JP5875068B2 - 棒状分子の分子長分布の狭小化方法 - Google Patents

棒状分子の分子長分布の狭小化方法 Download PDF

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Description

本発明は、基板表面に形成されたパターンの天面に、液晶性を示す棒状分子を一定の方向に配向させた状態で吸着させた基板を製造する方法、及び当該製造方法を用いて製造された基板に関する。
ある一定の軸比(分子長/直径)を有する棒状分子は、濃度に依存して液晶性を示すことが知られている。この現象自身は、棒状分子の材質や組成には依存せず、熱力学に支配された普遍的な物理現象である。熱力学的なドライビングフォースで自己集合した棒状分子は、一般的にドメイン構造を形成する。このような棒状分子としては、例えば、無機半導体ロット(例えば、非特許文献1参照。)、カーボンナノチューブ(例えば、非特許文献2及び3参照。)、バクテリオファージ等のウイルス分子(例えば、非特許文献4参照。)等が挙げられる。
近年、大規模集積回路(LSI)のさらなる微細化に伴い、より繊細な構造体を加工する技術が求められているが、棒状分子の自己集合により形成されたドメイン構造を利用することにより、ナノサイズの微細加工をより容易に行えるようになることが期待できる。例えば、酸化亜鉛は、化学センサー、太陽電池、トランジスタ、カーボンナノチューブ複合体フィールド・エミッション・デバイス等のナノデバイスに有用な半導体材料であるが、酸化亜鉛のナノワイヤ等の一次元のナノ構造体を形成する際に、棒状のナノ分子であるタバコモザイクウイルス(TMV)の自己集合によるドメイン形成を利用できることが開示されている(例えば、非特許文献5参照。)。
棒状分子の自己集合によりドメイン構造を形成する場合には、ドメイン間の分子向を制御することは難しい。そこで、棒状分子を特定の向きに配向させるために、例えば、TMVを分散させた溶液に対して溶媒の蒸発速度をコントロールすることにより、一軸方向に自己組織化させる方法(例えば、非特許文献6参照。)や、同じくTMVを分散させた溶液をキャピラリーチューブ内で乾燥させることにより、キャピラリーフォースを用いて一軸配向性を向上させる技術(例えば、非特許文献7参照。)が提案されている。
F.Kim,et al., J.Am.Chem.Soc.,2001,vol.123,pp.4360〜4361 S.Moulton,et al., J.Am.Chem.Soc.,2007,vol.129,pp.9452〜9457 P.Rai,et al., J.Am.Chem.Soc., 2006,vol.128,pp.591〜595 S.Lee,et al., Science,2002,vol.296,pp.892〜895 P.Atanasova,et al., Adv.Mater.2011,vol.23, pp.4918〜4922 Y.Lin,et al., Langmuir,2011,vol.27(4), pp.1398〜1402 Y.Lin,et al., Angew.Chem.Int.Ed.,2010, vol.49,pp.868〜872
自己組織化による棒状分子の配向制御を、非特許文献6や7に開示されているような従来の方法によって行う場合には、棒状分子の分子長の分布が広い場合には、棒状分子の濃度によらず、ランダム配向してしまう。つまり、従来法によって自己組織化による棒状分子の配向制御を行う場合には、分子長分布が狭い棒状分子を用いることが重要である。一方で、ウイルス分子やカーボンナノチューブ等の棒状分子は、分子長分布が広いものが一般的である。このため、予め棒状分子から、分子長分布が狭い画分(狭分散性画分)を回収しておくという前処理が必須とされる場合が多い。
本発明は、分子長分布が比較的広い棒状分子を用いた場合でも、基板表面の特定の場所において、棒状分子を特定の方向に配向させて自己組織化することができる方法、及び当該方法により得られた棒状分子を表面に備える基板を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち本発明の第の態様は、表面の少なくとも一部に、天面が平坦であるライン状の凸部を有するパターンが形成された基板の表面に、液晶性を示す棒状分子を含有する溶液又は分散液を流すことにより、前記凸部の天面に、前記溶液又は分散液中の棒状分子のうち、分子長Lが前記ライン状の凸部の幅寸法Lの0.2〜2.0倍である棒状分子を選択的に、互いに分子長方向と交差する方向に直線状に並べた状態で吸着させる吸着工程と、前記吸着工程の後、前記ライン状の凸部の天面に吸着していた棒状分子を、前記基板から分離して回収する回収工程と、を有し、前記溶液又は分散液における前記棒状分子の濃度が、1〜10mg/mLであることを特徴とする、棒状分子の分子長分布の狭小化方法である。
本発明によれば、基板表面に形成されたパターンの凸部の幅寸法に依存して、特定の分子長の棒状分子を選択的に、当該凸部の天面に一定の方向に配向させて吸着させることができる。
実施例1において、ピッチが250nmのL/Sパターンの各基板表面の原子間力顕微鏡画像を示す。 実施例1において、ピッチが150nmであるL/Sパターンの基板のラインの天面及びマイカ基板の表面に吸着したTMVについて、分子長の長さをヒストグラム化した結果を示す。 実施例1において、ピッチが200nmであるL/Sパターンの基板のラインの天面及びマイカ基板の表面に吸着したTMVについて、分子長の長さをヒストグラム化した結果を示す。 実施例1において、ピッチが250nmであるL/Sパターンの基板のラインの天面及びマイカ基板の表面に吸着したTMVについて、分子長の長さをヒストグラム化した結果を示す。 実施例1において、ピッチが300nmであるL/Sパターンの基板のラインの天面及びマイカ基板の表面に吸着したTMVについて、分子長の長さをヒストグラム化した結果を示す。 実施例1において、ピッチが500nmであるL/Sパターンの基板のラインの天面及びマイカ基板の表面に吸着したTMVについて、分子長の長さをヒストグラム化した結果を示す。 実施例1において、ピッチが1μmであるL/Sパターンの基板のラインの天面及びマイカ基板の表面に吸着したTMVについて、分子長の長さをヒストグラム化した結果を示す。
<棒状分子を表面に備える基板(棒状分子付着基板)の製造方法>
本発明の棒状分子を表面に備える基板の製造方法(以下、単に「本発明の基板の製造方法」ということがある。)は、表面の少なくとも一部に、天面が平坦である凸部を有するパターンが形成された基板の表面に、液晶性を示す棒状分子を含有する溶液又は分散液を流すことにより、前記凸部の天面に、前記棒状分子を、互いに分子長方向と交差する方向に直線状に並べた状態で吸着させる吸着工程を有することを特徴とする。天面が平坦である凸部を有するパターンが形成された基板の表面に、棒状分子を含有する溶液等を流すことにより、前記凸部の天面に、棒状分子が一定の方向に配向した状態で吸着する。また、前記凸部の天面には、当該溶液中の棒状分子のうち、分子長が特定の範囲内にある棒状分子が選択的に吸着する。このため、基板表面に流す溶液中の棒状分子が、分子長分布が比較的大きい場合でも、予め狭分散性画分を回収する等により分子長分布を狭小化し、狭分散性の棒状分子を精製する必要がない。
[棒状分子]
本発明において用いられる棒状分子は、液晶性を示すものであればよい。なお、液晶性とは、濃度に依存して自己組織化(自己集合)する性質をいう。棒状分子が液晶性を示すかどうかは、アスペクト比(分子長/直径)による。本発明において用いられる棒状分子としては、アスペクト比が4以上であることが好ましく、4〜11であることがより好ましい。
本発明において用いられる棒状分子の材質や組成は特に限定されるものではない。例えば、無機半導体ロットやナノカーボン材料等の無機分子であってもよく、高分子やタンパク質等の有機分子であってもよい。また、有機分子は、ウイルス分子等の生体分子のように自然界に元々存在している天然物であってもよく、人工的に設計・合成されたものであってもよい。ナノカーボン材料としては、カーボンナノチューブが好ましい。カーボンナノチューブとしては層数や構造は特に限定されるものではなく、シングルウォールカーボンナノチューブであってもよく、マルチウォールカーボンナノチューブであってもよい。高分子としては、ポリエステル、ポリシラン等の液晶性高分子として公知のものを用いることができる。タンパク質からなる棒状分子としては、M13バクテリオファージ、pf1バクテリオファージ、fdバクテリオファージ、TMV等のウイルス分子(特に、ウイルスカプシドタンパク質)、セルロース誘導体等が挙げられる。本発明においては、取り扱い性、安定性、サイズの多様性、化学修飾の容易さ等の点から、ウイルス分子やカーボンナノチューブを用いることが好ましい。
本発明においては、用いる基板やその表面に形成されたパターンの種類等を考慮して、用いられる棒状分子の材質や組成を決定することが好ましい。例えば、パターンがレジスト膜に形成されたパターンの場合、ウイルス分子等のように、比較的穏やかな条件でも自己組織化可能な棒状分子を用いることが好ましい。
本発明において用いられる棒状分子の大きさは特に限定されるものではないが、分子長Lが1μm以下であることが好ましく、800nm以下であることがより好ましく、750nm以下であることが更に好ましい。ナノサイズの棒状分子を用いることにより、本発明の基板の製造方法により、ナノサイズの微細構造体が表面に形成された基板とすることができる。
本発明の基板の製造方法においては、複数の棒状分子を、基板表面上のうち、天面が平坦である凸部の天面に、互いに分子長方向と交差する方向に直線状に並べられた状態で吸着させる。凸部の天面において、分子配向がランダムではなく、一の方向に配向させて自己組織化する棒状分子の大部分は、分子長Lが、当該凸部における棒状分子の分子長方向の寸法Lに対して長すぎもせず、短すぎもしない適当な長さのものである。このため、本発明において用いる棒状分子としては、分子長分布の幅の広狭は問わないが、分子長が、棒状分子を吸着させる凸部の寸法に応じた大きさである棒状分子を含むことが好ましい。例えば、凸部の寸法が100〜1000nmの場合、分子長Lが100〜2000nmの棒状分子を用いることができる。
[基板]
本発明の基板の製造方法において棒状分子を吸着させる基板は、基板それ自体の表面に天面が平坦である凸部が形成されているものであってもよく、基板表面に薄膜を形成し、当該薄膜に、天面が平坦である凸部を有するパターンを形成したものであってもよい。なお、天面が平坦である凸部を有するパターン(以下、単に「パターン」ということがある。)としては、特に限定されるものではなく、当該凸部が、基板表面の少なくとも一部にあればよく、基板表面全体にある必要はない。
基板表面上の天面が平坦である凸部の形状は特に限定されるものではないが、ライン状であることが好ましい。ライン状の凸部とは、凸部の天面の形状が細長く、伸長方向の寸法が幅方向の寸法に比べて非常に小さい凸部を意味する。また、「ライン状の凸部」は、基板上の他の凸部とは物理的に区別可能な一の凸部の全体の形状がライン状であるものに限られず、一の凸部の一部分がライン状であるものを含む。つまり、「ライン状の凸部」には、ラインアンドスペース(L/S)パターンのライン部分のように直線状の凸部のみならず、格子状の凸部、曲線状の凸部、ライン状とホール状やシリンダ状等のその他の形状を組み合わせた形状である凸部のライン状の部分も含まれる。
なお、天面は、当該天面に棒状分子を、分子長方向が当該天面と平行な状態で吸着させることが可能な程度に平坦であればよく、物理的に厳密に平坦である必要はない。つまり、天面に要求される平坦性は、用いる棒状分子の種類によっても適宜決定される。例えば、原子間力顕微鏡(AFM)で測定した自乗平均面粗さ(RMS)が5nm以下、好ましくは3nm以下であればよい。
基板の種類は特に限定されない。例えば、シリコン、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属、ガラス、酸化チタン、シリカ、マイカなどの無機物からなる基板、アクリル板、ポリスチレン、セルロース、セルロースアセテート、フェノール樹脂などの有機化合物からなる基板などが挙げられる。
また、本発明において用いられる基板の大きさや形状は、特に限定されるものではない。基板は必ずしも平滑な表面を有する必要はなく、様々な材質や形状の基板を適宜選択することができる。例えば、曲面を有する基板、表面が凹凸形状の平板、薄片状などの様々な形状のものまで多様に用いることができる。
また、基板表面には、無機系及び/又は有機系の膜が設けられていてもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)が挙げられる。
パターンが形成された薄膜を表面に有する基板を用いる場合、基板に薄膜を形成する前に、基板表面を洗浄してもよい。基板表面を洗浄することにより、後の薄膜形成工程が良好に行える場合がある。
洗浄処理としては、従来公知の方法を利用でき、例えば酸素プラズマ処理、水素プラズマ処理、オゾン酸化処理、酸アルカリ処理、化学修飾処理等が挙げられる。例えば、基板を硫酸/過酸化水素水溶液等の酸溶液に浸漬させた後、水洗し、乾燥させる。その後、当該基板の表面に、薄膜を形成することができる。
当該薄膜は、感光性膜であってもよく、非感光性膜であってもよい。また、有機膜であってもよく、無機膜であってもよい。例えば、インプリント法により、有機膜または無機膜に所定のパターンを形成することもできる。本発明においては、感光性又は非感光性の有機膜であることが好ましく、感光性又は非感光性のレジスト膜であることがより好ましい。
パターンが形成されたレジスト膜の形成方法は特に限定されるものではなく、レジスト膜にパターンを形成するために用いられる公知の手法の中から適宜選択することができる。フォトリソグラフィ法による場合には、例えば、必要に応じて洗浄処理又は中性化処理が施された基板表面に、レジスト組成物からなる膜を形成した後、所定のパターンが形成されたマスクを介して、光、電子線等の放射線にて選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、パターンが形成されたレジスト膜を形成することができる。
パターンを形成するレジスト組成物は、一般的にレジストパターンの形成に用いられるレジスト組成物やその改変物の中から適宜選択して用いることができる。当該レジスト組成物としては、ポジ型レジスト組成物とネガ型レジスト組成物のいずれであってもよい。また、現像の際に用いる現像液は、アルカリ現像液であってもよく、有機溶剤を含有する有機系現像液であってもよい。
例えば、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分、及び露光により酸を発生する酸発生剤成分を含有するポジ型レジスト組成物を用いて、パターンを形成することができる。かかるポジ型レジスト組成物においては、放射線が照射(露光)されると、酸発生剤成分から酸が発生し、該酸の作用により極性が増大してアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。そのため、パターンの形成において、当該レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜に対して選択的露光を行うと、当該レジスト膜における露光部の、前記アルカリ現像液に対する溶解性が増大する一方で、未露光部はアルカリ難溶性のまま変化しないため、アルカリ現像を行うことにより露光部が除去されてパターンが形成される。なお、該ポジ型レジスト組成物としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大し、且つ、露光により酸を発生する基材成分を含有するものも用いることができる。
具体的には、例えば、基板表面上に、前記ポジ型レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB))を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えばArF露光装置などにより、ArFエキシマレーザー光をパターンのマスクを介して選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いでこれをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いて現像処理し、好ましくは純水を用いて水リンスを行い、乾燥を行う。また、場合によっては、上記現像処理後にベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。このようにして、マスクパターンに忠実なパターンを形成することができる。
また、酸の作用により極性が増大し、有機溶剤を含有する現像液に対する溶解性が減少する基材成分、及び露光により酸を発生する酸発生剤成分を含有するネガ型現像用レジスト組成物を用いて、パターンを形成することもできる。かかるネガ型現像用レジスト組成物においては、放射線が照射(露光)されると、基材成分から酸が発生し、該酸の作用により基材成分の有機溶剤に対する溶解性が減少する。そのため、パターンの形成において、当該レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜に対して選択的露光を行うと、当該レジスト膜における露光部の、前記有機溶剤を含有する有機系現像液に対する溶解性が減少する一方で、未露光部の該有機系現像液に対する溶解性は変化しないため、該有機系現像液を用いたネガ型現像を行うことにより未露光部が除去されてパターンが形成される。
さらに、アルカリ現像液に可溶性の基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分と、架橋剤とを含有するネガ型レジスト組成物を用いて、パターンを形成することもできる。かかるネガ型レジスト組成物においては、露光により酸発生剤成分から酸が発生すると、当該酸が作用して基材成分と架橋剤成分との間で架橋が起こり、アルカリ現像液に対して難溶性へ変化する。そのため、パターンの形成において、当該レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜に対して選択的露光を行うと、当該レジスト膜における露光部はアルカリ現像液に対して難溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ現像液に対して可溶性のまま変化しないため、アルカリ現像することにより未露光部が除去されてパターンが形成できる。
その他、エッチング処理を利用して、パターンを形成することもできる。例えば、必要に応じて洗浄処理又は中性化処理が施された基板表面にレジスト組成物を塗布してレジスト膜を形成した後、当該レジスト膜上に、パターンが形成されている耐ドライエッチング耐性を備えるマスクを設置し、その後ドライエッチング処理を行うことにより、パターンが形成されたレジスト膜を形成することができる。ドライエッチング処理としては、酸素プラズマ処理、水素プラズマ処理、オゾン処理、及びUV照射処理等が挙げられる。
ウェットエッチング処理により、パターンを形成することもできる。具体的には、まず、基板表面に、非感光性レジスト膜を形成し、当該非感光性レジスト膜上にさらに感光性レジスト膜を積層させた後、当該感光性レジスト膜にパターンを形成する。その後、当該感光性レジスト膜よりも当該非感光性レジスト膜のほうが溶解性の高い有機溶剤によって、当該非感光性レジスト膜のうち、当該パターンによってマスクされていない領域を溶解除去することにより、当該非感光性レジスト膜に当該パターンが形成される。非感光性レジスト膜としては、SiOを主成分とする膜等のシリカ系被膜を好適に用いることができる。SiOを主成分とする膜は、例えば、ケイ素化合物を有機溶剤に溶解した溶液を塗布し、加熱処理するSOG(spin−on−glass)法、化学気相成長法等により形成することができる。また、感光性レジスト組成物としては、一般的にレジストパターンの形成に用いられるレジスト組成物やその改変物の中から適宜選択して用いることができる。
パターンを形成するレジスト組成物は、一般的にレジストパターンの形成に用いられるレジスト組成物やその改変物の中から、適宜選択して用いることができる。
[吸着工程]
パターンが形成された基板の表面に、棒状分子を含有する溶液又は分散液を流すことにより、当該パターン中の凸部の天面に、棒状分子を、互いに分子長方向と交差する方向に直線状に並べた状態で吸着させる。
基板表面に流す液は、棒状分子を含有する液であればよく、棒状分子が溶解している溶液であってもよく、棒状分子が分散している液であってもよい。棒状分子を含有する溶液又は分散液(以下、「棒状分子溶液」ということがある。)の溶媒は、棒状分子の構造や自己組織化を阻害せず、かつ基板及びその表面のパターンを損なうものでなければ、特に限定されるものではなく、公知の溶媒の中から棒状分子の種類、基板の種類、パターンが基板表面の薄膜に形成された場合には当該薄膜の組成等を考慮して適宜決定することができる。パターンが薄膜に形成された基板の場合、棒状分子溶液の溶媒としては水が好ましい。
本発明の効果を損なわない限り、棒状分子溶液中には、棒状分子と溶媒の他に、その他の成分が添加されていてもよい。その他の成分は、例えば、棒状分子の溶媒中における溶解性や分散性を向上させるためや、棒状分子の自己組織化を促進するために添加される。具体的には、SDBS(ドデシルベンゼンスルホン酸塩ナトリウム)等の界面活性剤やpH調整剤、無機塩、有機塩、pH緩衝剤等が挙げられる。
棒状分子は、濃度依存的に自己組織化する。このため、棒状分子溶液中の棒状分子の濃度は、当該棒状分子が自己組織化可能な濃度であることが好ましい。一方で、濃度が高すぎる場合には、凸部の天面に複数の層として棒状分子が自己組織化しやすい。凸部の天面に一層の特定の方向に配向させて棒状分子を自己組織化させるために好適な濃度は、棒状分子の種類により、適宜実験的に求めることができる。棒状分子がウイルス分子やカーボンナノチューブ等である場合、例えば、棒状分子溶液中の棒状分子の濃度は、1〜10mg/mLであることが好ましく、1.5〜5mg/mLであることがより好ましく、2〜5mg/mLであることがさらに好ましい。
棒状分子溶液をパターンの表面に流すことにより、パターン中の天面が平坦である凸部の天面で棒状分子が自己組織化し、分子長方向が当該天面に平行であり、かつ互いに分子長方向と交差する方向に直線状に並べられた状態で当該天面に吸着する。これにより、当該天面表面に、棒状分子が一軸配向した層が形成される。すなわち、本発明の基板の製造方法により、自己組織化による棒状分子の配向・配列制御を容易に行うことができる。
基板表面上の天面が平坦である凸部がライン状である場合、棒状分子は凸部の天面に、その分子長方向が当該凸部の幅方向に平行(完全に平行な場合に加え、10度以下の角度で交差する方向も含む。)になるように、互いに並列して吸着し、一軸配向層を形成する。つまり、凸部天面に付着した棒状分子は、当該凸部の伸長方向に略直交する方向(80度〜100度の角度で交差する方向)に配向しながら自己組織化する。
当該ライン状の凸部が略直線状である場合、当該ライン状の凸部の天面に吸着した棒状分子は、全て、当該凸部の伸長方向に略垂直の一定の方向に配向させることができる。略直線状の凸部としては、例えば、直線的なライン状の凸部、L/Sパターンのライン部分、格子状の凸部のうちの交差部分以外の略直線状の部分、曲線状の凸部のうちの曲率が非常に小さく局所的には直線に近似可能な部分等が挙げられる。
凸部の天面で一軸配向層を構成する棒状分子の分子長Lは、当該凸部の寸法に依存する。つまり、凸部の天面では、当該凸部の寸法に応じた大きさの棒状分子が選択的に、一軸配向層を形成する。一軸配向層を構成する棒状分子の分子長Lは、当該凸部の当該棒状分子の分子長方向の寸法Lの2.0倍以下であり、Lの0.2〜2.0倍であることが好ましい。
基板表面上の天面が平坦である凸部がライン状である場合、凸部の天面で一軸配向層を構成する棒状分子の分子長Lは、当該凸部の幅方向の寸法Lの2.0倍以下であり、1.7倍以下であることが好ましく、1.5倍以下であることがより好ましい。また、当該分子長Lは、当該凸部の幅方向の寸法Lの0.2倍以上であることが好ましく、0.4倍以上であることがより好ましく、0.6倍以上であることがさらに好ましく、0.9倍以上であることがよりさらに好ましい。
棒状分子溶液をパターンの表面に流す方法は、特に限定されるものではなく、例えば、基板表面に棒状分子溶液を流しかけてもよく、基板表面に棒状分子溶液を滴下し、そのまま当該基板を静置していてもよい。基板表面に形成されたパターンが流路として機能するため、基板表面に滴下された棒状分子溶液は、特別な処理を行わずとも自然に流れる。
パターンの表面で棒状分子溶液を流した後、当該基板を乾燥させる乾燥工程を設けてもよい。当該基板を乾燥させることにより、当該棒状分子溶液中の溶媒が除去される。乾燥方法は特に限定されるものではなく、溶媒の種類や棒状分子の性質等を考慮して決定される。例えば、自然乾燥であってもよく、加熱乾燥でもよく、温風乾燥でもよく、真空乾燥でもよい。
さらに、基板表面に棒状分子溶液を滴下した後、又は当該基板を乾燥させた後、当該基板を洗浄させる洗浄工程を設けてもよい。分子長Lが凸部の天面の寸法よりも長すぎる棒状分子や短かすぎる棒状分子は、凸部の壁面やパターンの凹部等の、凸部の天面以外の箇所に吸着することがある。乾燥後の基板を洗浄することにより、凸部の天面以外に吸着している棒状分子を除去することができる。洗浄に用いる洗浄液は、天面に形成された棒状分子の一軸配向層やパターン等を損なわないものであれば特に限定されるものではない。例えば、棒状分子溶液の溶媒と同種のものを用いることが好ましい。特に、パターンが薄膜に形成された基板を用いた場合、洗浄液としては水が好ましい。
棒状分子の吸着工程、基板の乾燥工程、及び基板の洗浄工程は、一の操作で行うこともできる。例えば、基板表面に棒状分子溶液を滴下した後、当該基板を回転させて棒状分子溶液を振り切るスピンコート法により、棒状分子溶液をパターンの表面に流す処理と基板の乾燥処理とを迅速に行うこともできる。
本発明の基板の製造方法では、凸部を有するパターンが形成された基板に、棒状分子溶液を滴下し、必要に応じて乾燥させるという非常に簡便な方法により、棒状分子の分子長選択的に前記凸部の天面に吸着させることができる。このため、例えば、適当なピッチのL/Sパターンが表面に形成された基板を用いることにより、ライン部分の天面に、分子長が特定の範囲内にある棒状分子の一軸配向層を容易に形成させることができる。また、L/Sパターンのラインの幅を調整することによって、所望の大きさの棒状分子を当該ラインの天面に吸着させることができる。つまり、本発明の基板の製造方法を用いることにより、ラビングやラングミュアブロシェット膜等の精密な膜作成技術を用いずとも、ドロップキャスト法のようなシンプルな方法によって大面積の一軸配向した棒状分子の超薄膜を容易に製造することができる。
<棒状分子を表面に備える基板(棒状分子付着基板)>
本発明の棒状分子付着基板は、表面の少なくとも一部に、天面が平坦である凸部を有するパターンが形成された基板と、棒状に形成されて、前記凸部の天面に、互いに分子長方向と交差する方向に直線状に並べられた複数の液晶性を示す棒状分子とを備え、前記棒状分子の分子長Lが、前記凸部における前記棒状分子の分子長方向の寸法Lの2.0倍以下であることを特徴とする。本発明の棒状分子付着基板は、基板表面に形成されたパターンの凸部の天面に、分子長が特定の範囲内にある棒状分子が、一定の方向に配向して吸着しており、例えば、本発明の基板の製造方法により製造することができる。
本発明の棒状分子付着基板は、棒状分子が特定の方向に配向して自己組織化することによって形成された極細線構造を有するため、極微小電子回路や光電変換材料等の極微小構造機能材料等に有用である。また、棒状分子による一軸配向層をマスクとして利用することもできる。これにより、リソグラフィー法によって従来よりも微細なパターンを形成することもできる。その他、太陽電池、光触媒、発光性無機材料、カーボンナノチューブ複合体フィールド・エミッション・デバイス、化学センサー、バイオチップ等の材料としても有用である。
<棒状分子の分子長分布の狭小化方法>
本発明の棒状分子の分子長分布の狭小化方法(以下、「本発明の狭小化方法」ということがある。)は、表面の少なくとも一部に、天面が平坦であるライン状の凸部を有するパターンが形成された基板の表面に、前記棒状分子溶液を流すことにより、前記ライン状の凸部の天面に、棒状分子溶液中の棒状分子のうち、分子長Lが前記ライン状の凸部の幅寸法Lの0.2〜2.0倍である棒状分子を選択的に、互いに分子長方向と交差する方向に直線状に並べた状態で吸着させる吸着工程と、前記吸着工程の後、前記凸部の天面に吸着していた棒状分子を、前記基板から分離して回収する回収工程と、を有することを特徴とする。
吸着工程は、基板表面に棒状分子溶液を流し、乾燥させた後、洗浄することにより行う。具体的には、前記の本発明の基板の製造方法と同様にして行うことができる。当該吸着工程により、棒状分子溶液中に含まれている棒状分子のうち、分子長Lが凸部の幅方向の寸法Lに対して特定の範囲内にある分子が選択的に、ライン状の凸部の天面に吸着する。また、分子長Lが前記特定の範囲外である棒状分子は、当該天面に吸着せず、洗浄により基板表面から除去される。
本発明の狭小化方法においては、基板表面に形成された天面が平坦である凸部は、ライン状の凸部であり、L/Sパターンのライン部分であることが好ましい。また、凸部の寸法、特に凸部の幅方向の寸法Lは、本発明の狭小化方法によって得たい所望の分子長Lに合わせて、適宜調整される。すなわち、棒状分子の所望の分子長Lは、L/Sパターンを選択し、凸部の幅寸法Lを自在に制御することができる。具体的には、所望の分子長Lが、ライン状の凸部の幅方向の寸法Lの0.2〜2.0倍となるように、言い換えると、幅寸法Lが、分子長Lの0.5〜5倍となるように調整する。本発明の狭小化方法では、幅寸法Lが、所望の分子長Lの0.6〜2.5倍であることが好ましく、0.6〜1.7倍であることがより好ましい。
吸着工程後、基板表面に吸着している棒状分子を回収する。これにより、元々の棒状分子溶液中に含まれていた棒状分子の中から、分子長Lが凸部の幅寸法Lに依存した特定の範囲内にある棒状分子を分別して回収されるため、棒状分子の分子長分布を、元々の棒状分子溶液中に含まれていた棒状分子よりも狭小化できる。つまり、本発明の狭小化方法により、分子長Lが所望の範囲内である狭分散性の棒状分子を容易に得られる。例えば、パターンがレジスト膜に形成されていた場合には、基板表面のレジスト膜を溶解させることによって棒状分子を回収することができる。また、PDMS(ポリジメチルシロキサン)等のシリコン基板表面に転写することによっても、基板表面上の棒状分子を回収することができる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[実施例1]
(1)TMV(タバコモザイクウイルス)の精製
冷凍保存したTMV感染葉100gと0.1Mリン酸バッファ125mL、メルカプト酢酸125μLをミキサーに投入し、得られた粉砕液を10分間氷冷して静置した。所定時間後、遠心機を用いて4℃、9000rpmで10分間遠心分離処理を行い、得られた上澄液を濾過した。この濾過液100mLに対し、2M塩化ナトリウム水溶液6mL、ポリエチレングリコール(分子量:6000)20mLを加え、手動で攪拌した後、30分間氷冷することによって塩析を行った。所定時間後、塩析させた溶液を4℃、12000rpmで10分間遠心分離処理を行った。遠心分離処理後、残渣のみ残し、10mMエチレンジアミン四酢酸溶液8mLを加え、ボルテックスミキサーを用いて攪拌して完全に溶解させた後、4℃、9000rpmで5分間遠心分離処理を行った。次いで、4℃、50000rpmで1時間超遠心分離処理を行った。超遠心分離処理のチューブ内の白色沈殿に蒸留水を100μL加え、一晩静置した。静置していた溶液を1.5mL容チューブに移し、4℃、15000rpmで1分間遠心分離処理を行い、上澄液のみを回収し、これを精製TMV溶液とした。この精製TMV溶液のUV測定を行い、260nmの吸光度からウイルス濃度を求めたところ、10mg/mLであった。また、電気泳動を行い、精製TMV溶液中のウイルス分子の分子量が18KDaであることを確認した。
(2)L/Sパターン形成
まず、HMDS処理した12インチのシリコンウェーハ上に、ArFポジ型レジスト組成物溶液TArF−8a−84(東京応化工業株式会社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で140℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚333nmのパターン形成用レジスト膜を形成した。
次いで、当該レジスト膜に対して、ArF露光装置NSR−S308F(ニコン社製;NA(開口数)=0.92)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、ピッチが150、200、250、300、500nm、又は1μmであるL/Sパターンを形成するためのマスクパターン(6%ハーフトーン)を介して選択的に照射した。そして、115℃、60秒間の条件で露光後加熱(PEB)処理を行い、さらに2.38質量%のTMAH水溶液(NMD−3、東京応化工業株式会社製)を用いて23℃で30秒間の条件で現像し、振り切り乾燥を行った。その後100℃、45秒間の条件でポストベーク処理を行った。その結果、150、200、250、300、500nm、又は1μmであるL/Sパターンがそれぞれ形成された。なお、各ピッチのL/Sパターンが形成された基板は、それぞれ10枚ずつ用意した。
(3)TMVの吸着
前記(1)で得た精製TMV溶液10mg/mLに蒸留水を加え、0.1、0.5、1、2、10mg/mLのTMV溶液を準備した。このTMV溶液5μLを、前記(2)で形成したL/Sパターン上に滴下し、10分間静置した。所定時間後、蒸留水100μLをパターンに沿う方向又は直交する方向に流すことにより、パターン表面の洗浄を行った。洗浄後、パターン表面の水分は風乾させた。
また比較対象として、パターンが形成されていないマイカ基板への滴下も同様に行った。
(4)基板表面の観察
TMVを吸着させた基板表面を、AFM(原子間力顕微鏡)を用いて観察した。観察は、5又は10μmスケールで行った。この結果、洗浄方向にかかわらず、ラインの天面に、分子長方向がパターンのラインの伸長方向に対して略直交した状態でTMVが吸着している様子が確認できた。
また、TMV濃度に依存して、ラインの天面に吸着するTMV量が変化することも確認できた。図1に、ピッチが250nmのL/Sパターンの各基板表面の原子間力顕微鏡画像を示す。TMV濃度が0.1又は0.5mg/mLの場合には、ラインの天面の極一部にしか、TMVは吸着していなかった。但し、吸着しているTMVは、いずれも分子長方向がパターンのラインの伸長方向に対して略直交した状態で吸着していた。TMV濃度が高くなるほど、ラインの天面に吸着したTMVの分子数は多くなった。TMV濃度が10mg/mLの場合には、ラインの天面に積層してTMVが吸着している箇所があり、また、スペース部分の一部にもTMVが吸着していることが観察された。
さらに、TMV濃度が2mg/mLのTMV溶液を滴下した場合に、各基板のラインの天面に吸着したTMVについて、分子長の長さをヒストグラム化した。また、マイカ基板の表面に吸着したTMVについても、分子長の長さをヒストグラム化した。マイカ基板の表面に吸着したTMVは、滴下前の2mg/mLのTMV溶液中のTMVの結果を反映する。図2〜7は、ぞれぞれ、ピッチが150、200、250、300、500nm、又は1μmであるL/Sパターンの基板の結果を示す。また、図2〜7中、黒塗バー(右側の縦軸)がラインの天面に吸着したTMVの結果であり、白抜バー(左側の縦軸)がマイカ基板の表面に吸着したTMVの結果である。この結果、各基板表面には、分子長が特定の範囲内にあるTMVが選択的に吸着されていることがわかった。
[実施例2]
(1)CNT(カーボンナノチューブ)溶液の調整
CNTはCoMoCAT法で精製されたCNTを用いた。このCNT2mgに対し1wt%SDBS溶液を加え、超音波攪拌を行い、CNT溶液とした。
(2)CNTの吸着
実施例1と同様にして、ピッチが200nmであるL/Sパターンが形成された基板を作製し、得られたCNT溶液を当該基板のパターン表面に滴下し、10分間静置した。所定時間後、蒸留水100μLで表面を洗浄、風乾させた。
(3)基板表面の観察
CNTを吸着させた基板表面に対して、AFM観察を行った。観察は5又は10μmスケールで行った。この結果、TMVと同様に、パターンのライン幅寸法に対して比較的短いCNTは、ラインの天面に、分子長方向がパターンのラインの伸長方向に対して略直交した状態で吸着しており、ライン幅寸法よりも長いCNTは、スペースに落ちていることが確認できた。
[比較例1]
実施例1と同様にして、L/Sパターンが形成された基板を作製し、パターンが形成された表面が上になるように、容器底面に置き、当該容器に純水を入れ、当該基板を順水中に予め浸漬させた。次いで、当該純水中に、実施例1の(1)で調製した精製TMV溶液2mg/mLを5μL滴下し(当該容器内の溶液中のTMV濃度:約0.01mg/mL)、1時間静置した。その後、当該容器内の溶液を回収除去し、純水に置換した。最後に基板を容器から取り出し、一晩風乾させた。
基板表面に対して、AFM観察を行ったところ、パターンの天面のみならず基板表面のどこにもTMVは吸着していなかった。

Claims (5)

  1. 表面の少なくとも一部に、天面が平坦であるライン状の凸部を有するパターンが形成された基板の表面に、液晶性を示す棒状分子を含有する溶液又は分散液を流すことにより、前記凸部の天面に、前記溶液又は分散液中の棒状分子のうち、分子長Lが前記ライン状の凸部の幅寸法Lの0.2〜2.0倍である棒状分子を選択的に、互いに分子長方向と交差する方向に直線状に並べた状態で吸着させる吸着工程と、
    前記吸着工程の後、前記ライン状の凸部の天面に吸着していた棒状分子を、前記基板から分離して回収する回収工程と、
    を有し、
    前記溶液又は分散液における前記棒状分子の濃度が、1〜10mg/mLであることを特徴とする、棒状分子の分子長分布の狭小化方法。
  2. さらに、前記吸着工程の後、前記回収工程の前に、
    前記基板を乾燥させる乾燥工程と、
    前記乾燥工程後、前記基板を洗浄する洗浄工程と、
    を有する請求項に記載の棒状分子の分子長分布の狭小化方法
  3. 前記ライン状の凸部の天面に吸着させる棒状分子のアスペクト比(分子長/直径)が、4以上である請求項1又は2に記載の棒状分子の分子長分布の狭小化方法
  4. 前記パターンが、レジスト膜に形成されたものある請求項1〜3のいずれか一項に記載の棒状分子の分子長分布の狭小化方法
  5. 前記棒状分子が、ウイルス分子又はカーボンナノチューブである請求項1〜4のいずれか一項に記載の棒状分子の分子長分布の狭小化方法
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