添付の図面を参照して、本発明を詳細に説明する。各図において、同一又は相当する部分には、同一の符号を付している。重複する説明については、適宜簡略化或いは省略している。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における電気掃除機を示す斜視図である。
図1に示すように、電気掃除機1は、本体(掃除機本体)2、ホース3、ホース連通管4、延長管5、吸込口体6を備える。
吸込口体6は、下向きに形成された開口から、床面上のごみ(塵埃)を空気と一緒に吸い込むためのものである。
延長管5は、全体として真直ぐな円筒状を呈する部材からなる。延長管5は、伸縮自在に構成される。延長管5の吸気側の端部は、吸込口体6に接続される。
ホース連通管4は、途中で折れ曲がった中空の部材からなる。ホース連通管4の吸気側の端部は、延長管5の排気側の端部に接続される。
ホース3は、要部が、可撓性を備えた蛇腹状を呈する中空の部材からなる。ホース3の吸気側の端部は、ホース連通管4の排気側の端部に接続される。
本体2は、ごみを含む空気(含塵空気)からごみを分離し、ごみが取り除かれた空気(清浄空気)を排出する(例えば、室内に戻す)ためのものである。ホース3の排気側の端部は、本体2に接続される。
本体2は、内部に、電動送風機7、集塵部8を備える。
電動送風機7は、電気掃除機1に形成された風路に、気流を発生させるためのものである。吸込口体6、延長管5、ホース連通管4、ホース3は、内部が一続きに形成される。電動送風機7が吸引動作を行うと、床面上のごみが空気と一緒に吸込口体6に吸い込まれる。吸込口体6に吸い込まれた含塵空気は、吸込口体6、延長管5、ホース連通管4、ホース3の各内部を通って、本体2に送られる。このように、吸込口体6、延長管5、ホース連通管4、ホース3は、外部から本体2の内部に含塵空気を流入させるための風路を形成する。
集塵部8は、本体2の内部に流入したごみを空気(気流)から分離し、捕捉するためのものである。図1では、集塵部8として、紙パック式の分離装置が本体2に内蔵されている場合を一例として示している。集塵部8は、サイクロン式の分離装置や、他の方式を採用する分離装置であっても構わない。
本体2は、両側に大型の車輪9が設けられる。本体2の前側下面には、小型の車輪(図示せず)が設けられる。小型の車輪は、その向きを自在に変えることができるように本体2に取り付けられる。このため、本体2は、車輪9及び小型の車輪が床面に接触した状態で、自在にその向きを変えることができる。
以下に、図2乃至図15も参照し、電気掃除機1の各構成について具体的に説明する。各構成の説明においては、電動送風機7を動作させた時の気流の方向を基準にして、排気側のことを一端側(例えば、排気側の端部のことを一端部)、吸気側のことを他端側(例えば、吸気側の端部のことを他端部)という。
図2及び図3は、ホースとホース連通管との接続状態を示す図である。
ホース3は、ホース本体10、接続管11、金属線(図示せず)、一対の電力供給線12(の一部)、一対の制御信号線13(の一部)、可動接続部(接続管14、可動部15)を備える。
ホース本体10は、可撓性を備えた蛇腹状の中空部材からなる。
接続管11は、例えば、硬質の筒状の部材からなる。接続管11は、ホース本体10の一端部に設けられる。即ち、ホース3の一端部は、接続管11によって構成される。本体2には、前面に、吸気口16が形成される。ホース3は、接続管11が吸気口16に挿入されて固定されることにより、一端部が本体2に接続される。所定の操作を行えば、ホース3(の一端部)を本体2から取り外すことができる。
金属線は、ホース本体10の形状を保持するためのものである。金属線は、ホース本体10を取り巻くように、その周囲に配置される。
電力供給線12は、ホース連通管4及び延長管5に電力を供給するためのものである。電気掃除機1は、電源コード(図示せず)が外部電源に接続されることにより、電力が供給される。外部電源からの電力は、電力供給線12によって、ホース連通管4及び延長管5に供給される。
制御信号線13は、電動送風機7に対し、制御用の信号を送信するためのものである。電力供給線12及び制御信号線13は、ホース3の一端部から他端部に渡って、ホース3の長手に沿うように設けられる。
可動接続部は、接続管14及び可動部15からなる。可動接続部は、ホース本体10の他端部に設けられる。即ち、ホース3の他端部は、可動接続部によって構成される。
接続管14は、(ホース本体10よりも)硬質な筒状の部材からなる。接続管14は、一端部が、ホース本体10の他端部に設けられる。
可動部15は、接続管14の他端部に設けられる。可動部15は、例えば、軸15a、カバー15b乃至15dを備える。軸15a、カバー15b乃至15dは、(ホース本体10よりも)硬質の部材からなる。
カバー15bは、中空の部材からなり、ホース3の他端を構成する。軸15aは、カバー15bに設けられる。軸15aは、その軸方向が、カバー15bの開口方向(ホース3他端の開口方向)及び、接続管14の軸方向と直交するように配置される。
カバー15cは、軸15aを介してカバー15bに設けられる。カバー15cは、軸15aを中心に、所定の角度内を双方向に回転するように動く。カバー15cは、軸15aを中心に一方向に回転することにより、カバー15bの内部に収容される(図3参照)。かかる状態からカバー15cを他方向に回転させると、カバー15cは、カバー15bから突出し、カバー15bとともに円弧状を呈するように配置される(図2参照)。カバー15cとカバー15bとの間は、常に所定の気密性が確保される。
カバー15dは、軸15aを介してカバー15bに設けられる。カバー15dは、軸15aを中心に、所定の角度内を双方向に回転するように動く。カバー15dは、軸15aを中心に一方向に回転することにより、カバー15cの内部に収容される(図3参照)。かかる状態からカバー15dを他方向に回転させると、カバー15dは、カバー15cから外側に突出し、カバー15b及びカバー15cとともに円弧状を呈するように配置される(図2参照)。カバー15dとカバー15cとの間は、常に所定の気密性が確保される。
カバー15dは、所定の回転構造を介して接続管14の他端部に接続される。カバー15dは、接続管14の軸方向を中心に、接続管14に対して双方向に回転する。このため、ホース本体10は、可動部15に対してその周方向に回転する。これにより、ホース3のよじれを防止することができる。カバー15dと接続管14との間は、常に所定の気密性が確保される。
接続管14と可動部15との間に、電力供給線12及び制御信号13の電気的な結合を保つための手段(電気結合手段:図示せず)が備えられる。例えば、上記電気結合手段は、接続管14が可動部15に対してどのような位置に配置されても、常に接触状態を保持する。
ホース連通管4は、風路形成部17、指掛け部18、当て部19、表示操作部20、回路基板21、一対の電力供給線12(の一部)、一対の制御信号線13(の一部)、手元ブラシ22を備える。
風路形成部17は、中央部で折れ曲がった筒状部材からなる。ホース3は、可動部15のカバー15bが所定の回転構造を介して風路形成部17の一端部に接続されることにより、他端部がホース連通管4の一端部に接続される。可動接続部が介在しているため、ホース3は、ホース本体10が風路形成部17に対して所定の方向(軸15aに直交する方向)に屈曲するように、ホース連通管4に接続される。また、ホース3は、ホース本体10が風路形成部17の一端部に対してその周方向に回転自在となるように、ホース連通管4に接続される。
図2及び図3は、風路形成部17の一端部側を略水平に配置した状態を示している。かかる状態において、軸15aは、風路形成部17の一端部側と直交する方向に、水平に配置される。図3は、ホース3の他端部を、ホース連通管4の一端部側に対して一直線状に配置した状態を示している。図2は、図3に示す状態からホース本体10を軸15aを中心に下向きに(図3において時計回りに)90°回転させた状態を示している。
ホース連通管4に関する以下の説明においては、通常の使用状態を想定した図2及び図3に示す向きを基準に、上下を特定する。
風路形成部17は、内部に、への字状に屈曲する風路が形成される。この風路は、例えば、風路形成部17の中央部で、35°程度に屈曲される。風路形成部17には、風路が屈曲する部分(屈曲部分)の近傍の外(周)面に、把持部23が形成される。把持部23は、例えば、風路形成部17の屈曲部分から一端部側の所定位置に渡って形成される。把持部23は、使用者が掃除を行う際に掴む(握る)部分である。
なお、以下の各構成の説明においては、把持部23を握る使用者の手の位置を基準にして、吸込口体6側のことを先端側(例えば、吸込口体6側の端部のことを先端部)、その反対側のことを尾端側(例えば、反対側の端部のことを尾端部)ともいう。
風路形成部17のうち、一端部側の所定部分(第1風路形成部17a)には、その内部に、ホース3の中空部に通じる直線状の風路(第1風路)が形成される。風路形成部17のうち、他端部側の所定部分(第2風路形成部17b)には、その内部に、延長管5の中空部に通じる直線状の風路(第2風路)が形成される。風路形成部17のうち、第1風路形成部17aと第2風路形成部17bとの間に設けられた部分(第3風路形成部17c)には、上記第1風路と第2風路とを接続する風路(第3風路)が形成される。この第3風路により、第1風路と第2風路とが35°程度に屈曲した状態で接続される。把持部23は、例えば、第3風路形成部17cと第1風路形成部17aとに渡る所定の範囲に、一続きに形成される。
ホース連通管4には、使用者の握り位置が上記屈曲部分(例えば、第3風路形成部17c)に近接するように誘導するための機能が備えられる。
指掛け部18は、使用者が把持部23を握る際に、指(例えば、人差し指)を掛けるための突起である。使用者は、指掛け部18に人差し指を掛けて、把持部23を握る。指掛け部18の位置により、把持部23を握った時の使用者の人差し指の位置(特に、人差し指の風路形成部17の下側に配置される部分の位置)が決まる。指掛け部18は、使用者の握り位置が上記屈曲部分に近接するように、風路形成部17に設けられる。例えば、指掛け部18は、把持部23を握って指掛け部18に人差し指を掛けた時に、その指(の一部)が上記屈曲部分(例えば、第3風路形成部17c)の外面に対向するように、風路形成部17に設けられる。
指掛け部18は、風路形成部17の上記屈曲部分の下側外面から下方に突出するように、上記下向きの外面に凸状に形成される。例えば、指掛け部18は、第3風路形成部17c或いは第1風路形成部17aのみに、又は、第3風路形成部17cと第1風路形成部17aとに跨って形成される。なお、指掛け部18は、使用者の指を所定の位置に誘導することができる形状を呈していれば良い。例えば、指掛け部18を、上記下向きの外面に凹状に形成しても良い。
当て部19は、使用者が把持部23を握る際に、親指と人差し指との間の部分(親指の付け根部分)を当てるための突起である。使用者は、当て部19に親指の付け根部分を当てて、把持部23を握る。当て部19の位置により、把持部23を握った時の使用者の手の平の位置(特に、手の平のうち、親指の付け根部分に近接する部分の位置)が決まる。指掛け部18と当て部19とを備えることにより、使用者の握り位置を上記屈曲部分(例えば、第3風路形成部17c)に近接するように、適切に誘導することができる。
当て部19は、風路形成部17の上記屈曲部分の上側外面から上方に突出するように、上記上向きの外面に凸状に形成される。本実施の形態では、風路形成部17の上記屈曲部分に、表示操作部20を支持するための突起部24が設けられている。突起部24は、風路形成部17の上記屈曲部分の上面から上方に突出するように形成される。本実施の形態では、この突起部24のうち、風路形成部17の一端部側に配置された部分を利用して、上記当て部19を構成している。
図4は図3に示すA−A断面図である。図4では、使用者が把持部23を適切に握っている状態も併せて示している。図4は、風路形成部17の上記屈曲部分の近傍の断面である。図4に断面を示す部分は、把持部23を構成する。
風路形成部17のうち、把持部23を形成する部分(特に、上記屈曲部分に近接する部分)は、断面が、横幅(左右幅)より広い上下幅を有し、全体として楕円形状を呈する。その部分の風路断面も、同様の略楕円形状を呈する。風路形成部17に形成された風路は、断面が略楕円形状を呈する部分においても、断面が円形を呈する部分(例えば、風路形成部17の他端部側の風路)と同一の断面積を有するように構成される。
風路形成部17のうち、把持部23を形成する部分には、その下側に、断面の横幅が急激に狭くなる絞り部25が形成される。絞り部25では、風路断面も、その横幅が急激に狭くなる。絞り部25は、風路形成部17の長手方向に、所定の範囲に渡って形成される。
表示操作部20は、使用者が把持部23を握った状態で所定の操作を行うための操作部としての機能と、使用者に所定の情報を表示するための表示部としての機能とを備える。表示操作部20は、突起部24の上面に設けられる。
図5はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の表示操作部の一例を示す図である。図5に示す表示操作部20は、全体として円形状を呈する。表示操作部20は、操作部として、電源ボタン20a、強ボタン20b、弱ボタン20c、自動ボタン20d、手動ボタン20eを備える。表示操作部20は、表示部として、状態表示部20f乃至20hを備える。
電源ボタン20aは、電気掃除機1の電源を入り切りするためのボタンである。電源ボタン20aは、表示操作部20の中央に円形状に配置される。
強ボタン20b及び弱ボタン20cは、電動送風機7の出力を切り替える(調節する)ためのボタンである。強ボタン20b及び弱ボタン20cは、電源ボタン20aの上下に、円弧状に配置される。
自動ボタン20d及び手動ボタン20eは、電動送風機7の動作(制御)を所定の自動モードと手動モードとに切り替えるためのボタンである。自動モードが選択されると、例えば、ホース連通管4の動きを検知して、電動送風機7の出力制御が自動で行われる。自動ボタン20d及び手動ボタン20eは、電源ボタン20aの左右に、円弧状に配置される。符号20b乃至20eに示すボタンは、表示操作部20の一番外側の部分に配置され、全体としてリング状に配置される。また、符号20a乃至20eに示す各ボタンは、使用者が、把持部23を握った手の親指で操作する(押す)ことができるように配置される。
状態表示部20f乃至20hは、例えば、ランプとランプの光を透過させる部材とからなる。状態表示部20f乃至20hは、発光の有無により、電動送風機7の出力レベルを3段階に表示する。例えば、状態表示部20fは、電源ボタン20aの周囲にリング状に配置される。状態表示部20gは、状態表示部20fの周囲にリング状に配置される。状態表示部20hは、状態表示部20gの周囲にリング状に配置される。電動送風機7の出力レベルが弱の時、状態表示部20fのみが点灯する。電動送風機7の出力レベルが中の時、状態表示部20f及び20gのみが点灯する。電動送風機7の出力レベルが強の時、状態表示部20f、20g、20hの全てが点灯する。
回路基板21は、表示操作部20に関する制御を行う。回路基板21は、例えば、突起部24の内部に配置される。制御信号線13は、回路基板21に接続される。使用者が表示操作部20に対して所定の操作を行うと、制御信号が、回路基板21から制御信号線13を介して本体2(例えば、電動送風機7を制御する基板)に送信される。
電力供給線12は、風路形成部17の一端部から他端部に渡って配置される。また、電力供給線12は、回路基板21に接続される。
制御信号線13及び電力供給線12は、風路形成部17の上部に組み込まれ、回動部15に接続される。風路形成部17の一端部と可動部15(のカバー15b)との間には、電力供給線12及び制御信号13の電気的な結合を保つための端子(電気結合手段:図示せず)が備えられる。例えば、上記電気結合手段は、可動部15が風路形成部17に対してどのような位置に配置されても、常に接触状態を保持する。制御信号線13及び電力供給線12は、カバー15bから回動軸15aの内部を経由して、接続管14に延びる。
手元ブラシ22は、ホース連通管4に延長管5を接続しないで使用するためのブラシである。手元ブラシ22は、例えば、支持部22a、ブラシ体22b、軸22cを備える。
支持部22aは、断面U字状の板状の構造体からなる。支持部22aは、風路形成部17の他端部の外周よりも一回り大きな湾曲状を呈する。支持部22aは、風路形成部17の他端部に軸22cを介して設けられる。支持部22aは、軸22cを中心に、所定の角度内を双方向に回転するように動く。
ブラシ体22bは、支持部22aのU字状の端面から突出するように、支持部22aに植毛される。
図2及び図3は、手元ブラシ22を所定の収納位置に配置した状態を示している。手元ブラシ22が収納位置に配置されていれば、延長管5をホース連通管4の他端部に接続することができる。手元ブラシ22は、収納位置に配置されると、支持部22aが風路形成部17の他端部を下方から覆うように、風路形成部17の他端部に一体的に設けられる。
図6はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の延長管を示す断面図である。図7はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の延長管の要部を示す平面図である。図8はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の延長管の要部を示す斜視図である。図9乃至図11は、この発明の実施の形態1における電気掃除機の延長管の機能を説明するための図である。図12はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の延長管の先端部を示す斜視図である。図13はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の延長管の先端部を示す側面図である。図14はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の延長管の先端部の他の状態を示す斜視図である。
延長管5は、伸縮自在に、且つ、ホース連通管4に対して着脱自在に構成される。延長管5は、固定部26、可動部27を備える。固定部26は、固定管28、接続管29、カバー30により、外形の要部が構成される。可動部27は、可動管31、伝達部材32、カバー33により、外形の要部が構成される。
固定管28は、所定の長さ及び径を有する一直線状の筒状部材からなる。接続管29は、外径が固定管28の内径に一致する短い筒状部材からなる。接続管29は、一端部が固定管28の一端面から突出するように、固定管28の一端部に設けられる。延長管5(固定部26)は、接続管29が風路形成部17の他端部に挿入されて固定されることにより、一端部がホース連通管4の他端部に接続される。
延長管5(固定部26)のホース連通管4に対する接続向きは決まっている。カバー30は、図2及び図3に示す状態のホース連通管4に延長管5が接続された際に、固定管28の上向きの外面を覆うように、固定管28に設けられる。カバー30と固定管28との間には、固定管28の長手に沿って空間が形成される。
延長管5に関する以下の説明においては、カバー30が固定管28の上方に配置される向き(即ち、図6に示す向き)を基準に、上下を特定する。
可動管31は、内管34及び外管35から構成される。内管34は、固定管28の内径よりも小さな径を有する一直線状の筒状部材からなる。外管35は、固定管28と同じ径を有する短い筒状部材からなる。外管35は、内管34の他端部(先端部)に、内管34に対して一直線状に設けられる。
伝達部材32は、内管34の上方に配置される。カバー33は、外管35の上向きの外面を覆うように、外管35に設けられる。カバー33と外管35との間には、外管35の長手に沿って空間が形成される。
内管34は、その軸方向(長手方向)に移動自在となるように、固定管28に設けられる。例えば、内管34は、固定管28の他端面からの突出量が可変となるように、固定管28の中空部内に配置される。内管34の全長が固定管28の中空部内に配置されると、外管35が固定管28の他端面に接触する。この状態が、延長管5を最も短くした状態である。外管35は、常に固定管28の外側に、固定管28の中心軸の延長線上に配置される。
内管34を固定管28に対して移動させると、内管34の他端部側を固定管28の他端面から突出させることができる。延長管5の全体の長さは、内管34の固定管28からの突出量によって調整される。内管34全体を固定管28から抜き取ることはできない。内管34の一端部は、常に、固定管28の中空部内に配置される。
延長管5の他端部、即ち、可動部27の他端部(先端部)には、吸込口体6が接続される。吸込口体6は、外管35の先端部に着脱自在に設けられる。
上記構成を有する延長管5には、位置固定機能、固定解除機能、接続機能、接続解除機能が備えられる。
位置固定機能は、固定部26に対する可動部27の位置を固定する手段からなる。固定解除機能は、可動部27が固定部26に固定された状態を解除して、可動部27を固定部26に対して移動可能な状態するための手段からなる。固定解除機能によって可動部27の固定状態が解除されることにより、延長管5は、伸縮可能な状態になる。
接続機能は、可動部27の他端部に吸込口体6を固定し、吸込口体6を延長管5に接続する手段からなる。接続解除機能は、吸込口体6が可動部27の他端部に固定された状態を解除するための手段からなる。接続解除機能によって吸込口体6の接続状態が解除されることにより、吸込口体6が延長管5から取り外される(或いは、取り外し可能な状態になる)。
延長管5には、使用者が所定の操作を行うための第1操作部及び第2操作部が設けられる。第1操作部は、延長管5の一端部側の所定位置に配置される。第1操作部は、把持部23を持つ使用者に近い位置に配置される。第2操作部は、延長管5の他端部側の所定位置に配置される。第2操作部は、吸込口体6に近い位置に配置される。
例えば、吸込口体6に近い第2操作部に対して所定の操作(第3操作)が行われると、吸込口体6と延長管5との接続状態が解除される(接続解除機能)。使用者(ホース連通管4)に近い第1操作部に対して所定の操作(第2操作)が行われると、延長管5が伸縮可能な状態になる(固定解除機能)。また、第1操作部に対して上記操作(第2操作)とは異なる所定の操作(第1操作)が行われると、吸込口体6と延長管5との接続状態が解除される(接続解除機能)。
このような機能を実現するため、延長管5は、変換手段を備える。変換手段は、例えば、第1操作部と第2操作部との間に配置される。変換手段は、第1操作が行われた時の第1操作部の動きを、第3操作が行われた時の第2操作の動きに変換する。
以下に、上記各機能を実現するための具体的な構成について説明する。
可動部27の内管34には、上面に、複数の溝36が等間隔に形成される。溝36は、内管34の長手方向(軸方向)に直交する方向に溝方向を有し、上方に開口する。溝36は、内管34の一端部から他端部に渡る所定の範囲に配置される。固定部26の固定管28には、他端部の上面に、開口37が形成される。開口37は、溝36の直上部に配置される。固定管28の他端部に、軸38を介して嵌合部材39が設けられる。軸38は、開口37を横切るように配置される。このため、嵌合部材39は、少なくともその一部が開口37内に配置される。軸38は、その軸方向が、内管34の長手方向(軸方向)に直交する方向に配置される。嵌合部材39は、軸38を中心に、所定の角度内を双方向に回転するように動く。
嵌合部材39は、先端部が、溝36にちょうど嵌まる形状を呈している。嵌合部材39は、上面に、凸状を呈する突起40が形成される。
嵌合部材39が軸38を中心に所定の方向(図6においては、反時計回り)に回転すると、嵌合部材39の先端部が下方に変位し、先端部が、溝36に上方から嵌まる。嵌合部材39が溝36に嵌まると、内管34の固定管28に対する位置が定まる。即ち、可動部27の固定部26に対する位置が固定される。
この状態から、嵌合部材39が軸38を中心に反対方向(図6においては、時計回り)に回転すると、嵌合部材39の尾端部が下方に変位し、溝36に嵌まっていた嵌合部材39の先端部が、溝36から外れる。嵌合部材39の先端部が溝36から外れると、内管34は、固定管28に対してその軸方向に自由に動くことができる。即ち、可動部27の固定状態が解除され、延長管5は、伸縮可能な状態になる。
固定管28の他端部には、平板状のプレート41が設けられる。プレート41は、固定管28の他端部の上面を上方から覆うように配置される。嵌合部材39は、先端部が、プレート41の下方に配置される。プレート41は、所定のガイド(図示せず)を介して、固定管28の他端部の上面に取り付けられる。プレート41は、上記ガイドに案内されることにより、所定の範囲を、固定管28の長手方向(軸方向)に沿って移動する。
図7は、プレート41を上方から見た状態を示している。プレート41は、ばね42及び43により、所定の基準位置に配置される。プレート41は、上記基準位置からガイドに沿って固定管28の一端部側に変位すると、ばね42に押されて(又は/及び、ばね43に引っ張られて)、基準位置に戻るように力を受ける。プレート41は、上記基準位置からガイドに沿って固定管28の他端部側に変位すると、ばね43に押されて(又は/及び、ばね42に引っ張られて)、基準位置に戻るように力を受ける。
プレート41には、開口44及び45と、窪みからなる凹部46とが形成される。
一方の開口44は、嵌合部材39の尾端部の位置に対応して形成される。プレート41は、嵌合部材39の上方に、嵌合部材39に近接するように配置される。プレート41が上記基準位置に配置されると、プレート41の下面に、嵌合部材39の突起40が下方から接触する。このため、嵌合部材39は、先端部が上方に移動するような変位(回転)が阻止され、先端部が溝36に嵌まった状態に保持される。かかる状態において、嵌合部材39の尾端部(の少なくとも一部)は、開口44内に配置される。即ち、開口44は、嵌合部材39の先端部が溝36に嵌まった際に、嵌合部材39の尾端部がプレート41に接触しないように逃がすための機能を有する。
開口44を形成する縁部のうち、嵌合部材39に対して固定管28の他端部側に配置された縁部(以下、この縁部のことを「対向縁部44a」という)は、プレート41が基準位置に配置された際に、嵌合部材39の上面に、固定管28の他端部側から対向する。プレート41が基準位置から固定管28の一端部側に僅かに変位すると、対向縁部44aが、嵌合部材39の上面に接触する。かかる状態からプレート41が固定管28の一端部側に更に移動すると、嵌合部材39は、上面が対向縁部44aに押され、尾端部が下方に移動するように軸38を中心に回転する。
凹部46は、嵌合部材39の突起40を収容するための窪みである。凹部46は、突起40の位置に対応して、プレート41の下面に形成される。上述した通り、プレート41が基準位置に配置されると、プレート41の下面に突起40が接触し、嵌合部材39の回転は阻止される。プレート41が基準位置から固定管28の一端部側に変位すると、対向縁部44aが嵌合部材39の上面に接触した時に、凹部46が突起40の上方位置に達する。かかる状態からプレート41が更に固定管28の一端部側に移動すると、突起40が凹部46内に収容され、嵌合部材39の更なる変位(回転)が可能となる。尾端部が下方に移動するように嵌合部材39が回転することにより、嵌合部材39の先端部が上方に移動して、溝36から外れる。図9は、プレート41を固定管28の一端部側に移動させ、延長管5が伸縮可能になった状態を示している。
図9に示す状態でプレート41に外力が作用しなければ、プレート41は、ばね42又は/及び43により、基準位置に戻るように力を受ける。プレート41が、図9に示す状態から固定管28の他端部側に変位すると、突起40が凹部46に押され、嵌合部材39は、先端部が下方に移動するように軸38を中心に回転する。そして、嵌合部材39の先端部が溝36に嵌まり、プレート41が基準位置に戻る。
このように、プレート41の動き(プレート41の位置)により、嵌合部材39の先端部を溝36に嵌めたり、嵌合部材39の先端部を溝36から外したりする切り替えを行うことができる。
もう一つの開口45は、開口44よりも固定管28の一端部側に配置される。プレート41に、軸47を介してラチェット48が設けられる。軸47は、開口45を横切るように配置される。このため、ラチェット48は、少なくともその一部が開口45内に配置される。軸47は、その軸方向が、固定管28の長手方向(軸方向)に直交する方向(軸38と平行)に配置される。ラチェット48は、軸47を中心に、所定の角度内を双方向に回転するように動く。
ラチェット48は、先端側が長く尾端側が短い、側面視への字状を呈する。ラチェット48の先端部は、中央が窪み、両側が突出する凹状を呈する。この突出する両側の部分は、鋭角な一対の爪部49を構成する。
ラチェット48が軸47を中心に所定の方向(図6においては、時計回り)に回転すると、ラチェット48の先端部が上方に変位し、爪部49が、上方の歯状部50に噛み合う。
プレート41は、固定管28とカバー30との間に形成された空間内に配置される。同じ空間に、電線支持体51と伝達部材32とが配置される。電線支持体51及び伝達部材32は、プレート41の上方に配置される。電線支持体51は、内管34の上面に設けられる。電線支持体51は、長手が、内管34の長手方向(軸方向)に配置される。電線支持体51は、内管34に取り付けられているため、固定管28に対して内管34と同様に移動する。
伝達部材32は、所定のガイド(図示せず)を介して、電線支持体51の上面に設けられる。伝達部材32は、固定管28に対して内管34と同様に移動する。また、伝達部材32は、上記ガイドに案内されることにより、電線支持体51(内管34)に対し、所定の範囲を、内管34の長手方向(軸方向)に沿って移動する。伝達部材32は、ばね(図示せず)により、常に、一端部側に力を受けている。
伝達部材32は、例えば、両側部が下方に折り曲げられた、所定の長さを有する板状部材からなる。伝達部材32は、長手が、内管34の長手方向(軸方向)に配置される。伝達部材32は、内管34の上方において、内管34の一端部から他端部に渡って配置される。伝達部材32の他端部は、外管35の上方まで延びている。即ち、伝達部材32の他端部は、カバー33と外管35との間に形成された空間内に配置される。
伝達部材32の両側部は、その長手に渡って、のこぎりの歯のようにギザギザに形成される。即ち、このギザギザが、歯状部50である。ラチェット48は固定部26に備えられ、歯状部50は可動部27に備えられる。このため、ラチェット48が回転してその先端部が上方に移動すると、爪部49は、その時にラチェット48の直上部に存在する歯状部50の窪みに、下方から嵌まる(図8参照)。
ラチェット48は、ばね(図示せず)等により、先端部が下方に移動するように常に力を受けている。このため、図8に示す状態でラチェット48に外力が作用しなければ、ラチェット48が回転し、爪部49が歯状部50から外れる。ラチェット48の回転は、爪部49が歯状部50から外れる所定の位置で止まる。
可動管31の先端部(例えば、外管35)に、軸52を介してフック53が設けられる。軸52は、その軸方向が、外管35の軸方向に直交する方向に配置される。フック53の要部と軸52とは、カバー33と外管35との間に形成された空間内に配置される。
カバー33は、上面に、開口54が形成される。開口54は、フック53の先端部の位置に対応して形成される。フック53の先端部は、上部が、開口54を貫通し、カバー33の上面から上方に突出するように配置される。フック53は、先端部の上部がカバー33から突出するように、ばね55により、先端部が常に上向きの力を受けている。フック53の先端部のうち、カバー33の上面から突出する部分は、電気掃除機1の使用者が操作するためのボタン部56(第2操作部)を構成する。
外管35は、上面に、開口57が形成される。開口57は、フック53の尾端部の位置に対応して形成される。フック53がばね55の力のみを受け、ボタン部56が開口54から最も突出するように配置されると、フック53の尾端部は、最下部が、開口57を貫通し、外管35の内部空間に突出する(図6参照)。フック53の尾端部のうち、外管35の内部空間に突出する部分は、外管35(可動部27の他端部)に吸込口体6を固定し、吸込口体6を延長管5に接続するための固定部58を構成する。
図6に示す状態から、例えば、使用者がボタン部56を押すと、フック53は、先端部が下方に移動するように、軸52を中心に回転する。先端部が下方に移動するようにフック53が回転することにより、フック53の尾端部が上方に移動する。ボタン部56が所定位置まで押されると、フック53の尾端部は、外管35の内部に突出しなくなる。即ち、吸込口体6の延長管5に対する接続状態が解除される。図11は、吸込口体6と延長管5との接続が解除された状態、即ち、吸込口体6を延長管5から取り外すことができるようになった状態を示している。
使用者がボタン部56を放すと、フック53は、ばね55に押され、先端部が上方に移動するように、軸52を中心に回転する。フック53が元の状態に戻ると、フック53の固定部58が外管35の内部に突出し、ボタン部56が開口54から最も突出するように配置される。
可動管31の先端部には、中継部材59が設けられる。
中継部材59は、所定のガイド(図示せず)を介して、カバー33の下面に設けられる。中継部材59は、カバー33と外管35との間に形成された空間内に配置される。中継部材59は、上記ガイドに案内されることにより、外管35に対し、所定の範囲を、外管35の長手方向(軸方向)に沿って移動する。中継部材59は、ばね(図示せず)により、常に、一端部側に力を受けている。中継部材59は、ばね以外に外力が作用しなければ、所定の基準位置に配置される。
中継部材59は、例えば、所定の長さを有する板状部材からなる。中継部材59は、伝達部材32と一直線状に配置される。中継部材59の一端面は、カバー33と外管35との間に形成された空間内で、伝達部材32の他端面に対向する。例えば、伝達部材32の他端面に、凸部(図示せず)が形成される。中継部材59の一端面は、この凸部と極僅かな間隙を有して対向する。中継部材59の他端部は、フック53(例えば、ボタン部56)に対向する。
中継部材59が上記基準位置から他端部側に僅かに移動すると、他端面がボタン部56に接触する。かかる状態から中継部材59が他端部側に更に移動すると、フック53は、ボタン部56が中継部材59に押され、固定部58が上方に移動するように軸52を中心に回転する。中継部材59は、吸込口体6と延長管5との接続が解除されるまでフック53を押すことができるように、その可動範囲が設定される。
延長管5(固定部26)の一端部に、電気掃除機1の使用者が操作するためのレバー60(第1操作部)が設けられる。電気掃除機1の使用者は、延長管5を伸縮させたい時、及び、延長管5から吸込口体6を取り外したい時に、レバー60を操作する。即ち、レバー60に対して所定の操作(第2操作)が行われると、延長管5は、伸縮可能な状態になる。また、レバー60に対して他の所定の操作(第1操作)が行われると、吸込口体6は、延長管5から取り外し可能な状態になる。
レバー60は、例えば、側面視、凸状を呈する部材からなる。レバー60は、所定のガイド(図示せず)を介して、固定管28の上面に設けられる。カバー30は、一端部の上面に、長孔からなる開口61が形成される。レバー60は、中央の上方に突出する部分が、開口61を通過して、カバー30の上面から上方に突出するように配置される。レバー60の他の部分は、カバー30と固定管28との間に形成された空間内に配置される。レバー60は、上記ガイドに案内されることにより、固定管28に対し、所定の範囲を、固定管28の長手方向(軸方向)に沿って移動する。レバー60は、ばね(図示せず)によって力を受けており、このばね以外に外力が作用しなければ、所定の基準位置に配置される。
レバー60に、操作棒62の一端部が固定される。操作棒62は、例えば、直径1.5mm程度の所定の長さを有する金属棒からなる。操作棒62は、固定管28の長手方向(軸方向)に沿って配置される。操作棒62の他端部は、L字状を呈するように直角に曲げられる。操作棒62の他端部は、プレート41の開口45を上方から下方に貫通するように配置される。例えば、操作棒62の他端部は、開口45を形成する縁部のうち、ラチェット48に対して固定管28の一端部側に配置された縁部(以下、この縁部のことを「開口縁部45a」という)と、ラチェット48の尾端部との間に挿入される。
操作棒62は、所定のガイド(図示せず)に案内され、レバー60の動きに連動して、固定管28の長手方向(軸方向)に移動する。
以下に、レバー60に対して所定の操作が行われた時の動きについて、具体的に説明する。
上述したように、レバー60は、通常、所定の基準位置に配置される。図6は、レバー60が基準位置に配置された状態を示している。図6に示す状態では、プレート41は、基準位置に配置される。また、嵌合部材39は、先端部が溝36に嵌まっている。ラチェット48は、爪部49が歯状部50から外れている。フック53は、固定部58が外管35の内部に突出し、ボタン部56が開口54から最も突出するように配置される。
電気掃除機1の使用者は、延長管5を伸縮させたい時、レバー60を手前側に引き、レバー60を上記基準位置から固定管28の一端部側に移動させる。レバー60が固定管28の一端部側(図6においては、右側)に変位すると、操作棒62が、固定管28の一端部側に移動する。そして、操作棒62の他端部が開口45内を移動し、プレート41の開口縁部45aに接触する。かかる状態から操作棒62が一端部側に更に移動すると、プレート41が操作棒62の他端部に押され、プレート41全体が固定管28の一端部側に移動する。
上述したように、プレート41が固定管28の一端部側に移動することにより、嵌合部材39の先端部が溝36から外れる。図9は、かかる状態を示している。このように、使用者は、レバー60を延長管5の一端部側に引くことにより、延長管5を伸縮させることができる。使用者は、レバー60を引いた状態を保持しながら、可動部27を固定部26に対して移動させ、延長管5の全体の長さを調節する。
延長管5の長さが決まると、使用者は、レバー60を放す。これにより、プレート41がばね42に押されて基準位置に戻る。操作棒62は、プレート41が基準位置に戻る際に、その他端部がプレート41の開口縁部45aに押され、固定管28の他端部側に移動する。レバー60は、操作棒62に連動して固定管28の他端部側に移動し、基準位置に復帰する。
電気掃除機1の使用者は、延長管5から吸込口体6を取り外したい時、レバー60を反対側に押し、レバー60を上記基準位置から固定管28の他端部側に移動させる。レバー60が固定管28の他端部側(図6においては、左側)に変位すると、操作棒62が、固定管28の他端部側に移動する。そして、操作棒62の他端部が開口45内を移動し、ラチェット48の尾端部に接触する。かかる状態から操作棒62が他端部側に更に移動すると、ラチェット48の尾端部が操作棒62の他端部に押され、ラチェット48が、先端部が上方に移動するように軸47を中心に回転する。ラチェット48の尾端部は、ラチェット48を回転させるための力を受ける受動部として機能する。
レバー60を上記基準位置から固定管28の他端部側に所定距離移動させると、爪部49が歯状部50に下方から嵌まる。図10は、かかる状態を示している。爪部49が歯状部50に噛み合った状態で、レバー60を他端部側に更に移動させると、伝達部材32がラチェット48に押され、伝達部材32が、可動管31に対して他端部側に移動する。
伝達部材32が可動管31に対して一端部側に移動することにより、伝達部材32の他端面が、中継部材59の一端面に接触する。中継部材59が伝達部材32に押されて他端部側に移動することにより、フック53の固定部58が上方に移動し、外管35の内部に突出しない位置に配置される。図11は、かかる状態を示している。このように、使用者は、レバー60を延長管5の他端部側に押すことにより、吸込口体6を延長管5から取り外すことができる。
吸込口体6を延長管5から取り外すと、使用者は、レバー60を放す。これにより、プレート41がばね43に押されて基準位置に戻る。また、フック53がばね55に押されて、ボタン部56が上方に移動し、中継部材59及び伝達部材32が元の位置に復帰する。なお、レバー60が基準位置よりも他端部側に配置されている間は、プレート41の下面に、嵌合部材39の突起40が常に接触する。このため、嵌合部材39の先端部が溝36から外れることはなく、延長管5の長さは変化しない。
延長管5は、上記構成の他、先端部に、ガイド部63、延長管ブラシ64を備える。また、延長管5は、ホース連通管4からの電力を吸込口体6に供給するための手段を備える。
ガイド部63は、吸込口体6を延長管5の先端部に接続する際に、吸込口体6の差し込み方向を案内するためのものである。ガイド部63は、外管35の他端面から突出するように設けられる。ガイド部63は、外管35の下部がそのまま延びたような形状を呈している。即ち、ガイド部63は、円弧状を呈する板状部材からなる。ガイド部63の先端部(先端面)は、凹状に湾曲するように形成される。
図12に示すガイド部63は、一例を示したものである。吸込口体6の差し込み方向を案内することができれば、ガイド部63は、他の構成を有していても構わない。例えば、ガイド部63を、開口側にテーパ状に広がるつばによって構成し、延長管5の先端部の全周に設けても良い。
延長管ブラシ64は、延長管5に吸込口体6を接続しないで使用するためのブラシである。延長管ブラシ64は、外管35に、その軸方向に移動自在に設けられる。また、延長管ブラシ64は、外管35に対して着脱自在に構成される。
延長管ブラシ64は、例えば、支持体65、側面ブラシ66、下面ブラシ67を備える。支持体65は、断面がU字状を呈する板状の構造体からなる。支持体65は、外管35の側方と下方とを覆うように、外管35の外側に配置される。外管35の両側面には、その軸方向に沿ってガイド溝68が形成される。支持体65の両端部の内側面には、内側に突出する凸状のリブ69が形成される。支持体65は、リブ69の先端部分がガイド溝68に配置されることにより、外管35に、その軸方向に移動自在に設けられる。リブ69は、使用者が支持体65(延長管ブラシ64)を手で動かすことができる程度の強さで、ガイド溝68に嵌められる。
側面ブラシ66及び下面ブラシ67は、支持体65のU字状を呈する先端面から突出する。側面ブラシ66は、外管35の側方(両側)に配置される。側面ブラシ66は、毛の先端が下方を向くように、斜めに支持体65に植毛される。下面ブラシ67は、外管35の下方に配置される。下面ブラシ67は、毛の向きが外管35の軸方向と平行となるように、支持体65に植毛される。
図13は、延長管ブラシ64を所定の収納位置に配置した状態を示している。延長管ブラシ64を使用しない場合(例えば、吸込口体6を延長管5に接続する場合)、図13に示すように、延長管ブラシ64は、外管35に対して最も尾端側に配置される。図14は、延長管ブラシ64を所定の使用位置に配置した状態を示している。延長管ブラシ64を使用する場合、図14に示すように、延長管ブラシ64は、外管35に対して最も先端側に配置される。延長管ブラシ64は、使用位置に配置されると、側面ブラシ66及び下面ブラシ67が、外管35の先端面から突出する。
ガイド溝68は、例えば、両端部の深さが深く形成される。また、ガイド溝68の中央部は、リブ69が軽く接触する程度に浅く形成される。このため、延長管ブラシ64は、収納位置及び使用位置において、その位置から動かないように、ある程度の力で保持される。
支持体65の開口端が広がるように力を加えて支持体65を変形させることにより、延長管ブラシ64を外管35から取り外すことができる。
ホース連通管4からの電力を吸込口体6に供給するための手段として、延長管5に、雄型端子70、金属プレート71、雌型端子72、電力供給線73、上記電線支持体51、可動電極74が備えられる。
雄型端子70は、延長管5がホース連通管4に接続された際に、ホース連通管4の他端面の端子に接続される端子である。雄型端子70は、延長管5の一端部に設けられる。例えば、雄型端子70は、カバー30と固定管28との間に形成された空間を塞ぐ端面から突出するように配置される。金属プレート71は、固定管28の上面に設けられる。金属プレート71は、固定管28の一端部から他端部寄りの所定の位置まで、固定管28の長手方向(中心軸)に沿って一直線状に配置される。雄型端子70は、金属プレート71に電気的に接続される。
雌型端子72は、吸込口体6が延長管5に接続された際に、吸込口体6に設けられた端子(後述の雄型端子83)が接続される端子である。雌型端子72は、延長管5の他端部に設けられる。例えば、雌型端子72は、カバー33と外管35との間に形成された空間を塞ぐ端面に開口するように配置される。
電力供給線73は、雌型端子72に接続される。電力供給線73は、雌型端子72側から、カバー33及び外管35の間と電線支持体51の内部空間とを通過し、可動電極74に接続される。可動電極74は、電線支持体51の一端部の下面に一体的に設けられる。可動電極74は、金属プレート71の直上部に配置され、下面が金属プレート71に接触する。電線支持体51が固定管28に対して移動しても、可動電極74は、金属プレート71に接触した状態を常に保持する。このため、延長管5が伸縮しても、雄型端子70と雌型端子72とは、常に電気的に接続される。ホース連通管4から雄型端子70を介して延長管5に供給される電力は、雌型端子72を介して吸込口体6に供給される。
図15はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の吸込口体を示す斜視図である。
吸込口体6は、本体75、接続管76、連結管77を備える。
本体75は、箱状を呈し、下面に、床面上のごみ(塵埃)を空気と一緒に吸い込むための底面開口78が形成される。
本体75は、内部に、回転ブラシ79、電動機80、伝達ベルト81が設けられる。回転ブラシ79は、本体75に回転自在に設けられる。回転ブラシ79には、複数の毛ブラシ列が、例えば、螺旋状に植毛される。電動機80は、回転ブラシ79を回転させるための駆動力を発生させる。伝達ベルト81は、電動機80の駆動力を伝達して、回転ブラシ79を回転させる。伝達ベルト81は、例えば、電動機80の出力軸と、回転ブラシ79の回転軸とに巻き掛けられる。本体75は、後側の下部に、一対の車輪82が設けられる。車輪82が設けられているため、使用者は、吸込口体6を容易に前進及び後進させることができる。
接続管76は、延長管5の他端部に接続される部分からなる。接続管76は、全体として、円筒状を呈する。接続管76の一端部には、上部に、一対の雄型端子83が設けられる。雄型端子83は、延長管5の雌型端子72に接続される端子である。雄型端子83は、吸込口体6の内部配線(図示せず)により、電動機80に電気的に接続される。即ち、延長管5から吸込口体6に供給される電力は、雄型端子83を介して電動機80に供給される。
接続管76の一端部は、延長管5への接続時に、延長管5の外管35内に挿入される。接続管76の一端部は、上面に、受け部84が形成される。受け部84は、接続管76の一端部の上面に形成された凹部又は開口からなる。受け部84は、接続管76の一端部が外管35に挿入された際に、開口57に下方から対向する。即ち、接続管76の一端部が外管35に挿入されると、フック53の尾端部(固定部58)が、受け部84内に配置される。固定部58が受け部84に配置されると、固定部58が接続管76に引っ掛かり、吸込口体6が延長管5の他端部に固定される。
連結管77は、本体75と接続管76とを、直交する所定の2軸を介して回転可能に連結する。連結管77は、例えば、本体75寄りの上下回転部85と、接続管76寄りの軸回転部86とを備える。
上下回転部85は、本体75の後側中央部に、水平な所定の軸を介して接続される。上下回転部85は、上記水平軸を中心に所定の角度内を回転する。このため、上下回転部85の一端部は、本体75に対して上下方向に動く。
上下回転部85は、内部に、保持手段(例えば、弾性部材:図示せず)を備える。保持手段は、吸込口体6が延長管5から外され、本体75が床面に置かれた(底面開口78が下方に向けられた)際に、接続管76が斜め上方を向くように、接続管76の姿勢を保持する。保持手段は、例えば、接続管76の床面に対する角度が60°から80°の範囲内、望ましくは70°になるように、接続管76に対して所定の保持力を作用させる。
軸回転部86は、上下回転部85に、その周方向に回転自在に接続される。このため、接続管76は、上下回転部85に対して、その中心軸を中心に回転する。軸回転部86は、内部に、弾性部材(図示せず)を備える。弾性部材は、接続管76の本体75の前後方向中心軸に対する傾斜角度が片側15°の範囲内になるように、接続管76に対して所定の保持力を作用させる。
底面開口78から接続管76の一端部に通じる風路は、常に所定の気密性が確保される。
次に、図16乃至図18も参照し、上記構成を有する電気掃除機1を使用して掃除を行う時の動作について説明する。
図16及び図17はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の使用方法を説明するための図である。図16は、吸込口体6の底面開口78を床面に対向させた状態で、使用者が、ホース連通管4の把持部23を適切に掴んでいる状態を示している。図16の一点鎖線(直線B)は、延長管5の中心軸及びその延長線を示している。
本実施の形態における電気掃除機1では、把持部23が、ホース連通管4の屈曲部分の近傍(屈曲部分も含む)に形成される。このため、把持部23を握る使用者の手は、当然に、直線Bに近接する位置に配置される。
使用者が吸込口体6の向きを変える時の手の動作は、把持部23を握った手を捻って、延長管5の中心軸(上記直線B)周りに延長管5を回転させる動作である。使用者が、把持部23を握った手を捻ると、その力は、吸込口体6の連結管77の軸回転部86及び上下回転部85に伝達される。手を捻るために必要な力は、手の握り位置から直線Bまでの距離が短い程、小さくなる。電気掃除機1では、把持部23が、ホース連通管4の屈曲部分の近傍に形成されるため、吸込口体6の向きを容易に変えることができる。
電気掃除機1であれば、使用者の握り位置を、ホース連通管4の屈曲部分の近傍に適切に誘導することができる。例えば、ホース連通管4は、指掛け部18及び当て部19を備える。使用者が、親指の付け根部分を当て部19に当て、指掛け部18に人差し指を掛ければ、使用者の握り位置は、必然的に、ホース連通管4の屈曲部分の近傍に配置される。特に、当て部19を直線Bの極近傍(直線B上も含む)に配置することにより、使用者の手を、最適な握り位置に誘導することができる。
電気掃除機1では、風路形成部17のうち、把持部23を形成する部分(特に、上記屈曲部分に近接する部分)の断面が、横幅より上下幅の方が広い所定の形状を呈する。このため、使用者が把持部23を握ると、親指以外の四本の指のうち、親指の付け根部分から第二関節までの広い部分が、緩やかに湾曲した状態で把持部23に接触する。
例えば、使用者が、把持部23を左右に動かす場合を考える。使用者が掴む部分が真円形状の断面を有する場合、使用者の手に押し付けられる部分の面積は、極端に小さくなる。力を加えることができる面積が小さいため、使用者は、単位面積当たりの力を大きくする必要がある。使用者は、吸込口体6を左右に動かす際に、把持する部分を強く握って操作しなければならない。一方、本願の把持部23では、使用者の手に押し付けられる部分の面積が大きい。このため、使用者は、把持部23を強く握らなくても、簡単に把持部23を左右に動かすことができる。上記構成の把持部23を備えることにより、操作性を大幅に向上させることができる。
風路形成部17のうち、把持部23を形成する部分の下部に、絞り部25が形成される。使用者が把持部23を握ると、親指以外の四本の指は、第2関節から第1関節の間の部分が、絞り部25に下方から対向する。即ち、使用者は、上記四本の指の第2関節と第1関節とを深く曲げた状態で、把持部23をしっかりと掴むことができる。第2関節と第1関節とを深く曲げた際に形成されるU字状の空間に絞り部25を配置した状態で操作を行うことができるため、使用者は、手を左右に動かす動作や手を捻る動作を容易に行うことができる。
把持部23には、両側面に、絞り部25による窪みが形成される。このため、把持部23を握る手が右手であっても左手であっても、操作を容易に行うことができる。
図17は、使用者が、図16に示す状態から吸込口体6を右側に向けた状態を示している。
使用者は、掃除中、把持部23を握っている手を捻って延長管5をその周方向に回転させることにより、吸込口体6の向きを変えることができる。ホース3は、ホース連通管4の一端部に、可動接続部を介して接続される。このため、延長管5が横倒しの状態に傾けられても、ホース3は、ホース連通管4の一端部から鉛直下向きに配置される。使用者が把持部23を動かす際(例えば、使用者が手を捻る際)に、ホース3の張力がホース連通管4に作用し難く、使用者は、操作を容易に行うことができる。
図18はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の手元ブラシの使用方法を説明するための図である。手元ブラシ22を使用する場合、先ず、ホース連通管4から延長管5を取り外す。図2(又は、図3)は、延長管5を取り外した直後のホース連通管4の状態を示している。次に、支持部22aを、軸22cを中心に所定の方向(図2及び図3に示す状態では、時計回り)に回転させる。これにより、ブラシ体22bが風路形成部17の他端から突出するように、手元ブラシ22を所定の使用位置に配置することができる。
使用者は、吸込口体6が入らない狭いスペースや高い場所の清掃を行う場合、手元ブラシ22を図18に示す使用位置で固定し、ブラシ体22bを被掃除面に当てて清掃を行う。手元ブラシ22と把持部23との距離が短く、且つ、把持部23が縦長の楕円形状の断面を有するため、使用者が加える力を、手から手元ブラシ22に容易に伝達させることができる。使用者は、ブラシ体22bを被掃除面に強く押し当てたり、ブラシ体22bで被掃除面を擦ったりするといった動作を、容易に行うことができる。
上記構成の電気掃除機1であれば、延長管5の伸縮や吸込口体6の着脱を容易に行うことができる。
延長管5を伸縮させる場合、使用者は、例えば、把持部23を掴み、吸込口体6を足で押さえ、延長管5のレバー60を手前側(ホース連通管4側)に引く。これにより、嵌合部材39の先端部が溝36から外れて可動部27の固定状態が解除され、延長管5は、伸縮可能な状態になる。
延長管5を伸ばしたい場合、使用者は、レバー60を手前側に引いた後、ホース連通管4ごと延長管5の固定部26を引き上げる。その後、使用者は、延長管5の長さを所望の状態に調節した状態でレバー60を放し、可動部27を固定部26に固定する。
延長管5を縮めたい場合、使用者は、レバー60を手前側に引いた後、ホース連通管4ごと延長管5の固定部26を吸込口体6側に押し込む。その後、使用者は、延長管5の長さを所望の状態に調節した状態でレバー60を放し、可動部27を固定部26に固定する。
吸込口体6が入らない場所(例えば、家具の隙間等、狭く奥行きのある場所)のごみを吸引する場合、使用者は、吸込口体6を延長管5から取り外して掃除を行う。延長管5から吸込口体6を取り外す場合、使用者は、例えば、吸込口体6を足で押さえ、延長管5のレバー60を自分から離れる方向(吸込口体6側)に押す。これにより、フック53の固定部58が吸込口体6の受け部84から外れて吸込口体6の固定状態が解除され、吸込口体6は、延長管5から取り外し可能な状態になる。
使用者は、レバー60を吸込口体6側に移動させた後、ホース連通管4を延長管5の軸方向に引き上げ、吸込口体6の接続管76を延長管5の外管35から抜く。使用者は、腰をかがめることなく、延長管5から吸込口体6を分離することができる。
延長管5がどのような長さに設定されていても、レバー60が吸込口体6側に押されると、ラチェット48の爪部49が伝達部材32の歯状部50に噛み合う。このため、延長管5の長さに関わらず、延長管5から吸込口体6を分離することができる。
延長管5の先端部から吸込口体6を取り外すことにより、延長管ブラシ64を使用して清掃を行うことができる。清掃管ブラシ64を使用する場合は、延長管5から吸込口体6を取り外した後、支持体65を延長管5の先端側に押し出すように延長管ブラシ64を移動させれば良い。延長管ブラシ64は、側面ブラシ66及び下面ブラシ67が延長管5の先端面から突出した所定の使用位置で保持される。
吸込口体6を延長管5から取り外すと、吸込口体6が取り付けられていた時とは異なり、手を捻じる操作だけでは、ごみの吸い取り位置(吸込口体6を取り外した場合は、延長管5の先端)を被清掃面に宛がうことはできない。延長管5の先端を被清掃面に適切に向けるためには、把持部23から適当な力を加えて、延長管5を移動させなければならない。電気掃除機1では、把持部23が略楕円形状の断面を有するために力が伝わり易く、吸込口体6を延長管5から取り外した状態でも楽に清掃を行うことができる。
延長管5から取り外された吸込口体6は、上下回転部85及び軸回転部86の各弾性部材により、接続管76が、斜め上方を向いた状態(例えば、約70°の角度)で保持される。使用者は、延長管5の先端部に吸込口体6を取り付けるために、腰をかがめて操作する必要がない。使用者は、把持部23を持って延長管5の先端部を接続管76に押し込めば、吸込口体6を延長管5に取り付けることができる。延長管5の先端部にガイド部63が設けられているため、吸込口体6の接続時に、接続管76を適切な位置に容易に導くことができる。
上述したように、レバー60に対する操作によって吸込口体6を延長管5から取り外すことができる。このため、吸込口体6の取り外し専用のボタンであるボタン部56は、備えられていなくても構わない。また、電気掃除機1の意匠性を向上させるため、ボタン部56を、カバー33から突出しないように(例えば、面一に)配置しても良い。ボタン部56がカバー33から突出していなければ、延長管5の上面側に、延長管ブラシ64を配置することもできる。
図19はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の他の構成例を示す斜視図である。図20は図19に示す電気掃除機の使用方法を説明するための図である。
図19及び図20に示す電気掃除機1には、ホース連通管4に、固定部87及びヒンジ部88を介して、腕支持部89が設けられる。その他の構成は、図1乃至図18に示す構成と同様である。
腕支持部89は、把持部23を握った方の使用者の腕を、下方から支持するためのものである。腕支持部89は、固定部87及びヒンジ部88を介して、風路形成部17に設けられる。腕支持部89は、例えば、把持部23よりも風路形成部17の一端部側に配置される。腕支持部89は、風路形成部17に対して折り畳み自在に設けられる。腕支持部89は、風路形成部17に対して着脱自在に設けられていても良い。
固定部87は、風路形成部17の一端部の上面に固着された部材からなる。ヒンジ部88は、固定部87の上部に設けられる。ヒンジ部88は、その軸が、風路形成部17の一端部側の風路(第3風路形成部17cに形成された風路)に直交するように配置される。また、ヒンジ部88の軸は、風路形成部17の一端部側の風路が水平に配置された際に、同様に水平に配置される。
腕支持部89は、ヒンジ部88に設けられる、腕支持部89は、ヒンジ部88の軸を中心に、所定の角度内を双方向に回転するように動く。腕支持部89は、所定の支持位置及び収納位置において、固定できるように構成される。
図20では、支持位置に配置した腕支持部89を実線で、収納位置に配置した腕支持部89を破線で示している。上記支持位置は、使用者の腕を下方から支持する時の腕支持部89の位置である。腕支持部89が支持位置で固定されると、腕支持部89は、風路形成部17の上面から、把持部23を掴んだ使用者の手の後方で斜めに突出するように配置される。上記収納位置は、使用しない時に配置される腕支持部89の位置である。腕支持部89が収納位置で固定されると、腕支持部89は、例えば、風路形成部17の一端部側に平行に配置される。掃除の際に腕支持部89が邪魔になる場合は、腕支持部89を折り畳んで収納位置に配置すれば、操作性を向上させることができる。
図20に示すように吸込口体6を持ち上げる場合、使用者は、把持部23を握った後、その握った腕のうち、手首と肘との間の部分(手首に近接する部分)を、腕支持部89の支持面89aに当てる。かかる状態であれば、使用者は、腕支持部89を支点にして把持部23を上方に移動させることにより、吸込口体6を容易に持ち上げることができる。把持部23に力を加える位置が下側だけで済むため、使用者は、把持部23を強く握る必要がない。腕支持部89を備えることにより、使用者は、把持部23を強く握らなくても吸込口体6を持ち上げることができ、操作性を大幅に向上させることができる。
支持面89aは、使用者の腕に対向し、接触する面である。腕支持部89が支持位置に配置されると、支持面89aは、把持部23の上方側、即ち、斜め上方を向く。腕支持部89は、例えば、横幅よりも上下幅が大きい、湾曲する板状部材からなる。支持面89aは、横幅よりも上下幅が大きく、且つ、その断面が楕円の円弧状を呈するように、凹状に湾曲する。操作性を更に向上させるため、腕支持部89の支持面89aに、湾曲部を設けたり、軟質部材を設けたりしても良い。
実施の形態2.
図21はこの発明の実施の形態2における電気掃除機の要部を示す側面図である。図22はこの発明の実施の形態2における電気掃除機の使用方法を説明するための図である。
本実施の形態における電気掃除機1は、ホース連通管4に、把持部90(第2把持部)が形成される。また、把持部23(第1把持部)に、滑り止め部材23aが設けられる。把持部90には、滑り止め部材90aが設けられる。その他の構成は、図1乃至図18に示す構成、或いは、図19及び図20に示す構成と同じである。
把持部90は、使用者が掃除を行う際に掴む(握る)部分である。把持部90は、風路形成部17の屈曲部分から他端部側の所定位置に渡り、風路形成部17の外(周)面に形成される。例えば、把持部90は、第2風路形成部17bの外(周)面に形成される。
滑り止め部材23aは、風路形成部17の外面を覆うように配置された軟質部材からなる。滑り止め部材23aは、例えば、風路形成部17の把持部23を形成する部分の外面に一体的に成形される。滑り止め部材23aが備えられているため、清掃時に手が滑ることはなく、使用者は、力をうまく伝えることができる。滑り止め部材23aは、風路形成部17よりも硬度の低い材料からなる。また、滑り止め部材23aを備えることにより、使用者に握り位置を認識させる効果も得られる。
滑り止め部材90aは、滑り止め部材23aと同様の機能を有する。即ち、滑り止め部材90aは、風路形成部17の外面を覆うように配置された軟質部材からなる。滑り止め部材90aは、例えば、風路形成部17の把持部90を形成する部分の外面に一体的に成形される。滑り止め部材90aは、風路形成部17よりも硬度の低い材料からなる。
例えば、ベッドの下を清掃する場合等、清掃時に、延長管5を水平に近い状態で使用する場合がある。滑り止め部材90aが備えられていれば、このような場合に、使用者に、ホース連通管4の他端部側(把持部90)を掴むように誘導することができる。図22は、使用者が把持部90を掴んで掃除を行っている状態を示している。
使用者は、ホース連通管4の他端部側を掴む部分として認識していないと、延長管5を寝かせた状態で使用する場合も、把持部23を掴んだまま、無理な体勢で操作しようとする。かかる状態では、力が入り難く、吸込口体6を動かす際に使用者にかなりの負担が掛かる。一方、把持部90を掴む場合、使用者は、腕を鉛直方向に下ろした体勢で操作することができる。このため、力が入り易く、少ない負担で、吸込口体6を前後左右に動かすことができる。
滑り止め部材23a及び90aは、上記機能を有することができれば、如何なる構成を有していても構わない。例えば、樹脂によって構成される風路形成部17の外面に、複数の突起や複数の窪みを形成し、滑り止め部材23a及び90aとして機能させても良い。
実施の形態3.
図23はこの発明の実施の形態3における電気掃除機の表示操作部を示す図である。
本実施の形態における電気掃除機1では、表示操作部20以外の構成は、実施の形態1及び2で開示した構成と同様である。
本実施の形態における表示操作部20は、液晶表示ボタン91、ジョグダイヤル92を備える。
液晶表示ボタン91は、電気掃除機1の電源を入り切りするためスイッチボタンの表面に、文字やイメージを表示する液晶を備えた構成を有する。液晶表示ボタン91は、表面に、透明な樹脂カバー(図示せず)を備える。液晶表示ボタン91は、表示操作部20の中央に円形状に配置される。
ジョグダイヤル92は、電動送風機7の出力を切り替える(調節する)ためのものである。ジョグダイヤル92は、リング状を呈する。ジョグダイヤル92は、液晶表示ボタン91の周囲を取り囲むように、表示操作部20の一番外側の部分に配置される。ジョグダイヤル92は、液晶表示ボタン91の周囲を回るように、双方向に回転自在に設けられる。
ジョグダイヤル92は、使用者が、把持部23を握った手の親指で操作する(押す)ことができるように配置される。ジョグダイヤル92は、所定以上の力が加えられると回転し、一定間隔毎に、停止位置が安定するように構成される。例えば、所定の停止位置に配置されているジョグダイヤル92が所定の方向(図23に示す例では、時計回り)に回転して次の停止位置に配置されると、電動送風機7の出力レベルが一段階上がる。所定の停止位置に配置されているジョグダイヤル92が反対方向(図23に示す例では、反時計回り)に回転して次の停止位置に配置されると、電動送風機7の出力レベルが一段階下がる。
電動送風機7の現在の出力レベルは、液晶表示ボタン91の中央部に、出力レベルイメージ93aとして表示される。図23に示す例では、出力レベルイメージ93aとして、矩形を呈する5つの領域を液晶表示ボタン91に表示している。即ち、この5つの領域の色を変化させることにより、電動送風機7の出力レベルを5段階に表示する。例えば、液晶表示ボタン91が押されると、液晶に出力レベルイメージ93aが表示される。そして、ジョグダイヤル92の位置(即ち、電動送風機7の現在の出力レベル)に合わせて、各領域の色が適切に変更される。
液晶表示ボタン91及びジョグダイヤル92を採用することにより、2つの主要部品によって表示操作部20を構成することができ、操作性を向上させることができる。また、使用者は、電動送風機7の現在の出力レベルを容易に認識することができる。
電動送風機7の出力レベル(出力レベルイメージ)は、他の方法によって表現しても良い。例えば、複数種類のイメージを用いて、電動送風機7の出力レベルを表しても良い。図24はこの発明の実施の形態3における電気掃除機の表示操作部の他の例を示す図である。図24に示す表示操作部20も、液晶表示ボタン91、ジョグダイヤル92を備えている。
電動送風機7の現在の出力レベルは、液晶表示ボタン91の中央部に、出力レベルイメージ93bとして表示される。図24に示す例では、出力レベルイメージ93bとして、人の顔の表情に見立てた図柄を液晶表示ボタン91に表示している。即ち、顔の表情を変化させることにより、電動送風機7の出力レベルを3段階に表示する。例えば、液晶表示ボタン91が押されると、液晶に出力レベルイメージ93bが表示される。そして、ジョグダイヤル92の位置(即ち、電動送風機7の現在の出力レベル)に合わせて、顔の表情が適切に変更される。
図24(a)は、電動送風機7の出力が中レベルの時の出力レベルイメージ93bを示している。かかる場合、例えば、黄色の背景に、普通の表情が表示される。図24(a)に示す状態から、ジョグダイヤル92が反時計回りに回されると、電動送風機7の出力レベルが一段階下がる。図24(b)は、電動送風機7の出力が弱レベルの時の出力レベルイメージ93bを示している。かかる場合、例えば、黄緑色の背景に、穏やかな表情が表示される。図24(a)に示す状態から、ジョグダイヤル92が時計回りに回されると、電動送風機7の出力レベルが一段階上がる。図24(c)は、電動送風機7の出力が強レベルの時の出力レベルイメージ93bを示している。かかる場合、例えば、赤色の背景に、必死な表情が表示される。
電動送風機7の出力レベルの表示は、図23に示すもののように、数字や長さ、個数等によって実施しても良い。また、図24に示すもののように、印象的なイメージや色によって実施しても良い。図24に示すものでは、使用者に、直感的に現在の状態を認識させることができる。