JP5881525B2 - サポゲニン安定化組成物の製造方法 - Google Patents

サポゲニン安定化組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、田七人参等のサポニン含有植物を、サポゲニンをより多く含有するサポゲニン含有組成物へと加工する方法(サポニン含有植物を原料として、サポゲニン含有組成物を製造する方法)において、得られたサポゲニン含有組成物におけるサポゲニンの保存安定性を向上させたサポゲニン安定化組成物及びその製造方法、並びに該サポゲニン安定化組成物を含有する飲食品に関する。
漢方薬に用いる生薬の中には、毒性軽減、保存性改善、或いは薬効増強を目的として、加工処理したものがよく利用されており、薬用人参においても、熱湯で蒸煮処理した「紅参」等が加工人参として知られている。例えば、特許文献1には、薬効増強のための加工人参の製造法が報告されており、紅参の薬理活性成分であるサポニンを更に増加させる方法が開示されている。
なお、配糖体であるサポニンから体内の腸内細菌や、酸又はアルカリによる加水分解によって生成したサポゲニンが生理活性成分として作用し、抗がん作用等の生理活性がより強く現れることが知られている。薬用人参の加工方法として、例えば、特許文献2には、エキスの製造を目的とした方法が開示されているが、操作が煩雑であるにもかかわらず、サポゲニンの生成は不十分であり、また加工人参として使用するには、安全性、味の点で劣るという問題があった。
サポゲニンを多く含有し、かつ、味や安全性の点でも優れたサポゲニン含有生薬を、サポニン含有生薬を原料として簡便に製造する方法が求められ、そのような方法として、田七人参等のサポニン含有植物を所定の濃度の強酸水溶液を作用させて加水分解処理を施した後、アルカリで中和してサポゲニン高含有組成物を得る方法が提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、そのようなサポゲニン高含有組成物において、更にサポゲニンの保存安定性を高める方法が要望されているのが現状である。
特表平11−501322号公報 国際公開第2005/030235号パンフレット 国際公開第2010/029915号パンフレット
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、サポゲニンの保存安定性を向上させたサポゲニン安定化組成物、該サポゲニン安定化組成物の製造方法、及び該サポゲニン安定化組成物を含有する飲食品を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> サポニン含有植物に0.01mol/L〜4mol/L濃度の強酸水溶液を作用させて加水分解処理を施し、得られた加水分解後の液を中和後、濾過し、残渣を乾燥することにより得られるサポゲニン含有組成物を、50℃以上で加熱処理することを特徴とするサポゲニン安定化組成物の製造方法である。
<2> 加熱処理が、50℃以上60℃未満かつ10日間以上、60℃以上70℃未満かつ5日間以上、70℃以上80℃未満かつ3日間以上、80℃以上90℃未満かつ1日間以上、及び90℃かつ1時間以上のいずれかである前記<1>に記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法である。
<3> 加熱処理が、50℃以上60℃未満かつ15日間〜30日間、60℃以上70℃未満かつ7日間〜30日間、70℃以上80℃未満かつ4日間〜30日間、80℃以上90℃未満かつ2日間〜7日間、及び90℃かつ2時間のいずれかである前記<1>に記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法である。
<4> 加熱処理が、50℃以上60℃未満かつ30日間、60℃以上70℃未満かつ15日間〜30日間、70℃以上80℃未満かつ7日間〜30日間、及び80℃以上90℃未満かつ4日間〜7日間のいずれかである前記<1>に記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法である。
<5> サポゲニンが、パナキサトリオール及びパナキサジオールの少なくともいずれかである前記<1>から<4>のいずれかに記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法である。
<6> サポニン含有植物が、ウコギ科に属する植物である前記<1>から<5>のいずれかに記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法である。
<7> サポニン含有植物が、ウコギ科トチバニンジン属、ウコギ科ウコギ属、及びウコギ科タラノキ属のいずれかに属する植物である前記<6>に記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法である。
<8> ウコギ科トチバニンジン属に属する植物が、田七人参、及び御種人参のいずれかである前記<7>に記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法である。
<9> ウコギ科ウコギ属植に属する植物が、エゾウコギである前記<7>に記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法である。
<10> ウコギ科タラノキ属に属する植物が、タラノキ、及びウドのいずれかである前記<7>に記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法である。
<11> サポニン含有植物が、ウリ科に属する植物である前記<1>から<5>のいずれかに記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法である。
<12> サポニン含有植物が、ウリ科アマチャヅル属に属する植物である前記<11>に記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法である。
<13> ウリ科アマチャヅル属に属する植物が、アマチャヅルである前記<12>に記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法である。
<14> 加水分解処理を、低級アルコールの存在下で行う前記<1>から<13>に記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法である。
<15> 低級アルコールの使用量が、加水分解液総量に対して1容量%以上80容量%以下である前記<14>に記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法である。
<16> 加水分解処理後かつ濾過前に、加水分解処理後の液に水を加え、前記加水分解処理後の液中の低級アルコール濃度を50容量%以下に調整する前記<14>から<15>に記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法である。
<17> 加水分解処理後かつ濾過前に、加水分解処理後の液を減圧濃縮することにより、前記加水分解処理後の液中の低級アルコール濃度を50容量%以下に調整する前記<14>から<16>に記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法である。
<18> 前記<1>から<17>のいずれかに記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法により得られ、
加熱処理及び40℃、3ヶ月間の保管後のサポゲニンの残存率が、加熱処理前に対して、90%以上であることを特徴とするサポゲニン安定化組成物である。
<19> 残存率が、95%以上である前記<18>に記載のサポゲニン安定化組成物である。
<20> 前記<18>から<19>のいずれかに記載のサポゲニン安定化組成物を含有することを特徴とする飲食品である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、サポゲニンの保存安定性を向上させたサポゲニン安定化組成物、該サポゲニン安定化組成物の製造方法、及び該サポゲニン安定化組成物を含有する飲食品を提供することができる。
(サポゲニン安定化組成物の製造方法)
本発明のサポゲニン安定化組成物の製造方法は、サポニン含有植物に、所定の濃度の強酸水溶液を作用させて加水分解処理を施し(加水分解処理工程)、得られた加水分解処理後の液を中和後(中和工程)、濾過し(濾過工程)、残渣を乾燥し(乾燥工程)、加熱処理を施す(加熱工程)ことを特徴とする。なお、前記サポゲニン安定化組成物の製造方法は、前記各工程以外のその他の工程を有していてもよい。
<サポニン含有植物>
本発明において、原料として使用される前記サポニン含有植物としては、サポニンが含まれる天然物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウコギ科トチバニンジン属田七人参、ウコギ科トチバニンジン属御種人参、ウコギ科トチバニンジン属トチバニンジン(チクセツニンジン)、ウコギ科ウコギ属エゾウコギ、ウコギ科タラノキ属タラノキ、ウコギ科タラノキ属ウド、セリ科ミシマサイコ属ミシマサイコ(サイコ)、ヒメハギ科ヒメハギ属イトヒメハギ(オンジ)、ヒメハギ科ヒメハギ属ヒロハセネガ(セネガ)、キキョウ科キキョウ属キキョウ、ウリ科アマチャヅル属アマチャヅル、マメ科カンゾウ属カンゾウ、ヒユ科イノコズチ属ヒナタイノコズチ(ゴシツ)、アケビ科アケビ属ミツバアケビ(モクツウ)、クロウメモドキ科ナツメ属ナツメ(タイソウ)、ユリ科ハナスゲ属ハナスゲ(チモ)、ユリ科ジャノヒゲ属ジャノヒゲ(バクモンドウ)、ヤマノイモ科ヤマノイモ属オニドコロ(ヒカイ)などが挙げられる。
前記原料としては、例えば、田七人参の根、御種人参の根、トチバニンジンの根(チクセツニンジン)、エゾウコギの根、タラノキの根、ウドの根、ミシマサイコの根(サイコ)、イトヒメハギの根(オンジ)、ヒロハセネガの根(セネガ)、キキョウの根、アマチャヅルの全草、カンゾウの根、ヒナタイノコズチの根(ゴシツ)、ミツバアケビの茎(モクツウ)、ナツメの実(タイソウ)、ハナスゲの根茎(チモ)、ジャノヒゲの根(バクモンドウ)、オニドコロの根茎(ヒカイ)などが挙げられる。
これらの中でも、ウコギ科トチバニンジン属田七人参の根、ウコギ科トチバニンジン属御種人参の根、ウコギ科トチバニンジン属トチバニンジンの根(チクセツニンジン)、ウコギ科ウコギ属エゾウコギの根、ウコギ科タラノキ属タラノキの根、ウコギ科タラノキ属ウドの根、ウリ科アマチャヅル属アマチャヅルの全草が好ましく、最も高いサポゲニン収量が得られるウコギ科トチバニンジン属田七人参の根が特に好ましい。
前記サポニン含有植物は、天然から採取されたそのままの状態で使用してもよいが、例えば洗浄、乾燥、裁断、破砕、粉砕等を適宜組み合わせた前処理を施してから使用をすることで、後述する加水分解処理をより効率的に行うことが可能となる。これらの中でも、前記サポニン含有植物としては、粉末状のものを使用することが好ましい。なお、前記サポニン含有植物としては、市販品を利用してもよい。
<サポゲニン>
サポゲニンとは、サポニン(配糖体)の糖部を酸やグリコシダーゼで除去することによって得られる非糖部(アグリコン)のことを指し、トリテルペノイド系サポゲニンとステロイド系サポゲニンに大別される。ここでは、酸処理時に側鎖が閉環した化合物も広義の意味でサポゲニンと呼称する。前記サポゲニンとしては、例えば、パナキサジオール(PD)、パナキサトリオール(PT)、プロトパナキサジオール(PPD)、プロトパナキサトリオール(PPT)などが挙げられる。前記サポゲニン安定化組成物に含有されるサポゲニンとしては、パナキサトリオール及びパナキサジオールの少なくともいずれかであることが好ましい。
前記パナキサジオールは、下記構造式(1)で表される化合物であり、前記パナキサトリオールは、下記構造式(2)で表される化合物である。
前記パナキサジオール及び前記パナキサトリオールを入手する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、植物から抽出する方法、合成する方法、市販品を用いる方法などが挙げられる。
<加水分解処理工程>
前記加水分解処理工程では、前記サポニン含有植物に所定の濃度の強酸水溶液を作用させ、前記植物中のサポニンを加水分解し、サポゲニンを生成させる。
前記強酸水溶液としては、強酸を含む水溶液であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、これらの中でも、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸等の無機酸を含む水溶液が好ましく、塩酸を含む水溶液が特に好適である。前記強酸水溶液における酸の濃度は、0.01mol/L〜4mol/Lであり、これらの中でも、0.5mol/L〜3mol/Lであることが好ましい。前記酸の濃度が、0.01mol/L未満であると、加水分解が不十分で効率よくサポゲニンが生成されないという問題が生じ、4mol/Lを超えると、加水分解が進み過ぎたり、コスト的に不利であるという問題が生じる。一方、前記酸の濃度が、前記好ましい範囲内であると、十分な加水分解による効率の良いサポゲニン生成の点で、有利である。
前記強酸水溶液は、前記サポニン含有植物に対して、2倍容量〜20倍容量を使用することが好ましい。前記強酸水溶液の使用量が、前記サポニン含有植物に対して、2倍容量未満であると、サポニン含有植物が十分に浸らず加水分解処理が不十分になること等があり、20倍容量を超えると、コスト的に不利になること等がある。
−低級アルコールの使用−
なお、前記加水分解処理は、低級アルコールの存在下で行うことがより好ましい。前記低級アルコールを使用することにより、前記サポニン含有植物と、前記強酸水溶液との親和性を向上させ、効率よく加水分解を進めることが可能となる。また、前記低級アルコールを使用することにより、得られるサポゲニン含有組成物の、味や取扱い性を高めることができる点でも、有利である。前記低級アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、これらの中でも、メタノール、エタノール、プロパノールが好ましく、安全性の点からエタノールが特に好ましい。
前記低級アルコールの使用量は、加水分解液総量に対して、1容量%〜80容量%であることが好ましく、10容量%〜50容量%であることがより好ましく、20容量%〜40容量%であることが更に好ましい。前記低級アルコールの使用量が、前記加水分解液総量に対して、1容量%未満であると、効率よくサポゲニンが生成されないこと等があり、80容量%を超えると、効率よくサポゲニンが生成されないことや、コスト的に不利になること等がある。一方、前記低級アルコールの使用量が、前記更に好ましい範囲内であると、効率の良いサポゲニンの生成の点で、有利である。なお、前記「加水分解液総量」とは、前記強酸水溶液、及び、前記低級アルコールを含めた全反応液量のことをいう。
なお、前記強酸水溶液、及び、前記低級アルコールを含めた全反応液量(加水分解液総量)は、前記サポニン含有植物に対し、2倍容量〜20倍容量とすることが好ましい。全反応液量が、前記サポニン含有植物に対して、2倍容量未満であると、サポニン含有植物が十分に浸らず加水分解処理が不十分になること等があり、20倍容量を超えると、コスト的に不利になること等がある。
前記加水分解処理における処理温度は、60℃〜100℃が好ましく、70℃〜90℃がより好ましい。前記処理温度が、60℃未満であると、加水分解が不十分で効率よくサポゲニンが生成されないこと等があり、100℃を超えると、特殊な製造設備が必要となり、コスト的に不利になること等がある。一方、前記処理温度が、前記より好ましい範囲内であると、効率の良いサポゲニンの生成の点で、有利である。
また、前記加水分解処理における処理時間は、30分間〜24時間が好ましく、2時間〜8時間がより好ましい。前記処理時間が、30分間未満であると、加水分解が不十分で効率よくサポゲニンが生成されないこと等があり、24時間を超えると、反応が進み過ぎたり、コスト的に不利になること等がある。一方、前記処理時間が、前記より好ましい範囲内であると、効率の良いサポゲニンの生成の点で、有利である。
<中和工程>
前記中和工程では、前記加水分解処理後、得られた加水分解処理後の液を中和する。
前記中和は、特に制限はなく、公知の手法により行うことができ、例えば、前記加水分解処理後の液に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強塩基水溶液を適宜加えることにより、行うことができる。なお、前記中和後のpHは、5〜8とすることが好ましい。
<濾過工程>
前記濾過工程では、前記中和工程後の加水分解処理後の液を濾過し、濾液と残渣とに分離する。
前記濾過は、特に制限はなく、公知の手法により行うことができる。なお、濾過後は、更に塩がなくなるまで水洗を繰り返してもよい。
−加水濾過−
前記加水分解処理工程で低級アルコールを使用しなかった場合は、中和後、そのまま前記濾過工程に進むことができるが、低級アルコールを使用した場合は、濾過前に、生成されたサポゲニンの残渣への残留を促す目的で、水を加えて加水分解処理後の液中の低級アルコール濃度を下げることが好ましい。この場合に添加する水は多いほどよいが、加水分解処理後の液中の低級アルコール濃度は、低いほど好ましく、具体的には、50容量%以下となるように添加することが好ましく、30容量%以下となるように添加することがより好ましく、10容量%以下となるように添加することが更に好ましい。前記加水分解処理後の液中の低級アルコール濃度が、50容量%を超えたまま濾過に供すると、生成されたサポゲニンが低級アルコールに溶解して濾液として排出されてしまい、残渣中のサポゲニン含有量が減少してしまう点で不利となる。一方、前記加水分解処理後の液中の低級アルコール濃度を、前記更に好ましい範囲内とすると、より残渣中のサポゲニン含有率を高めることができる点で、有利である。
なお、サポニンは、水溶性であるが、加水分解処理により得られるサポゲニンは、水不溶性である。
−減圧濃縮後濾過−
また、濾過前に、生成されたサポゲニンの残渣への残留を促す目的で、減圧濃縮により低級アルコールを留去することで、加水分解処理後の液中の低級アルコール濃度を下げることができる。この場合、濃縮温度は70℃以下が好ましく、40℃〜50℃がより好ましい。低級アルコール濃度は50容量%以下となるように留去することが好ましく、30容量%以下となるように留去することがより好ましく、10容量%以下となるように留去することが更に好ましい。前記加水分解処理後の液中の低級アルコール濃度が、50容量%を超えたまま濾過に供すると、生成されたサポゲニンが低級アルコールに溶解して濾液として排出されてしまい、残渣中のサポゲニン含有量が減少してしまう点で不利となる。一方、前記加水分解処理後の液中の低級アルコール濃度を、前記更に好ましい範囲内とすると、より残渣中のサポゲニン含有率を高めることができる点で、有利である。
また、前記減圧濃縮と、前記加水濾過とは、それぞれ単独の工程として行ってもよいが、一連の工程として行ってもよい。この場合、前記減圧濃縮後の液に対して水を加え、前記加水濾過を行う。
<乾燥工程>
前記乾燥工程では、前記濾過工程後の残渣を乾燥し、サポゲニン含有組成物を得る。
前記乾燥は、特に制限はなく、公知の手法により行うことができ、例えば、凍結乾燥、通風乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥など通常の方法が利用できる。
<加熱工程>
前記加熱工程では、前記乾燥工程で得られたサポゲニン含有組成物を50℃以上で加熱処理し、サポゲニン安定化組成物を得る。
前記乾燥工程で得られたサポゲニン含有組成物の形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉末状、顆粒状、固形状などが挙げられる。これらの中でも、サポゲニン含有組成物の加熱処理による安定化効果が得られやすい点で、粉末状、顆粒状が好ましく、粉末状がより好ましい。
前記加熱処理としては、50℃以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃以上60℃未満かつ10日間以上、60℃以上70℃未満かつ5日間以上、70℃以上80℃未満かつ3日間以上、80℃以上90℃未満かつ1日間以上、及び90℃かつ1時間以上のいずれかであることが、得られたサポゲニン安定化組成物におけるサポゲニンの残存率を90%以上に保つ点から好ましく、50℃以上60℃未満かつ15日間〜30日間、60℃以上70℃未満かつ7日間〜30日間、70℃以上80℃未満かつ4日間〜30日間、80℃以上90℃未満かつ2日間〜7日間、及び90℃かつ2時間のいずれかであることが、得られたサポゲニン安定化組成物におけるサポゲニンの残存率を90%以上に保ち、かつ前記サポゲニン安定化組成物の色変化を抑える点からより好ましく、50℃以上60℃未満かつ30日間、60℃以上70℃未満かつ15日間〜30日間、70℃以上80℃未満かつ7日間〜30日間、及び80℃以上90℃未満かつ4日間〜7日間のいずれかであることが、得られたサポゲニン安定化組成物におけるサポゲニンの残存率を95%以上に保ち、かつ前記サポゲニン安定化組成物の色変化を抑える点から特に好ましい。
また、前記加熱処理期間としては、製造期間を短くでき、かつ所望の効果が得られる点から、各温度範囲における前記加熱処理期間の下限値であることが好ましい。
ここで、前記「残存率」とは、加熱処理前の前記サポゲニン含有組成物に対する、加熱処理及び40℃、3ヶ月間の保管後のサポゲニン安定化組成物中のサポゲニンの残存率を意味する。前記残存率としては、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
<サポゲニン安定化組成物>
本発明では、前記したような簡便な手法により、原料であるサポニン含有植物中に含まれるサポニンからサポゲニンを生成し、サポゲニンを高い含有率で含有する組成物(サポゲニン含有組成物)を得、更に前記加熱工程を備えることにより、該サポゲニン含有組成物に含まれるサポゲニンの保存安定性を向上させたサポゲニン安定化組成物を得ることができる。
なお、得られたサポゲニン安定化組成物のサポゲニン含有率は、3%以上が好ましく、5%以上がより好ましく、10%以上が更に好ましい。なお、前記サポゲニン含有率は、後述する実施例に記載の方法により測定した値である。
前記のような方法により得られたサポゲニン安定化組成物は、安定性及び安全性が高く、また、味や取扱い性の点でも優れるため、そのまま、或いは、適宜処理を施した後に、健康食品等の飲食品の有効成分として好適に利用可能である。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
(製造例1)
田七粉(松浦薬業株式会社製)1kgを、5.9質量%塩酸及び25容量%エタノールを含む水溶液(2mol/L濃度の塩酸加水分解液)10Lに懸濁し、ゆっくりと攪拌しながら80℃で6時間反応させた。これを氷上で冷却後、5M水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和した。次いで、蒸留水で10倍希釈し、吸引ろ過した後、残渣を凍結乾燥することにより、PTを5.0質量%、PDを5.5質量%含有する田七粉のサポゲニン含有組成物180gを得た。
(製造例2)
御種人参(松浦薬業株式会社製)1kgを、5.9質量%塩酸及び25容量%エタノールを含む水溶液(2mol/L濃度の塩酸加水分解液)10Lに懸濁し、ゆっくりと攪拌しながら80℃で6時間反応させた。これを氷上で冷却後、5M水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和した。次いで、蒸留水で10倍希釈し、吸引ろ過した後、残渣を加温通風乾燥することにより、PTを1.8質量%、PDを3.0質量%含有する御種人参のサポゲニン含有組成物172gを得た。
<パナキサトリオール(PT)、パナキサジオール(PD)の含有量測定>
製造例1の田七粉のサポゲニン含有組成物又は製造例2の御種人参のサポゲニン含有組成物0.1gを精密に量り、99.5容量%エタノール約8mLを加え、超音波槽を用いて15分間懸濁した。約700×gで10分間遠心した後の上清に、99.5容量%エタノールを加えて正確に10mLとした。この液につき、下記の条件でガスクロマトグラフィーにより測定した。
<<ガスクロマトグラフィー測定条件>>
ガスクロマトグラフ:GC353B(GLサイエンス社製)
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
注入法:スプリット注入法(スプリット比 1:50)
カラム:DB−17MS(アジレント・テクノロジー株式会社製)
(長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
カラム温度:310℃(20分間)→10℃/分間→320℃(14分間)
キャリヤーガス:ヘリウム
流量:1.5mL/分間
注入口温度:320℃
検出器温度:320℃
注入量:1μL
保持時間:PTは約29分間、PDは約18分間
−検量線作成−
2種のサポゲニンの検量線作成用標準溶液A、B、Cとして、エタノールにそれぞれパナキサトリオールがA:50mg/50mL、B:25mg/50mL、C:5mg/50mL、パナキサジオールがA:50mg/50mL、B:25mg/50mL、C:5mg/50mL含有されるように調製した。(2種のサポゲニンはいずれもLKTラボラトリーズ社製)。この標準溶液A、B、C、各1μLについて、ガスクロマトグラフィー条件下でピークエリア面積を測定し、各サポゲニンのピーク面積及び濃度から検量線を作成した。
−サポゲニン含有率−
各検量線から被検試料中の2種のサポゲニン量を読み取り、パナキサトリオール及びパナキサジオールについてそれぞれ含有率を算出した。
(実施例1)
製造例1において得られた田七人参のサポゲニン含有組成物5gをスクリューキャップ付き褐色ガラス瓶に入れ、50℃かつ15日間の加熱処理条件下、恒温器中に放置し、実施例1のサポゲニン安定化組成物を調製した。
<評価>
作製したサポゲニン安定化組成物について、以下のように評価した。
<<サポゲニン残存率の測定>>
実施例1のサポゲニン安定化組成物について、加熱処理後すぐに、上述のガスクロマトグラフィー測定方法により、PTとPDの定量を行った。その後、40℃で3ヶ月間保存した後(保存安定性試験)、同様にPTとPDの定量を行った。加熱処理後及び40℃で3ヶ月間保存した後のそれぞれについて、加熱処理前の初期値(サポゲニン含有率)に対する残存率(%)を算出した。結果を表1に示す。
40℃、3ヶ月間保存した後のサポゲニンの残存率が90%以上のものを飲食品へ安定に配合できると判断した。また、40℃、3ヶ月間保存した後のサポゲニンの残存率が95%以上のものを特に優れると判断した。
<<色の評価>>
処理温度が高く、長期間になると、サポゲニン安定化組成物(粉末)の色が変化する(灰褐色〜黒褐色)。そこで、パネラー5名に各サポゲニン安定化組成物の色を見てもらい、以下の評点及び基準に従い評価した。
[評点]
4点:食品として良好。
3点:着色は気になるものの食品として、問題ないレベル。
2点:食品としてはあまり適さない。
1点:食品として適さない。
[色の評価基準]
◎:パネラー5名の評点の平均点が3.5点以上。
○:パネラー5名の評点の平均点が2.5点以上3.5点未満。
△:パネラー5名の評点の平均点が1.5点以上2.5点未満。
×:パネラー5名の評点の平均点が1.5点未満。
(比較例1)
製造例1において得られた田七人参のサポゲニン含有組成物5gをスクリューキャップ付き褐色ガラス瓶に入れ、加熱処理を行わずに25℃の恒温器中に1年間放置し、サポゲニンの残存率を算出した結果、PT89.8%、PD89.6%であった。灰褐色の粉末で、色の評価は◎であった。
(実施例2〜15及び比較例2〜3)
実施例1において、50℃かつ15日間の加熱処理条件に代えて、表1の加熱処理条件としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜15及び比較例2〜3のサポゲニン安定化組成物を調製し、これらの評価を実施した。結果を表1に示す。
(実施例16)
実施例1において、製造例1において得られた田七人参のサポゲニン含有組成物に代えて、製造例2において得られた御種人参のサポゲニン含有組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例16のサポゲニン安定化組成物を調製し、これらの評価を実施した。結果を表2に示す。
(比較例4)
製造例2において得られた御種人参のサポゲニン含有組成物5gをスクリューキャップ付き褐色ガラス瓶に入れ、加熱処理を行わずに25℃の恒温器中に1年間放置し、サポゲニンの残存率を算出した結果、PT89.7%、PD89.6%であった。灰褐色の粉末で、色の評価は◎であった。
(実施例17〜30及び比較例5〜6)
実施例16において、50℃かつ15日間の加熱処理条件に代えて、表2の加熱処理条件としたこと以外は、実施例16と同様にして、実施例17〜30及び比較例5〜6のサポゲニン安定化組成物を調製し、これらの評価を実施した。結果を表2に示す。
表1〜2に示した通り、PTとPDを含有する田七人参又は御種人参のサポゲニン含有組成物を50℃以上で熱処理することにより、保存安定性が向上し、飲食品への適応が可能となった。
本発明のサポゲニン安定化組成物、及びサポゲニン安定化組成物の製造方法は、サポゲニンの保存安定性を向上させたサポゲニン安定化組成物を提供することができるので、飲食品などに好適に利用可能である。

Claims (6)

  1. サポニン含有植物に0.01mol/L〜4mol/L濃度の強酸水溶液を作用させて加水分解処理を施し、得られた加水分解後の液を中和後、濾過し、残渣を乾燥することにより得られるサポゲニン含有組成物を、50℃以上で加熱処理することを特徴とするサポゲニン安定化組成物の製造方法。
  2. 加熱処理が、50℃以上60℃未満かつ10日間以上、60℃以上70℃未満かつ5日間以上、70℃以上80℃未満かつ3日間以上、80℃以上90℃未満かつ1日間以上、及び90℃かつ1時間以上のいずれかである請求項1に記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法。
  3. サポゲニンが、パナキサトリオール及びパナキサジオールの少なくともいずれかである請求項1から2のいずれかに記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法。
  4. サポニン含有植物が、ウコギ科に属する植物である請求項1から3のいずれかに記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法。
  5. サポニン含有植物が、ウコギ科トチバニンジン属、ウコギ科ウコギ属、及びウコギ科タラノキ属のいずれかに属する植物である請求項4に記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法。
  6. ウコギ科トチバニンジン属に属する植物が、田七人参、及び御種人参のいずれかである請求項5に記載のサポゲニン安定化組成物の製造方法。
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