TM1:フット吹出口44を開、左席側他吹出口を閉
(式13)TM1≦TAOP<TM2:フット吹出口47及びフェイス吹出口46を開、左席側他吹出口を閉
(式14)TM1≦TAOD<TM2:フット吹出口44,47及びフェイス吹出口45,46を開、右席側他吹出口を閉
(式15)TM2≦TAOP:フェイス吹出口46を開、右席側他吹出口を閉
(式16)TM2≦TAOD:フェイス吹出口45を開、右席側他吹出口を閉
また、吹出温度Tについては、本実施形態においては上記目標吹出温度TAOP,TAOD(S214)を、左右の座席2P,2D側の最終的な吹出温度TP,TDとし(S215)、エアコンECU101は、これらに基づいてエアミックスダンパー25P,25Dの開度を個別に決定し、対応するサーボモータ131P,131Dを個別に駆動制御する(S219)。
このように決定された空調出力条件(吹出風量W又はWP,WDと、吹出口と、吹出温度T又はTP,TD)に基づいて、エアコンECU101は、空調出力手段をなす空調用駆動部130(ブロワ135,吹出口切替用ダンパー33〜36の駆動モータ133P,133D,エアミックスダンパー25P,25Dの駆動モータ131P,131D)を駆動制御することにより、エコレベルにより出力補正された空調気流が車室内に吹出される。
これにより、本実施形態のオート空調制御には、オート空調出力に、エコスイッチ104(104P,104D)により入力されたエコレベルの入力結果が反映される。即ち、そのエコレベルが標準レベル(図中のエコレベル:Normal)よりもよりエコとなるようエコレベル(図中のエコレベル:GOOD)を増す操作がなされた場合には、図7に示すように、オート空調出力における吹出風量が小さく設定される。その結果、ブロワ135の駆動レベルが減じられて、よりエコな駆動状態となる。他方、エコレベルが標準レベル(図中のエコレベル:Normal)よりもエコにならないエコレベル(図中のエコレベル:BAD)を減じる操作がなされた場合には、図8に示すように、オート空調出力における吹出風量が大きく設定される。その結果、ブロワ135の駆動レベルが増して、より非エコな駆動状態となる。
なお、本実施形態のエコレベルの入力は、標準レベル(Normal)を基準に多段階に設定されている。図7及び図8に示すように、入力されるエコレベルが標準レベルから乖離するほど、ユーザの不満レベル(図中の「期待する運転との差」)がその不満を解消する方向に空調出力条件が変更(パラメータ変更)される形で、各瞬間における出力レベルが変化する。
ここで、本実施形態の車両用空調装置1において、オート空調制御に係る表示画面について説明する。
本実施形態の車両用空調装置1は、図1に示すように、エアコンECU101に、他の機器の表示にも兼用される比較的表示面積の広い主表示面15(図3参照)を有する主表示部105と、エアコンパネル14内に設けられ、上記主表示面15よりも小面積の表示面16(図3参照)を有する専用表示部106とが、空調用表示部150として接続する。本実施形態の表示部105,106はいずれも周知のカラー液晶表示装置とすることができる。
オート空調制御実行時に、主表示部105の主表示面(以下、単に画面という)15には、図9のような、エコスイッチ(入力操作部)104により入力される不満足レベルの表示を含むオート空調画面500がエアコンECU(表示制御手段)101により画面15に表示される。
なお、本実施形態においては、オート空調出力に対するユーザの不満足レベルを、オート空調出力の出力レベルが反映されるエコレベルとして入力を受け付けている。このため、オート空調画面500には、現在設定されている空調出力条件(オート空調出力の出力パラメータ)と共に、入力されたエコレベルが表示されている。これにより、エコへの意識をより強く植え付けることができる。
また、本実施形態のオート空調画面500では、エコレベル(不満足レベル)の入力によって変更される空調出力条件の表示を用いて、入力されたエコレベル(不満足レベル)が表示されている。具体的にいえば、図9のオート空調画面500では、オート空調出力時に自動算出される空調出力条件のうち、入力されたエコレベルに応じて変更される吹出風量の出力レベルを示す吹出風量画像501P,501Dが表示されているが、その吹出風量画像501P,501Dは、入力されたエコレベル(不満足レベル)に応じて画像を変化させることにより、入力されたエコレベル(不満足レベル)に基づくオート空調出力の出力レベルの変化(変化の有無と変化度合い)を表現している。
図9の吹出風量画像501P,501Dは横並びの棒画像であり、その数が吹出風量の大きさ、即ち出力レベルを表現している。そして、それら横並びの棒画像501P,501Dは、入力されたエコレベルが低いほど、斜めに傾斜するような形で強調して表現される。さらにくわしくいえば、それら棒画像501P,501Dは、入力されたエコレベルが低いほど、直立の棒画像が風を受けて上側がしなるような形で斜めに倒されるように表現される。
また、それら棒画像501P,501Dの風上側には、棒画像501P,501Dに風を送り込む送風源画像502P,502Dが表示されており、棒画像501P,501Dがその風を受けて斜めに倒されているように表現されている。本実施形態の送風源画像502P,502Dは送風機画像であり、入力されたエコレベルが低いほど送風翼の回転速度が増し、入力されたエコレベルが高いほど送風翼の回転速度が減じられるように画像が表現されている。ここでは、送風翼の残像画像により、送風翼の回転速度の増減が表現されている。
これら吹出風量画像501P,501D及び送風源画像502P,502Dを視認することで、オート空調出力の出力レベルが高い場合は、車両用空調装置1における駆動負担が標準レベルよりも大きく、非エコな状態であると認識することができる。特に上記の送風源画像502P,502Dのような、機器の駆動負担をそのときの出力レベルに応じて表現する駆動負担表示画像があることで、車両用空調装置1の駆動負担を直感的に連想しやすい。さらには、その機器駆動画像502P,502Dの駆動負担表現と関連して、その駆動の出力レベルに応じてもたらされるユーザ側の体感を表現する、例えば棒画像をなす上記の吹出風量画像501P,501Dのような体感表現画像があることで、自身の体感と機器の駆動負担との関係性を把握することができ、その結果、エコへの意識をより強く植え付けることが可能となる。例えば、エコを犠牲にしてでも今は空調出力レベルを高くしたい、今の空調出力レベルは十分満足できるものだからもう少しエコに貢献してもいい等のように、自身の体感と機器の駆動負担との関係性がエコという観点から自身の納得のいく状態であるか否かを判断させる形になるから、仮にエコに貢献していないという状態が選択されていたとしても、エコに貢献していないという現状を認識させることで、エコの意識をユーザに持たせることができる。その結果、エコを意識した空調調整意識をユーザに促すことにつながる。
なお、図9のオート空調画面500には、オート空調出力時に自動算出される出力パラメータ(空調出力条件)として、吹出風量の他にも、吹出対象とされた吹出口(吹出モード)を表示する左右各座席2P,2Dの吹出モード画像503P,503Dが表示されている。さらにオート空調画面500には、出力パラメータの自動算出のために入力される左右各座席2P,2Dの目標温度を表示する目標温度画像503P,503Dも表示されている。
なお、棒画像501P,501Dは、エコレベルが低いほど、直立の棒画像が風を受けて上側がしなるような形で斜めに倒されるように表現されるが、これを静止画ではなく、草木が風を受けて上側がしなるような動画としてもよい。例えば棒画像501P,501Dは、斜めに倒される/直立側に復帰するを繰り返すアニメーションとして表示されるものとし、エコレベルが低いほど斜めに倒された表示状態が長く続くという形で、エコレベルの大小を表現されてもよい。
他方、オート空調制御実行時に、専用表示部106の表示面(以下、単に画面という)16には、図4のような、エコスイッチ(入力操作部)104により入力される不満足レベルの表示を含む各種の空調パラメータ601P〜604P,601D〜604DがエアコンECU(表示制御手段)101により表示される。
具体的にいえば、画面16には、オート空調出力時にユーザにより入力される目標温度(入力パラメータ)を示す目標温度画像603P,603Dと、オート空調出力時に自動算出される空調出力条件(出力パラメータ)のうち吹出風量を示す吹出風量画像601P,601Dと、吹出口(吹出モード)を示す吹出口画像604P,604Dとが表示される。
さらに本実施形態では、画面16に、エコスイッチ(入力操作部)104により入力されるエコレベル(不満足レベル)を示すエコレベル画像602P,602Dが表示される。ここでのエコレベル画像602P,602Dは、予め定められた形状(ここでは四角)の図形画像であり、その図形内の色により、エコレベルを表現している。具体的にいえば、エコレベル画像602P,602Dが緑の場合が最もエコレベルが高く、黄、さらには赤へと変化していくほどエコレベルが低いことを示している。
また、エコレベル画像602P,602Dは、入力されるエコレベル(不満足レベル)により変化する空調出力条件(出力パラメータ)との対応関係が視覚的に明らかになる形で表示される。ここでのエコレベル画像602P,602Dは、入力されるエコレベル(不満足レベル)により変更される吹出風量を示す吹出風量画像601P,601Dの付近に表示されている。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、オート空調出力時において、現在のオート空調出力に対するユーザの不満足レベルに基づいて、その不満足レベルが改善されるよう前記オート空調出力の出力レベルを変更させる車両用空調装置であればよく、例えば上記実施形態において一部の構成要件を省略する、さらには他の構成要件を追加する等、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
上記実施形態において、エアコンECU101は、直前に実行されたオート空調制御において設定されていたエコレベルを記憶部107に記憶しておき、オート空調制御(図5又は図6)を新たに開始する際に、そのエコレベルを記憶部107から読み出し、そのエコレベルに基づいて出力変更されるオート空調出力を行うようにしてもよい。
一方、エアコンECU101は、オート空調制御を新たに開始する際に、まずは過去のエコスイッチ104の操作実績とその操作実績に基づくエコレベル(不満足レベル)の入力傾向に基づいて、左右の座席2P,2Dのエコレベルを決定し、決定したエコレベルに基づいてオート空調出力の出力レベルを変更するオートモード(図5及び図6)と、エコスイッチ104により入力されたエコレベル(不満足レベル)に基づいてオート空調出力の出力レベルを変更するマニュアルモード(図12及び図13)との双方を実行可能に構成してもよい。例えば、エアコンECU101は、図10に示すような処理のオート空調制御を実行するようにする。
即ち、エアコンECU101は、AUTOスイッチ141のON等によりオート空調出力開始信号が入力されると、オート空調制御を開始するが(T1:Yes)、その開始段階において、まずは上記オートモードを設定し、オートモードでのオート空調制御を実行する(T2)。
オートモードでは、図12及び図13に示すように、エアコンECU101が、まずはオート空調制御用に空調用操作部140と空調用センサ120から予め定められた入力パラメータを取得する(S201又はS211と、S202:パラメータ取得手段)。ここでは、エアコンECU101が、上記実施形態と同様、温度設定スイッチ146(146P,146D)により設定される左右の座席2P,2D側に共通の目標温度(設定温度)と、空調用センサ121〜123の検出結果とを取得する。
そして、エアコンECU101は、記憶部107の記憶内容に基づいて不満足レベルのこれまでの入力傾向を特定して(S221,S231:入力傾向特定手段)、特定された入力傾向と取得した入力パラメータとに基づいて、ユーザが現在望んでいるエコレベル(ユーザの現在の不満足レベル)を推定し(S222,S232:第二の不満足レベル設定手段)、その推定値をエコレベルとして設定する(S223,S233:不満足レベル設定手段)。即ち、過去のオート空調出力において入力されたエコレベルの入力傾向のうち、そのときにオート空調制御用に取得した入力パラメータと関連する入力傾向を特定し、その中で最も入力傾向が高かったエコレベルを、今回のオート空調制御用に用いるエコレベルとして推定(決定)する。
続いてエアコンECU101は、推定(決定)したエコレベル(S223,S233)と上記入力パラメータ(S201又はS211、S202、S210)とに基づいてオート空調出力の空調出力条件を決定し(S203及びS213,S225及びS235)、決定された空調出力条件に基づいて空調用駆動部130を駆動制御する(S227〜S229,S237〜S239)。
つまり、図12及び図13に示すオートモードでのオート空調制御は、図5及び図6に示す上記実施形態とは、エコスイッチ(入力操作部)104により入力されるエコレベル(S206,S216)の代わりに、過去のマニュアルモードでのオート空調出力において入力されたエコレベルの入力傾向から推定されるエコレベル(S221〜S223,S231〜S233)を用いる点において異なるものの、他の処理は同様である。
そして、オートモードでのオート空調制御時(T2)に、エアコンECU101は、エコスイッチ(入力操作部)104によるエコレベルの入力の有無を判定する(T3)。エコスイッチ104によるエコレベルの入力がない場合は(T3:No)、エアコンECU101がオート空調出力終了信号の入力の有無を判定し(T7)、オート空調出力終了信号の入力があれば(T7:Yes)、本処理を終了し、オート空調出力終了信号の入力がなければ(T7:No)、直前のオートモードでのオート空調制御時(T2)へと戻る。
ところが、エコスイッチ(入力操作部)104による入力があった場合には(T3:Yes)、図5及び図6に示す上記実施形態と同様、エアコンECU101は、入力された値をエコレベル(不満足レベル)として設定し(S206,S216:第一の不満足レベル設定手段)、マニュアルモードでのオート空調制御を実行する(T4)。そして、エアコンECU101は、当該マニュアルモードでのオート空調制御時に取得する上記入力パラメータに対応付ける形で、エコスイッチ104により入力されるエコレベルの入力履歴情報を、記憶部107に記憶する(T5:記憶手段)。
そして、エアコンECU101は、オート空調出力終了信号の入力の有無を判定し、オート空調出力終了信号の入力があれば(T6:Yes)、本処理を終了し、オート空調出力終了信号の入力がなければ(T6:No)、直前のマニュアルモードでのオート空調制御(T4)へと戻る。
ここで、マニュアルモードでのオート空調制御時に、エアコンECU101が記憶部107に記憶する処理(T5)について、図11を用いて具体的に説明する。
本実施形態のエアコンECU101は、マニュアルモードでのオート空調制御(T4)を実行する際に最初にエコスイッチ(入力操作部)104により入力確定されるエコレベル(不満レベル)の入力の履歴を、当該マニュアルモードでのオート空調制御を実行する際に取得する上記入力パラメータ(ここでは目標温度及び車室内温度)に対応付け、これを入力履歴情報として記憶部107に記憶する。
具体的にいえば、図11に示すように、目標温度と車室内温度とをそれぞれ予め定められた複数の温度範囲に区分しておき、記憶部107には、それら目標温度の温度範囲と車室内温度の温度範囲のペアに対しそれぞれ、エコスイッチ104に入力されたエコレベル(不満レベル)の入力回数が対応付けて記憶されている。そして、エアコンECU101は、マニュアルモードでのオート空調制御(T4)を実行する際に最初にエコスイッチ(入力操作部)104が操作されたときの目標温度と車室内温度とが属する上記ペアを特定し、そのペアに対応付けて記憶されているエコレベルの入力回数のうち、当該操作で入力されたエコレベルの入力回数を加算することにより、上記入力履歴情報を更新する。
そして、エアコンECU101は、オートモードでのオート空調制御(T2)を実行する際に、記憶部107に記憶されている上記入力履歴情報に基づいて特定されるエコレベル(不満レベル)の入力傾向のうち、当該オート空調制御を実行する際に取得する上記入力パラメータ(ここでは目標温度及び車室内温度)に対応する入力傾向に基づいて、現在のエコレベルを推定し、推定されたエコレベルに基づいてオート空調出力の出力レベルを変更する。
ところで、既に述べた実施形態において、左右の各座席2P,2D側の吹出風量の調整は、上記実施形態のように座席2P,2D共通のブロワ135ではなく、各座席2P,2D側にそれぞれ個別のブロワを設け、これらをエアコンECU101が駆動制御する形で行ってもよい。また、左右の各座席2P,2D側の吹出風量の調整は、各座席2P,2D側のダクト28P,28D内に(例えば吹出口出口付近等)、吹出風量調整用のファンをそれぞれ設け、これらをエアコンECU101が制御する形で行ってもよい。また、左右の各座席2P,2D側の吹出風量の調整は、各座席2P,2D側のダクト28P,28D内において、各座席2P,2D側に分岐した分岐位置下流側のそれぞれの所定位置に、上流側から下流側への開口幅を拡大ないし縮小させる機能を設け、その開口幅変化をエアコンECU101がそれぞれ制御する形で行ってもよい。例えば、ダクト28内において、各座席2P,2D側に分岐した分岐位置下流側のそれぞれの所定位置に、上記開口幅を所定の標準幅に保持する開位置と、上記開口幅を標準幅よりも減じて保持する閉位置との間で駆動するダンパーを設け、これらをエアコンECU101が制御する形で行ってもよい。
また、エコレベルの入力は、図7及び図8の中で示されている三段階のエコレベル(GOOD/Normal/BAD)の中でなされる、分かりやすい構成であってもよい。
上記実施形態では、車室内の空調状態を左座席2P側と右座席2D側とで独立して調整可能に構成されているが、左右双方の座席2P,2D側を一括調整する構成のみのものとしてもよい。
上記実施形態では、エアコンECU101が、まずは目標吹出温度を算出し(S203,S213)、その目標吹出温度(S204,S214)に基づいて各種空調出力条件を算出する際に、エコレベル(S206,S216)による補正を行っているが(S205,S215)、図14及び図15に示すように、エアコンECU101が、目標吹出温度の算出の段階(S243,S253)でエコレベル(S206,S216)により目標吹出温度を補正し、補正された目標吹出温度(S244,S254)に基づいて各種空調出力条件を算出し(S245,S255)、各種空調用駆動部130を駆動制御するようにしてもよい(S247〜S249,S257〜S259)。
この場合も、上記実施形態と同様、目標吹出温度がそのまま最終的な吹出温度とされるが、その吹出温度は、図16及び図17の下側にて示すように、エコレベルが上記標準レベルであるときの目標吹出温度を標準目標吹出温度としたときに、その標準目標吹出温度に対し、入力されたエコレベルの分だけ補正された目標吹出し温度とされている。つまり、図7及び図8の場合とは異なり、吹出温度もエコレベルに応じて補正される。
上記実施形態においては、図4や図9のようにしてエコレベル、あるいは空調出力に対する不満足レベルを表示しているが、それとは異なる表示としてもよい。
例えば、上記のエコレベルや不満足レベルは数値により表示されてもよい。具体的にいえば、表示される数値は、エコレベルが反映される数値、例えばエコ達成率(エコ率)や、ユーザの空調出力に対する満足度(空調出力満足度)として表示することができる。図18はその一例であり、ここではユーザの空調出力に対する満足度がパーセント表示510によって表示されている。具体的にいえば、パーセント表示510は、エコレベルが上記標準レベルの場合を満足度100%として表示され、エコレベルが上記標準レベルを下回る場合を0%〜99%で、エコレベルが上記標準レベルを上回る場合をエコ達成率101%〜200%で表示される。
また、上記のエコレベルや不満足レベルは、それらを示す数値をグラフ化して表示してもよい。例えば、表示される数値を、エコレベルが反映される数値、例えばエコ達成率(エコ率)や、ユーザの空調出力に対する満足度(空調出力満足度)とし、その数値を、図19A及び図19Bに示すように、棒グラフ画像520として表示することができる。具体的にいえば、棒グラフ画像520は、エコレベルが上記標準レベルのときの棒グラフ画像521が背景表示され、かつ実際のエコレベルに応じた長さの棒グラフ画像522が背景の棒グラフ画像521に重畳して表示されている。また、実際のエコレベルを示す棒グラフ内部には、棒グラフ画像522のもとになる数値を示す画像523が、棒グラフ画像522に重畳して表示されている。
また、上記のエコレベルや不満足レベルは、それらレベルを示す画像の色変化により表示されてもよい。これは、上記実施形態のエコレベル画像602P,602Dと同様であり、例えばエコレベルや不満足レベルを示す画像を、エコレベルがエコなほど緑、エコレベルが非エコとなるほど黄から赤へと変化するようにして表現できる。ただし、上記実施形態のエコレベル画像602P,602Dは、エコレベルや不満足レベルを示す専用の画像であるが、これを、例えば図20A及び図20Bに示すように、エコレベル表示専用の画像531と、エコレベルや不満足レベルの変化に応じて出力変更される空調出力条件を示す出力条件画像532との双方同時の色変化により、エコレベルや不満足レベルを表現してもよい。また、図21A及び図21Bに示すように、エコレベルや不満足レベルの変化に応じて出力変更される空調出力条件を示す出力条件画像540のみの色変化により、エコレベルや不満足レベルを表現してもよい。なお、エコなイメージの緑に対し黄や赤は警告色であると考えれば、赤や黄は緑よりも強調レベルの高い表示といえ、赤は最も強調レベルの高い表示といえる。
また、図18や、図19A及び図19B、図20A及び図20B、図21A及び図21Bでのエコレベルや不満足レベルの表示は、表示部105,106のどちらで行ってもよい。また、表示部105,106は、エコレベルや不満足レベルを上述のような形で表示できるものであればよく、上記実施形態の液晶表示装置に限らず、他の表示方式の表示装置であってもよい。
なお、図4の画像602P,602Dや、図20A及び図20Bの画像531,532、図21A及び図21Bの画像540内のドット表示は画像540の色を表現するものであり、ドット密度の違いにより色が違うことを表現している。