JP5884526B2 - 検量線作成方法およびその装置、並びに目的成分検量装置 - Google Patents
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Description
(a)コンピューターが、前記被検体の複数のサンプルについての前記観測データを取得する工程と、
(b)前記コンピューターが、前記各サンプルについての前記目的成分の含有量を取得する工程と、
(c)前記コンピューターが、前記サンプル毎の観測データを複数の独立成分に分離したときの複数の独立成分を推定し、前記複数の独立成分に基づいて、前記サンプル毎に前記目的成分に対応する混合係数を求める工程と、
(d)前記コンピューターが、前記複数のサンプルの前記目的成分の含有量と、前記サンプル毎の前記混合係数とに基づいて、前記検量線の回帰式を求める工程と、
を含み、
前記工程(c)は、
(i)前記コンピューターが、前記各サンプルの前記独立成分を含む独立成分行列を求める工程と、
(ii)前記コンピューターが、前記独立成分行列から、前記各サンプルにおける前記独立成分毎の独立成分要素の比率を規定するベクトルの集合を示す推定混合行列を求める工程と、
(iii)前記コンピューターが、前記推定混合行列に含まれる前記ベクトル毎に、前記複数のサンプルの前記目的成分の含有量に対する相関を求め、前記相関が最も高いと判定される前記ベクトルを、前記目的成分に対応する混合係数として選択する工程と、
を含み、
前記工程(i)において、前記コンピューターが、前記観測データの正規化を含む第1前処理と、白色化を含む第2前処理と、独立成分分析処理とをこの順に実行することによって前記独立成分行列を求め、
前記コンピューターが、前記独立成分分析処理における独立性指標としてβダイバージェンスを用いる、検量線作成方法。
適用例1の検量線作成方法によれば、被検体の複数のサンプルについて、各サンプルから取得した観測データと目的成分の含有量から、被検体の観測データから被検体に含まれる目的成分量を導くための検量線が作成される。このため、この検量線を用いれば、被検体の観測データが一つであっても、目的成分の含有量を精度良く求めることができる。したがって、適用例1の検量線作成方法によって予め検量線を作成しておけば、検量に際して、被検体について一の観測データを取得するだけで済む。この結果、実測値である一の観測データから目的成分量を高精度に求めることができる。また、推定混合行列が求められ、推定混合行列のうちでサンプルの目的成分の含有量に対する相関の強いベクトルが抜き出されることから、推定精度の高い混合係数を得ることができる。更に、独立成分分析処理における独立性指標としてβダイバージェンスを使用するので、吸光度スペクトルに含まれるスパイクノイズのような外れ値の影響を低減して、検量精度を高めることが可能である。
前記被検体の複数のサンプルについての前記観測データを取得するサンプル観測データ取得部と、
前記各サンプルについての前記目的成分の含有量を取得するサンプル目的成分量取得部と、
前記サンプル毎の観測データを複数の独立成分に分離したときの複数の独立成分を推定し、前記複数の独立成分に基づいて、前記サンプル毎に前記目的成分に対応する混合係数を求める混合係数推定部と、
前記複数のサンプルの前記目的成分の含有量と、前記サンプル毎の前記混合係数とに基づいて、前記検量線の回帰式を求める回帰式算出部と、
を含み、
前記混合係数推定部は、
前記各サンプルの前記各独立成分を含む独立成分行列を求める独立成分行列算出部と、
前記独立成分行列から、前記各サンプルにおける前記独立成分毎の独立成分要素の比率を規定するベクトルの集合を示す推定混合行列を求める推定混合行列算出部と、
前記推定混合行列に含まれる前記ベクトル毎に、前記複数のサンプルの前記目的成分の含有量に対する相関を求め、前記相関が最も高いと判定される前記ベクトルを、前記目的成分に対応する混合係数として選択する混合係数選択部と、
を含み、
前記独立成分行列算出部は、前記観測データの正規化を含む第1前処理と、白色化を含む第2前処理と、独立成分分析処理とをこの順に実行することによって前記独立成分行列を求め、
前記独立成分行列算出部は、前記独立成分分析処理における独立性指標としてβダイバージェンスを用いる、検量線作成装置。
適用例2の検量線作成装置によれば、適用例1に記載の検量線作成方法と同様に、検量に際して、被検体について一の観測データを取得するだけで済む。したがって、実測値である一の観測データから目的成分量を高精度に求めることができるという効果を奏する。また、独立成分分析処理における独立性指標としてβダイバージェンスを使用するので、吸光度スペクトルに含まれるスパイクノイズのような外れ値の影響を低減して、検量精度を高めることが可能である。
前記独立成分行列算出部によって算出された前記独立成分行列と、前記混合係数選択部によって選択された混合係数が前記推定混合行列のいずれの位置にあるかを示す目的成分順位と、前記回帰式算出部によって算出された回帰式とを記憶する記憶部
を含む検量線作成装置。
この構成によれば、検量線作成装置は、独立成分行列、目的成分順位、および回帰式を記憶部に記憶しておくことができる。
前記被検体についての観測データを取得する被検体観測データ取得部と、
前記目的成分に対応する独立成分を少なくとも含む検量用データを取得する検量用データ取得部と、
前記被検体についての観測データと前記検量用データとに基づいて、前記被検体についての前記目的成分に対する混合係数を求める混合係数算出部と、
予め用意した、前記目的成分に対応する混合係数と含有量との関係を示す回帰式の定数と、前記混合係数算出部によって求められた混合係数に基づいて、前記目的成分の含有量を算出する目的成分量算出部と、
を含み、
前記混合係数算出部は、前記観測データの正規化を含む第1前処理と、白色化を含む第2前処理とをこの順に実行する、目的成分検量装置。
この目的成分検量装置によれば、被検体について一の観測データを取得するだけでも、被検体についての目的成分の含有量を高精度に求めることができる。
前記検量用データ取得部は、
前記目的成分に対応するものとして予め求められている独立成分を、前記検量用データとして取得し、
前記混合係数算出部は、
前記独立成分と前記被検体についての観測データとの内積を求め、該内積値を前記混合係数とする、目的成分検量装置。
この目的成分検量装置によれば、被検体についての目的成分と相関の高い混合係数を高精度かつ容易に求めることができる。
前記検量用データ取得部は、
複数のサンプルについての各観測データを複数の独立成分に分離したときの複数の独立成分を、前記検量用データとして取得し、
前記混合係数推定部は、
前記被検体についての観測データと前記複数の独立成分とに基づいて前記被検体についての推定混合行列を算出し、前記算出した推定混合行列から前記目的成分に対応する混合係数を抽出する、目的成分検量装置。
この目的成分検量装置によれば、被検体についての目的成分と相関の高い混合係数を高精度に求めることができる。
A.検量線作成方法:
B.目的成分の検量方法:
C.各種のアルゴリズムとその検量精度への影響:
D.変形例:
・ICA:独立成分分析(Independent Component Analysis)
・SNV:標準正規変量変換(Standard Normal Variate transformation)
・PNS:零空間射影法(Project on Null Space)
・PCA:主成分分析(Principal Components Analysis)
・FA:因子分析(Factor Analysis)
図1は、本発明の一実施例としての検量線作成方法を示すフローチャートである。図示するように、この検量線作成方法は、工程1から工程5までの5つの工程によって構成される。各工程1〜5はこの順に実行される。各工程1〜5について、順に説明する。
工程1は、準備工程であり、作業者により行なわれるものである。作業者は、鮮度が相違する同一種類の複数の緑色野菜(例えば、ほうれん草)を、それぞれサンプルとして用意(準備)する。本実施例ではn個(nは2以上の整数)のサンプルを使用する。
工程2は、スペクトルの測定工程であり、作業者により分光計測器を用いて行なわれるものである。作業者は、工程1で用意した複数のサンプルのそれぞれを分光計測器で撮影することにより、各サンプルについての分光反射率のスペクトルを測定する。分光計測器は、被計測体からの光を分光器に通し、分光器から出力されるスペクトルを撮像素子の撮像面で受けることにより、前記スペクトルを測定する周知の機器である。分光反射率のスペクトルと吸光度のスペクトルとの間には、次式(1)で表される関係が成り立つ。
工程3は、クロロフィル量の測定工程であり、作業者により行なわれるものである。作業者は、工程1で用意した複数のサンプルのそれぞれを化学分析して、各サンプルについての目的成分の含有量であるクロロフィル量を測定する。詳しくは、各サンプルから所定部位を抽出して、その所定部位から目的成分であるクロロフィルを抽出し、その量を測定する。ここで、「所定部位」はサンプルのいずれの部分でもよいが、工程2でスペクトルを測定した部位と一致するのが好ましい。
工程4は、混合係数の推定工程であり、パーソナルコンピューターを用いて行なわれるものである。図3Aは、工程4および後述する工程5で用いられるパーソナルコンピューター100とその周辺装置を示す説明図である。図示するように、パーソナルコンピューター(以下、単に「コンピューター」と呼ぶ)100は、分光計測器200とキーボード300に電気的に接続されている。
工程5は、回帰式の算出工程であり、工程4を実行した時と同じくコンピューター100を用いて行なわれるものである。工程5では、コンピューター100は、検量線の回帰式を算出する処理を実行する。なお、工程5は、工程4までのデータを別のコンピューターに移して実行してもよい。
目的成分の検量方法について、次に説明する。被検体は、検量線を作成したときに用いたサンプルと同じ成分で構成されるものとする。具体的には、目的成分の検量方法は、コンピューターを用いて行なわれるものである。なお、ここでのコンピューターは、検量線を作成する際に用いたコンピューター100であってもよいし、他のコンピューターであってもよい。
以下では、図3Cに示した第1前処理部450と、第2前処理部460と、独立成分分析処理部470とにおいて利用される各種のアルゴリズムと、それらの検量精度への影響について順次説明する。
第1前処理部450が行う第1前処理としては、SNV(標準正規変量変換)とPNS(零空間射影法)を利用可能である。
第2前処理部460が行う第2前処理としては、PCA(主成分分析)とFA(因子分析)を利用可能である。
ICA(独立成分分析)では、一般に、独立成分の分離のための指標として、分離したデータ同士の独立性を表す高次統計量を独立性指標として用いられる。尖度は、典型的な独立性指標である。独立性指標として尖度を用いたICAについては、例えばAapo Hyvarinen, Juha Karhumen, Erkki Oja, "Independent Comonent Analysis", 2001, John Wiley &Sons, Inc.(「独立成分分析」、2005年2月、東京電気大学出版部発行)の第8章に詳述されている。
図12A〜図12Hは、アルゴリズムの組み合わせが異なる8種類の処理条件で処理して得られた検量精度を比較して示す図であり、図13は図12A〜図12Hにおける検量精度をまとめたものである。この影響評価では、しょ糖と食塩の混合比率が異なる8種類の混合物の吸光度を分光光度計で測定して処理対象データを取得し、図5及び図9の手順に従って検量線(図7に類似のもの)を作成した。なお、検量対象は、しょ糖の濃度(単位体積当たりの割合)である。図12A〜図12Hは、こうして得られた検量線を使用した時に得られる検量値と真値との関係を示したものである。
・R2:実測値と独立成分分析で得られた検量値との間の相関係数Rの2乗
・SEP:実測値と独立成分分析で得られた検量値との間の予測標準偏差
一般に、R2が大きいほど(1に近いほど)検量精度が良く、また、SEPが小さいほど検量精度が良い。
第1前処理でPNSを使用する効果は、図13の処理条件1と処理条件3を比較すれば理解できる。すなわち、第1前処理でPNSを使用した処理条件3では、SNVのみを使用した処理条件1と比べて、相関係数Rと予測標準誤差SEPがいずれも改善されており、検量精度が向上している。この点は、処理条件4と処理条件5との比較や、処理条件7と処理条件8との比較からもほぼ同様に理解できる。前述したように、PNSは、ベースライン変動の影響を低減する上で効果が大きなアルゴリズムである。図13に示した8つの分析結果では、測定データとして赤外領域を含む吸光度スペクトルを処理対象としている。特に赤外領域を含む吸収光スペクトル又は反射光スペクトルの測定データについてはベースライン変動が多いので、PNSを適用する利点が大きいことが理解できる。
第2前処理でFAを使用する効果は、図13の処理条件1と処理条件2を比較すれば理解できる。すなわち、第2前処理でFAを使用した処理条件2では、PCAを使用した処理条件1と比べて、相関係数Rと予測標準誤差SEPのいずれもわずかに改善されており、検量精度が向上している。この点は、処理条件4と処理条件7との比較からもほぼ同様に理解できる。但し、図13において、第2前処理でFAを使用する効果は、第1前処理でPNSを使用する効果よりもやや少ない。この理由は、FAは、主としてランダムノイズの影響を低減するのに有効であり、図13の分析で使用した測定データにはランダムノイズが少なかったからであると推定される。
ICAの独立性指標としてβダイバージェンスを使用する効果は、図13の処理条件1と処理条件4を比較すれば理解できる。すなわち、ICAの独立性指標としてβダイバージェンスを使用した処理条件4では、尖度を使用した処理条件1と比べて、相関係数Rと予測標準誤差SEPのいずれもわずかに改善されており、検量精度が向上している。この点は、処理条件6と処理条件8との比較からもほぼ同様に理解できる。但し、図13において、ICAの独立性指標としてβダイバージェンスを使用する効果はわずかであり、処理条件2と処理条件7との比較ではβダイバージェンスを使用した方が検量精度がやや悪化している。この理由は、βダイバージェンスは、主としてスパイクノイズのような外れ値の影響を低減するのに有効であり、図13の分析で使用した測定データにはスパイクノイズが少なかったからであると推定される。
図14A〜図14Hは、各種の変動が存在するときの各種のアルゴリズムの影響を評価した結果を示す図であり、図15は図14A〜図14Hにおける検量精度をまとめたものである。この影響評価では、2つの人音声v1,v2をランダムな割合で混合した40種類のサンプル音声信号を処理対象データとして作成し、図5及び図9の手順に従って検量線を作成した。検量対象は、第1の人音声v1の割合である。なお、音声信号を処理対象データとした理由は、種々の変動を含む処理対象データに対する各種のアルゴリズムの影響を確認するためである。
(1)ガウシアンノイズ:分散が0.05のガウシアンノイズを付加した。
(2)スパイクノイズ:母数5のχ2分布に従うスパイクノイズを1%の割合で付加した。
(3)ベースライン変動:定数ベースライン変動Eと、波長に線形依存する変動λと、波長に2次依存する変動λ2を、それぞれ10-1,10-5,10-6のオーダーでランダムに付加した。
第1前処理でPNSを使用する効果は、図15の処理条件1と処理条件3の比較ではやや小さいが、処理条件2と処理条件6との比較ではかなり効果が大きい。また、処理条件4と処理条件5との比較、及び、処理条件7と処理条件8との比較でも、PNSの効果がかなり大きいことが理解できる。すなわち、第1前処理でPNSを使用する効果は、第2前処理でFAを使用することと、ICAの独立性指標としてβダイバージェンスを使用することと、の少なくとも一方を採用したときに、より顕著になる。
第2前処理でFAを使用する効果は、図15の処理条件1と処理条件2の比較から理解できるようにかなり大きく、同様に、処理条件3と処理条件6との比較、処理条件4と処理条件7との比較、及び、処理条件5と処理条件8との比較からも、その効果がかなり大きなことが理解できる。また、第2前処理でFAを使用する効果は、第1前処理でPNSを使用することと、ICAの独立性指標としてβダイバージェンスを使用することと、の少なくとも一方を採用したときに、より顕著になる。
ICAの独立性指標としてβダイバージェンスを使用する効果は、図15の処理条件1と処理条件4の比較ではやや小さいが、処理条件3と処理条件5との比較ではかなり効果が大きく、同様に、処理条件2と処理条件7や、処理条件6と処理条件8との比較でもかなり効果が大きい。すなわち、ICAの独立性指標としてβダイバージェンスを使用する効果は、第1前処理でPNSを使用することと、第2前処理でFAを使用することと、の少なくとも一方を採用したときに、より顕著になる。
図16A〜図16Fは、ガウシアンノイズとベースライン変動とスパイクノイズの3種類の変動のうちの1種類のみが存在するときの各種のアルゴリズムの影響を評価した結果を示す図であり、図17は図16A〜図16Fにおける検量精度をまとめたものである。この影響評価では、図15と同様に、2つの人音声v1,v2をランダムな割合で混合した40種類のサンプル音声信号を処理対象データとして作成し、図5及び図9の手順に従って検量線を作成した。但し、サンプル音声信号には、ガウシアンノイズとベースライン変動とスパイクノイズの3種類の変動のうちの1種類のみを付加した。
この発明は前記実施例やその変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
前記実施例では、被検体観測データ取得部510(図10)は、検量用データセットDS2をハードディスクドライブ30から取得することで、目的成分に対応する独立成分を含む独立成分行列Yを取得し、混合係数算出部530(図10)は、被検体の吸光度スペクトルと独立成分行列Yとに基づいて被検体についての推定混合行列∧Aを求め、その推定混合行列∧Aの中から目的成分順位kに対応するk列目の混合係数αkを抽出することによって、被検体についての目的成分の混合係数を求めていたが、本発明ではこれに限られない。例えば、次の(i)、(ii)を順に行う構成とすることができる。
(ii)次いで、前記抽出した独立成分Ykと、観測データである被検体のスペクトルXp(例えば、ステップS320で得られた正規化ずみのスペクトル)との内積を求め、その内積値を目的成分の混合係数αkとする。すなわち、次式(27)に従う演算を行う。
前記実施例および変形例では、被検体を緑色野菜として、クロロフィル量を検出する構成としたが、緑色野菜のクロロフィル量に換えて、肉におけるオレイン酸、人肌におけるコラーゲン等、種々の被検体および目的成分に対応することができる。要は、被検体と同じ成分で構成されるサンプルを用意して検量線の作成を行うようにすれば、種々の被検体および目的成分に対応することが可能となる。前記実施例および変形例では、吸光度スペクトルを観測データとして検量する構成としたが、観測データを、吸光度スペクトルに換えて、複数の音源から発せられる音声を混合した音声データとしても、同様の構成により、特定音源からの音の大きさを検量できる。要は、信号源についての統計的性質を知るに十分な量の情報を有する信号であれば、本発明は、種々の観測データに適用することが可能である。
前記実施例および変形例では、混合係数推定工程として、独立成分行列を求め、推定混合行列を求め、その推定混合行列から目的成分に対応する混合係数を抜き出す構成としたが、必ずしもこの構成とする必要はない。要は、サンプル毎の観測データに含まれる、当該観測データを複数の独立成分に分離したときの各独立成分を推定し、前記各独立成分に基づいて、前記目的成分に対応する混合係数を前記サンプル毎に求める構成であれば、いずれの構成とすることもできる。
前記実施例および変形例における検量線作成方法では、サンプルについての目的成分の含有量を実測する構成としたが、これに換えて、目的成分の含有量が既知であるサンプルを用意して、その含有量をキーボード等から入力する構成としてもよい。
前記実施例および変形例では、未知成分のスペクトルSの要素数mは予め経験的又は実験的に決められるとしたが、未知成分のスペクトルSの要素数mはMDL(Minimum Description Length)やAIC(Akaike Information Criteria)として知られる情報量基準などによって決定してもよい。MDLなどを用いる場合、未知成分のスペクトルSの要素数mはサンプルの観測データから演算によって自動的に決めることができる。なお、MDLについては、例えば”Independent component analysis for noisy data ‐ MEG data analysis, 2000”に説明されている。
前記実施例および変形例では、検量処理の対象となる被検体は、検量線を作成したときに用いたサンプルと同じ成分で構成されるとしたが、変形例1のように内積を用いて混合係数を求める場合、被検体に検量線を作成したときに用いたサンプルと同じ成分以外の未知成分が含まれる、としてもよい。独立成分同士の内積は0と仮定するため、未知成分に対応する独立成分とも内積0と考えられるためであり、内積で混合係数を求める場合には未知成分の影響は無視できる。
前記実施例および変形例において用いたコンピューターは、パーソナルコンピューターに換えて専用の装置とすることができる。例えば、目的成分の検量方法を実現するパーソナルコンピューターを専用の検量装置とすることができる。
前記実施例では、サンプルや被検体についての分光反射率のスペクトルの入力を、分光計測器により測定されたスペクトルを入力することで行っていたが、本発明はこれに限られない。例えば、波長帯域の相違する複数のバンド画像から分光スペクトルを推定し、この分光スペクトルを入力する構成としてもよい。前記バンド画像は、例えば、透過波長帯域を変更可能なフィルターを備えるマルチバンドカメラによってサンプルや被検体を撮影することで得られる。
前記実施例および各変形例において、ソフトウェアによって実現した機能は、ハードウェアによって実現するものとしてもよい。
20…メモリー
30…ハードディスクドライブ
50…入力インターフェイス
60…出力インターフェイス
100…パーソナルコンピューター
200…分光計測器
300…キーボード
400…検量線作成装置
410…サンプル観測データ取得部
420…サンプル目的成分量取得部
430…混合係数推定部
432…独立成分行列算出部
434…推定混合行列算出部
436…混合係数選択部
440…回帰式算出部
450…第1前処理部(正規化処理部)
452…標準正規変量変換(SNV)
454…零空間射影法(PNS)
460…第2前処理部(白色化処理部)
462…主成分分析(PCN)
464…因子分析(FA)
470…独立成分分析処理部
472…第1処理
474…第2処理
500…検量装置
610…被検体観測データ取得部
620…検量用データ取得部
630…混合係数算出部
632…前処理部
640…目的成分量算出部
Claims (6)
- 被検体の観測データから、前記被検体についての目的成分の含有量を導くことに用いる検量線を作成する検量線作成方法であって、
(a)コンピューターが、前記被検体の複数のサンプルについての前記観測データを取得する工程と、
(b)前記コンピューターが、前記各サンプルについての前記目的成分の含有量を取得する工程と、
(c)前記コンピューターが、前記サンプル毎の観測データを複数の独立成分に分離したときの複数の独立成分を推定し、前記複数の独立成分に基づいて、前記サンプル毎に前記目的成分に対応する混合係数を求める工程と、
(d)前記コンピューターが、前記複数のサンプルの前記目的成分の含有量と、前記サンプル毎の前記混合係数とに基づいて、前記検量線の回帰式を求める工程と、
を含み、
前記工程(c)は、
(i)前記コンピューターが、前記各サンプルの前記独立成分を含む独立成分行列を求める工程と、
(ii)前記コンピューターが、前記独立成分行列から、前記各サンプルにおける前記独立成分毎の独立成分要素の比率を規定するベクトルの集合を示す推定混合行列を求める工程と、
(iii)前記コンピューターが、前記推定混合行列に含まれる前記ベクトル毎に、前記複数のサンプルの前記目的成分の含有量に対する相関を求め、前記相関が最も高いと判定される前記ベクトルを、前記目的成分に対応する混合係数として選択する工程と、
を含み、
前記工程(i)において、前記コンピューターが、前記観測データの正規化を含む第1前処理と、白色化を含む第2前処理と、独立成分分析処理とをこの順に実行することによって前記独立成分行列を求め、
前記コンピューターが、前記独立成分分析処理における独立性指標としてβダイバージェンスを用いる、検量線作成方法。 - 被検体の観測データから、前記被検体についての目的成分の含有量を導くことに用いる検量線を作成する検量線作成装置であって、
前記被検体の複数のサンプルについての前記観測データを取得するサンプル観測データ取得部と、
前記各サンプルについての前記目的成分の含有量を取得するサンプル目的成分量取得部と、
前記サンプル毎の観測データを複数の独立成分に分離したときの複数の独立成分を推定し、前記複数の独立成分に基づいて、前記サンプル毎に前記目的成分に対応する混合係数を求める混合係数推定部と、
前記複数のサンプルの前記目的成分の含有量と、前記サンプル毎の前記混合係数とに基づいて、前記検量線の回帰式を求める回帰式算出部と、
を含み、
前記混合係数推定部は、
前記各サンプルの前記各独立成分を含む独立成分行列を求める独立成分行列算出部と、
前記独立成分行列から、前記各サンプルにおける前記独立成分毎の独立成分要素の比率を規定するベクトルの集合を示す推定混合行列を求める推定混合行列算出部と、
前記推定混合行列に含まれる前記ベクトル毎に、前記複数のサンプルの前記目的成分の含有量に対する相関を求め、前記相関が最も高いと判定される前記ベクトルを、前記目的成分に対応する混合係数として選択する混合係数選択部と、
を含み、
前記独立成分行列算出部は、前記観測データの正規化を含む第1前処理と、白色化を含む第2前処理と、独立成分分析処理とをこの順に実行することによって前記独立成分行列を求め、
前記独立成分行列算出部は、前記独立成分分析処理における独立性指標としてβダイバージェンスを用いる、検量線作成装置。 - 請求項2に記載の検量線作成装置であって、更に、
前記独立成分行列算出部によって算出された前記独立成分行列と、前記混合係数選択部によって選択された混合係数が前記推定混合行列のいずれの位置にあるかを示す目的成分順位と、前記回帰式算出部によって算出された回帰式とを記憶する記憶部
を含む検量線作成装置。 - 被検体についての目的成分の含有量を求める目的成分検量装置であって、
前記被検体についての観測データを取得する被検体観測データ取得部と、
前記目的成分に対応する独立成分を少なくとも含む検量用データを取得する検量用データ取得部と、
前記被検体についての観測データと前記検量用データとに基づいて、前記被検体についての前記目的成分に対する混合係数を求める混合係数算出部と、
予め用意した、前記目的成分に対応する混合係数と含有量との関係を示す回帰式の定数と、前記混合係数算出部によって求められた混合係数に基づいて、前記目的成分の含有量を算出する目的成分量算出部と、
を含み、
前記混合係数算出部は、前記観測データの正規化を含む第1前処理と、白色化を含む第2前処理とをこの順に実行する、目的成分検量装置。 - 請求項4に記載の目的成分検量装置であって、
前記検量用データ取得部は、
前記目的成分に対応するものとして予め求められている独立成分を、前記検量用データとして取得し、
前記混合係数算出部は、
前記独立成分と前記被検体についての観測データとの内積を求め、該内積値を前記混合係数とする、目的成分検量装置。 - 請求項4に記載の目的成分検量装置であって、
前記検量用データ取得部は、
複数のサンプルについての各観測データを複数の独立成分に分離したときの複数の独立成分を、前記検量用データとして取得し、
前記混合係数算出部は、
前記被検体についての観測データと前記複数の独立成分とに基づいて前記被検体についての推定混合行列を算出し、前記算出した推定混合行列から前記目的成分に対応する混合係数を抽出する、目的成分検量装置。
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JP2012021422A JP5884526B2 (ja) | 2012-02-03 | 2012-02-03 | 検量線作成方法およびその装置、並びに目的成分検量装置 |
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