<実施の形態1>
図1はこの発明の実施の形態1である映像信号処理装置の構成を示すブロック図である。図2は実施の形態1の映像信号処理装置の通常モード時の動作内容を示すタイミング図、図3は実施の形態1の映像信号処理装置の省電力モード時の動作内容を示すタイミング図である。
映像信号処理装置100は、マイコン部1(制御手段)、入力部2、フレームメモリ3、変換部4(フレームメモリアクセス部)、出力部5、電源部6及び外部制御手段7から構成される。
マイコン部1は、制御信号SC11及びSC12を入力部2及び変換部4に付与し、入力部2による映像信号入力処理及び変換部4による書き込み動作を制御する。
入力部2は、アナログ信号である入力映像信号VIを受け、A/D変換を行い、デジタルデータであるRGBデータW−RGBと共に水平同期信号W−Hsync及び垂直同期信号W−Vsyncを変換部4に出力するという、映像信号入力処理を実行する。RGBデータW−RGBは、RGB成分がそれぞれ8ビットのデジタルデータ、すなわち、8ビットのR用デジタルデータ、8ビットのG用デジタルデータ、及び8ビットのB用デジタルデータから構成されるデータである。そして、このRGBデータW−RGBがフレームメモリ3に対する書き込み用映像データとなる。このように、入力部2は、入力映像信号VIをRGBデータW−RGBに変換するA/Dコンバータとして機能する。なお、A/Dコンバータは入力部2の一例である。
フレームメモリ3はRGBデータW−RGBを1フレーム単位で少なくとも1フレーム以上の容量で記憶可能なフレームメモリである。
変換部4は、入力映像信号VIが、様々な解像度及び周波数で入力されることを想定して設けられたものであり、フレームメモリ3に対する書き込み動作及び読み出し動作を実行する。
変換部4は上述した書き込み動作及び読み出し動作を実行することにより、目的とする出力解像度及び出力タイミングを満足した、RGBデータR−RGB(読み出し用映像データ)並びに水平同期信号R−Hsync及び垂直同期信号R−Vsyncを出力する。なお、変換部4は書き込み動作時にフレームメモリ3に対し書き込み制御信号SCWを出力し、読み出し動作時にフレームメモリ3に対して読み出し制御信号SCWを出力する。
例えば、RGBデータM−RGB(RGBデータW−RGB)が、解像度が1024×768で垂直同期信号W−Vsyncが80Hzであった場合に、出力解像度が1920×1200で、垂直同期信号R−Vsyncが60Hzに変換する場合を例に挙げて説明する。
この場合、変換部4は、垂直同期信号W−Vsync(80Hz)に同期してRGBデータW−RGB(解像度1024×768)をRGBデータM−RGBとしてフレームメモリ3内に書き込む書き込み動作を実行する。
さらに、変換部4は、上記書き込み動作と並行して、垂直同期信号R−Vsync(60Hz)に同期してフレームメモリ3から最新のRGBデータM−RGB(解像度1024×768)を読み出す読み出し動作を実行する。
さらに、読み出したRGBデータM−RGBを、1920×1200の解像度に拡大して得たRGBデータR−RGBを出力する。この際、水平同期信号R−Hsync及び垂直同期信号R−Vsync(60Hz)も併せて出力する。なお、RGBデータR−RGBも、RGBデータW−RGB同様、8ビットのR用デジタルデータ、8ビットのG用デジタルデータ、及び8ビットのB用デジタルデータから構成される。
このように、変換部4は、書き込み用映像データであるRGBデータM−RGB(RGBデータW−RGB)に対する解像度変換を行い、読み出し用映像データであるRGBデータR−RGBを得るとともに、垂直同期信号W−Vsyncに対するフレームレート変換を行い垂直同期信号R−Vsyncを出力する。なお、上記した例では、書き込み動作は動作周波数80Hzでフレームメモリ3にRGBデータW−RGBを書き込むことにより実行され、読み出し動作は動作周波数60HzでRGBデータM−RGBを読み出すことにより実行されることになる。読み出し動作及び書き込み動作は共にフレーム単位で行われるため、フレームメモリ3に書き込まれたデータの60Hz/80Hz すなわち、フレームメモリ3に書き込まれた8フレームのデータのうち2フレームは読み出されないことになる。後述する図2〜図4及び図11では、読み出し動作及び書き込み動作間の動作周波数の違いによる間引きされたフレーム番号を存在する状態を示している。
なお、変換部4が出力する解像度と出力タイミングについては、マイコン部1より出力される制御信号SC12により、容易に変更可能である。
出力部5は、RGBデータR−RGBを所定のフォーマットに変換して出力映像信号VOとして出力する。実施の形態1では、出力部5を一例であるDVI(Digital Visual Interface)トランスミッタとして説明する。
電源部6は、入力部2、フレームメモリ3、変換部4及び出力部5に入力部用電源P2、フレームメモリ用電源P3、変換部用電源P4及び出力部用電源P5を供給する。なお、マイコン部1及び外部制御手段7は図示しない他の電源部から電源供給を受けている。
外部制御手段7は、例えば当該映像信号処理装置100のフロントパネルの上の切換スイッチ等で構成され、当該映像信号処理装置100を外部から使用者が通常モードと省電力モードとの切換え操作が可能な手段である。そして、使用者による切換え操作内容に応じて通常モードあるいは省電力モードのいずれかを指示する動作モード信号SC7が外部制御手段7からマイコン部1に出力される。
マイコン部1は、動作モード信号SC7が通常モードを指示する場合、制御信号SC11を付与して入力部2による映像信号入力処理を実行させ、制御信号SC12を付与して変換部4による書き込み動作及び読み出し動作(解像度の変換動作を含む)を実行させる。
一方、マイコン部1は、動作モード信号SC7が省電力モードを指示する場合、制御信号SC11を付与して入力部2による映像信号入力処理を停止させるとともに、制御信号SC12を付与して変換部4による書き込み動作を停止させる。
このような構成の実施の形態1の映像信号処理装置100による映像信号処理動作内容を説明する。
パソコンのビデオカード等から出力されるアナログ映像信号は入力映像信号VIとして、ADコンバータ等よりなる入力部2に入力される。入力部2は、入力映像信号VIiに基づき、前述したように、例えば8ビット×3のRGBデータW−RGB、垂直同期信号W−Vsync及び水平同期信号W−Hsyncを出力する。
変換部4では、当該映像信号処理装置100の出力タイミングとなる例えば74KHzの水平同期信号R−Hsyncと例えば60Hzの垂直同期信号R−Vsyncとを、入力映像信号VI(RGBデータW−RGB)の解像度及び周波数に関わらず常に生成するように、書き込み動作、読み出し動作(解像等の変換動作を含む)を実行する。
まず、変換部4は、垂直同期信号W−Vsyncに同期して書き込み動作を実行し、入力映像信号VIに基づくRGBデータW−RGBをRGBデータM−RGBとして1フレーム単位でフレームメモリ3に順次書き込む。
さらに、変換部4は、書き込み動作と並行して、垂直同期信号R−Vsyncに同期した読み出し動作を行い、フレームメモリ3に書き込まれた最新のRGBデータM−RGBを、1フレーム単位で順次読み出してフレームレート変換を行う。その後、フレームレート変換が行われて読み出されたRGBデータM−RGBは、例えば1920×1200の解像度を満足するRGBデータR−RGBに変換され、垂直同期信号R−Vsync及び水平同期信号R−Hsyncと共に出力部5に出力される。
DVIトランスミッタで構成される出力部5では、RGBデータR−RGBをDVI信号に変換してアナログ信号である出力映像信号VOとして出力することにより、液晶モニタなどの所定の表示手段によって出力映像信号VOに基づく映像表示を可能にする。
図2は、動作モード信号SC7が通常モードを指示する通常モード時における映像信号処理装置100の映像信号処理動作を示しており、入力映像信号VIが最終的に出力映像信号VOとして出力されるまでの過程を示した概念図である。
通常モード時において、入力部2は、常に動作状態であり入力されるアナログ映像信号をデジタルデータに変換し、W−RGBデータとW−Vsyncの出力と、本図には記載していないがW−Hsyncの出力する映像信号入力処理を常に行っている。
次に、変換部4においては、入力されるRGBデータW−RGBのフレームメモリ3への書込み動作とフレームメモリ3からのRGBデータM−RGBの読み出し動作(解像度変換処理を含む)を常に行い、出力部5にRGBデータR−RGB、垂直同期信号R−Vsync及び水平同期信号R−Hsync(図2では図示省略)の出力を常に行っている。
次に、映像信号処理装置100が省電力モード時で動作する場合について説明する。図3は図2と同様、省電力モード時に入力されるアナログ映像信号である入力映像信号VIが、映像信号処理装置100から出力映像信号VOとして出力されるまでの過程を示した概念図である。図3において、時刻t1までは通常モードで動作し、外部制御手段7を用いた使用者の操作により時刻t1において、動作モード信号SC7が通常モードから省電力モードを指示するように切り替わった状態を示している。
入力されるアナログ映像信号である入力映像信号VIが、例えば広告などの静止画像の場合は、使用者が外部制御手段7を操作することにより、外部制御手段7から切換命令として省電力モードを指示するある動作モード信号SC7を出力することができる。動作モード信号SC7は、マイコン部1に伝達され、マイコン部1は動作モード信号SC7の省電力モード指示内容に従って、停止を指示する制御信号SC11を入力部に出力し、入力部2による映像信号入力処理の実行を停止させる。
その後、入力部2は、マイコン部1から停止解除(省電力モード解除)を指示する制御信号SC11が発行されない限り、映像信号入力処理を停止するため、入力部2の動作に関する消費電力はほぼ“0”となる。
そして、マイコン部1は、変換部4に制御信号SC12を出力することにより、上述した入力部2の映像信号入力処理と同時に、変換部4による書込み動作を併せて停止させる。この際、変換部4による読み出し動作は引き続き実行されている。
その結果、変換部4は読み出し動作のみ実行するため、制御信号SC12による書き込み動作の停止指示が伝達される直前にフレームメモリ3に書き込まれたW−RGBデータ(RGBデータM−RGB,図3の例ではフレーム番号“2”が最新データとなる)が、垂直同期信号R−Vsyncに同期して1フレーム単位で繰り返しフレームメモリ3から読み出される。
図3に示すように、時刻t1までの通常モード時においては、入力部2の映像信号入力処理およびフレームメモリ3に対する書込み動作は行われているが、使用者の操作により省電力モードに切り換った時刻t1後は、両者(映像信号入力処理及び書き込み動作)は共に停止状態となる。そして、切り換え時刻t1の直前にフレームメモリ3に書き込まれたフレーム番号“2”のRGBデータW−RGB(RGBデータM−RGB)が、フレーム単位で繰り返し読み出されている。すなわち、使用者が視認する所定の表示手段上では、フレーム番号“2”の映像(静止画像等)が、違和感なく常に表示されることになる。
このように、実施の形態1の映像信号処理装置100のマイコン部1は入力部2及び変換部4に対し、省電力モードに応じた制御を行うことにより、省電力モード時に入力部2による映像信号入力処理を停止させることにより、電源部6から供給される入力部用電源P2の消費電力を大幅に削減することができる。
加えて、マイコン部1は省電力モード時に変換部4による書き込み動作を停止させることにより、フレームメモリ3に供給されるフレームメモリ用電源P3と変換部4に供給される変換部用電源P4についても、書込み動作が行われず、読み出し動作のみが行われるため、大幅に電力を削減することができる。
したがって、入力部2の映像信号入力処理及び変換部4の書き込み動作を停止させるマイコン部11による省電力制御によって、電源部6が供給する電源の電力量は大幅に削減されるため、映像信号処理装置100全体が消費する電力を削減することができる。
以上のように、実施の形態1の映像信号処理装置100は構成されているため、例えば、静止画像等、頻繁に表示内容を更新する必要がない入力映像信号VIに基づく出力映像信号VOを出力する際、省電力モードの場合は、映像信号処理装置100における余分な消費電力を削減することができる。一方、変換部4による読み出し動作は実行されているため、使用者は、出力映像信号VOに基づき所定の表示手段上で表示される静止画像等の映像を違和感なく視認することができる。
なお、実施の形態1では、マイコン部11が制御信号SC11及びSC12を入力部2及び変換部4に出力することにより、入力部2による映像信号入力処理及び変換部4による書き込み動作を停止させる省電力制御を実行していた。しかし、一般に変換部4は、入力となる信号(RGBデータW−RGB、水平同期信号W−Hsync及び垂直同期信号W−Vsync)が無くなると、自動的に書き込み動作を実行しない特性を有している。このような構成の場合、制御信号SC11によって入力部2の映像信号入力処理のみを停止させることによって、変換部4による書き込み動作をも同時に停止させる省電力制御を実行することができる。したがって、変換部4が上記特性を有している場合、マイコン部11によって入力部2の映像信号入力処理のみを停止させる態様を採用しても良い。
また、上述した実施の形態1では、入力映像信号VIとしてアナログ映像信号が入力された場合について説明したが、YCbCr信号やDVI信号、さらにはSERDES(Serializer Desirializer)信号のような高速シリアル信号等でも、同様の効果を得ることができる。
さらに、入力部2においても、ADコンバータ以外に、DVIレシーバなど、入力される映像信号の種類に合わせたデバイスで、マイコン部1からの制御により、映像信号入力処理に関し動作状態から停止状態の切換えが容易に行えるものであれば、これに限るものではない。
また、上述した実施の形態1では、出力解像度と出力タイミングを1920×1200@60Hz(@は垂直周波数を意味する)の場合を例に挙げて説明したが、他の解像度や出力タイミングでもよく、またYCbCrなど他の映像フォーマットに変換する場合であっても同様の効果を得ることが出来る。
また、上述した実施の形態1では、出力部5からDVI信号に変換して出力する例について説明したが、他の映像フォーマット、例えばアナログ映像信号やYCbCr信号、さらにはSERDES信号などに変換して出力する場合でも、同等の効果を得ることが出来る。
また、上述した実施の形態1では、静止画像を入力した場合の効果について説明したが、これに限るものではなく、使用環境や用途により、動画等の表示内容を頻繁に更新する必要がある映像の場合に対しても省電力モードに設定することにより、想定全体の消費電力を削減するという効果を得ることができる。
また、上述した実施の形態1では、省電力モードへの切換を、映像信号処理装置100に設けられたスイッチ等からなる外部制御手段7を用いて行う構成を例にして説明したが、リモコンやパソコン等、外部制御機器を外部制御手段7の代わりに用いて、通常モード,省電力モード間の切換えを行っても、同様の効果を得ることができる。
また、上述した実施の形態1では、マイコン部1からの制御信号SC11によって入力部2による映像信号入力処理を停止させたが、マイコン部1の制御下で電源部6から入力部2への入力部用電源P2の供給を遮断することにより、入力部2による映像信号入力処理を停止させることも可能である。
<実施の形態2>
次に、実施の形態2の動作について、図4を用いて説明する。図4は実施の形態2の映像信号処理装置の省電力モード時の動作内容を示すタイミング図である。
実施の形態1では、省電力モード時には、同じ映像(図3の例ではフレーム番号“2”のRGBデータW−RGBに基づく映像)を垂直同期信号R−Vsyncに同期して1フレーム単位で繰り返してRGBデータR−RGBとして読み出していた。
実施の形態2の映像信号処理装置200(図示せず)は、図1で示した実施の形態1の映像信号処理装置100と同様のハードウェア構成で、マイコン部1をあらかじめ以下のようにプログラミングしておくことで、さらに利便性を向上させたものである。
図4は、実施の形態2の映像信号処理装置200において省電力モード時に入力されるアナログ映像信号である入力映像信号VIが、映像信号処理装置100から出力映像信号VOとして出力されるまでの過程を示した概念図である。図4において、時刻t1までは通常モードで動作し、外部制御手段7を用いた使用者の操作により時刻t1において、動作モード信号SC7が省電力モードを指示するように切り替わった状態を示している。
図4が示すように、省電力モードに切り替わった時刻t1以降は、マイコン部1からの制御信号SC11による制御下で、ある一定時間毎(例えば10分間隔毎)に、入力部2による映像信号入力処理を停止→動作→停止となるよう制御する。すなわち、省電力モード時において、入力部2による映像信号入力処理を所定時間間隔毎に間欠的に実行させながら、映像信号入力処理を停止させている。
同様に、時刻t1以降はマイコン部1からの制御信号SC12による制御下で、一定時間毎(例えば10分間隔毎)に、変換部4による書き込み動作を停止→動作→停止となるよう制御する。すなわち、省電力モード時において、変換部4による書き込み動作を所定時間間隔毎に間欠的に実行させながら、書き込み動作を停止させている。
このように、実施の形態2のマイコン部11は、省電力モード時においても、入力部2による映像信号入力処理及び変換部4による書き込み動作が間欠的に実行されるようにプログラムされている。
図4に示すように、マイコン部1は省電力モード時においても入力部2による映像信号入力処理及び変換部4による書き込み動作を間欠動作させているため、10分おきに新たに入力されるW−RGBデータがフレームメモリ3に書き込まれ、垂直同期信号R−Vsyncに同期して1フレーム単位で繰り返して読み出されるため、一定期間毎に出力映像信号VOを自動的に更新することができる。図4の例では、時刻t1の直後では出力映像信号VO(RGBデータR−RGB)はフレーム番号“2”の入力映像信号VI(RGBデータW−RGB)に基づく信号となり、時刻t11(時刻t1から10分後)では出力映像信号VOはフレーム番号“n”の入力映像信号VIに基づく信号となり、時刻t12(時刻t11から10分後)では出力映像信号VOはフレーム番号“m+1”の入力映像信号VIに基づく信号となる。
以上のように、実施の形態2の映像信号処理装置200は、実施の形態1の映像信号処理装置100と同様、動作モード信号SC7が省電力モードを指示する場合、入力部2による映像信号入力処理及び変換部4による書き込み動作を停止させることにより消費電力の削減を図ることができる。
さらに、実施の形態2の映像信号処理装置200は、マイコン部11の制御下で定期的(所定時間間隔毎)に出力映像信号VOに基づき所定の表示手段上有に表示される映像内容を更新させることができため、頻度は低いものの定期的に内容が変更する可能性のある映像表示にも対応可能である。
上述した実施の形態2では、一定期間の更新を、あらかじめプログラミングされたマイコン部1の制御により行う一例について説明したが、これに限るものではなく、外部制御手段7内をパソコン等で構成し、省電力モード時において外部制御手段7の制御下でマイコン部1を制御して、映像信号入力処理及び書き込み動作を間欠的に動作させるような方法を用いても、同等の効果を得ることができる。
また、上述した実施の形態2では、更新間隔の一例を10分間としたが、当然のことながらこれに限るものでなく、任意の間隔で、同様の効果を得ることができる。また、夜間など人があまり映像を見ることがないような時間帯は更新間隔を長くし、頻繁に見るような時間帯は、省電力モードでなく通常モードを維持させる、または省電力モードにおける更新間隔を短くするなど、使用環境や用途によって様々な組み合わせを用いて使用することも可能である。
また、上述した実施の形態2においては、動画等の表示内容を頻繁に更新する必要がある映像の場合についてはさらに効果的であり、例えば更新間隔を例えば1秒毎等にして、表示内容を更新させながら、消費電力を削減することが可能である。
<実施の形態3>
図5はこの発明の実施の形態3である映像信号処理装置300の構成を示すブロック図である。
図5において、映像信号処理装置300、図1で示した実施の形態1の映像信号処理装置100の構成に、ファンを用いた冷却機構を追加した映像信号処理装置である。
映像信号処理主要部20は、図1で示した入力部2、フレームメモリ3、変換部4、及び出力部5で構成される主要部分を簡略化して示している。アナログ映像信号である入力映像信号VIが入力されて出力映像信号VOが出力されるまでの映像信号処理主要部20内の各部2〜5の動作は、実施の形態1(実施の形態2)の映像信号処理装置100(200)による動作と全く同等である。
マイコン部11は図1で示したマイコン部1と同様、動作モード信号SC7に基づき制御信号SC20(図1の制御信号SC11及びSC12に相当)を映像信号処理主要部20(内の入力部2及び変換部4)に出力している。
さらに、マイコン部11はファン8の回転速度を指示する制御信号SC30をファン速度制御部9に出力している。
電源部12は図1で示した電源部6と同様、映像信号処理主要部用電源P20(入力部用電源P2、フレームメモリ用電源P3、変換部用電源P4及び出力部用電源P5に相当)を映像信号処理主要部20に供給する。
さらに、電源部12は、ファン速度制御部用電源P9をファン速度制御部9に供給している。
ファン8は映像信号処理主要部20を冷却するために設けられており、ファン速度制御部9によって回転速度が制御される結果、その冷却能力が制御される。具体的には、ファン速度制御部9は、制御信号SC30に基づき、ファン8に付与する電源電圧を変化させることによりファンの回転速度を変化させている。
このような構成の実施の形態3の映像信号処理装置300による具体的な動作について説明する。実施の形態3においても、実施の形態1及び実施の形態2と同様、外部制御手段7よりマイコン部11に省電力モードを指示する動作モード信号SC7を出力することにより、マイコン部11の制御下で映像信号処理主要部20(の入力部2及び変換部4)が制御される。
すなわち、動作モード信号SC7が省電力モードを指示すると、マイコン部11は、制御信号SC20によって、映像信号処理主要部20内の入力部2の映像信号入力処理を停止させ、フレームメモリ3に対する変換部4の書き込み動作を停止させる。
したがって、映像信号処理主要部20の発熱量は、省電力モード時において通常モード時と比較して少なくなることが明白であり、通常モード時に比べ発熱量の減少分、ファン8による冷却能力(冷却用の風量)を小さくする余裕が生じる。そこで、マイコン部11は、ファン8の回転速度を下げることを指示する制御信号SC30をファン速度制御部9に出力して、ファン速度制御部9を制御してファン8の冷却能力の低減化を図っている。
このように、実施の形態3の映像信号処理装置300は動作するため、実施の形態1及び実施の形態2と同様、省電力モード時において、映像信号処理主要部20に供給する電力を削減でき、その分、ファン8は冷却能力を低減化する余裕ができる。
したがって、実施の形態3の映像信号処理装置300は、制御信号SC30によってファン速度制御部9を制御することにより、省電力制御として省電力モード時にファン8の冷却能力を低下させることによりファン8に供給する電力をも削減することができる。
加えて、ファン8の冷却能力低減化に伴い回転速度を下げることによりファン8の長寿命化を図り、映像信号処理装置300全体の長寿命化を図ることができる効果を奏する。
上述した実施の形態3では、映像信号処理主要部20の冷却をファン8による空冷にて行う一例について説明したが、これに限るものでなく、ファン8に代えて、他の冷却方法、例えばペルチェ素子による冷却方法でも、同等の効果を得ることができる。
<実施の形態4>
図6はこの発明の実施の形態4である映像信号処理装置400の構成を示すブロック図である。
図6において、映像信号処理装置400は、図5で説明した映像信号処理主要部20と同等のものを4チャンネル分、映像信号処理主要部21〜24として備えた映像信号処理装置である。
1ch〜4chに割り当てられた映像信号処理主要部21〜24はそれぞれ図5で示した、入力映像信号VIを入力し出力映像信号VOを出力する映像信号処理主要部20に対応する。したがって、映像信号処理主要部2i(i=1〜4)は、映像信号処理主要部20と同様、入力映像信号VIi(入力映像信号VIに相当)を入力して、出力映像信号VOi(出力映像信号VOに相当)を出力する。
外部制御手段13は、図1で示した外部制御手段7に相当する手段であり、使用者等の操作によって、映像信号処理主要部21〜24それぞれの通常モード及び省電力モードを個別に切り換えることができにように、映像信号処理主要部21〜24それぞれにおけるモードを指示する制御信号SC13をマイコン部14に出力する。
マイコン部14は、制御信号SC13の指示内容に応じて、映像信号処理主要部21〜24に制御信号SC21〜SC24を出力する。制御信号SC21〜SC24はそれぞれ図5で示した実施の形態3の映像信号処理装置300における制御信号SC20に相当する。すなわち、マイコン部14は制御信号SC21〜SC24を映像信号処理主要部21〜24に出力することにより、映像信号処理主要部21〜24それぞれに対し独立して省電力モードによる制御を行うことができる。
さらに、マイコン部14は、図5で示した実施の形態3のマイコン部11と同様、ファン8の回転速度を指示する制御信号SC30をファン速度制御部9に出力している。
電源部15は、映像信号処理主要部用電源P21〜P24(図5で示した実施の形態3の映像信号処理主要部用電源P20に相当)を映像信号処理主要部21〜24に供給するとともに、ファン速度制御部9にファン速度制御部用電源P9を供給する。
なお、ファン8及びファン速度制御部9については図5で示した実施の形態3と同様である。
このような構成における実施の形態4の映像信号処理装置400の動作について説明する。
前述したように、外部制御手段13は、チャンネルch1〜ch4毎に映像信号処理主要部21〜24を通常モードから省電力モードの切換えを行うことが可能であり、チャンネルch1〜ch4それぞれにおけるモードを指示する、すなわち複数種の省電力モードを指示する動作モード信号SC13をマイコン部14に出力する。マイコン部14は、制御信号SC21〜SC24によって、チャンネルch1〜ch4の映像信号処理主要部21〜24を個別制御することができる。例えば、以下のような組合せ制御を実施することができる。
・ch1の映像信号処理主要部21:通常モード、
・ch2の映像信号処理主要部22:通常モード、
・ch3の映像信号処理主要部23:通常モード、
・ch4の映像信号処理主要部24:省電力モード、
となる組合せ制御が可能である。
または、
・ch1の映像信号処理主要部21:省電力モード、
・ch2の映像信号処理主要部22:省電力モード、
・ch3の映像信号処理主要部23:省電力モード、
・ch4の映像信号処理主要部34:省電力モード、
となる組合せ制御も可能である。
チャンネルch1〜ch4のうち、通常モードに設定されるチャンネル数が多いほど、動作するデバイスの数は多くなるため発熱量が増し、映像信号処理装置400のセット内の温度が高くなる。
逆に通常モードに設定されるチャンネル数が少ないほど、セット内の温度が下がることは明らかである。したがって、省電力モードとなる映像信号処理主要部2i(i=1〜4)の数が多いほど、ファン8の冷却能力である風量を小さくすることができるため、マイコン部14は、省電力モードとなる映像信号処理主要部2iの数の増加に応じて、ファン8の回転速度を下げるように、制御信号SC30を出力してファン速度制御部9を制御する。
以上のように、実施の形態4の映像信号処理装置400は動作するため、表示する映像の内容によって、各チャンネル(チャンネルch1〜ch4)の動作モードを個別に省電力モードに切換えることができるため、複数の映像信号処理主要部2iそれぞれにおける映像信号処理に悪影響を与えることなく、装置全体の消費電力を削減することができる。
加えて、実施の形態4の映像信号処理装置400は、ファン8による冷却能力も過剰ではなく必要最小限に抑えることができるため、より効果的に装置全体の消費電力を削減することが可能である。
加えて、実施の形態4は、実施の形態3と同様に、ファン8の回転速度を下げることによりファン8の長寿命化を図り、映像信号処理装置400全体の長寿命化を図ることもできる。
上述した実施の形態4では、複数のチャンネルの一例として、4チャンネルの場合について、説明したが、必ずしも4チャンネルである必要はなく、任意のチャンネル数においても、同様の効果を得ることができる。
また、上述した実施の形態4では、ファン8およびファン速度制御部9について、それぞれ1個の場合について説明したが、複数個設けたる構成にしてもよい。例えば、複数のファンのうち、所定のファンのみ選択的に速度の回転数を下げ、他のファンの回転速度はそのままなど、映像信号処理装置400のセット内における映像信号処理主要部21〜24の配置に応じて、効果的に冷却することにより、映像信号処理装置400の動作を安定させつつ、消費電力を下げることも可能である。
また、上述した実施の形態4では、実施の形態3と同様に、ファン8による空冷ではなく、他の冷却方法、例えばペルチェ素子等による冷却方法でも、同等の効果を得ることができる。
<実施の形態5>
図7はこの発明の実施の形態5である映像信号処理装置500の構成を示すブロック図である。
映像信号処理装置500は、複数の映像入力ボード51〜5nと、複数の映像出力ボード71〜7mを装着可能な構成となっている。そして、映像入力ボード51〜5nにより映像入力ボード群50が構成され、映像出力ボード71〜7mにより映像出力ボード群70が構成される。
図8は、図7で示した映像入力ボード5i(i=1〜nのいずれか)及び映像出力ボード7j(j=1〜mのいずれか)の内部構成を示した説明図である。
図8に示すように、各映像入力ボード5iは内部に4チャンネル分の映像信号処理主要部31〜34(第1種の映像信号処理主要部)を搭載している。各映像出力ボード7jは4チャンネル分の映像信号処理主要部41〜44(第2種の映像信号処理主要部)を搭載している。なお、映像信号処理主要部31〜34及び映像信号処理主要部41〜44はそれぞれ図5で示した実施の形態3の映像信号処理主要部20に相当し、それぞれ図1で示した入力部2、フレームメモリ3、変換部4、及び出力部5を内部に有している。
このように、p(4×n)個の映像信号処理主要部31〜34は4チャンネル単位でn個の映像入力ボード51〜5nとして分類可能に構成され、q(4×m)個の映像信号処理主要部41〜44は、4チャンネル単位でm個の映像出力ボード71〜7mに分類可能に構成されている。
そして、図7に示すように、映像入力ボード51〜5nはボード入力映像信号BVI1〜BVInを入力し、中間出力映像信号MVO1〜MVOnをマトリクススイッチ60に出力している。
マトリクススイッチ60は、p×q(pは入力する中間出力映像信号の総数(第1の所定数),qは出力する中間入力映像信号の総数(第2の所定数)、p,q1以上の整数)のマトリクススイッチである。
すなわち、マトリクススイッチ60は、p個の中間出力映像信号MVOそれぞれをq個の中間入力映像信号MVIのいずれかとして切り替え出力可能な映像信号変換部として機能する。
映像出力ボード71〜7mは中間入力映像信号MVI1〜MVImを入力し、ボード出力映像信号BVO1〜BVOnを出力する。
外部制御手段16は、使用者による外部操作によって、複数の映像出力ボード71〜7mをそれぞれ個別に省電力モードに設定することが可能であり、さらに、映像出力ボード71〜7mそれぞれ内のチャンネルch1〜ch4についても個別に省電力モードに設定することができる。すなわち、外部制御手段16は、映像出力ボード71〜7mに対し、最小単位をチャンネルch1〜ch4とした複数種の省電力モードを指示する動作モード信号SC16をマイコン部17に出力することができる。
マイコン部17は、動作モード信号SC16に基づき、制御信号SC50を映像入力ボード群50に、制御信号SC60をマトリクススイッチ60に、制御信号SC70を映像出力ボード群70に出力している。制御信号SC50は最小単位をチャンネルch1〜ch4とした省電力制御が映像入力ボード51〜5nに対して可能な制御信号であり、制御信号SC70は最小単位をチャンネルch1〜ch4とした省電力制御が映像出力ボード71〜7mに対して可能な制御信号である。なお、制御信号SC70は動作モード信号SC16の複数種の省電力モードに対応して映像出力ボード71〜7mに対して最小単位をチャンネルch1〜ch4とした省電力制御が可能に生成される。一方、制御信号SC50は動作モード信号SC16の複数種の省電力モードに基づき、制御信号SC60で指示されるマトリクススイッチ60の信号切り換え内容を考慮して、映像入力ボード51〜5nに対して最小単位をチャンネルch1〜ch4とした省電力制御が可能に生成される。
さらに、マイコン部17は、図5で示した実施の形態3のマイコン部11と同様、動作モード信号SC16に基づく制御信号SC30をファン速度制御部9に出力し、ファン8の冷却能力を制御している。
電源部18は、映像入力ボード群50に映像入力ボード用電源P50を供給し、マトリクススイッチ60にマトリクススイッチ用電源P60を供給し、映像出力ボード群70に映像出力ボード用電源P70を供給している。さらに、電源部18は、ファン速度制御部9にファン速度制御部用電源P9を供給する。
なお、ファン8及びファン速度制御部9については図5で示した実施の形態3と同様である。
そして、図8に示すように、映像入力ボード5iは、各々が図5で示した映像信号処理主要部20に相当するチャンネルch1〜ch4用の映像信号処理主要部31〜34から構成される。映像信号処理主要部31〜34は入力映像信号VI31〜VI34を入力し、出力映像信号VO31〜VO34を出力する。
同様に、映像出力ボード7jは、各々が図5で示した映像信号処理主要部20に相当するチャンネルch1〜ch4用の映像信号処理主要部41〜44から構成される。映像信号処理主要部41〜44は入力映像信号VI41〜VI44を入力し、出力映像信号VO41〜VO44を出力する。
そして、映像入力ボード5iに関し、入力映像信号VI31〜VI34が図7で示したボード入力映像信号BVIiに対応し、出力映像信号VO31〜VO34が図7で示した中間出力映像信号MVOiに対応する。さらに、映像出力ボード7jに関し、入力映像信号VI41〜VI44が図7で示した中間入力映像信号MVIjに対応し、出力映像信号VO41〜VO44が図7で示したボード出力映像信号BVOjに対応する。
図9は実施の形態5の通常モード時用の説明図であり、図10は実施の形態5の省電力モード時用の説明図である。
実施の形態5の映像信号処理装置500として、映像入力ボード群50は2枚の映像入力ボード5i(映像入力ボード51及び映像入力ボード52)から構成され、映像出力ボード群70が2枚の映像出力ボード7j(映像出力ボード71及び映像出力ボード72)マトリクススイッチ60が、8×8の場合について示している。
実施の形態5の映像信号処理装置500は、図9に示すように映像入力ボード51と映像入力ボード52に入力される複数のそれぞれ映像フォーマットの異なる映像信号を受け、該複数の映像信号に対し映像信号処理主要部31〜34の映像信号処理機能を用いて、一定の例えばSERDES信号に変換して中間出力映像信号MVOとして出力される。そして、マトリクススイッチ(8×8)60に切り換えられた後、映像出力ボード71及び72のチャンネルch1〜ch4のいずれかに中間入力映像信号MVIとして出力される。
映像出力ボード71と映像出力ボード72では、入力されたSERDES信号を映像信号処理主要部41〜44の映像信号処理機能を用いて、所望の様々なフォーマットの映像信号や、もとのフォーマットの映像信号に復元してボード出力映像信号BVOとして出力する。
例えば、映像入力ボード51の入力ch1に入力されたA静止画(1024×768@80Hz)の信号は、実施の形態1の映像信号処理装置100で説明したように所定の映像フォーマットに変換された後、例えばSERDES信号に変換されて、出力ch1から出力映像信号VO31として出力される。この出力映像信号VO31が図7の中間出力映像信号MVOの一部となる。
その後、出力映像信号VO31は、マトリクススイッチ60により、入力映像信号VI41及びVI42として映像出力ボード71の入力ch1と入力ch2に出力される。これら入力映像信号VI41及びVI42が、中間入力映像信号MVIの一部となる。
映像出力ボード71の映像信号処理主要部41(ch1)では、入力されたSERDES信号を1920×1200@60Hzの映像信号に変換して、出力映像信号VO41として出力する。同様に、映像出力ボード71の映像信号処理主要部42(ch2)では、入力されたSERDES信号を800×600@60Hzの映像信号に変換して、出力映像信号VO42として出力する。これら出力映像信号VO41及びVO42がボード出力映像信号BVOの一部となる。
また映像入力ボード51の映像信号処理主要部33(ch3)に入力された入力映像信号VI33であるC動画1(HDTV)は、映像出力ボード72の映像信号処理主要部41(ch1)から、1024×768@60Hzの映像信号に変換して出力映像信号VO41として出力される。
映像入力ボード51の映像信号処理主要部34(ch4)に入力された入力映像信号VI34であるC動画2は、映像出力ボード72の映像信号処理主要部42(ch2)から、1024×768@60Hzの映像信号に変換して出力映像信号VO42として出力される。
さらに、映像入力ボード52の映像信号処理主要部31(ch1)に入力映像信号VI31として入力されたD静止画(640x480@60Hz)の信号は、映像出力ボード72の映像信号処理主要部43(ch3)と映像信号処理主要部44(ch4)とから1920×1200@60Hzの信号に変換されて、出力映像信号VO43及びVO44として出力される。
このように、実施の形態5で示す映像信号処理装置500は、マトリクススイッチ60の切換制御と、映像入力ボード5iの映像信号処理主要部31〜34及び映像出力ボード7jの映像信号処理主要部41〜44それぞれの映像信号処理機能により、映像入力ボード5iにおける任意の入力チャンネルに入力された映像を、映像出力ボード7jにおける任意の出力チャンネルに任意の映像フォーマットで出力する機能を特徴としている。
ここで、入力されるA、B、Dの信号が静止画であることから、実施の形態1で示したように、不必要な動作を停止させ省電力モードを実施する。
図10は前述したように省電力モードの場合の動作について示した図であり、各映像信号処理主要部31〜34,41〜44のうち、ブロック内の余白が全て白地で示す映像信号処理主要部は、内部のすべての回路が動作しており、左半分が斜線ハッチングにより塗りつぶされている映像信号処理主要部は、入力部2の映像信号入力処理と変換部4による書き込み動作が停止していることを示している。また、ブロック内の余白の全てが斜線ハッチングにより塗りつぶされている映像信号処理主要部は、内部の全ての回路の動作が停止している状態を示している。
例えば、A静止画の場合、表示すべき映像の内容は、マトリクススイッチ60を経由して、映像出力ボード71の映像信号処理主要部41及び42(ch1及びch2)それぞれのフレームメモリ3に書き込まれているため、フレームメモリ3からの読み出し動作のみで、違和感なく表示することができる。
図11は図9及び図10において、A静止画(1024×768@80Hz)を入力映像信号VI31として入力し、映像入力ボード51の映像信号処理主要部31からマトリクススイッチ60を経由し、最終的に映像出力ボード71の映像信号処理主要部41(ch1)から出力映像信号VO41としてA静止画(1920×1200@60Hz)が出力される流れを示した概略図である。図11において、時刻t2から省電力モードに切り換わる状態を示している。
したがって、A静止画に対する映像信号処理を行っている、映像入力ボード51の映像信号処理主要部31(ch1)の全回路動作と映像出力ボード71の映像信号処理主要部41及び42(ch1及びch2)の入力部2による映像信号入力処理と変換部4によるフレームメモリ3への書き込み動作は不要となるため停止させることができる。
この場合、例えば、使用者が外部制御手段16を操作してA静止画を表示している映像出力ボード71の映像信号処理主要部41及び42に関し省電力モードを指示すれば、マイコン部17の制御下で、映像出力ボード71の映像信号処理主要部41及び42は勿論、A静止画に関連する映像入力ボード51の映像信号処理主要部31に対しても省電力制御を行うことができる。なぜなら、マイコン部17は制御信号SC60を出力しており、マトリクススイッチ60の切り換え内容も認識しているからである。
また、B静止画の場合も同様に、映像入力ボード51の映像信号処理主要部32(ch2)の全回路動作と映像出力ボード71の映像信号処理主要部33及び34(ch3及びch4)の入力部2の映像信号入力処理とフレームメモリ3への書き込み動作は不要となるので停止させることができる。
次に、C動画1とC動画2が、処理されている映像入力ボード51の映像信号処理主要部33及び34(ch3及びch4)並びに映像出力ボード72の映像信号処理主要部41及び42(ch1及びch2)は、全ての回路を動作させておく。
また、D静止画の場合も同様に、映像入力ボード52の映像信号処理主要部31(ch1)の全回路動作と映像出力ボード72の映像信号処理主要部33及び34(ch3及びch4)の入力部2の映像信号入力処理とフレームメモリ3への書き込み動作は不要となるので停止させることができる。
さらに、映像入力ボード52の他のチャンネルには入力がないため、映像信号入力ボード2そのものの動作を一括して停止させることができる。
以上のように、実施の形態5の映像信号処理装置500は動作するため、省電力モードの場合には、入力される映像信号の種類や接続状態に応じて、不要な回路の部分や、不要なチャンネル、および不要なボードの動作を停止させることにより、大幅に消費電力を削減することができる。
さらに、不要な部分の動作を停止させることにより、実施の形態3および実施の形態4で説明したように、映像信号処理装置500内のセット内温度を下げることができるため、ファン速度制御部9を制御して、ファン8の回転速度を下げて、効果的に冷却することにより、さらに消費電力を削減することが可能である。また、実施の形態3および実施の形態4と同様に、ファン8の回転速度を下げることによりファン8の長寿命化によって映像信号処理装置500全体の長寿命化を図ることもできる。
このように、実施の形態5の映像信号処理装置500におけるマイコン部17は、動作モード信号SC16及び制御信号SC60の制御内容(マトリクススイッチ60の切り換え内容)に基づき、映像入力ボード51〜5nそれぞれの映像信号処理主要部31〜34及び映像出力ボード71〜7mそれぞれの映像信号処理主要部41〜44に対して、映像信号処理主要部単位に独立して省電力制御を実行している。
このため、実施の形態5の映像信号処理装置500は、映像入力ボード群50及び映像出力ボード群70内の各映像信号処理主要部の処理に悪影響を与えることなく、装置全体の消費電力を削減することができる。
さらに、実施の形態5の映像信号処理装置500におけるマイコン部17は、映像入力ボード51〜5n及び映像出力ボード71〜7m単位で一括して省電力制御を実行することができるため、効率的に省電力制御を効率的に行うことができる効果を奏する。
上述した実施の形態5では、静止画を処理するチャンネルは、実施の形態1で示したように不必要な回路を停止させ、動画を処理するチャンネルは通常動作を行う場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、動画を処理するチャンネルについても、省電力モードで動作させ、実施の形態2で示したように一定間隔で表示内容を更新すること、使用環境や用途によって、各ボードの各チャンネルの動作モードを使い分けて使用してもよい。
また、上述した実施の形態5では、映像入力ボード5iおよび映像出力ボード7jとも、映像信号処理主要部を4チャンネル搭載した一例について説明したが、必ずしも4チャンネルである必要はなく、各ボードのチャンネル数は任意のチャンネル数としてもよい。
また、上述した実施の形態5では、図9及び図10では、映像入力ボード5iおよび映像出力ボード7jをそれぞれ2枚搭載した例について説明したが、任意の枚数で構成してもよい。
また、上述した実施の形態5では、実施の形態3および実施の形態4と同様に、複数のファンおよびファン速度制御部を設けた構成にして、特定のファンのみ速度の回転数を下げ、それ以外のファンの回転数の速度はそのままなど、映像入力ボード5iと映像出力ボード7jの枚数やセット内における配置に応じて、効果的に冷却することにより、映像信号処理装置の動作を安定させつつ、消費電力を下げることも可能である。
また、上述した実施の形態5では、実施の形態3および実施の形態4と同様に、ファンによる空冷ではなく、他の冷却方法、例えばペルチェ素子等による冷却方法でも、同等の効果を得ることができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。