JP5870708B2 - Ac−dc変換回路および力率改善方法 - Google Patents
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また、上記AC−DC変換回路は、前記目標電流値の変位量の最大値、並びに、前記目標電流値と1周期前の前記目標電流値との差分を求め、前記差分が前記目標電流値の変位量の最大値よりも大きい場合、前記1周期前の前記目標電流値に前記目標電流値の変位量の最大値を加算したものを前記目標電流値とする目標電流制限手段を備えるように構成してもよい。
図1は、力率改善回路(電力変換回路)を有するAC−DC変換回路の一実施例を示す図である。図1のAC−DC変換回路1は系統電源2に接続され、コイルL1、ダイオードD1〜D5、スイッチング素子S1、コンデンサC1、電圧計3(第1の電圧計)、電圧計5(第2の電圧計)、電流計4、A/D変換部6〜8、駆動部9、制御部10を備えている。
系統電源2は交流電源であり、例えば、AC100VまたはAC200Vなどの電力供給源である。ダイオードD1〜D4は、整流回路(ダイオードブリッジ回路)を構成するダイオードである。図1に示す力率改善回路の構成について説明する。電圧計3は、系統電源2からAC−DC変換回路1に入力される交流入力電圧Vacを計測してA/D変換部6に出力する。コイルL1は昇圧用のチョークコイルである。ダイオードD5は整流ダイオードである。スイッチング素子S1は、例えば、Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor(MOSFET)、Insulated Gate Bipolar Transistor(IGBT)などが考えられる。図1ではスイッチング素子S1としてMOSFETを用いた場合について示されている。なお、図1ではMOSFETのドレイン−ソース間に寄生ダイオードが示されている。コンデンサC1は平滑コンデンサである。電流計4は、力率改善回路に供給される電流Iを計測してA/D変換部8に出力する。例えば、電流Iをアナログ/ディジタル変換可能な電圧にしてからA/D変換部8に出力する。電圧計5は、AC−DC変換回路1から出力される直流出力電圧Vhを計測してA/D変換部7に出力する。例えば、直流出力電圧Vhを分圧してアナログ/ディジタル変換可能な電圧にしてからA/D変換部7に出力する。
電圧計3の一方の端子(a点)は、系統電源2の一方の端子とダイオードD2のアノードとダイオードD3のカソードとに接続されている。電圧計3の他方の端子(b点)は、系統電源2の他方の端子とダイオードD1のアノードとダイオードD4のカソードとに接続されている。ダイオードD1のカソードとダイオードD2のカソードは、コイルL1の一方に接続されている。ダイオードD3のアノードとダイオードD4のアノードは、スイッチング素子S1のソース端子とコンデンサC1の他方の端子と電圧計5の他方の端子とグランドGNDと出力端子(d)とに接続されている。コイルL1の他方の端子は電流計4の一方の端子に接続され、電流計4の他方の端子はダイオードD5のアノードとスイッチング素子S1のドレイン端子に接続されている。ダイオードD5のカソードは、コンデンサC1の一方の端子と電圧計5の一方の端子と出力端子(c点)とに接続されている。
図2は、制御部10の一実施例を示す図である。図2に示す制御部10は、目標電流算出部とデューティ算出部25、デューティ保持部26を有している。目標電流算出部は、誤差算出部21、PI制御部22、補償部23、積算部24を有している。
Vh_ref:目標出力電圧値
Vh_m :ディジタル信号Vh_mに含まれる出力電圧値
△Vh_m :差分値
PI制御部22は、差分値△Vh_mを入力とし、PI制御を用いて計算値yを求め、その計算値yを積算部24に出力する。例えば、式2を用いて計算値yを求めることが考えられる。
Kp:比例ゲイン係数
Ki:積分ゲイン係数
なお、本例ではPI制御を用いているがPID制御を用いてもよい。
Vacの平均:周期Tごとサンプリングした交流入力電圧の平均値
なお、「^2」は平方根を示す。また、電力補償をしないでよい場合には補償部23は必要ない。
Itarget_m = y×z×Vac_m (式4)
なお、補償部23がない場合には補償値zは積算しなくてもよい。
+2×(1−Vac_m/Vh_m)−Dm
Dm+1 = −L×(Im+2−Im)/(T×Vh_m) (式6)
+2×(1+Vac_m/Vh_m)−Dm
L :図1に示されるL1のインダクタンスの値
T :周期
Im+2:目標電流値Itarget_m
なお、インダクタンスLは電流値Imを用いて求めることができ、例えば、Imを変数として一次関数で近似させることができる。また、目標電流値Itarget_mとは電流値Imに対するIm+2に相当する。すなわち、電流値に対する2周期先の電流値が目標電流値となる。なお、N周期先の電流値(Nは2以上の整数)を目標電流値とし、その目標電流値に基づいて求めたスイッチング素子S1の駆動期間をN周期より後のM周期先(MはNよりも小さい整数)に反映するように構成してもよい。
図3は、制御部10の動作の一実施例を示すフロー図である。図4は、制御部10の動作の一実施例のタイムチャートを示す図である。図5は、設定情報、入力情報、計算情報各々の一実施例のデータ構造を示す図である。
ステップS7では、制御部10が入力情報52から入力電圧値Vac_mに含まれる交流入力電圧Vacに対応する値を用いてVac≧0であるか否かを判定する。Vac≧0であればステップS8に移行し、Vac<0であればステップS9に移行する。
実施形態1によれば、AC−DC変換回路へ供給される入力電圧、入力電流に対する力率改善制御の応答性を向上させ、力率改善制御の応答性の悪化による電流の発振と振動を押さえ込むことができる。その結果、高調波エミッションの結果も大きく向上させることができ、入力電流がより正弦波(Sin波)に近づけることができる。
また、図4に示した入力情報52へ記録する値各々のサンプリングタイミングは電流波形の谷の部分で行っているが、サンプリングタイミングは谷の部分に限定されるものではない。
実施形態2は、図6に示すAC−DC変換回路へ供給される入力電圧、入力電流に対する力率改善制御の応答性を向上させ、力率改善制御の応答性の悪化による電流の発振と振動を押さえ込む。
コイルL1、ダイオードD5、スイッチング素子S1、コンデンサC1、電圧計3、5、電流計4、A/D変換部6〜8、駆動部9、制御部10については、実施形態1で説明しているので省略する。
電圧計3の一方の端子(a点)は、系統電源2の一方の端子とコイルL1の一方の端子とに接続されている。電圧計3の他方の端子(b点)は、系統電源2の他方の端子とコイルL2の他方の端子とに接続されている。コイルL1の他方の端子は電流計4の一方の端子に接続され、電流計4の他方の端子はダイオードD5のアノードとスイッチング素子S1のドレイン端子に接続されている。コイルL2の他方の端子はダイオードD6のアノードとスイッチング素子S2のドレイン端子に接続されている。スイッチング素子S1とスイッチング素子S2の各々のソース端子は、コンデンサC1の他方の端子と電圧計5の他方の端子とグランドGNDと出力端子(d)とに接続されている。ダイオードD5とダイオードD6の各々のカソードは、コンデンサC1の一方の端子と電圧計5の一方の端子と出力端子(c点)とに接続されている。
図7に示すタイムチャートの場合、タイミングt1より後でタイミングt3より前のタイミングでステップS8またはS9の処理が終了すると、ステップS8またはS9で計算した駆動期間Dm+1を前回の駆動期間Dmとして、計算情報53の「前回駆動期間」に保存する。本例では、「Dm」が記録されている。タイミングt3より後でタイミングt5より前のタイミングでステップS8またはS9の処理が終了すると、ステップS8またはS9で計算した駆動期間Dm+2を前回の駆動期間Dm+1として、計算情報53の「前回駆動期間」に保存する。タイミングt5より後でタイミングt7より前のタイミングでステップS8またはS9の処理が終了すると、ステップS8またはS9で計算した駆動期間Dm+3を前回の駆動期間Dm+2として、計算情報53の「前回駆動期間」に保存する。
実施形態2によれば、AC−DC変換回路へ供給される入力電圧、入力電流に対する力率改善制御の応答性を向上させ、力率改善制御の応答性の悪化による電流の発振と振動を押さえ込むことができる。その結果、高調波エミッションの結果も大きく向上させることができ、入力電流がより正弦波(Sin波)に近づけることができる。
また、図5に示した入力情報52へ記録する値各々のサンプリングタイミングは電流波形の谷の部分で行っているが、サンプリングタイミングは谷の部分に限定されるものではない。
演算部33は、「ΔItarget_max」及び「ΔItarget_min」を求めるとともに、目標電流算出部32で算出された「仮の目標電流値Itarget_m」と、目標電流保持部31に保持されている「前回の目標電流値Itarget_m−1」との差分を求める(S65)。なお、「ΔItarget_max」は、「目標電流値Itarget」の変位量の最大値であり、「ΔItarget_min」は、「目標電流値Itarget」の変位量の最小値である。例えば、「ディジタル信号Im」がX[A]のとき、「目標電流値Itarget」はX√2sin(2π×f0×t)という関数で表され、「目標電流値Itarget」の変位量の傾き(ΔItarget/「周期T」)はこの関数の傾き(微分)以上にはならない。すなわち、演算部33は、「ΔItarget_max」=X√2×2×π×f0×cos(2π×f0×「周期T」)×Tを計算するとともに、「ΔItarget_min」=−X√2×2×π×f0×cos(2π×f0×T)×Tを計算することにより、「ΔItarget_max」及び「ΔItarget_min」を求める。なお、f0はスイッチング素子S1やスイッチング素子S2のスイッチング周波数とする。なお、演算部33は、「交流入力電圧Vac」又は「交流入力実電流Iin」に基づいて、「ΔItarget_max」及び「ΔItarget_min」を求めるように構成してもよい。
目標電流保持部31は、演算部35から出力される「今回の目標電流値Itarget_m」を、1周期後の「今回の目標電流値Itarget_m」を求める際に使用される「前回の目標電流値Itarget_m−1」として保持する。
次に、補正部29は、「仮の仮の目標電流値Itarget_m」が「限界値Iin_lmt」よりも小さいか否かを判断する(S62)。
「ディジタル信号Vac_m」≧0であると判断すると(S7がYes)、デューティ算出部25は、「今回駆動期間Dm+1」=「インダクタンスL」×(「今回の目標電流値Itarget_m」)−「ディジタル信号Im」)/(「周期T」×「出力電圧値Vh_m」)+2×(1−「ディジタル信号Vac_m」/「出力電圧値Vh_m」)−「前回駆動期間Dm」を計算することにより、「今回駆動期間Dm+1」を求める(S8)。例えば、デューティ算出部25は、図11に示すタイミングt3を検出すると、駆動信号をローレベルからハイレベルにする。駆動部9は、駆動信号がローレベルからハイレベルになると、スイッチング素子S1をターンオンする。また、デューティ算出部25は、図11に示すタイミングt4を検出すると、駆動信号をハイレベルからローレベルにする。駆動部9は、駆動信号がハイレベルからローレベルになると、スイッチング素子S1をターンオフする。これにより、図9に示す制御部10は、図11に示すタイミングt5において「ディジタル信号Im+2」を得ることができる。なお、図13に示すフローチャートが実行される度に、「インダクタンスL」が求められるように構成してもよい。
また、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
2 系統電源
3、5 電圧計
4 電流計
6、7、8 A/D変換部
9 駆動部
10 制御部
21 誤差算出部
22 PI制御部
23 補償部
24 積算部
25 デューティ算出部
26 デューティ保持部
C1 コンデンサ
D1、D2、D3、D4、D5、D6 ダイオード
L1、L2 コイル
S1、S2 スイッチング素子
Claims (14)
- 交流電源から供給される交流電圧を整流する整流回路と、
入力される制御信号に基づいてオン、オフする少なくとも1つのスイッチング素子を備え、前記スイッチング素子のオン、オフにより、前記整流回路からの入力電圧を昇圧または降圧させる電力変換回路と、
前記交流電源から供給される交流入力電圧値と、前記電力変換回路の直流出力電圧値と、前記電力変換回路内の電流値とから、目標電流値となるN周期先の電流値(Nは2以上の整数)を求める目標電流算出部と、デューティ算出部とを有する制御部と、
を備え、
前記デューティ算出部は、前記目標電流値に基づいて、前記N周期より後のM周期先に反映する前記スイッチング素子の駆動期間を求める、
ことを特徴とするAC−DC変換回路。 - 請求項1に記載のAC−DC変換回路であって、
前記交流電源から要求される交流入力電流制限値から、前記交流入力電圧値×前記前回求めた駆動期間×前記スイッチング素子のスイッチング周期/(前記電力変換回路内のコイルのインダクタンス値×2)を減算した値を限界値とする限界値算出手段と、
前記目標電流値が前記限界値よりも大きい場合、前記限界値を前記目標電流値とする補正手段と、
を備えることを特徴とするAC−DC変換回路。 - 請求項2に記載のAC−DC変換回路であって、
前記限界値算出手段は、前記交流入力電圧値の位相が90°又は270°のときに前記限界値を求める
ことを特徴とするAC−DC変換回路。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載のAC−DC変換回路であって、
前記目標電流値の変位量の最大値、並びに、前記目標電流値と1周期前の前記目標電流値との差分を求め、前記差分が前記目標電流値の変位量の最大値よりも大きい場合、前記1周期前の前記目標電流値に前記目標電流値の変位量の最大値を加算したものを前記目標電流値とする目標電流制限手段を備える
ことを特徴とするAC−DC変換回路。 - 請求項4に記載のAC−DC変換回路であって、
前記目標電流制限手段は、前記目標電流値の変位量の最小値を求め、前記差分が前記目標電流値の変位量の最小値よりも小さい場合、前記1周期前の前記目標電流値に前記目標電流値の変位量の最小値を加算したものを前記目標電流値とする
ことを特徴とするAC−DC変換回路。 - 請求項1〜5の何れか1項に記載のAC−DC変換回路であって、
補償値=1/(前記交流入力電圧値の平均値の平方根)を計算することにより、補償値を求める補償部を備え、
前記目標電流算出部は、前記交流入力電圧値と、前記電力変換回路の直流出力電圧値と、前記電力変換回路内の電流値と、前記補償部により求められる補償値とから、前記目標電流値を求める
ことを特徴とするAC−DC変換回路。 - 交流電源から供給される交流電圧を整流する整流回路からの入力電圧を、少なくとも1つのスイッチング素子のオン、オフにより、昇圧または降圧させる電力変換回路に設けられる制御部によって実行される力率改善方法であって、
前記交流電源から供給される交流入力電圧値と、前記電力変換回路の直流出力電圧値と、前記電力変換回路内の電流値とから、目標電流値となるN周期先の電流値(Nは2以上の整数)を求め、
前記目標電流値に基づいて、前記N周期より後のM周期先に反映する前記スイッチング素子の駆動期間を求める、
ことを特徴とする力率改善方法。 - 入力される制御信号に基づいてオン、オフする複数のスイッチング素子を備え、前記複数のスイッチング素子のオン、オフにより、交流電源から供給される交流電圧を整流するとともに昇圧または降圧させる電力変換回路と、
前記交流電源から供給される交流入力電圧値と、前記電力変換回路の直流出力電圧値と、前記電力変換回路内の電流値とから、目標電流値となるN周期先の電流値(Nは2以上の整数)を求める目標電流算出部と、デューティ算出部とを有する制御部と、
を備え、
前記デューティ算出部は、前記目標電流値に基づいて、前記N周期より後のM周期先に反映する前記スイッチング素子の駆動期間を求める、
ことを特徴とするAC−DC変換回路。 - 請求項8に記載のAC−DC変換回路であって、
前記交流電源から要求される交流入力電流制限値から、前記交流入力電圧値×前記前回求めた駆動期間×前記スイッチング素子のスイッチング周期/(前記電力変換回路内のコイルのインダクタンス値×2)を減算した値を限界値とする限界値算出手段と、
前記目標電流値が前記限界値よりも大きい場合、前記限界値を前記目標電流値とする補正手段と、
を備えることを特徴とするAC−DC変換回路。 - 請求項9に記載のAC−DC変換回路であって、
前記限界値算出手段は、前記交流入力電圧値の位相が90°又は270°のときに前記限界値を求める
ことを特徴とするAC−DC変換回路。 - 請求項8〜10の何れか1項に記載のAC−DC変換回路であって、
前記目標電流値の変位量の最大値、並びに、前記目標電流値と1周期前の前記目標電流値との差分を求め、前記差分が前記目標電流値の変位量の最大値よりも大きい場合、前記1周期前の前記目標電流値に前記目標電流値の変位量の最大値を加算したものを前記目標電流値とする目標電流制限手段を備える
ことを特徴とするAC−DC変換回路。 - 請求項11に記載のAC−DC変換回路であって、
前記目標電流制限手段は、前記目標電流値の変位量の最小値を求め、前記差分が前記目標電流値の変位量の最小値よりも小さい場合、前記1周期前の前記目標電流値に前記目標電流値の変位量の最小値を加算したものを前記目標電流値とする
ことを特徴とするAC−DC変換回路。 - 請求項8〜12の何れか1項に記載のAC−DC変換回路であって、
補償値=1/(前記交流入力電圧値の平均値の平方根)を計算することにより、補償値を求める補償部を備え、
前記目標電流算出部は、前記交流入力電圧値と、前記電力変換回路の直流出力電圧値と、前記電力変換回路内の電流値と、前記補償部により求められる補償値とから、前記目標電流値を求める
ことを特徴とするAC−DC変換回路。 - 複数のスイッチング素子のオン、オフにより、交流電源から供給される交流電圧を整流するとともに昇圧または降圧させる電力変換回路に設けられる制御部によって実行される力率改善方法であって、
前記交流電源から供給される交流入力電圧値と、前記電力変換回路の直流出力電圧値と、前記電力変換回路内の電流値とから、目標電流値となるN周期(Nは2以上の整数)先の電流値を求め、
前記目標電流値に基づいて、前記N周期より後のM周期先に反映する前記スイッチング素子の駆動期間を求める、
ことを特徴とする力率改善方法。
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