JP6627025B2 - 直流給電方式 - Google Patents

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Description

本発明は、二次電池を用いた直流電力系統に関し、詳しくは、直流電力を電力源とし、需要家に直流電力を供給する直流給電方式に関する。
近年、電力系統における電力供給を補完するものとして、分散型電源、マイクログリッド、再生可能エネルギー、非常用電源への関心が高まっている。このなかでも、地球温暖化防止に向けたCO2削減など環境保全意識の高まりを背景に、太陽光発電や、風力発電等の自然エネルギーを利用した発電システムの普及が拡大しつつある。
自然エネルギーを利用した発電システムは、発生電力が自然現象により左右されやすく、電力系統の需給調整の外乱要因となる。これを補完するものとして、風力発電等の発電システムに蓄電池を接続して、需給調節を行うことが提案されている。
この様な目的に使用される蓄電池はフローティング充電が可能なものが使用される。特許文献1に、複数のアルカリ系二次電池を互いに接続した組電池の内部圧力を測定して、測定した電池の内部圧力に基づき充電制御を行うことにより、フローティング充電を可能にする充電方法が開示されている。
太陽光発電は、直流電流を出力する直流電源であって、この直流電流がインバータによって交流電流に変換され、電力系統に接続され系統連系が行われる。また、風力発電は電力需給調整の必要上、一度直流電力に変換され、この直流電流がインバータによって交流電流に変換され、電力系統に接続され系統連系が行われる。
このような例として、例えば、特許文献2には直流電力を変換する変換回路と、インバータ回路と、インバータ回路の出力を変圧する変圧回路と、変圧回路と電力系統とを開閉する開閉器とを有し、電力系統の系統電圧に応じて変圧回路の設定を切り替える構成が記載されている。
特開2010−40297号公報 特開2002−112461号公報 特開2011−151961号公報
ニッケル水素二次電池の場合、充電反応自体が発熱反応であるので、定電圧制御下で、微小な電流で継続的に充電することによって常に満充電の状態を保つ、いわゆるフローティング充電には適さないとされている。すなわち、ニッケル水素二次電池でフローティング充電を行おうとすると、過充電による電池温度の上昇→電池内部抵抗の低下→充電電流の増加→電池温度のさらなる上昇、という悪循環を引き起こし、電池内部圧力の上昇や電池性能の劣化につながる。したがって、ニッケル水素二次電池を、常に満充電状態に維持されることが要求される用途に適用するに際しては、過充電とならないよう十分な配慮を必要とする。
パーソナルコンピュータに代表される電子機器の普及により、UPSの設置が設備の安定的な運用のために不可欠になってきている。UPSは常時系統から交流電力を受電してフローティング充電しており、系統に瞬低が生じたときにUPSから電力を供給して瞬低の影響を軽減する設備である。
また、余剰電力を蓄電池に蓄える場合、蓄電池はフローティング充電され、その充電状態が維持される。すなわち、電力の不足が生じたときは放電して、電力が過剰となれば充電して、常に満充電状態を維持する。
本発明が解決しようとする課題は、フローティング充電を行っても電池の性能の劣化しない蓄電池を用いて給電を可能にすることである。
太陽光のエネルギーを利用した発電システムは、直流電流を出力する直流電源であるので電力系統に接続するためにはその出力にインバータを設けて交流電力に変換する必要がある。インバータは半導体素子を用いてスイッチングすることにより直流電力を交流電力に変換するのであるが、高電圧大電流の半導体素子は高価であり、スイッチング制御回路も複雑なものとなる。直流電源を電力系統に接続するためには高価なインバータの設置を必要とする。
本発明が解決しようとする課題の一つは、太陽光発電に代表される直流発電システムを電力系統に接続する際に必要となるインバータの設置を省略して、コストの上昇を抑えることであり、システムの簡素化を図ることである。
電力系統が交流でなく直流であれば、インバータの設置は必要でない。しかし、自然エネルギーや再生可能エネルギーの出力は自然条件等により発生電力が左右されるので、蓄電池を用いて電力供給の安定化を行うことが提案されている(例えば、特許文献3)。
現在、電気製品の多くが内部は直流で動作するようになってきており、電力系統から受電した交流電流は直流電流に変換して利用されている。交流を直流に変換する際に電力ロスが生じている。電力を直流のままで給電することができれば電力消費の無駄を省くことができる。
前記した目的を達成するために、本発明に係る直流給電方式は、直流電源と、負荷設備と、二次電池と、給電路とを備えた直流給電方式であって、前記直流電源に対して、前記二次電池と前記負荷設備とが前記給電路によって並列に接続されていて、前記二次電池には水素が封入されている。
この構成によれば、満充電に近づけば充電電流が減少し、ついには電池電位が充電電圧と等しくなるので、二次電池が損傷することなく満充電状態を維持することができる。さらには、フローティング充電には適さないとされるニッケル水素二次電池にあっても、フローティング充電が可能となる。UPSのような、常に満充電状態を維持することが要求される用途に適用することが可能となる。
本発明に係る直流給電方式は、前記二次電池の負極活物質が水素である。また、本発明に係る直流給電方式は、前記二次電池が密閉構造を有している。二次電池が密閉構造を採用しているので、充電により負極から発生する水素ガスは、二次電池内部に蓄積されて、水素ガス圧力が高くなる。そして、水素ガス濃度の上昇により、負極の電極電位が低下して、この結果二次電池の端子電圧が上昇する。
本発明に係る直流給電方式は、前記二次電池の正極が酸化金属を有している。また、本発明に係る直流給電方式は、前記二次電池の負極が水素吸蔵合金および白金およびパラジウムのいずれか1以上を有している。
本発明に係る直流給電方式は、前記正極と前記負極の間に介在するセパレータが、ポリオレフィン系不織布を親水処理したものである。親水性を付与したセパレータは、水素ガス中で使用しても、水素により親水性が失われにくく、長寿命が期待できる。
本発明に係る直流給電方式は、前記直流電源が定電圧電源である。また、本発明に係る直流給電方式は、交流電力系統に接続された直流変換器が前記直流電源に並列に接続されている。
本発明に係る直流給電方式は、予め求めた前記二次電池の端子電圧とSOCの関係に基づき、前記二次電池の端子電圧から、前記二次電池の充電状態を定める。また、本発明に係る直流給電方式は、前記二次電池の放電開始電圧が前記二次電池の直前の充電終止電圧に等しい。
以上のように、本発明に係る直流給電方式によれば、電池の性能の劣化することなく満充電状態を維持するフローティング充電が可能となる。そして、UPSのような常に満充電状態を維持することが要求される用途に適用することができる。また、インバータの設置を省略して、コストの上昇を抑えることが可能となり、システムの簡素化を図ることができる。更に、交流/直流の電力変換に伴う電力損失を軽減することができる。
積層電池の軸方向断面図である。 二次電池の充放電特性図である。 フローティング充電後の電圧特性と温度特性。 フローティング充放電特性の例を示す充放電特性曲線である。 二次電池のSOC特性図である。 直流給電方式の接続電気系統図である。 ガントリークレーンの電気系統図である。
以下、本発明に係る一実施形態を説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
本発明の各実施形態について説明するのに先立ち、本発明が適用される二次電池としてニッケル水素電池を例に取り説明する。なお、二次電池のタイプは活物質が水素であればよくニッケル水素電池に限定されるものでない。なお説明の都合上、第1電極を正極とし、第2電極を負極として説明する。
集電体は、電気伝導性が高く、保持した電極材料に通電し得る材料であれば特に限定されない。正極集電体は、電解液中の安定性と耐酸化性がよい観点から、集電体としてはNiが好ましい。なお、鉄にニッケルを被覆したものを用いてもよい。負極集電体は、電解液中の安定性と耐還元性がよい観点から、Ni等が好ましい。なお、鉄にニッケルやカーボンを被覆したものを用いてもかまわない。
集電体の形状としては、線状、棒状、板状、箔状、網状、織布、不織布、エキスパンド、多孔体、エンボス体又は発泡体があり、このうち充填密度を高めることができること、出力特性が良好なことから、エンボス体又は発泡体が好ましい。
正極材料は、酸化金属が好ましい。例えば、酸化銀、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケルがあげられる。負極材料としては、水素吸蔵合金、白金、パラジウムがあげられる。このうち、水素貯蔵容量、充放電特性、自己放電特性およびサイクル寿命特性の観点から、AB5型の希土類−ニッケル合金である、MmNiCoMnAlのミッシュメタルを含んだ5元系合金であることが好ましい。あるいは、超格子水素吸蔵合金といわれるLaMgNi系であることが好ましい。なお、これら合金は1種又は2種以上を用いてもよい。
導電助剤は、活物質に導電性を付与し、その利用率を高めるためのものである。本実施例に用いる導電助剤は、放電時に電解液に溶出することなく、かつ、水素で還元されにくい炭素材料であることが好ましい。
正極材料、結着剤、および、導電性粉末を混合してペースト状に混練する。このペーストを、集電体に塗布または充填し、乾燥させる。その後、ローラープレス等で集電体を圧延することにより、正極が作製される。同様に、負極材料、結着剤、および、導電性粉末を混合してペースト状に混練する。このペーストを、集電体に塗布または充填し、乾燥させる。その後、ローラープレス等で集電体を圧延することにより、負極が作製される。
結着剤としては、例えば、ポリアクリル酸ソーダ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン−ビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、フッ素系樹脂、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)を含む。
また、結着剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を使用してもよい。PTFEは、水素により還元されにくく、水素雰囲気中で長期間使用しても劣化が進みにくく、長寿命が期待できる。
正負極材料、結着剤、および、導電助剤の合計を100重量%とした場合、正負極に配合される結着剤の重量比は、20重量%以下に設定するのが好ましく、10重量%以下に設定するのがより好ましく、5重量%以下に設定するのがさらに好ましい。結着剤は電子伝導性とイオン伝導性に乏しく、結着剤の割合が20重量%を超えると高容量化を図ることが困難になる。
本実施形態のアルカリ二次電池用の正極は、必要に応じ、本発明の目的を損なわない範囲において上述の必須成分以外の他の成分を含んでいてもよい。本実施形態のアルカリ二次電池用の正極は、例えば、正極材料と導電助剤を十分にかつ均一に混合し、これに結着剤を加えてペースト状に混練して得られる。
電解質は、水素を活物質とする電池で用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、水酸化カリウム(KOH)、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)などの塩を水に溶かしたものが好適である。電池の出力特性の観点から、電解液は水酸化ナトリウム水溶液であることが好ましい。
セパレータとしては、水素を活物質とする電池に用いられる公知のものが使用できる。セパレータの形状としては、微多孔膜、織布、不織布、圧粉体が挙げられ、このうち、出力特性と作製コストの観点から不織布が好ましい。セパレータの材質としては、特に限定されないが、耐アルカリ性、耐酸化性、耐還元性を有することが好ましい。具体的にはポリオレフィン系繊維が好ましく、例えば、ポリプロピレンもしくはポリエチレンが好ましい。この他に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド(PI)、ポリアミド、ポリアミドイミド、アラミド等の材料が挙げられる。また、これらのセパレータにセラミックスを被覆し、耐熱性、親液性、ガス透過性などを向上させたセパレータであってもよい。
ポリオレフィン系繊維は疎水性であるので、親水処理する必要がある。水素ガス雰囲気中で使用する場合は、フッ素ガス処理を施したセパレータが好ましい。また、金属酸化物をセパレータの表面に塗布もしくは被覆したセパレータが好ましい。
フッ素ガス処理もしくは金属酸化物の塗布により、親水性を付与したセパレータは、水素ガス中で使用しても、水素により親水性が失われにくく、長寿命が期待できる。
フッ素ガス処理は、例えば、不活性ガスで希釈したフッ素ガスに、気密空間の中で不織布をさらすことにより不織布の繊維表面を親水化することができる。また、金属酸化物としては例えば、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、イットリウム酸化物、ハフニウム酸化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化スカンジウムなどが挙げられる。ジルコニア(ZrO)もしくは酸化イットリウム(Y)が好ましい。金属酸化物は親水性を有しており、かつ、水素により劣化しにくいから長期にわたって親水性を保持し、電解液のドライアウトを抑制することが可能である。
図1に示す積層電池11は、外装体15と集電棒17と外装体内部に収納される電極体13とを主な構成要素として備えている。外装体15は、有底の円筒缶12と、円筒缶の開口部12cに取付けられた円盤状の蓋部材16とから構成されている。蓋部材16は、電極体13を収納後に、円筒缶の開口部12cにおいて密に嵌合されている。
正極13aと、負極13bと、正極13aと負極13bの間に介在するセパレータ13cとから構成される電極体13は、円筒缶12の軸方向(図1のX方向)に積層して外装体15の内部に収納されている。正極の外縁部13abは円筒缶の内面12aと接触しており、正極13aと円筒缶12は電気的に接続されている。電極体13の中央には集電棒17が貫通している。負極の穴の周縁部13baは軸部17aと接触して、負極13bと集電棒17は、電気的に接続されている。
積層電池11は、電池内に水素貯蔵室を有していないので、電池の寸法は大きくならない。電池に供給された水素ガスは、水素貯蔵室のような特別な空間に保持されるのでなく、電池内部の隙間に保持される。このような隙間としては、正極とその集電体となる外装体の間の隙間、負極と集電体となる集電棒との間の隙間、電極間の隙間および電極とセパレータの隙間が上げられる。更には、電極内部に存在する空隙にも、水素ガスが保持される。特に、正極で発生する酸素は、直ちに、正極の空隙に保持されている水素ガスと結合して水となるので、正極に含まれる導電助剤が酸化されることはない。なお、正極の空隙には、電極面から水素ガスが補充される。また、正極外に漏れだした酸素は、電池に封入された水素ガスおよび水素吸蔵合金に保持された水素ガスと結合するので、水素吸蔵合金を酸化することがない。
負極13bの外径は円筒缶12の内径より大きいので、負極13bは円筒缶12に強く押し当てられ、密に接触している。負極13bで発生した熱は直接円筒缶12に伝えられる。また、正極13aで発生した熱はセパレータ13cを介して負極13bに伝えられる。セパレータ13cは熱を伝えにくいが、薄く、1枚のみであるので、熱の伝導に大きな妨げとならない。以上のようにして、電極13a,13bで発生した熱は小さな熱勾配で円筒缶12に伝えられ、積層電池内部の温度上昇を抑制することを可能にしている。
従来のニッケル水素二次電池でフローティング充電を行えば、過充電による電池温度の上昇が生じ、この結果電池内部抵抗が低下して、充電電流が増加する。充電電流の増加は電池温度のさらなる上昇を招くという悪循環を引き起こす。電池内部の温度上昇による電池性能の劣化を招くところ、電池内部の温度上昇が抑制されれば、過充電による電流の上昇は抑制される。
フローティング充電を行えば、負極から水素ガスが発生する。電池は密閉構造を採用しているので、充電が進むにつれて、発生水素ガス量が増えて電池内部の水素ガス濃度は上昇する。ネルンストの式によれば電池内部の水素ガス濃度の上昇につれて負極の電位は低下する。この結果電池の端子電圧が緩やかに上昇し、ついには直流電源の充電電圧と等しくなる。すなわち充電が進めば電池電位が上昇して、直流電源の電圧と等しくなれば充電電流は流れなくなり、事実上、充電は停止する。
図1に示す構造を有したニッケル水素電池を用いて電池の充放電特性を測定した。なお、測定に先立ち下記の要領で電池内には水素ガスが充填された状態となっている。すなわち、ニッケル水素電池11の蓋部材16には、電解液および水素ガスの供給を行うための供給口19が設けられていて、この供給口19には水素ガスタンク20が接続可能となっている。
負極と正極を、予め電解液を含浸させたセパレータを介して重ね合わせて外装体に収納して、密閉して電池を組立てる。電池の組立完了後に、真空引きして、電池内部の空気を排除する。次に、4MPaの水素ガスタンクを接続して電池内部に水素ガスを封入する。再度真空引きして、4MPaの水素ガスタンクから水素ガスを電池内部に供給する。
図2に、本発明に用いた水素ガスを封入した電池の充電曲線と放電曲線を示す。水素ガスが封入されていない電池の充電特性の一部が破線で示してある。図2において水素ガスが封入されていない電池は、破線で示すように過充電になると電池温度の上昇→電池内部抵抗の低下→充電電流の増加→電池温度上昇の悪循環が生じて、充電電流が急激に増加する。一方、図2において実線で示す水素ガスが封入された電池は、前述したような悪循環を繰り返すことなく、良好な充電特性を有することが分かる。
図2の測定に用いた単電池について組電池を構成して、フローティング充電後の放電特性と電池の全体温度を測定し、その結果を図3に示す。図中曲線(1)は組電池の全体電圧である。良好な放電特性を示していることが分かる。図中曲線(2)は電池内部の各部の温度であり、曲線(3)は測定時の室温である。電池温度にばらつきが見られず、温度もほとんど上昇していないことが分かる。これは、電池内部で発生する熱が速やかに外部に放出されているからである。
本発明にかかるニッケル水素電池を用いて、充電電圧をパラメータにとり、フローティング充電の行った場合の充放電特性曲線を図4に示す。縦軸は電池電位でV(ボルト)単位で示してあり、横軸はSOCであり%単位で示してある。充電電圧に依存して、ピーク電位が変化する。充電が進むにつれて、水素ガスが発生して電池内部の水素ガス濃度が上昇し、起電圧が上昇して、電池電位は大きくなる。電池電位が充電電圧と等しくなると充電電流は流れなくなる。
図4に示す特性曲線は、正極材料にオキシ水酸化ニッケルを用いた場合におけるニッケル水素電池の例であるところ、正極材料が酸化銀の場合は、図4に示す電極電位より少し(0.2V程度)高くなり、二酸化マンガンの場合は電極電位は少し(0.2V程度)低くなる。
図4におけるもう一つの特徴は、充電を停止した電圧から放電が開始することである。充電でピークを示した電圧から放電を開始することは図4に示すとおりである。従来のニッケル水素電池では、放電開始電圧は充電終止電圧に等しくない。もっとも、充電から放電に切り替わる際に、酸化還元反応の切り替わりに起因する電位が低下することがあるがその程度はわずかである。
正極材料にオキシ水酸化ニッケルを用いた場合の電池のSOC特性線図を図5に示す。特性線図は横軸にフローティング電圧をV単位で、縦軸にSOCを%単位で示してある。フローティング電圧とSOCは、理論上、図5において破線で示すようなリニアな関係にある。具体的には、フローティング電圧が1.28VのときSOCが0%であり、1.5VのときSOCが100%である。ドットで示す点は測定結果であり、測定誤差の関係で若干理論値から外れている。この図から、電池の電圧を測定すれば、電池の充電状態(SOC)を簡単に知ることができることが分かる。
電池のSOCを測定する方法は多く提案されているが、いずれも測定もしくは計算方法が複雑であるものが多く、測定結果に誤差があるものが多い。しかし本発明で提案するフローティング充電が可能な電池においては、電池電位とSOCの関係がリニアであり、理論的に求めることができるので、電池電位を測定することにより、容易に、かつ、正確に電池の充電状態(SOC)を簡単に知ることができる。もっとも電位とSOCの関係は正極材料に依存するので、正極材料に適合した理論値を準備しておく必要がある。
図6は本発明に係る電池を用いた直流給電方式を説明するための接続電気系統図である。給電所1は、直流電源の発電所であって、直流電力系統10に直流電流を供給する。給電所1は、例えば、太陽光発電所であってもよく、風力発電所もしくは風力発電と電池とを組合わせたものであってもよい。
電池2と負荷設備3とは、給電所1に並列に接続されている。電池2はこれまで述べてきたフローティング充電が可能な電池である。負荷設備3は直流電流を負荷とする需要家における設備である。負荷設備としてUPS等が挙げられるがこれに限定されるものでない。給電所1、電池2および負荷設備3が給電線7により結ばれて直流給電系統を構成している。
商用の電力系統6から変圧器5および整流器4を介して直流電流を直流電力系10に接続してもよい。
図7はガントリークレーンの電気系統図である。ガントリークレーンはフローティング充電が行われている設備の一例である。系統から受電した交流電力を変圧器22で降圧した後コンバータ23にて直流電力に変換して、インバータ26において適切な周波数および電圧の交流電力に逆変換されて荷役用のモータ27を駆動する。電力事情に恵まれていない埠頭では、機械室内部に向けた大形ディーゼル発電機21から電力を得ている。
荷役用のモータ27は瞬時に大きな電力を必要とするため、電池28が荷役用のモータ27を駆動するための電力をアシストする。このために、電池28は予期せぬ荷役に備えて常に満充電されている必要があり、コンバータ23からの直流電流によりフローティング充電されている。
本発明の直流給電方式は、自然エネルギーを利用した発電設備を電源とする電力系統に好適に利用することができる。
1 給電所
2 電池
3 負荷設備
5 変圧器
6 電力系統
7 給電線
10 直流電力系統
11 円筒型積層電池
12 円筒缶
13 電極体
14 絶縁板
15 外装体
16 蓋部材
17 集電体
18 軸受
21 発電機
22 変圧器
23 コンバータ
26 インバータ
27 モータ
28 電池

Claims (9)

  1. 直流電源と、負荷設備と、水素が封入され負極活物質を水素とする二次電池と、給電路とを備えた直流給電方式であって、
    前記二次電池は、端子電圧が充電電圧と等しくなり充電電流が流れなくなるまで充電することにより充電終了時の電圧と放電開始時の電圧が等しく、
    前記直流電源に対して、前記二次電池と前記負荷設備とが前記給電路によって並列に接続されている直流給電方式。
  2. 前記二次電池が密閉構造を有している請求項1に記載の直流給電方式。
  3. 前記二次電池の正極が酸化金属を有している請求項2に記載の直流給電方式。
  4. 前記二次電池の負極が水素吸蔵合金および白金およびパラジウムのいずれか1以上を有している請求項3に記載の直流給電方式。
  5. 前記正極と前記負極の間に介在するセパレータが、ポリオレフィン系不織布を親水処理したものである請求項4に記載の直流給電方式。
  6. 前記セパレータが金属酸化物で被覆されている請求項5に記載の直流給電方式。
  7. 前記金属酸化物が少なくともジルコニアおよび酸化イットリウムを含んでいる請求項6に記載の直流給電方式。
  8. 前記二次電池は、正極材料にオキシ水酸化ニッケルを含んでおり、フローティング充電電圧の一次関数として前記二次電池のSOCを求める請求項1〜7のいずれか一項に記載の直流給電方式。
  9. 交流電力系統に接続された直流変換器が前記直流電源に並列に接続されている請求項1および2のいずれか一項に記載の直流給電方式。
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