JP5880453B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、吸気ポート内に燃料を噴射するポートインジェクタを備えた内燃機関の制御装置に関する。
吸気ポート内に燃料を噴射するポートインジェクタを備えた内燃機関が広く用いられている。このような内燃機関において、ポートインジェクタから噴射された燃料のうち、そのまま新気と混合して筒内に吸入されるのはその一部であり、残りの燃料は、吸気ポートの内壁や吸気バルブの表面などに一旦付着する。そして、吸気ポート内壁や吸気バルブ表面に付着した燃料は、徐々に吸気ポート内に気化し、遅れて筒内に流入する。
例えば、特許文献1には、インジェクタから噴射された燃料の挙動を定めたモデルである燃料挙動モデルを用いて、吸気系壁面及びシリンダ壁面に付着した壁面付着燃料量を推定する技術が提案されている。特許文献1の燃料挙動モデルでは、吸気系壁面及びシリンダ壁面それぞれへの燃料の付着率と、吸気系壁面及びシリンダ壁面それぞれに付着していた燃料の残留率とを用いて、壁面付着燃料量を算出している。ここで用いられる付着率や残留率は、筒内吸入空気量、スロットルバルブ開度、冷却水温等の内燃機関の運転パラメータに応じて求められる。
また燃料カット運転が実行された場合、内燃機関の運転パラメータが同一であっても、燃料カット運転の実行時間によって、筒内の内壁温度等の筒内状態量が大きく変動する。このような過渡期における筒内状態量は、オンボード推定が比較的困難であることから、燃料カット運転からの復帰時には、付着燃料量に大きな差が生じ得る。このため特許文献1の技術では、燃料カット復帰時点における付着燃料量をゼロとし、復帰後最初の燃料噴射が行われた気筒の筒内圧に基づいて燃焼燃料量を算出し、これに応じてシリンダ壁面への付着燃料量及び付着率を求めている。
特開2010−255592号公報 特開2002−227686号公報
ところで上記のように、ポートインジェクタから噴射された燃料の挙動をモデル化した燃料挙動モデルによる演算は種々に提案されている。これらの燃料挙動モデルは、一般に、複数の内燃機関の運転パラメータを用い、付着率や残留率を演算した後、付着燃料量や燃料噴射量等を算出するものである。従って、燃料挙動モデルの演算負荷は比較的大きくなる。従って、燃料挙動モデルを用いた演算を、必要な場合、即ち吸気系又はシリンダの壁面に付着燃料が存在するような場合にのみに制限して、制御装置の演算負荷を軽減することが望まれる。
また上記特許文献1のシステムでは、燃料カット運転からの復帰時、最初に燃料噴射する気筒については壁面付着燃料量をゼロと推定している。しかしながら、燃料カット運転の継続時間によっては、復帰時にも多くの付着燃料が残留している場合がある。このような場合、排気空燃比が過度にリッチとなって、エミッション性能に悪影響を及ぼすことが考えられる。従って、燃料カットが実行されたことを理由に、付着燃料を一律にゼロと推定して制御することは好ましいものではない。
この発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、燃料挙動モデルの演算負荷を抑えつつ、付着燃料量に応じて適切な燃料量を決定できるよう改良した内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、吸気ポートへ燃料を噴射するポートインジェクタを備える内燃機関に適用される内燃機関の制御装置であって、
前記ポートインジェクタから噴射された燃料の挙動をモデル化した燃料挙動モデルを用いて、燃料挙動に関する演算を行う演算手段と、
前記内燃機関の気筒への燃料噴射が停止されてから所定の停止判定期間に達するまで、前記演算手段による演算を行い、前記所定の停止判定期間に達してから燃料噴射が再開されるまで、前記演算手段による演算を停止させる停止手段と、
を備えることを特徴とする。
第1の発明において「燃料挙動に関する演算」は、例えば、燃料噴射量の演算、吸気系に付着した付着燃料量の演算、付着率等の演算等、燃料挙動モデルを用いた演算であればよく、演算により導き出されるものに限定されるものではない。
第2の発明は、第1の発明において、前記停止判定期間は、前記内燃機関の冷却水の温度、前記吸気ポートの温度、及び、吸気バルブの温度のうち、少なくとも1以上の温度に応じて設定されることを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記燃料噴射が停止された時点から、前記演算手段により演算される前記内燃機関の吸気系の壁面に付着する燃料の付着量が第1所定量以下になるまでの時間に応じて、前記所定の停止判定期間を補正する第1補正手段を、更に備えることを特徴とする。ここで「第1所定量」は、ゼロ又は、付着量が許容範囲内である小さな値に、適宜設定される。
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明において、前記停止手段は、前記燃料噴射が再開されてから所定の再開判定期間に達するまで、前記演算手段による演算を停止させることを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明において、前記再開判定期間は、前記内燃機関の冷却水の温度、前記吸気ポートの温度、及び、吸気バルブの温度のうち、少なくとも1以上の温度に応じて設定されることを特徴とする。
第6の発明は、前記気筒への燃料噴射が停止され、かつ、前記内燃機関の吸気系の壁面に付着する燃料の付着量が所定量以下であることが推定された状態から、燃料噴射が再開された場合に、
前記燃料噴射の再開の時点から、前記演算手段により演算される前記内燃機関の吸気系の壁面に付着する燃料の付着量が第2所定量より大きくなるまでの時間に応じて、前記所定の再開判定期間を補正する第2補正手段を、更に備えることを特徴とする。
なお、第6の発明において「第1所定量」は、ゼロ又は、付着量が許容範囲内である小さな値に、適宜設定される。また、「第2所定量」はゼロ以上の、壁面への燃料付着の開始が認められる程度の値に、適宜設定される。

気筒への燃料噴射が停止されてから、ある程度の時間が経過すると、吸気系壁面に付着した燃料が蒸発し、吸気系又はシリンダの壁面の付着燃料量はゼロとなることが予測される。この点、第1の発明によれば、燃料噴射が停止した後の経過時間が所定の停止判定期間を超えた場合に、燃料噴射再開までの間、燃料挙動モデルを用いた演算が停止される。これにより、不要な場合の燃料挙動モデルによる演算を停止することができ、制御装置の演算負荷を低減することができる。
ところで、付着した燃料が蒸発するまでの時間は、吸気系の温度によって左右される。この点、第2の発明によれば、燃料挙動モデルによる演算を停止するか否かの判断の基準となる「停止判定期間」が、内燃機関の冷却水の温度、吸気ポートの温度、又は、吸気バルブの温度等の吸気系の温度と相関する温度に応じて設定される。従って、より適切に付着燃料が蒸発したことを判断することができ、効果的に燃料挙動モデルによる演算を停止することができる。
また、燃料噴射の停止後、燃料噴射が再開された後も、燃料噴射量や温度によっては、しばらくの間、吸気系又はシリンダの壁面への燃料付着が起きない場合がある。このような場合には、燃料挙動モデルによる演算が不要となる。この点、第4の発明によれば、燃料噴射が再開されてから所定の再開判定期間に達するまで、燃料挙動モデルを用いた演算が停止される。これにより、不要な場合の燃料挙動モデルによる演算を停止することができ、制御装置の演算負荷を低減することができる。
ところで、燃料噴射再開後、燃料が再び付着し始めるまでの時間は、吸気系の温度や、燃料噴射量によって左右される。この点、第5の発明によれば、燃料挙動モデルによる演算を停止するか否かの判断の基準となる「再開判定期間」が、内燃機関の冷却水の温度、吸気ポートの温度、又は、吸気バルブの温度等の吸気系の温度と相関する温度に応じて設定される。従って、より適切に燃料が付着を開始するまでの状態を判断することができ、効果的に燃料挙動モデルによる演算を停止することができる。
第3又は第6の発明によれば、停止判定期間又は再開判定期間が補正される。これにより、機関ごとのばらつきや経年劣化等に対応し、より効果的に燃料挙動モデルによる演算の停止又は実行を制御することができる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1で用いる第1判定時間と水温との関係を説明するための図である。 本発明の実施の形態1で用いる第2判定時間と水温との関係を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行される制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行される制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態3において実行される制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すように、実施の形態1のシステムは内燃機関2を備えている。内燃機関2は車両に搭載され用いられる。内燃機関2の各気筒には、それぞれ、ピストン8と、吸気バルブ12と排気バルブ14と、点火プラグ16と、筒内10(燃焼室内)に連通する吸気ポート18および排気ポート20とが設けられている。吸気バルブ12は、筒内10と吸気ポート18とを導通状態または遮断状態とするように開閉する。排気バルブ14は、筒内10と排気ポート20とを導通状態または遮断状態とするように開閉する。
また、内燃機関2の各気筒には、吸気ポート18内に燃料を噴射するポートインジェクタ22が設けられている。ポートインジェクタ22には、図示しないポンプにより加圧された燃料が送り込まれている。
吸気ポート18は吸気通路30に連通している。吸気通路30の上流端にはエアクリーナ32が設けられ、空気はエアクリーナ32を介して吸気通路30内に取り込まれる。エアクリーナ32の下流には、エアフローメータ34が配置されている。エアフローメータ34は、吸気通路30内を流れる吸入空気量GAを検出するセンサである。吸気通路30の下流部は分岐して各気筒の吸気ポート18に接続されており、その分岐部にはサージタンク(図示せず)が設けられている。吸気通路30のサージタンクの上流にはスロットルバルブ36が配置されている。
排気ポート20には、筒内10での燃焼により生成された燃焼ガスを排気ガスとして排出するための排気通路40が接続されている。排気通路40には、排気ガスを浄化するための触媒42が設けられている。排気通路40における触媒42の上流には、排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサ44が配置されている。
内燃機関2のクランク軸45の近傍には、クランク角センサ46が設置されている。クランク角センサ46の出力によれば、クランク軸45の回転位置や機関回転数NE(機関回転速度)などを検知することができる。また、内燃機関2は、冷却水温THWを検出する水温センサ(図示せず)を更に備えている。
本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50には、上述したエアフローメータ34、空燃比センサ44等の各種センサと、上述したポートインジェクタ22等の各種アクチュエータが接続されている。ECU50は、それらの各センサの出力に基づいて、各アクチュエータを適当に駆動することにより、内燃機関2の運転状態を制御することができる。
本実施の形態1のシステムにおいて、ECU50は、燃料カット(F/C)制御を行う。より具体的に、ECU50は、内燃機関2の減速時、アクセルペダルが踏み込まれておらず機関回転数が所定の燃料カット回転数以上である等、所定のF/C条件を満たす場合に、自動的に燃料噴射を停止する。また、機関回転数が所定の復帰回転数まで低下した等、所定の復帰条件を満たす場合に、燃料噴射を再開する。なお、このF/C制御において、燃料噴射の停止を「F/C実行」と称し、燃料噴射の再開を「F/C復帰」とも称する。
また、ECU50は、ポートインジェクタ22の下流の燃料挙動をモデル化した燃料挙動モデルを記憶する。この燃料挙動モデルに従い、吸気系(吸気ポート18壁面や吸気バルブ12表面)や筒内10の壁面等への燃料の付着率や、燃料の残留率や、吸気系に付着する付着燃料量等が演算され、これらを用いてポートインジェクタ22からの燃料噴射量が演算される。このような燃料挙動モデルについては、種々に知られているから、詳細な演算方法についての説明を省略する。また、以下の実施の形態において、吸気系(吸気ポート18壁面や吸気バルブ12表面)や筒内10の壁面等、ポートインジェクタ22から噴射された燃料が付着し得る部分をまとめて「吸気系壁面」とも称する。
[実施の形態1の特徴]
ところで、F/C制御においても、内燃機関2のF/C復帰時に筒内10に過不足のなく燃料を供給するためには、F/C復帰時に、吸気系壁面に残っている付着燃料量を把握して、付着燃料量を考慮した燃料噴射量を設定する必要がある。従って、F/C実行後も直ちに燃料挙動についての演算を停止せず、付着した燃料が存在する期間中は、付着燃料量を推定するための演算を行うことが望ましい。
一方で、F/C実行中、付着した燃料が全て蒸発した後は、もはや付着燃料量を演算する必要がない。上述したように燃料挙動モデルは比較的演算負荷が大きいため、演算が不要な場合には演算を停止することが望ましい。
更に、F/C実行中に付着燃料が蒸発して除去された後、F/C復帰される場合であって、F/C復帰直後の燃料噴射量が少ない場合や、吸気バルブの温度などが高い場合には、燃料噴射が再開されても、直ちに吸気系壁面へ燃料が付着するわけではない。このような場合、F/C復帰後燃料付着が開始されるまでの間は、燃料挙動を演算する必要がない。
以上を踏まえ、本実施の形態1では、F/C実行を開始した後、吸気系壁面に付着した燃料が全て除去されたと予測される時点までは、燃料挙動モデルによる演算を継続し、付着燃料が全て除去されたと予測される時点以降、燃料挙動モデルによる燃料挙動に関する演算を停止する。また、F/C復帰時、吸気系壁面への燃料付着が始まると予測される時点までの間、燃料挙動モデルによる演算を停止する。その後、吸気系壁面への燃料付着の開始が予測された時点で、燃料挙動モデルによる燃料挙動に関する演算を再開する。
より具体的に本実施の形態1では、F/C実行開始後の経過時間Time_1が、第1判定時間(停止判定期間)Ref_1に達した時点で、吸気系壁面に付着した燃料が全て除去されたものと推定し、燃料挙動モデルによる演算を停止させる。
ここで第1判定時間Ref_1は、水温に応じて設定される。図2は、本発明の実施の形態1において用いられる水温と第1判定時間との関係を説明するための図である。図2において、横軸は水温、縦軸は第1判定時間を表している。
F/C実行開始時点から吸気系壁面の付着燃料が全て気化するまで(即ち、付着燃料量がゼロになるまで)に要する時間は、吸気系壁面の温度と相関を有する。また、吸気系壁面の温度は、内燃機関2の冷却水の温度(以下「水温」とも称する)と相関する。従って、本実施の形態1では、第1判定時間Ref_1を水温に応じて設定される時間とする。具体的には、吸気系壁面の温度が高くなるに連れて、付着燃料の蒸発が早くなるため、第1判定時間は、図2に示されるように、水温が高くなるにつれて短くなるように設定される。なお、本実施の形態1において、第1判定時間Ref_1と水温との具体的な関係は、予め実験やシミュレーション等により求め、ECU50にマップとして記憶させておくものとする。
また、本実施の形態1では、付着燃料がゼロとなっていた状態でのF/C復帰からの経過時間Time_2が、第2判定時間(再開判定期間)Ref_2に達した時点で、吸気系壁面への燃料付着が開始するものと推定し、燃料挙動モデルによる演算を再開させる。ここで第2判定時間Ref_2も、水温に応じて設定される。図3は、本発明の実施の形態1において用いられる水温と第2判定時間との関係を説明するための図である。図3において、横軸は水温、縦軸は第2判定時間を表している。
F/C復帰後、燃料付着が開始するまで(即ち、付着燃料量がゼロから増加し始めるまで)の時間は、吸気系壁面の温度と相関する。従って、第2判定時間Ref_2を水温に応じて設定する。具体的には、吸気系壁面の温度が高いほど燃料は付着しにくい状態であるから、第2判定時間は、図3に示されるように、水温が高くなるに連れて長くなる。第2判定時間Ref_2と水温との具体的な関係は、予め実験やシミュレーション等により求め、ECU50にマップとして記憶させておくものとする。
図4は、本発明の実施の形態1においてECU50が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図4に示すルーチンは、内燃機関の運転中、一定のタイミングで繰り返し実行されるルーチンである。図4のルーチンでは、まずS102において、現在F/C実行中であるか否かが判別される。
S102においてF/C実行中であることが認められると、次に、S104において水温が取得される。水温は、内燃機関2に設置された水温センサの出力に応じて取得される。次にS106において、F/C実行開始からの経過時間Time_1が取得される。F/C実行後の経過時間Time_1は、ECU50が有するタイマ等の出力に応じて求められる。
次に、S108において第1判定時間Ref_1が設定される。ここでは図2に示されるようなECU50に予め記憶されたマップを用いて、S104において取得された水温に応じた第1判定時間Ref_1が設定される。
次に、S110において、F/C実行後の経過時間Time_1が第1判定時間Ref_1より長いか否かが判別される。これによりF/C実行後の経過時間Time_1が、付着燃料量の算出が不要になる程度に長くなったか否かが判別される。
S110において、F/C実行後の経過時間Time_1が第1判定時間Ref_1より長いことが認められると、次に、S112において燃料挙動モデルによる燃料挙動の演算が停止とされ、今回の処理が終了する。
一方、F/C実行後経過時間Time_1が第1判定時間Ref_1より長いことが認められない場合、S114において燃料挙動モデルによる燃料挙動の演算が実行状態とされる。即ち、燃料挙動モデルによる必要な燃料挙動の演算が行われている状態である場合にはその状態が維持される。その後、今回の処理が終了する。
一方、S102においてF/C実行中であることが認められない場合、次に、S120において、現在、演算停止中であるか否かが判別される。即ち、直前のF/C実行中に、このルーチンのS112の処理により演算停止状態に至ったか否かが判別される。
S120において、演算停止中であることが認められた場合、次に、S122において水温が取得される。水温は水温センサの出力に基づき取得される。次に、S124においてF/C復帰後経過時間Time_2が取得される。F/C復帰後経過時間Time_2は、F/C復帰してからの経過時間でありECU50が有するタイマの出力に基づき取得される。
次に、S126において第2判定時間Ref_2が設定される。ここではECU50に記憶されたマップ(図3参照)を用いて、S122において取得された水温に応じた第2判定時間Ref_2が設定される。
次に、S128において、F/C復帰後経過時間Time_2が第2判定時間Ref_2より短いか否かが判別される。これにより、F/C復帰後、まだ燃料が付着していないか、あるいは、燃料付着が開始し燃料挙動の演算が必要となったか、が判断される。
即ち、S128において、F/C復帰後経過時間Time_2が第2判定時間Ref_2より短いことが認められた場合、まだ吸気系に燃料が付着する状態にないと判断できる。従ってこの場合には、演算停止状態が維持され(S130)、今回の処理はこのまま終了する。
一方、S128において、F/C復帰後経過時間Time_2が第2判定時間Ref_2より短いことが認められなかった場合、又は、S120において演算停止中であることが認められなかった場合には、燃料挙動モデルによる演算実行状態とする(S132)。その後、今回の処理は終了する。
以上説明したように、本実施の形態1によれば、F/C実行後の経過時間Time_1が所定の第1判定時間Ref_1よりも長くなった場合に、演算を停止する。ここで第1判定時間は水温に応じて設定される時間であり、その水温において付着燃料がゼロとなっていると推定できる十分な時間である。従って、本実施の形態1によればF/C実行後、必要な間だけ燃料挙動に関する演算を行うものとすることができ、演算負荷を最低限に抑えることができる。
また、F/C復帰時についても、復帰後経過時間Time_2が所定の第2判定時間Ref_2を超えるまでは、燃料挙動による演算が停止とされる。ここで第2判定時間Ref_2は、水温に応じて設定される時間であり、現在の水温において燃料付着が開始すると推定される時間の下限値付近に設定される。従って、本実施の形態1によれば、F/C復帰時についても、不要な期間の演算を停止することができ、演算負荷を最低限に抑えることができる。
また、以上のF/C実行時とF/C復帰時の制御により、演算負荷を抑えつつ、燃料噴射再開時の壁面への付着燃料量を正確に把握することができ、燃料噴射再開時の燃料噴射量を、適切な量に設定することができる。
なお、本実施の形態1では、内燃機関2が燃料噴射弁としてポートインジェクタ22のみを有する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、ポートインジェクタ22と筒内噴射弁とを共に有するものであってもよい。
また、本実施の形態1では、第1判定時間Ref_1、第2判定時間Ref_2を、それぞれ水温に応じて設定する場合について説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではない。例えば、吸気管壁面へ付着した燃料の蒸発は、吸気系の温度が高いほど早くなり、吸気管壁面への燃料の付着開始は、吸気系の温度が高いほど遅くなる。従って、第1、第2判定時間は、吸気ポートの温度又は吸気バルブの温度等、吸気系の温度とある程度の相関を有する部分の温度に応じて設定するものであってもよい。
また、内燃機関の回転数が大きい場合や負荷が大きい場合ほど、F/C実行時点での付着燃料量が多くなる。このように内燃機関2の回転数や負荷は、付着燃料量と相関を有することから、F/C実行時、付着燃料量がゼロになるのに要する時間に対応する第1判定時間及び、F/C復帰時に燃料付着が開始するまで要する時間に対応する第2判定時間にも影響する。従って、本発明は、第1又は第2判定時間を、機関回転数又は負荷に応じて設定するものとしてもよい。
また、例えばバルブオーバーラップ量が大きくなれば吸気量が増大するため、吸気系への燃料付着に影響する。従って、オーバーラップ量又はバルブタイミングは、第1判定時間及び第2判定時間に影響する要因である。従って、オーバーラップ量又はバルブタイミングが、燃料付着状態に与える影響を予め実験等によって求めておいて、第1又は第2判定時間をバルブオーバーラップ量又はバルブタイミングに応じて設定するものとしてもよい。
同様に、EGR弁開度が大きくなると、吸気温度が高くなるため、吸気系壁面への燃料付着に影響する。また、TCV、SCVの動作状態により、吸気流速が変化するため、吸気系壁面への燃料付着に影響する。従って、EGR弁開度、又はTCV、SCVの動作状態は、第1又は第2判定時間に影響する要因である。従って、EGR弁開度又はTCV、SCVの動作状態が、燃料付着状態に与える影響を実験等によって求めておいて、第1、第2判定時間を、EGR弁開度またはTCV、SCVの動作状態に応じて設定するものとしてもよい。
また、燃料噴射量は、F/C復帰時に吸気系壁面に燃料付着が開始するまでの時間に影響する。従って、この影響を予め実験等により求めておいて、第2判定時間を、燃料噴射量に応じて設定するものとしてもよい。
なお、本発明において、停止判定期間である第1判定時間は、上記に挙げた、水温、吸気ポートの温度、吸気バルブの温度、内燃機関2の回転数、負荷、バルブオーバーラップ量、バルブタイミング、EGR弁の開度、TCVの動作状態、及び、SCVの動作状態からなるパラメータ群のうち、いずれか1つをパラメータとして設定されるものに限られない。これらは、いずれも第1判定時間に影響を与えうるものであるから、第1判定時間は、上記パラメータ群のうち、1又は2以上のパラメータを用いて設定することができる。
同様に、本発明において、再開判定期間である第2判定時間は、上記に挙げた、水温、吸気ポートの温度、吸気バルブの温度、内燃機関2の回転数、負荷、バルブオーバーラップ量、バルブタイミング、EGR弁の開度、TCVの動作状態、SCVの動作状態、及び、燃料噴射量からなるパラメータ群のうち、いずれか1つをパラメータとして設定されるものに限られない。これらは、いずれも第2判定時間に影響を与えうるものであるから、第2判定時間は、上記パラメータ群のうち、1又は2以上のパラメータを用いて設定することができる。
また、本実施の形態1では、F/C実行中とF/C復帰時の燃料挙動モデルの演算停止の制御について説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、燃料噴射が停止されてから、次回、燃料噴射が再開されるまでの間の制御に、上記のF/C制御時の制御を同様に適用することができる。
例えば、内燃機関2がハイブリット車両や、エコラン車両(アイドリングストップ車両)等に搭載され、車両の稼動中においてもその停止と始動が頻繁に繰り返される場合に、実施の形態1のF/C制御中の、燃料挙動モデルの演算停止の制御が適用される。
具体的に、エコラン制御等では、所定の運転条件が成立すると、内燃機関2の運転の自動停止と共に燃料噴射が自動的に停止とされる。ここで燃料噴射が自動的に停止された後の経過時間が、水温等に応じて設定された第1判定時間Ref_1より長くなった時点で、燃料挙動モデルによる演算を停止させる。また、所定の始動条件が成立すると、内燃機関2が再始動され、燃料噴射が再開される。ここで燃料噴射が再開されてからの経過時間が、水温等に応じて設定された第2判定時間Ref_2を達するまで、燃料挙動モデルによる演算を停止し、経過時間が、第2判定時間Ref_2に達した時点で、燃料挙動モデルによる演算を開始する。
実施の形態2.
実施の形態2のシステムは、図1と同一の構成を有している。実施の形態2のシステムは、図4の制御に替えて、図5の制御を行う点においてのみ、実施の形態1と異なっている。
実施の形態2のシステムは、実施の形態1に説明したエコラン等による内燃機関2の自動停止と再始動における制御ではなく、イグニッションスイッチからの信号に基づき内燃機関2が停止され、又は始動される場合における燃料挙動モデルによる演算の制御を行う。尚、以下イグニッションスイッチからの信号に基づき内燃機関2が停止又は始動される場合を、特に「通常の停止」又は「通常の始動」とも称する。
一般に、燃料挙動モデルによる演算は、内燃機関2の通常の停止時には、内燃機関2の停止と共に停止とされる。しかしながら、上述したように、内燃機関2の通常の始動時にも、吸気系に付着した燃料が残っている場合には、その付着燃料量を把握し、それに応じて始動時の噴射燃料量を設定する必要がある。一方、内燃機関2の通常の停止中に付着燃料がゼロとなった場合には、始動時燃料付着が開始するまで、燃料挙動の演算が不要となる。
従って、実施の形態2のシステムは、内燃機関2の通常の停止時、停止からの経過時間Time_3が、第3判定時間Ref_3(停止判定期間)に達するまでの間、燃料挙動モデルによる演算を継続して行い、経過時間Time_3が第3判定時間Ref_3を超えた時点で、燃料挙動モデルによる演算を停止させる。一方、内燃機関2の通常の始動時、始動からの経過時間Time_4が、第4判定時間Ref_4(再開判定期間)に達するまでの間、燃料挙動モデルによる演算を停止し、経過時間Time_4が第4判定時間Ref_4を超えた時点で、燃料挙動モデルによる演算を停止する。
上述したように、水温と付着燃料量とは相関を有するから、第3判定時間Ref_3についても、図2と同様のマップに従い、水温に応じて設定される。また通常の始動時における第4判定時間Ref_4についても、図3と同様のマップに従い水温に応じて設定される。
図5は、本発明の実施の形態2においてECU50が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図5のルーチンでは、まずS202において内燃機関2の通常の停止中であるか否かが判別される。
S202において内燃機関2の通常の停止中であることが認められると、S204において水温が取得され、続くS206では、内燃機関2の停止後の経過時間Time_3が取得される。次に、S208では、マップに従い、水温に応じた第3判定時間Ref_3が設定される。
S210において、内燃機関2の通常の停止後の経過時間Time_3が第3判定時間Ref_3より長いか否かが判別され、長いと認められた場合にはS212において演算停止とされる。一方、経過時間Time_3が第3判定時間Ref_3よりも長いことが認められない場合には、S214において演算実行状態とされ、この時点での燃料挙動モデルによる演算停止が禁止される。
一方、S202において内燃機関2の通常の停止中であることが認められない場合、S220において、現在、燃料挙動モデルによる演算停止中であるか否かが判別される。ステップS220において演算停止中であることが認められた場合、次に、S222において水温が取得され、S224において内燃機関2の始動後の経過時間Time_4が取得される。更に、S226では、マップに従い水温に応じた第4判定時間Ref_4が設定される。
S228において、始動後の経過時間Time_4が第4判定時間Ref_4より長いことが認められない場合、次に、S230において演算停止とされ、今回の処理を一旦終了する。
一方、ステップS228において、経過時間Time_4が第4判定時間Ref_4より長いことが認められた場合、又は、S220において、演算停止中であることが認められなかった場合、次に、S232において演算実行状態とされ、今回の処理は終了する。
以上説明したように、実施の形態2によれば、F/C制御やエコラン等の自動的な燃料噴射の停止と再開との切り替え時だけでなく、通常の内燃機関2の運転停止と始動とが行われる場合にも、燃料挙動に関する演算を必要な場合にのみ実行することができる。従って、内燃機関2の通常の停止時及び始動時の演算負荷を最小限に低減することができる。
なお、本実施の形態2では、F/C実行と復帰の切り替え時又はエコランによる自動停止と再始動時の制御に替えて、内燃機関2の通常の停止と通常の始動時の制御を行う場合について説明した。しかし、本発明においては、実施の形態1及び2に説明した燃料挙動モデルによる演算の制御を、両方共に行うものであってもよい。
また、本実施の形態2においても、水温に応じて第3、第4判定時間を設定する場合について説明した。しかし、この発明は、これに限られるものではなく、実施の形態1と同様の理由により、第3判定時間を、水温、吸気ポートの温度、吸気バルブの温度、内燃機関2の回転数、負荷、バルブオーバーラップ量、バルブタイミング、EGR弁の開度、TCVの動作状態、及び、SCVの動作状態からなるパラメータ群のうち、1又は2以上のパラメータを用いて設定することができる。また、停止時のクランク角は付着燃料量に影響することから、これらのパラメータと同様に、クランク角を第3判定時間設定のためのパラメータとして用いることができる。
また、実施の形態1と同様の理由により、第4判定時間を、水温、吸気ポートの温度、吸気バルブの温度、内燃機関2の回転数、負荷、バルブオーバーラップ量、バルブタイミング、EGR弁の開度、TCVの動作状態、SCVの動作状態、及び、燃料噴射量からなるパラメータ群のうち、1又は2以上のパラメータを用いて設定することができる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3のシステムは図1のシステムと同一の構成有している。実施の形態3のシステムは、実施の形態1の第1、第2判定時間と、水温との関係を定めたマップを補正する制御を有する点を除き、実施の形態1のシステムと同一である。
第1判定時間は、F/C実行時に吸気系に付着した燃料がゼロとなるまでの時間に基づいて設定される時間である。また第2判定時間は、F/C実行により付着燃料量がゼロになった後、再びF/C復帰した場合に、吸気系に燃料付着が開始するまでの時間に基づいて設定されるものである。これら第1及び第2判定時間は、吸気系の温度と相関を有することから、第1及び第2の判定時間それぞれは、水温との関係で、マップに定められている。本実施の形態3のシステムは所定の補正条件が成立した場合に、これらのマップを修正する制御を行う。
具体的には、F/C実行時に図4の演算停止のルーチンを行わないようにして、燃料挙動モデルによる演算を、吸気系壁面に付着した燃料がゼロとなるまで演算を続ける。そしてF/C実行開始時点から、付着燃料量がゼロになるまでの時間を計測する。同時に、このときの水温を検出する。
ここで付着燃料量がゼロになるまでに要した所要時間は、その時の水温における第1判定時間に対応するものである。従って、計測された所要時間に基づいて、検出された水温が属する温度域の、第1判定時間を補正する。また、例えば計測された所要時間と、現在までに取得されている温度域ごとの所要時間との、平均値やなまし値を求め、それを補正に用いてもよい。
また、F/C復帰時にも図4の計算停止のルーチンを行わないようにして、燃料挙動モデルによる演算を行い、吸気系に燃料付着が始まるタイミングを推定する。同時にこのときの水温を検出する。
燃料付着が開始するまでの要した所要時間は、その時の水温における第2判定時間に対応するものである。従って、計測された所要時間に基づいて、検出された水温が属する温度域の、第2判定時間を補正する。また例えば、計測された所要時間と、現在までに取得された温度域ごとの所要時間との、平均値やなまし値を求め、これを補正に用いてもよい。
図6は、本発明の実施の形態3においてECU50が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図6のルーチンは、一定時間ごとに繰り返し実行される。図6のルーチンが開始されると、まずS302において修正実行条件が成立したか否かが判別される。修正実行条件としては、たとえば前回、このルーチンによりマップが修正された時点からの走行距離が、所定の走行距離に達したこと、及び、F/C実行されたかなどが挙げられる。修正実行条件は、これに限られず、適宜設定され予めECU50に記憶されている。
S302において、修正実行条件の成立が認められない場合、今回の処理は終了する。S302において、修正実行条件の成立が認められると、次に、S304において、演算停止ルーチンの禁止処理が実行される。即ち、図4の演算停止のルーチンが実行されないように処理される。次に、S306において現在の吸気系壁面の付着燃料量が取得される。付着燃料量は、ECU50に記憶された燃料挙動モデルに従って演算される。
次に、今回、F/C実行開始後、付着燃料量が初めてゼロになったか否かが判別される(S308)。ここでは、前回のルーチン実行時にS306で取得された付着燃料量がゼロより大きく、今回、S306で取得された付着燃料量がゼロであるか否かが判別される。
S308において付着燃料量がゼロとなったことが認められると、次に、現在の水温が取得される(S310)。次に、F/C実行開始時点から現在までの経過時間が取得される(S312)。
ここで検出された経過時間は、現在の水温域において、燃料噴射停止後(F/C実行開始後)、吸気系壁面に付着した燃料がゼロになるまでに要した時間であり、第1判定時間に対応する。従って、次に、ECU50に記憶されたマップにおおける、S310において取得された水温に応じた第1判定時間が、S312において取得された経過時間によって補正される(S314)。その後、今回の処理が終了する。
一方、S308において付着燃料量がゼロになったことが認められない場合、次に、付着燃料量がゼロから変化したか否かが判別される(S320)。具体的には、前回のルーチン実行時にS306において取得された付着燃料量がゼロであり、今回、S306において取得された付着燃料量がゼロより大きくなったか否かが判別される。
S320において、付着燃料量がゼロから変化したことが認められない場合、今回の処理はこのまま終了する。一方S320において付着燃料量がゼロから変化したことが認められると、次に、S322において現在の水温が取得される。次に、F/C復帰から現在までの経過時間が取得される(S324)。
S324において取得された経過時間は、F/C復帰(燃料噴射再開)後、吸気系壁面に燃料付着が開始するまでに要した時間であり、第2判定時間に対応する。従って、次に、S326において、ECU50に記憶されたマップにおける、S322で取得された水温に応じた第2判定時間が、S324において取得された経過時間によって補正される。その後今回の処理が終了する。
以上説明したように、本実施の形態3によれば、第1判定時間、第2判定時間の補正を行うことができる。従って、経時劣化等により第1判定時間、第2判定時間と水温との関係にずれが生じた場合にも、そのずれを修正することができ、より効果的なタイミングで燃料挙動モデルによる演算停止を実行することができる。
なお、本実施の形態3では、第1、第2判定時間を修正する場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない、図6のルーチンに従って、第3判定時間、第4判定時間を修正するものであってもよい。具体的に、第3判定時間は、内燃機関2が通常停止された後、付着燃料量がゼロになるまでの時間に応じた時間である。従って、本実施の形態3の第1判定時間と同様に、F/C実行からの付着燃料量がゼロになるまでの経過時間に応じて補正することができる。また、第4判定時間は内燃機関2の始動後、燃料付着が開始するまでの時間に関連する時間である。従って、本実施の形態3の第2判定時間と同様に、F/C復帰から燃料付着が開始するまでの経過時間に応じて補正することができる。
また、本実施の形態3では、F/C実行から復帰までの所定のタイミングで第1、第2判定時間を修正する場合について説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、内燃機関2のエコラン制御等における自動停止から再始動までのタイミングを利用して第1〜第4判定時間を補正するものであってもよい。具体的には、内燃機関2の自動停止により燃料噴射が停止する。従って燃料噴射停止から付着燃料がゼロになるまでの時間に関連する第1、第3判定時間を、内燃機関2の自動停止から付着燃料量がゼロになるまでに要した時間に応じて補正することができる。また、再始動により燃料噴射が再開する。従って、燃料噴射再開から燃料付着が開始するまでの時間に関連する第2、第4判定時間を、内燃機関2の再始動から燃料付着が検出されるまでに要した時間に応じて補正することができる。
また、本実施の形態3では、燃料噴射の停止から、付着燃料量がゼロになるまでの時間を検出し、これに応じて第1、第3判定時間を補正する場合について説明した。しかし、本発明においてはこれに限られるものではなく、燃料噴射の停止から、付着燃料量が所定量(第1所定量)以下となるまでの時間を検出し、これに応じて、第1、第3判定時間を補正するものであってもよい。この場合の「所定量」は、壁面への燃料付着量が許容範囲のごく少量であることが認められる程度に小さな値に適宜設定すればよい。
また、本実施の形態3では、燃料噴射の開始後、燃料付着が開始(付着燃料量がゼロから変化)するまでの時間に応じて、第2、第4判定時間を補正する場合について説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、燃料噴射の再開後、付着燃料量が所定量(第2所定量)より大きくなるまでの時間を検出し、その時間に応じて、第2、第4判定時間を補正するものであってもよい。この場合の「所定量」は、ゼロ又は、壁面への燃料付着の開始が確認できるような値に、適宜設定すればよい。
2 内燃機関
10 筒内
12 吸気バルブ
14 排気バルブ
16 点火プラグ
18 吸気ポート
20 排気ポート
22 ポートインジェクタ
30 吸気通路
32 エアクリーナ
34 エアフローメータ
36 スロットルバルブ
40 排気通路
42 触媒
44 空燃比センサ
45 クランク軸
46 クランク角センサ

Claims (6)

  1. 吸気ポートへ燃料を噴射するポートインジェクタを備える内燃機関に適用され、
    前記ポートインジェクタから噴射された燃料の挙動をモデル化した燃料挙動モデルを用いて、燃料挙動に関する演算を行う演算手段と、
    前記内燃機関の気筒への燃料噴射が停止されてから所定の停止判定期間に達するまで、前記演算手段による演算を行い、前記所定の停止判定期間に達してから燃料噴射が再開されるまで、前記演算手段による演算を停止させる停止手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記停止判定期間は、前記内燃機関の冷却水の温度、前記吸気ポートの温度、及び、吸気バルブの温度のうち、少なくとも1以上の温度に応じて設定されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記燃料噴射が停止された時点から、前記演算手段により演算される前記内燃機関の吸気系の壁面に付着する燃料の付着量が第1所定量以下になるまでの時間に応じて、前記所定の停止判定期間を補正する第1補正手段を、更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記停止手段は、前記燃料噴射が再開されてから所定の再開判定期間に達するまで、前記演算手段による演算を停止させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記再開判定期間は、前記内燃機関の冷却水の温度、前記吸気ポートの温度、及び、吸気バルブの温度のうち、少なくとも1以上の温度に応じて設定されることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記気筒への燃料噴射が停止され、かつ、前記内燃機関の吸気系の壁面に付着する燃料の付着量が第1所定量以下であることが推定された状態から、燃料噴射が再開された場合に、
    前記燃料噴射の再開の時点から、前記演算手段により演算される前記内燃機関の吸気系の壁面に付着する燃料の付着量が第2所定量より大きくなるまでの時間に応じて、前記所定の再開判定期間を補正する第2補正手段を、更に備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の内燃機関の制御装置。
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