JP6746116B2 - 移動体用二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、各種の移動体に用いる二次電池に関し、詳しくは移動体の運行および移動体内の電気機器の使用に供する移動体搭載用の二次電池に関する。
自動車に搭載された二次電池はエンジンの始動用に用いられるとともに、車内の冷暖房、車内外の照明用、ナビやワンセグの通信機器等自動車のユーティリティとして利用されている(例えば、特許文献1)。この様な目的に使用可能な二次電池には、鉛蓄電池のほかニッケル水素電池、リチウムイオン電池等がある。
エンジンの始動並びに車内のユーティリティに使用された電気はエンジン駆動される発電機からの電力により逐次補充され二次電池は満充電を維持する。このため自動車に搭載される二次電池はフローティング充電が可能なものであることが要求される。
フローティング充電が可能であること及び安価であるという理由から、現在、自動車用の電源として鉛蓄電池が広く用いられている。しかし、鉛は環境有害物質なので使用が制限されている。もっとも、鉛電池の機能を完全に置き換えることができないので、鉛電池は現在も自動車に一般的に使用されている。
フローティング充電に関しては、特許文献2に、複数のアルカリ系二次電池を互いに接続した組電池の内部圧力を測定して、測定した電池の内部圧力に基づき充電制御を行うことにより、フローティング充電を可能にする充電方法が開示されている。
特開2018−62342号公報 特開2010−40297号公報 特開2018−55903号公報
ニッケル水素二次電池の場合、充電反応自体が発熱反応であるので、定電圧制御下で、微小な電流で継続的に充電することによって常に満充電の状態を保つ、いわゆるフローティング充電には適さないとされている。すなわち、ニッケル水素二次電池でフローティング充電を行おうとすると、過充電による電池温度の上昇→電池内部抵抗の低下→充電電流の増加→電池温度のさらなる上昇、という悪循環を引き起こし、電池内部圧力の上昇や電池性能の劣化につながる。したがって、ニッケル水素二次電池を、常に満充電状態に維持されることが要求される用途に適用するに際しては、過充電とならないよう十分な配慮を必要とする。
鉛蓄電池は、環境負荷の高い鉛を用いていることのほか、次の課題を有している。
(1)他の二次電池と比較して体積エネルギー密度、重量エネルギー密度が小さい。
(2)過放電に弱く、過放電が発生すると性能が大きく低下する。
(3)軽量化と耐久性の両立が課題とされている(例えば、特許文献3)。
本発明が解決しようとする課題は、フローティング充電を行っても電池の性能の劣化しない、エネルギー密度の高い二次電池を移動体に用いることを可能にする。
前記した目的を達成するために、本発明に係る移動体用二次電池は、水素が封入され、負極活物質を水素とする二次電池であって、当該二次電池の充電終了時の電圧と放電開始時の電圧が等しい。この構成において、二次電池の充電を終えたときの電池電圧と、充電を終えた後の使用開始時の電池電圧が等しい。
この構成によれば、二次電池には水素ガスが封入されているので、正極に含まれるカーボンから成る導電剤は酸化されることがなく、負極の水素吸蔵合金も酸化劣化しないので寿命特性に優れた二次電池となる。
当該二次電池は満充電に近づけば充電電流が減少し、ついには電池電位が充電電圧と等しくなるので、二次電池が損傷することなく満充電状態を維持することができる。UPSのような、常に満充電状態を維持することが要求される用途に適用することが可能となる。
本発明に係る移動体用二次電池は、前記二次電池が密閉構造を有している。二次電池が密閉構造を採用しているので、充電により負極から発生する水素ガスは、二次電池内部に蓄積されて、水素ガス圧力が高くなる。そして、水素ガス濃度の上昇により、負極の電極電位が低下して、この結果二次電池の端子電圧が上昇する。
本発明に係る移動体用二次電池は、前記二次電池の正極が酸化金属を有している。また、本発明に係る移動体用二次電池は、前記二次電池の負極が水素吸蔵合金および白金およびパラジウムのいずれか1以上を有している。
本発明に係る移動体用二次電池は、前記正極と前記負極の間に介在するセパレータが、ポリオレフィン系不織布を親水処理したものである。親水性を付与したセパレータは、水素ガス中で使用しても、水素により親水性が失われにくく、長寿命が期待できる。また、本発明に係る移動体用二次電池は、前記セパレータが金属酸化物で被覆されている。
本発明に係る移動体用二次電池は、自動車、バス、バイク、飛行機、ヘリコプターおよび船舶を含む乗り物に搭載される。また、本発明に係る移動体用二次電池は、トラック、フォークリフトおよびクレーンを含む運搬用の車両に搭載される。更に、本発明に係る移動体用二次電池は、ブルドーザーおよびパワーショベルを含む作業用の車両に搭載される。
本発明に係る移動体用二次電池は、鉄道、地下鉄、路面電車およびLRTを含む軌道用の車両に利用される。また、本発明に係る移動体用二次電池は、ロケット、ミサイルおよびレールガンにも利用される。
本発明に係る移動体用二次電池は、充電スタンドに配置されている。自動車、バス、バイク、トラックおよびフォークリフトを含む車両に搭載された二次電池を充電する充電スタンドに当該移動体用二次電池が配備されている。
以上のように、本発明に係る移動体用二次電池によれば、電池の性能の劣化することなく満充電状態を維持するフローティング充電が可能となる。そして、自動車のような常に満充電状態を維持することが要求される用途に適用することができる。更に、本発明に係る移動体用二次電池によれば、鉛蓄電池の有する課題を有していない。
水素電池の軸方向断面図である。 水素電池の電圧特性と温度特性を示す図である。 水素電池のフローティング充電時の電圧特性を示す図である。 水素電池の放電時の電圧特性を示す図である。 水素電池のSOC特性図である。
以下、本発明に係る実施形態を説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
本発明の各実施形態について説明するのに先立ち、本発明が適用される二次電池として水素電池を例に取り説明する。なお、二次電池のタイプは活物質が水素であればよく水素電池に限定されるものでない。
集電体は、電気伝導性が高く、保持した電極材料に通電し得る材料であれば特に限定されない。正極集電体は、電解液中の安定性と耐酸化性の観点から集電体としてはNiが好ましい。なお、鉄にニッケルを被覆したものを用いてもよい。負極集電体は、電解液中の安定性と耐還元性の観点からNi等が好ましい。なお、鉄にニッケルやカーボンを被覆したものを用いてもかまわない。
集電体の形状としては、線状、棒状、板状、箔状、網状、織布、不織布、エキスパンド、多孔体、エンボス体又は発泡体があり、このうち充填密度を高めることができること、出力特性が良好なことから、エンボス体又は発泡体が好ましい。
正極材料は、酸化金属が好ましい。例えば、酸化銀、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケルがあげられる。負極材料としては、水素吸蔵合金、白金、パラジウムがあげられる。このうち、水素貯蔵容量、充放電特性、自己放電特性およびサイクル寿命特性の観点から、AB5型の希土類−ニッケル合金である、MmNiCoMnAlのミッシュメタルを含んだ5元系合金であることが好ましい。あるいは、超格子水素吸蔵合金といわれるLaMgNi系であることが好ましい。なお、これら合金は1種又は2種以上を用いてもよい。
導電助剤は、活物質に導電性を付与し、その利用率を高めるためのものである。導電助剤は、放電時に電解液に溶出することなく、かつ、水素で還元されにくい炭素材料であることが好ましい。正極に用いる導電助剤はグラファイト化したソフトカーボンがより好ましい。
正極材料、結着剤、および、導電性粉末を混合してペースト状に混練する。このペーストを、集電体に塗布または充填し、乾燥させる。その後、ローラープレス等で集電体を圧延することにより、正極を作製する。同様に、負極材料、結着剤、および、導電性粉末を混合してペースト状に混練する。このペーストを、集電体に塗布または充填し、乾燥させる。その後、ローラープレス等で集電体を圧延することにより、負極を作製する。
結着剤としては、例えば、ポリアクリル酸ソーダ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン−ビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、フッ素系樹脂、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)を含む。
また、結着剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を使用してもよい。PTFEは、水素により還元されにくく、水素雰囲気中で長期間使用しても劣化が進みにくく、長寿命が期待できる。
正負極材料、結着剤、および、導電助剤の合計を100質量%とした場合、正負極に配合される結着剤の質量比は、20質量%以下に設定するのが好ましく、10質量%以下に設定するのがより好ましく、5質量%以下に設定するのがさらに好ましい。結着剤は電子伝導性とイオン伝導性に乏しく、結着剤の割合が20質量%を超えると高容量化を図ることが困難になる。
電解質は、水素を活物質とする電池で用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、水酸化カリウム(KOH)、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)などの塩を水に溶かしたものが好適である。電池の出力特性の観点から、電解液は水酸化ナトリウム水溶液であることが好ましい。
セパレータとしては、水素を活物質とする電池に用いられる公知のものが使用できる。セパレータの形状としては、微多孔膜、織布、不織布、圧粉体が挙げられ、このうち、出力特性と作製コストの観点から不織布が好ましい。セパレータの材質としては、特に限定されないが、耐アルカリ性、耐酸化性、耐還元性を有することが好ましい。具体的にはポリオレフィン系繊維が好ましく、例えば、ポリプロピレンもしくはポリエチレンが好ましい。この他に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド(PI)、ポリアミド、ポリアミドイミド、アラミド等の材料が挙げられる。また、これらのセパレータにセラミックスを被覆し、耐熱性、親液性、ガス透過性などを向上させたセパレータであってもよい。
ポリオレフィン系繊維は疎水性であるので、親水処理する必要がある。水素ガス雰囲気中で使用する場合は、フッ素ガス処理を施したセパレータが好ましい。また、金属酸化物をセパレータの表面に塗布もしくは被覆したセパレータが好ましい。
フッ素ガス処理もしくは金属酸化物の塗布により、親水性を付与したセパレータは、水素ガス中で使用しても、水素により親水性が失われにくく、長寿命が期待できる。
フッ素ガス処理は、例えば、不活性ガスで希釈したフッ素ガスに、気密空間の中で不織布をさらすことにより不織布の繊維表面を親水化することができる。また、金属酸化物としては例えば、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、イットリウム酸化物、ハフニウム酸化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化スカンジウムなどが挙げられる。ジルコニア(ZrO)もしくは酸化イットリウム(Y)が好ましい。金属酸化物は親水性を有しており、かつ、水素により劣化しにくいから長期にわたって親水性を保持し、電解液のドライアウトを抑制することが可能である。
電池としての形態は捲回型であってもよく、積層型であってもよく、電池の形態は限定されない。図1に示す積層型の水素電池11は、外装体15と集電棒17と外装体内部に収納される電極体13とを主な構成要素として備えている。外装体15は、有底の円筒缶12と、円筒缶の開口部12cに取付けられた円盤状の蓋部材16とから構成されている。蓋部材16は、電極体13を収納後に、円筒缶の開口部12cにおいて密に嵌合されている。
正極13aと、負極13bと、正極13aと負極13bの間に介在するセパレータ13cとから構成される電極体13は、円筒缶12の軸方向(図1のX方向)に積層して外装体15の内部に収納されている。正極の外縁部13abは円筒缶の内面12aと接触しており、正極13aと円筒缶12は電気的に接続されている。電極体13の中央には集電棒17が貫通している。負極の穴の周縁部13baは軸部17aと接触して、負極13bと集電棒17は、電気的に接続されている。
正極13aの外径は円筒缶12の内径より大きいので、正極13aは円筒缶12に強く押し当てられ、密に接触している。正極13aで発生した熱は直接円筒缶12に伝えられる。また、負極13bで発生した熱はセパレータ13cを介して正極13aに伝えられる。セパレータ13cは熱を伝えにくいが、薄く、1枚のみであるので、熱の伝導に大きな妨げとならない。以上のようにして、電極13a,13bで発生した熱は小さな熱勾配で円筒缶12に伝えられ、水素電池内部の温度上昇を抑制することを可能にしている。高い冷却能力を有している。
水素電池11の蓋部材16には、電解液および水素ガスの供給を行うための供給口19が設けられていて、この供給口19には水素ガスタンク20が接続可能となっている。負極と正極を、予め電解液を含浸させたセパレータを介して重ね合わせて外装体に収納して、密閉して電池を組立てる。電池の組立完了後に、真空引きして、電池内部の空気を排除する。次に、4MPaの水素ガスタンクを接続して電池内部に水素ガスを封入する。この時点で、負極は水素ガスにより化学的に充電されて満充電の状態となっている。好ましくは、電池としては正極規制とされている。
電池に供給された水素ガスは、水素貯蔵室のような特別な空間に保持されるのでなく、電池内部の隙間に保持されるので、水素ガスを保持するために電池の寸法は大きくならない。そして、正極で発生する酸素は、直ちに正極の空隙に保持されている水素ガスと結合して水となるので、正極に含まれる導電剤が酸化されることはない。また、正極外に漏れだした酸素は、電池に封入された水素ガスおよび水素吸蔵合金に保持された水素と結合するので、水素吸蔵合金は酸化されることがない。
負極は満充電状態にあるので、充電を行えば負極から水素ガスが発生する。電池は密閉構造を採用しているので、充電が進むにつれて、電池に封入された水素ガスに発生水素が加わり、電池内部の水素ガス濃度は上昇する。電池内部の水素ガス濃度の上昇につれて負極の電位は低下する(負側に大きくなる)ことはネルンストの式に示す通りである。
ここにネルンストの式は、V=V0+αlog(c1/c2)であって、V;電極電位、V0;標準電極電位、α;定数、c1/c2;濃度比である。
水素ガスの発生につれて電池の端子電圧は緩やかに上昇し、ついには充電電圧と等しくなって充電電流は流れなくなり充電は停止する。すなわち充電が進めば電池電位が上昇して、直流電源の電圧と等しくなれば充電電流は流れなくなり、事実上、充電は停止する。
本発明の実施に用いた水素電池で組電池を構成して、フローティング充電後の放電特性と電池温度を測定し、その結果を図2に示す。図中曲線(1)は組電池の電圧である。良好な放電特性を示していることが分かる。図中曲線(2)は電池内部の各部の温度であり、曲線(3)は測定時の室温である。電池温度にばらつきが見られず、温度は室温とほぼ等しく、電池温度はほとんど上昇していないことが分かる。これは、電池内部で発生する熱が速やかに外部に放出されているからである。
本発明の実施に用いた水素電池について、充電電圧をパラメータにとり、フローティング充電の行ったときの充放電電圧の特性曲線を図3A,3Bに示す。試験は所定の電圧で24時間充電を行い、充電終了後に3C放電させて電池電位が1Vになったときに測定を終了した。
図3Aは充電特性であり、縦軸は電池電位をV単位で示してあり、横軸はSOC(State of Charge)であり%単位で示してある。充電直後から電池電位は上昇し、充電が進むにつれて、水素ガスが発生して電池内部の水素ガス濃度が上昇し、起電圧が上昇して、電池電位は徐々に大きくなる。電池電位が上昇して充電電圧と等しくなると充電電流は流れなくなる。これは水素電池の第1の特徴といえる。このことから水素ガスが封入された水素電池はフローティング充電による悪循環が生じることがないことが立証された。なお、曲線(1)(2)(3)(4)で示すいずれの電圧特性も充電開始後まもなく満充電となり、充電電圧に依存した電圧で充電を終えている。
図3Bは放電特性であり、縦軸は電池電位をV単位で示してあり、横軸はDOD(Depth of Discharge)であり%単位で示してある。DODが0%において満充電状態から放電に切り替えたときの電池の電圧の推移が満充電時の電圧曲線と併せて表示されている。
水素電池の第2の特徴は、充電を停止した電圧から放電が開始することである。充電電圧まで上昇した電圧から放電を開始することは図3Bに示すとおりである。もっとも、充電から放電に切り替わる際に、酸化還元反応の切り替わりに起因する電位の低下がみられることがあるがその程度はわずかである。なお、従来のニッケル水素電池では、放電開始電圧は充電終止電圧に等しくないことは留意しておくべきである。
水素電池のSOC特性線図を図4に示す。特性線図は横軸にフローティング電圧をV単位で、縦軸にSOCを%単位で示してある。フローティング電圧とSOCは、理論上、図4において破線で示すようなリニアな関係にある。具体的には、フローティング電圧が1.28VのときSOCが0%であり、1.5VのときSOCが100%である。ドットで示す点は測定結果であり、測定誤差の関係で若干理論値から外れている。この図から、電池の電圧を測定すれば、電池の充電状態(SOC)を簡単に知ることができることが分かる。
電池のSOCを測定する方法は多く提案されているが、いずれも測定もしくは計算方法が複雑であるものが多く、測定結果に誤差があるものが多い。しかし本発明で提案するフローティング充電が可能な電池においては、電池電位とSOCの関係がリニアであるので、電池電位を測定することにより、容易に、かつ、正確に電池の充電状態(SOC)を簡単に知ることができる。
本発明に係る移動体用二次電池における移動体には、自動車のみならずバスやオートバイ等の地上を走行する乗り物用車両であってもよく、飛行機やヘリコプター等の空を移動乗り物であってもよく、客船および貨物船等の船舶であってもよい。
本発明に係る移動体用二次電池における移動体には、トラックやフォークリフトやクレーンなどの運搬・荷役用の車両であってもよい。また、ブルドーザーやパワーショベル等の建設機械にも適用可能である。更に、鉄道、地下鉄、路面電車およびLRT等の軌道を走行する車両にも適用可能である。本発明に係る二次電池は移動体に搭載されて、移動体の運行並びに移動体に付帯する電子・電気機器の利用に供される。
本発明に係る移動体用二次電池における移動体には、ロケット、ミサイルおよびレールガン等を含む。燃料の燃焼に基づく推進力を利用した従来の移動体であっても、二次電池から供給される電力を用いた電磁推進力を利用した移動体にも用いることができる。
本発明に係る移動体用二次電池における移動体の原動機として、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、電動モータおよびジェットエンジンのいずれかもしくはこれらの組み合わせであってもよい。
本発明に係る移動体用二次電池の用途としては、エンジン始動用、車内照明用、車外照明用、方向指示灯、空調用、車載カメラ・ナビ等の情報機器用、ビデオ・ラジオ・ステレオ・CD等の映像音響装置用等が考えられる。
自動車、バス、バイク、トラックおよびフォークリフトを含む車両に搭載された二次電池の充電は利便性を考えて短時間で充電することが望まれる。交流電力を整流した電源は、安価である反面そのインピーダンスが大きく充電に時間がかかる。二次電池のインピーダンスは小さいので、充電スタンドの電源として適している。すなわち、本発明の二次電池で前記車両等の充電を行えば、短時間で充電が完了する。また、充電済の二次電池を充電スタンド等に装備しておき、充電が必要な乗り物の二次電池と交換する方法をとれば、充電時間を節減することができる。交換により取り外された二次電池は商用電源を用いて遂次フローティング充電すればよい。
移動体ではないが、電動工具、通信機、通信設備、パソコンやスマートフォン等の情報機器、テレビカメラを含む種々のカメラおよび撮像機、撮影された画像を表示する表示器や投影機、並びに、温水器や湯沸しやテレビや掃除機等の家電機器等であっても当該発明になる二次電池を用いることができる。常時商用電源に接続しておけば、二次電池はフローティング充電されて満充電状態で前記の機器並びに設備を利用することができる。
本発明の移動体用二次電池は、自動車をはじめ各種移動体に好適に利用することができる。
11 水素電池
12 円筒缶
13 電極体
15 外装体
16 蓋部材
17 集電棒
19 供給口
20 水素ガスボンベ

Claims (12)

  1. 水素が封入され、負極活物質を水素とする二次電池であって、当該二次電池の充電終了時の電圧と放電開始時の電圧が等しい移動体用二次電池。
  2. 前記二次電池が密閉構造を有している請求項1に記載の移動体用二次電池。
  3. 前記二次電池の正極が酸化金属を有している請求項2に記載の移動体用二次電池。
  4. 前記二次電池の負極が水素吸蔵合金および白金およびパラジウムのいずれか1以上を有している請求項3に記載の移動体用二次電池。
  5. 前記正極と前記負極の間に介在するセパレータが、ポリオレフィン系不織布を親水処理したものである請求項4に記載の移動体用二次電池。
  6. 前記セパレータが金属酸化物で被覆されている請求項5に記載の移動体用二次電池。
  7. 前記移動体が、自動車、バス、オートバイ、飛行機、ヘリコプターおよび船舶を含む乗り物である請求項1に記載の移動体用二次電池。
  8. 前記移動体が、トラック、フォークリフトおよびクレーンを含む運搬用の車両である請求項1に記載の移動体用二次電池。
  9. 前記移動体が、ブルドーザーおよびパワーショベルを含む作業用の車両である請求項1に記載の移動体用二次電池。
  10. 前記移動体が、鉄道、地下鉄、路面電車およびLRTを含む軌道用の車両である請求項1に記載の移動体用二次電池。
  11. 前記移動体が、ロケット、ミサイルおよびレールガンを含む請求項1に記載の移動体用二次電池。
  12. 充電スタンドに配置されている請求項1に記載の移動体用二次電池。
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