JP5875089B2 - ニッケル水素電池の充電量表示装置および充電量表示方法 - Google Patents

ニッケル水素電池の充電量表示装置および充電量表示方法 Download PDF

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Description

本発明は、ニッケル水素電池の充電状態の検知に関し、詳しくはニッケル水素電池の充電量の表示に関する。
ニッケル水素電池は、出力特性に優れ、安定した充放電を実現できる。このため、家庭用電気機器、携帯電話、ノート型パソコンのようなモバイル機器、充電式電動工具等に広く使用されている。また、ニッケル水素電池は、信頼性が重視される工場又は病院のような施設の非常用電源としても活用が期待されている。更には、発電量が風力や太陽光により変動を受ける自然エネルギーを利用した発電設備と組合わせて、電力変動を緩和する役割を担ったり、電力ピークカットに利用されるなど、電力系統における系統安定性を確保する目的で使用されるなど、幅広い分野での活用が期待されている。
特許文献1に、ニッケル水素電池を系統連系に使用する例が記載されている。特許文献2に、正極に水酸化ニッケルの代わりに二酸化マンガンを用いたアルカリ二次電池が開示されている。
二次電池の充電量は、電池の端子電圧を測定することにより把握する方法が広く知られている。また改良した方法として、特許文献3に、二次電池の充電電流量と放電電流量を測定して電池の残存容量を表示する二次電池残量表示装置および表示方法に関し、周囲温度および放電電流値に起因する放電効率の変化による誤差、および充放電電流の測定における部品のばらつきなどの測定回路誤差を考慮して測定値を修正して、二次電池の充電量の残量の表示を可能にする技術が開示されている。
特許文献4に、電池の内部圧力を測定する圧力測定装置と、電池温度を測定する温度測定装置とを備え、定電流で充電する際の電池の内部圧力および温度と充電状態との相関特性を予め用意しておき、圧力測定装置によって測定した内部圧力測定値および温度測定装置によって測定した電池温度測定値を、相関特性と比較して充電状態を推定する方法が開示されている。
一般に電池の充電状態は、電池の端子電圧に対するSOC(state of charge)として表現されることが多い。例えば、図1は、各種電池等の電圧に対するSOCの変化を示すグラフであり、SOC特性図と呼ばれることがある。SOC特性図は通常、端子電圧(V)に対するその電池の取り出し可能な電気量を%で表示される。
特開2008−171515号公報 国際公開第2012/173091号公報 特開平6−20723号公報 特開2010−40324号公報
SOC特性図があれば、電池の端子電圧から、その電池の充電量を算定することができる。図1に示す各種電池等のSOC特性図において、曲線aはニッケル水素電池の電圧変化、曲線bは鉛蓄電池の電圧変化、曲線cはリチウムイオン電池の電圧変化、曲線dは電気二重層キャパシタの電圧変化を示す。
図1に示すように、曲線aで示されるニッケル水素電池は、他の電池等に比較してSOCの変動(=範囲S)に対する電圧変動(=幅dV1)が小さいという特性を有する。これに比べて、曲線b、c、dで示される他の電池等では、SOCの変動に対して電池電圧の変動が大きい(dV1<dV2<dV3)。
SOCの変動に対する電圧変化率(ΔV/ΔSOC)は、ニッケル水素電池で約0.1、鉛蓄電池で約1.5、リチウムイオン電池で約2、電気二重層キャパシタで約3になっている。つまり、同じSOC変化に対し、ニッケル水素電池の電圧変化は、鉛蓄電池の1/15に、リチウムイオン電池の1/20に、電気二重層キャパシタの1/30となる。
したがって、ニッケル水素電池の場合、電池電圧からSOC特性図を用いて電池の充電量を算定することは、他のタイプの電池等に比べて難しく、その推定の誤差は大きなものとなる。
もっとも、SOC特性図を得るためには正確なSOCを知る必要がある。しかし、充電した電気量がすべて取り出せるとは限らず、正確なSOC特性図を得ることは難しい。また、充電電流を積算してSOCを推定する方法は、充電した電気量がからずしも放電されるとは限らず、累積誤差が生じて精度の高い測定方法とはいえない(例えば、特許文献3)。更に、従来の充電量の推定方法(例えば、特許文献4に示すような方法)も、計算が複雑であり、精度が高いとはいえない。
本発明の目的は、比較的簡単な方法で、ニッケル水素電池の充電量を高い精度で表示する装置および方法を提供することにある。
前記した目的を達成するために、本発明に係るニッケル水素電池の充電量表示装置は、水素ガスが封入されたニッケル水素電池と、前記ニッケル水素電池の内部圧力を検出する圧力検出器と、前記圧力検出器からの信号を受信する表示器と、を備え、前記圧力検出器からの信号に基づき、前記ニッケル水素電池の充電量を、前記表示器に表示する。
この構成によれば、ニッケル水素電池の内部圧力を用いて、負極活物質である水素の量を算定することができるので、ニッケル水素電池の充電量を正確に測ることが可能となる。また本発明によれば、圧力検出器を用いればよく、従来のような特別な装置が不要なので、簡便にニッケル水素電池の充電量を知ることができる。
本発明に係るニッケル水素電池の充電量表示装置は、前記ニッケル水素電池の内部温度を検出する温度検出器を更に備えており、前記温度検出器からの信号と前記圧力検出器からの信号とに基づき、前記ニッケル水素電池の充電量を表示することを特徴とする。
この構成によれば、ニッケル水素電池に封じ込められている水素の量は、主として圧力の関数であるが、圧力は温度の影響を受ける。電池内部の圧力と水素ガスの温度を用いて水素ガスの量を算出すれば、より正確に充電量を算出することができる。
本発明に係るニッケル水素電池の充電量表示装置は、前記圧力検出器からの信号と、前記温度検出器からの信号とを入力とし、前記ニッケル水素電池の充電量を前記表示器に出力する演算器を、更に備えている。また、本発明に係るニッケル水素電池の充電量表示装置は、前記ニッケル水素電池に流れる電流を検出する電流検出器と、前記電流検出器の出力を積算する積算電流計とを、更に備えており、前記積算電流計の値により、前記ニッケル水素電池の充電量が補正されることを特徴とする。
気体の圧力や温度から気体の量を算出方法は、理想気体の状態では簡便に算出することができる(例えば、ボイルシャルルの法則)。しかし、実在気体では分子の大きさや分子間力の影響が完全には無視できず前述の方法では算出誤差が生じる。
この構成によれば、温度・圧力と水素ガス量との関係をあらかじめ二次元テーブルとして準備しておき、テーブルルックアップ等により補間計算で水素ガス量を算出すれば、より正確なニッケル水素電池の充電量の算出が可能となる。
本発明に係るニッケル水素電池の充電量表示装置は、前記ニッケル水素電池の負極の充電容量が正極の充電容量より小さい。この構成において、負極の充電容量(N)正極の充電容量(P)の比は、0.2〜0.33であることが好ましい。
本発明に係るニッケル水素電池の充電量表示方法は、水素が封入されたニッケル水素電池に取り付けられた圧力検出器により前記ニッケル水素電池の内部圧力を検出し、前記内部圧力に基づき前記ニッケル水素電池の充電量を算定して表示器に表示する。また、本発明に係るニッケル水素電池の充電量表示方法は、前記ニッケル水素電池の内部温度を検出して、前記内部温度により、前記ニッケル水素電池の充電量を補正することを特徴とする。
本発明に係るニッケル水素電池の充電量表示装置によれば、電池の充電量を正確に、簡便に把握することが可能となる。また、誤差の累積もないので電池使用中に校正操作も不要となり、使用の効率も向上する。
各種電池等のSOCに対する電圧変化を示すSOC特性図である。 ニッケル水素電池の充電量表示装置の概略構成を示す図である。 ニッケル水素電池のSOCと水素ガス圧力の関係を示すグラフ。
最初に本発明適用のベースとなるニッケル水素電池について説明を行い、その後に充電量表示装置について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるわけでなく、種々の変更が可能である。
<電極の製造について>
正極材料は、アルカリ二次電池の正極用として利用可能なものであれば特に限定されるものではなく、水酸化ニッケル系の正極材料もしくは酸化銀系の正極材料であってもよい。例えば、水酸化ニッケルであってもよく、二酸化マンガンであってもよい。
負極材料に含まれる水素吸蔵合金は、水素の吸蔵・放出が行えるものであれば特に限定されない。水素貯蔵容量、充放電特性、自己放電特性およびサイクル寿命特性の観点から、AB5型の希土類−ニッケル合金である、MmNiCoMnAlのミッシュメタルを含んだ5元系合金であることが好ましい。あるいは、超格子水素吸蔵合金といわれるLaMgNi系であることが好ましい。
電解質は、水素を活物質とする電池で用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)などの塩を水に溶かしたものが好適である。
導電剤としては、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキを施したもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキを施したもの、有機繊維にニッケルメッキを施したもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔のいずれかを単独で、または組み合わせて用いることができる。結着剤としては、熱可塑性樹脂を用いた。
基板としては、正負極ともに、穴あき鋼板にニッケルメッキを施したものを用いた。鋼板の代わりに、弾性を有する金属板を用いることもできる。基板上に活物質を含む合材を塗布して、概ね350μmの厚みの電極を製作した。
セパレータを形成する素材としては、例えば、ポリエチレン繊維やポリプロピレン繊維などのポリオレフィン系繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリフルオロエチレン系繊維、ポリアミド系繊維などを使用することができる。セパレータには電解液が保持されている。
負極としては、例えば、水素吸蔵合金粉末、導電剤および結着剤に溶剤を加えてペースト状にしたものを、基板上に塗布して板状に成形し硬化させたものを使用した。同様に、正極としては、正極活物質、導電剤および結着剤に溶剤を加えてペースト状にしたものを、基板上に塗布して板状に成形し硬化させたものを使用した。
<電池の製造について>
電池の製造として捲回電池と積層電池の2つのタイプの電池についてその製造方法を説明する。2つのタイプに共通している事項を説明した後に個別の特徴を説明する。
本発明に係るニッケル水素電池において、負極の充電容量(N)が正極の充電容量(P)より小さい(N<P)、いわゆる負極規制となっている。本ニッケル水素電池において、負極は触媒的に作用するので、負極容量が小さくても充電量表示装置としては問題ないが、負極の表面積が小さいとニッケル水素電池の出力が低下する。したがって、N/Pが0.2〜0.33が好ましい。
[捲回電池]
セパレータ−負極−セパレータ−正極の順となるように配置して、セパレータの長手方向の一端を中心として巻き取って、捲回ブロックを作製する。この捲回ブロックの負極側と正極側それぞれにニッケルタブを溶接し、捲回ブロックを電解液中に浸漬させる。次に、減圧にした後、大気圧に解放することにより捲回ブロックに電解液を含浸させる。この捲回ブロックを、耐圧容器性のある電池ケースの内部に収納した。なお、電池ケースには電解液および水素ガスの供給を行うための供給口が設けられていて、この供給口には高圧の水素ガスタンクが接続可能となっている。
[積層電池]
正極と、負極と、正極と負極の間に介在するセパレータとから構成される電極群が積層されて耐圧容器性のある電池ケースの内部に収納されている。ここに、電極群の積層方向は電池ケースの軸方向となっており、セパレータには予め電解液が含浸されている。正極の外縁は電池ケースに接触して電気的に接続されており、電池ケースは正極端子となる。電極体の中央には集電棒が貫通していて、負極と集電棒は、電気的に接続されていて負極端子となる。なお、電池ケースには、電解液および水素ガスの供給を行うための供給口が設けられていて、この供給口には高圧の水素ガスタンクが接続可能となっている。
2つのタイプの電池において、電極群を電池ケースに収納して、密閉して電池を組立てる。電池の組立完了後に、1時間真空引きして、電池内部の空気を排除する。次に、1MPaの水素ガスタンクを接続して電池内部に水素ガスを封入する。再度1時間真空引きして、1MPaの水素ガスタンクから水素ガスを再度電池内部に供給する。
電池に供給された水素ガスは、電池ケース内に設けた水素貯蔵室もしくは電池内部の隙間に保持される。このような隙間としては、正極と電池ケースの間の隙間、負極と集電棒との間の隙間、電極間の隙間および電極とセパレータの隙間が上げられる。更には、電極内部に存在する空隙にも、水素ガスが保持される。もっとも、正極で発生する酸素は、直ちに、正極の空隙に保持されている水素ガスと結合して水となる。
電池内に封入する水素ガスの圧力は、278MPa以上となると耐圧容器となる電池ケースが大きくなる。また、負圧となると取り扱いに不便となる。現実的な水素ガス圧力は、0.2MPa〜100MPaである。0.4MPa〜20MPaであれば、小型の電池にも容易に適用ができるので好ましい。電極内部に保持される水素ガスの量は、水素ガス圧力に依存しており、好ましい圧力範囲において、22.4L当たり、8g〜400gとなる。
<充電量表示装置の構成について>
図2に本発明に係る充電量表示装置の概略構成図を示す。ニッケル水素電池1には、圧力計取付座6を介して、圧力検出器2が取り付けられている。図2では圧力検出器2は、ニッケル水素電池1の外部に取り付けられているが、ニッケル水素電池1の内部に収納してもよい。圧力検出器2は配線7で充電量を表示するための表示器3に接続されている。圧力検出器2と表示器3の間には信号変換を行う変換器4が設けられている。変換器4は圧力検出器2に電源を供給するとともに、圧力検出器2からの圧力信号を電気信号に変換して表示器3に伝送する。
ニッケル水素電池1の内部に温度検出器5を備えておき、図示しない変換器を経由して表示器3に補正信号として伝送してもよい。
表示器3は、変換器4からの信号を受けて、ニッケル水素電池1の内部圧力を0−100%に変換して表示する。変換器3にはスケール変換機能とゼロ点調整機能を備えているので、ニッケル水素電池1の内部圧力を適宜充電量に変換して表示することができる。このような変換機能は表示器3が有していてもよく、変換器4が有していてもよい。
図3にニッケル水素電池1(以下単に電池と称す)の充電量と水素ガス圧力の関係を表したグラフを示す。上のグラフはニッケル水素電池の充電状態の推移を示すグラフであり、横軸を0−100%の単位で電池SOCを取り、縦軸をV単位で電池の端子電圧が示されている。下のグラフは電池内部の水素ガス圧力を示すグラフであり、横軸は上のグラフと共通に電池SOCを取り、縦軸は、水素ガス圧力がMPa単位で目盛ってある。
グラフの中央の破線示されるところがSOC100%の点であり、正極および負極が満充電の状態である。満充電の状態から電池が放電すると、電池のSOCは中央(SOC100%)から上のグラフに沿って右に移動する。SOCの低下に応じて水素ガス圧力は、下のグラフに沿って左に移動する。SOCの低下により電池内部の水素ガス圧力が低下する。電池内の水素ガスが負極の放電により消費され、水素ガス圧力は大気圧と等しくなる。この状態をSOC0%としている。このような状態において、電池を外部電源を用いて充電すると、負極から発生する水素ガスにより電池内部の水素ガス圧力は上昇する。このとき、下のグラフは左端から中央に向けて移動して、満充電でSOC100%となる。
図3において、ニッケル水素電池の端子電圧は端部において非線形であるばかりでなく、その中央部において傾斜が緩やかである。この端子電圧から電池充電量(SOC)を推測するのは難しく、その推測値には誤差が生じる。一方、水素ガス圧力と電池充電量との関係は図3に示すように、その傾斜が大きいので精度よく電池の充電量を把握することができる。
次に、本発明に係るニッケル水素電池の充電量表示装置の作用について説明する。
まず、正極の反応について説明する。正極の活物質が水酸化ニッケルであるときの充電反応は式(1)で示され、放電反応は式(2)で示される。
Ni(OH)2 + OH- → NiOOH + H2O + e- (1)
NiOOH + H2O + e- → Ni(OH)2 + OH- (2)
正極の活物質が二酸化マンガンであるときの、正極の充電反応は式(1‘)で示され、放電反応は式(2’)で示される。
MnOOH + O2 → MnO2 + H2O (1‘)
MnO2 + H+ + e- → MnOOH (2‘)
一方、負極の反応について考察すると、電池が組み上がった状態において負極の水素吸蔵合金は電池内部に充填された水素ガスを吸蔵しており、負極はいわば満充電の状態にある。
M + 1/2H2 → MH (3)
水素ガスにより負極が充電される反応は式(3)で示されるところ、水素ガスを吸蔵して充電状態にある負極の放電反応は式(4)で示される。すなわち、負極が放電すると水素吸蔵合金のHが消費されて水が生じる。水素は負極における活物質といえる。
MH + OH- → M + H2O + e- (4)
電池が組み上がった状態において、正極は未だ充電されていない状態にある。このような状態において外部電源を用いて電池を充電すると、正極は電気化学的に充電される。正極の活物質が水酸化ニッケルであるときの充電反応は式(1)で示されることは上述した通りである。一方、負極はすでに水素化されて式(3)に示すように水素を吸蔵できない状態にあるので、負極からは水素ガスが発生する。この反応を式(5)に示す。
MH + HO + e- → MH + H↑ + 2OH- (5)
以上まとめると、水素ガスが充填された電池の充電時の全反応は式(6)となり、充電時に水素ガスが発生して電池内部の圧力は上昇する。一方、放電時の全反応は式(7)となり、電池に封入されている水素ガスが消費され、電池内部の圧力が低下する。
Ni(OH) + MH → NiOOH + MH + H↑ (6)
NiOOH + MH + 1/2 H → [Ni(OH) + M + 1/2 H]→ Ni(OH) + MH (7)
正極が満充電になって後、電池に電流を供給し続ければ、正極から酸素ガスが発生する。この酸素ガスは、負極から発生する水素ガスと反応して水(HO)となる。電池内部の圧力の上昇は生じない。もっとも、このような過充電状態の場合、電池に流れる電流値から電池の充電量を算出する方法では誤差を生じることとなる。しかし、本発明に係る充電量表示装置においては、電流値を使用せずに電池内部の水素ガスの圧力を利用しているので、正極が過充電であっても水素ガスが発生しないので誤差が生じない。別の言い方をすれば、電池のSOC100%は、正極が満充電の状態であるといえる。
以上より、本発明に係る水素を封入した電池において、水素ガス圧力を検出すれば、活物質である水素の量を把握することができ、電池の充電量すなわちSOCを知ることができる。
なお、図2に示す実施例において、電流計は用いられていない。すなわち、電池に流れる電流値を利用することなく、電池の充電量の表示を可能としている。
水素ガスの量は、例えばボイルの法則を利用して算出してもよい。ボイルの法則は高圧領域において誤差が大きくなるので、あらかじめ実験により求めた関係を用いて水素ガスの量を算定してもよい。正極が満充電のとき充電量(SOC)が100%、電池内部の圧力が大気圧のときに充電量が0%と定義してもよい。
電池内部に温度検出器を設けておいて、この温度検出器からの温度信号に応じて、充電量の補正を行ってもよい。補正の方法はシャルルの法則として知られる方法であってもよい。更に、気体分子同士に働く分子間力や分子自体の大きさの影響をあらかじめ算定しておきシャルルの法則を修正した値で補正してもよい。
ボイルシャルルの法則を使えば、簡便に水素ガス量の算定ができる。しかし、上述したように高圧になれば算定に誤差が生じる。あらかじめ実験もしくは理論式により、温度と圧力に対応した水素ガス量の特性を把握しておき、この特性に応じて演算器(図示せず)により補正演算を実行すればより高精度の充電量の表示が可能となる。このような演算器の具体的な実施形態として、温度・圧力に応じて、ガス量を出力する2次元関数発生器が考えられる。
更に、ニッケル水素電池1に電流検出器(図示せず)を取り付けて、電流検出器に流れる電流を積算して、この積算電流計の値により、表示器3に表示される充電量が補正されるようにしてもよい。積算電流値を併用すれば、精度の更なる向上が期待できる。また、電池の過放電の防止に役立つ。
以上より、本発明に係るニッケル水素電池の充電量表示装置によれば、ニッケル水素電池の内部圧力を用いて、負極活物質である水素の量を算定するので、ニッケル水素電池の充電量を正確に測ることが可能となる。また、事前に電池のSOC特性を測定する必要もない。
本発明に係るニッケル水素電池の充電量表示装置は、産業用のみならず民生用のニッケル水素電池の充電量を把握する装置として好適に用いることができる。
1 ニッケル水素電池
2 圧力検出器
3 表示器
4 変換器
5 温度検出器
6 圧力計取付座
7 配線

Claims (7)

  1. 水素ガスが封入されたニッケル水素電池と、
    前記ニッケル水素電池の内部圧力を検出する圧力検出器と、
    前記圧力検出器からの信号を受信する表示器と、を備え、
    前記圧力検出器からの信号に基づき、前記ニッケル水素電池の充電量を、前記表示器に表示するニッケル水素電池の充電量表示装置
  2. 前記ニッケル水素電池の内部温度を検出する温度検出器を更に備えており、前記温度検出器からの信号と前記圧力検出器からの信号とに基づき、前記ニッケル水素電池の充電量を表示することを特徴とする請求項1に記載のニッケル水素電池の充電量表示装置
  3. 前記圧力検出器からの信号と、前記温度検出器からの信号とを入力とし、前記ニッケル水素電池の充電量を前記表示器に出力する演算器を、更に備えている請求項2に記載のニッケル水素電池の充電量表示装置
  4. 前記ニッケル水素電池に流れる電流を検出する電流検出器と、前記電流検出器の出力を積算する積算電流計とを、更に備えており、前記積算電流計の値により、前記ニッケル水素電池の充電量が補正されることを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載のニッケル水素電池の充電量表示装置
  5. 前記ニッケル水素電池の負極の充電容量が正極の充電容量より小さいことを特徴とする請求項1に記載のニッケル水素電池の充電量表示装置
  6. 水素が封入されたニッケル水素電池に取り付けられた圧力検出器により前記ニッケル水素電池の内部圧力を検出し、前記内部圧力に基づき前記ニッケル水素電池の充電量を算定して表示器に表示する、ニッケル水素電池の充電量表示方法
  7. 前記ニッケル水素電池の内部温度を検出して、前記内部温度により、前記ニッケル水素電池の充電量を補正することを特徴とする請求項6に記載のニッケル水素電池の充電量表示方法


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