JP5876670B2 - 油脂含有ハードキャンデー及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、高融点油脂高含有ハードキャンデーとその製造方法に関する。
ハードキャンデーの物性を変化させることを目的として、油脂を配合することが提案されている。例えば、特許文献1では、白色のキャンデーを得るために、融点40℃以下の油脂を固体脂含量2%以上配合することが提案されている。特許文献2では、噛んだ時に割れやすくするために、脂肪球体積基準メディアン径20μm以下の油脂を15〜45%配合されたハードキャンデーが提案されている。また、特許文献3では、植物油脂とHLB3〜20の親油性シュガーエステルと大豆レシチンとが混合されてなる、キャンデー生地の物性を脆くさせる改質材が提案されている。特許文献4では、特許文献3に記載されている改質材を用いた低甘味キャンデーが提案されている。
しかしながら、油脂を配合したハードキャンデーは、口中で噛んだ時に割れやすく脆い性質をもつ一方で、加熱濃縮工程や成型工程、保存中において油がしみ出したり、噛んだ時に歯に付着したりする問題があり、これまでに様々な解決手段が試みられていた。
前記した従来技術には、解決手段として乳化剤等を用いることが提案されている。乳化剤として、例えば特許文献2ではHLB10〜20のポリグリセリン脂肪酸エステル、HLB1〜5のグリセリン脂肪酸エステル、HLB11〜16の蔗糖脂肪酸エステルの3種が記載されている。特許文献3および4では、3種の乳化剤、詳しくは、キャンデーをサクサクしたものにするためにHLBの異なる2種のシュガーエステル、キャンデー組織に滑らかさを加えるとともに植物油脂の分散性を良化するために大豆レシチンを用いることが記載されている。
特開平06−303908号公報 特開2000−106823号公報 特開昭62−29935号公報 特開平01−222738号公報
本発明者らは、マンゴー果実のようなぬるぬるした舐め心地を有する新奇なハードキャンデーを得るために鋭意検討したところ、高融点の油脂を特定量配合することにより、独特な舐め心地を表現できることを見出した。しかしながら、高融点の油脂を多量に配合したハードキャンデーを、ロープ成形ラインで製造することを試みたところ、ロープ成形中のキャンデー生地にひび割れが発生し、得られたハードキャンデー製品は表面に肌荒れがみられた。表面に肌荒れがあるハードキャンデーは、舐めた時の心地よさが得にくく、場合によっては口中を傷つける原因となる可能性があるため、改善が必要であった。
ロープ成形時に発生するひび割れを改善する方法として、通常はキャンデー生地の温度を上げることが考えられる。しかしながら、高融点油脂を多く含有するキャンデー生地は成形可能な温度範囲が一般的な砂糖・水あめ配合ハードキャンデーよりも狭く、工業生産ラインで温度を微調整する対策のみで改善することは難しかった。
本発明者らはさらに鋭意検討し、油脂高含量ハードキャンデーの製造時に特有の課題であるロープ成形時のひび割れは、水系のキャンデー層中に多量の油滴が不均一に分散することにより、キャンデー生地の連続層が分断されて局所的にガラス化しやすくなることが原因と推定した。そこで、キャンデー層中の油滴の分散状態を安定させると同時に、キャンデー生地のラバー状態を安定化させることができる諸条件を検討したところ、特定の乳化剤および特定量の3糖類を配合することにより、高融点油脂を3重量%以上含有する配合においても、表面がなめらかな良質なハードキャンデーを一般的な工業生産ラインで安定的に得られることを見出した。本発明はこの知見に基づくものであり、以下に記載の事項をその特徴とするものである。
(1)(a)融点が33〜40℃を有する油脂を1.0〜30重量%、
(b)乳化剤として蔗糖脂肪酸エステルおよびポリソルベート、さらに、
(c)3糖類を6.5重量%以上含有する、
ハードキャンデー。
(2)(a)融点が33〜40℃を有する油脂を1.0〜30重量%、
(b)乳化剤として蔗糖脂肪酸エステルおよびポリソルベート、さらに、
(c)3糖類を6.5〜10重量%含有する、
ハードキャンデー。
(3)(c)3糖類がマルトトリオース、グルコシルシュクロース、ケストースのいずれか1つ又はこれらの混合物である、(1)または(2)のいずれか1つに記載のハードキャンデー。
(4)(b)ポリソルベートがHLB16〜17である、(1)〜(3)のいずれか1つに記載のハードキャンデー。
(5)(b)ポリソルベートを0.05〜0.15重量%含有する、(1)〜(4)のいずれか1つに記載のハードキャンデー。
(6)(b)蔗糖脂肪酸エステルがHLB4〜6である、(1)〜(5)のいずれか1つに記載のハードキャンデー。
(7)(b)蔗糖脂肪酸エステルを0.1〜0.5重量%含有する、(1)〜(6)のいずれか1つに記載のハードキャンデー。
(8)少なくとも下記(a)〜(c);
(a)融点が33〜40℃を有する油脂を1.0〜30重量%、
(b)乳化剤として蔗糖脂肪酸エステルおよびポリソルベート、さらに、
(c)3糖類を6.5重量%以上、
を含有する原料に水を加えて加熱してキャンデー生地を調製し、ロープ成形工程を経て成型することを特徴とする、ハードキャンデーの製造方法。
(9)(8)に記載の方法により得られるハードキャンデー。
本発明により、マンゴー果実のようなぬるぬるした舐め心地を有する新奇なハードキャンデーを提供できる。本発明によれば、特殊な製造ラインを必要とせず、一般的なハードキャンデー製造ラインであるロープ成形ラインやスタンピング成型ラインを用いて、高融点油脂を多く配合した時に発生する製造時のキャンデー生地のひび割れを抑制して、なめらかな表面を有する良質なハードキャンデーを提供することができる。また、液状やゲル状のセンターを設けたハードキャンデーに適用した場合は、キャンデー生地のひび割れが抑制されるため、センターが製造時や保存中にもれる問題が改善される。
蔗糖脂肪酸エステル0.1重量%およびポリソルベート0.05重量%を配合した油脂高含有ハードキャンデー表面のSEM写真である。(実施例3) 蔗糖脂肪酸エステル0.1重量%を配合した油脂高含有ハードキャンデー表面のSEM写真である。(実施例3) 蔗糖脂肪酸エステル0.1重量%およびレシチン0.05重量%を配合した油脂高含有ハードキャンデー表面のSEM写真である。(実施例3)
キャンデーには、糖原料等を高温で加熱濃縮することにより硬い物性を有するハードキャンデー、低温で加熱濃縮することにより軟らかい物性を有するソフトキャンデーがあるが、本発明はハードキャンデーに関する。本発明のハードキャンデーは、高融点油脂を含有することにより、舐めた時に口中でぬるぬるした感触が得られる新奇な舐め心地を有する。以下、本発明のハードキャンデーの実施形態について詳細に説明する。
本発明のハードキャンデーに使用される油脂とは、上昇融点が33〜40℃である食用油脂である。上昇融点は、基準油脂分析試験法(日本油化学会制定)に準じて測定することができる。上昇融点が前記範囲より低い油脂を配合したハードキャンデーは、独特なぬるぬるした舐め心地が得られ難い。また、上昇融点が前記範囲より高い油脂を配合したハードキャンデーは、口中ではまるで硬化した油脂を食べているような感触となり、口どけが悪く官能的に好ましくない。
本発明のハードキャンデーに使用される油脂の固体油脂含量(SFC)は、好ましくは20℃で80〜85%、35℃で10〜65%、40℃で0〜5%の範囲であればよい。SFCは、基準油脂分析試験法(日本油化学会制定)に準じて測定することができる。前記範囲のSFCを有する食用油脂は、体温付近で急速に融け始めて、40℃を超えるとほぼ完全な液状となるため、本発明のハードキャンデーの独特なぬるぬるした舐め心地に大きく寄与していると考えられる。
本発明のハードキャンデーに使用される油脂としては、前記した上昇融点を有するものであればどのような食用油脂でもかまわない。例えば、パーム油、パーム核油、なたね油、ヤシ油、落花生油、サフラワー油、ひまわり油、綿実油、コーン油、大豆油、米油、カカオ脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油、乳脂等の各種植物油脂、動物油脂、並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂から選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。
本発明のハードキャンデーに使用される油脂の配合量は、ハードキャンデー中、1.0〜30重量%、好ましくは3.0〜30重量%である。油脂の配合量が1.0重量%未満のハードキャンデーは、独特なぬるぬるした舐め心地が得られにくい。また、油脂の配合量が30重量%を超える場合は、加熱濃縮後に冷却する段階で油が分離するため製造は著しく困難となり、40重量%では加熱濃縮中に油が分離するためハードキャンデーを製造することができない。
本発明のハードキャンデーには、乳化剤として、蔗糖脂肪酸エステルおよびポリソルベートを含有させるのがよい。前記蔗糖脂肪酸エステルのHLBとして、好ましくは4〜6、最も好ましくは5である。前記ポリソルベートのHLBとして、好ましくは16〜18、最も好ましくは16〜17である。
本発明のハードキャンデーの乳化剤として用いられる蔗糖脂肪酸エステルにおいて、構成する脂肪酸残基に特に制限はない。前記脂肪酸残基として、例えば、ラウリン酸、ステアリン酸等が挙げられる。ポリソルベートは、ソルビタン脂肪酸エステルにエチレンオキシドが約20分子縮合したものである。本発明のハードキャンデーの乳化剤として好適に用いられるポリソルベートの構成脂肪酸残基として、ラウリン酸等が挙げられる。
本発明のハードキャンデーの乳化剤の配合量として、ハードキャンデー中に、蔗糖脂肪酸エステルは0.1〜0.5重量%、ポリソルベートは0.05〜0.15重量%とすることが好ましい。乳化剤の配合量は、本発明のハードキャンデーの物性および官能的に影響しない限りは、前記範囲の上限を超えてもよい。
本発明のハードキャンデーには、糖成分として3糖類を含有させるのがよい。前記3糖類は飲食品に適用可能なものであれば制限はないが、例えば、マルトトリオース、グルコシルシュクロース、ケストース、ラフィノース、ラクトスクロース等のいずれか1つ又はこれらの混合物が挙げられる。本発明のハードキャンデーに用いられる3糖類は、好ましくは、マルトトリオース、グルコシルシュクロース、ケストースのいずれか1つ又はこれらの混合物、さらに好ましくは、マルトトリオース、グルコシルシュクロースのいずれか1つ又はこれらの混合物である。
本発明のハードキャンデーには3糖類を6.5重量%以上含有させるのがよい。前記3糖類の含有量の上限は特になく、原料コスト等の経済的な面やハードキャンデーの甘味等の官能的な面を考慮して決定してよい。本発明においては、ハードキャンデー中に3糖類を6.5〜10重量%含有し、さらに前記した乳化剤を含有することにより、高融点油脂を多く含有するハードキャンデーのキャンデー生地のひび割れを抑制できることを確認している。
本発明のハードキャンデーには、油脂、乳化剤、3糖類以外に、通常のハードキャンデーに配合される成分を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択して配合することができる。例えば、糖質としては、砂糖、水あめ、蜂蜜、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、フラクトオリゴ糖、ケストース、ニストース、トレハロース等の糖類、還元水飴、キシリトール、ソルビトール、還元パラチノース、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、マンニトール等の糖アルコール類が挙げられる。糖質以外の成分としては、例えば、色素、香料、酸味料、果汁等を適宜選択して配合することができる。
本発明のハードキャンデーの製造方法として、例えば以下が適用できる。糖質、油脂、乳化剤および適量の水を混合し、150〜160℃まで加熱して濃縮することにより、水分量約3重量%としたキャンデー生地とする。ここで、真空ポンプなどを使用して減圧状態にすることにより、短時間で所定の水分量のキャンデー生地を得ることができる。次いで、前記生地を100〜120℃まで徐冷した後、必要に応じて前記以外の成分(色素、香料、酸味料、果汁等)を添加して混合する。混合後の生地をロープ成形する。ロープ成形工程の温度は70〜80℃で行うことができる。ロープ成形後のキャンデー生地は、スタンピング成型等により最終的な形状とされ、冷却されることにより、ハードキャンデーを得ることができる。また、本発明のハードキャンデーは、ロープ成形を行わず、加熱濃縮後に色素等を混合したキャンデー生地を流し込み成型し、冷却することによっても得ることができる。
本発明のハードキャンデーの表面に対して、必要に応じて、糖衣掛け(ハード糖衣、ソフト糖衣)、シェラック掛け、油脂コート(植物油脂、チョコレート等)、塩や酸味のパウダーコートなどの加工を行うことができる。
本発明のハードキャンデーの内部には、さらに別パートのセンターなどを含有してもよい。例えば、内部加工(センターイン構造)ならば、油脂ペースト、有機酸と炭酸水素塩等の発泡性に関与する成分等の粉末、液体ペースト(果実ペースト等)、ゲル状ペーストなどが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1 ハードキャンデーの油脂配合量検討
砂糖47.5〜27.5重量%、水あめ47.5〜27.5重量%、食用油脂(上昇融点33.5〜38.5℃)0〜40.0重量%、乳化剤(蔗糖脂肪酸エステル;HLB5)0.1重量%および適量の水をコイルクッカーに投入して155℃で煮詰めた後、真空釜に移して0.0213MPa(絶対圧表記, 絶対真空0MPaとした場合)の減圧条件下におき、水分含量約3%のキャンデー生地を調製した。前記キャンデー生地に果汁・酸味料・香料・色素 計4.9重量%を添加して混合した。混合後のキャンデー生地をロープ成形し、さらにスタンピングラインで成型してハードキャンデーを調製した。なお、原料の砂糖と水あめは同重量として、他配合成分と合わせて100重量%となるように調整した。
調製したハードキャンデーの製造適性および舐め心地を評価した。製造適性は、加熱濃縮工程で油脂が分離することがなくキャンデー生地が調製可能であるか、キャンデー生地を各製造工程に移送する際に配管中につまりが発生することなく移送が可能であるか、ロープ成形する際にひび割れや油分離等が発生することなく成型が可能か、という点を観察して評価した。舐め心地の評価は、得られたハードキャンデーを12名のパネラーが試食することにより行われた。評価結果は、ぬるぬる感を認識したパネラーが80%以上を「○」、30%以上を「△」、30%未満を「×」の3段階とした。結果を表1に示した。
表1の結果から、油脂配合量が0.5重量%未満のハードキャンデーはぬるぬる感がある舐め心地が得難かった。ハードキャンデー中の油脂配合量1.0重量%以上でぬるぬる感がある舐め心地が得られるようになり、3.0重量%以上では8割以上のパネラーがぬるぬる感を明確に認識できるようになった。すなわち、油脂配合量1.0〜30.0重量%、好ましくは3.0〜30.0重量%とすることにより、マンゴー果実のようなぬるぬる感がある舐め心地が得られるハードキャンデーが得られることが示された。
ハードキャンデー中の油脂配合量が2.0重量%未満の場合は製造適性に特に問題はみられなかった。しかしながら、油脂配合量が3.0重量%を超えるとロープ成形時のキャンデー生地にひび割れが発生し、30.0重量%を超えると加熱濃縮後に冷却する段階で油が分離するため製造は著しく困難となり、40.0重量%では加熱濃縮中に油が分離してしまうためハードキャンデーを製造することができなかった。
実施例2 ハードキャンデーの油脂種類検討
砂糖46.0重量%、水あめ46.0重量%、食用油脂3.0重量%、乳化剤(蔗糖脂肪酸エステル;HLB5)0.1重量%および適量の水を手鍋に入れ、150℃で煮詰めて水分含量約3%のキャンデー生地を調製した。食用油脂は、低融点油脂(上昇融点18〜22℃)、高融点油脂A(上昇融点33.5〜38.5℃)、高融点油脂B(上昇融点37〜39℃)を用いた。前記キャンデー生地に果汁・酸味料・香料・色素 計4.9重量%を添加して混合した。混合後のキャンデー生地を70〜80℃まで徐冷し、押圧成型してハードキャンデーを調製した。
調製したハードキャンデーの外観および舐め心地を評価した。舐め心地は、ぬるぬる感が得られたものを「○」、ぬるぬる感が得られなかったものを「×」とした。結果を表2に示した。
表2の結果から、上昇融点が22℃以下の油脂を配合したハードキャンデーは、ぬるぬる感がある舐め心地を得ることができなかった。上昇融点が33.5℃以上の油脂を配合したハードキャンデーは、ぬるぬる感がある舐め心地が得られた。果実のようなぬるぬる感がある舐め心地が得られるハードキャンデーは、上昇融点33.5〜39.0℃の食用油脂を配合することにより得られることが示された。
実施例3 ハードキャンデーの糖類・乳化剤配合検討
表3に記載した果汁・酸味料・香料・色素を除く原料および適量の水をコイルクッカーに投入して155℃で煮詰めた後、真空釜に移して0.0213MPa(絶対圧表記, 絶対真空0MPaとした場合)の減圧条件下におき、水分含量約3%のキャンデー生地を調製した。前記キャンデー生地に果汁・酸味料・香料・色素を添加して混合した。混合後のキャンデー生地をロープ成形し、さらにスタンピングラインで成型してハードキャンデーを調製した。
調製したハードキャンデーの舐め心地および製造適性を評価した。製造適性の評価はロープ成形時のひび割れ発生の有無を観察し、ひび割れがなく良好な成形が可能な場合を「◎」、ひび割れがなく成形が可能な場合を「○」、ひび割れが見られるが成形は可能な場合を「△」、ひび割れが発生して製造が困難な場合を「×」とした。舐め心地(ぬるぬる感)の評価は、ぬるぬる感が得られたものを「◎」、ぬるぬる感が得られなかったものを「×」とした。舐め心地(表面滑らかさ)の評価は、口中で表面の滑らかさが特に強く感じられたものを「◎」、表面の滑らかさが感じられたものを「○」、ややざらつきが感じられたものを「△」、ざらつきが特に強く感じられたものを「×」とした。一部試験区については、ハードキャンデー表面のSEM写真を撮影した。製造適性の評価結果を表3に、ハードキャンデー表面のSEM写真を図1〜3に示した。
注1;フジオリゴ#360(日本食品化工株式会社);マルトトリオース60.7%含有
注2;カップリングシュガー(林原商事);マルトトリオース7.5%、グルコシルシュクロース20.0%含有
表3の結果から、乳化剤として蔗糖脂肪酸エステルのみを使用した油脂高含有ハードキャンデーは、配合量を0.1〜0.3重量%としても、ロープ成形時のひび割れの発生を充分に抑えることはできなかった(配合A〜C)。配合Dのハードキャンデー表面(図1)と、配合Aおよび配合Iのハードキャンデー表面(図2、図3)とを比較すると、蔗糖脂肪酸エステルとポリソルベートの2種の乳化剤を併用した配合Dのハードキャンデー(図1)の方が、凹凸が少なくてなめらかな表面であった。これは、配合Dのハードキャンデーにおいては、水系のキャンデー層中に存在する油滴が均一に分散されて安定な状態になっているためと考えられる。
2種の乳化剤を併用したハードキャンデーについて、さらに水あめの一部を3糖類が主成分の糖類に置き換えたところ、ロープ成形時のひび割れが抑制されて、これまでに得られなかった良好な品質のハードキャンデーを製造することができた(配合E〜H)。
これらの結果から、高融点の油脂(上昇融点33.5〜38.5℃)を3.0重量%以上配合したハードキャンデーについて、乳化剤として蔗糖脂肪酸エステル(HLB5)およびポリソルベート(HLB16.7)、3糖類(マルトトリオース、又は、グルコシルシュクロース)が主成分の糖類を配合することにより、ロープ成形時のひび割れが抑制されて表面が滑らかな製品が得られることが示された。
実施例4 ハードキャンデーの糖組成
実施例3の表3に記載された配合Aおよび配合D〜Hのハードキャンデーの糖組成を比較した。結果を表4に示した。
表4の結果から、実施例3で示された良好な品質のハードキャンデーの糖組成において、全糖成分中に3糖類(マルトトリオース、および/又は、グルコシルシュクロース)は8.1%以上含有していることが示された。また、前記ハードキャンデー中に含まれる3糖類の含量は6.5重量%以上であることが示された。

Claims (7)

  1. (a)融点が33〜40℃を有する油脂を1.0〜30重量%、
    (b)乳化剤としてHLBが4〜6である蔗糖脂肪酸エステルおよびHLBが16〜18であるポリソルベート、さらに、
    (c)3糖類を6.5重量%以上含有する、
    ハードキャンデー。
  2. (a)融点が33〜40℃を有する油脂を1.0〜30重量%、
    (b)乳化剤としてHLBが4〜6である蔗糖脂肪酸エステルおよびHLBが16〜18であるポリソルベート、さらに、
    (c)3糖類を6.5〜10重量%含有する、
    ハードキャンデー。
  3. (c)3糖類がマルトトリオース、グルコシルシュクロース、ケストースのいずれか1つ
    又はこれらの混合物である、請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のハードキャ
    ンデー。
  4. (b)ポリソルベートがHLB16〜17である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    ハードキャンデー。
  5. (b)ポリソルベートを0.05〜0.15重量%含有する、請求項1〜4のいずれか1
    項に記載のハードキャンデー。
  6. (b)蔗糖脂肪酸エステルを0.1〜0.5重量%含有する、請求項1〜5のいずれか1
    項に記載のハードキャンデー。
  7. 少なくとも下記(a)〜(c);
    (a)融点が33〜40℃を有する油脂を1.0〜30重量%、
    (b)乳化剤としてHLBが4〜6である蔗糖脂肪酸エステルおよびHLBが16〜18であるポリソルベート、さらに、
    (c)3糖類を6.5重量%以上、
    を含有する原料に水を加えて加熱してキャンデー生地を調製し、ロープ成形工程を経て成
    型することを特徴とする、ハードキャンデーの製造方法。
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