JP5880496B2 - 光源装置およびプロジェクタ - Google Patents
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Description
一例として、本発明のプロジェクタに係わる従来のプロジェクタの一種の一部の一形態を説明する図である、図8を用いてプロジェクタの原理について述べる(参考:特開2004−252112号など)。
ここで、前記光均一化手段(FmA)として、例えば、光ガイドを使うことができ、これは、ロッドインテグレータ、ライトトンネルなどの名称でも呼ばれており、ガラスや樹脂などの光透過性の材料からなる角柱によって構成され、前記入射端(PmiA)に入力された光は、光ファイバと同じ原理に従って、前記光均一化手段(FmA)の側面で全反射を繰り返しながら、前記光均一化手段(FmA)の中を伝播することにより、仮に前記入射端(PmiA)に入力された光の分布にムラがあったとしても、前記射出端(PmoA)上の照度が十分に均一化されるように機能する。
ただし、図8においては、前記照明レンズ(Ej1A)と前記2次元光振幅変調素子(DmjA)との間にミラー(MjA)を配置してある。
そして前記2次元光振幅変調素子(DmjA)は、映像信号に従って、画素毎に光を投影レンズ(Ej2A)に入射される方向に向かわせる、あるいは入射されない方向に向かわせるように変調することにより、スクリーン(Tj)上に画像を表示する。
ここで、前記光均一化手段(FmB)は、入射側の前段フライアイレンズ(F1B)と射出側の後段フライアイレンズ(F2B)と照明レンズ(Ej1B)の組合せで構成される。
前記前段フライアイレンズ(F1B)、前記後段フライアイレンズ(F2B)ともに、同一焦点距離、同一形状の四角形のレンズを、縦横それぞれに多数並べたものとして形成されている。
一般にケーラー照明光学系とは、2枚のレンズから構成され、前段レンズが光を集めて対象面を照明するに際し、前段レンズは、対象面に光源像を結像するのではなく、後段レンズ中央の面上に光源像を結像し、後段レンズが前段レンズの外形の四角形を対象面(照明したい面)に結像するよう配置することにより、対象面を均一に照明するものである。
後段レンズの働きは、もしこれが無い場合は、光源が完全な点光源でなく有限の大きさを持つとき、その大きさに依存して対象面の四角形の周囲部の照度が落ちる現象を防ぐためで、後段レンズによって、光源の大きさに依存せずに、対象面の四角形の周囲部まで均一な照度にすることができる。
ただし、前記後段フライアイレンズ(F2B)の後段には、前記照明レンズ(Ej1B)を配置してあるため、対象面は、無限遠から前記照明レンズ(Ej1B)の焦点面上に引き寄せられる。
縦横に多数並んでいるケーラー照明光学系は、入射光軸(ZiB)に平行であり、それぞれの中心軸に対して略軸対称に光束が入力されるため、出力光束も略軸対称であるから、レンズ面に同じ角度で入射した光線は、レンズ面上の入射位置によらず、焦点面上の同じ点に向かうよう屈折される、というレンズの性質、即ちレンズのフーリエ変換作用により、全てのケーラー照明光学系の出力は、前記照明レンズ(Ej1B)の焦点面上の同じ対象面に結像される。
前記合成四角形の像の位置に2次元光振幅変調素子(DmjB)を配置することにより、前記射出端(PmoB)から出力された光によって、照明対象である前記2次元光振幅変調素子(DmjB)が照明される。
ただし、照明に際しては、前記照明レンズ(Ej1B)と前記2次元光振幅変調素子(DmjB)との間に偏光ビームスプリッタ(MjB)を配置して、これにより光が前記2次元光振幅変調素子(DmjB)に向けて反射されるようにしてある。
そして前記2次元光振幅変調素子(DmjB)は、映像信号に従って、画素毎に光の偏光方向を90度回転させる、あるいは回転させないように変調して反射することにより、回転させられた光のみが、前記偏光ビームスプリッタ(MjB)を透過して投影レンズ(Ej3B)に入射され、スクリーン(Tj)上に画像を表示する。
このような液晶デバイスの場合、規定の偏光方向の光の成分しか有効に変調できないため、普通は、規定の偏光方向に平行な成分はそのまま透過させるが、規定の偏光方向に垂直な成分のみ偏光方向を90度回転させ、結果として全ての光を有効利用できるようにするための偏光整列機能素子(PcB)が、例えば前記後段フライアイレンズ(F2B)の後段に挿入される。
また、前記2次元光振幅変調素子(DmjB)には略平行光が入射されるよう、例えばその直前に、フィールドレンズ(Ej2B)が挿入される。
これらの欠点を克服した代替光源として、近年、LEDや半導体レーザ等の固体光源が注目されている。
このうち、LEDについては、放電ランプと比較して発熱損が小さく、また長寿命であるが、放射される光に関しては、放電ランプと同様に指向性が無いため、前記したプロジェクタや露光装置等の、特定の方向の光のみが利用可能な用途においては、光の利用効率が低いという問題があった。
また、高い指向性を活かして、光ファイバによる光伝送を高効率で行えるため、半導体レーザの設置場所と、プロジェクタなど、その光を利用する場所とを分離することが可能であり、装置設計の自由度を高めることができる。
プロジェクタの光源として、R,G,B3原色の一部または全部に半導体レーザを用いた場合、このような変化によって、画像全体の色や明るさが変化してしまうことになる。
したがって高忠実なプロジェクタに半導体レーザを応用する場合は、3原色それぞれの色の安定化、およびそれらの配合割合、すなわち白バランスの安定化、さらに明るさの安定化を行う必要がある。
前記した色度計は高価であり、プロジェクタに容易には組み込めないため、機器組込み用として好適な、安価な光センサを使わざるを得ないが、光センサのみを安価なものを使っても、色度計と同等の機能を作り込もうとすると、高コストな精密分光フィルタが必要になるため、簡易仕様の安価なフィルタで代替できる構成を実現する必要がある。
また、特に連続発光する3原色のそれぞれの光源について、光の色を安定化する技術も確立されていなかった。
例えば、特開2006−252777号には、分光感度特性の傾きが、光源の発光波長帯域において正の光センサと負の光センサとを用いて光量検出を行うことによって、発光波長が長くなる方向に変化しているか、それとも短くなる方向に変化しているか、あるいは変化が無いかの何れであるかを判別し、その結果に基づき、R,G,B各色光源の投入電力制御の基準レベルを増減する技術が記載されている。
しかし、この技術の場合、発光波長の時間的変化の方向のみを検出して制御するものであるため、光源の点灯直後の、光源自身の発熱による温度変化に伴う、比較的速い色変化は補正できるかも知れないが、非常に緩慢な環境温度の変化や長期間に亘る光源の劣化に伴う色変化には対応できない問題がある。
また、複数色の光源が同時に独立に色変化を起こす場合の、各色光源それぞれを、如何にして投入電力制御すればよいかについて未解決のままであった。
しかし、この技術では、R,G,B各色の光源を色順次で発光させるという元来の動作様式の特徴をうまく利用して、R,G,Bそれぞれの光が単独でR,G,B各色用光センサに入力されて自動的に生成される、合計9種類の信号を活用することが前提となっている。
したがって、もし、R,G,B各色の光源を色順次で発光させるのではなく、R,G,B各色の光源を連続発光させる光源装置においてこの技術を利用しようとすると、R,G,B各色の帯域フィルタと3個の等色関数フィルタとの組合わせに対応した9個の光センサを設置するなど、何らかの方法により、前記した合計9種類の信号を生成する必要があり、装置の構造が複雑化する欠点があった。
さらに、R,G,B各色の照度センサを用いて、どのようにすれば色合成された光の色度を測定可能なのかが示されていない。
なお、色順次方式でない、連続発光を必要とする場合に対し、この技術が応用可能であるか否かは記載されていない。
前記G色出力光束(Fg)は、G色の発光素子(Lg1,Lg2,…)からの主成分光(Fgm)を含み、前記R色出力光束(Fr)は、R色の発光素子(Lr1,Lr2,…)からの主成分光(Frm)に加えて、前記G色の発光素子(Lg1,Lg2,…)とは独立なG色の発光素子(Lra)からの付加光(Fra)を混合して生成されることが可能であり、かつ、前記B色出力光束(Fb)は、B色の発光素子(Lb1,Lb2,…)からの主成分光(Fbm)に加えて、前記G色の発光素子(Lg1,Lg2,…)とは独立なG色の発光素子(Lba)からの付加光(Fba)を混合して生成されることが可能であり、
さらに前記光源装置は、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)それぞれが入射され、入射された光を測定して、光の色度座標と光の強度とに相関する光束色度強度相関データ(Dr,Dg,Db)を生成する、R色光束特性測定手段(Ar)およびG色光束特性測定手段(Ag)、B色光束特性測定手段(Ab)を有しており、
前記制御回路(Mc)は、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)それぞれについての前記光束色度強度相関データ(Dr,Dg,Db)を少なくとも間欠的に取得し、前記光束色度強度相関データ(Dr,Dg,Db)に基づき、前記付加光を混合して生成された出力光束についての、色度座標の少なくとも片方に相関する単色色相指示値を生成し、該単色色相指示値が目標値に一致するよう、前記主成分光の強度に対する前記付加光の強度の比率を決定し、
さらに前記制御回路(Mc)は、前記付加光を混合して生成された出力光束については取得した前記光束色度強度相関データ(Dr,Dg,Db)に基づき、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)を総合した光についての、色度座標に相関する総合色相指示値を生成し、該総合色相指示値に対して、定めた目標値との差異が小さくなるよう、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)それぞれの前記駆動回路(Pr1,Pr2,…,Pra,Pg1,Pg2,…)をフィードバック制御することを特徴とするものである。
前記付加光(Fra,Fga,Fba)を混合して生成された出力光束について、前記光束色度強度相関データ(Dr,Dg,Db)と、前記局所帯域等色関数情報とを用いて、前記単色色相指示値に代わる単色色相指示値を生成するとともに、
前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)を総合した光について、前記光束色度強度相関データ(Dr,Dg,Db)と、前記局所帯域等色関数情報とを用いて、前記総合色相指示値に代わる総合色相指示値を生成することを特徴とするものである。
さらに前記制御回路(Mc)は、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)それぞれについての前記光束強度指示値を微小変化させたときの前記総合色相指示値の変化量を、前記した前記光束強度指示値の変化量を用いて、その線形演算で表すときの係数を決定し、前記係数を介して前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)それぞれについての前記光束強度指示値の変化量を決定して前記したフィードバック制御を行うことを特徴とするものである。
R色の要素光源(Ur1)には、主成分光(Frm)を発生させるためのR色の発光素子(Lr1,Lr2,…)と、付加光(Fra)を発生させるためのG色の発光素子(Lra)とを具備しており、前記主成分光(Frm)と前記付加光(Fra)とは混合されて、一つのR色出力光束(Fr)として光源装置から出力される。
なお、前記発光素子(Lr1,Lr2,…,Lra)、および後述する発光素子(Lg1,Lg2,…,Lra,Lb1,Lb2,…,Lba,…)の個々については、ここでは、例えば半導体レーザや、半導体レーザの放射光を、高調波発生・光パラメトリック効果などのような非線形光学現象を利用して波長変換する光源などであり、そのような光源の1個単独、または複数個の直列接続、複数個の並列接続、複数個の並列接続の複数個の直列接続などであって、それぞれが、1個の前記駆動回路(Pr1,Pr2,…,Pra)によって駆動できるものとしている。
該駆動回路(Pr1,Pr2,…,Pra)については、ここでは、直流電源(図示を省略)によって給電される、例えば降圧チョッパや昇圧チョッパなど方式の回路によって構成された、DC/DCコンバータであり、前記発光素子(Lr1,Lr2,…,Lra)に規定の電力を投入できるものとしている。
制御回路(Mc)は、駆動回路制御信号(Jr1,Jr2,…,Jra)を介して前記駆動回路(Pr1,Pr2,…,Pra)毎に独立に制御し、それぞれの前記発光素子(Lr1,Lr2,…,Lra)に規定の電力を投入することができるように構成されている。
該R色光束特性測定手段(Ar)は、前記R色出力光束(Fr)に関する色度座標と強度とに相関する、光束色度強度相関データ(Dr)を生成し、前記制御回路(Mc)に送る。
なお、前記R色出力光束(Fr)については、必要に応じ、例えばコリメータレンズ等の光学系を挿入して無限遠像に向かう光束に変換するなど、その光の用途に適合するよう、光束形態の整合化が図れられるが、そのための光学系は図示を省略してある。
特に前記B色の要素光源(Ub1)は、前記R色の要素光源(Ur1)と同様に、付加光(Fba)を発生するためのG色の発光素子(Lba)をさらに具備し、主成分光(Fbm)に混合される。
そして、前記G色出力光束(Fg)および前記B色出力光束(Fb)についても、光束形態の整合化を図った上で、それぞれの一部を分岐して測定用光束(Fg’,Fb’)とし、G色光束特性測定手段(Ag)およびB色光束特性測定手段(Ab)に入射される。
これら光束特性測定手段は、それぞれの光束に関する色度座標と強度とに相関する、光束色度強度相関データ(Dg,Db)を生成し、前記制御回路(Mc)に送る。
本図は、主としてR色出力光束(Fr)を生成する部分のみを示しており、G色出力光束、B色出力光束を生成する部分については省略してある。
R色の要素光源(Ur1,Ur2,…)の発光素子(L1r1,L1r2,…,L1ra,L2r1,L2r2,…,L2ra,…)から発せられた光は、例えばレンズから成る集光光学系(Ecr1,Ecr2,…)によって光ファイバ(Efr1,Efr2,…)の入射端(Eir1,Eir2,…)に集光され、前記光ファイバ(Efr1,Efr2,…)のコアを伝播して出射端(Eor1,Eor2,…)から放射されるようにすることもできる。
なお、複数個の前記出射端(Eor1,Eor2,…)からの放射光の総合方法としては、最も簡単には、前記出射端(Eor1,Eor2,…)が同一平面上に位置するように揃えて、前記光ファイバ(Efr1,Efr2,…)の出射端部を束ね、ファイババンドル(Efr)を構成することにより実現することができる。
前記光ファイバ(Efr1,Efr2,…)のそれぞれが導光する前記R色出力光束(Fr)の光量に相関する量を測定できるよう、前記出射端(Eor1,Eor2,…)からの放射光の一部を抽出して総合した測定用光束(Fr’)を生成し、R色光束特性測定手段(Ar)に入力する構成とすることができる。
これは、具体的には、図2において、前記集光光学系(Ecr1,Ecr2,…)の直前または直後の位置から測定用光束を分岐させ、光束特性測定手段に入射させるようにすることにより実現可能である。
(参考文献:「色の性質と技術」1986年10月10日初版第1刷,応用物理学会・光学懇話会編,朝倉書店発行)
波長 λ をパラメータとするスペクトル S(λ) で表される被測定光束の三刺激値 X,Y,Z は、CIEにより定められている等色関数 xe(λ),ye(λ),ze(λ) を用いて、以下の式(式1)
X = ∫S(λ)・xe(λ)・dλ
Y = ∫S(λ)・ye(λ)・dλ
Z = ∫S(λ)・ze(λ)・dλ
の積分計算で求める。
ただし、積分は380nmから780nmの領域で行うとされている。
これらを用いて、被測定光束 S(λ) の色度座標 x,y は、以下の式(式2)
x = X/{X+Y+Z}
y = Y/{X+Y+Z}
のように求められる。
また、前記した被測定光束の強度 I は、以下の式(式3)
I = ∫S(λ)・dλ
により求めればよい。
(因みに、一般文献では、等色関数は、x,y,z 各文字の上に横棒を付した記号が使用されるが、本明細書では都合により前記したように表記する。)
また、表色系については、光の色を特定できるものであれば、他の表色系、例えばRGB表色系やu'v'表色系などに基づくものであっても構わない。
その理由は、前記付加光(Fra,Fga,Fba)の強度は前記主成分光(Frm,Fgm,Fbm)に比して十分弱く、したがって前記付加光(Fra,Fga,Fba)の微小な基準波長からの偏差は、色度座標の値への寄与において2次の微小量となるため、通常は無視してよいからである。
ここで、図の点線のうち、BからGを経てRに至るU字曲線状の部分はスペクトル軌跡と呼ばれ、レーザ光のような単色光は、このスペクトル軌跡の点線上に位置する。
ただし、RからBに至る直線部は、純紫軌跡と呼ばれ、B色とR色の混合により生成される。
なお、純白の色度座標は 1/3,1/3 である。
因みに、このとき、本光源装置による色再現領域は、前記色度座標点(cr,cg,cb)を頂点とする3角形の内側の、図において網掛けした領域となる。
したがって、例えば、前記色度座標点(cr)が前記色度座標点(cg)に最も近づく条件を基準色度座標条件として設定するならば、もし、前記R色の発光素子(Lr1,Lr2,…)の色が、前記した基準条件よりも前記色度座標点(cg)から遠ざかった位置にある場合は、前記R色出力光束(Fr)の前記付加光(Fra)を構成する前記G色の発光素子(Lra)を、前記R色の発光素子(Lr1,Lr2,…)の電力に対する適当な比率の電力で発光させることにより、前記主成分光(Frm)に前記付加光(Fra)が混合され、前記R色出力光束(Fr)の前記色度座標点(cr)を、前記した基準色度座標条件に維持させることができる。
したがって、例えば、前記色度座標点(cb)が前記色度座標点(cg)に最も近づく条件を基準色度座標条件として設定するならば、もし、前記B色の発光素子(Lb1,Lb2,…)の色が、前記した基準条件よりも前記色度座標点(cg)から遠ざかった位置にある場合は、前記B色出力光束(Fb)の前記付加光(Fba)を構成する前記G色の発光素子(Lba)を、前記B色の発光素子(Lb1,Lb2,…)の電力に対する適当な比率の電力で発光させることにより、前記主成分光(Fbm)に前記付加光(Fba)が混合され、前記B色出力光束(Fb)の前記色度座標点(cb)を、前記した基準色度座標条件に維持させることができる。
そのため、前記R色出力光束(Fr)については、色度座標の片方としての前記色度座標点(cr)のy座標のみに注目して、前記した基準色度座標条件のy座標と等しくなるよう前記G色の発光素子(Lra)の電力を調整すると、y座標はもちろん、x座標についても、良い精度で前記した基準色度座標条件が維持されるが、一方、前記B色出力光束(Fb)については、色度座標の片方としての前記色度座標点(cb)のy座標のみに注目して、前記した基準色度座標条件のy座標と等しくなるよう前記G色の発光素子(Lba)の電力を調整すると、当然、y座標については前記した基準色度座標条件が維持されるが、x座標については、厳密には多少の誤差が生じる可能性があるものの、実用上は、いま述べた調整方法にて十分である。
一方前記B色出力光束(Fb)については、前記色度座標点(cb)近傍では、スペクトル軌跡の点線も、前記色度座標点(cb)とG色の前記色度座標点(cg)とを結ぶ方向も、概ねy軸の方向を向いているから、前記したように前記色度座標点(cb)のy座標に注目して、前記した基準色度座標条件のy座標と等しくなるように調整することが好適である。
あるいは、後述するように、フィードバック制御によらずに、計算によって決定するようにしてもよい。
そのために、前記制御回路(Mc)は、前記R色光束特性測定手段(Ar)および前記G色光束特性測定手段(Ag)、前記B色光束特性測定手段(Ab)によって生成された前記光束色度強度相関データ(Dr,Dg,Db)に基づき、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)を総合した色度座標に相関する総合色相指示値を生成し、その目標値との差異が小さくなるよう、前記比率を維持しながら、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)それぞれの前記駆動回路(Pr1,Pr2,…,Pra,Pg1,Pg2,…)をフィードバック制御する。
ここで、色度座標の目標値は、白色付近に設定されているとする。
前記制御回路(Mc)は、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)から取得した前記光束色度強度相関データ(Dr,Dg,Db)に基づいて色度座標を算出し、算出された色度座標のそれぞれの値 x,y と、それらそれぞれの目標値とを比較する。
したがって例えば、もし x が目標値より大きい場合は、前記制御回路(Mc)は、前記駆動回路(Pr1,Pr2,…,Pra,Pg1,Pg2,…)のなかの前記R色出力光束(Fr)を構成する発光素子を駆動するものの出力電力の総和 Ptr を p %減少させ、かつ前記G色出力光束(Fg)を構成する発光素子を駆動するものの出力電力の総和 Ptg 、および前記B色出力光束(Fb)を構成する発光素子を駆動するものの出力電力の総和 Ptb それぞれを {p/2} %づつ増加させ、また、もし y が目標値より大きい場合は、前記した Ptg を q %減少させ、かつ Ptb を q %増加させるよう、前記駆動回路制御信号(Jr1,Jr2,…,Jra,Jg1,Jg2,…)を介して制御すればよいことが判る。
そして適当な時間をおいて、再度、前記した光量測定データを取得する箇所にシーケンスを戻すようにすることにより、フィードバック制御ループが構築される。
このフィードバック制御ループにより、強度をあまり変化させずに、色度座標とその目標値との差異が小さくなるよう常に制御が行われることになり、光の色の安定化を図ることができる。
また、値 p および q は、光の色の急激な変化が起きない程度に小さい値とすべきであるが、値 x と目標値との差異の大きさに対する値 p の大きさ、および値 y と目標値との差異の大きさに対する値 q の大きさの関係は、実験的に決めるとよい。
なお、前記した値 p に基づく出力電力の増減と、値 q に基づく出力電力の増減とは交互に行ってもよく、あるいは、値 p と q とをそれぞれ決定後、これら両方の値を反映させた出力電力の増減を行うようにしてもよい。
しかし、フィードバック制御により、徐々に目標値に向けて系の状態を変化させて行けるため、前記した方法でも十分実用的である。
なお、最短経路で目標値に向かう仕方については後述する。
理由は、例えば、本光源装置をプロジェクタに応用する場合、プロジェクタ本体の光学系の光の利用効率が、R,G,B各色で同じであるとは限らないからである。
例えば、あるプロジェクタ本体の光学系ではB色の利用効率が低いとすると、目標とする色度座標は、B色成分が多めの、青色がかったものとするであろう。
したがって、目標とする色度座標は、本光源装置の前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)を総合した色ではなく、本光源装置を利用する装置の出力に合わせて決めればよい。
したがって、もし、同じ色であっても発光効率の異なる複数種類が混在する等により、前記した前提が成り立たない場合は、例えば、ある発光色のもので、発光効率が高い、種類Aの発光素子と、それより発光効率が10%低い、種類Bの発光素子とがあったとして、前記駆動回路制御信号(Jr1,Jr2,…,Jra,Jg1,Jg2,…)を介して前記制御回路(Mc)からの電力設定指令を受信したとき、種類Bの発光素子を駆動する駆動回路は、内部的には、指令された設定電力に対し10%増しの電力を設定する、などとする構成上の工夫により、容易に解決することができる。
その理由は、電力の増加と光量の増加とが相関している限り、それが直線的な関係になくても、少しづつ電力を変化させることにより、フィードバック制御により、徐々に目標値に向けて系の状態を変化させて行けるからである。
駆動回路に対する電力設定は、例えば設定データ長が8ビットであれば256階調であるなど、その細やかさが有限である。
したがって、一つの色の出力光束を構成する発光素子を駆動する駆動回路の出力電力を最小単位づつ増して行く場合、全ての駆動回路の電力設定を一斉に1LSBだけ増すのではなく、例えば、1番目の駆動回路の電力設定を1LSBだけ増し、次は2番目の駆動回路の電力設定を1LSBだけ増し、…、というように、駆動回路を分けて増し、最後の駆動回路の電力設定を1LSBだけ増したら、次はまた1番目の駆動回路の電力設定を1LSBだけ増し、…、という仕方で増すようにすれば、電力設定の階調数を、駆動回路の個数倍に増すことができる利点がある。
例えば一つの色の出力光束を構成する主成分光の要素光源が10個、付加光の要素光源が1個あり、主成分光の各駆動回路の設定データ長が8ビットであるならば、付加光の駆動回路の設定データ長は、例えば12ビットとする必要がある。
したがって光の色に相関する色相指示値に加えて、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)を総合した明るさをも安定化制御する場合には、前記制御回路(Mc)は、算出された Y の値を明度指示値として、これと目標値とを比較し、もし Y が目標値より大きい場合は、前記した電力光量比例則を前提として、前記駆動回路(Pr1,Pr2,…,Pra,Pg1,Pg2,…)のなかの、前記R色出力光束(Fr)を構成する発光素子を駆動するものの出力電力の総和 Ptr 、および前記G色出力光束(Fg)を構成する発光素子を駆動するものの出力電力の総和 Ptg 、前記B色出力光束(Fb)を構成する発光素子を駆動するものの出力電力の総和 Ptb それぞれを Q %減少させるよう、前記駆動回路制御信号(Jr1,Jr2,…,Jra,Jg1,Jg2,…)を介して制御することにより、光の色を変化させないで、明るさとその目標値との差異が小さくなる方向へフィードバック制御することにより、明るさの安定化を図ることができる。
また、値 Q は、明るさの急激な変化が起きない程度に小さい値とすべきであるが、値 Y と目標値との差異の大きさに対する値 Q の大きさの関係は、実験的に決めるとよい。
なお、ここで述べた明るさの安定化のための出力電力の増減と、前記した光の色の安定化のための出力電力の増減とは交互に行ってもよく、あるいは、前記した値 p,q,Q をそれぞれ決定後、これら3個の値を反映させた出力電力の増減を行うようにしてもよい。
しかし、フィードバック制御により、徐々に目標値に向けて系の状態を変化させて行けるため、前記した方法でも十分実用的である。
なお、最短経路で目標値に向かう仕方については後述する。
その理由は、色の僅かな変化があったときにそれを人間が識別する能力は、色度座標の位置に依存して違いがあり、変化を識別できない領域の大きさ、いわゆる MacAdam の等色楕円の大きさが、G色近傍では大きい、言い換えれば、前記G色出力光束(Fg)に僅かな波長の変化があっても、人間はそれを識別できないからである。
(参考文献:「カラーマッチングの基礎と応用」1991年11月30日,(財)日本色彩研究所編,日刊工業新聞社発行,(p46)図4.1「MacAdam の色識別実験の結果(JOSA 32 1942)」)
ただし、これを実現する場合、混合する付加光(Fga)の色は、前記主成分光(Fgm)の波長に応じて選ぶ必要がある。
なお、それぞれの場合に該当する前記主成分光(Fgm)の波長範囲は、第1の場合は520nm以上、第2の場合は515nm以下、第3の場合は510〜525nmとすればよい。
ただし、記載した波長範囲が重なっている領域の波長については、何れの場合に対応させても構わない。
したがって、例えば、前記色度座標点(cg)が前記色度座標点(cr)に最も近づく条件を基準色度座標条件として設定するならば、もし、前記G色の発光素子(Lg1,Lg2,…)の色が、前記した基準条件よりも前記色度座標点(cr)から遠ざかった位置にある場合は、前記G色出力光束(Fg)の前記付加光(Fga)を構成する前記R色の発光素子(Lga)を、前記G色の発光素子(Lg1,Lg2,…)の電力に対する適当な比率の電力で発光させることにより、前記主成分光(Fgm)に前記付加光(Fga)が混合され、前記G色出力光束(Fg)の前記色度座標点(cg)を、前記した基準色度座標条件に維持させることができる。
なお、前記色度座標点(cg)の近傍では、スペクトル軌跡の点線の方向も、前記色度座標点(cg)とR色の前記色度座標点(cr)とを結ぶ方向も、x軸に対する傾きが約45度であるから、x座標もy座標に相関しており、よって前記色度座標点(cg)のx座標のみに注目して、前記した基準色度座標条件のx座標と等しくなるように調整しても構わない。
したがって、例えば、前記色度座標点(cg’)が前記色度座標点(cb)に最も近づく条件を基準色度座標条件として設定するならば、もし、前記G色の発光素子(Lg1,Lg2,…)の色が、前記した基準条件よりも前記色度座標点(cb)から遠ざかった位置にある場合は、前記G色出力光束(Fg)の前記付加光(Fga)を構成する前記B色の発光素子(Lga)を、前記G色の発光素子(Lg1,Lg2,…)の電力に対する適当な比率の電力で発光させることにより、前記主成分光(Fgm)に前記付加光(Fga)が混合され、前記G色出力光束(Fg)の前記色度座標点(cg’)を、前記した基準色度座標条件に維持させることができる。
なお、前記色度座標点(cg’)の近傍では、スペクトル軌跡の点線の方向も、前記色度座標点(cg’)とB色の前記色度座標点(cb)とを結ぶ方向も、概ねy軸の方向を向いているから、前記したように前記色度座標点(cg’)のy座標に注目して、前記した基準色度座標条件のy座標と等しくなるように調整することが好適である。
したがって、例えば、前記色度座標点(cg”)の移動範囲の中央を基準色度座標条件として設定するならば、もし、前記G色の発光素子(Lg1,Lg2,…)の色が、前記した基準条件よりもR色の前記色度座標点(cr)から遠ざかった位置にある場合は、前記G色出力光束(Fg)の前記付加光(Fga)を構成する前記R色の発光素子を、前記G色の発光素子(Lg1,Lg2,…)の電力に対する適当な比率の電力で発光させることにより、前記主成分光(Fgm)に前記付加光(Fga)が混合され、逆に、もし、前記G色の発光素子(Lg1,Lg2,…)の色が、前記した基準条件よりもB色の前記色度座標点(cb)から遠ざかった位置にある場合は、前記G色出力光束(Fg)の前記付加光(Fga)を構成する前記B色の発光素子を、前記G色の発光素子(Lg1,Lg2,…)の電力に対する適当な比率の電力で発光させることにより、前記主成分光(Fgm)に前記付加光(Fga)が混合され、よって前記G色出力光束(Fg)の前記色度座標点(cg”)を、前記した基準色度座標条件に維持させることができる。
なお、以上においては、前記付加光(Fga)として前記R色の発光素子または前記B色の発光素子の何れか一方のみを発光させるものについて記載したが、これらを適当な配合割合で両方とも発光させ、前記色度座標点(cg”)のy座標についても前記した基準色度座標条件のy座標と等しくなるよう制御するようにしてもよい。
さらに、前記主成分光(Fgm)は、色度座標点(cg)または色度座標点(cg’)、色度座標点(cg”)の3種類うちの何れかに位置するものについて記載したが、本発明は、これらのうちの2種類または全てを混合して前記主成分光(Fgm)とするものについても適用可能である。
これを実現するための前記光束特性測定手段の構成について本発明の光源装置の一部を簡略化して示すブロック図である図5を用いて説明する。
図および以下の説明は、R色光束特性測定手段(Ar)について記載するが、G色光束特性測定手段(Ag)およびB色光束特性測定手段(Ab)についても同様である。
当然ながら、前記第1光量検出器(Arm1)の分光感度特性には、前記第1の特性フィルタ(Ers1)および前記主成分光フィルタ(Ertm)に起因するものに加えて、前記光センサ(Cr1)自身の分光感度特性が反映される。
また、前記光センサ(Cra)からの光検出信号(Srma)も光量測定回路(Hr)によって増幅やAD変換等の必要な処理を行い、前記光束色度強度相関データ(Dr)の一部として、前記R色出力光束(Fr)のR色付加光光量データを生成する。
また、前記第1光量検出器(Arm1)または前記第2光量検出器(Arm2)の何れか一方の前記特性フィルタが素通しであるようにしてもよい。
なお、R色主成分光第1光量データとR色主成分光第2光量データとの組が、前記主成分光(Frm)について、色度座標と強度とに相関するものであることは後述する。
詳細に言うと、後述する式8,式11,式12をそれぞれ Ψr と Ψr・Δλr , Ψg と Ψg・Δλg , Ψb と Ψb・Δλb に関する2元連立1次方程式と見たとき、各方程式の行列式が零でない状態が実現できればよい。
ただし、一つの波長帯域における波長の変化に対する感度の変化率の相違の仕方として、一方が正で他方が負、あるいは一方が実質的に零で他方が非零(有限の値)、さらに両方とも同じ符号であるが絶対値が相違する、などの形態があり得るが、その何れでもよい。
前記主成分光のための発光素子(Lr1,Lr2,…,Lg1,Lg2,…,Lb1,Lb2,…)のうち一つの波長帯域のために使用するものを、同じメーカの同じ型式の製品に統一するならば、前記した帯域幅は、通常は数ナノメートルから十ナノメートル程度に過ぎないが、前記した第1の分光感度特性、および前記した第2の分光感度特性それぞれについて、この帯域幅内における波長の変化に対する感度の変化率の変化は少ないことが望ましい。
ここでは、この点が改善されたフィードバック制御を実現する指針を示す。
ここで、強度とは、前記発光素子(Lr1,Lr2,…,Lra,Lg1,Lg2,…)のなかの一つの波長帯域に属するもの全ての光パワーに相関するものであるが、同じ波長帯域に属する場合でも主成分光と付加光とは分けて定量化する。
なお、強度は人間の視感度とは無関係である。
一方、明るさは、人間が感じる明るさであるから、同じ光パワー(密度)であっても、波長が変われば、人間の視感度の影響をうけて大きさが変化する。
例えば、前記R色の主成分光(Frm)および前記G色の主成分光(Fgm)、前記B色の主成分光(Fbm)それぞれの前記光束強度指示値を全て1%増す場合、前記した出力電力の総和それぞれが、200W,300W,100Wであったならば、それぞれ202W,303W,101Wとすればよい。
なお、前記した式1等においては、一般的な光束のスペクトルの強度として記号 S を用いたが、以降においては、主成分光に対する強度には記号 Ψ を、付加光に対する強度には記号 ψ をそれぞれ用いて区別する。
先ず、波長 λ をパラメータとするスペクトル Ψr(λ) で表されるR色の被測定主成分光を、前記第1光量検出器(Arm1)および前記第2光量検出器(Arm2)を用いて測定した前記R色主成分光第1光量データおよび前記R色主成分光第2光量データから、前記光束強度指示値と、前記波長偏差指示値たる基準波長からの偏差とを求める計算方法について説明する。
Rm = ∫Ψr(λ)・rm(λ)・dλ
Rn = ∫Ψr(λ)・rn(λ)・dλ
のように表せる
なお、これらの積分領域は、少なくとも被測定光束 Ψr(λ) のスペクトルが存在する波長帯域を覆う領域とする。
ここで、被測定光束が単色光であると近似すると、そのスペクトル Ψr(λ) は、デルタ関数 δ(λ) を用いて以下の式(式5)
Ψr(λ) = Ψr・δ(λ−λro −Δλr )
のように表せる。
ここで、R色の主成分光の基準波長を λro とし、前記波長偏差指示値たる基準波長からの偏差を Δλr 、また、前記R色の主成分光(Frm)の前記光束強度指示値を Ψr とした。
Δf = (df/dλ)・Δλ
で近似できる
よって λ が λro の近傍では、λ=λro +Δλr と書けば、前記した分光感度特性は、以下の式(式7)
rm(λ) = rm(λro+Δλr) = rm(λro) + Ermo・Δλr
rn(λ) = rn(λro+Δλr) = rn(λro) + Erno・Δλr
のように書ける
ただし Ermo および Erno は、rm(λ) および rm(λ) の微分係数の、λ が λro であるときの値である。
前記した式5,式7を前記した式4それぞれに適用すると、以下の式(式8)
Rm = Ψr・∫δ(λ−λro −Δλr)・rm(λ)・dλ
= Ψr・rm(λro +Δλr)
= Ψr・{ rm(λro) + Ermo・Δλr }
Rn = Ψr・{ rn(λro) + Erno・Δλr }
ただし、
Ermo = drm/dλ(λ=λro)
Erno = drn/dλ(λ=λro)
を得る。
これらは、以下のよう
Rm = rm(λro)・Ψr + Ermo・Ψr・Δλr
Rn = rn(λro)・Ψr + Erno・Ψr・Δλr
に書き改めれば判るように、Ψr と Ψr・Δλr に関する2元連立1次方程式であるから、それは初等計算によって解けて Ψr と Ψr・Δλr の値を、したがって Ψr と Δλr の値を求めることができる。
前記G色光束特性測定手段(Ag)におけるG色の波長帯域の分光感度特性 gm(λ),gn(λ) 、および前記B色光束特性測定手段(Ab)におけるB色の波長帯域の分光感度特性 bm(λ),bn(λ) を用いると、前記G色主成分光第1光量データと前記G色主成分光第2光量データ、および前記B色主成分光第1光量データと前記B色主成分光第2光量データに含まれる光量測定データ値 Gm,Gn および Bm,Bn は、以下の式(式9)
Gm = ∫Ψg(λ)・gm(λ)・dλ
Gn = ∫Ψg(λ)・gn(λ)・dλ
Bm = ∫Ψb(λ)・bm(λ)・dλ
Bn = ∫Ψb(λ)・bn(λ)・dλ
のように表せる。
上式に現れたG色の主成分光(Fgm)およびB色の主成分光(Fbm)のスペクトル Ψg(λ),Ψb(λ) についても、G,B色の主成分光それぞれの基準波長 λgo,λbo 、および前記波長偏差指示値たる基準波長からの偏差 Δλg,Δλb 、さらに前記光束強度指示値 Ψg,Ψb を用いてデルタ関数 δ(λ) で表せば、以下の式(式10)
Ψg(λ) = Ψg・δ(λ−λgo −Δλg )
Ψb(λ) = Ψb・δ(λ−λbo −Δλb )
のように表せる。
Gm = Ψg・{ gm(λgo) + Egmo・Δλg }
Gn = Ψg・{ gn(λgo) + Egno・Δλg }
ただし、
Egmo = dgm/dλ(λ=λgo)
Egno = dgn/dλ(λ=λgo)
および以下の式(式12)
Bm = Ψb・{ bm(λbo) + Ebmo・Δλb }
Bn = Ψb・{ bn(λbo) + Ebno・Δλb }
ただし、
Ebmo = dbm/dλ(λ=λbo)
Ebno = dbn/dλ(λ=λbo)
を得るから、これらによって Ψg と Δλg 、および Ψb と Δλb の値を求めることができる。
そして前記した光量測定データ値 Rm,Rn と Gm,Gn と Bm,Bn とが得られれば、前記した式8,式11,式12からなる方程式の解により、簡単に前記光束強度指示値 Ψr,Ψg,Ψb と、前記波長偏差指示値たる基準波長からの偏差 Δλr,Δλg,Δλb を求めることができる。
Pr = Kr・Ψrp
Pg = Kg・Ψgp
Pb = Kb・Ψbp
のように表すことができる。
pr = kr・ψrp
pg = kg・ψgp
pb = kb・ψbp
のように表すことができる。
ψrp = hr・Ψrp
ψgp = hg・Ψgp
ψbp = hb・Ψbp
により結ばれる。
以降、その Pr,Pg,Pb の値にて実際に発光素子を駆動したときの、前記した光量測定データ値 Rm,Rn と Gm,Gn と Bm,Bn に基づいて、式8,式11,式12を解いて得た、前記光束強度指示値 Ψr,Ψg,Ψb それぞれの値と、その元となった目標値 Ψrp,Ψgp,Ψbp との比を用いて、比例係数 Kr,Kg,Kb を、以下の式(式16)
Kr = Kr・Ψrp/Ψr
Kg = Kg・Ψgp/Ψg
Kb = Kb・Ψbp/Ψb
に従って補正すればよい。
Ψrp = Ψr + ΔΨr
Ψgp = Ψg + ΔΨg
Ψbp = Ψb + ΔΨb
に従って目標値 Ψrp,Ψgp,Ψbp を更新し、前記した式13に従って電力を再設定して、前記した光量測定データ値 Rm,Rn と Gm,Gn と Bm,Bn を測定する度に行うことにすればよい。
このようにすることにより、前記したように、前記比例係数 Kr,Kg,Kb が真の比例定数ではなく、例えば飽和傾向を示すような、非直線的なものであっても、前記した式13で規定される、単なる比として補正が繰り返し行われるため、R,G,B各駆動回路の電力 Pr,Pg,Pb と、光束強度指示値 Ψr,Ψg,Ψb (やその目標値 Ψrp,Ψgp,Ψbp )との正しい対応が維持される。
以降、その pr,pg,pb の値にて実際に発光素子を駆動したときの、前記R色付加光光量データおよび前記G色付加光光量データ、前記B色付加光光量データから得た前記光束強度指示値 ψr,ψg,ψb それぞれの値と、その元となった目標値 ψrp,ψgp,ψbp との比を用いて、比例係数 kr,kg,kb を、以下の式(式18)
kr = kr・ψrp/ψr
kg = kg・ψgp/ψg
kb = kb・ψbp/ψb
に従って補正すればよい。
この補正は、フィードバック制御ループにおける繰り返しのなかで、前記目標値 Ψrp,Ψgp,Ψbp と前記比率 hr,hg,hb が更新される度に行えばよい。
その後、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)を総合した光について、三刺激値 X,Y,Z がその目標値に維持されるよう、あるいは色度座標 x,y および明るさ Y がその目標値に維持されるようフィードバック制御を行うために、前記光束強度指示値 Ψr,Ψg,Ψb を微小変化させるときの変化量 ΔΨr,ΔΨg,ΔΨb を決定する方法について説明する。
xe(λ) = xe(λro +Δλr) = xe(λro) + Fxro・Δλr
ye(λ) = ye(λro +Δλr) = ye(λro) + Fyro・Δλr
ze(λ) = ze(λro +Δλr) = ze(λro) + Fzro・Δλr
ただし、
Fxro = dxe/dλ(λ=λro)
Fyro = dye/dλ(λ=λro)
Fzro = dze/dλ(λ=λro)
を得る。
同様に λ が λgo の近傍では、λ=λgo +Δλg と書いて、以下の式(式21)
xe(λ) = xe(λgo +Δλg) = xe(λgo) + Fxgo・Δλg
ye(λ) = ye(λgo +Δλg) = ye(λgo) + Fygo・Δλg
ze(λ) = ze(λgo +Δλg) = ze(λgo) + Fzgo・Δλg
ただし、
Fxgo = dxe/dλ(λ=λgo)
Fygo = dye/dλ(λ=λgo)
Fzgo = dze/dλ(λ=λgo)
さらに λ が λbo の近傍では、λ=λbo +Δλb と書いて、以下の式(式22)
xe(λ) = xe(λbo +Δλb) = xe(λbo) + Fxbo・Δλb
ye(λ) = ye(λbo +Δλb) = ye(λbo) + Fybo・Δλb
ze(λ) = ze(λbo +Δλb) = ze(λbo) + Fzbo・Δλb
ただし、
Fxbo = dxe/dλ(λ=λbo)
Fybo = dye/dλ(λ=λbo)
Fzbo = dze/dλ(λ=λbo)
を得る。
Sr(λ) = Ψr・δ(λ−λro −Δλr) + ψr・δ(λ−λro')
のように表せるから、前記R色出力光束(Fr)の三刺激値 Xr,Yr,Zr として、以下の式(式24)
Xr = Ψr・xe(λro + Δλr) + ψr・xe(λgo')
= Ψr・{ xe(λro) + Fxro・Δλr } + ψr・xe(λgo')
Yr = Ψr・{ ye(λro) + Fyro・Δλr } + ψr・ye(λgo')
Zr = Ψr・{ ze(λro) + Fzro・Δλr } + ψr・ze(λgo')
を得る。
なお、前記したG色の付加光(Fra)の基準波長 λgo' と、G色出力光束(Fg)のG色の主成分光(Fgm)の基準波長 λgo とは、同じであっても相違しても構わない。
Xg = Ψg・xe(λgo + Δλg) + ψg・xe(λro')
= Ψg・{ xe(λgo) + Fxgo・Δλg } + ψg・xe(λro')
Yg = Ψg・{ ye(λgo) + Fygo・Δλg } + ψg・ye(λro')
Zg = Ψg・{ ze(λgo) + Fzgo・Δλg } + ψg・ze(λro')
を得る。
なお、前記したR色の付加光(Fga)の基準波長 λro' と、R色出力光束(Fr)のR色の主成分光(Frm)の基準波長 λro とは、同じであっても相違しても構わない。
さらに、図4の前記色度座標点(cg”)に対応して、付加光(Fga)をR色とB色の両方とする場合は、光束強度指示値 ψg は、その時点で発光させる方の発光素子のものとすればよい。
なお、以降の説明においても、前記G色出力光束(Fg)の前記付加光(Fga)の基準波長 λro' の λbo' への置換えは、前記主成分光(Fgm)の色度座標点(cg,cg’,cg”)の別に応じて常に可能である。
Xb = Ψb・xe(λbo + Δλb) + ψb・xe(λgo")
= Ψb・{ xe(λbo) + Fxbo・Δλb } + ψb・xe(λgo")
Yb = Ψb・{ ye(λbo) + Fybo・Δλb } + ψb・ye(λgo")
Zb = Ψb・{ ze(λbo) + Fzbo・Δλb } + ψb・ze(λgo")
を得る。
なお、前記したG色の付加光(Fba)の基準波長 λgo" と、G色出力光束(Fg)のG色の主成分光(Fgm)の基準波長 λgo とは、同じであっても相違しても構わない。
Tr = Xr + Yr +Zr
Tg = Xg + Yg +Zg
Tb = Xb + Yb +Zb
によって計算すれば、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)それぞれについての色度座標のy座標は、R色出力光束については式24の Yr 、G色出力光束については式25の Yg 、B色出力光束については式26の Yb それぞれと式27の Tr,Tg,Tb とによって、以下の式(式28)
yr = Yr/Tr
yg = Yg/Tg
yg = Yg/Tg
のように表せる。
いま、これら yr,yg,yb が、その目標値 yrp,ygp,ybp に対し、それぞれ差異を有するとして、その差異を埋めるように、光束強度指示値 ψr,ψg,ψb を変化させることを考える。
dyr/dψr = { dYr/dψr・Tr − Yr・dTr/dψr }/{Tr・Tr}
= { ye(λgo')・Tr − Yr・{ xe(λgo') + ye(λgo') + ze(λgo') }
}/{Tr・Tr}
= { ye(λgo') − yr・{ xe(λgo') + ye(λgo') + ze(λgo') }
}/Tr
で与えられるから、yr の目標値 yrp に対する差異 Δyr に対し、それを埋めるために必要な ψr の変化量 Δψr は、ダンピング係数 D = 0〜1 を介して、以下の式(式30)
Δψr = Δyr/(dyr/dψr)
= D・{ yrp − yr }/(dyr/dψr)
のように求められる。
この Δψr を用いて、前記した Ψr に対する ψr の比率 hr は、以下の式(式31)
hr = ψr/Ψr → hr = { ψr + Δψr }/Ψr
のように更新すればよい。
dyg/dψg = { dYg/dψg・Tg − Yg・dTg/dψg }/{Tg・Tg}
= { ye(λro')・Tg − Yg・{ xe(λro') + ye(λro') + ze(λro') }
}/{Tg・Tg}
= { ye(λro') − yg・{ xe(λro') + ye(λro') + ze(λro') }
}/Tg
を、ダンピング係数 D を介して、y座標の目標値 ygp を実現するために必要な ψg の変化量 Δψg を与える以下の式(式33)
Δψg = Δyg/(dyg/dψg)
= D・{ ygp − yg }/(dyg/dψg)
に適用し、以下の式(式34)
hg = ψg/Ψg → hg = { ψg + Δψg }/Ψg
により、前記した Ψg に対する ψg の比率 hg を更新すればよい。
G色出力光束が前記色度座標点(cg’)である場合には、前記した式32,式33,式34において、基準波長 λro' を λbo' に置換えれば適用できる。
dyb/dψb = { dYb/dψb・Tb − Yb・dTb/dψb }/{Tb・Tb}
= { ye(λgo")・Tb − Yb・{ xe(λgo") + ye(λgo") + ze(λgo") }
}/{Tb・Tb}
= { ye(λgo") − yb・{ xe(λgo") + ye(λgo") + ze(λgo") }
}/Tb
を、ダンピング係数 D を介して、y座標の目標値 ybp を実現するために必要な ψb の変化量 Δψb を与える以下の式(式36)
Δψb = Δyb/(dyb/dψb)
= D・{ ybp − yb }/(dyb/dψb)
に適用し、以下の式(式37)
hb = ψb/Ψb → hb = { ψb + Δψb }/Ψb
により、前記した Ψb に対する ψb の比率 hb を更新すればよい。
以下、付加光の基準波長が λro' の場合について記せば、このとき、前記した式25の Xg と、前記した式27の Tg とによって、前記G色出力光束(Fg)のx座標は、以下の式(式38)
xg = Xg/Tg
のように表せるから、これを ψg で微分することにより得られる、ψg の変化に対して xg が変化するときの傾きを与える以下の式(式39)
dxg/dψg = { dXg/dψg・Tg − Xg・dTg/dψg }/{Tg・Tg}
= { xe(λro')・Tg − Xg・{ xe(λro') + xe(λro') + ze(λro') }
}/{Tg・Tg}
= { xe(λro') − xg・{ xe(λro') + xe(λro') + ze(λro') }
}/Tg
を、ダンピング係数 D を介して、y座標の目標値 xgp を実現するために必要な ψg の変化量 Δψg を与える以下の式(式40)
Δψg = Δxg/(dxg/dψg)
= D・{ xgp − xg }/(dxg/dψg)
に適用し、前記した式34により、前記した Ψg に対する ψg の比率 hg を更新すればよい。
ただし、前記したG色出力光束が前記色度座標点(cg”)である場合は、前記した式40に基づき、目標値 xgp を実現する Δψg を決定する。
なお、前記したダンピング係数は、これを小さくするほど変化量 Δψr,Δψg,Δψb が全体的に小さく抑えられ、フィードバック制御の行き過ぎや発振などの不安定現象を防止する効果がある。
ただし、あまり小さくすると補正の完了までに過剰な時間が掛かるなどの不都合が生ずる可能性があるため、実験的に好適な値を決めるとよい。
以下においては、この直接計算による決定方法について述べる。
yr・Ψr・{ xe(λro) + Fxro・Δλr
+ ye(λro) + Fyro・Δλr
+ ze(λro) + Fzro・Δλr }
+ yr・ψr・{ xe(λgo') + ye(λgo') + ze(λgo') }
= Ψr・{ ye(λro) + Fyro・Δλr } + ψr・ye(λgo')
が得られるから、これから主成分光(Frm)と付加光(Fga)の光束強度指示値の比率 ψr/Ψr を求めると、以下の式(式41)
hr = ψr/Ψr
= { ye(λro) + Fyro・Δλr
−yr・{ xe(λro) + Fxro・Δλr
+ ye(λro) + Fyro・Δλr
+ ze(λro) + Fzro・Δλr }
} / { yr・{ xe(λgo') + ye(λgo') + ze(λgo') } −ye(λgo') }
を得る。
hg = ψg/Ψg
= { ye(λgo) + Fygo・Δλg
−yg・{ xe(λgo) + Fxgo・Δλg
+ ye(λgo) + Fygo・Δλg
+ ze(λgo) + Fzgo・Δλg }
} / { yg・{ xe(λro') + ye(λro') + ze(λro') } −ye(λro') }
を得る。
G色出力光束が前記色度座標点(cg’)である場合には、この式において、基準波長 λro' を λbo' に置換えれば適用できる。
hb = ψb/Ψb
= { ye(λbo) + Fybo・Δλb
−yb・{ xe(λbo) + Fxbo・Δλb
+ ye(λbo) + Fybo・Δλb
+ ze(λbo) + Fzbo・Δλb }
} / { yb・{ xe(λgo") + ye(λgo") + ze(λgo") } −ye(λgo") }
を得る。
xg = Xg/Tg
より ψg/Ψg を求めると、以下の式(式45)
hg = ψg/Ψg
= { xe(λgo) + Fxgo・Δλg
−yg・{ xe(λgo) + Fxgo・Δλg
+ ye(λgo) + Fxgo・Δλg
+ ze(λgo) + Fzgo・Δλg }
} / { xg・{ xe(λro') + ye(λro') + ze(λro') } −ye(λro') }
を得る。
しかし x,y,Y の系と X,Y,Z の系とは、前記した式2と以下の式(式19)
X = Y・x/y
Z = Y・(1 − x − y)/y
によって互いに変換が可能であるため、三刺激値は色度座標に相関する量であり、したがって、光の色に相関する色相指示値として、色度座標または三刺激値の何れをも採用することができる。
当然、前記したように、これら以外の他の表色系の量であっても、色度座標に相関するものであれば同様に採用することができる。
そこで先ず、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)を総合した光については、制御対象を三刺激値 X,Y,Z とし、これがその目標値 Xp,Yp,Zp に維持されるように制御する場合について説明する。
X = Xr + Xg+ Xb
= Ψr・{ xe(λro) + Fxro・Δλr } + ψr・xe(λgo')
+ Ψg・{ xe(λgo) + Fxgo・Δλg } + ψg・xe(λro')
+ Ψb・{ xe(λbo) + Fxbo・Δλb } + ψb・xe(λgo")
= Hxr・Ψr + Hxg・Ψg + Hxb・Ψb
ただし、
Hxr = xe(λro) + Fxro・Δλr + hr・xe(λgo')
Hxg = xe(λgo) + Fxgo・Δλg + hg・xe(λro')
Hxb = xe(λbo) + Fxbo・Δλb + hb・xe(λgo")
また、Y については以下の式(式47)
Y = Yr + Yg+ Yb
= Ψr・{ ye(λro) + Fyro・Δλr } + ψr・ye(λgo')
+ Ψg・{ ye(λgo) + Fygo・Δλg } + ψg・ye(λro')
+ Ψb・{ ye(λbo) + Fybo・Δλb } + ψb・ye(λgo")
= Hyr・Ψr + Hyg・Ψg + Hyb・Ψb
ただし、
Hyr = ye(λro) + Fyro・Δλr + hr・ye(λgo')
Hyg = ye(λgo) + Fygo・Δλg + hg・ye(λro')
Hyb = ye(λbo) + Fybo・Δλb + hb・ye(λgo")
さらにZ については以下の式(式48)
Z = Zr + Zg+ Zb
= Ψr・{ ze(λro) + Fzro・Δλr } + ψr・ze(λgo')
+ Ψg・{ ze(λgo) + Fzgo・Δλg } + ψg・ze(λro')
+ Ψb・{ ze(λbo) + Fzbo・Δλb } + ψb・ze(λgo")
= Hzr・Ψr + Hzg・Ψg + Hzb・Ψb
ただし、
Hzr = ze(λro) + Fzro・Δλr + hr・ze(λgo')
Hzg = ze(λgo) + Fzgo・Δλg + hg・ze(λro')
Hzb = ze(λbo) + Fzbo・Δλb + hb・ze(λgo")
を得る。
ΔX = Hxr・ΔΨr + Hxg・ΔΨg + Hxb・ΔΨb
ΔY = Hyr・ΔΨr + Hyg・ΔΨg + Hyb・ΔΨb
ΔZ = Hzr・ΔΨr + Hzg・ΔΨg + Hzb・ΔΨb
のように表すことができる。
かくして前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)それぞれについての前記光束強度指示値を微小変化させたときの前記総合色相指示値の変化量を、前記した前記光束強度指示値の変化量を用いて、その線形演算で表すことができ、また、そのときの係数を、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)それぞれについての前記光束強度指示値および前記波長偏差指示値を用いて決定することができた。
ΔX = D・{Xp −X}
ΔY = D・{Yp −Y}
ΔZ = D・{Zp −Z}
によって ΔX,ΔY,ΔZ の値を決めれば、前記した式49は ΔΨr,ΔΨg,ΔΨb に関する初等的な3元連立1次方程式と見ることができ、全ての係数が決まっているため、容易に解くことができて、前記光束強度指示値の微小変化量 ΔΨr,ΔΨg,ΔΨb の値を求めることができる。
前記した式17に従って、求めた ΔΨr,ΔΨg,ΔΨb を元の Ψr,Ψg,Ψb に加えて光束強度指示値の新しい目標値 Ψrp,Ψgp,Ψbp を算出し、前記した式13を介して、前記駆動回路(Pr1,Pr2,…,Pra,Pg1,Pg2,…)の電力 Pr,Pg,Pb を更新することができる。
光束強度指示値 Ψr,Ψg,Ψb に基づき式46,式47,式48を介して算出した三刺激値 X,Y,Z と、その目標値 Xp,Yp,Zp とを式50に適用すると式49の左辺が決定されるから、これを3元連立1次方程式と見て解き、前記光束強度指示値の微小変化量 ΔΨr,ΔΨg,ΔΨb の値を求める。
また、既に決定済みの前記した比率 hr,hg,hb を前記した式15に適用して、ψr,ψg,ψb の目標値 ψrp,ψgp,ψbp を決定し、式14に従って前記駆動回路(Pra,Pga,Pba,…)の電力 pr,pg,pb を更新する。
そして前記光束色度強度相関データ(Dr,Dg,Db)を取得する動作に戻り、以降、記載したシーケンスを繰り返すようにすることにより、フィードバック制御ループが構築される。
ただし、あまり小さくすると補正の完了までに過剰な時間が掛かるなどの不都合が生ずる可能性があるため、実験的に好適な値を決めるとよい。
上において述べた三刺激値 X,Y,Z が、その目標値 Xp,Yp,Zp に維持されるように制御する方法の場合、光の色の目標を維持したまま、例えば Ψr が所定の値となるよう、明るさを小さくしたい場合は、三刺激値の目標値 Xp,Yp,Zp それぞれを、適当に決めた、ある同じ割合で縮小することを試行し、フィードバックループを実際に回してみて、Ψr が所定の値になるような適当な割合が見つかるまで、試行錯誤する必要がある。
以下において、制御対象を x,y,Y とし、これがその目標値 xp,yp,Yp に維持されるように制御する場合について説明する。
T = X+Y+Z
= { Hxr + Hyr + Hzr }・Ψr
+ { Hxg + Hyg + Hzg }・Ψg
+ { Hxb + Hyb + Hzb }・Ψb
= Ir・Ψr +Ig・Ψg +Ib・Ψb
ただし、
Ir = Hxr + Hyr + Hzr
Ig = Hxg + Hyg + Hzg
Ib = Hxb + Hyb + Hzb
を得る。
したがって、被測定光束 S(λ) に関する前記した式2の色度座標 x,y は、前記した式46,式47,式51を用いた以下の式(式52)
x = X/T
y = Y/T
の計算で求められる。
Δf = (δf/δu)・Δu + (δf/δv)・Δv + (δf/δw)・Δw
のように近似できる。
色度座標 x,y および明るさ Y が、前記光束強度指示値 Ψr,Ψg,Ψb を変数とする関数であると見て、以下の式(式54)
Jxr = δx/δΨr = { δX/δΨr・T − X・δT/δΨr }/{T・T}
= { Hxr・T − Ir・X }/{T・T}
= { Hxr − Ir・x }/T
Jxg = δx/δΨg = { Hxg − Ig・x }/T
Jxb = δx/δΨb = { Hxb − Ib・x }/T
Jyr = δy/δΨr = { Hyr − Ir・y }/T
Jyg = δy/δΨg = { Hyg − Ig・y }/T
Jyb = δy/δΨb = { Hyb − Ib・y }/T
のように偏微分係数の値を具体的に決めれば、Ψr,Ψg,Ψb を微小変化させたときの x,y,Y の変化量は、以下の式(式55)
Δx = Jxr・ΔΨr +Jxg・ΔΨg +Jxb・ΔΨb
Δy = Jyr・ΔΨr +Jyg・ΔΨg +Jyb・ΔΨb
ΔY = Hyr・ΔΨr +Hyg・ΔΨg +Hyb・ΔΨb
のように表すことができる。
ただし、式55の3番目の( ΔY に関する)式は、式47から得られる次の関係に基づく。
δY/δΨr = Hyr
δY/δΨg = Hyg
δY/δΨb = Hyb
Δx = D・{xp −x}
Δy = D・{yp −y}
ΔY = D・{Yp −Y}
によって Δx,Δy,ΔY の値を決めれば、前記した式55は ΔΨr,ΔΨg,ΔΨb に関する初等的な3元連立1次方程式と見ることができ、全ての係数が決まっているため、容易に解くことができて、前記光束強度指示値の微小変化量 ΔΨr,ΔΨg,ΔΨb の値を求めることができる。
値を求めた x,y,Y と、その目標値 xp,yp,Yp とを前記した式56に適用すると前記した式55の左辺が決定され、また前記した式54の Jxr,Jxg,Jxb と Jyr,Jyg,Jyb によって前記した式55の右辺の係数が決定されるから、これを3元連立1次方程式と見て解き、前記光束強度指示値の微小変化量 ΔΨr,ΔΨg,ΔΨb の値を求める。
また、既に決定済みの前記した比率 hr,hg,hb を前記した式15に適用して、ψr,ψg,ψb の目標値 ψrp,ψgp,ψbp を決定し、式14に従って前記駆動回路(Pra,Pga,Pba,…)の電力 pr,pg,pb を更新する。
そして前記光束色度強度相関データ(Dr,Dg,Db)を取得する動作に戻り、以降、記載したシーケンスを繰り返すようにすることにより、フィードバック制御ループが構築される。
Δx−Jxr・ΔΨr = Jxg・ΔΨg +Jxb・ΔΨb
Δy−Jyr・ΔΨr = Jyg・ΔΨg +Jyb・ΔΨb
のように組み換えた方程式を適用すればよく、これは初等的な2元連立1次方程式であるから容易に解くことができて、ΔΨg,ΔΨb を求めることができる。
ただし、このようにした場合は、明るさ Y を目標値に維持することはできなくなるが、色度座標 x,y を目標値に維持するフィードバック制御は実行することができる。
同じ色であっても複数個の発光素子を集めた場合、発光波長のバラツキがあるため、それらを総合した光のスペクトル S(λ) は、正確には前記した式5,式10のようなデルタ関数にはならない。
しかし、発光波長のバラツキがあっても、同じ波長帯域に属する全ての発光素子を総合し、その波長の平均値に等しい波長を有する、仮想的な単色光源に置き換えると考えれば、前記した議論が成立する。
ただし、同じ波長帯域に属する全ての発光素子を総合した場合は、波長のバラツキに起因したスペクトル幅の拡がりが存在することになり、その結果、色度座標が少しだけ白色方向に移動する。
しかし、この移動量は僅かである上、本光源装置における色度座標等の計算の目的は、正確な絶対値を確定することではなく、発光素子の温度上昇などに起因して発光波長が変化し、白バランスが崩れるものを、フィードバック制御で補正することであり、波長のバラツキに起因したスペクトル幅の拡がりは、そのような発光波長の変化が生じる前から存在していたものであるから、前記した計算の目的に照らして、実用上の問題は無い。
前記したように本光源装置における色度座標等の計算の目的が正確な絶対値を確定することではないことを前提として、種々の近似計算を行っている。
そのため、目標値 xp,yp,Yp を数値で与えても、フィードバック制御によって達成される状態が所望のものになるかどうかは不明であり、このような使い方は適当ではない。
例えばプロジェクタに応用する場合で言えば、本光源装置をプロジェクタの実機に実際に搭載し、フィードバック制御を停止させた状態で、白色となるべき画像をスクリーンに投影させ、所望の白色が得られるよう、本光源装置のR,G,Bそれぞれの強度を手動で調整し、調整が完了したときの本光源装置自身による x,y,Y の測定値を、その目標値 xp,yp,Yp として記憶するとよい。
記憶された目標値の実際の値については無頓着でも構わず、それ以降は、フィードバック制御を実行すれば、所望の白色が得られる状態が達成される。
なお、ここで xp,yp,Yp について述べたことは、三刺激値の目標値 Xp,Yp,Zp に対しても同様である。
また、フィードバック制御のための線形方程式である前記した式49や式55の係数 Hxr,Hxg,Hxb,Hyr,Hyg,Hyb,Hzr,Hzg,Hzb および Jxr,Jxg,Jxb,Jyr,Jyg,Jyb の決定の際にも、求めた基準波長からの偏差 Δλr,Δλg,Δλb の値を使用する計算方法を提示した。
図2においては、1種類の色の要素光源からの、総合された出力光束に対しては、1個の光束特性測定手段を設ける構成を示した。
この構成の場合は、前記制御回路(Mc)が算出する基準波長からの偏差 Δλr,Δλg,Δλb は、各色毎に1個の値が決まるため、ここまで述べてきたような、前記した係数 Hxr,Hxg,Hxb,Hyr,Hyg,Hyb,Hzr,Hzg,Hzb および Jxr,Jxg,Jxb,Jyr,Jyg,Jyb が Δλr,Δλg,Δλb に依存する計算手法が直接に適用可能である。
このような場合でも、前記した式1に従って、その色の出力光束の総合した三刺激値 X,Y,Z や色度座標 x,y は計算で定量化できるし、各色毎の三刺激値や色度座標が定量化できれば、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)を総合した光についても三刺激値や色度座標が定量化できる。
また、平均値を採用することにすれば、その色の基準波長からの偏差も1個の値に決めることができるため、同様に前記した係数が Δλr,Δλg,Δλb に依存する計算手法が間接的に適用可能である。
以降においては、このような場合にでも適用可能な、基準波長からの偏差 Δλr,Δλg,Δλb を全て零とおく近似を行って値を決定する計算手法について説明する。
ただし、このような近似を行う場合は、目標への漸近の速さが劣る可能性があるが、係数の計算が簡略化される利点がある。
X = Hxro・Ψr + Hxgo・Ψg + Hxbo・Ψb
Y = Hyro・Ψr + Hygo・Ψg + Hybo・Ψb
Z = Hzro・Ψr + Hzgo・Ψg + Hzbo・Ψb
ただし、
Hxro = xe(λro) + hr・xe(λgo')
Hxgo = xe(λgo) + hg・xe(λro')
Hxbo = xe(λbo) + hb・xe(λgo")
Hyro = ye(λro) + hr・ye(λgo')
Hygo = ye(λgo) + hg・ye(λro')
Hybo = ye(λbo) + hb・ye(λgo")
Hzro = ze(λro) + hr・ze(λgo')
Hzgo = ze(λgo) + hg・ze(λro')
Hzbo = ze(λbo) + hb・ze(λgo")
のように表すことができる。
ΔX = Hxro・ΔΨr + Hxgo・ΔΨg + Hxbo・ΔΨb
ΔY = Hyro・ΔΨr + Hygo・ΔΨg + Hybo・ΔΨb
ΔZ = Hzro・ΔΨr + Hzgo・ΔΨg + Hzbo・ΔΨb
を得る。
かくして前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)それぞれについての前記光束強度指示値を微小変化させたときの前記総合色相指示値の変化量を、前記した前記光束強度指示値の変化量を用いて、その線形演算で表すことができ、また、そのときの係数を決定することができた。
なお、三刺激値 X,Y,Z の値は、前記R色光束特性測定手段(Ar)を用いて測定した前記R色主成分光第1光量データと前記R色主成分光第2光量データ Rm,Rn 、前記G色光束特性測定手段(Ag)を用いて測定した前記G色主成分光第1光量データと前記G色主成分光第2光量データ Gm,Gn 、前記B色光束特性測定手段(Ab)を用いて測定した前記B色主成分光第1光量データと前記B色主成分光第2光量データ Bm,Bn を取得して前記した式8,式11,式12からなる方程式を解き、前記光束強度指示値 Ψr,Ψg,Ψb と、前記波長偏差指示値たる基準波長からの偏差 Δλr,Δλg,Δλb とを求めた上で、前記した式46,式47,式48によって計算して決定すればよい。
Iro = Hxro + Hyro + Hzro
Igo = Hxgo + Hygo + Hzgo
Ibo = Hxbo + Hybo + Hzbo
および以下の式(式61)
Jxro = { Hxro − Iro・x }/T
Jxgo = { Hxgo − Igo・x }/T
Jxbo = { Hxbo − Ibo・x }/T
Jyro = { Hyro − Iro・y }/T
Jygo = { Hygo − Igo・y }/T
Jybo = { Hybo − Ibo・y }/T
のように表すことができる。
ただし、x,y および T は、前記したように、前記R色光束特性測定手段(Ar)を用いて測定した前記R色主成分光第1光量データと前記R色主成分光第2光量データ Rm,Rn 、前記G色光束特性測定手段(Ag)を用いて測定した前記G色主成分光第1光量データと前記G色主成分光第2光量データ Gm,Gn 、前記B色光束特性測定手段(Ab)を用いて測定した前記B色主成分光第1光量データと前記B色主成分光第2光量データ Bm,Bn を取得して前記した式8,式11,式12からなる方程式を解き、前記光束強度指示値 Ψr,Ψg,Ψb と、前記波長偏差指示値たる基準波長からの偏差 Δλr,Δλg,Δλb とを求めた上で、前記した式46,式47,式48によって計算された三刺激値 X,Y,Z の値を、前記した式51の最上段の表現、すなわち以下の式
T = X+Y+Z (再録)
および式52に適用して計算する。
Δx = Jxro・ΔΨr +Jxgo・ΔΨg +Jxbo・ΔΨb
Δy = Jyro・ΔΨr +Jygo・ΔΨg +Jybo・ΔΨb
ΔY = Hyro・ΔΨr +Hygo・ΔΨg +Hybo・ΔΨb
を得る。
かくして前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)それぞれについての前記光束強度指示値を微小変化させたときの前記総合色相指示値の変化量を、前記した前記光束強度指示値の変化量を用いて、その線形演算で表すことができ、また、そのときの係数を決定することができた。
当然、このように基準波長からの偏差を零とおく近似を行う場合でも、前記した式57を挙げて説明したものと同じ手法を用いることによって、前記光束強度指示値 Ψr,Ψg,Ψb のうちの一つを方程式62から除外し、色度座標 x,y のみを目標値に維持するフィードバック制御を実行することが可能である。
前記した式59または式62を解いて変化量 ΔΨr,ΔΨg,ΔΨb を求めたならば、前記制御回路(Mc)は、前記光束強度指示値の現在の値 Ψr,Ψg,Ψb に対し、いま求めた ΔΨr,ΔΨg,ΔΨb を式17に適用して光束強度指示値の新しい目標値 Ψrp,Ψgp,Ψbp を算出し、式13に従って前記駆動回路(Pr1,Pr2,…,Pg1,…,Pb1,…)の電力 Pr,Pg,Pb を更新する。
また、既に決定済みの前記した比率 hr,hg,hb を前記した式15に適用して、ψr,ψg,ψb の目標値 ψrp,ψgp,ψbp を決定し、式14に従って前記駆動回路(Pra,Pga,Pba,…)の電力 pr,pg,pb を更新する。
そして前記光束色度強度相関データ(Dr,Dg,Db)を取得する動作に戻り、以降、記載したシーケンスを繰り返すようにすることにより、フィードバック制御ループが構築される。
この場合、前記第1光量検出器(Arm1)と前記第2光量検出器(Arm2)とは、光センサを共有しており、前記第2光量検出器(Arm2)として働く場合は、前記第1光量検出器(Arm1)として働く場合とは異なる特性フィルタ(Ers1,Ers2)を設けるようにすればよい。
また図6では前記特性フィルタ(Ers1,Ers2)を往復させるものを記載したが、前記特性フィルタ(Ers1,Ers2)を配置した円板状の枠を設け、それを回転させるようにしてもよい。
しかし、このように光センサを共有させることにすれば、前記第1光量検出器(Arm1)と前記第2光量検出器(Arm2)とに切り換えての光量測定の時間間隔が、前記した変動の時間スケールより十分短い限り、前記した変動の影響を受けないようにできる利点が生まれる。
光ファイバが破断すると、破断箇所から光パワーが漏洩して光ファイバを機械的に保護するために設けた被覆材に吸収され、被覆材が焼損に至る可能性があるため、光ファイバの破断が起きれば、それを検知して発光素子を消灯する安全対策が必要となる。
全体として大きなパワーを伝送する場合は、同じ色の光に対しても複数本の光ファイバに分割することが、光学系の構成上も、安全性の面からも有利であるが、その場合は、全光ファイバからの総合光量を監視するだけではなく、光ファイバ1本づつの光量を監視し、個別に破断を検知できることが望ましい。
なお、各ファイババンドルを含んでそれより前側の構成については、例えば図2に記載したようである。
これら各光束は、それぞれミラー(Hur,Hug,Hub)で反射され、それぞれ前段フライアイレンズ(F1r,F1g,F1b)および後段フライアイレンズ(F2r,F2g,F2b)、偏光整列機能素子(Pcr,Pcg,Pcb)、照明レンズ(Ejr,Ejg,Ejb)からなる、前記したフライアイインテグレータによる光均一化手段(Fmr,Fmg,Fmb)に入射される。
そして前記光均一化手段(Fmr,Fmg,Fmb)から出たそれぞれの光束によって、2次元光振幅変調素子たるR色画像用LCD(Dmr)およびG色画像用LCD(Dmg)、B色画像用LCD(Dmb)が照明され、その透過光束がダイクロイックプリズム(Mj)によって3色合成され、カラー画像を構成する光束(Fo)となる。
この光束は、投影レンズによってスクリーンに投影される(図示を省略)。
しかし、反射されない透過光が少なからず存在し、普通これらの光は迷光として捨てられるが、図7の本光源装置においては、これを有効利用して測定用光束(Fr’,Fg’,Fb’)を得るようにしてある。
そして前記測定用光束(Fr’,Fg’,Fb’)は、それぞれ前記R色光束特性測定手段(Ar)および前記G色光束特性測定手段(Ag)、前記B色光束特性測定手段(Ab)に入射される。
Ag G色光束特性測定手段
Ar R色光束特性測定手段
Arm1 第1光量検出器
Arm2 第2光量検出器
B 青色
cb 色度座標点
cg 色度座標点
cg’ 色度座標点
cg” 色度座標点
cr 色度座標点
Cr0 共通光センサ
Cr1 光センサ
Cr2 光センサ
Cra 光センサ
Db 光束色度強度相関データ
Dg 光束色度強度相関データ
Dmb B色画像用LCD
Dmg G色画像用LCD
DmjA 2次元光振幅変調素子
DmjB 2次元光振幅変調素子
Dmr R色画像用LCD
Dr 光束色度強度相関データ
Ecr1 集光光学系
Ecr2 集光光学系
Efb ファイババンドル
Efg ファイババンドル
Efr ファイババンドル
Efr1 光ファイバ
Efr2 光ファイバ
Eir1 入射端
Eir2 入射端
Ej1A 照明レンズ
Ej1B 照明レンズ
Ej2A 投影レンズ
Ej2B フィールドレンズ
Ej3B 投影レンズ
Ejb 照明レンズ
Ejg 照明レンズ
Ejr 照明レンズ
Eob 出射端
Eog 出射端
Eor 出射端
Eor1 出射端
Eor2 出射端
Ers1 特性フィルタ
Ers2 特性フィルタ
Erta 付加光フィルタ
Ertm 主成分光フィルタ
Esb コリメータレンズ
Esg コリメータレンズ
Esr コリメータレンズ
F1B 前段フライアイレンズ
F1b 前段フライアイレンズ
F1g 前段フライアイレンズ
F1r 前段フライアイレンズ
F2B 後段フライアイレンズ
F2b 後段フライアイレンズ
F2g 後段フライアイレンズ
F2r 後段フライアイレンズ
Fb B色出力光束
Fb’ 測定用光束
Fba 付加光
Fbm 主成分光
Fg G色出力光束
Fg’ 測定用光束
Fga 付加光
Fgm 主成分光
FmA 光均一化手段
FmB 光均一化手段
Fmb 光均一化手段
Fmg 光均一化手段
Fmr 光均一化手段
Fo 光束
Fr R色出力光束
Fr’ 測定用光束
Fra 付加光
Frm 主成分光
Frs1 主成分光測定用光束
Frs2 主成分光測定用光束
Frta 付加光測定用光束
Frtm 主成分光測定用光束
G 緑色
Hr 光量測定回路
Hub ミラー
Hug ミラー
Hur ミラー
Jba 駆動回路制御信号
Jg1 駆動回路制御信号
Jg2 駆動回路制御信号
Jr1 駆動回路制御信号
Jr2 駆動回路制御信号
Jra 駆動回路制御信号
Ka 矢印
Kt フィルタ枠
L1r1 発光素子
L1r2 発光素子
L1ra 発光素子
L2r1 発光素子
L2r2 発光素子
L2ra 発光素子
Lb1 発光素子
Lb2 発光素子
Lba 発光素子
LCD 液晶デバイス
Lg1 発光素子
Lg2 発光素子
Lga 発光素子
Lr1 発光素子
Lr2 発光素子
Lra 発光素子
Mc 制御回路
Mj ダイクロイックプリズム
MjA ミラー
MjB 偏光ビームスプリッタ
Pb1 駆動回路
Pb2 駆動回路
Pba 駆動回路
PcB 偏光整列機能素子
Pcb 偏光整列機能素子
Pcg 偏光整列機能素子
Pcr 偏光整列機能素子
Pg1 駆動回路
Pg2 駆動回路
Pga 駆動回路
PmiA 入射端
PmiB 入射端
PmoA 射出端
PmoB 射出端
Pr1 駆動回路
Pr2 駆動回路
Pra 駆動回路
R 赤色
SjA 光源
SjB 光源
Srm1 光検出信号
Srm2 光検出信号
Srma 光検出信号
Tj スクリーン
Ub1 要素光源
Ug1 要素光源
Ur1 要素光源
Ur2 要素光源
W 白色
ZiB 入射光軸
Claims (11)
- 狭い波長帯域で発光する発光素子(Lr1,Lr2,…,Lra)と前記発光素子(Lr1,Lr2,…,Lra)を駆動する駆動回路(Pr1,Pr2,…,Pra)を具備するユニットを1個の要素光源(Ur1)として、該要素光源(Ur1,Ug1,Ub1,…)の複数個と、前記駆動回路(Pr1,Pr2,…,Pra,Pg1,Pg2,…)を制御する制御回路(Mc)と、を有し、前記発光素子(Lr1,Lr2,…,Lra,Lg1,Lg2,…)からの放射光からなる、R,G,Bの3原色のR色出力光束(Fr)とG色出力光束(Fg)とB色出力光束(Fb)とを、それぞれ異なる光路を経由して分離して外部に放射する光源装置であって、
前記G色出力光束(Fg)は、G色の発光素子(Lg1,Lg2,…)からの主成分光(Fgm)を含み、前記R色出力光束(Fr)は、R色の発光素子(Lr1,Lr2,…)からの主成分光(Frm)に加えて、前記G色の発光素子(Lg1,Lg2,…)とは独立なG色の発光素子(Lra)からの付加光(Fra)を混合して生成されることが可能であり、かつ、前記B色出力光束(Fb)は、B色の発光素子(Lb1,Lb2,…)からの主成分光(Fbm)に加えて、前記G色の発光素子(Lg1,Lg2,…)とは独立なG色の発光素子(Lba)からの付加光(Fba)を混合して生成されることが可能であり、
さらに前記光源装置は、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)それぞれが入射され、入射された光を測定して、光の色度座標と光の強度とに相関する光束色度強度相関データ(Dr,Dg,Db)を生成する、R色光束特性測定手段(Ar)およびG色光束特性測定手段(Ag)、B色光束特性測定手段(Ab)を有しており、
前記制御回路(Mc)は、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)それぞれについての前記光束色度強度相関データ(Dr,Dg,Db)を少なくとも間欠的に取得し、前記光束色度強度相関データ(Dr,Dg,Db)に基づき、前記付加光を混合して生成された出力光束についての、色度座標の少なくとも片方に相関する単色色相指示値を生成し、該単色色相指示値が目標値に一致するよう、前記主成分光の強度に対する前記付加光の強度の比率を決定し、
さらに前記制御回路(Mc)は、前記付加光を混合して生成された出力光束については取得した前記光束色度強度相関データ(Dr,Dg,Db)に基づき、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)を総合した光についての、色度座標に相関する総合色相指示値を生成し、該総合色相指示値に対して、定めた目標値との差異が小さくなるよう、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)それぞれの前記駆動回路(Pr1,Pr2,…,Pra,Pg1,Pg2,…)をフィードバック制御することを特徴とする光源装置。 - 前記制御回路(Mc)は、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)を総合した光について、前記の色度座標に相関する総合色相指示値に加えて明るさに相関する明度指示値を生成し、前記明度指示値とその目標値の差異が小さくなるよう、前記駆動回路(Pr1,Pr2,…,Pra,Pg1,Pg2,…)をフィードバック制御することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
- 前記G色出力光束(Fg)は、前記G色の発光素子(Lg1,Lg2,…)からの前記主成分光(Fgm)に加えて、前記R色の発光素子(Lr1,Lr2,…)および前記G色の発光素子(Lg1,Lg2,…)、前記B色の発光素子(Lb1,Lb2,…)とは独立なR色またはG色、B色の発光素子からの付加光を混合して生成されることが可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光源装置。
- 前記R色光束特性測定手段(Ar)および前記G色光束特性測定手段(Ag)、前記B色光束特性測定手段(Ab)それぞれは、入射された出力光束の前記主成分光(Frm,Fgm,Fbm)についての基準波長からの偏差および強度を測定し、前記付加光(Fra,Fga,Fba)を混合して生成された出力光束については、さらに前記付加光(Fra,Fga,Fba)についての強度を測定して、前記光束色度強度相関データ(Dr,Dg,Db)を生成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光源装置。
- 前記R色光束特性測定手段(Ar)および前記G色光束特性測定手段(Ag)、前記B色光束特性測定手段(Ab)それぞれは、入射された出力光束の前記主成分光(Frm,Fgm,Fbm)についての基準波長からの偏差および強度を測定するために、少なくとも前記主成分光(Frm,Fgm,Fbm)の波長近傍で、波長の変化に対する感度の変化率が相異なる、第1光量検出器(Arm1)と第2光量検出器(Arm2)とを具備することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光源装置。
- 前記制御回路(Mc)は、色度の計算に必要な等色関数それぞれについて、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)の前記主成分光(Frm,Fgm,Fbm)の基準波長における関数値と波長の変化に対する関数の変化率、および前記付加光(Fra,Fga,Fba)の基準波長における関数値とからなる局所帯域等色関数情報を保有しており、
前記付加光(Fra,Fga,Fba)を混合して生成された出力光束について、前記光束色度強度相関データ(Dr,Dg,Db)と、前記局所帯域等色関数情報とを用いて、前記単色色相指示値に代わる単色色相指示値を生成するとともに、
前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)を総合した光について、前記光束色度強度相関データ(Dr,Dg,Db)と、前記局所帯域等色関数情報とを用いて、前記総合色相指示値に代わる総合色相指示値を生成することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光源装置。 - 前記制御回路(Mc)は、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)それぞれについて、前記光束色度強度相関データ(Dr,Dg,Db)に基づき、前記単色色相指示値に代えて強度に相関する光束強度指示値を生成し、
さらに前記制御回路(Mc)は、前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)それぞれについての前記光束強度指示値を微小変化させたときの前記総合色相指示値の変化量を、前記した前記光束強度指示値の変化量を用いて、その線形演算で表すときの係数を決定し、前記係数を介して前記R色出力光束(Fr)および前記G色出力光束(Fg)、前記B色出力光束(Fb)それぞれについての前記光束強度指示値の変化量を決定して前記したフィードバック制御を行うことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光源装置。 - 前記第1光量検出器(Arm1)と前記第2光量検出器(Arm2)とは、それぞれ光センサ(Cr1,Cr2)を有し、前記光センサ(Cr1,Cr2)の少なくとも一方の前面に、波長の変化に対する分光透過率が変化する特性フィルタ(Ers1,Ers2)を設けることを特徴とする請求項5に記載の光源装置。
- 前記第1光量検出器(Arm1)と前記第2光量検出器(Arm2)とは、同じ光量検出器に対して交互に特性変化を与えることにより、時間分割によって実現するものであり、前記第1光量検出器(Arm1)と前記第2光量検出器(Arm2)とは、光センサ(Cr1,Cr2)を共有しており、前記第2光量検出器(Arm2)として働く場合は、前記第1光量検出器(Arm1)として働く場合とは異なる特性フィルタ(Ers1,Ers2)を設けることを特徴とする請求項5に記載の光源装置。
- 前記第1光量検出器(Arm1)と前記第2光量検出器(Arm2)とが有する前記光センサの少なくとも一方が撮像素子であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の光源装置。
- 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の光源装置を利用して画像を投影表示することを特徴とするプロジェクタ。
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