JP5883192B1 - 掘削ビット - Google Patents

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Abstract

【課題】矢板圧入工法に用いる掘削ビットとして、地盤の表層側が超硬質であっても、矢板圧入が容易で、掘削主軸の振れを抑えて高い掘削効率が得られるものを提供する。【解決手段】掘削ビット1は、ビット軸部2と、その下端に一体形成された偏心ビット部3と、偏心ビット部3の下面側に突設された短丸軸状のガイドビット部4とからなり、ビット軸部2とガイドビット部4とが同心に形成され、偏心ビット部3が回転によって矢板圧入域に対して出入りし得る偏心形状を備え、偏心ビット部3の下部側が縮径してガイドビット部4の基端周縁に至る逆円錐部31を構成する。矢板圧入工法では、掘削主軸の先端部に、ビット軸部2をダウンザホールハンマー12を介して取り付け、掘削ビット1の回転打撃作用によって地盤Gを掘削しつつ矢板17を圧入する。【選択図】図3

Description

本発明は、岩盤、礫層、岩石、転石、コンクリート等が存在する地盤に矢板を圧入する際に使用される掘削ビット、特に地盤表層側が超硬質である場合にも好適に対応できる該掘削ビットに関する。
従来より、比較的軟質な地盤を対象とする矢板圧入工法として、アースオーガ等で回転駆動される掘削主軸に沿って矢板を支持し、該掘削主軸の先端に取り付けた掘削ビットによって地盤を掘削しつつ、この掘削に追従して矢板を地盤中に圧入する方法が汎用されている。この方法では、圧入完了後の矢板を掘削孔内に残して掘削主軸を引き上げる関係上、掘削ビットの径は引き上げ時に矢板に接触しないように小さく設定されるから、矢板は先端で掘削孔周辺の地盤を削り込みながら圧入されることになる。
一方、岩盤、礫層、転石、コンクリート等が存在する硬質ないし超硬質な地盤に矢板を圧入する場合、掘削孔周辺の地盤を矢板の先端で削り込むことが困難であるため、プレボーリング工法として、ロックオーガ装置、全周回転掘削機、ダウンザホールハンマー等を備えた掘削装置によって予め地盤に掘孔を形成し,この掘孔内に砂や土砂等の矢板支持材を投入したのち、アースオーガ等を用いて該掘孔内に矢板を圧入する方法が一般的に採用されている。しかるに、この方法では、地盤の掘削と矢板の圧入が別作業となる上、堀孔内に矢板支持材を投入する作業が加わるため、施工に多くの労力及び時間を費やして施工能率が悪いという問題があった。また、地盤状況によっては、掘削後の矢板支持材を投入する前に掘削孔壁が転石や岩石等の脱落を伴って崩壊し、矢板圧入の際、掘削孔内に落ち込んだ転石や岩石等に接触して矢板の位置ずれや傾斜を生じ、そのために圧入途上で煩雑な修正作業を強いられたり、矢板の圧入自体が困難になって再度の掘削を余儀なくされたりすることも往々にしてあった。
このような問題を解決するために、本出願人は先に、前記同様の矢板圧入工法に用いる掘削ビットとして、掘削主軸にダウンザホールハンマーを介してビット軸部を連結し、ビットの回転打撃作用で地盤を掘削するが、ビット本体がビット軸部に対して偏心した平面視略扇形に形成されており、その掘削径を矢板幅と同等あるいはそれ以上に設定することで、硬質ないし超硬質の地盤でも矢板を容易に且つ迅速に圧入できると共に、その圧入完了後に偏心したビット本体を矢板に接触しない向きにすることで、支障なく掘削主軸の引き抜きを行えるようにしたものを提案している(特許文献1)。ところが、この提案の掘削ビットでも、ビット本体の偏心回転によって掘削主軸に振れが生じ易く、この振れに起因して掘削抵抗が大きくなると共に掘削孔の歪みを生じ易くなり、掘削主軸の耐久性も低下するという難点があった。
そこで、本出願人は、上記難点を解消すべく更に鋭意検討を重ねることにより、上記の偏心したビット本体を備える掘削ビットを基本形として、そのビット本体の先端側に、ビット軸部と同心で径小の平面視円形状のガイドビット部を設けた改良型の掘削ビットを新たに提案した(特許文献2)。この改良型の掘削ビットによれば、先の提案の掘削ビットと同様に、硬質ないし超硬質の地盤でも矢板を容易に且つ迅速に圧入できると共に、その圧入完了後に支障なく掘削主軸の引き抜きを行えることに加え、掘削に際してガイドビット部が偏心したビット本体よりも先に地盤に食い込んで先導することで、ビット本体の偏心回転による掘削主軸の振れが抑制されるから、ビット本体の回転打撃作用により、真円状態の掘削孔を直線性を維持して能率よく形成でき、掘削主軸の耐久性も向上する。
特許第2954856号公報 特許第3583001号公報
しかしながら、上記改良型の掘削ビットにおいても、特に地盤の表層側が岩盤やコンクリート等からなって超硬質である場合に、掘削効率が極度に低下するという難点があり、まだ改良の余地を残すことが判明している。
本発明は、上述の事情に鑑みて、矢板圧入工法に用いる掘削ビットとして、上記改良型の掘削ビットによる偏心したビット本体による矢板圧入の容易性、ならびにガイドビット部の先導性による掘削主軸の振れ抑制効果を確保しつつ、対象地盤の表層側が超硬質である場合にも高い掘削効率が得られるものを提供することを目的としている。
上記目的を達成するための手段を図面の参照符号を付して示せば、請求項1の発明は、回転駆動される掘削主軸11の先端部にダウンザホールハンマー12を介して取り付けた掘削ビット1の回転打撃作用によって地盤Gを掘削し、この掘削に追従して該掘削主軸11に外嵌するケーシング13に沿って配設した矢板17を地盤G中に圧入する矢板圧入工法に用いる前記掘削ビット1であって、掘削主軸11に同心に取り付けられるビット軸部2と、該ビット軸部2の下端に一体形成された偏心ビット部3と、該偏心ビット部3の下面側に突設された短丸軸状のガイドビット部4とからなり、ビット軸部2とガイドビット部4とが同心に形成され、偏心ビット部3は、回転によって矢板圧入域に対して出入りし得る偏心形状を備えると共に、その下部側が外周縁から縮径してガイドビット部4の基端周縁に至る逆円錐部31を構成し、
ビット回転軸Oに直交する面Fに対する逆円錐部31の傾斜角度θが10〜45°の範囲にあるものとしている。
請求項の発明は、上記請求項の掘削ビット1において、偏心ビット部3が平面視で略扇形の偏心形状を備えるものとしている。
請求項の発明は、上記請求項1又は2の掘削ビット1において、少なくとも偏心ビット部3の逆円錐部31の表面とガイドビット部4の端面4aに、複数の突起5が設けられてなるものとしている。
請求項の発明は、上記請求項の掘削ビット1において、偏心ビット部3の周側面3a及び回転前方側に臨む側端面3bに、複数の突起5が形成されてなるものとしている。
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。まず、請求項1の発明に係る掘削ビット1によれば、矢板圧入工法において、該掘削ビット1の回転打撃作用による地盤Gの掘削に追従して矢板17を圧入する際、偏心ビット部3が回転によって矢板圧入域に対して出入りし得る偏心形状を備えるから、該矢板圧入域の略全体が内側に入る径の大きい掘削孔Hを形成でき、これによって地盤Gが硬質ないし超硬質であっても矢板17を容易に圧入できると共に、該矢板17の圧入完了後には偏心ビット部3を矢板圧入域から出る向きにすることで、支障なく掘削主軸11の引き抜きを行える。しかも、この掘削ビット1では、偏心ビット部3の下面側にビット軸部2と同心の短丸軸状のガイドビット部4が突設されると共に、該偏心ビット部3の下部側が外周縁から縮径してガイドビット部4の基端周縁に至る逆円錐部31をなし、掘削に際し、ガイドビット部4が偏心ビット部3よりも先に地盤Gに食い込んで先導し、続いて逆円錐部31が周方向に均等に掘削径を漸次拡大してゆく形で地盤Gに進入する形になり、その逆円錐部31による掘削促進作用により、該地盤Gの表層側Gaが岩盤やコンクリート等からなって超硬質であっても非常に効率よく掘削できる上、ガイドビット部4と逆円錐部31の両者による強い求心作用が継続的に発揮され、掘削先端側の回転中心がぶれずに一定に保持されるから、掘削ビット1全体の回転が極めてスムーズになり、掘削完了まで偏心ビット部3の偏心回転による掘削主軸11の振れが殆ど発生せず、真円状態の掘削孔Hを直線性を維持して極めて能率よく形成でき、掘削主軸11の耐久性も著しく向上する。
又、本発明によれば、ビット回転軸Oに直交する面Fに対する逆円錐部31の角度θが特定範囲にあるから、偏心ビット部3を適度なサイズに抑えて、高い掘削促進作用と掘削先端側の強い求心作用を発揮できる。
請求項の発明によれば、偏心ビット部3が平面視で略扇形の偏心形状を備えるから、回転時に遠心力が有効に作用して掘削力及び破砕力を増し、掘削能率がより向上する。
請求項の発明によれば、少なくとも偏心ビット部3の逆円錐部31の表面とガイドビット部4の端面4aに複数の突起5を有するから、地盤Gが硬質ないし超硬質であっても高い破砕作用を発揮でき、ガイドビット部4の食い込みと逆円錐部31による掘削径の拡大を確実に効率よく行える。
請求項の発明によれば、偏心ビット部3の周側面3a及び回転前方側に臨む側端面3bにも複数の突起5が形成されているから、該偏心ビット部3の偏心回転による破砕作用がより大きくなり、掘削効率がより向上する。
本発明の一実施形態に係る掘削ビットを示し、(a)は側面図、(b)は底面である。 同掘削ビットを装備した掘削装置による矢板圧入状況を示す一部破断側面図である。 矢板圧入時の掘削先端側の側面図である。 矢板圧入時の掘削先端側の底面図である。 矢板圧入工程を説明する横断面である。
以下に、本発明に係る掘削ビットの実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1に示す掘削ビット1は、ビット軸部2と、該ビット軸部2の下端に一体形成された偏心ビット部3と、該偏心ビット部3の下面側に突設された短丸軸状のガイドビット部4とからなり、ビット軸部2とガイドビット部3とが同心に形成されている。その偏心ビット部3は、平面視で略扇形の偏心形状を備え、ビット回転軸Oがその略扇形の扇要側に偏って位置することで、扇円弧側を径大端3L、扇要側を径小端3Sとして、扇円弧線がビット回転軸Oを中心とする偏心回転による掘削円Cに一致するように設定されている。そして、偏心ビット部3の下部側は、略扇形の外周縁30から縮径してガイドビット部4の基端周縁に至る逆円錐部31を構成している。なお、ガイドビット部3の外径はビット軸部2の外径よりも小さく設定されている。
また、この掘削ビット1においては、偏心ビット部3の扇円弧に沿う周側面3aと両側端面3b,3b、逆円錐部31の表面、ガイドビット部4の端面4aには、それぞれ複数の半球状の突起5が形成されている。更に、逆円錐部31の下部の扇円弧側の2カ所に下向きに開口したエアー噴出口8Aを備えると共に、ガイドビット部4の端面4aにも小径のエアー噴出口8Bが形成されており、これらエアー噴出口8A,8Bはビット軸部2の上端から当該偏心ビット部3内に至る圧縮エアー流路7に連通している。そして、偏心ビット部3の表面には、周側面3aの上端から垂下して逆円錐部31の傾斜に沿って各エアー噴出口6Aに至る溝部8Aが形成され、ガイドビット部4の端面4aにも、エアー噴出口8Bから偏心ビット部3の径小端3S側への半径方向に沿う溝部8Bが形成されている。なお、偏心ビット部3の周側面3aには、両溝部8A,8Aの間に位置して、2本の浅い縦溝9,9が設けてある。
偏心ビット部3における逆円錐部31のビット回転軸Oに直交する面Fに対する傾斜角度θは、好ましくは10〜45°の範囲、最適には20〜45°の範囲に設定されるが、図1(a)ではθ=40°として例示している。また、該偏心ビット部3における両側端面3b,3bの延長交叉角αは、50〜80°の範囲が望ましいが、図1(b)ではα=70°として例示している。
図2及び図3に、上記構成の掘削ビット1を装備した掘削装置10による矢板圧入状況を示す。この掘削装置10は、クローラクレーン等により立設されるリーダ(図示省略)に沿って昇降可能に支持されたオーガマシン14を備え、その下部に、該オーガマシン14によって回転駆動される中空状の掘削主軸11が垂下連結されると共に、この掘削主軸11に外嵌してケーシング13が垂下連結されている。このケーシング13は、オーガマシン14の下部に設けたケーシング回転駆動手段15によって回転駆動される。また、ケーシング13の上端部にはチャック装置16が設けてあり、矢板17が該チャック装置16にて支持されてケーシング13に沿って配設される。
しかして、掘削ビット1は、掘削主軸11の下端部に、ダウンザホールハンマー12を介して、そのビット軸部2を該掘削主軸11と同心として一体的に装備されている。これにより、該掘削ビット1は、オーガマシン14による掘削主軸11の回転に伴って回転動作すると同時に、掘削主軸11の中空部11aに供給される圧縮エアーにて駆動するダウンザホールハンマー12によって所定ストローク上下動する。そして、ダウンザホールハンマー12から排出される圧縮エアーがエアー噴出口8A,8Bより噴出するようになっている。
図4に示すように、矢板17は、一般的なU形鋼矢板であり、横断面で基板部17aに対して両側の側板部17b,17bが外側へ開いた略コ字形をなし、両側板部17b,17bの側端縁には外向き折り返し状の継手用係合部17cを備えている。そして、掘削装置10に装備した掘削ビット1の偏心ビット部3の偏心回転による掘削径は、該矢板17の有効幅Wとほぼ等しく設定されている。この矢板有効幅Wは、隣接する矢板17,17同士が相互の継手用係合部17c,17cで嵌合するため、矢板全幅から片側の継手用係合部17cの幅D分を差し引いた値になる。
しかして、掘削装置10のケーシング13に沿って配設される矢板17は、図4に示すように、その配列基線Lがビット回転軸Oを通り、且つ幅方向の中間点Pが該ビット回転軸Oに対して継手用係合部17cの幅Dの1/2にほぼ相当する長さEだけずれた配置に設定される。この配置により、図4に示すように、矢板17は、片側の継手用係合部17cを除く略全体が掘削ビット1の偏心ビット部3の偏心回転による掘削円C内に入る形になる。一方、掘削ビット1の偏心ビット部3は、その回転において、径大端3Lが矢板17側に向くときには矢板圧入域に入り込むが、径小端3Sが矢板17側に向くときには図示の如く全体が矢板圧入域から出ることになる。なお、ケーシング13に対し、該矢板17の上端部は既述のように該チャック装置16にて支持されるが、図4に示すように、下端部はケーシング13側の差込み金具18を該矢板17の内面側に突設した受け金具19に差し込むことで支持される。
上記構成の掘削装置10による矢板圧入工法について、図2,3及び図5を参照して説明する。まず、掘削装置10を地上の所定位置に配置し、図5の右側に示すように、第1矢板17Aを既述のようにケーシング13に支持させる。そして、オーガマシン14により掘削主軸11を回転駆動して掘削ビット1を回転させると共に、この掘削ビット1をダウンザホールハンマー13によって打撃し、この掘削ビット1の回転打撃作用によって地盤Gを掘削しつつ、これに追従して第1矢板17Aを所定深度まで圧入する。
この掘削ビット1の回転打撃作用による地盤Gの掘削においては、偏心ビット部3の先端に突設されたガイドビット部4が先に地盤Gに食い込んで先導し、続いて逆円錐部31が周方向に均等に掘削径を漸次拡大してゆく形で地盤Gに進入することから、非常に高い掘削効率が得られる上、ガイドビット部4と逆円錐部31の両者による強い求心作用が継続的に発揮されるため、掘削先端側の回転中心がぶれずに一定に保持され、掘削ビット1全体の回転が極めてスムーズになり、掘削完了まで偏心ビット部3の偏心回転による掘削主軸11の振れが殆ど発生しない。また、第1矢板17Aは、略全体が偏心ビット部3による掘削円C1内に位置するから、掘削孔H内の偏心ビット部3にて細かく破砕された破砕物中に、容易に且つ迅速に圧入されてゆくことになる。なお、当初は掘削円C1から出ている該第1矢板17Aの片側の継手用係合部17cは、圧入に伴う側板部17bの撓みによって掘削孔H内に入り込むから、圧入に支障を生じない。
この第1矢板17Aの圧入が完了すれば、掘削主軸11の適宜の回転によって掘削ビット1の偏心ビット部3の全体が図5の右側の仮想線で示すように矢板圧入域から出る向きとし、この向きで回転停止して掘削主軸11を引き上げる。この引き上げにより、掘削ビット1は偏心ビット部3が圧入後の第1矢板17Aに衝突することなく、該第1矢板17Aに沿って地上まで引き抜かれる。
次に、地上に引き上げた掘削装置10を配列基線Lに沿って矢板有効幅Wだけ前進させたのち、図5の中央に示すように、ケーシング13に対して第2矢板17Bを第1矢板17Aとは180°異なる逆向きに支持させ、前進後の想定される掘削円C2から出ている一方の継手用係合部17cの下端部を、先に圧入されている第1矢板17Aの掘削円C1内にある継手用係合部17cの上端部に係合させた上で、前記の第1矢板17Aの場合と同様にして、掘削ビット1の回転打撃作用によって地盤Gを掘削しながら第2矢板17Bを所定深度まで圧入してゆくことにより、該第2矢板17Bを第1矢板17Aに連結させる。
この第2矢板17Bの圧入が完了すれば、前記同様に掘削ビット1を適宜に回転させて偏心ビット部3の全体が図5の中央の仮想線で示すように矢板圧入域から出る向きとし、この向きで回転を停止して掘削主軸11を引き上げることにより、掘削ビット1を圧入後の第2矢板17Bに沿って地上まで引き抜く。
引き続き、掘削装置10を矢板有効幅Wだけ更に前進させ、図5の左側に示すように、第3矢板17Cを第2矢板17Bとは逆向きにケーシング13に支持させ、その掘削円C3から出ている一方の継手用係合部17cの下端部を、先に圧入されている第2矢板17Bの掘削円C2内にある継手用係合部17cの上端部に係合させ、前記同様にして掘削ビット1の回転打撃作用によって地盤Gを掘削しながら第3矢板17Cを所定深度まで圧入してゆくことにより、該第3矢板17Cを第2矢板17Bに連結させる。その圧入完了後、前記同様に掘削ビット1の偏心ビット部3の全体が図5の右側の仮想線で示すように矢板圧入域から出る向きとして、掘削主軸11を引き上げることで掘削ビット1を地上まで引き抜く。以降、同様にして、所要本数の矢板17を各々先に圧入されている矢板17に対して交互に向きを逆にして、相互の継手用係合部17c,17cの係合によって連結する形で順次に地盤Gに圧入してゆく。
このような矢板圧入工法では、掘削ビット1の回転打撃作用によって地盤Gを掘削しつつ矢板17を圧入してゆくが、該矢板17の略全体が偏心ビット部3による掘削円C内に位置することに加え、掘削ビット1の先端のガイドビッド部4が先に地盤Gに食い込んで先導し、続いて逆円錐部31が周方向に均等に掘削径を漸次拡大してゆく形で地盤Gに進入するから、地盤Gの表層側Ga(図2参照)が岩盤やコンクリート等からなって超硬質であっても非常に効率よく掘削できる。しかも、掘削の全過程において、掘削ビット1のガイドビット部4と逆円錐部31の両者による強い求心作用が継続的に発揮され、掘削先端側の回転中心がぶれずに一定に保持されるから、掘削ビット1全体の回転が極めてスムーズになり、掘削完了まで偏心ビット部3の偏心回転による掘削主軸11の振れが殆ど発生せず、真円状態の掘削孔H(図2,3参照)を直線性を維持して能率よく形成でき、もって矢板17を所定位置に正確に且つ迅速に圧入できる。また、圧入完了後の掘削ビット1は偏心ビット部3の向きを変えるだけで容易に引き抜き可能となるから、次の矢板圧入作業への移行を能率よく行える。更に、掘削中に掘削主軸11の振れが殆ど発生しないことで、該掘削主軸11の耐久性も著しく向上する。
なお、実施形態の掘削ビット1では、偏心ビット部3が平面視で略扇形の偏心形状を備えるため、回転時に遠心力が有効に作用して掘削力及び破砕力を増し、それだけ掘削能率が向上するという利点がある。また、実施形態のように、偏心ビット部3の逆円錐部31の表面とガイドビット部4の端面4aに複数の突起5を有することにより、地盤Gが硬質ないし超硬質であっても突起5群による高い破砕作用を発揮できるから、ガイドビット部4の食い込みと逆円錐部31による掘削径の拡大を確実に効率よく行え、更に偏心ビット部3の周側面3a及び回転前方側に臨む側端面3bにも複数の突起5を備えることで、該偏心ビット部3の偏心回転による破砕作用がより大きくなり、掘削効率がより向上するという利点がある。
一方、例示した矢板圧入工法では、掘削ビット1の偏心ビット部3の偏心回転による掘削径を矢板17の有効幅Wとほぼ等しく設定し、該矢板17を偏心ビット部3による掘削円Cより片側の継手用係合部17cのみが出る配置として、第1矢板17A、第2矢板17B、第3矢板17C・・・と順次に圧入ゆくことにより、隣合う掘削孔H,H間に掘削残し部分を生じさせず、且つ先に圧入した矢板17の継手用係合部17cに対し、次の矢板17の圧入時に偏心ビット部3が衝当するのを回避できる。従って、この衝当による継手用係合部17cの変形や損傷を防止できるから、使用後の矢板17を容易に引き抜くことが可能であると共に、引き抜いた矢板17を繰り返し再使用できる。
偏心ビット部3における逆円錐部31のビット回転軸Oに直交する面Fに対する傾斜角度θ〔図1(a)参照〕は、実施形態では40°として例示したが、既述のように10〜45°の範囲が好ましく、特に20〜45°の範囲が最適である。この傾斜角度θが小さ過ぎては掘削促進効果及び求心作用が不充分になり、逆に該傾斜角度θが大き過ぎては偏心ビット部3が上下に長く且つ重くなって支障を生じる。また、逆円錐部31の周面は、幾何学的な円錐面に限らず、上下方向の中間部が膨らんだ凸曲面状や、逆に該中間部が凹んだ凹曲面状であってもよい。
一方、偏心ビット部3における両側端面3b,3bの延長交叉角α〔図1(b)参照〕は、実施形態では70°として例示したが、既述のように50〜80°の範囲が望ましく、小さ過ぎては該偏心ビット部が小サイズになって掘削力を充分に発揮しにくく、逆に大き過ぎては径小側3sを矢板17側に向けても偏心ビット部3の一部が矢板圧入域に入り込むことになる。
実施形態の掘削ビット1では、偏心ビット部3の両側の側端面3b,3bに複数の突起5を設けているが、該掘削ビット1が一方向にのみ回転する構成では回転前方側に臨む側端面3bのみに該突起5を設ければよい。この突起5としては、例示した半球形に限らず、三角形、四角形、楕円形、縦方向に長い凸条形等、種々の形状を採用できる。また、突起5の各形成面における数と分布密度、配置等についても種々設定できる。
掘削装置10のダウンザホールハンマー12は、例示した矢板圧入工法では圧縮エアーで駆動するものとしたが、油圧で駆動するものでもよい。この油圧駆動のダウンザホールハンマー12を用いる場合、掘削ビット1には実施形態のようなエアー噴出口6A,6B及び溝部8A,8Bを設ける必要はない。また、実施形態の偏心ビット部3の周側面3aに設けた浅い縦溝9,9は、周側面3aを周方向に凹凸状にして破砕力を高める意味合いがあるが、本発明の掘削ビットとしては必須ではない。
本発明の掘削ビットを適用する矢板圧入工法用の掘削装置10としては、オーガマシン14をリーダーに沿って昇降させるリーダー方式に限らず、該オーガマシン14をクレーンで吊って昇降させるリーダーレス方式も採用可能である。
1 掘削ビット
2 ビット軸部
3 偏心ビット部
3a 周側面
3b 側端面
3L 径大端
3S 径小端
30 外周縁
31 逆円錐部
4 ガイドビット部
4a 端面
5 突起
10 掘削装置
11 掘削主軸
12 ダウンザホールハンマー
13 ケーシング
14 オーガマシン
17 矢板
C 掘削円
F ビット回転軸に直交する面
G 地盤
H 掘削孔
O ビット回転軸
θ 逆円錐部の傾斜角度

Claims (4)

  1. 回転駆動される掘削主軸の先端部にダウンザホールハンマーを介して取り付けた掘削ビッドの回転打撃作用によって地盤を掘削し、この掘削に追従して該掘削主軸に外嵌するケーシングに沿って配設した矢板を地盤中に圧入する矢板圧入工法に用いる前記掘削ビットであって、
    前記掘削主軸に同心に取り付けられるビット軸部と、該ビット軸部の下端に一体形成された偏心ビット部と、該偏心ビット部の下面側に突設された短丸軸状のガイドビット部とからなり、
    ビット軸部とガイドビット部とが同心に形成され、
    偏心ビット部は、回転によって矢板圧入域に対して出入りし得る偏心形状を備えると共に、その下部側が外周縁から縮径してガイドビット部の基端周縁に至る逆円錐部を構成し
    ビット回転軸に直交する面に対する前記逆円錐部の傾斜角度が10〜45°の範囲にある掘削ビット。
  2. 偏心ビット部が平面視で略扇形の偏心形状を備える請求項1に記載の掘削ビット。
  3. 少なくとも偏心ビット部の前記逆円錐部の表面と前記ガイドビット部の端面に、複数の突起が設けられてなる請求項1又は2に記載の掘削ビット。
  4. 偏心ビット部の周側面及び回転前方側に臨む側端面に、複数の突起が形成されてなる請求項3に記載の掘削ビット。
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