JP5876060B2 - 透明インクジェット記録膜 - Google Patents
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Description
インクジェット記録膜は、印刷の間にインクジェットプリンタからインクを受容する少なくとも1つの画像受容層と、不透明であっても、または透明であってもよい基材または支持体を含んでもよい。透明支持体は、印刷された画像が、透明膜を透過した光を用いて見られる場合がある透明膜に使用されてもよい。
いくつかのインクジェットプリンタ、例えば、EPSON(登録商標)の機種4900などは、写真の「縁なし」画像および同等のものを複製することができるように設計されている。印刷された画像を取り囲む縁を減らすか無くすために、そのようなプリンタは、媒体シートの縁部がプリントヘッドまたはヘッドに近いときを判断することを可能にするために光センサに依存してもよい。これらのプリンタは、紙などの高反射性の不透明媒体シートを用いる使用のために市販される場合があるので、プリンタ制御アルゴリズムは、その媒体シートの縁部を認識するために不透明媒体シートから反射した放射線ビームから強い信号を受信することに依存する場合がある。
透明インクジェット記録膜は当業者に周知のものである。例えば、2011年7月6日に出願されたSimpsonらによる米国特許出願第13/176,788号「TRANSPARENT INK−JET RECORDING FILM」、および2011年8月12日に出願されたSimpsonらによる米国特許出願第13/208,379号「TRANSPARENT INK−JET RECORDING FILMS,COMPOSITIONS,AND METHODS」を参照されたい。その米国特許出願の両方は、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
下層は、少なくとも1つの下層コーティング混合物を1つ以上の透明基材に塗布することによって形成されてもよい。形成された下層は、いくつかの場合では、乾量基準で少なくとも約2.9g/m2の固体、または乾量基準で少なくとも約3.0g/m2の固体、または乾量基準で少なくとも約3.5g/m2の固体、または乾量基準で少なくとも約4.0g/m2の固体、または乾量基準で少なくとも約4.2g/m2の固体、または乾量基準で少なくとも約5.0g/m2の固体、または乾量基準で少なくとも約5.8g/m2の固体を含んでもよい。下層コーティング混合物はゼラチンを含んでもよい。少なくともいくつかの実施形態では、ゼラチンはレギュラータイプ(Regular Type)IVの牛ゼラチンでもよい。下層コーティング混合物は、少なくとも1つのホウ酸塩またはホウ酸塩誘導体、例えば、ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム十水和物、ホウ酸、フェニルボロン酸、ブチルボロン酸、および同等のものなどを更に含んでもよい。2つ以上の種類のホウ酸塩またはホウ酸塩誘導体が、下層コーティング混合物に任意選択的に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、ホウ酸塩またはホウ酸塩誘導体は、例えば約2g/m2までの量で使用されてもよい。少なくともいくつかの実施形態では、少なくとも1つのホウ酸塩またはホウ酸塩誘導体のゼラチンに対する比は、重量で約20:80と約1:1との間にあってもよく、またはその比は、重量で約0.45:1でもよい。いくつかの実施形態では、下層コーティング混合物は、例えば、少なくとも約4重量%の固体、または少なくとも約9.2重量%の固体を含んでもよい。下層コーティング混合物は、例えば、約15重量%の固体を含んでもよい。
画像受容層は、少なくとも1つの画像受容層コーティング混合物を1つ以上の下層コーティングに塗布することによって形成されてもよい。形成された画像受容層は、いくつかの場合では、乾量基準で少なくとも約40g/m2の固体、または乾量基準で少なくとも約41.3g/m2の固体、または乾量基準で少なくとも約45g/m2の固体、または乾量基準で少なくとも約49g/m2の固体を含んでもよい。画像受容コーティング混合物は、少なくとも1つのヒドロキシル基を含む少なくとも1つの水溶性または水分散性架橋性ポリマ、例えば、ポリ(ビニルアルコール)、部分的に加水分解されたポリ(ビニルアセテート/ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルメタクリレートを含有するコーポリマ、ヒドロキシエチルアクリレートを含有するコーポリマ、ヒドロキシプロピルメタクリレートを含有するコーポリマ、例えばヒドロキシエチルセルロースなどのヒドロキシセルロースエーテル、および同等のものなどを含んでもよい。2つ以上の種類の水溶性または水分散性架橋性ポリマは、画像受容層コーティング混合物内に任意選択的に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの水溶性または水分散性ポリマは、画像受容層内で測定されるとき、最大で約1.0から約4.5g/m2までの量で使用されてもよい。
裏面コート層は、少なくとも1つの裏面コートコーティング混合物を1つ以上の透明基材に塗布することによって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの裏面コート層コーティング混合物は、1つ以上の透明基材のうち下層コーティング混合物または画像受容層コーティング混合物が塗布される側とは反対側上に塗布されてもよい。
透明基材は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、セルロースアセテート、他のセルロースエステル、ポリビニルアセタール、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレン等のポリマ材料から製造された可撓性の透明膜であってもよい。いくつかの実施形態では、良好な寸法安定性を示すポリマ材料、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、他のポリエステル、またはポリカーボネートなどが、用いられてもよい。
少なくとも1つの下層および少なくとも1つの画像受容層は、透明基材上の混合物からコートされてもよい。様々な混合物は、同一または異なる溶媒、例えば、水もしくは有機溶媒を使用してもよい。層は1つずつコートされてもよく、あるいは2つ以上の層が同時にコートされてもよい。例えば、下層コーティング混合物の支持体への塗布と同時に、画像受容層は、例えばスライドコーティングのような方法を用いて、湿った下層に塗布されてもよい。
コートされた層、例えば、下層または画像受容層などは、様々な周知の方法を用いて乾燥されてもよい。いくつかの乾燥方法の例は、例えば、(Research Disclosure,145 Main St.,Ossining,NY,10562,http://www.researchdisclosure.comから入手可能な)Research Disclosure,No.308119,Dec.1989,pp.1007−08に記載される。いくつかの実施形態では、コーティング層が例えば空気または窒素などの気体が通過する1つ以上の多孔板を過ぎて移動するときに、コーティング層は乾燥されてもよい。そのような空気衝突式乾燥器は、Arterらの米国特許第4,365,423号に記載されており、その米国特許は、その全体が参照によって組み込まれる。そのような乾燥器における多孔板は、例えば、穴、スロット、ノズル、および同等のものなどの孔を含んでもよい。多孔板を通る気体の流量は、その板の両側の異なる気体圧力によって示されてもよい。当業者によって理解されるであろうように、気体が水を除去する能力はその気体の露点によって制限されることがあり、一方で、その気体が有機溶媒を除去する能力は気体内のそのような溶媒の量によって制限されることがある。
2010年11月1日に出願され、TRANPARENT INK−JET RECORDING FILMS, COMPOSITIONS, AND METHODSと題され、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国仮出願第61/408,688号は、以下の5つの例示的な実施形態を開示した。
前記第1の表面上に配置された少なくとも1つの下層と、
前記少なくとも1つの下層上に配置され、少なくとも1つの無機粒子と、少なくとも1つのヒドロキシル基を含む少なくとも1つの水溶性または水分散性ポリマとを含む、少なくとも1つの画像受容層と、
前記第2の表面上に配置され、ゼラチンを含む少なくとも1つの裏面コート層と、
を備え、
前記少なくとも1つの下層、前記少なくとも1つの画像受容層、または前記少なくとも1つの裏面コート層のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの反射粒子を更に含む、透明インクジェット記録膜。
実施例において使用された材料は、特に明記されない限り、ミルウォーキーのAldrich Chemical Co.社から入手可能であった。
[ゼラチン下層コーティング混合物の準備]
公称8.0重量%下層コーティング混合物は、444.5kgの脱塩水を混合容器に導入することによって室温で準備された。33.33kgのゼラチンは、撹拌容器に加えられ、膨張することができた。この混合物は、60℃まで加熱され、ゼラチンが十分に溶解されるまで保持された。次いで、混合物は50℃まで冷却された。この混合物に対して、15kgのホウ砂(四ホウ酸ナトリウム十水和物)が加えられ、ホウ砂が十分に溶解されるまで混合された。この混合物に対して、51.4kgの3.2重量%スルホン化ポリスチレン(VERSA−TL(登録商標)502、AkzoNobel社)の水溶液および0.2重量%殺菌剤(KATHON(登録商標)LX、Dow社)が加えられ、均一になるまで混合された。次いで、混合物は40℃まで冷却された。更に、11.4kgのノニルフェノール、グリシジルポリエーテル(界面活性剤10G)の10重量%水溶液が加えられ、均一になるまで混合された。この混合物は、室温まで冷却され、使用の前にあらゆる気泡が離脱することを可能にするために保持された。その結果として生じる下層コーティング混合物におけるホウ砂のゼラチンに対する比は、重量で0.45:1であった。
下層コーティング混合物は、40℃まで加熱され、600フィート/分の速度で動いていた、室温のポリエチレンテレフタレートウェブに連続的に塗布された。下層コーティング混合物は、11.033kg/分/スロットの供給量で2つのスロットを通ってウェブに供給された。コートされたウェブは、26〜30℃の空気が通って流れる多孔板を800フィート/分で通過させることによって連続的に乾燥された。多孔板の圧力降下は、0.2から5インチ水柱までの範囲内であった。空気の露点は、0から12℃までの範囲内であった。その結果として生じる乾燥下層コーティング重量は3.7g/m2であった。
アルミナ混合物は、75.4kgの硝酸の9.7重量%水溶液と764.6kgの脱塩水を混合することによって室温で準備された。この混合物に対して、360kgのアルミナ粉末(DISPERAL(登録商標)HP−14)が30分にわたって加えられた。混合物のpHは、追加の硝酸溶液を加えることによって2.17に調節された。混合物は、80℃まで加熱され、30分間かき回された。混合物は、室温まで冷却され、使用の前に気泡を離脱するために保持された。
画像受容コーティング混合物は、156.5kgのポリ(ビニルアルコール)(CELVOL(登録商標)540)の10重量%水溶液を混合容器に導入して撹拌することによって室温で準備された。この混合物に対して、600.0kgのアルミナ混合物および14.5kgのノニルフェノール、グリシジルポリエーテル(界面活性剤10G)の10重量%水溶液が加えられた。混合物は、室温まで冷却され、使用の前に気泡を離脱するために保持された。
画像コーティング混合物は、40℃まで加熱され、400フィート/分の速度で動いていた、室温のポリエチレンテレフタレートウェブの下層コート表面上にコートされた。画像受容層コーティング混合物は、7.74kg/分/スロットの供給量で5つのスロットを通ってウェブに供給された。コートされた膜は、26〜35℃の空気が通って流れる多孔板を400フィート/分で通過させることによって連続的に乾燥された。多孔板の圧力降下は0.8から3インチ水柱までの範囲内であった。空気の露点は、0から13℃までの範囲内であった。その結果として生じる画像受容層コーティング重量は43.4g/m2であった。
コーティング混合物#1−1は、96重量部の水、3.4重量部のゼラチン、0.60重量部の米デンプン、0.035重量部のコロイド状シリカ、0.0080重量部のビス(ビニルスルホニル)メタン、および0.0067重量部の界面活性剤10Gから構成された。コーティング混合物#1−2は、96重量部の水、3.5重量部のゼラチン、0.45重量部の米デンプン、0.035重量部のコロイド状シリカ、0.0080重量部のビス(ビニルスルホニル)メタン、および0.0067重量部の界面活性剤10Gから構成された。コーティング混合物#1−3は、96重量部の水、3.2重量部のゼラチン、0.75重量部の米デンプン、0.035重量部のコロイド状シリカ、0.0080重量部のビス(ビニルスルホニル)メタン、および0.0067重量部の界面活性剤10Gから構成された。コーティング混合物#1−4は、96重量部の水、3.3重量部のゼラチン、0.67重量部の米デンプン、0.035重量部のコロイド状シリカ、0.0080重量部のビス(ビニルスルホニル)メタン、および0.0067重量部の界面活性剤10Gから構成された。コーティング混合物#1−5は、96重量部の水、3.1重量部のゼラチン、0.83重量部の米デンプン、0.035重量部のコロイド状シリカ、0.0080重量部のビス(ビニルスルホニル)メタン、および0.0067重量部の界面活性剤10Gから構成された。
コート膜は3つの異なるEPSON(登録商標)4900プリンタに供給され、裏面コート層側はプリントヘッドから離れて向けられ、画像はそれぞれの上に印刷された。その結果として生じる印刷画像の丈が測定され、23.8cmという100%の印刷長に基づいて、印刷長のパーセンテージが計算された。結果は、塗布される裏面コート層を塗布しなかった対照サンプルを参照にした表1に示される。
[画像受容層コート膜の準備]
画像層コート膜は、実施例1の手順に従って準備された。
コーティング混合物#2−1は、96重量部の水、3.4重量部のゼラチン、0.60重量部の二酸化ジルコニウム、0.035重量部のコロイド状シリカ、0.0080重量部のビス(ビニルスルホニル)メタン、および0.0067重量部の界面活性剤10Gから構成された。コーティング混合物#2−2は、96重量部の水、3.4重量部のゼラチン、0.60重量部の二酸化ジルコニウム、0.035重量部のコロイド状シリカ、0.0080重量部のビス(ビニルスルホニル)メタン、および0.0067重量部の界面活性剤10Gから構成された。コーティング混合物#2−3は、96重量部の水、3.2重量部のゼラチン、0.75重量部の二酸化ジルコニウム、0.035重量部のコロイド状シリカ、0.0080重量部のビス(ビニルスルホニル)メタン、および0.0067重量部の界面活性剤10Gから構成された。コーティング混合物#2−4は、96重量部の水、3.3重量部のゼラチン、0.67重量部の二酸化ジルコニウム、0.035重量部のコロイド状シリカ、0.0080重量部のビス(ビニルスルホニル)メタン、および0.0067重量部の界面活性剤10Gから構成された。コーティング混合物#2−5は、96重量部の水、3.1重量部のゼラチン、0.83重量部の二酸化ジルコニウム、0.035重量部のコロイド状シリカ、0.0080重量部のビス(ビニルスルホニル)メタン、および0.0067重量部の界面活性剤10Gから構成された。
コート膜は3つの異なるEPSON(登録商標)4900プリンタに供給され、裏面コートがコートされた側はプリントヘッドから離れて向けられ、画像はそれぞれの上に印刷された。その結果として生じる印刷画像の丈は測定され、23.8cmという100%の印刷長に基づいて、印刷長のパーセンテージが計算された。結果は、コートされていない対照サンプルを参照にした表2に示される。
[画像受容層コート膜の準備]
画像層コート膜は、実施例1の手順に従って準備された。
コーティング混合物#3−1は、96重量部の水、3.6重量部のゼラチン、0.16重量部の二酸化チタン、0.16重量部の二酸化ジルコニウム、0.035重量部のコロイド状シリカ、0.0080重量部のビス(ビニルスルホニル)メタン、および0.0067重量部の界面活性剤10Gから構成された。コーティング混合物#3−2は、96重量部の水、3.6重量部のゼラチン、0.24重量部の二酸化チタン、0.08重量部の二酸化ジルコニウム、0.035重量部のコロイド状シリカ、0.0080重量部のビス(ビニルスルホニル)メタン、および0.0067重量部の界面活性剤10Gから構成された。コーティング混合物#3−3は、96重量部の水、3.6重量部のゼラチン、0.24重量部の二酸化ジルコニウム、0.08重量部の二酸化チタン、0.035重量部のコロイド状シリカ、0.0080重量部のビス(ビニルスルホニル)メタン、および0.0067重量部の界面活性剤10Gから構成された。
コート基材は3つの異なるEPSON(登録商標)4900プリンタに供給され、裏面コートがコートされた側はプリントヘッドから離れて向けられ、画像はそれぞれの上に印刷された。その結果として生じる印刷画像の丈は測定され、23.8cmという100%の印刷長に基づいて、印刷長のパーセンテージが計算された。結果は、コートされていない対照サンプルを参照にした表3に示される。
コーティング混合物#4−1は、96重量部の水、3.6重量部のゼラチン、0.16重量部の二酸化チタン、0.16重量部の酸化亜鉛、0.035重量部のコロイド状シリカ、0.0080重量部のビス(ビニルスルホニル)メタン、および0.0067重量部の界面活性剤10Gから構成された。コーティング混合物#4−2は、96重量部の水、3.6重量部のゼラチン、0.24重量部の二酸化チタン、0.08重量部の酸化亜鉛、0.035重量部のコロイド状シリカ、0.0080重量部のビス(ビニルスルホニル)メタン、および0.0067重量部の界面活性剤10Gから構成された。コーティング混合物#4−3は、96重量部の水、3.6重量部のゼラチン、0.24重量部の酸化亜鉛、0.08重量部の二酸化チタン、0.035重量部のコロイド状シリカ、0.0080重量部のビス(ビニルスルホニル)メタン、および0.0067重量部の界面活性剤10Gから構成された。
コート膜は3つの異なるEPSON(登録商標)4900プリンタに供給され、コートされた側はプリントヘッドから離れて向けられ、画像はそれぞれの上に印刷された。その結果として生じる印刷画像の丈は測定され、23.8cmという100%の印刷長に基づいて、印刷長のパーセンテージが計算された。結果は、コートされていない対照サンプルを参照にした表4に示される。
[画像受容層コート膜の準備]
画像受容層コート膜は、実施例1の手順に従って準備された。
裏面コート層コーティング混合物は、20.18重量部の脱イオン水、7.26重量部のゼラチンの15%水溶液、1.92重量部の二酸化チタン、0.14重量部のコロイド状シリカ、および0.02重量部の界面活性剤10Gの10%水溶液から構成され準備された。コーティング混合物は、手引き式の巻き線ロッドコータを用いて、1.1g/m2(サンプル5−1から5−4まで)または1.5g/m2(サンプル5−5から5−8まで)の乾燥コーティング重量で、画像受容層コート膜の裏面側に塗布された。コーティングはホットエアガンで乾燥された。
コート膜は3つの異なるEPSON(登録商標)4900プリンタに供給され、裏面コートがコートされた側はプリントヘッドから離れて向けられ、画像はそれぞれの上に印刷された。その結果として生じる印刷画像の丈は測定され、23.8cmという100%の印刷長に基づいて、印刷長のパーセンテージが計算された。ヘイズ(%)は、BYK−Gardner社(米国メリーランド州コロンビア)から入手可能なHAZE−GARD PLUS ヘイズメータを用いる従来の手法によってASTM D 1003に従って測定された。これらの評価の結果は、100%の印刷長を実現した実施例1〜4からのサンプルの比較可能な結果と共に、表5に示される。
[下層コーティング組成物の準備]
下層コーティング混合物は、239.64gの脱イオン水と18.00gのゼラチンを室温で混合することによって準備された。ゼラチンは15分にわたって加えられた。ゼラチンが加えられた後、混合物は15分間撹拌され続けた。次いで、撹拌された混合物は、60℃まで加熱され、さらに15分撹拌された。この混合物に対して、8.10gの四ホウ酸ナトリウム十水和物が加えられ、15分混合された。この撹拌された混合物に対して、27.2gの脱イオン水、0.9gのスルホン化ポリスチレン(VERSA−TL(登録商標)502、AkzoNobel社)、および0.056gの殺菌剤(KATHON(登録商標)LX、Dow社)の4.7重量%水溶液が加えられた。この混合物は15分間撹拌され続け、次いで、40℃まで冷却された。この混合物に対して、6.14gのノニルフェノール、グリシジルポリエーテル(界面活性剤10G、Dixie社)の10重量%水溶液が加えられた。そのポリエーテル溶液を加えた後、混合物は5分間撹拌され、次いで、室温まで冷却された。
20.0gの下層コーティング混合物に対して、酸化ジルコニウムが加えられなかった(サンプル6−1、6−2、6−3、および6−4)あるいは2.0gの酸化ジルコニウムの10重量%水溶液(サンプル6−5)または4.0gの酸化ジルコニウムの10重量%水溶液(サンプル6−6)が加えられた。下層コーティングは、3.0ミルのコーティングギャップを用いて、青色に着色されたポリエチレンテレフタレート基材上に40℃でコートされた。コーティングは空気乾燥され、4.1g/m2の乾燥コーティング下層コーティング重量が結果として生じた。下層コーティング組成物は表6にまとめられている。
アルミナ混合物は、3.6gの硝酸の22重量%水溶液と556.4gの脱イオン水を混合することによって室温で準備された。この混合物に対して、140gのアルミナ粉末(DISPERAL(登録商標)HP−14)が30分にわたって加えられた。混合物のpHは、追加の硝酸溶液を加えることによって3.25に調節された。混合物は、80℃まで加熱され、30分間かき回された。混合物は、室温まで冷却され、使用の前に気泡を離脱するために保持された。
画像受容コーティング混合物は、7.13gのポリ(ビニルアルコール)(CELVOL(登録商標)540)の10重量%水溶液および1.00gの脱イオン水を混合容器内に導入して撹拌することによって室温で準備された。この混合物に、41.00gのアルミナ混合物および0.66gのノニルフェノール、グリシジルポリエーテル(界面活性剤10G)の10重量%水溶が加えられ、酸化ジルコニウムが加えられなかった(サンプル6−1、6−2、6−5、および6−6)あるいは2.0gの酸化ジルコニウムの10重量%水溶液(サンプル6−3)または4.0gの酸化ジルコニウムnの10重量%水溶液(サンプル6−4)が加えられた。混合物は、室温まで冷却され、使用の前に気泡を離脱するために保持された。
画像受容層コーティング混合物は、12.0から12.2ミルまでのコーティングギャップを用いて、下層コート基材上にコートされた。コート膜は、Blue−M オーブン内で、50℃で乾燥され、44.8g/m2の乾燥コーティング下層コーティング重量を結果として生じた。
コート膜は、実施例1の手順およびプリンタを用いて評価された。その結果は表6に示される。下層内に酸化ジルコニウムを含有し、下層においてプリンタによって全長まで100%印刷されたサンプルは、表5に示されるように、裏面コート層内に二酸化ジルコニウムを有するそれらの膜よりもはるかに高いヘイズを示した。受容体層において二酸化ジルコニウムを含有するサンプルは、1.9g/m2という多量のコーティング重量でさえも、画像の全長を印刷しないが、全長まで印刷した裏面コート層内に二酸化ジルコニウムを有するそれらの膜よりも高いヘイズを示した。
[下層コーティング組成物の準備]
下層コーティング混合物は、257.75gの脱イオン水と12.60gのゼラチンとを室温で混合することによって準備された。ゼラチンは15分にわたって加えられた。ゼラチンが加えられた後、混合物は15分間撹拌され続けた。次いで、撹拌された混合物は60℃まで加熱され、さらに15分撹拌された。この混合物に対して、5.67gの四ホウ酸ナトリウム十水和物が加えられ、15分混合された。この撹拌された混合物に対して、19.0gの脱イオン水、0.63gのスルホン化ポリスチレン(VERSA−TL(登録商標)502、AkzoNobel社)、および0.039gの殺菌剤(KATHON(登録商標)LX、Dow社)の4.7重量%水溶液が加えられた。この混合物は、15分間撹拌され続け、次いで、40℃まで冷却された。この混合物に対して、4.30gのノニルフェノール、グリシジルポリエーテル(界面活性剤10G、Dixie社)の10重量%水溶液が加えられた。そのポリエーテル溶液を加えた後に、混合物は5分間撹拌され、次いで、室温まで冷却された。
20.0gの下層コーティング混合物に対して、米デンプンが加えられなかった(サンプル7−1および7−2)あるいは1.7gの米デンプンの10重量%水溶液(サンプル7−3および7−4)または2.30gの米デンプンの10重量%水溶液(サンプル7−5および7−6)または3.00gの米デンプンの10重量%水溶液(サンプル7−7および7−8)が加えられた。下層コーティングは、4.5から4.8ミルまでのコーティングギャップを用いて、青色に着色されたポリエチレンテレフタレート基材上に40℃でコートされた。コーティングは空気乾燥され、4.5から5.0g/m2までの乾燥コーティング下層コーティング重量が結果として生じた。下層コーティング組成物は表7にまとめられている。
アルミナ混合物は、3.6gの硝酸の22重量%水溶液と556.4gの脱イオン水を混合することによって室温で準備された。この混合物に対して、140gのアルミナ粉末(DISPERAL(登録商標)HP−14)が30分にわたって加えられた。混合物のpHは、追加の硝酸溶液を加えることによって3.25に調節された。混合物は、80℃まで加熱され、30分間かき回された。混合物は、室温まで冷却され、使用の前に気泡を離脱するために保持された。
画像受容コーティング混合物は、7.13gのポリ(ビニルアルコール)(CELVOL(登録商標)540)の10重量%水溶液および1.00gの脱イオン水を混合容器に導入して、撹拌することによって室温で準備された。この混合物に対して、41.00gのアルミナ混合物および0.66gのノニルフェノール、グリシジルポリエーテル(界面活性剤10G)の10重量%水溶液が加えられた。混合物は、室温まで冷却され、使用の前に気泡を離脱するために保持された。
画像受容層コーティング混合物は、12.0ミルのコーティングギャップを用いて、下層コート基材上にコートされた。コート膜は、Blue−M オーブン内で、50℃で乾燥され、44.8g/m2の乾燥コーティング下層コーティング重量を結果として生じた。
コート膜は、実施例1の手順およびプリンタを用いて評価された。結果は表7に示される。全長まで印刷された下層において米デンプンを含有するサンプルは、全長まで印刷された裏面コート層において米デンプンを有する表5におけるそれらの膜よりもはるかに高いヘイズを示した。
Claims (6)
- ポリエステルを含み、少なくとも第1の表面および第2の表面を備える透明基材と、
前記第1の表面上に配置された少なくとも1つの下層と、
前記少なくとも1つの下層上に配置され、少なくとも1つの無機粒子と、少なくとも1つのヒドロキシル基を含む少なくとも1つの水溶性または水分散性ポリマとを含む、少なくとも1つの画像受容層と、
前記第2の表面上に配置され、ゼラチンを含む少なくとも1つの裏面コート層と、
を備え、
前記少なくとも1つの裏面コート層は、米デンプンを含む少なくとも1つの反射粒子を更に含む、透明インクジェット記録膜。 - 前記少なくとも1つの無機粒子は、ベーマイトアルミナを含む、請求項1に記載の透明インクジェット記録膜。
- 前記少なくとも1つの水溶性または水分散性ポリマは、ポリ(ビニルアルコール)を含む、請求項1に記載の透明インクジェット記録膜。
- 前記少なくとも1つの第1の下層は、ゼラチンを含む、請求項1に記載の透明インクジェット記録膜。
- 前記少なくとも1つの第1の下層は、ホウ酸塩またはホウ酸塩誘導体を含む、請求項1に記載の透明インクジェット記録膜。
- 41%より低いヘイズ値を示す、請求項1に記載の透明インクジェット記録膜。
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