以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明における前後の方向は、掃除機本体2を基準として掃除機本体2が吸引する空気の上流側を前側とし、下流側を後側とする。また、本実施形態に係る電気掃除機1を構成する手元操作管4における前後上下方向は、図2に示す状態で左が前側(上流側)、右が後側(下流側)を表しており、図2に示す状態で上を上側、下を下側とする。
図1に示すように、本実施形態の電気掃除機1は、掃除機本体2と、ホース3と、手元操作管4と、延長管5と、吸口6とを備えて構成されている。
掃除機本体2は、吸引力を発生させる電動送風機(図示せず)や、この電動送風機の吸引力で集塵した塵埃を収容する集塵部等(図示せず)を内部に備えている。被掃除面(床面など)に堆積している塵埃を吸引するときは、吸口6から塵埃を吸引し、延長管5を介して手元操作管4の内部を塵埃が通り、ホース3を経て掃除機本体2に集塵される。
ホース3は、表面が蛇腹状に形成された可撓性を有するものであり、上流側の端部が手元操作管4に回転可能に接続され、下流側の端部が掃除機本体2に着脱自在に接続されている。
延長管5は、外管5aと内管5bとが連結して構成され、使用者が使いやすいように長さが自在に調整できる伸縮構造となっている。また、延長管5は、伸縮する際の外管5aと内管5bとの間での係合状態を解除するロック解除ボタン5cを有している。
吸口6は、例えば、被掃除面(床面など)と接触する回転式のブラシ(不図示)を収容するケース6a、このケース6aと回動自在に連結され、延長管5と着脱可能に接続される管部6bなどで構成されている。なお、管部6bは、被掃除面と平行になる角度まで回動可能となるようにケース6aに連結されている。
図2に示すように、手元操作管4は、延長管5(図1参照)と接続される接続部4aと、使用者が手で握るグリップ部44を有するハンドル45とを有している。使用者は、例えば、図示されているように、グリップ部44を手で握った状態で掃除を行う。また、ハンドル45は、側面視において略三角形状(サーベル形状)の閉塞領域Rを有するように構成されている。なお、本実施形態では、閉塞領域Rを構成するハンドル45の部位において、ホース3の軸方向に対して直交する方向に最も離れた部位(最も高い位置)が頂点部T(略頂点部分)に相当する。また、頂点部Tは、指で握って操作する部分であるため、点ではなく前後方向に幅を持って構成することが好ましい。
また、ハンドル45には、閉塞領域R内に突出する可動トリガ49が設けられ、可動トリガ49は、閉塞領域Rの内側の頂点部Tよりも前方に設けられている。この可動トリガ49は、略前後方向にスライド可能にハンドル45に支持されており、使用者がグリップ部44を握った状態において、人さし指を引っ掛けて可動トリガ49を後方に引くことにより、所定動作として前記ロック解除ボタン5c(図1参照)の係合状態が解除されるようになっている。例えば、使用者は吸口6を足で抑えながら、可動トリガ49を操作することにより、延長管5を伸縮させることができる。よって、使用者は、延長管5(図1参照)を持ち上げるなどして、ロック解除ボタン5c(図1参照)を操作する必要がない。なお、可動トリガ49から指を離すことにより、可動トリガ49は初期状態に復帰する。
なお、可動トリガ49の操作による所定動作としては、ロック解除ボタン5cの解除動作に限定されるものではなく、延長管5と吸口6とのロック解除であってもよく、または手元操作管4と延長管5とのロック解除であってもよく、種々変更することができる。
図3に示すように、手元操作管4の上面には、グリップ部44の前方に手元操作スイッチ46が設けられている。この手元操作スイッチ46は、運転の開始/停止、吸引力の調整などの複数のボタンで構成されている。また、手元操作管4の上面には、手元操作スイッチ46の前方に延長管5(図1参照)を着脱するための着脱ボタン47が設けられている。
また、手元操作管4は、電気掃除機1を収納するときに延長管5と手元操作管4とを取り外した際に延長管5の先端や様々な部分に引っ掛けられる収納フック48を備えている。
また、手元操作管4は、後記する回転管51および回転管51を覆うホースカバー52を介してホース3と接続され、ホース3、回転管51およびホースカバー52が手元操作管4に対して回転可能に接続されている。なお、この部分の詳細な構造については後記する。このように、回転管51が手元操作管4に回転可能に接続されているので、ホース3が捩じれたとしても回転管51が回転して、ホース3の捩じれを防止することができる。
図4に示すように、手元操作管4は、操作管本体41と上面カバー42と下面カバー43とを備え、手元操作スイッチ46用のスイッチ基板46aなどを内包している。このスイッチ基板46aは、手元操作スイッチ46の押圧操作を検出する複数のタクトスイッチなどを備えている。なお、図4において、手元操作管4内の構造についてはねじ止め用の部材を除いて図示省略している。
また、手元操作管4は、延長管5を着脱するための着脱ボタン47の第1ロック解除機構、可動トリガ49の第2ロック解除機構などを内包している。
第1ロック解除機構は、軸47aを有する支持部47bを備え、支持部47bの一方に上面カバー42の貫通孔42sから突出するように操作部47cが形成され、他方に延長管5(図1参照)と係合する係合部47dが形成されて構成されている。操作部47cが押圧操作されると、軸47aを支点として支持部47bがシーソー動作して係合部47dが持ち上がり、延長管5の被係合部(不図示)との係合状態(ロック)が解除される。また、操作部47cから手(指)を放すと、支持部47bが図示しないばね部材の弾性力によって初期状態に復帰する。
第2ロック解除機構は、使用者の指が触れる操作部49aに連結される第1ロッド49b、この第1ロッド49bと連結されるリンク部材49c、このリンク部材49cと連結される第2ロッド49dなどで構成されている。なお、第2ロッド49dは、延長管5側のロッド(図示しない)を介してロック解除ボタン5c(図1参照)に連結されている。操作部49aが操作されると、第1ロッド49bを介してリンク部材49cが動作し、第2ロッド49dが前後方向に可動することにより、ロック解除ボタン5cが解除される。なお、操作部49aから指を放すことにより、図示しないばね部材の弾性力によって初期状態(ロック状態)に復帰する。
操作管本体41は、延長管5(図1参照)と回転管51(ホース3)とを連通させる流路M1(図7参照)を有する筒状部41aと、この筒状部41aと一体に成形され、前記ハンドル45を構成する本体部41bとを備えている。
本体部41bは、その前部が筒状部41aの上部に位置し、ホース3が接続される側に(後方に)延びるように構成されている。また、本体部41bは、筒状部41aの後端41a1よりも後方にハンドル45の閉塞領域Rが位置するように構成されている。
すなわち、本体部41bは、筒状部41aの前端41a2から後方に向けて筒状部41a(ホース3)から離れる方向に傾斜する第1傾斜部41b1と、ホース3に近づく方向に傾斜する第2傾斜部41b2と、第1傾斜部41b1と第2傾斜部41b2とを接続する水平部41b3と、が一体に形成され、閉空間(閉塞領域R)を構成している。第1傾斜部41b1および第2傾斜部41b2は、内方に向けて断面視略凸状に形成され(図8参照)、水平部41b3は、略板状に形成されている。
また、水平部41b3は、筒状部41aの流路M1(図7参照)、回転管51およびホース3に対して平行に形成されている。また、水平部41b3は、ホース3の外周の上方近傍において前後方向(水平)に延びて形成されている(図2参照)。
また、本体部41bの後端部41sは、水平部41b3が後方に向けて上方に湾曲した形状を呈している。よって、本体部41bの後端部41sは、水平部41b3よりも上下方向(鉛直方向)において上方に位置している。
また、本体部41bには、第1傾斜部41b1と第2傾斜部41b2との境界部(頂点部T)にねじボス41cが上向きに突出して形成されている。また、本体部41b内には、ねじボス41d(図7参照)およびねじ挿通孔41e(図7および図9参照)が形成されている。
上面カバー42は、略弓形に形成され、操作管本体41の前端から後端までの全体を覆うように形成され、手元操作管4の上面全体を構成している。すなわち、上面カバー42は、本体部41bの第1傾斜部41b1に沿う第1傾斜面42aと、第2傾斜部41b2に沿って形成される第2傾斜面42b(傾斜面)と、を有している。また、第1傾斜面42aおよび第2傾斜面42bは、上方に向けて断面視略凸状に形成されている(図8参照)。
このように、上面カバー42を手元操作管4の全長L1(図4参照)に渡って構成しているので、手元操作管4全体を上方から見たときに、上面カバー42が途中で途切れることがなく、上面カバー42を着色したり、メタリック入りの樹脂を用いたりして塗装を施すことによって意匠性を向上できる。
また、上面カバー42には、第1傾斜面42aと第2傾斜面42bとの境界の頂点部Tにおいて、ねじボス41cに対応する位置においてねじ止め用のねじ60aが挿入されるねじ取付穴42c、第1傾斜面42aにねじ止め用のねじ60bが挿入されるねじ取付穴42d、がそれぞれ形成されている。ねじ取付穴42c,42d内には、ねじ60a,60bが挿通されるねじ挿通孔42c1,42d1(図7参照)が形成されている。また、上面カバー42の内側の後端部には、ねじボス42eが下向きに突出して形成されている。
下面カバー43は、本体部41bの水平部41b3とともに閉塞領域Rの一部を構成するものであり、水平部41b3の下面側に重ねて配置され、ホース3およびホースカバー52と対向するように構成されている。
また、下面カバー43は、前後方向(水平方向)に直線状に延びる水平板部43aと、この水平板部43aの後端部においてホース3から離れる方向(上向き)に湾曲する湾曲部43bと、が連続して一体に形成されている。水平板部43aには、ホースカバー52に対向する面に向けて突出する凸部43cが下向きに形成されている。湾曲部43bの内側には、円筒状のねじ挿通部43dが上向きに突出して形成されている。
図4に示すように、回転管51は、略円筒形状を呈し、内部に軸方向に沿って直線状の流路が形成されている。また、回転管51は、軸方向の前側に一対の環状の突起部51a,51aが軸方向に間隔を置いて形成され、軸方向の略中央部に一対の環状の鍔部51b,51bが軸方向に間隔を置いて形成されている。
ホースカバー52は、回転管51とホース3とが接続された接合部外周を覆うものであり(図7参照)、略半円筒形状の一対の覆い部52a,52aを有し、覆い部52a,52aが円筒状に組み合わせられるように構成されている。また、覆い部52aの前端の内側縁部には、凹状の溝部52a1が周方向に沿って形成されている。鍔部51b,51bによって形成された溝と、溝部52a1とが嵌合することにより、ホースカバー52が回転管51に組み付けられる。なお、覆い部52a,52a同士の組付け手段としては、例えば、互いに係合可能な係合部(不図示)によって構成できる。これにより、外部に係合部が露出しない構成が可能になるので、意匠性を向上できる。なお、係合部に限定されず、ネジ止め、接着、融着など各種の方法を採用してもよい。
図5に示すように、下面カバー43に形成された凸部43cは、水平板部43aの前端から前後方向の略中央部にかけて下向きに凸条に形成されている。なお、この凸部43cは、前端からホースカバー52の後端部52a2に対向する位置まで延びている(図7参照)。本実施形態では、ホースカバー52の後端部52a2が下面カバー43の凸部43cに当接する構造となっている。なお、図5および図6では、説明の便宜上若干離した状態で図示している。
図6に示すように、凸部43cのホースカバー52に対向する表面43c2は、ホースカバー52の外周面52sの円弧形状に沿うように円弧状に形成されている。なお、表面43c2の曲率と外周面52sの曲率は同じに設定され、表面43c2と外周面52sとが面で当接するように構成されている。
ところで、使用者が万が一、手元操作管4のグリップ部44から手が離れて手元操作管4が床面に落下した場合、その落下による衝撃でホースカバー52の付け根(溝部52a1側)が必要以上に変形して、ホースカバー52が破損するおそれがある。しかし、本実施形態では、手元操作管4が床面に落下したときの衝撃でホースカバー52が付け根を支点としてハンドル45側(上向き)に変形しようとしても、ホースカバー52の後端部52a2(外周面52s)が下面カバー43の凸部43cに当接するので、ホースカバー52の変形は最小限に抑えられ、ホースカバー52が破損するのを防止できる。よって、ホースカバー52の変形を防止するために強度の高い部材でホースカバー52を構成する必要がない。また、下面カバー43の凸部43cと、この凸部43cに対向するホースカバー52の外周面52s(図6参照)とはそれぞれ円弧状に形成され、互いに円弧形状部分で当接するように構成されているので、落下の衝撃によってホースカバー52に作用した力が凸部43cに加えられたとしても、面で当接させることで力を分散させることができるので、凸部43cやホースカバー52が破損するのを防止できる。
また、図6に示すように、下面カバー43の水平板部43aは、水平部41b3にスライド可能に挿入されて取り付けられている。すなわち、操作管本体41(本体部41b)の水平部41b3は、幅方向の両端部が下向き且つ内側に折り返されて、断面視略C字状に形成されている。そして、水平部41b3に下面カバー43が水平部41b3の後部から挿入され、水平部41b3内の両端部に形成された凹部41f,41f内に、水平板部43aの両端部43a1,43a1が当接した状態でスライド可能に挿入される。これにより、水平部41b3と下面カバー43とで閉空間R1を構成することにより、操作管本体41(手元操作管4)の強度を向上できる。また、水平部41b3を断面視略C字状に形成し、下面カバー43をスライド可能に組み付けたことにより、水平部41b3と下面カバー43とのつなぎ目をほとんど視認できなくなり、強度向上を図りつつ、外観の意匠性を向上できる。また、水平部41b3と下面カバー43を前記した構成にすることにより、ホースカバー52が下面カバー43に当接しながら回転しても幅方向に下面カバー43がずれることはない。
また、図6に示すように、下面カバー43は、凸部43cの幅寸法W2が水平部41b3の幅寸法W1よりも短く形成され、凸部43cが水平部41b3(下面カバー43)の幅方向の略中央部に形成されるように構成されている。これにより、凸部43cの幅方向の両側には、水平部41b3と、凸部43cの側面43c1と、ホースカバー52の外周面52sとで構成される略凹形状の隙間Gが形成されている。
ところで、ホースカバー52は、ホース3のねじれを防止するために手元操作管4(操作管本体41)に対して回転可能に取り付けられているので、使用者がホースカバー52を保持したままホースカバー52が回転すると、指を挟んだり、手のひらの皮膚を挟み込む可能性がある。そのため、本実施形態では隙間Gを所定寸法(例えば、5mm)に設定することによって挟み込みを防止している。すなわち、前記所定寸法よりも大きいと使用者の指が挟まれて痛みを感じ、また前記所定寸法よりも小さいと使用者の手のひらの皮膚が挟まれて痛みを感じるおそれがある。このように下面カバー43の凸部43cの両側に所定寸法(略5mm)の隙間Gをあけることで、ホースカバー52が左回転しても右回転しても指を挟んだり、手のひらの皮膚を挟み込むのを防止できる。
図7に示すように、回転管51は、その外周面にホース3が固着されるとともに手元操作管4に回転可能に取り付けられる。なお、ホース3は、回転管51に対して、図示しない抜け止め手段を介して固定されるとともに、図示しないシール部材を介して回転管51とホース3との気密性が確保されるようになっている。
筒状部41a内の流路M1を構成する壁面には、回転管51の先端(前端)が当接する段差部41gが形成され、この段差部41gに回転管51の先端部が摺動自在に挿入されている。なお、段差部41gと回転管51の先端とは、図示しないシール部材を介して、手元操作管4と回転管51との隙間から空気が漏れ出ないようになっている。
また、回転管51の前部は、操作管本体41の筒状部41a内に挿入され、ホースカバー52の前端面が筒状部41aの後端41a1に当接している。
また、操作管本体41内には、抜け止めピン70が挿入されて、突起部51a,51a間に形成された溝に抜け止めピン70の先端が挿入されることにより、回転管51が操作管本体41から抜け出ないようになっている。これにより、回転管51が手元操作管4に対してホース3と一体的に回転し、さらにホースカバー52がホース3および回転管51と一体的に回転するようになっている。
また、図7に示すように、ハンドル45のグリップ部44は、断面高さH1が閉塞領域Rの頂点部Tにおいて最も薄くなるように形成されている。ちなみに、グリップ部44は使用者が手で握って使用するものであるため、断面形状によって握りやすさが変わる。そこで、本実施形態では、グリップ部44の頂点部Tの断面高さH1を最小の寸法(例えば、略27mm)とすることによって、使用者のひと指し指部分の握りやすさを向上している。なお、本実施形態においてグリップ部44の幅W3(図8参照)は、グリップ部44のどの位置においてもほぼ均一になるように構成されている。また、グリップ部44の断面高さH1は、グリップ部44の中央部の断面高さH2および後端部の断面高さH3よりも薄く形成され、断面高さH3は、断面高さH2よりも太く形成されている。よって、グリップ部44は、頂点部Tからグリップエンドに向けて太くなるように構成されている。
また、図7および図8に示すように、グリップ部44の頂点部Tにおいて、操作管本体41と上面カバー42とがねじ止めされる。すなわち、上面カバー42のねじ取付穴42cからねじ60aを挿入し、さらにねじ挿通孔42c1に挿通し、操作管本体41のねじボス41cにねじ60aを螺合することで、上面カバー42が操作管本体41の上部に固定される。
なお、グリップ部44における操作管本体41は、樹脂を肉厚に形成して強度が高められている。また、図8に示すように、操作管本体41と上面カバー42との幅方向の両端部では、縁部41h,42h同士がインロー嵌合することによって組み付けられているので、操作管本体41と上面カバー42とが幅方向に位置ずれしないようになっている。また、操作管本体41に上面カバー42を固定することで、操作管本体41と上面カバー42との間に閉空間R2が形成されるので、手元操作管4の強度を向上できる。
また、図7および図9に示すように、グリップ部44の後端部において、操作管本体41と上面カバー42および下面カバー43とがねじ止めされる。すなわち、下面カバー43のねじ取付穴43dからねじ60cを挿入し、ねじ挿通孔43d1、操作管本体41のねじ挿通孔41eに挿通し、上面カバー42のねじボス42eにねじ60cを螺合することで、操作管本体41と上面カバー42と下面カバー43の3部品がまとめて固定される。
このように、ねじ60cを下側から挿入する構成にすることで、手元操作管4を上部から見たときに意匠性を向上させることができ、しかも、下面カバー43を、ねじ60cを介して操作管本体41に固定することで、手元操作管4の強度をさらに向上できる。特に、手元操作管4の後端部は、グリップ部44を曲げたり、捩じったりしたときに最も強度が必要な部分であるが、3部品を同時に締結することによって強度を向上することができる。
ところで、手元操作管4を構成する上面カバー42および下面カバー43と操作管本体41との外観の形状を合わせることは非常に重要であり、段差や隙間が生じていると使用者の手に不快感を与える可能性がある。そこで、本実施形態では、前記したように3部品構造にしてねじ60cで締結することによって3部品の形状を段差や隙間を形成することなく確実に合わせることができるので、3部品の隙間を最小限にすることが可能になる。よって、グリップ部44を握ったときに不快感を与えることがなく、また外観の意匠性を向上することができる。
図7に示すように、電気掃除機1では、操作管本体41の筒状部41aの流路M1と、この筒状部41aに接続される回転管51と、この回転管51に接続されるホース3と、ホースカバー52と、下面カバー43は、すべて平行に配置されるように構成されている。ところで、従来、筒状部と回転管の間で流路が湾曲すると吸込力の低下につながり、内部を流れる塵埃が内壁に衝突するので塵埃が付着する可能性が高かった。そこで、本実施形態では、筒状部41aと回転管51とホース3とをすべて中心線Qに沿って直線状に配置して、流路が湾曲した部分が存在しないように構成したので、電気掃除機1の吸引力が低下するのを防止でき、吸込力の強い電気掃除機1を提供することができる。また、内部を流れる塵埃が内壁に衝突する可能性も少ないので塵埃が付着するのを低減して流路面積の減少を抑制でき、吸込力の低下を抑制できる。
また、手元操作管4に角度がついて湾曲していると、使用者が誤って手元操作管4を床面に落下させた場合、ホースやホース取付部分に過度の応力がかかり、ホースやホースと手元操作管とを接続する部分が破損するおそれがある。本実施形態では、筒状部41aの流路M1、回転管51、ホース3、ホースカバー52および下面カバー43をすべて平行に配置可能とすることで、手元操作管4の落下時において、ホースカバー52の付根部分や回転管51の先端部分に過度な応力が作用するのを防止でき、またホースカバー52の変位量を最小限に抑えることが可能になるので、ホース3、手元操作管4、回転管51、ホースカバー52の破損を防止できる。
また、図7に示すように、手元操作管4は、グリップ部44を構成する第2傾斜面42bが直線部42b1を有している。なお、本実施形態の直線部42b1は、両矢印で示すように、グリップ部44の中央部からグリップエンドにかけて形成されている。このように、直線部42b1を有することにより、吸口6や延長管5が取り付けられた状態でグリップ部44を握って持ち上げようとしたときに直線部42b1に手のひらが密着して広い面積で支持できるのでで、持ち上げ易くなり、使い勝手のよい電気掃除機1を提供できる。
また、図10(a)に示すように、床面との距離が短いベッドBの下(またはソファの下)などの奥を掃除する際には、延長管5を床面と略並行になるまで下げて操作する必要がある。このとき筒状部41aと回転管51に側面視でくの字状に角度がついて湾曲していると、ホース3が床面に強く押し当てられた状態で接触して使い勝手が悪く、ホース3と床面との摩擦によってホース3が破損するおそれがあった。そこで、本実施形態では、低いベッドBの下などの奥を掃除する際、延長管5を床面と略並行になるまで下げたとしても、ホース3が床面と接触することがない、または接触しても小さな摩擦力しか生じないので使い勝手がよく、ホース3が破損するおそれもない。また、下面カバー43やホースカバー52もすべて中心線Qに平行に構成しているので、外観上の凹凸が少なく、意匠性を向上できる。
また、下面カバー43の後端部を上向きに湾曲形状としたので、ベッドBの下などを掃除する際に、グリップ部44の全体を握って操作する必要はなく、図10(b)に示すように、グリップ部44の後端のV字形状の角部に人さし指を引っ掛けて、親指を上面カバー42に当て、中指の側面を下面カバー43に当てて、3本の指で手元操作管4を支持することにより、手元操作管4を安定して保持しながら、掃除を行うことが可能になる。
ちなみに、手元操作管の流路が湾曲した電気掃除機においてベッドBなどの下を掃除する場合、手元操作管を寝かした(90度傾けた)状態で操作することも可能ではある。しかし、手元操作管を寝かすと、吸口6が延長管5に対して斜めの状態になり、手元操作管4を直線的に操作することができず、操作性が損なわれる。本実施形態では、ホース3から吸口6までの流路をまっすぐに構成できるので、手元操作管4を寝かして操作する必要がなく、操作性が損なわれることもない。
以上説明したように、本実施形態に係る電気掃除機1によれば、手元操作管4が閉塞領域Rによってハンドル45のグリップ部44を構成し、閉塞領域Rの頂点部Tにおいて断面高さH1がグリップ部44の他の断面高さに対して最も薄くなるように構成したので、使用者の人さし指で頂点部Tをしっかり握ることができ、使い勝手のよい電気掃除機1を提供できる。
ところで、グリップ部44の頂点部Tを最も薄く形成すると、頂点部Tの強度が低下するという懸念がある。しかし、本実施形態では、頂点部Tにおいて操作管本体41と上面カバー42とをねじ止めしたことにより、この強度低下が懸念される部分の強度を向上させることが可能になる。
また、本実施形態では、グリップ部44を構成する第2傾斜面42bが直線部42b1を有している。本実施形態での直線部42b1は、グリップ部44の中央部からグリップエンドにかけて形成されている。このように、直線部42b1を有することにより、吸口6や延長管5をグリップ部44を握って持ち上げるようとしたときに直線部42b1に手のひらが密着して広い面積で支持することができるので、持ち上げ易くなり(操作性向上)、使い勝手のよい電気掃除機1を提供できる。
また、本実施形態では、グリップ部44が、グリップエンド(後方)に向けて太くなるように構成されている。すなわち、グリップ部44の全長の中で頂点部Tが最も薄く、後端部に向けて厚みを増していく形状である。これによれば、ゴルフクラブなどと同様に小指側の握り部分が太い方がしっかり握り易くなるので、吸口6や延長管5を取り付けた状態でグリップ部44を握って持ち上げようとしたときに、持ち上げ易くなる。
また、本実施形態では、手元操作管4に閉塞領域Rの頂点部Tよりも前方に手元操作スイッチ46を設けられている。これにより、グリップ部44よりも前側に手元操作スイッチ46が位置するので、グリップ部44を握って手元操作管4を操作するときに、使用者が誤って手元操作スイッチ46を押すことがなくなり、使い勝手のよい電気掃除機1を提供できる。
また、本実施形態では、閉塞領域Rの内側の頂点部Tよりも前方に可動トリガ49が設けられている。これによれば、グリップ部44を握って手元操作管4を操作するときに使用者が誤って可動トリガ49を操作することが無い。また、可動トリガ49を操作している状態でも、手がグリップ部44から離れることがなく安心して延長管5の伸縮動作が可能である。また、本実施形態では、可動トリガ49により延長管5の伸縮動作を可能としているので、片手で手元操作管4を保持したまま伸縮動作が可能であり、使い勝手のよい電気掃除機1を提供できる。
また、可動トリガ49は、操作部49a(図4参照)を手前(後方)に引く操作によって動作するものであるため、使用者が掃除中において可動トリガ49の操作部49aに手が当たったとしても、操作部49aが動作することがない。また、使用者がグリップ部44を手で握る際に、可動トリガ49よりも後方のグリップ部44に手を位置決めし易くなり、また、掃除中に使用者の手が前後にずれるのを防止できる。
ところで、使用者は概ね人差し指を使って可動トリガ49を操作するが、このときグリップ部44を保持している指が少なくなるので、使用者の手から手元操作管4が脱落しやすくなることが予想される。本実施形態では、閉塞領域Rを構成しているので、グリップ部44を握る手がすべっても手から手元操作管4が脱落することがない。また、可動トリガ49は、グリップ部44に比べてホース3に近く、ホース3と一体的に回転するホースカバー52と指が干渉し易くなるが、閉塞領域Rを構成しているので、水平部42b3によって使用者の指の移動が制限されるので、使用者の指と回転するホースカバー52とが干渉することを防止できる。
本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、種々の形態で実施することができる。例えば、下面カバー43を設けることで、ホース3が操作管本体41に直接に当たることが少なくなるが、下面カバー43の材質を操作管本体41の材質よりも軟質な材料にすることで、ホース3の傷つきを防止でき、電気掃除機1を長期にわたり使用できる。