JP5874035B2 - 玄関構造 - Google Patents
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Description
このため、玄関スペースを来客用と家族用とに仕切る間仕切り等を設け、玄関スペースに、来客用通路(来客用ゾーン)と家族用通路(家族用ゾーン)とを設けた玄関構造が提案されている(例えば、下記特許文献1及び下記特許文献2参照)。
また、本発明においては、前記第1開口部及び前記第2開口部を、それぞれ略天井に至るように形成し、前記スライド扉を、上端部が天井に近接した位置となるように支持される構造としてもよい。
また、本発明においては、前記第2玄関スペースを前記他方の居室空間側から区画するように、該第2玄関スペースを区画する壁体と、この第2玄関スペースを区画する壁体に隣接するように設けられ前記第2玄関スペースと前記他方の居室空間側とを連通させる出入口を開閉する扉と、を設けてもよい。
また、本発明においては、前記玄関スペースの左右両側を区画する一方の壁側に、前記第1開口部と前記第2開口部とに挟まれる前記壁体と左右で横並びとなるように、前記第1開口部及び前記第2開口部のうちの一方を区画する第2壁体を設けてもよい。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の各実施形態では、屋外側から玄関に対面した状態において、手前側を前方、手前側の面を前面とし、その逆側をそれぞれ後方、背面(後面)として説明する。
さらに、各図では、外壁や内壁、各壁体、各扉等を模式的に示しており、後記する各空間、スペース等を区画するものであればどのような構造のものでもよい。
本実施形態に係る玄関構造1は、図1に示すように、住居等の建物2の外壁3によって区画された建物内空間に適用した例を示している。
建物2の外壁3には、屋外と建物内空間とを連通させる玄関開口4が設けられており、この玄関開口4には、この玄関開口4を開閉する玄関扉5が設けられている。図例では、玄関扉5は、一側部が開口枠に蝶番等の連結部材で連結支持された開き戸を示している。なお、玄関扉5は、開き戸に限られず引戸等としてもよい。
この第1玄関土間部13の後方側には、図1、図2及び図3(a)に示すように、この第1玄関土間部13から段上がり状に形成された玄関フロアー部14と、この第1玄関土間部13に連なるように形成された第2玄関土間部15とが設けられている。図例では、第1玄関土間部13の右後方側に玄関フロアー部14を設け、左後方側に第2玄関土間部15を設けた例を示している。つまり、図1に示すように、平面視して略方形状で左右に長い第1玄関土間部13の左右一方側の略半分の部位を後方側に延設するようにして第2玄関土間部15を設け、これら各玄関土間部13,15によって平面視して略L字状の一連の玄関土間部を形成している。
また、この開口部20は、略中央に設けられた壁体17によって左右に仕切られており、この壁体17によって、その両側に、第1開口部としての来客用開口部21と、第2開口部としての家人用開口部22とを形成している。つまり、来客用開口部21と家人用開口部22とは、壁体17を挟んで横並びに設けられている。
また、本実施形態では、開口部20の外壁3側には、壁体17と左右で横並びとなるように第2壁体19が設けられている。
第2壁体19は、玄関土間部13,15から天井8に至るまでの高さに形成されている。
このような壁体17及び第2壁体19を設けることで、開口部20の開口幅が異なる施工箇所に施工する場合にも、これらの幅寸法を適宜、開口幅に合わせて調整することで、後記するスライド扉30を、共通の扉幅とされたものを施工することができる。
なお、来客用開口部21側にも第2壁体19と同様の壁体を設けるようにしてもよい。
家人用開口部22は、その左右両側が壁体17及び第2壁体19によってそれぞれ区画され、上側が天井8によって区画され、下側が第2玄関土間部15によって区画されている。
つまり、これら来客用開口部21及び家人用開口部22は、それぞれ略天井8に至るように形成されており、本実施形態では、各開口部21,22の天面が天井面と略同一平面状となるように形成されている。なお、天井面や各壁面、各壁の端面等に開口枠等を付設するようにして設け、この開口枠の下面や内側面等を、各開口部の天面や内側面として把握するようにしてもよい。
家人用開口部22の後方(居室空間)側には、上記玄関スペースに連なり、第2玄関土間部15を含んだ第2玄関スペースとしての家人用玄関スペース10が形成されている。この家人用玄関スペース10は、壁体23,24及び壁体24に隣接する出入口25を開閉する扉26によって、来客用開口部21の後方(居室空間)側から区画されている。
図例では、家人用玄関スペース10は、後方側が後方壁体(内壁)23によって区画され、左右の一方側(居室空間9側)が後方壁体23に連なるように形成された側方壁体(内壁)24及び扉26によって区画され、左右の他方側が外壁3によって区画されている。
また、この家人用玄関スペース10の第2玄関土間部15の後方側には、この第2玄関土間部15から段上がり状に形成されるとともに、玄関フロアー部14に連なるように形成された第2玄関フロアー部16が設けられている。
なお、図1において、符号6は、靴収納や棚収納などを備えた収納部である。また、出入口25及び扉26の詳細については後述する。
この扉30は、図1に示すように、壁体17の一方面(図例では手前面)17a及び第2壁体19の一方面(図例では手前面)に沿うようにスライド移動されるスライド扉30とされ、その上端部が天井8に近接した位置となるように支持される構造とされている。また、その下端面が玄関フロアー部14の上面に対面するように形成されている。つまり、このスライド扉30は、第1玄関土間部13から段上がり状に形成された玄関フロアー部14近傍から略天井8に至るような高さ寸法とされている。
また、本実施形態では、スライド扉30は、スライド移動される際に、その少なくとも一部が、玄関フロアー部14と上下で重合するように配置されている。
このような凹状取手31aとすることで、壁体17の手前面17aに沿うようにスライド移動されて開閉されるスライド扉30と壁体17の手前面17aとの隙間(クリアランス)を、突出するようなハンドル等を設けた場合と比べて小さくすることができる。
なお、スライド扉30の他側部32にも上記同様の取手を設けるようにしてもよい。さらには、このように一側部乃至は他側部の両側表面に取手をそれぞれ設ける態様に代えて、一側部の一方面のみに取手を設けるとともに他側部の他方面のみに取手を設ける態様としてもよい。
なお、上レール35を含む上枠等を天井8に埋め込むようにして固定する態様に代えて、上レールを含む上枠等を天井面に付設するようにして固定する態様としてもよい。
なお、この上レール35には、図1(a)及び図2(a)に示すように、スライド扉30が家人用開口部22を閉塞した状態で、このスライド扉30の外壁3側(左側)への移動を防止するストッパー片等のストッパー部が設けられている。
図4(b)に示すように、バネ部材36の屈曲部にスライド扉30のランナー部材33が当接した状態では、バネ部材36のバネ付勢力によって、来客用開口部21を開放(家人用開口部22を閉塞)する方向へのスライド扉30の移動が抑制される。この状態から更にスライド扉30を、上記方向に移動させれば、図4(c)に示すように、バネ部材36の弾性変形を伴い、スライド扉30のランナー部材33がバネ部材36を潜り抜けるようにして家人用開口部22を閉塞する方向へ移動する。つまり、バネ部材36のバネ付勢力に抗してスライド扉30のランナー部材33を上記方向へ移動させることで、スライド扉30の上記方向への移動の抑制が解除され、家人用開口部22が閉塞される。
また、本実施形態では、上レール35に移動抑制部としてのバネ部材36を設けているので、当該移動抑制部を目立ち難くすることができる。また、ランナー部材33の移動を抑制するバネ部材36としているので、このバネ部材36の弾性変形を伴って開放させることができ、例えば、手動操作でロック解除等をするようなものと比べて、使い勝手が良い。
また、このような移動抑制部としては、上記方向へのスライド扉の移動を完全に防止するものではなく、手動操作でスライド開閉が可能な程度の規制を付与する程度のものとしてもよく、さらには、節度感を与える程度のものとしてもよい。
さらに、本実施形態では、来客用開口部21を開放させる際におけるスライド扉30の戸尻側端部(他側部)32の家人用開口部22側への移動を抑制する移動抑制部36を設けた例を示しているが、これに代えて、逆側への移動を抑制する移動抑制部を設けてもよい。つまり、家人用開口部22を開放させる際におけるスライド扉30の戸尻側端部(一側部)31の来客用開口部21側への移動を抑制する移動抑制部を設ける態様としてもよい。さらには、これら移動抑制部の両方を設ける態様としてもよい。
このようなガイド部としての固定ピン18を設けることで、上記のように上吊り構造とされたスライド扉30を開閉する際に、その下部がガイドされ、安定して開閉させることができる。
また、図例では、見栄えを向上させる観点等から壁体17の手前側にガイド部を設けた例を示しているが、内壁7側の玄関フロアー部14の適所にも同様のガイド部を設けるようにしてもよい。
この出入口25を開閉する扉26は、上記同様、側方壁体24の一方面(図例では、第2玄関フロアー部16側の面)に沿うようにスライド移動されるスライド扉26とされており、その上端部が天井8に近接した位置となるように支持される構造とされている。図例では、上記同様、天井8に埋め込まれるようにして設けられた上レール29に、上端部に設けられたランナー部材28の転動部が転動自在に収容保持されて支持される上吊り構造のスライド扉26とされている。
また、スライド扉26の下端部に、上記同様、玄関フロアー部14に向けて開口するガイド凹溝を設け、このガイド凹溝に玄関フロアー部14の適所に設けた上記同様の固定ピン等のガイド部を挿入させて、開閉方向に沿う移動をガイドするようにしてもよい。
さらに、家人用玄関スペース10の上記した出入口25及び扉26は、略天井までの高さとされたものに限られない。
さらにまた、図例では、スライド扉26を、側方壁体24の第2玄関フロアー部16側の面に沿わせて設けた例を示しているが、側方壁体24の玄関フロアー部14側の面に沿わせて設けるようにしてもよい。
また、側方壁体24の一方側の面に沿うようにスライド扉26を納める、いわゆるアウトセット納めに限られず、側方壁体に戸袋空間を設けてスライド扉26を収納可能とした戸袋納めとしてもよい。
さらに、上吊り構造とされたスライド扉に限られず、下荷重構造とされたものとしてもよい。
さらには、スライド開閉される扉に代えて、開き戸や折戸等を、家人用玄関スペース10と居室空間9とを連通させる出入口25に開閉可能に設けるようにしてもよい。
また、図例では、出入口25を側方壁体24と壁体17との間に設けた例を示しているが、この出入口を後方壁体23や側方壁体24の適所に設けるようにしてもよい。
図1(a)及び図2(a)に示すように、スライド扉30をスライドさせて、来客用開口部21を開放させ、家人用開口部22を閉塞させる。この状態では、スライド扉30の両側部31,32が壁体17及び第2壁体19と厚さ方向で重合し、家人用開口部22が閉塞された状態となる。また、家人用玄関スペース10のスライド扉26をスライドさせて、出入口25を閉塞させる。
この状態では、玄関開口4と居室空間9とが、第1玄関土間部13上の共通玄関スペース及び来客用開口部21を介して連通し、来客用通路11が形成される。また、家人用玄関スペース10が、第1玄関土間部13上の共通玄関スペース及び居室空間9から概ね隠蔽された状態となる。
この状態では、玄関開口4と居室空間9とが、第1玄関土間部13上の共通玄関スペース、第2玄関土間部15上の家人用玄関スペース10及び出入口25を介して連通し、家人用通路12が形成される。
つまり、本実施形態では、各スライド扉30,26を開閉させることで、来客用通路11と家人用通路12とを選択的に容易に形成することができる。
また、来客用開口部21を開放させ、家人用開口部22を閉塞することができるので、玄関側から第2玄関土間部15を含む家人用玄関スペース10が客人の視界に入り難くなり、見栄えを向上させることができる。
さらに、本実施形態では、上記のように、二つの開口部21,22を選択的に開放または閉塞させる扉として、スライド式の扉30を採用しているので、壁体17を挟んで各開口部21,22側にスライドさせる構造とすればよく、簡易な構造とできる。また、このスライド扉30をスライドさせることで、いずれかの開口部を容易に選択的に出入口乃至は通路として使用することができる。
また、本実施形態では、家人用開口部22の居室空間側に、来客用開口部21の居室空間9側から区画するように家人用玄関スペース10を設け、この家人用玄関スペース10の出入口25を開閉するスライド扉26を設けている。従って、上記のように来客用通路11を形成した状態では、この来客用通路11から家人用玄関スペース10が遮断され、居室空間9側からも家人用玄関スペース10を目立ち難くすることができ、見栄えを向上させることができる。また、このように来客用通路11から遮断することができるので、この家人用玄関スペース10を、収納スペースとして有効に利用することもできる。
図5、図6及び図7(a)は、第2実施形態に係る玄関構造の一例について説明するための概念的な説明図である。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態では、壁体17Aを、スライド扉30Aの開閉方向に沿って、玄関フロアー部14から第2玄関土間部15に向けて突出するように設けている。また、第2壁体を設けておらず、家人用開口部22Aの左右両側を壁体17A及び外壁3によって区画している。このような壁体17Aを設ける構成とすることによって、玄関フロアー部14から第2玄関土間部15に向けて突出する壁体17Aの寸法を調整することで、家人用開口部22Aの配置の自由度を向上させることができる。
なお、上記第1実施形態において説明したような第2壁体を設けるようにしてもよい。
また、図例では、壁体17Aの第2玄関土間部15側に突出した下端が第2玄関土間部15から浮くように設けられた例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、この壁体の第2玄関土間部15側に突出した側の下部に、第2玄関土間部15と玄関フロアー部14との段差に応じた切欠を形成することで、その下端を玄関フロアー部14及び第2玄関土間部15に当接させて設けるようにしてもよい。
ガイドレール18Aは、図7(a)に示すように、壁体17Aの下端部の手前面に固定される固定片部18aと、この固定片部18aの下端縁から手前側に突出した水平片部18cと、この水平片部18cの手前縁から上方に突出した係合片部18bとを備えている。
スライド扉30Aの下端部には、上記と略同様のガイド凹溝34Aが設けられており、このガイド凹溝34Aにガイドレール18Aの係合片部18bが係合し、スライド扉30Aがガイドされる。なお、スライド扉30Aが開閉される際に、ガイドレール18Aの係合片部18bの少なくとも一部が、スライド扉30Aのガイド凹溝34Aに係合する構成とされている。
このようなガイドレール18Aを壁体17Aに設けることで、図例のように、家人用開口部22Aを閉塞させた状態で、スライド扉30Aと玄関フロアー部14とが上下で重合しないような場合にも、スライド扉30Aの下部を安定してガイドすることができる。
このストッパー37は、壁体17Aの一側端面17bに基部が回動自在に連結固定された細長平板状とされており、上下方向に沿って間隔を空けて複数箇所に設けられている。また、このストッパー37は、壁体17Aの手前面17aから前方に向けて突出した状態と、前方に向けて突出しない状態とに保持可能とされている。
本実施形態では、手動操作により回動させて上記突出した状態とすることで、ストッパー37の先端部と、スライド扉30Aの一側端面32bとが側面視において重合し、スライド扉30Aの他側部32A(図5参照)の家人用開口部22A側への移動が抑制される。一方、上記突出しない状態とすることで、ストッパー37の先端部と、スライド扉30Aの一側端面32bとが側面視において重合せず、スライド扉30Aの他側部32A(図5参照)の家人用開口部22A側への移動の抑制が解除される。
なお、上記のような移動抑制部としてのストッパーを、壁体17Aの家人用開口部22A側の端面に設ける態様に代えて、または加えて、壁体17Aの来客用開口部21側の端面に設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、第2壁体を設けていないので、図6に示すように、スライド扉30Aの他側部32Aが家人用開口部22Aの左右一方側(図例では、左方側)を区画する外壁3に当接し得るように、スライド扉30Aを支持する上レール35Aを設けている。
本実施形態に係る玄関構造1Aにおいても上記第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。
なお、本実施形態において説明した上記第1実施形態とは異なる各構成と、上記第1実施形態において説明した対応する各構成とを適宜、組み替えて、または組み合わせて、適用するようにしてもよい。この場合、各構成を適宜、必要に応じて変形するようにしてもよい。
本変形例では、壁体17Bの一側端部(家人用開口部22(22A)側の端部)の手前面17a側に、移動抑制部38を設けた例を示している。この移動抑制部38は、壁体17Bの上下方向に沿って間隔を空けて複数箇所に設けられている。
この移動抑制部38は、壁体17Bの一側端部に設けられた手前側に向けて開口する凹部に埋め込まれるようにして固定されたケーシング38aと、このケーシング38a内に設けられ、壁体17Bの厚さ方向に弾性変形を伴い伸縮するバネ38bとを備えている。また、このバネ38bの手前側には、壁体17Bの手前面17aから壁体17Bの厚さ方向に沿って進退可能とされた進退部が設けられており、この進退部の手前側端(先端)には、水平面域で回動自在とされたローラー38cが設けられている。
上記状態からスライド扉30の更なる家人用開口部22側への移動に伴い、スライド扉30の一側端面32bがローラー38cに接触すれば、ローラー38cを含む進退部がバネ38bの弾性変形を伴い、ケーシング38aの内側(後方側)に向けて押し込まれる。これにより、上記移動の抑制が解除され、スライド扉30の背面上をローラー38cが転動しながら、スライド扉30の移動がなされる。
このような移動抑制部38を採用した場合にも上記各実施形態において説明した移動抑制部と概ね同様の効果を奏する。
また、ローラー38cを設けているので、スライド扉30の開閉がスムーズになされ、スライド扉30の背面への損傷等を防止することができる。
また、本変形例では、進退部の先端に回動自在とされたローラーを設けた例を示しているが、進退部の先端を突湾曲形状として、スライド扉の端面及び背面に摺るようにして接するものとしてもよい。
さらに、本変形例において説明した移動抑制部は、上記各実施形態において説明した各移動抑制部に代えて、または加えて適用可能である。さらには、上記第1実施形態において説明した板バネ状の移動抑制部に代えて、本変形例において説明したようなローラーを備え、下方側にバネ等で付勢され、かつ上下に揺動可能とされた移動抑制部を、上レールの上板部等に設けるようにしてもよい。
図8及び図9は、第3実施形態に係る玄関構造の一例について説明するための概念的な説明図である。
なお、上記各実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態では、上記各実施形態と比べて、家人用玄関スペース10Aの左右の幅寸法を小さくした例を示している。図例では、第2玄関土間部15Aの左右の幅寸法を、第1玄関土間部13の略1/3程度とし、第2玄関土間部16A及び後方壁体23Aの左右の幅寸法もこれに応じた幅寸法としている。つまり、玄関フロアー部14Aの左右の幅寸法を、上記各実施形態と比べて大きく形成し、家人用玄関スペース10Aに隣接する居室空間9Aを大きく形成した例を示している。
この上レール39は、図9(a)に示すように、家人用開口部22B側にスライド移動された可動間仕切17Cの一側部が外壁3に当接し得るように設けられている。この状態では、実質的には家人用開口部22Bが消滅した状態となる。また、本実施形態では、この状態において、この可動間仕切17Cとスライド扉30Aとが厚さ方向で略合致するようにこれらの幅寸法を略同寸法としている。
なお、図示は省略するが、この可動間仕切17Cの下端部には、上記同様のガイド凹溝が設けられており、このガイド凹溝に、玄関フロアー部14Aの適所に設けられた上記同様の固定ピン等のガイド部18(図8参照)が挿入され、可動間仕切17Cの下部のガイドがなされる。
また、この可動間仕切17Cの下端部には、上記同様のガイドレール18Bが設けられている。
また、本実施形態に係る玄関構造1Bでは、図8(a)及び図9(a)に示すように、スライド扉30A及び可動間仕切17Cを家人用開口部22B側に向けて移動させることで、来客用開口部21Aの開口幅を大きくすることができる。これにより、来客用通路11を上記各実施形態と比べて効率的に大きくすることができる。
また、可動間仕切17C及びスライド扉30Aに互いに係合する係合部等を設け、スライド扉30Aのスライド移動に連動して、可動間仕切17Cがスライド移動されるものとしてもよい。
さらにまた、本実施形態では、一方の開口部(図例では、家人用開口部22B)を実質的に消滅させるまでスライド移動可能とされた可動間仕切17Cを例示しているが、その開口部の開口幅を狭めるように途中までスライド移動可能とされたものとしてもよい。
また、本実施形態において説明した上記各実施形態とは異なる各構成と、上記各実施形態において説明した対応する各構成とを適宜、組み替えて、または組み合わせて、適用するようにしてもよい。この場合、各構成を適宜、必要に応じて変形するようにしてもよい。
図10は、第4実施形態に係る玄関構造の一例について説明するための概念的な説明図である。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態では、第2玄関フロアー部16Bを、第2玄関土間部15Bの後方側ではなく第2玄関土間部15Bの居室空間9側(図例では、右方側)に設けるようにして、第2玄関土間部15Bの奥行き寸法を、上記各実施形態と比べて大きくした例を示している。
このような構成とすることで、第2玄関フロアー部16Bをゆったりと快適に使用できるとともに、第2玄関土間部15Bを利用して、家人用玄関スペース10Bの第2玄関土間部15Bに自転車等の比較的に大きなものをスムーズに収納することもできる。
また、本実施形態では、上記第2実施形態及び第3実施形態と同様、開口部20に第2壁体を設けておらず、家人用開口部22Cの左右両側を壁体17Dと外壁3とによって区画した例を示している。
本実施形態に係る玄関構造1Cにおいても上記各実施形態と概ね同様の効果を奏する。
なお、本実施形態において説明した上記各実施形態とは異なる各構成と、上記各実施形態において説明した対応する各構成とを適宜、組み替えて、または組み合わせて、適用するようにしてもよい。この場合、各構成を適宜、必要に応じて変形するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、玄関スペースに形成された開口部に壁体を設けた例を示しているが、このような壁体を設けないようにしてもよい。この場合、家人用玄関スペースを区画する扉や側方壁体によって、来客用開口部と家人用開口部とを仕切るような態様としてもよい。
また、上記各実施形態では、第1玄関土間部の後方側に玄関フロアー部と第2玄関土間部とを設け、これらによって開口部の下側に段差が形成されるものを例示しているが、このような態様に限られない。例えば、平面視して略方形状とされた玄関土間部とし、その前後方向の途中部位を開口部として上記のようなスライド扉等を設け、その手前側を共通の玄関土間部、後方側の左右一方側を来客用の玄関土間部、他方側を家人用の玄関土間部として使用されるものとしてもよい。この場合には、その玄関土間部に上記同様のガイド部を設けるようにしてもよい。
さらには、上記各実施形態では、上吊り構造とされたスライド扉を例示しているが、このような態様に限られず、下荷重構造とされたスライド扉を採用するようにしてもよい。この場合は、スライド扉の上端部に、ランナー部材に代えて、上レール等に係合する案内片やピボット等を設け、また、スライド扉の下端部に戸車を設け、この戸車をガイドする下レール等を玄関土間部等に敷設するようにしてもよい。
さらに、上記各実施形態では、来客用開口部及び家人用開口部を、それぞれ略天井に至るように形成し、これらを選択的に開閉する扉を、上端部が天井に近接した位置となるように支持されるものとした例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、天井から垂れ下がるように設けられた壁によって各開口部の上側を区画し、その開口部に合わせた扉としてもよい。
また、上記各実施形態に係る玄関構造は、戸建住宅の玄関に限られず、集合住宅等の各戸の玄関への適用も可能である。
2 建物
8 天井
9,9A 居室空間
10,10A,10B 家人用玄関スペース(第2玄関スペース)
21,21A 来客用開口部(第1開口部)
22,22A,22B,22C 家人用開口部(第2開口部)
23,24 家人用玄関スペースを区画する壁体
25 家人用玄関スペースの出入口
26 家人用玄関スペースのスライド扉(扉)
30,30A スライド扉(扉)
Claims (6)
- 建物の玄関スペースに、居室空間にそれぞれが連通する第1開口部と第2開口部とを設けるとともに、これら第1開口部及び第2開口部の一方を閉塞させたときには他方を開放させる構造とされた一枚の扉を設け、
前記第1開口部及び前記第2開口部のうちのいずれか一方の居室空間側に、前記玄関スペースに連なり、かつ前記第1開口部及び前記第2開口部のうちの他方の居室空間側に連なる第2玄関スペースを設け、
前記一枚の扉を開閉させることで、前記玄関スペースを前記第2玄関スペースに連通させる通路と前記他方の居室空間側に連通させる通路とが選択的に形成される構造とされており、
前記第1開口部と前記第2開口部とを、壁体を挟んで左右に横並びに設け、前記一枚の扉を、この壁体の幅方向にスライドされるスライド扉としていることを特徴とする玄関構造。 - 請求項1において、
前記玄関スペースの左右両側を区画する一方の壁側に、前記第1開口部と前記第2開口部とに挟まれる前記壁体と左右で横並びとなるように、前記第1開口部及び前記第2開口部のうちの一方を区画する第2壁体を設けたことを特徴とする玄関構造。 - 建物の玄関スペースに、居室空間にそれぞれが連通するように設けられる第1開口部及び第2開口部の一方を閉塞させたときには他方を開放させる構造とされた一枚の扉を設け、
前記第1開口部及び前記第2開口部のうちのいずれか一方の居室空間側に、前記玄関スペースに連なり、かつ前記第1開口部及び前記第2開口部のうちの他方の居室空間側に連なる第2玄関スペースを設け、
前記一枚の扉を開閉させることで、前記玄関スペースを前記第2玄関スペースに連通させる通路と前記他方の居室空間側に連通させる通路とが選択的に形成される構造とされており、
前記第1開口部と前記第2開口部とは、これら第1開口部及び第2開口部のうちの少なくともいずれか一方の開口幅を大きくする方向にスライド移動可能とされた可動間仕切の左右に横並びに形成される構成とされ、前記一枚の扉を、この可動間仕切の幅方向にスライドされるスライド扉としていることを特徴とする玄関構造。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記スライド扉は、上吊り構造とされていることを特徴とする玄関構造。 - 請求項4において、
前記第1開口部及び前記第2開口部は、それぞれ略天井に至るように形成されており、前記スライド扉は、上端部が天井に近接した位置となるように支持される構造とされていることを特徴とする玄関構造。 - 請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記第2玄関スペースを前記他方の居室空間側から区画するように、該第2玄関スペースを区画する壁体と、この第2玄関スペースを区画する壁体に隣接するように設けられ前記第2玄関スペースと前記他方の居室空間側とを連通させる出入口を開閉する扉と、を設けたことを特徴とする玄関構造。
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