JP5876760B2 - 濃厚乳の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コーヒー等の飲料等に添加して用いることができる濃厚乳の製造方法に関する。詳細には、長期保存下でも安定な濃厚乳の製造方法に関する。
乳蛋白や乳脂肪を高濃度で含む濃厚乳は、少量でも飲食品に乳の風味とコクを付与することが出来ることから、多種多様の飲食品に添加、混合されるなどして利用されている。例えば、代表的な濃厚乳として、コーヒーや紅茶に添加するいわゆるポーションミルクが知られている。
濃厚乳は、乳脂肪を高濃度で含むことから、保存下での脂肪浮上を抑制することが課題となる。
従来、乳蛋白を高濃度で含む組成物の保存安定性を高める方法として、乳化剤の種類を選択したり、大豆蛋白を添加したりする方法が知られている。
例えば、特許文献1には、HLBが13以上のショ糖脂肪酸エステル40〜60重量%と、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル30〜50重量%と、ソルビタン脂肪酸エステル3〜10重量%とを含む乳化剤を0.5〜2.0重量%含み、かつ、0.3〜3.0重量%の大豆蛋白質と0.5〜5.0重量%の乳蛋白質とを含むコーヒーホワイトナーが記載されている。
他方、特許文献2には、殺菌処理による蛋白質の凝集の防止等のために、濃厚用の乳化剤として(1)ショ糖脂肪酸エステル、(2)コハク酸モノグリセリド、(3)蒸留モノグリセリドを組み合わせることが記載されている。また、濃厚乳原料を上記乳化剤の存在下で均質化することを特徴とする濃厚乳の製造方法についても記載されている。
特開2009−232754号公報 特開2009−297017号公報
特許文献1に記載のように、植物由来の蛋白質等を用いた場合には、保存安定性が得られやすいものの、乳の風味とコクは実現し難く、全体として嗜好性に劣るという問題があった。
また、特許文献2に記載の方法は、殺菌処理等の加熱に関わる蛋白質の凝集の防止に着目する一方で、保存下における脂肪浮上の防止などの観点については着目しておらず、脂肪浮上の抑制については十分な効果を有するものではなかった。
このような状況において、乳蛋白質や乳脂肪を存分に用いることで嗜好性が高く、しかも保存安定性にも優れた濃厚乳の製造技術が望まれていた。
また、濃厚乳の製造において、使用する乳化剤の量を極力を減らし、乳の風味をより生かす技術についても望まれていた。
そこで、本発明は、乳蛋白質や乳脂肪を高濃度で含有する濃厚乳の保存下での脂肪浮上を高める技術を提供し、嗜好性及び保存安定性に優れた濃厚乳を提供することを課題とする。
前記課題を解決する本発明は、乳固形分濃度が15質量%以上である濃厚乳の製造方法であって、乳原料に、ショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセリド、蒸留モノグリセリド、及びカゼインナトリウムを添加する工程を含み、前記ショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセリド、及び蒸留モノグリセリドの合計添加量が、濃厚乳に対して0.06〜0.10質量%であり、前記カゼインナトリウムの添加は、濃厚乳中のカゼイン含有量が乳蛋白質100質量%に対して80質量%より大きくなるように行うことを特徴とする。
乳原料に、ショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセリド、及び蒸留モノグリセリドを、合計添加量が濃厚乳に対して0.06〜0.10質量%となるように添加すること、及び、カゼインナトリウムを添加することで濃厚乳中のカゼイン含有量を乳蛋白質100質量%に対して80質量%より大きくすることにより、濃厚乳の長期保存下における脂肪浮上を有意に抑制することができる。
また、カゼインナトリウムを添加することにより、ショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセリド、及び蒸留モノグリセリドの乳化剤の使用量を小さくすることが可能となる。
のように乳化剤の添加量を小さくすることで、乳の良好な風味を十分に生かした濃厚乳を製造することが可能となる。そして、本発明の製造方法によれば、乳化剤の添加量を前記の範囲に小さくしても、十分な安定性を実現することができる。
本発明の好ましい形態では、ショ糖脂肪酸エステルとコハク酸モノグリセリドの添加質量比が、1:1〜1:2であり、ショ糖脂肪酸エステルと蒸留モノグリセリドの添加質量比が、1:0.8〜1:3である。
このような範囲で、3種の乳化剤を添加することにより、乳化剤の合計添加量を抑えながら、濃厚乳に十分な安定性を付与することが可能となる。
本発明の好ましい形態では、濃厚乳の乳脂肪濃度が5質量%以上、乳蛋白質濃度が3質量%以上である。本発明の製造方法は、このような乳脂肪濃度と乳蛋白質濃度の濃厚乳に対して極めて有用である。このような濃厚乳は、保存下において、脂肪浮上等の安定性の問題が生じやすいためである。
本発明は、また、上述した製造方法により製造された、濃厚乳である。
本発明の濃厚乳は、保存安定性に優れるものである。また、高い乳固形分濃度を有し、乳化剤の含有量が小さいため、乳の良好な風味を十分に有する濃厚乳である。
上記課題を解決する本発明は、ショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセリド、蒸留モノグリセリド、及びカゼインナトリウムを含有する、乳固形濃度が15質量%以上である濃厚乳用の脂肪浮上抑制剤であって、ショ糖脂肪酸エステルとコハク酸モノグリセリドの質量比が1:1〜1:2であり、ショ糖脂肪酸エステルと蒸留モノグリセリドの質量比が1:0.8〜1:3であ前記ショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセリド、及び蒸留モノグリセリドの合計添加量が、濃厚乳に対して0.06〜0.10質量%で用いられ、前記カゼインナトリウムが、濃厚乳中のカゼイン含有量が乳蛋白質100質量%に対して80質量%より大きくなるように用いられる、脂肪浮上抑制剤である。
このような脂肪浮上抑制剤は、濃厚乳の保存下における脂肪浮上を有意に抑制するものである。
本発明の製造方法によれば、濃厚乳の長期保存下における脂肪浮上を有意に抑制することができる。特に、乳化剤の使用量を従来の濃厚乳の製造における使用量に比して小さくした場合でも、上記の効果を得ることができる。
本発明の濃厚乳は、脂肪浮上を引き起こさずに安定に長期保存できる。また、本発明の濃厚乳は、小さい含有量の乳化剤でも安定性を保持しているため、高い嗜好性を有する。
本発明の脂肪浮上抑制剤は、濃厚乳の製造原料に添加して用いることができ、濃厚乳の安定性を高めるのに有用である。
参考例3のサンプルについての沈降試験における、経時的な透過光量の変化を示したグラフである。グラフのX軸は回転中心からの距離(mm)、Y軸は透過光量(%)を示す。 参考例3の他のサンプルについての沈降試験における、経時的な透過光量の変化を示したグラフである。 参考例4のサンプルについての沈降試験における、経時的な透過光量の変化を示したグラフである。 参考例4の他のサンプルについての沈降試験における、経時的な透過光量の変化を示したグラフである。 実施例3のサンプルについての沈降試験における、経時的な透過光量の変化を示したグラフである。 実施例3の他のサンプルについての沈降試験における、経時的な透過光量の変化を示したグラフである。 実施例4のサンプルについての沈降試験における、経時的な透過光量の変化を示したグラフである。 実施例4の他のサンプルについての沈降試験における、経時的な透過光量の変化を示したグラフである。 参考例1のサンプルについての沈降試験における、経時的な透過光量の変化を示したグラフである。 参考例1の他のサンプルについての沈降試験における、経時的な透過光量の変化を示したグラフである。 参考例2のサンプルについての沈降試験における、経時的な透過光量の変化を示したグラフである。 参考例2の他のサンプルについての沈降試験における、経時的な透過光量の変化を示したグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明において「濃厚乳」とは、牛乳の乳固形分濃度に比して大きい乳固形分濃度を有する、乳化形態の乳製品をいう。
ここで、「乳固形分濃度」とは、濃厚乳に含まれる水分以外の成分を合計した絶対濃度を意味する。なお、普通牛乳の乳固形分濃度は12.6質量%である。
本発明の製造方法の対象となる濃厚乳は、乳固形分濃度が15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上のものである。従来、このような高い乳固形分濃度の濃厚乳において、保存下における脂肪浮上の抑制についての課題が存在していたためである。一方、濃厚乳としての使用性の観点から、乳固形分濃度の上限としては、30質量%を目安とすることができる。
より詳細に説明すると、濃厚乳における乳脂肪濃度は、好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは8質量%以上である。また、乳脂肪濃度の上限の目安としては12質量%、好ましくは10質量%である。
また、濃厚乳における乳蛋白質濃度は、好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。また、乳蛋白質濃度の上限の目安としては、10質量%、好ましくは7質量%である。
本発明の製造方法に用いられる乳原料は、濃厚乳における乳固形分濃度が上述した範囲となるように適宜選択し、必要に応じて組み合わせて用いることができる。
乳原料として、例えば、脱脂粉乳、全粉乳、調製粉乳、脱脂濃縮乳、全脂濃縮乳、バター、クリーム、チーズ等が挙げられる。例えば、濃厚乳における乳固形分濃度が上述した範囲となるように、脱脂粉乳とクリームを組み合わせる形態が好ましく挙げられる。例えば、脱脂粉乳とクリームを、質量比で好ましくは1:1〜1:3、さらに好ましくは1:1.5〜1:2で混合した乳原料を用いることができる。
本発明の製造方法では、上述した乳原料に、ショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセリド、蒸留モノグリセリドの各乳化剤を添加する工程を含む。
以下、各乳化剤について説明する。
本発明で使用するショ糖脂肪酸エステルは、HLB3〜7、好ましくはHLB5〜6、特に好ましくはHLB5のものが好ましく用いられる。その構成脂肪酸としては主としてステアリン酸を有するものを挙げることができる。その割合は特に制限されないが、通常7割程度を挙げることができる。ショ糖脂肪酸エステルの由来は特に制限されないが、通常、サトウキビとパームを挙げることができる。かかるショ糖脂肪酸エステルは、商業的に入手可能であり、例えば三菱化学フーズ株式会社製のエステルS−570(商品名)や第一工業製薬株式会社製のDKエステルF−50(商品名)等を挙げることができる。
本発明で使用するコハク酸モノグリセリドは、有機酸モノグリセリドの一種であり、モノグリセリドに有機酸であるコハク酸をエステル結合してなるものである。かかるコハク酸モノグリセリドは商業的に入手可能であり、例えば、花王株式会社製のステップSS(商品名)や理研ビタミン株式会社製のポエムB−10(商品名)等を挙げることができる。
本発明で使用する蒸留モノグリセリドは、モノグリセリドを分子蒸留したものであり、モノグリセリド含量が90質量%以上100質量%以下、好ましくはモノグリセリド含量が95質量%以上100質量%以下のものである。かかる蒸留モノグリセリドは商業的に入手可能であり、例えば、花王株式会社製のエキセルT−95(商品名)や太陽化学株式会社のサンソフト8000(商品名)等を挙げることができる。
本発明の製造方法では、上述した各乳化剤を、濃厚乳において以下の含有量となるように添加することが好ましい。このような含有量となるように添加することで、優れた安定性を実現することが可能となる。
ショ糖脂肪酸エステル:0.005〜0.1質量%、好ましくは、0.01〜0.07質量%、より好ましくは0.02〜0.03質量%
コハク酸モノグリセリド:0.005〜0.1質量%、好ましくは0.01〜0.07質量%、より好ましくは、0.02〜0.03質量%
蒸留モノグリセリド:0.005〜0.1質量%、好ましくは0.01〜0.07質量%、より好ましくは0.02〜0.04質量%
上記ショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセリド、および蒸留モノグリセリドの添加比率は、以下の割合とすることが好ましい。このような添加比率とすることで、優れた安定性を実現することが可能となる。
ショ糖脂肪酸エステル:コハク酸モノグリセリド=1:1〜1:2、好ましくは1:1.4〜1:1.7、より好ましくは1:1.4〜1:1.6
ショ糖脂肪酸エステル:蒸留モノグリセリド=1:0.8〜1:3、好ましくは1:1〜1:2.5、より好ましくは1:1〜1:2
本発明の好ましい形態では、ショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセリド、及び蒸留モノグリセリドの合計添加量は、製造される濃厚乳に対して、好ましくは0.25質量%以下、さらに好ましくは0.05〜0.17質量%、特に好ましくは0.06〜0.10質量%である。
上記各乳化剤の添加量の合計を上記の範囲とすることで、乳の風味を十分に生かした濃厚乳を製造することが可能となる。また、後に詳述するカゼインナトリウムの添加との相乗効果により、上記の範囲のように少量の添加でも、濃厚乳の保存安定性を確保することができる。
本発明の製造方法では、さらに、上述した濃厚乳の乳原料に、カゼインナトリウムを添加する工程を含む。
カゼインナトリウムは、乳から得られたカゼインナトリウムを主体とした乳蛋白質素材であれば、製法や品種を問わずにいずれであっても用いることができる。
カゼインナトリウムの添加量は、濃厚乳中のカゼイン含有量が乳蛋白質100質量%に対して80質量%より大きくなるような量、さらに好ましくは82質量%以上、より好ましくは83〜90質量%、特に好ましくは83〜88質量%となるような量である。
なお、カゼインナトリウムの91.4質量%がカゼインで構成される。
牛乳をはじめとする一般的な乳製品に含まれるカゼインの量は、乳蛋白質100質量%に対して80質量%である。本発明では、カゼインナトリウムを添加することにより、乳蛋白質全体に占めるカゼインの相対量を、上記乳製品に含まれるカゼインの量より大きくし、上述したショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセリド、および蒸留モノグリセリドの添加との相乗作用により濃厚乳の安定性を顕著に高めることができる。
また、その結果、ショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセリド、及び蒸留モノグリセリドの乳化剤の使用量を従来に比して大きく低減させることができる。上述した通り、例えば、これらの乳化剤の合計添加量を0.25質量%以下とすることができる。
上述したカゼインナトリウムの添加量は、濃厚乳に対し好ましくは0.5〜3.0質量%、さらに好ましくは0.75〜2.0質量%である。なお、カゼインナトリウムの添加量の上限は、原料コストの面から1.0質量%とすることも好ましい。
また、カゼインナトリウムと、上述した各乳化剤の添加比率は、以下の割合とすることが好ましい。このような添加比率とすることで、乳化剤の使用量を小さくしながら、優れた安定性を実現することが可能となる。
カゼインナトリウム:3種の乳化剤(合計)=1:0.03〜1:0.2、好ましくは1:0.05〜1:0.15、さらに好ましくは1:0.06〜1:0.13
本発明においては、本発明の効果を妨げない限りにおいて、pH調整剤、重曹、有機酸塩、香料、色素、酸化防止剤、糖類等の添加剤を添加しても良い。また、他の添加剤の配合量の上限として、糖類については20質量%、それ以外の成分については1質量%を挙げることができる。但し、上述した3種の乳化剤以外の乳化剤については、配合量の上限として、0.05質量%、好ましくは0.02質量%、より好ましくは0.01質量%とするか、特に好ましくは使用しない。
本発明の製造方法は、上述した各成分を乳原料に添加すること以外は、通常の濃厚乳の製造と同様である。すなわち、上述した各成分を乳原料に添加、混合した後、均質化工程、殺菌工程等を行う。
均質化処理は、常法により行うことができる。具体的には、ホモジナイザーを用い、65〜80℃の条件下、5〜25MPaの圧力で均質化する方法を例示することができる。また、好ましくは、65〜85℃の条件に設定し、第一段10〜25MPa、第二段0〜5MPaで均質化する方法を例示することができる。
本発明の方法によれば、通常の均質化条件での均質化で、乳化粒子のメジアン径(d50)を好ましくは0.5μm未満、さらに好ましくは0.25〜0.35μm程度にすることができる(後述の実施例を参照)。さらに、乳化粒子の90%粒子径(d90)を好ましくは1.5μm未満、さらに好ましくは0.8〜1.3μm程度、より好ましくは0.8〜1.0μmとすることができる。このような乳化粒子とすることで、脂肪浮上が抑制された安定な乳化状態を形成することができる。なお、本発明における粒子径は、体積基準で定義される。
粒子径は、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
また、本発明の製造方法においては、殺菌は、均質化の前後何れに行っても良い。好ましくは、濃厚乳の保存安定性をさらに向上させるため、均質化の前に行うことができる。
上述した方法により製造された濃厚乳は、保存安定性に優れ、乳の良好な風味を存分に有する。
すなわち、本発明の製造方法によれば、乳固形濃度が15重量%以上の濃厚乳であって、ショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセリド、蒸留モノグリセリド、及びカゼインナトリウムを含み、濃厚乳中のカゼイン含有量が乳蛋白質100質量%に対して80質量%より大きい濃厚乳が製造される。このようにして製造される本発明の濃厚乳におけるカゼイン含有量は、乳蛋白質100質量%に対して好ましくは82質量%以上、より好ましくは83〜90質量%、特に好ましくは83〜88質量%である。このような範囲とすることで、乳の良好な風味を生かしつつ、保存安定性を確保することができる。
濃厚乳における、ショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセリド、及び蒸留モノグリセリドの含有量、含有比率の好ましい範囲は、本発明の製造方法について説明した乳化剤の添加量や添加比率についての説明が、そのままあてはまる。
また、本発明は、上述した濃厚乳を製造するのに用いることができる濃厚乳用の脂肪浮上抑制剤を提供するものである。本発明の脂肪浮上抑制剤は、濃厚乳の保存下における脂肪浮遊を抑制することができる。このような脂肪浮上抑制剤は、ショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセリド、蒸留モノグリセリド、及びカゼインナトリウムを含有する。また、本発明の脂肪浮上抑制剤は、上記各成分が混合された形態であっても、個別に包装された形態であってもよい。また、本発明の脂肪浮上抑制剤は、保存安定剤として用いることもできる。
本発明の脂肪浮上抑制剤における各成分の含有量の好ましい比率は、以下のとおりである。
ショ糖脂肪酸エステル:コハク酸モノグリセリド=1:1〜1:2、好ましくは1:1.4〜1:1.7、より好ましくは1:1.4〜1:1.6
ショ糖脂肪酸エステル:蒸留モノグリセリド=1:0.8〜1:3、好ましくは1:1〜1:2.5、より好ましくは1:1〜1:2
カゼインナトリウム:3種の乳化剤(合計)=1:0.03〜1:0.2、好ましくは1:0.05〜1:0.15、さらに好ましくは1:0.06〜1:0.13
本発明の濃厚乳は、例えば、コーヒーや紅茶などの各種飲料に添加して用いることができる。また、各種乳製品、菓子、飲料の中間原料として使用することもできる。
本発明の濃厚乳は、その安定性の高さゆえ、特に、コーヒーや紅茶などに添加して用いられるいわゆるポーションミルク等の容器入り濃厚乳として提供するのに適している。このような容器入り濃厚乳は、5〜10ml程度の量を小型カップに充填し、小型カップの開口部をシールで密封することにより製造することができる。
次に実施例を示して本発明を詳記するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
表1に示す各成分を混合し、予備乳化、予備均質化した。その後、150℃で4秒間の殺菌を行い、ホモジナイザーにて品温80℃、圧力(第一段:25MPa、第二段:2MPa)で均質化処理し、濃厚乳を調製した(実施例3、4、参考例1〜4)。
得られた各濃厚乳(各2サンプル)につき、以下の方法により安定性試験を行った。
(1)沈降試験
粒度分布・分散安定性分析装置LUMiSizer611(独国L.U.M.社製)を用いて、以下の条件で沈降試験を行った。なお、以下の測定条件は、581倍の加速試験であり、本試験によって約581時間(約24日間)に渡り保存を行った際の安定性を考察することができる。
(測定条件)
a)セル:光路長2mm 短冊状 ポリカーボネート製
b)回転速度:2,000rpm(約581xgに相当)
c)測定間隔×測定回数:15秒×255回=約1時間
d)測定温度:30℃
e)サンプル量:0.4 ml
f)光源波長:870nm
g)光源強度:6.00(最大値)
結果を図1〜12に示す。図1〜12は、回転中心からの距離毎に、経時的な透過光量の変化を示したグラフである。なお、図1及び図2、図3及び図4、図5及び図6、図7及び図8、図9及び図10、図11及び図12は、同一の処方の濃厚乳について2回測定した結果をそれぞれ示すものである。
グラフのX軸は回転中心からの距離(mm)、Y軸は透過光量(%)を示す。一般的に、時間の経過に伴い、粒子の沈降が起こることで、透過光量が大きくなる。すなわち、時間の経過に伴い、Y軸の上部側にプロットが移動することになる。
従って、Y軸の上部側へのプロットの移動度合いが大きいほど、透過光量の経時変化の度合いが大きいと言えるので、このようなものほど粒子が沈降しやすく安定性が低いと評価できる。
図1〜12に示す透過光量の積分値の変化量(%/時間)を表2に示す。
図1、図2及び表2から分かるように、参考例3のサンプルについては、時間の経過に伴い透過光量が増加した。透過光量の積分値の変化量は8〜9%/時間程度であった。図1、図2を分析した結果、分析時間の後半に小さい粒子の沈下が起こり、透過光量が増大し始めることが分かった。
図3、図4及び表2から分かるように、参考例4のサンプルについては、時間の経過に伴い透過光量が増加したが、参考例3のサンプルに比べて透過光量の増加率が小さかった。透過光量の積分値の変化量は6.5〜7.5%/時間程度であった。図3、図4を分析した結果、分析時間(1時間)の後半に小さい粒子の沈下が起こり、透過光量が増大し始めることが分かった。
図5、図6及び表2から分かるように、実施例3のサンプルについては、時間の経過に伴い透過光量が増加したが、参考例4のサンプルに比べて透過光量の増加率が小さかった。透過光量の積分値の変化量は5.8〜6.1%/時間程度であった。図5、図6を分析した結果、分析時間(1時間)の後半に小さい粒子の沈下が起こり、透過光量が増大し始めることが分かった。
図7、図8及び表2から分かるように、実施例4のサンプルについては、時間の経過に伴い透過光量が増加したが、実施例3のサンプルに比べて透過光量の増加率が小さかった。透過光量の積分値の変化量は5.5〜6.0%/時間程度であった。図7、図8を分析した結果、分析時間(1時間)の後半に小さい粒子の沈下が起こり、透過光量が増大し始めることが分かった。
図9、図10及び表2から分かるように、参考例1のサンプルについては、時間の経過に伴い透過光量が増加した。その増加率は、上記実施例に比べて大きかった。透過光量の積分値の変化量は9〜10.1%/時間程度であった。また、図9、図10を分析した結果、分析時間(1時間)の前半に比較的大きい粒子(凝集粒子)の沈下が起こり、透過光量が増大し始め、後半にも小さい粒子の沈下が起こることが分かった。
図11、図12及び表2から分かるように、参考例2のサンプルについては、時間の経過に伴い透過光量が増加した。その増加率は、上記実施例に比べて大きかった。透過光量の積分値の変化量は7〜7.3%/時間程度であった。また、図11、図12を分析した結果、分析時間(1時間)の中盤からに比較的大きい粒子(凝集粒子)の沈下が起こり、透過光量が増大し始めることが分かった。
(2)粒子径の測定
次に、各サンプルの粒子径を測定した。
Laser Scattering Particle Size Distribution Analyzer LA-950(HORIBA社製)を用い、粒度分布を分析すると共に、メジアン径(d50)と90%粒子径(d90)を測定した。
また、サンプルの脂肪浮上の程度について、下に記載の基準に従って、目視評価を行った。
結果を表3に示す。
実施例及び参考例の濃厚乳の何れも、メジアン径は0.3μm程度であった。一方、90%粒子径については、実施例の濃厚乳は参考例の濃厚乳に比して何れも小さかった。
これらの結果から、実施例の濃厚乳は、参考例の濃厚乳に比して、比較的小さな粒子径の粒子を多く含んでいることが分かる。実施例3、実施例4の濃厚乳は、特に小さな粒子径の粒子を多く含んでいることが分かる。言い換えれば、実施例の濃厚乳は、参考例の濃厚乳に比して、0.3μm程度の粒子よりも大きい粒子の含有量が小さく、粒子分布の均一性が高い。
製品の観点からみると、濃厚乳中の比較的大きい粒子の存在は、例えば高温等の過酷な条件においては、脂肪浮上の原因となりうることがある。従って、このような比較的大きい粒子の出現頻度が小さい実施例の濃厚乳、中でも実施例3、4の濃厚乳は、製品が過酷な条件で保存され得ることを想定した場合にも、十分な安定性を発揮し得るものである。
以上の結果を考察すると、実施例の濃厚乳は、参考例の濃厚乳に比して何れも粒子の沈降を引き起こしにくいものであることが分かった。製品の観点からみると、実施例の濃厚乳は、参考例の濃厚乳に比して何れも脂肪浮上を生じにくいものであるといえる。
ところで、参考例1の濃厚乳は、本発明者らが実際にポーションミルクの形態で、室温(20〜30℃)で2〜3カ月長期保存した場合でも、製品上問題となるような脂肪浮上などは生じないことを確認しているものである。
従って、実施例の濃厚乳は、何れも、通常の保存条件では製品として問題となるような脂肪浮上等を引き起こさないものであるといえる。そして、実施例3、実施例4の濃厚乳は、高温などの過酷な条件でも製品として問題となるような脂肪浮上等の発生の確率が極めて小さいものであるといえる。
すなわち、以上の結果から、カゼインナトリウムを、乳原料に、ショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセリド、蒸留モノグリセリド、及びカゼインナトリウムを添加すること、カゼインナトリウムの添加を濃厚乳中のカゼイン含有量が乳蛋白質100質量%に対して80質量%より大きくなるように行うことにより、脂肪浮上等の問題の可能性を極めて低減し、高い安定性を実現することができることが分かった。
また、この際、ショ糖脂肪酸エステルとコハク酸モノグリセリドの添加質量比が、好ましくは1:1.3〜1:1.8、さらに好ましくは1:1.4〜1:1.7、特に好ましくは1:1.4〜1:1.6であること、ショ糖脂肪酸エステルと蒸留モノグリセリドとの添加質量比として、好ましくは1:0.8〜1:3、さらに好ましくは1:1〜1:2.5、特に好ましくは1:1〜1:2であることが分かった。
本発明は、高い保存安定性と嗜好性を備えた濃厚乳の製造に利用することができる。

Claims (7)

  1. 乳固形濃度が15質量%以上である濃厚乳の製造方法であって、
    乳原料に、ショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセリド、蒸留モノグリセリド、及びカゼインナトリウムを添加する工程を含み、
    前記ショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセリド、及び蒸留モノグリセリドの合計添加量が、濃厚乳に対して0.06〜0.10質量%であり、
    前記カゼインナトリウムの添加は、濃厚乳中のカゼイン含有量が乳蛋白質100質量%に対して80質量%より大きくなるように行う、濃厚乳の製造方法。
  2. ショ糖脂肪酸エステルとコハク酸モノグリセリドの添加質量比が、1:1〜1:2であり、ショ糖脂肪酸エステルと蒸留モノグリセリドの添加質量比が、1:0.8〜1:3である、請求項1に記載の濃厚乳の製造方法。
  3. 乳脂肪濃度が5質量%以上、乳蛋白質濃度が3質量%以上である、請求項1又は2に記載の濃厚乳の製造方法。
  4. 乳固形濃度が15質量%以上である濃厚乳であって、
    乳原料、ショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセリド、蒸留モノグリセリド、及びカゼインナトリウムを含み、
    前記ショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセリド、及び蒸留モノグリセリドの合計含有量が、濃厚乳に対して0.06〜0.10質量%であり、
    前記カゼインナトリウムの含有量が、濃厚乳中の乳蛋白質100質量%に対して80質量%より大きい、濃厚乳。
  5. ショ糖脂肪酸エステルとコハク酸モノグリセリドの質量比が、1:1〜1:2であり、ショ糖脂肪酸エステルと蒸留モノグリセリドの質量比が、1:0.8〜1:3である、請求項4に記載の濃厚乳。
  6. 乳脂肪濃度が5質量%以上、乳蛋白質濃度が3質量%以上である、請求項4又は5に記載の濃厚乳。
  7. ショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセリド、蒸留モノグリセリド、及びカゼインナトリウムを含有する乳固形濃度が15質量%以上である濃厚乳用の脂肪浮上抑制剤であって、
    ショ糖脂肪酸エステルとコハク酸モノグリセリドの質量比が1:1〜1:2であり、ショ糖脂肪酸エステルと蒸留モノグリセリドの質量比が1:0.8〜1:3であり、
    前記ショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセリド、及び蒸留モノグリセリドの合計添加量が、濃厚乳に対して0.06〜0.10質量%で用いられ、
    前記カゼインナトリウムが、濃厚乳中のカゼイン含有量が乳蛋白質100質量%に対して80質量%より大きくなるように用いられる、脂肪浮上抑制剤。
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