JP5884315B2 - 手元コントローラユニットおよび手元コントローラユニットを備える刺繍機能付ミシン - Google Patents

Description

本発明は、手元コントローラユニットおよび手元コントローラユニットを備える刺繍機能付ミシンに関する。

従来技術として、ミシン（刺繍機能付ミシン）の作動を操作するスイッチ部（操作スイッチ）をもつ基部と、基端部が基部に連設されると共に先端部同士の間に切欠を有し互いに対向する内側面で人の手の指１本が挿通される指挿通孔を形成する一対の腕部とを具備し、スイッチ部はミシンに受信される電波を送信する送信部を有するミシン用の操作スイッチ（手元コントローラ）がある（特許文献１参照）。

また、指式コントローラ（手元コントローラ）と、ミシンモータと、同一速度検出手段と、始動操作手段と、速度記憶手段及び自動運転指令手段と、解除手段と、これらを制御する中央処理装置とをミシン機枠に備え、始動操作手段及び解除手段は指式コントローラの操作にて動作する指式コントローラの自動運転機能を備えたミシン（刺繍機能付ミシン）がある（特許文献２参照）。

特開２００２−２８３９０号公報 特開平０６−２９２７８８号公報

しかしながら、特許文献１に示されるミシンでは、手元コントローラを指に嵌め込み固定させて操作する為、手元コントローラを嵌めた指や操作する親指を動かすことによって刺繍枠の操作が難しくなり、手元コントローラを操作しながら刺繍対象物を微妙に移動させることが難しくなると云う問題がある。

また、特許文献２に示されるミシンでは、手元コントローラを片手で操作する為、刺繍対象物を両手で持つことが難しく刺繍対象物を微妙に移動させることが難しくなると云う問題がある。

そこで、本発明は上記問題点に鑑みて成されたものであり、刺繍対象物を両手で持つことが出来き、ミシン操作時に手元操作しながら刺繍対象物を微妙に移動させることが出来る手元コントローラユニットとすること、また、刺繍対象物を両手で持つことが出来る様にして手元コントローラを操作しながら刺繍対象物を微妙に移動させることが出来る手元コントローラユニットを具備した刺繍機能付ミシンを提供することを課題とする。

本発明の課題解決手段は、刺繍枠に取付けられ、ミシン操作時に縫い幅あるいは縫い速度を可変にする手元コントローラユニットであって、前記刺繍枠に対して移動可能となり、任意の位置で固定可能なコントローラ位置決め装置を備える手元コントローラユニットとした。

また、本発明の課題解決手段は、刺繍を行うテーブル上で操作される刺繍枠と手元で操作可能な手元コントローラユニットを具備する刺繍枠ユニットを備える刺繍機能付ミシンであって、前記手元コントローラユニットは、前記刺繍枠上で移動可能で且つ任意の位置で固定可能なコントローラ位置決め装置を備える構成とした。

この場合、前記手元コントローラユニットは、前記刺繍枠の上面と接するボールベアリングを具備すると良い。

また、前記コントローラ位置決め装置は、前記手元コントローラユニットを前記刺繍枠上に固定可能にするカムと、前記カムの前記刺繍枠への着脱を操作する操作レバーと、を具備すると良い。

更に、前記手元コントローラユニットは、手元で操作可能な操作スイッチを有する手元コントローラと、前記コントローラ位置決め装置を有する取付け台と、を具備すると良い。

更にその上、本発明の第５の課題解決手段は、前記手元コントローラユニットは、前記手元コントローラを前記取付け台へ取付ける取付け姿勢を変更可能なスイッチ位置選択装置を具備する、構成とすると良い。

本発明によれば、手元コントローラユニットにより、手元コントローラユニットを刺繍枠と共に手の平や指で抱え込む操作を可能にして、手元コントローラユニットの操作を容易にさせることが可能になる。

また、刺繍をしながら刺繍枠を両手で持つことが可能になり、刺繍枠を微妙に移動させ易くすることが可能になる。

更に、手元コントローラユニットは、コントローラ位置決め装置により刺繍枠上で移動可能に且つ任意の位置で固定可能なため、刺繍枠ユニットの中で刺繍する部位や方向を変えたい場合には、手元コントローラユニットを操作し易い位置にスライドして再固定することが可能になる。

手元コントローラユニットはボールベアリングを具備していることにより、刺繍枠ユニットの上で手元コントローラユニットを滑らかに移動させることが可能になる。

コントローラ位置決め装置は操作レバーとカムを具備していることにより、手元コントローラユニットをレール上で着脱する際の操作性がより向上する。

また、手元コントローラを取付け台へ取付ける取付け姿勢を変更可能なスイッチ位置選択装置を具備していることにより、使用者の指の長さや可動範囲に合わせて操作スイッチの取付け姿勢を取付け台上で使用者が操作し易い位置、高さまたは角度に調節することが可能になる。

刺繍枠と本発明の手元コントローラユニットを刺繍機能付ミシンへ取付けた状態を説明する斜視図である。 図１に示す刺繍枠ユニットを説明する斜視図である。 本発明の手元コントローラユニットの取付け台の分解説明図である。 本発明の図３に示す選択レバーの状態説明図である。

以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。

図１は、刺繍枠１１と手元コントローラユニット２０を刺繍機能付ミシン１へ取付けた状態の説明図である。刺繍機能付ミシン１は、刺繍機能付ミシン１の図面左下側に拡張テーブル３（テーブル）を備え、拡張テーブル３上に刺繍枠ユニット１０を備えている。刺繍枠ユニット１０は、刺繍を行なう時には拡張テーブル３上で使用者によって移動可能な状態であり、刺繍終了後には拡張テーブル３から取外すことが可能である。手元コントローラユニット２０と刺繍機能付ミシン１の間には、手元コントローラユニット２０からの操作信号を刺繍機能付ミシン１に伝えるハーネス５が、コネクタ７を介して繋がれている。なお、ここでは手元コントローラ２１の操作スイッチ２３を横向きに記載しているが、必要に応じて縦向きに設置することも可能である。また、ここではハーネス５を刺繍機能付ミシン１の手前に回して刺繍機能付ミシン１に繋いでいるが、必要に応じて拡張テーブル３の下面に引掛けて刺繍機能付ミシン１の後ろに回して繋ぐことも可能である。更に、ここではハーネス５をコネクタ７を介して手元コントローラ２１と刺繍機能付ミシン１に繋いでいるが、コネクタ７を介さずに直接繋ぐことも可能である。また、ここでは拡張テーブル３を使用して説明しているが、通常のテーブル（図示せず）で代用することも可能である。

図２は、刺繍枠ユニット１０の説明図である。刺繍枠ユニット１０は、滑り性の良いポリフェニレンエーテル等の樹脂製の刺繍枠１１の上に形成されたレール１３上に滑り性の良いポリアセタール等の樹脂製の手元コントローラユニット２０を、レール１３上でスライド（移動）可能な状態で具備している。刺繍枠１１は、上部にレール１３を形成した内枠１２と、内枠１２との間で布１９を挟み込む為の外枠１５を有している。外枠１５には、外枠１５の繋ぎ目１６を開閉可能な固定用つまみねじ１８をねじ込み可能な２箇所のねじ孔１７を、外枠１５の外周で且つ繋ぎ目１６の両側に形成している。手元コントローラユニット２０は、レール１３上でスライド可能で且つレール１３上の任意の位置で固定可能な滑り性の良いポリアセタール等の樹脂製の取付け台３０と、刺繍機能付ミシン１の縫いの開始と停止および速度を操作可能な手元コントローラユニット２０と、を有している。

取付け台３０は、幅約２３ｍｍのレール１３上を滑る下面３１と、レール１３から外れない程度にレール１３の下面との間に微小の隙間を形成しつつレール１３の下面を抱え、レール１３の下面と接触してもレール１３の下面上を滑る幅約５ｍｍ長さ約５ｍｍでピッチ約１９ｍｍのレール抱え爪３２と、を有する。更に、取付け台３０は、手元コントローラ２１の取付け孔２２に挿入固定可能または取外し可能な手元コントローラ固定爪３３を側面に有している。手元コントローラ２１は、操作スイッチ２３と、手元コントローラ固定爪３３を挿入固定可能な取付け孔２２とを有している。手元コントローラ固定爪３３を取付け孔２２へ挿入固定する組合わせを変更可能にすることにより、手元コントローラユニット２０を取付け台３０へ取付ける取付け姿勢を変更可能なスイッチ位置選択装置を形成している。操作スイッチ２３は、刺繍機能付ミシン１へ操作量を伝えるポテンショメータと云った可変抵抗２４を有している。なお、ここでは手元コントローラ２１を、縫い幅を調整可能な形態で記載しているが、縫い速度を調整可能な形態にすることも可能である。また、レール１３上の中央部に位置決め用のラック１４を設けることも可能である。また、手元コントローラ固定爪３３をねじやピン等のほかの締結手段で代用することも可能である。また、取付け台３０と手元コントローラ２１を一体成形することも可能である。

図３は、手元コントローラユニット２０の取付け台３０の分解説明図である。（ａ）は全体の分解説明図、（ｂ）は収納部３５の断面説明図である。取付け台３０は、レール１３を上下で抱え込む滑り性の良いポリアセタール等の樹脂製の基台３４上に形成された４箇所の収納部３５に４個の金属性ボールベアリング３９を回転可能に個々に収納している。更に、４個の金属性ボールベアリング３９を取付け台３０の上からカバー４０で挟み込み、基台３４と樹脂製のカバー４０を２本のねじ４３で締結している。更に、選択レバー５１の回転軸孔５２をカバー４０の凹部４１に嵌めて１本のレバーピン５３で選択レバー５１を回転可能にカバー４０へ締結している。

収納部３５の下面には、手元コントローラユニット２０をレール１３上に組み付けた際にボールベアリング３９の一部がレール１３上に接して回転し且つ取付け台３０から外れない程度に開口部３６が開いている。この開口部３６は、レール１３上の中央部に設けられた位置決め用のラック１４とボールベアリング３９が接触しない程度のピッチと、ボールベアリング３９がレール１３上をガタなく滑らかに移動する程度のピッチと、を持って設けられている。更に、カバー４０の下面には、ボールベアリング３９の一部がレール１３上に接して回転する際にボールベアリング３９がレール１３と収納部３５の上面となるカバー４０の下面に接するようにベアリング押さえボス４２が形成されている。他方、基台３４の上面には、選択レバー５１を回転した際にスライド可能位置に着脱可能な可撓性のあるスライド側ロック爪３７と固定位置に着脱可能な可撓性のある固定側ロック爪３８とが形成されている。なお、ボールベアリング３９は滑り性の良いポリアミド等の樹脂で代用することも可能である。

図４は、選択レバー５１の状態説明図である。（ａ）はスライド可能位置での説明図、（ｂ）は固定位置での説明図である。選択レバー５１は、使用者が手元コントローラユニット２０をレール１３上でスライドまたは固定させる際に選択レバー５１を回転させる為のハンドル５４と、使用者が手元コントローラユニット２０をレール１３上で固定させる際に手元コントローラユニット２０をレール１３から浮かせる為のカム５５を有している。カム５５は、手元コントローラユニット２０をレール１３から浮かせる際に高さ方向で約１ｍｍ撓んでばね性を発揮する凸部を形成している。選択レバー５１は、ばね性を発揮する際の繰り返し応力でも割れ難いポリアセタール等の樹脂でハンドル５４とカム５５を一体成形している。

以下に、本発明の刺繍機能付きミシン１の動作について、説明する。

刺繍を行なう際には、図1の状態で、手元コントローラユニット２０を、選択レバー５１を図４（ａ）のスライド可能位置まで回転させてスライド側ロック爪３７にロックさせた状態で、内枠１２のレール１３の所定位置（図２では１か所設けてあるが、これに限定されない）に設けられた幅１７ｍｍのくびれ部１３ａからレール１３上に挿入され嵌められる。そして、目的の位置までスライドさせた後に選択レバー５１を図４（ｂ）の固定位置まで回転させて固定側ロック爪３８にロックさせた状態で、手元コントローラユニット２０をレール１３上に固定する。この際、手元コントローラユニット２０は選択レバー５１に形成されたカム５５によって持上げられ、手元コントローラユニット２０下部に形成されたレール抱え爪３２とカム５５によってレール１３を上下で挟み込み、挟み込みによって発生する摺動抵抗によって手元コントローラユニット２０をレール１３に固定する。

次に、刺繍枠１１の内枠１２と外枠１５の間に刺繍をする布１９を挟み込む。その後、固定用つまみねじ１８を外枠１５の２箇所のねじ孔１７に挿入して外枠１５の繋ぎ目１６を締付け、刺繍する布１９を引張りつつ外枠１５を内枠１２へ締付ける。こうして組み上げた刺繍枠ユニット１０を拡張テーブル３に乗せて左手で手元コントローラユニット２０を抱え込む様にしつつ両手で刺繍枠１１を持つ。更に、左手の親指を操作スイッチ２３の上に乗せて操作スイッチ２３の押し込み量を操作しつつ刺繍機能付ミシン１の縫い幅を調整し、両手で縫い位置を微調整して刺繍を行なう。この際、使用者の親指の長さや可動範囲と云った必要性に応じて取付け孔２２と手元コントローラ固定爪３３の位置を組合せ、手元コントローラ２１の取付け台３０への取付け姿勢や位置や角度を変更する。更に、操作スイッチ２３を親指以外の指で操作しつつ親指で刺繍枠１１を更にしっかり掴みたい場合には、手元コントローラ２１の取付け台３０への取付け向きを、縦向きから横向きに変更する。

なお、ここでは操作スイッチ２３を左手で操作する様に記載したが、右手で操作する様に組み付けることも可能である。また、ここでは摺動抵抗で手元コントローラユニット２０をレール１３に固定する様に記載したが、レール１３の中央部に設置したラック１４にカム５５の先端を嵌め込む構成にして、手元コントローラユニット２０の移動時にクリック感を得られる様にすると共に、手元コントローラユニット２０を移動して元の位置に戻した際に、より正確な元位置に戻す構成にすることも可能である。

刺繍の位置や向きを変更する際には、図２の状態で、選択レバー５１を図４（ａ）のスライド可能位置まで回転させてスライド側ロック爪３７にロックさせた状態で手元コントローラユニット２０をレール１３上でスライド可能な状態にし、目的の位置までスライドさせる。そして、選択レバー５１を図４（ｂ）の固定位置まで回転させて固定側ロック爪３８にロックさせた状態で手元コントローラユニット２０を目的の位置で固定し、刺繍を再開する。

以下に、本発明の刺繍機能付きミシン１の効果について、説明する。

本発明の刺繍機能付きミシン１では、刺繍枠ユニット１０は、縫い速度を調整操作可能な手元コントローラユニット２０を具備している。これにより、手元コントローラユニット２０を刺繍枠１１と共に手の平や指で抱え込むことを可能にして、手元コントローラユニット２０の操作を容易にさせることが可能になる。同時に、刺繍をしながら刺繍枠１１を両手で持つことが可能になり、刺繍枠１１を微妙に移動させ易くすることが可能になる。更に、手元コントローラユニット２０は、コントローラ位置決め装置５０により刺繍枠１１上で移動可能に且つ任意の位置で固定可能なため、刺繍枠ユニット１０の中で刺繍する部位や方向を変えたい場合には、手元コントローラユニット２０を操作し易い位置にスライドして再固定することが可能になる。

また、本発明の刺繍機能付きミシン１では、手元コントローラユニット２０はボールベアリング３９を具備している。これにより、刺繍枠ユニット１０の上で手元コントローラユニット２０を移動させる際に、滑らかに移動させることが可能になる。

また、本発明の刺繍機能付きミシン１では、コントローラ位置決め装置５０は操作レバーとカム５５を具備している。これにより、手元コントローラユニット２０をレール１３上で着脱する際の操作性が、より向上する。例えば、操作レバーを回転させるだけでカム５５のレール１３への着脱を操作できる様になる。

また、本発明の刺繍機能付きミシン１では、手元コントローラ２１を取付け台３０へ取付ける取付け姿勢を変更可能な取付け孔２２と手元コントローラ固定爪３３（スイッチ位置選択装置）を具備している。これにより、使用者の指の長さや可動範囲に合わせて操作スイッチ２３の取付け姿勢を取付け台３０上で使用者が操作し易い位置、高さまたは角度に調節することが可能になる。

１ 刺繍機能付きミシン
３ 拡張テーブル（テーブル）
５ ハーネス
７ コネクタ
１０ 刺繍枠ユニット
１１ 刺繍枠
１２ 内枠
１３ レール
１３ａ くびれ部
１４ラック
１５外枠
１６繋ぎ目
１７ねじ孔
１８ 固定用つまみねじ
２０ 手元コントローラユニット
２１ 手元コントローラ
２２ 取付け孔
２３ 操作スイッチ
３０ 取付け台
３２ レール抱え爪
３３ 手元コントローラ固定爪
３４ 基台
３５ 収納部
３６ 開口部
３７ スライド側ロック爪
３８ 固定側ロック爪
３９ ボールベアリング
４０ カバー
４１ 凹部
４２ ベアリング押さえボス
４３ ねじ
５０ コントローラ位置決め装置
５１ 選択レバー
５２ 回転軸孔
５３ レバーピン
５４ ハンドル
５５ カム

Claims (6)

1. 刺繍枠に取付けられ、ミシン操作時に縫い幅あるいは縫い速度を可変にする手元コントローラユニットであって、
   前記刺繍枠に対して移動可能となり、任意の位置で固定可能なコントローラ位置決め装置を備える手元コントローラユニット。
2. 刺繍を行うテーブル上で操作される刺繍枠と手元で操作可能な手元コントローラユニットを具備する刺繍枠ユニットを備える刺繍機能付ミシンであって、
   前記手元コントローラユニットは、前記刺繍枠上で移動可能で且つ任意の位置で固定可能なコントローラ位置決め装置を備える刺繍機能付ミシン。
3. 請求項２に記載の刺繍機能付ミシンに於いて、
   前記手元コントローラユニットは、前記刺繍枠の上面と接するボールベアリングを具備する刺繍機能付ミシン。
4. 請求項２または３に記載の刺繍機能付ミシンに於いて、
   前記コントローラ位置決め装置は、前記手元コントローラユニットを前記刺繍枠上に固定可能にするカムと、前記カムの前記刺繍枠への着脱を操作する操作レバーと、を具備する刺繍機能付ミシン。
5. 請求項２乃至４のいずれか１項に記載の刺繍機能付ミシンに於いて、
   前記手元コントローラユニットは、手元で操作可能な操作スイッチを有する手元コントローラと、前記コントローラ位置決め装置を有する取付け台と、を具備する刺繍機能付ミシン。
6. 請求項２乃至５のいずれか１項に記載の刺繍機能付ミシンに於いて、
   前記手元コントローラユニットは、前記手元コントローラを前記取付け台へ取付ける取付け姿勢を変更可能なスイッチ位置選択装置を具備する刺繍機能付ミシン。
   

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