JP5884398B2 - 紫外線照射装置 - Google Patents

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本発明は、液晶パネルの製造工程において用いられる紫外線照射装置に関する。
液晶パネルは、2枚の光透過性基板(ガラス基板)の間に液晶を封入した構造であり、一方のガラス基板上に多数のアクティブ素子(TFT)と液晶駆動用電極を形成し、その上に配向膜を形成している。他方のガラス基板には、カラーフィルタ、配向膜、そして透明電極(ITO)を形成している。そして両ガラス基板の配向膜間に液晶を封入し、シール剤にて周囲を封止している。
このような液晶パネルの製造工程において、液晶に紫外線に反応して重合する光反応性物質(モノマー)を含ませ、この液晶パネルに対して電圧を印加しながら紫外線を照射し、上記光反応性物質を重合することにより液晶のプレチルト角を制御する技術が知られている(特許文献1)。このような技術は、当該技術分野においてPSA(技術)という通称で呼ばれている。
このようなPSAの処理を行うための紫外線照射装置として、光照射面における紫外線照度の面内均一性が高く、また、紫外線照射中の液晶パネルの温度上昇が少なく、かつ液晶パネル20の温度の面内均一性が良好な装置が期待されている。
図6は、PSA用途に用いる紫外線照射装置の構成例を示す断面図である。
紫外線照射装置は、光源部10、ワークステージ2、プローブPBを有する。
光源部10は、紫外線を放射する複数の長尺状のランプ11を、図6の左右に平行に等間隔で並列配置することにより構成されている(同図においてランプ11は断面が見えている)。
ランプ11は、例えば長尺の矩形の筒状のガラス管(封体)の内部に放電ガスとしてキセノンガスを封入したエキシマランプである。このランプ11の封体の内壁には蛍光体が塗布されており、この蛍光体が、封体内で誘電体バリヤ放電により励起したキセノンガスから発生した紫外光により励起して、PSA処理に適する波長領域が300nm〜400nmの紫外線を放射する。
ワークステージ2は、PSA処理を行う液晶パネル20を保持するステージである。ワークステージ2の表面の周辺部には、液晶パネル20をステージに吸着保持するための真空吸着孔(不図示)が形成されている。
プローブPBは、紫外線照射中にワークステージ2上の液晶パネル20に電圧を印加する機構である。プローブPBは、プローブ電源4に接続されている。紫外線照射中には、プローブPBの先端がワークステージ2上の液晶パネル20の電極21に接触し、プローブ電源4から電圧が印加される。なお、プローブPBは、プローブPBの先端を上下に移動させる移動機構(不図示)を備える。
ピン1は、処理を行うワーク(この場合は液晶パネル20)を、ワークの搬送装置とワークステージ2との間でやり取りする機構である。ピン1は細い円柱状で、パネル20への接触が許される周辺部などに対応するように複数設けられ、ピン駆動機構6により同図上下方向に移動する。
図7を用いて、この紫外線照射装置の動作を説明する。
(1)図7(a)に示すように、ワーク搬送機構30のアーム31に保持された液晶パネル20が、紫外線照射装置のワークステージ2上に搬入される。
(2)図7(b)に示すように、ピン駆動機構6が駆動してピン1が上昇する。ワーク搬送機構30のアーム31が微小下降し、液晶パネル20がアーム31からピン1に受け渡される。アーム31がワークステージ2上から、図右方向に退避する。
(3)図8(c)に示すように、ピン駆動機構6が駆動してピン1が下降する。液晶パネル20がピン1からワークステージ2に受け渡される。ワークステージ2は液晶パネル20を真空吸着により保持する。プローブPBが上昇し先端が液晶パネル20の電極21に接触する。プローブPBから液晶パネル20に電圧が印加されるとともに、光源部10から紫外線がワークステージ2上の液晶パネル20に照射される。
(4)処理が終わると、図7(b)のようにピン1が上昇し液晶パネル20を持上げる。ワーク搬送機構30のアーム31が、ピン1により持上げられた液晶パネル20とワークステージ2との間に挿入される。
(5)アーム31が微小上昇し、液晶パネル20をピン1から受け取る。ピン1は下降する。液晶パネル20はアーム31に保持されて搬出される。
特開2010−256515号公報
図9に液晶パネル20の構成例を示す。2枚のガラス基板22,23の間にシール剤24をはさんで形成した液晶パネル20には、複数(本図では4面)の画郭25(画面)が形成されている。そして各画郭25(画面)を囲むようにシール剤が塗布され、その中に液晶か閉じ込められている。
液晶パネル20はピン1が接触してよい部分が限られている。画像が表示される、いわゆる画面の部分(画郭25の内側)はピン1が接触できない。ピン1が接触してよいのは、画面ではないパネル20の周辺部や、パネル20に形成される複数の画面の、画面と画面の間の部分のみである。
ピンは、液晶パネル20を安定して支持するためには太いことが望ましい。しかし、ピンが接触しても良い部分の幅は、パネルを有効活用するために狭く、ピンの太さは直径2mm〜3mm程度にしかできない。
一方、液晶パネル20は一辺が2m〜3m程度あり、その重さも20kgから30kgほどになる。このようなパネルを、パネル周辺部の狭い領域において直径2mm〜3mmのピンで支持しようとすると、次のような問題が生じる可能性がある。
(1)ワーク搬送装置30のアーム31から液晶パネル20がピン1に受け渡された時、あるいはワークステージ2からピン1が液晶パネル20を持上げようとする時、パネル20はピン1により支持される。しかし、図10に示すように、ピン1が上下動するとき、ピン1が細いために、その振動で揺れ、パネルがピン1からずり落ちる。
(2)液晶パネル20は薄いガラス基板であり、ピン1で支持したときに自重によるたわみが生じる。自重たわみが生じると、図11(a)(b)に示すように、ピン1に対して横方向に応力が発生する。この応力により図11(c)に示すようにピン1が外方向に開き、パネル20がピン1の内側に落ち込む。
なお、ピン1をパネルの周辺部だけでなく、中央部にも設ければ、周辺部のピン1に加わる横方向の応力をやや小さくすることはできる。しかし、それだけでは上記の問題の対策としては十分ではない。
すなわち、中央部にピンを設けても、図12(d)に示すように周辺部に設けたピン1が外側に曲がると、パネル20の周辺部がピン1から外れてピンの内側に落ち、パネル20が撓んで、パネル20に負荷がかかる。そして、場合によっては、パネル20にキズが生じる原因になることが考えられる。
本発明は上記問題点を解決するものであって、本発明の目的は、ワーク搬送機構のアームから、液晶パネルを、ピンを介してワークステージに置く際、また、ワークステージから、ピンを介してワーク搬送機構のアームに、液晶パネルを受け渡す際に、液晶パネルがピンから落ちたり、ピンから外れることにより、液晶パネルが撓み液晶パネルに大きな負荷が加わることを防止することである。
液晶パネルをピンとワークステージとの間で受け渡す際に、ピンを上下動させるのではなく、ピンは固定し、ピンに対してワークステージを上下動させて行う。
また、パネルの周辺部または角部に設けるピンを、従来の円柱状ではなく、ピンが接触しても良い領域に沿った板状にする。なお、以下では、板状の支持部材も含めて、パネルを複数個所で支持する部材をピンと呼ぶ。
すなわち、本発明においては、以下のようにして前記課題を解決する。
晶を内部に封入した液晶パネルを支持するパネル支持部と、上記パネル支持部に支持された上記液晶パネルに対して光を照射する光照射部とを備え、上記支持部に支持された液晶パネルに対して、上記光照射部からの光を照射する液晶パネルの製造装置において、上記パネル支持部を、平面ステージと、平面ステージを垂直方向に移動させる平面ステージ駆動機構と、液晶パネルがパネル支持部に搬入搬出される際に液晶パネルを支持する複数のピンとから構成し、この複数のピン上の液晶パネルを上記平面ステージに受け渡す際、および上記平面ステージ上の液晶パネルを上記複数のピンに受け渡す際、上記複数のピンは移動させずに、上記平面ステージを上記複数のピンに対して移動させ、上記複数のピンのうち、液晶パネルの周辺部もしくは角部を支持するピンの形状を板状とし、該板状のピンの上記液晶パネルに接する面の長辺を上記液晶パネルの辺に平行に配置する。
本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)ピンは固定し、ピンに対してワークステージを上下動させて、液晶パネルをピンからワークステージへ、また、ワークステージからピンに受け渡すようにしたので、ピンには振動が生じることがなく、パネルがピンからずり落ち、パネルが撓むことでパネルに負荷がかかるのを防ぐことができる。
(2)ピンの形状を板状にすることでピンの剛性が増すことができる。特に、ピンの平面に対して斜め方向に力が加わっても、ピンが外方向に開かず、液晶パネルがピンの内側に落ち込むことがない。このため、パネルが撓むことでパネルに負荷がかかるのを防ぐことができる。
本発明の実施例の紫外線照射装置の構成例を示す断面図である。 本発明の第1の実施例のワークステージとピンの配置を示す斜視図である。 本発明の実施例の紫外線照射装置の動作を説明する図(1)である。 本発明の実施例の紫外線照射装置の動作を説明する図(2)である。 本発明の第2の実施例のワークステージとピンの配置を示す斜視図である。 紫外線照射装置の構成例を示す断面図である。 図6に示す紫外線照射装置の動作を説明する図(1)である。 図6に示す紫外線照射装置の動作を説明する図(2)である。 液晶パネルの構成例を示す図である。 図6に示す紫外線照射装置において、ピンを介して液晶パネルを受け渡す際の問題点を説明する図(1)である。 図6に示す紫外線照射装置において、ピンを介して液晶パネルを受け渡す際の問題点を説明する図(2)である。 図6に示す紫外線照射装置において、ピンを介して液晶パネルを受け渡す際の問題点を説明する図(3)である。
図1に、本発明の実施例の紫外線照射装置の構成例を断面図で示す。図6により示した従来の装置と構成の異なる構成は、ピン1は固定されて上下方向に移動せず、ワークステージ2に、ステージを上下方向に移動させる駆動機構を設けた点である。その他の構成は基本的に同一である。
図1に示すように、本実施例の外線照射装置は、光源部10、ワークステージ2、プローブPBを有する。
光源部10は、紫外線を放射する複数の長尺状のランプ11を、図1の左右に平行に等間隔で並列配置することにより構成されている(同図においてランプ11は断面が見えている)。
ランプ11は、前記した長尺の矩形の筒状のガラス管(封体)の内部に放電ガスとしてキセノンガスを封入したエキシマランプである。このランプ11の封体の内壁には蛍光体が塗布されており、この蛍光体が、封体内で誘電体バリヤ放電により励起したキセノンガスから発生した紫外光により励起して、PSA処理に適する波長領域が300nm〜400nmの紫外線を放射する。
ワークステージ2は、PSA処理を行う液晶パネル20を保持するステージである。ワークステージ2の表面の周辺部には、液晶パネル20をステージに吸着保持するための真空吸着孔(不図示)が形成されている。ワークステージ2には、ステージを同図上下方向に移動させるワークステージ駆動機構3が設けられている。
プローブPBは、紫外線照射中にワークステージ2上の液晶パネル20に電圧を印加する機構である。プローブPBは、プローブ電源4に接続されている。
紫外線照射中には、プローブPBの先端がワークステージ2上の液晶パネルの電極に接触し、プローブ電源4から電圧が印加される。なお、プローブPBは、プローブPBの先端を上下に移動させる移動機構(不図示)を備える。
ピン1A,1Bは、液晶パネル20をワークの搬送装置30とワークステージ2との間でやり取りする機構である。ピン1A,1Bは移動しないフレーム5に固定されている。
図2は、本発明の紫外線照射装置における第1の実施例のワークステージ2とピン1A,1Bの配置を示す斜視図である。なお同図はワークステージ2が下降している状態を示している。また、ワークステージ2の表面には、液晶パネル20を吸着保持するための真空吸着孔が形成されているが、省略している。
液晶パネル20を支持するピンには、ピン1Aとピン1Bの2種類がある。
ピン1Aは、液晶パネル20に形成されている画郭(画面)と画郭(画面)との間の領域に接して、パネルを支持する。ピン1Aの形状は、従来と同様の直径2mm〜3mm程度の円柱状である。ワークステージ2にはピン1Aが貫通する貫通孔2bが形成されている。
ピン1Bは、液晶パネル20の周辺部に接してパネルを支持する。ピン1Bの形状は、厚さが2mm〜3mmで、パネルの各辺の伸びる方向に沿って長い平板状である。すなわち、パネル20と接触する面の長辺はパネル20の辺に略平行である。
ワークステージ2の周辺部には、ピン1Bを設けるための切り欠き2aが形成されている。
ピン1Bを平板状にすることで、次のような利点がある。上記したように、液晶パネル20は、ピン1A,1Bに保持された時に自重たわみを生じ、これによりピン1Bには横方向(ワークステージ2の外側方向)に応力がかかる。しかし、平板状のピン1Bは、円柱状の場合に比べて横方向の力に対して剛性が高くなり、曲がりにくく(外側に広がりにくく)なる。
また、ワークステージ2の角に近い位置に設けたピンについては、前記図11に示したように液晶パネル20の自重たわみによる応力が、ピン1Bの平面に対して斜めに加わるが、このような力に対してピン1Bは曲がらない(外側に広がらない)。
このように、液晶パネル20の周辺部に接してパネル20を支持するピン1Bを平板状とすることで、パネル20に自重たわみによる応力があっても、ピン1Bがステージの外側に向かって広がることがなく、したがって液晶パネル20がピン1Bの内側に落ち込むことがない。なお、ピンの剛性を高めるため、円柱状のピンを用い、パネルとの接触部分以外の部分を太くする等の方策も考えられるが、ピンの外側にはプローブPBが設けられており、ピンを太くするとプローブPBと干渉する可能性がある。
また、液晶パネル20の中央部を支持するピン1Aも平板状にしても良い。しかし、本実施例でピン1Aを平板状にしなかったのは、ピン1Aを平板状にすると、ワークステージ2に形成する貫通孔を細長いものにしなければならず、ワークステージ2の剛性が弱まることが考えられたためである。
図3、図4を用いて、この紫外線照射装置の動作を説明する。
(1)図3(a)に示すように、ワーク搬送機構30のアーム31に保持された液晶パネル20が、紫外線照射装置のワークステージ2上に搬入される。
(2)図3(b)に示すように、ワーク搬送機構30のアーム31が微小下降し、液晶パネル20がアーム31からピン1A,1Bに受け渡される。アーム31がワークステージ2上から、図右方向に退避する。
(3)図4(c)に示すように、ワークステージ駆動機構3が駆動されて、ワークステージ2が上昇する。液晶パネル20がピン1A,1Bからワークステージ2に受け渡される。ワークステージ2は液晶パネル20を真空吸着により保持する。プローブPBが上昇し先端が液晶パネル20の電極21に接触する。プローブPBから液晶パネル20に電圧が印加されるとともに、光源部10から紫外線がワークステージ2上の液晶パネル20に照射される。
(4)処理が終わると、ワークステージ2が下降し、液晶パネル20がピン1A,1Bに受け渡される。また、プローブPBも下降する(図3(b)の状態となる)。
(5)ワーク搬送機構30のアーム31が、ピン1A,1Bの上の液晶パネル20とワークステージ2との間に挿入される。アーム31が微小上昇し、液晶パネル20をピン1から受け取る(図3(a)の状態となる)。
(6)液晶パネル20はワーク搬送機構30のアーム31に保持されて搬出される。
図2では、ピンとして平板状の部材を用いる場合について説明したが、ワークステージ2の角部に設ける場合には、L型に形成された板状部材を用いてもよい。
図5は、本発明の第2の実施例のワークステージ2とピン1の配置を示す斜視図である。なお、同図はワークステージ2が下降している状態を示している。また、ワークステージ2の表面には、液晶パネル20を吸着保持するための真空吸着孔が形成されているが、省略している。
同図に示すように、液晶パネル20の周辺部に接してパネルを支持する板状のピン1Bについて、パネル20の四隅(角部)のものの形状をL字型にする。
上記ピンをL字型にすることにより、板状のピン1Bの剛性がより高くなる。そのため、液晶パネル20がピン1から外れる可能性がより低くなる。したがって、この場合は、液晶パネル20の四隅以外の周辺部を支持するピン1については、同図に示すように、ピン1Aと同様に、従来の円柱形状のものを使用しても良い。
1,1A,1B ピン
2 ワークステージ
2a 切り欠き
2b 貫通孔
3 ワークステージ駆動機構
4 プローブ電源
5 フレーム
10 光源部
11 ランプ
20 液晶パネル
30 ワーク搬送機構
31 アーム
PB プローブ

Claims (1)

  1. 液晶を内部に封入した液晶パネルを支持するパネル支持部と、上記パネル支持部に支持された上記液晶パネルに対して光を照射する光照射部とを備え、
    上記支持部に支持された液晶パネルに対して、上記光照射部からの光を照射する液晶パネルの製造装置において、
    上記パネル支持部は、
    平面ステージと、
    平面ステージを垂直方向に移動させる平面ステージ駆動機構と、
    液晶パネルがパネル支持部に搬入搬出される際に液晶パネルを支持する複数のピンとを備え、
    上記複数のピン上の液晶パネルを上記平面ステージに受け渡す際、および上記平面ステージ上の液晶パネルを上記複数のピンに受け渡す際には、上記複数のピンは移動せず、上記平面ステージが上記複数のピンに対して移動し、
    上記複数のピンのうち、液晶パネルの周辺部もしくは角部を支持するピンの形状が板状であり、該板状のピンの上記液晶パネルに接する面の長辺は、上記液晶パネルの辺に平行に配置されている
    ことを特徴とする液晶パネルの製造装置。
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