JP5870708B2 - Ac−dc変換回路および力率改善方法 - Google Patents

Ac−dc変換回路および力率改善方法 Download PDF

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Description

本発明は、AC−DC変換回路の力率改善方法に関する。
入力端子が系統電源に接続されるAC−DC変換回路は、電源ラインの引き回し方によるインダクタンス成分などの影響によりAC−DC変換回路の入力端子までのインピーダンスが大きく変化する。そのため、該インピーダンスの規定が難しくなり、インピーダンスによってはAC−DC変換回路に設けられる力率改善回路(以下、Power Factor Correction circuit(PFC回路))の力率改善の制御が難しくなる。例えば、力率改善の制御の影響でAC−DC変換回路の電流が発振または振動してしまう。また、電流が発振または振動すると、入力電圧および入力電流(外乱を含む)に対する力率改善の制御の応答性が悪くなる。しかし、AC−DC変換回路としては幅広いインピーダンスで動作保証する必要がある。
例えば、力率改善回路として動作し、入力電圧が低く、かつ、負荷が重い場合の回路部品に対する負担を軽減するのに好適な昇圧型AC−DC変換回路が知られている。この昇圧型AC−DC変換回路によれば、整流された入力電圧よりも高い直流出力電圧を出力する昇圧回路を備えている。また、出力電圧検出信号、インダクタ電流検出信号及び入力整流電圧検出信号が入力され、スイッチング素子にパルス幅制御動作を与えて、直流出力電圧を安定化し、かつ、インダクタに流れる電流を、入力電圧の波形に追従させる制御回路を備えている。制御回路は、基準電圧と、直流出力電圧との誤差を、予め定められた利得で増幅して、出力電圧検出信号を生成する電圧誤差増幅器を備えている。電圧誤差増幅器は、利得が10〜20dBの範囲内に選定される。
特開2000−358361号公報
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたものであり、力率改善制御の応答性を向上させる力率改善回路を有するAC−DC変換回路および力率改善方法を提供することを目的とする。
実施の態様のひとつであるAC−DC変換回路は、交流電源から供給される交流電圧を整流する整流回路と、入力される制御信号に基づいてオン、オフする少なくとも1つのスイッチング素子を備え、前記スイッチング素子のオン、オフにより、前記整流回路からの入力電圧を昇圧または降圧させる電力変換回路と、前記交流電源から供給される交流入力電圧値と、前記電力変換回路の直流出力電圧値と、前記電力変換回路内の電流値とから、目標電流値となるN周期先の電流値(Nは2以上の整数)を求める目標電流算出部と、デューティ算出部とを有する制御部とを備え、前記デューティ算出部は、前記目標電流値に基づいて、前記N周期より後のM周期先に反映する前記スイッチング素子の駆動期間を求める。
また、実施の態様のひとつであるAC−DC変換回路は、入力される制御信号に基づいてオン、オフする複数のスイッチング素子を備え、前記複数のスイッチング素子のオン、オフにより、交流電源から供給される交流電圧を整流するとともに昇圧または降圧させる電力変換回路と、前記交流電源から供給される交流入力電圧値と、前記電力変換回路の直流出力電圧値と、前記電力変換回路内の電流値とから、目標電流値となるN周期先の電流値(Nは2以上の整数)を求める目標電流算出部と、デューティ算出部とを有する制御部とを備え、前記デューティ算出部は、前記目標電流値に基づいて、前記N周期より後のM周期先に反映する前記スイッチング素子の駆動期間を求める。
また、上記AC−DC変換回路は、前記交流電源から要求される交流入力電流制限値から、前記交流入力電圧値×前記前回求めた駆動期間×前記スイッチング素子のスイッチング周期/(前記電力変換回路内のコイルのインダクタンス値×2)を減算した値を限界値とする限界値算出手段と、前記目標電流値が前記限界値よりも大きい場合、前記限界値を前記目標電流値とする補正手段とを備えるように構成してもよい。
また、前記限界値算出手段は、前記交流入力電圧値の位相が90°又は270°のときに前記限界値を求めるように構成してもよい。
また、上記AC−DC変換回路は、前記目標電流値の変位量の最大値、並びに、前記目標電流値と1周期前の前記目標電流値との差分を求め、前記差分が前記目標電流値の変位量の最大値よりも大きい場合、前記1周期前の前記目標電流値に前記目標電流値の変位量の最大値を加算したものを前記目標電流値とする目標電流制限手段を備えるように構成してもよい。
また、前記目標電流制限手段は、前記目標電流値の変位量の最小値を求め、前記差分が前記目標電流値の変位量の最小値よりも小さい場合、前記1周期前の前記目標電流値に前記目標電流値の変位量の最小値を加算したものを前記目標電流値とするように構成してもよい。
また、上記AC−DC変換回路は、補償値=1/(前記交流入力電圧値の平均値の平方根)を計算することにより、補償値を求める補償部を備え、前記目標電流算出部は、前記交流入力電圧値と、前記電力変換回路の直流出力電圧値と、前記電力変換回路内の電流値と、前記補償部により求められる補償値とから、前記目標電流値を求めるように構成してもよい。
また、実施の態様のひとつである力率改善方法は、交流電源から供給される交流電圧を整流する整流回路からの入力電圧を、少なくとも1つのスイッチング素子のオン、オフにより、昇圧または降圧させる電力変換回路に設けられる制御部によって実行される力率改善方法であって、前記交流電源から供給される交流入力電圧値と、前記電力変換回路の直流出力電圧値と、前記電力変換回路内の電流値とから、目標電流値となるN周期先の電流値(Nは2以上の整数)を求め、前記目標電流値に基づいて、前記N周期より後のM周期先に反映する前記スイッチング素子の駆動期間を求める。
また、実施の態様のひとつである力率改善方法は、複数のスイッチング素子のオン、オフにより、交流電源から供給される交流電圧を整流するとともに昇圧または降圧させる電力変換回路に設けられる制御部によって実行される力率改善方法であって、前記交流電源から供給される交流入力電圧値と、前記電力変換回路の直流出力電圧値と、前記電力変換回路内の電流値とから、目標電流値となるN周期先の電流値(Nは2以上の整数)を求め、前記目標電流値に基づいて、前記N周期より後のM周期先に反映する前記スイッチング素子の駆動期間を求める。
本実施の形態によれば、AC−DC変換回路の力率改善制御の応答性を向上させることができるという効果を奏する。
実施形態1の力率改善回路を有するAC−DC変換回路の一実施例を示す図である。 実施形態1の制御部の一実施例を示す図である。 実施形態1の制御部の動作の一実施例を示すフロー図である。 実施形態1の制御部の動作の一実施例のタイムチャートを示す図である。 実施形態1の設定情報、入力情報、計算情報各々の一実施例のデータ構造を示す図である。 実施形態2の力率改善回路を有するAC−DC変換回路の一実施例を示す図である。 実施形態2の制御部の動作の一実施例のタイムチャートを示す図である。 AC−DC変換回路の入出力や制限値などの一例を示す図である。 実施形態1又は実施形態2の制御部の変形例を示す図である。 限界算出部の動作の一例を示すフローチャートである。 制御部の動作の一実施例のタイムチャートを示す図である。 設定情報、入力情報、計算情報のデータ構造例を示す図である。 制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
実施形態1は、AC−DC変換回路へ供給される入力電圧、入力電流に対する力率改善制御の応答性を向上させ、力率改善制御の応答性の悪化による電流の発振と振動を押さえ込む。なお、実施形態1では電流の発振と振動発振現象を抑えるため、位相補償のし易い電流モード制御を採用する。
以下図面に基づいて、実施形態について詳細を説明する。
図1は、力率改善回路(電力変換回路)を有するAC−DC変換回路の一実施例を示す図である。図1のAC−DC変換回路1は系統電源2に接続され、コイルL1、ダイオードD1〜D5、スイッチング素子S1、コンデンサC1、電圧計3(第1の電圧計)、電圧計5(第2の電圧計)、電流計4、A/D変換部6〜8、駆動部9、制御部10を備えている。
図1のAC−DC変換回路1の構成要素について説明する。
系統電源2は交流電源であり、例えば、AC100VまたはAC200Vなどの電力供給源である。ダイオードD1〜D4は、整流回路(ダイオードブリッジ回路)を構成するダイオードである。図1に示す力率改善回路の構成について説明する。電圧計3は、系統電源2からAC−DC変換回路1に入力される交流入力電圧Vacを計測してA/D変換部6に出力する。コイルL1は昇圧用のチョークコイルである。ダイオードD5は整流ダイオードである。スイッチング素子S1は、例えば、Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor(MOSFET)、Insulated Gate Bipolar Transistor(IGBT)などが考えられる。図1ではスイッチング素子S1としてMOSFETを用いた場合について示されている。なお、図1ではMOSFETのドレイン−ソース間に寄生ダイオードが示されている。コンデンサC1は平滑コンデンサである。電流計4は、力率改善回路に供給される電流Iを計測してA/D変換部8に出力する。例えば、電流Iをアナログ/ディジタル変換可能な電圧にしてからA/D変換部8に出力する。電圧計5は、AC−DC変換回路1から出力される直流出力電圧Vhを計測してA/D変換部7に出力する。例えば、直流出力電圧Vhを分圧してアナログ/ディジタル変換可能な電圧にしてからA/D変換部7に出力する。
A/D変換部6は、電圧計3の測定した交流入力電圧Vacに対応する電圧をアナログディジタル変換して、ディジタル信号Vac_mを生成して制御部10に出力する。A/D変換部8は、電流計4の測定した電流Iに対応する電圧をアナログディジタル変換して、ディジタル信号Imを生成して制御部10に出力する。A/D変換部7は、電圧計5の測定した直流出力電圧Vhに対応する電圧をアナログディジタル変換して、ディジタル信号Vh_mを生成して制御部10に出力する。なお、制御部10にA/D変換部が設けられている場合には、A/D変換部6、7、8はなくてもよい。
駆動部9は、制御部10から出力されるスイッチング素子S1をオン/オフさせる制御信号を、スイッチング素子S1を駆動可能な電圧に増幅して駆動信号を生成し、駆動信号をスイッチング素子S1のゲート端子に供給する。
制御部10は、予め設定されている周期Tごとに、ディジタル信号Vac_m、Im、Vh_mを用いて制御信号を生成する。制御部10は、例えば、Central Processing Unit(CPU)やプログラマブルなデバイス(Field Programmable Gate Array(FPGA)、Programmable Logic Device(PLD)など)を用いることが考えられる。なお、記録部は制御部10と別に、制御部10の外部に設けてもよい。制御信号は、例えば、Pulse Width Modulation(PWM)制御によって生成された信号である。
図1のAC−DC変換回路1の回路構成について説明する。
電圧計3の一方の端子(a点)は、系統電源2の一方の端子とダイオードD2のアノードとダイオードD3のカソードとに接続されている。電圧計3の他方の端子(b点)は、系統電源2の他方の端子とダイオードD1のアノードとダイオードD4のカソードとに接続されている。ダイオードD1のカソードとダイオードD2のカソードは、コイルL1の一方に接続されている。ダイオードD3のアノードとダイオードD4のアノードは、スイッチング素子S1のソース端子とコンデンサC1の他方の端子と電圧計5の他方の端子とグランドGNDと出力端子(d)とに接続されている。コイルL1の他方の端子は電流計4の一方の端子に接続され、電流計4の他方の端子はダイオードD5のアノードとスイッチング素子S1のドレイン端子に接続されている。ダイオードD5のカソードは、コンデンサC1の一方の端子と電圧計5の一方の端子と出力端子(c点)とに接続されている。
電圧計3の出力端子はA/D変換部6に接続され、電流計4の出力端子はA/D変換部8に接続され、電圧計5の出力端子はA/D変換部7に接続されている。A/D変換部6の出力端子は制御部10の第1の入力端子に接続され、A/D変換部8の出力端子は制御部10の第2の入力端子に接続され、A/D変換部7の出力端子は制御部10の第3の入力端子に接続されている。制御部10の出力端子は駆動部9の入力端子に接続され、駆動部9の出力端子はスイッチング素子S1のゲート端子に接続されている。
制御部10について説明する。
図2は、制御部10の一実施例を示す図である。図2に示す制御部10は、目標電流算出部とデューティ算出部25、デューティ保持部26を有している。目標電流算出部は、誤差算出部21、PI制御部22、補償部23、積算部24を有している。
誤差算出部21は、ディジタル信号Vh_mに含まれる出力電圧値と目標出力電圧値Vh_refの示す値とを用いて、式1により差分値△Vh_mを算出する。目標出力電圧Vh_refは、目標とする出力電圧に対応する値で記録部に記録されている。
△Vh_m = Vh_ref − Vh_m (式1)
Vh_ref:目標出力電圧値
Vh_m :ディジタル信号Vh_mに含まれる出力電圧値
△Vh_m :差分値
PI制御部22は、差分値△Vh_mを入力とし、PI制御を用いて計算値yを求め、その計算値yを積算部24に出力する。例えば、式2を用いて計算値yを求めることが考えられる。
y = (Kp×△Vh_m)+(Ki×Σ△Vh_m) (式2)
Kp:比例ゲイン係数
Ki:積分ゲイン係数
なお、本例ではPI制御を用いているがPID制御を用いてもよい。
補償部23は電力補償をするための補償値zを求める。例えば、交流入力電圧VacがAC100VからAC200Vに切り替えられたときなどに電力補償をするために、式3に示す補償値zを求めて、積算部24に出力する。
z = 1/(Vacの平均値)^2 (式3)
Vacの平均:周期Tごとサンプリングした交流入力電圧の平均値
なお、「^2」は平方根を示す。また、電力補償をしないでよい場合には補償部23は必要ない。
積算部24は、計算値yと補償値zと交流入力電圧Vac_mを用いて式4に示す計算をし、目標電流値Itarget_mを求める。
Itarget_m = y×z×Vac_m (式4)
なお、補償部23がない場合には補償値zは積算しなくてもよい。
デューティ算出部25は、目標電流値Itarget_m、ディジタル信号Vh_mに含まれる値、ディジタル信号Vac_mに含まれる値、ディジタル信号Imに含まれる値を用いて、式5または式6により駆動期間Dm+1を求める。ここで、Dm+1の値はスイッチング素子S1を駆動させる期間である。また、Dmは式5または式6を用いて計算した前回のDm+1の値である。ディジタル信号Vac_mに含まれる交流入力電圧Vacに対応する値を用いてVac≧0であるか否かを判定する。Vac≧0であれば式5を用いて駆動期間Dm+1を求める。また、Vac<0であれば式6を用いて駆動期間Dm+1を求める。ここで、上記0は電圧値0Vを示す。
Dm+1 = L×(Im+2−Im)/(T×Vh_m) (式5)
+2×(1−Vac_m/Vh_m)−Dm
Dm+1 = −L×(Im+2−Im)/(T×Vh_m) (式6)
+2×(1+Vac_m/Vh_m)−Dm
L :図1に示されるL1のインダクタンスの値
T :周期
Im+2:目標電流値Itarget_m
なお、インダクタンスLは電流値Imを用いて求めることができ、例えば、Imを変数として一次関数で近似させることができる。また、目標電流値Itarget_mとは電流値Imに対するIm+2に相当する。すなわち、電流値に対する2周期先の電流値が目標電流値となる。なお、N周期先の電流値(Nは2以上の整数)を目標電流値とし、その目標電流値に基づいて求めたスイッチング素子S1の駆動期間をN周期より後のM周期先(MはNよりも小さい整数)に反映するように構成してもよい。
デューティ保持部26は、前回式5または式6により計算した駆動期間Dm+1を前回の駆動期間Dmとして保持する。そして、今回の駆動期間Dm+1を計算する際に前回の駆動期間Dmをデューティ算出部25に出力する。なお、デューティ保持部26は記録部であってもよい。
制御部10の動作について図3、図4、図5を用いて説明する。
図3は、制御部10の動作の一実施例を示すフロー図である。図4は、制御部10の動作の一実施例のタイムチャートを示す図である。図5は、設定情報、入力情報、計算情報各々の一実施例のデータ構造を示す図である。
ステップS1では、制御部10がディジタル信号Vac_m、Vh_m、Imのそれぞれに含まれる値を取得する。ディジタル信号Vac_m、Vh_m、Imのそれぞれに含まれる値は、図4に示すタイミングt1、t3、t5で制御部10が取得する。そして、取得したディジタル信号Vac_m、Vh_m、Imのそれぞれに含まれる値は、図5に示す入力情報52に記録される。入力情報52は、「出力電圧値」「入力電圧値」「電流値」を有している。「出力電圧値」には、ディジタル信号Vh_mに含まれる値が記録されている。本例では、ディジタル信号Vh_mに含まれる値「Vh_m」が記録されている。「入力電圧値」は、ディジタル信号Vac_mに含まれる値が記録されている。本例では、ディジタル信号Vac_mに含まれる値「Vac_m」が記録されている。「電流値」は、ディジタル信号Imに含まれる値が記録されている。本例では、ディジタル信号Imに含まれる値「Im」が記録されている。
図4の場合であれば、タイミングt1でディジタル信号Vac_m、Vh_m、Imのそれぞれに含まれる値「Vac_m」「Vh_m」「Im」を取得して、「出力電圧値」「入力電圧値」「電流値」にそれぞれ記録する。タイミングt3では、ディジタル信号Vac_m+1、Vh_m+1、Im+1のそれぞれに含まれる値「Vac_m+1」「Vh_m+1」「Im+1」を取得して、「出力電圧値」「入力電圧値」「電流値」にそれぞれ記録する。タイミングt5では、ディジタル信号Vac_m+2、Vh_m+2、Im+2のそれぞれに含まれる値「Vac_m+2」「Vh_m+2」「Im+2」を取得して、「出力電圧値」「入力電圧値」「電流値」にそれぞれ記録する。
ステップS2で制御部10は差分値を求める。例えば、記録部に記録されている目標出力電圧値Vh_refを取得して、式1に示す計算をして差分値を求め、差分値を計算情報53に記録する。すなわち、制御部10は目標出力電圧Vh_refと出力電圧値Vh_mとの差を求め差分値△Vh_mとする。目標出力電圧値Vh_refは、図5に示す設定情報51から取得する。設定情報51は、「目標出力電圧」「周期」を有している。「目標出力電圧」は、目標とする出力電圧に対応する値で、本例では「Vh_ref」が記録されている。「周期」は、スイッチング素子S1を駆動するために設定される周期で、本例では、「T」が記録されている。
計算情報53は、「差分値」「目標電流値」「前回駆動期間」「今回駆動期間」「インダクタンス値」を有している。「差分値」には、目標出力電圧値Vh_refからディジタル信号Vh_mの示す値を差し引いて求めた差分値が記録されている。本例では、目標出力電圧値Vh_refから入力情報52の出力電圧値Vh_mを差し引いて求めた差分値「△Vh_m」が記録されている。
図4に示すタイムチャートの場合であれば、目標出力電圧値Vh_refからタイミングt1で取得した入力情報52の出力電圧値Vh_mを差し引いて求めた差分値「△Vh_m」が計算情報53に記録される。また、タイミングt3であれば目標出力電圧値Vh_refからタイミングt3で取得した入力情報52の出力電圧値Vh_m+1を差し引いて求めた差分値「△Vh_m+1」が計算情報53に記録される。また、タイミングt5であれば目標出力電圧値Vh_refからタイミングt5で取得した入力情報52の出力電圧値Vh_m+2を差し引いて求めた差分値「△Vh_m+2」が計算情報53に記録される。
ステップS3、S4、S5では、制御部10がPI制御の計算を行う。ステップS3で制御部10はKp×差分値を求める。ステップS4で制御部10はKi×Σ差分値を求める。比例ゲイン係数Kpと積分ゲイン係数Kiは、例えば、記録部に記録されている。差分値△Vh_mは、計算情報53から取得する。ステップS5では、制御部10がKp×差分値+Ki×Σ差分値を求める。
図4に示すタイムチャートの場合であれば、タイミングt1より後でタイミングt3より前のタイミングで、比例ゲイン係数Kpと積分ゲイン係数Kiと、計算情報53に記録されている差分値△Vh_mとを用いて、y=Kp×△Vh_m+Ki×Σ△Vh_mを求める。タイミングt3より後でタイミングt5より前のタイミングであれば、比例ゲイン係数Kpと積分ゲイン係数Kiと、計算情報53に記録されている差分値△Vh_m+1とを用いて、y=(Kp×△Vh_m+1)+(Ki×Σ△Vh_m+1)を求める。タイミングt5より後でタイミングt7より前のタイミングであれば、比例ゲイン係数Kpと積分ゲイン係数Kiと、計算情報53に記録されている差分値△Vh_m+2とを用いて、y=(Kp×△Vh_m+2)+(Ki×Σ△Vh_m+2)を求める。
ステップS6では制御部10が式4に従い計算をして目標電流値を求め、目標電流値を記録部に記録する。例えば、図5に示す計算情報53の「目標電流値」に記録する。本例では、目標電流値「Itarget_m」が記録されている。
図4に示すタイムチャートの場合、タイミングt1より後でタイミングt3より前のタイミングでステップS5の処理が終了すると、計算値y(=(Kp×△Vh_m)+(Ki×Σ△Vh_m))と、補償値z(=1/(Vac_mの平均値)^2)、入力情報52の入力電圧値Vac_mを用いて、目標電流値Itarget_mが計算される。タイミングt3より後でタイミングt5より前のタイミングでステップS5の処理が終了すると、計算値y(=(Kp×△Vh_m+1)+(Ki×Σ△Vh_m+1))と、補償値z(=1/(Vac_m+1の平均値)^2)、入力情報52の入力電圧値Vac_m+1を用いて、不図示の目標電流値Itarget_m+1が計算される。タイミングt5より後でタイミングt7より前のタイミングでステップS5の処理が終了すると、計算値y(=(Kp×△Vh_m+2)+(Ki×Σ△Vh_m+2))と、補償値z(=1/(Vac_m+2の平均値)^2)、入力情報52の入力電圧値Vac_m+2を用いて、不図示の目標電流値Itarget_m+2が計算される。
なお、図4のItarget_m−2はタイミングt1の2周期前に計算され、Itarget_m−1はタイミングt1の1周期前に計算された目標電流値である。
ステップS7では、制御部10が入力情報52から入力電圧値Vac_mに含まれる交流入力電圧Vacに対応する値を用いてVac≧0であるか否かを判定する。Vac≧0であればステップS8に移行し、Vac<0であればステップS9に移行する。
ステップS8では、制御部10が式5に従い計算をして今回の駆動期間を求め、今回の駆動期間を記録部に記録する。ステップS9では、制御部10が式6に従い計算をして今回の駆動期間を求め、今回の駆動期間を記録部に記録する。本例では、計算情報53の「今回駆動期間」に「Dm+1」が記録されている。インダクタンスLは、計算情報53の「インダクタンス値」から取得する。「インダクタンス値」には、例えば、L=−21Im+860などの一次関数を用いて、周期ごとに計算された値が記録される。本例では、「L」が記録されている。ただし、上記一次関数に限定されるものではなく、回路構成によって適宜傾きと切片を変更することが望ましい。
図4に示すタイムチャートの場合、タイミングt1より後でタイミングt3より前のタイミングでステップS7の処理が終了すると、ステップS8の場合、制御部10が式5に従い今回の駆動期間を求める。すなわち、目標電流値Itarget_m(=Im+2)を用いて、今回駆動期間Dm+1=L×(Im+2−Im)/(T×Vh_m)+2×(1−Vac_m/Vh_m)−Dmが計算される。ステップS9の場合、制御部10が式6に従い今回の駆動期間を求める。すなわち、目標電流値Itarget_m(=Im+2)を用いて、今回駆動期間Dm+1=−L×(Im+2−Im)/(T×Vh_m)+2×(1+Vac_m/Vh_m)−Dmが計算される。
タイミングt3より後でタイミングt5より前のタイミングでステップS7の処理が終了すると、ステップS8の場合、制御部10が式5に従い今回の駆動期間を求める。すなわち、目標電流値Itarget_m+1(=Im+3)を用いて、今回駆動期間Dm+2=L×(Im+3−Im+1)/(T×Vh_m+1)+2×(1−Vac_m+1/Vh_m+1)−Dm+1が計算される。ステップS9の場合、制御部10が式6に従い今回の駆動期間を求める。すなわち、目標電流値Itarget_m+1(=Im+3)を用いて、今回駆動期間Dm+2=−L×(Im+3−Im+1)/(T×Vh_m+1)+2×(1+Vac_m+1/Vh_m+1)−Dm+1が計算される。
タイミングt5より後でタイミングt7より前のタイミングでステップS7の処理が終了すると、ステップS8の場合、制御部10が式5に従い今回の駆動期間を求める。すなわち、目標電流値Itarget_m+2(=Im+4)を用いて、不図示の今回駆動期間Dm+3=L×(Im+4−Im+2)/(T×Vh_m+2)+2×(1−Vac_m+2/Vh_m+2)−Dm+2が計算される。ステップS9の場合、制御部10が式6に従い今回の駆動期間を求める。すなわち、目標電流値Itarget_m+2(=Im+4)を用いて、今回駆動期間Dm+3=−L×(Im+4−Im+2)/(T×Vh_m+2)+2×(1+Vac_m+2/Vh_m+2)−Dm+2が計算される。
ステップS10では、制御部10がステップS8またはS9で計算した駆動期間を前回の駆動期間として保存する。本例では、計算情報53の「今回駆動期間」に「Dm+1」が記録されている。
図4に示すタイムチャートの場合、タイミングt1より後でタイミングt3より前のタイミングでステップS8またはS9の処理が終了すると、ステップS8またはS9で計算した駆動期間Dm+1を前回の駆動期間Dmとして、計算情報53の「前回駆動期間」に保存する。本例では、「Dm」が記録されている。タイミングt3より後でタイミングt5より前のタイミングでステップS8またはS9の処理が終了すると、ステップS8またはS9で計算した駆動期間Dm+2を前回の駆動期間Dm+1として、計算情報53の「前回駆動期間」に保存する。タイミングt5より後でタイミングt7より前のタイミングでステップS8またはS9の処理が終了すると、ステップS8またはS9で計算した駆動期間Dm+3を前回の駆動期間Dm+2として、計算情報53の「前回駆動期間」に保存する。
次に、タイミングt1より後でタイミングt3より前のタイミングでステップS10の処理が終了すると、駆動期間Dm+1を期間t3〜t5(周期T)に反映させる。図4の例では、制御部10がタイミングt3を検出すると、スイッチング素子S1を駆動させるために制御信号をON状態にする。そして、駆動部9は制御信号が入力されると制御信号の電圧を増幅してスイッチング素子S1のゲート端子に出力する。図4の期間t3〜t4(駆動期間Dm+1)参照。次に、制御部10がタイミングt4を検出すると、図4の期間t4〜t5の間スイッチング素子S1をオフ状態にさせるために制御信号をOFF状態にする。その結果、駆動部9は制御信号がOFF状態であるのでスイッチング素子S1を駆動しない。なお、タイミングは、例えば、カウンタや時計ICなどを用いて周期を計測することが考えられる。
また、図4の駆動期間Dm+2は期間t3〜t5で求められ、期間t5〜t7に反映される。
実施形態1によれば、AC−DC変換回路へ供給される入力電圧、入力電流に対する力率改善制御の応答性を向上させ、力率改善制御の応答性の悪化による電流の発振と振動を押さえ込むことができる。その結果、高調波エミッションの結果も大きく向上させることができ、入力電流がより正弦波(Sin波)に近づけることができる。
なお、今回の駆動期間Dm+1を算出する際、電流を一次近似式として計算しているが、その他の近似式または近似なしでも可能である。
また、図4に示した入力情報52へ記録する値各々のサンプリングタイミングは電流波形の谷の部分で行っているが、サンプリングタイミングは谷の部分に限定されるものではない。
実施形態2について説明する。
実施形態2は、図6に示すAC−DC変換回路へ供給される入力電圧、入力電流に対する力率改善制御の応答性を向上させ、力率改善制御の応答性の悪化による電流の発振と振動を押さえ込む。
図6は、実施形態2の力率改善回路を有するAC−DC変換回路の一実施例を示す図である。図6のAC−DC変換回路60は系統電源2に接続され、コイルL1(第1のコイル)、コイルL2(第2のコイル)、ダイオードD5(第1のダイオード)、ダイオードD6(第2のダイオード)、スイッチング素子S1(第1のスイッチング素子)、スイッチング素子S2(第2のスイッチング素子)、コンデンサC1、電圧計3(第1の電圧計)、電圧計5(第2の電圧計)、電流計4(電流計)、A/D変換部6〜8、駆動部9、制御部10を備えている。
図6のAC−DC変換回路60の構成要素について説明する。
コイルL1、ダイオードD5、スイッチング素子S1、コンデンサC1、電圧計3、5、電流計4、A/D変換部6〜8、駆動部9、制御部10については、実施形態1で説明しているので省略する。
コイルL2は昇圧用のチョークコイルである。ダイオードD6は整流ダイオードである。スイッチング素子S2は、例えば、Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor(MOSFET)、Insulated Gate Bipolar Transistor(IGBT)などが考えられる。図6ではスイッチング素子S2としてMOSFETを用いた場合について示されている。なお、図6ではMOSFETのドレイン−ソース間に寄生ダイオードが示されている。
図6のAC−DC変換回路60の回路構成について説明する。
電圧計3の一方の端子(a点)は、系統電源2の一方の端子とコイルL1の一方の端子とに接続されている。電圧計3の他方の端子(b点)は、系統電源2の他方の端子とコイルL2の他方の端子とに接続されている。コイルL1の他方の端子は電流計4の一方の端子に接続され、電流計4の他方の端子はダイオードD5のアノードとスイッチング素子S1のドレイン端子に接続されている。コイルL2の他方の端子はダイオードD6のアノードとスイッチング素子S2のドレイン端子に接続されている。スイッチング素子S1とスイッチング素子S2の各々のソース端子は、コンデンサC1の他方の端子と電圧計5の他方の端子とグランドGNDと出力端子(d)とに接続されている。ダイオードD5とダイオードD6の各々のカソードは、コンデンサC1の一方の端子と電圧計5の一方の端子と出力端子(c点)とに接続されている。
電圧計3の出力端子はA/D変換部6に接続され、電流計4の出力端子はA/D変換部8に接続され、電圧計5の出力端子はA/D変換部7に接続されている。A/D変換部6の出力端子は制御部10の第1の入力端子に接続され、A/D変換部8の出力端子は制御部10の第2の入力端子に接続され、A/D変換部7の出力端子は制御部10の第3の入力端子に接続されている。制御部10の出力端子は駆動部9の入力端子に接続され、駆動部9の出力端子はスイッチング素子S1とスイッチング素子S2の各々のゲート端子に接続されている。
実施形態2では、実施形態1で説明した図3のステップS8またはS9において、制御部10が式5または式6に従い計算をして今回の駆動期間を求め、今回の駆動期間を記録部に記録する。
図7に示すタイムチャートの場合、タイミングt1より後でタイミングt3より前のタイミングでステップS7の処理が終了すると、ステップS8の場合、制御部10が式5に従い今回の駆動期間を求める。すなわち、目標電流値Itarget_m(=Im+2)を用いて、今回駆動期間Dm+1=L×(Im+2−Im)/(T×Vh_m)+2×(1−Vac_m/Vh_m)−Dmが計算される。ステップS9の場合、制御部10が式6に従い今回の駆動期間を求める。すなわち、目標電流値Itarget_m(=Im+2)を用いて、今回駆動期間Dm+1=−L×(Im+2−Im)/(T×Vh_m)+2×(1+Vac_m/Vh_m)−Dmが計算される。ここで、目標電流値Itarget_mとは電流値Imに対するIm+2に相当する。すなわち、電流値に対する2周期先の電流値が目標電流値となる。
タイミングt3より後でタイミングt5より前のタイミングでステップS7の処理が終了すると、ステップS8の場合、制御部10が式5に従い今回の駆動期間を求める。すなわち、目標電流値Itarget_m+1(=Im+3)を用いて、今回駆動期間Dm+2=L×(Im+3−Im+1)/(T×Vh_m+1)+2×(1−Vac_m+1/Vh_m+1)−Dm+1が計算される。ステップS9の場合、制御部10が式6に従い今回の駆動期間を求める。すなわち、目標電流値Itarget_m+1(=Im+3)を用いて、今回駆動期間Dm+2=−L×(Im+3−Im+1)/(T×Vh_m+1)+2×(1+Vac_m+1/Vh_m+1)−Dm+1が計算される。
タイミングt5より後でタイミングt7より前のタイミングでステップS7の処理が終了すると、ステップS8の場合、制御部10が式5に従い今回の駆動期間を求める。すなわち、目標電流値Itarget_m+2(=Im+4)を用いて、不図示の今回駆動期間Dm+3=L×(Im+4−Im+2)/(T×Vh_m+2)+2×(1−Vac_m+2/Vh_m+2)−Dm+2が計算される。ステップS9の場合、制御部10が式6に従い今回の駆動期間を求める。すなわち、目標電流値Itarget_m+2(=Im+4)を用いて、今回駆動期間Dm+3=−L×(Im+4−Im+2)/(T×Vh_m+2)+2×(1+Vac_m+2/Vh_m+2)−Dm+2が計算される。
ステップS10では、制御部10がステップS8またはS9で計算した駆動期間を前回の駆動期間として保存する。
図7に示すタイムチャートの場合、タイミングt1より後でタイミングt3より前のタイミングでステップS8またはS9の処理が終了すると、ステップS8またはS9で計算した駆動期間Dm+1を前回の駆動期間Dmとして、計算情報53の「前回駆動期間」に保存する。本例では、「Dm」が記録されている。タイミングt3より後でタイミングt5より前のタイミングでステップS8またはS9の処理が終了すると、ステップS8またはS9で計算した駆動期間Dm+2を前回の駆動期間Dm+1として、計算情報53の「前回駆動期間」に保存する。タイミングt5より後でタイミングt7より前のタイミングでステップS8またはS9の処理が終了すると、ステップS8またはS9で計算した駆動期間Dm+3を前回の駆動期間Dm+2として、計算情報53の「前回駆動期間」に保存する。
次に、タイミングt1より後でタイミングt3より前のタイミングでステップS10の処理が終了すると、駆動期間Dm+1を期間t3〜t5(周期T)に反映させる。図7の例では、制御部10がタイミングt3を検出すると、スイッチング素子S1とスイッチング素子S2を駆動させるために制御信号をON状態にする。そして、駆動部9は制御信号が入力されると制御信号の電圧を増幅してスイッチング素子S1とスイッチング素子S2のゲート端子に出力する。図7の期間t3〜t4(駆動期間Dm+1)参照。次に、制御部10がタイミングt4を検出すると、図7の期間t4〜t5の間スイッチング素子S1とスイッチング素子S2をオフ状態にさせるために制御信号をOFF状態にする。その結果、駆動部9は制御信号がOFF状態であるのでスイッチング素子S1とスイッチング素子S2を駆動しない。なお、タイミングは、例えば、カウンタや時計ICなどを用いて周期を計測することが考えられる。
なお、図9の駆動期間Dm+2は期間t3〜t5で求められ、期間t5〜t7に反映される。
実施形態2によれば、AC−DC変換回路へ供給される入力電圧、入力電流に対する力率改善制御の応答性を向上させ、力率改善制御の応答性の悪化による電流の発振と振動を押さえ込むことができる。その結果、高調波エミッションの結果も大きく向上させることができ、入力電流がより正弦波(Sin波)に近づけることができる。
なお、今回の駆動期間Dm+1を算出する際、電流を一次近似式として計算しているが、その他の近似式または近似なしでも可能である。
また、図5に示した入力情報52へ記録する値各々のサンプリングタイミングは電流波形の谷の部分で行っているが、サンプリングタイミングは谷の部分に限定されるものではない。
図8(a)は、「交流入力電圧Vac」、「交流入力実電流Iin」、「交流入力電流平均値Iac」の一例を示す図であり、図8(b)は、図8(a)に示す破線枠内の拡大図であり、さらに、「ディジタル信号Im」、「補正値Ic」、「交流入力電流制限値ILMT_PEAK」、「交流入力実電流リプル幅IRIP_PEAK」の一例を示す図である。
図8(a)及び図8(b)に示すように、「交流入力実電流Iin」が最小値(谷)になるときに「ディジタル信号Im」を取得する場合、その取得した「ディジタル信号Im」はコイルL1やコイルL2に流れる「交流入力実電流Iin」の平均値である「交流入力電流平均値Iac」に対して誤差が発生する。
また、図8(b)に示すように、系統電源2において、「交流入力電流平均値Iac」に対して「交流入力電流制限値ILMT_PEAK」が設けられている場合がある。この場合、「ディジタル信号Im」と「交流入力電流平均値Iac」との誤差が大きいと、「交流入力電流制限値ILMT_PEAK」と「交流入力電流平均値Iac」との間に少なくともその誤差分のマージンをもたせるために「今回の目標電流値Itaget_m」を、「交流入力電流制限値ILMT_PEAK」が設けられていない場合に比べて小さく設定する必要がある。そして、このように「今回の目標電流値Itarget_m」を小さくしてしまうと、AC−DC変換回路の出力電力も小さくなるため、例えば、AC−DC変換回路を充電器として採用した場合、充電時間が長くなってしまう。
そこで、「今回の目標電流値Itarget_m」に固定値を加算するなどして「今回の目標電流値Itarget_m」を「補正値Ic」に補正することが考えられるが、AC−DC変換回路に他の系統電源2が接続されて「交流入力電圧Vac」が変化したり、「交流入力電流制限値ILMT_PEAK」自体が変化すると、「交流入力電流制限値ILMT_PEAK」と「交流入力電流平均値Iac」との間のマージンも変化するため、固定値の設定が難しくなってしまう。
そこで、「交流入力電圧Vac」や「交流入力電流制限値Im_lmt」の変化に併せて固定値も変えられるように、予め複数の固定値を用意しておくことが考えられるが、その準備に手間や時間がかかってしまう。
図9は、このような問題を考慮した制御部10の変形例を示す図である。なお、図2に示す構成と同じ構成には同じ符号を付しその説明を省略する。また、図9に示す制御部10は、上記実施形態1の制御部10及び上記実施形態2の制御部10のどちらの制御部10として採用されてもよい。
図9に示す制御部10において、図2に示す制御部10と異なる点は、限界値算出部28(限界値算出手段)、補正部29(補正手段)、目標電流制限部30(目標電流制限手段)、及び目標電流保持部31をさらに備えている点である。
限界値算出部28は、目標電流算出部32に備えられ、「制限値ILMT」、「ディジタル信号Im」、「ディジタル信号Vac_m」、及び「前回駆動期間Dm」に基づいて、「限界値Iin_lmt」を算出する。
図10は、限界値算出部28の動作の一例を示すフローチャートである。また、図11は、図9に示す制御部10の動作の一実施例のタイムチャートを示す図である。図12は、設定情報51、入力情報52、及び計算情報53のデータ構造例を示す図である。
まず、限界値算出部28は、「交流入力電圧Vac」の位相が90°又は270°になると(S100がYes)、図12に示す入力情報52から「ディジタル信号Vac_m」、「ディジタル信号Im」、及び「制限値ILMT」(交流入力電流制限値)を取得する(S101)。なお、「制限値ILMT」は、例えば、系統電源2からハイブリッド車や電気自動車などの車両に搭載されるAC−DC変換回路へ送られる、「交流入力実電流Iin」の振幅値を制限するためのコントロールパイロット信号などに含まれる情報とする。
次に、限界値算出部28は、「交流入力電流制限値ILMT_PEAK」=「制限値ILMT」×√2を計算することにより、「制限値ILMT」の実効値として「交流入力電流制限値ILMT_PEAK」を求める(S102)。
次に、限界値算出部28は、図12に示す設定情報51から「周期T」を取得し、図12に示す入力情報52から「ディジタル信号Vac_m」を取得し、図12に示す計算情報53から「前回駆動期間Dm」及び「インダクタンスL」を取得し、「交流入力実電流リプル幅IRIP_PEAK」=「ディジタル信号Vac_m」×「前回駆動期間Dm」×「周期T」/「インダクタンスL」を計算することにより、図8(b)や図11に示すタイミングt1における「交流入力実電流Iin」の振幅値として「交流入力実電流リプル幅IRIP_PEAK」を求める(S103)。
次に、限界値算出部28は、「限界値Iin_lmt」=「交流入力電流制限値ILMT_PEAK」−「交流入力実電流リプル幅IRIP_PEAK」/2を計算することにより、「今回の目標電流値Itarget_m」を大きい値に補正する際の限界値として「限界値Iin_lmt」を求める(S104)。例えば、この「限界値Iin_lmt」を「今回の目標電流値Itarget_m」とすると、「交流入力電流平均値Iac」を「交流入力電流最大制限値ILMT_PEAK」よりも大きくさせないようにしつつ「交流入力電流平均値Iac」をできるだけ大きな値にさせることができる。これにより、AC−DC変換回路の出力電圧の低減を抑えることができる。
そして、限界値算出部28は、「交流入力電圧Vac」がゼロクロスタイミング(0[V])になると(S105がYes)、現在の「限界値Iin_lmt」をS104で求めたタイミングt1における「限界値Iin_lmt」に更新する。例えば、限界値算出部28は、図12に示す設定情報51の「限界値Iin_lmt」をS104で求めたタイミングt1における「限界値Iin_lmt」に更新する。このように「交流入力電圧Vac」がゼロクロスタイミングのときに「限界値Iin_lmt」を更新すると、その更新に伴って生じる「今回駆動期間Dm+1」の変位量を小さくすることができるため、「限界値Iin_lmt」の更新時におけるAC−DC変換回路の出力電力の変動を抑えることができる。
なお、限界値算出部28は、「ディジタル信号Vac_m」や「ディジタル信号Im」の取得タイミング毎(例えば、図8(b)や図11に示すタイミングt1、t3、t5、t7)にS1の処理を開始するものとする。
また、図9に示す積算部24は、PI制御部22により求められる「計算値y」と、補償部23により求められる「補償値z」と、図12に示す入力情報52から取得される「ディジタル信号Vac_m」とを用いて、「仮の仮の目標電流値Itarget_m」=「計算値y」×「補償値z」×「ディジタル信号Vac_m」を計算することにより、「仮の仮の目標電流値Itarget_m」を求める。なお、補償部23がない場合には「補償値z」は積算しなくてもよい。
補正部29は、目標電流算出部32に備えられ、積算部24により求められる「仮の仮の目標電流値Itarget_m」と、限界値算出部28で算出される「限界値Iin_lmt」との比較結果に基づいて、「仮の仮の目標電流値Itarget_m」を「仮の目標電流値Itarget_m」として出力するか、又は、「限界値Iin_lmt」を「仮の目標電流値Itarget_m」として出力するかを判断する。
目標電流制限部30は、演算部33と、比較部34と、演算部35とを備える。
演算部33は、「ΔItarget_max」及び「ΔItarget_min」を求めるとともに、目標電流算出部32で算出された「仮の目標電流値Itarget_m」と、目標電流保持部31に保持されている「前回の目標電流値Itarget_m−1」との差分を求める(S65)。なお、「ΔItarget_max」は、「目標電流値Itarget」の変位量の最大値であり、「ΔItarget_min」は、「目標電流値Itarget」の変位量の最小値である。例えば、「ディジタル信号Im」がX[A]のとき、「目標電流値Itarget」はX√2sin(2π×f0×t)という関数で表され、「目標電流値Itarget」の変位量の傾き(ΔItarget/「周期T」)はこの関数の傾き(微分)以上にはならない。すなわち、演算部33は、「ΔItarget_max」=X√2×2×π×f0×cos(2π×f0×「周期T」)×Tを計算するとともに、「ΔItarget_min」=−X√2×2×π×f0×cos(2π×f0×T)×Tを計算することにより、「ΔItarget_max」及び「ΔItarget_min」を求める。なお、f0はスイッチング素子S1やスイッチング素子S2のスイッチング周波数とする。なお、演算部33は、「交流入力電圧Vac」又は「交流入力実電流Iin」に基づいて、「ΔItarget_max」及び「ΔItarget_min」を求めるように構成してもよい。
比較部34は、「仮の目標電流値Itarget_m」と「前回の目標電流値Itarget_m−1」との差分が「ΔItarget_max」よりも大きいか、又は、「仮の目標電流値Itarget_m」と「前回の目標電流値Itarget_m−1」との差分が「ΔItarget_min」よりも小さいかを判断する。
演算部35は、比較部34の比較結果に応じた「目標電流値Itarget_m」を出力する。
目標電流保持部31は、演算部35から出力される「今回の目標電流値Itarget_m」を、1周期後の「今回の目標電流値Itarget_m」を求める際に使用される「前回の目標電流値Itarget_m−1」として保持する。
図13は、図9に示す制御部10の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図13に示すS1〜S5は、図3に示すS1〜S5と同様であるため、その説明を省略する。
積算部24は、「仮の仮の目標電流値Itarget_m」を求め、その「仮の仮の目標電流値Itarget_m」を図12に示す計算情報53に記録する(S61)。
次に、補正部29は、「仮の仮の目標電流値Itarget_m」が「限界値Iin_lmt」よりも小さいか否かを判断する(S62)。
「仮の仮の目標電流値Itarget_m」が「限界値Iin_lmt」よりも小さいと判断すると(S62がYes)、補正部29は、「仮の仮の目標電流値Itarget_m」を「仮の目標電流値Itarget_m」として出力する(S63)。
一方、「仮の仮の目標電流値Itarget_m」が「限界値Iin_lmt」よりも大きいと判断すると(S62がNo)、補正部29は、「限界値Iin_lmt」を「仮の目標電流値Itarget_m」として出力とする(S64)。
次に、演算部33は、「ΔItarget_max」及び「ΔItarget_min」を求めるとともに、「仮の目標電流値Itarget_m」と「前回の目標電流値Itarget_m−1」との差分を求める(S65)。
次に、比較部34は、「仮の目標電流値Itarget_m」−「前回の目標電流値Itarget_m−1」>「ΔItarget_max」であるか否かを判断する(S66)。
「仮の目標電流値Itarget_m」−「前回の目標電流値Itarget_m−1」>「ΔItarget_max」であると判断されると(S66がYes)、演算部35は、「今回の目標電流値Itarget_m」=「前回の目標電流値Itarget_m−1」+「ΔItarget_max」を計算することにより、「今回の目標電流値Itarget_m」(例えば、図11に示すタイミングt5における「交流入力実電流Iin」を「ディジタル信号Im+2」とするための「今回の目標電流値Itarget_m」)を求める(S67)。
そして、目標電流保持部31は、S67で求められた「今回の目標電流値Itarget_m」を、1周期後の「今回の目標電流値Itarget_m」を求める際に使用される「前回の目標電流値Itarget_m−1」として保持する(S68)。
このように、演算部35は、「仮の目標電流値Itarget_m」と「前回の目標電流値Itarget_m−1」との差分が「ΔItarget_max」よりも大きい場合、すなわち、今回求めた「仮の目標電流値Itarget_m」が大き過ぎる場合、その「仮の目標電流値Itarget_m」を、「今回の目標電流値Itarget_m」とせずに、「前回の目標電流値Itarget_m−1」と「ΔItarget_max」とを加算した値に制限する。
一方、「仮の目標電流値Itarget_m」−「前回の目標電流値Itarget_m−1」>「ΔItarget_max」でないと判断すると(S66がNo)、比較部30は、「仮の目標電流値Itarget_m」−「前回の目標電流値Itarget_m−1」<「ΔItarget_min」であるか否かを判断する(S69)。
「仮の目標電流値Itarget_m」−「前回の目標電流値Itarget_m−1」<「ΔItarget_min」であると判断されると(S69がYes)、演算部35は、「今回の目標電流値Itarget_m」=「前回の目標電流値Itarget_m−1」+「ΔItarget_min」を計算することにより、「今回の目標電流値Itarget_m」(例えば、図11に示すタイミングt5における「交流入力実電流Iin」を「ディジタル信号Im+2」とするための「今回の目標電流値Itarget_m」)を求める(S70)。
そして、目標電流保持部31は、S70で求められた「今回の目標電流値Itarget_m」を、1周期後の「今回の目標電流値Itarget_m」を求める際に使用される「前回の目標電流値Itarget_m−1」として保持する(S68)。
このように、演算部35は、「仮の目標電流値Itarget_m」と「前回の目標電流値Itarget_m−1」との差分が「ΔItarget_min」よりも小さい場合、すなわち、今回求めた「仮の目標電流値Itarget_m」が小さ過ぎる場合、その「仮の目標電流値Itarget_m」を、「今回の目標電流値Itarget_m」とせずに、「前回の目標電流値Itarget_m−1」と「ΔItarget_min」とを加算した値に制限する。
また、「仮の目標電流値Itarget_m」−「前回の目標電流値Itarget_m−1」<「ΔItarget_min」でないと判断すると(S69がNo)、演算部35は、「仮の目標電流値Itarget_m」を「今回の目標電流値Itaregt_m」(例えば、図11に示すタイミングt5における「交流入力実電流Iin」を「ディジタル信号Im+2」とするための「今回の目標電流値Itarget_m」)とする(S71)。
そして、目標電流保持部31は、S71で求められた「今回の目標電流値Itarget_m」を、1周期後の「今回の目標電流値Itarget_m」を求める際に使用される「前回の目標電流値Itarget_m−1」として保持する(S68)。
このように、演算部35は、「仮の目標電流値Itarget_m」と「前回の目標電流値Itarget_m−1」との差分が「ΔItarget_max」よりも大きくない場合で、かつ、「仮の目標電流値Itarget_m」と「前回の目標電流値Itarget_m−1」との差分が「ΔItarget_min」よりも小さくない場合、すなわち、今回求めた「仮の目標電流値Itarget_m」が適当な大きさである場合、その「仮の目標電流値Itarget_m」を「今回の目標電流値Itarget_m」とする。
次に、デューティ算出部25は、「ディジタル信号Vac_m」≧0であるか否かを判断する(S7)。
「ディジタル信号Vac_m」≧0であると判断すると(S7がYes)、デューティ算出部25は、「今回駆動期間Dm+1」=「インダクタンスL」×(「今回の目標電流値Itarget_m」)−「ディジタル信号Im」)/(「周期T」×「出力電圧値Vh_m」)+2×(1−「ディジタル信号Vac_m」/「出力電圧値Vh_m」)−「前回駆動期間Dm」を計算することにより、「今回駆動期間Dm+1」を求める(S8)。例えば、デューティ算出部25は、図11に示すタイミングt3を検出すると、駆動信号をローレベルからハイレベルにする。駆動部9は、駆動信号がローレベルからハイレベルになると、スイッチング素子S1をターンオンする。また、デューティ算出部25は、図11に示すタイミングt4を検出すると、駆動信号をハイレベルからローレベルにする。駆動部9は、駆動信号がハイレベルからローレベルになると、スイッチング素子S1をターンオフする。これにより、図9に示す制御部10は、図11に示すタイミングt5において「ディジタル信号Im+2」を得ることができる。なお、図13に示すフローチャートが実行される度に、「インダクタンスL」が求められるように構成してもよい。
そして、デューティ保持部26は、S8で求められた「今回駆動期間Dm+1」を、1周期後の「今回駆動期間Dm+1」を求める際に使用される「前回駆動期間Dm」として保持する(S10)。
一方、「ディジタル信号Vac_m」≧0でないと判断すると(S7がNo)、デューティ算出部25は、「今回駆動期間Dm+1」=−「インダクタンスL」×(「今回の目標電流値Itarget_m」−「ディジタル信号Im」)/(「周期T」×「出力電圧値Vh_m」)+2×(1+「交流入力電圧Vac_m」/「出力電圧値Vh_m」)−「前回駆動期間Dm」を計算することにより、「今回駆動期間Dm+1」を求める(S9)。
そして、デューティ保持部26は、S9で求められた「今回駆動期間Dm+1」を、1周期後の「今回駆動期間Dm+1」を求める際に使用される「前回駆動期間Dm」として記録部に記録する(S10)。
このように、図9に示す制御部10では、積算部24により求められる「仮の仮の目標電流値Itarget_m」が「限界値Iin_lmt」よりも大きい場合、その「仮の目標電流値Itarget_m」を「限界値Iin_lmt」に補正している。また、図9に示す制御部10では、「目標電流値Itarget」の変位量の増減が小さく、補正後の「仮の目標電流値Itarget_m」が適当な値である場合、その補正後の「仮の目標電流値Itarget_m」を「今回の目標電流値Itarget_m」としている。この場合、「交流入力電流平均値Iac」を「交流入力電流制限値ILMT_PEAK」よりも大きくさせないようにしつつ、「交流入力電流平均値Iac」をできるだけ大きな値にさせることができるため、出力電圧値Vhの低下を抑えることができる。
また、図9に示す制御部10では、「限界値Iin_lmt」を「制限値ILMT」や「ディジタル信号Vac_m」に基づいて求めているため、AC−DC変換回路に他の系統電源2が接続されることによる「交流入力電圧Vac」の変化や系統電源2から要求される「制限値ILMT」の変化に応じて、「限界値Iin_lmt」を変化させることができ、複数の「限界値Iin_lmt」を予め用意しておく必要がない。
また、図9に示す制御部10では、「交流入力電圧Vac」の位相が90°又は270°のときに、「限界値Iin_lmt」が求めているため、「交流入力電流平均値Iac」(「ディジタル信号Im」)の変化が最も小さいときに「限界値Iin_lmt」を求めることができ、「限界値Iin_lmt」の精度を向上させることができる。
また、図9に示す制御部10では、「仮の目標電流値Itarget_m」−「前回の目標電流値Itarget_m−1」>「ΔItarget_max」である場合、「前回の目標電流値Itarget_m」と「ΔItarget_max」との加算値を「今回の目標電流値Itarget_m」としている。また、図9に示す制御部10は、「仮の目標電流値Itarget_m」−「前回の目標電流値Itarget_m−1」<「ΔItarget_min」である場合、「前回の目標電流値Itarget_m」と「ΔItarget_min」との加算値を「今回の目標電流値Itarget_m」としている。このように、「仮の目標電流値Itarget_m」の変位量が大きい場合、その「仮の目標電流値Itarget_m」の変位量に制限をかけることができるため、「今回の目標電流値Itarget_m」を適当な値に設定することができる。これにより、AC−DC変換回路の「出力電圧値Vh」の変動を抑えることができる。
なお、図9に示す制御部10において、ディーティ算出部25は、目標電流算出部32から出力される「仮の目標電流値Itarget_m」に基づいて、「今回起動期間Dm+1」を求めるようにしてもよい。この場合、図9に示す目標電流制限部30や目標電流保持部31及び図13に示すS65〜S71を省略することができる。
また、図9に示す制御部10において、目標電流制限部30は、積算部24から出力される「仮の仮の目標電流値Itarget_m」の変位量に対して制限をかけるようにしてもよい。この場合、図9に示す限界値算出部28や補正部29及び図13に示すS62〜S64を省略することができる。
また、図9に示す制御部10において、限界値算出部28や補正部29は、目標電流算出部32の外部に設けられてもよい。
また、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
1、60 AC−DC変換回路
2 系統電源
3、5 電圧計
4 電流計
6、7、8 A/D変換部
9 駆動部
10 制御部
21 誤差算出部
22 PI制御部
23 補償部
24 積算部
25 デューティ算出部
26 デューティ保持部
C1 コンデンサ
D1、D2、D3、D4、D5、D6 ダイオード
L1、L2 コイル
S1、S2 スイッチング素子

Claims (14)

  1. 交流電源から供給される交流電圧を整流する整流回路と、
    入力される制御信号に基づいてオン、オフする少なくとも1つのスイッチング素子を備え、前記スイッチング素子のオン、オフにより、前記整流回路からの入力電圧を昇圧または降圧させる電力変換回路と、
    前記交流電源から供給される交流入力電圧値と、前記電力変換回路の直流出力電圧値と、前記電力変換回路内の電流値とから、目標電流値となるN周期先の電流値(Nは2以上の整数)を求める目標電流算出部と、デューティ算出部とを有する制御部と、
    を備え、
    前記デューティ算出部は、前記目標電流値に基づいて、前記N周期より後のM周期先に反映する前記スイッチング素子の駆動期間を求める、
    ことを特徴とするAC−DC変換回路。
  2. 請求項1に記載のAC−DC変換回路であって、
    前記交流電源から要求される交流入力電流制限値から、前記交流入力電圧値×前記前回求めた駆動期間×前記スイッチング素子のスイッチング周期/(前記電力変換回路内のコイルのインダクタンス値×2)を減算した値を限界値とする限界値算出手段と、
    前記目標電流値が前記限界値よりも大きい場合、前記限界値を前記目標電流値とする補正手段と、
    を備えることを特徴とするAC−DC変換回路。
  3. 請求項2に記載のAC−DC変換回路であって、
    前記限界値算出手段は、前記交流入力電圧値の位相が90°又は270°のときに前記限界値を求める
    ことを特徴とするAC−DC変換回路。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のAC−DC変換回路であって、
    前記目標電流値の変位量の最大値、並びに、前記目標電流値と1周期前の前記目標電流値との差分を求め、前記差分が前記目標電流値の変位量の最大値よりも大きい場合、前記1周期前の前記目標電流値に前記目標電流値の変位量の最大値を加算したものを前記目標電流値とする目標電流制限手段を備える
    ことを特徴とするAC−DC変換回路。
  5. 請求項4に記載のAC−DC変換回路であって、
    前記目標電流制限手段は、前記目標電流値の変位量の最小値を求め、前記差分が前記目標電流値の変位量の最小値よりも小さい場合、前記1周期前の前記目標電流値に前記目標電流値の変位量の最小値を加算したものを前記目標電流値とする
    ことを特徴とするAC−DC変換回路。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載のAC−DC変換回路であって、
    補償値=1/(前記交流入力電圧値の平均値の平方根)を計算することにより、補償値を求める補償部を備え、
    前記目標電流算出部は、前記交流入力電圧値と、前記電力変換回路の直流出力電圧値と、前記電力変換回路内の電流値と、前記補償部により求められる補償値とから、前記目標電流値を求める
    ことを特徴とするAC−DC変換回路。
  7. 交流電源から供給される交流電圧を整流する整流回路からの入力電圧を、少なくとも1つのスイッチング素子のオン、オフにより、昇圧または降圧させる電力変換回路に設けられる制御部によって実行される力率改善方法であって、
    前記交流電源から供給される交流入力電圧値と、前記電力変換回路の直流出力電圧値と、前記電力変換回路内の電流値とから、目標電流値となるN周期先の電流値(Nは2以上の整数)を求め、
    前記目標電流値に基づいて、前記N周期より後のM周期先に反映する前記スイッチング素子の駆動期間を求める、
    ことを特徴とする力率改善方法。
  8. 入力される制御信号に基づいてオン、オフする複数のスイッチング素子を備え、前記複数のスイッチング素子のオン、オフにより、交流電源から供給される交流電圧を整流するとともに昇圧または降圧させる電力変換回路と、
    前記交流電源から供給される交流入力電圧値と、前記電力変換回路の直流出力電圧値と、前記電力変換回路内の電流値とから、目標電流値となるN周期先の電流値(Nは2以上の整数)を求める目標電流算出部と、デューティ算出部とを有する制御部と、
    を備え、
    前記デューティ算出部は、前記目標電流値に基づいて、前記N周期より後のM周期先に反映する前記スイッチング素子の駆動期間を求める、
    ことを特徴とするAC−DC変換回路。
  9. 請求項8に記載のAC−DC変換回路であって、
    前記交流電源から要求される交流入力電流制限値から、前記交流入力電圧値×前記前回求めた駆動期間×前記スイッチング素子のスイッチング周期/(前記電力変換回路内のコイルのインダクタンス値×2)を減算した値を限界値とする限界値算出手段と、
    前記目標電流値が前記限界値よりも大きい場合、前記限界値を前記目標電流値とする補正手段と、
    を備えることを特徴とするAC−DC変換回路。
  10. 請求項9に記載のAC−DC変換回路であって、
    前記限界値算出手段は、前記交流入力電圧値の位相が90°又は270°のときに前記限界値を求める
    ことを特徴とするAC−DC変換回路。
  11. 請求項8〜10の何れか1項に記載のAC−DC変換回路であって、
    前記目標電流値の変位量の最大値、並びに、前記目標電流値と1周期前の前記目標電流値との差分を求め、前記差分が前記目標電流値の変位量の最大値よりも大きい場合、前記1周期前の前記目標電流値に前記目標電流値の変位量の最大値を加算したものを前記目標電流値とする目標電流制限手段を備える
    ことを特徴とするAC−DC変換回路。
  12. 請求項11に記載のAC−DC変換回路であって、
    前記目標電流制限手段は、前記目標電流値の変位量の最小値を求め、前記差分が前記目標電流値の変位量の最小値よりも小さい場合、前記1周期前の前記目標電流値に前記目標電流値の変位量の最小値を加算したものを前記目標電流値とする
    ことを特徴とするAC−DC変換回路。
  13. 請求項8〜12の何れか1項に記載のAC−DC変換回路であって、
    補償値=1/(前記交流入力電圧値の平均値の平方根)を計算することにより、補償値を求める補償部を備え、
    前記目標電流算出部は、前記交流入力電圧値と、前記電力変換回路の直流出力電圧値と、前記電力変換回路内の電流値と、前記補償部により求められる補償値とから、前記目標電流値を求める
    ことを特徴とするAC−DC変換回路。
  14. 複数のスイッチング素子のオン、オフにより、交流電源から供給される交流電圧を整流するとともに昇圧または降圧させる電力変換回路に設けられる制御部によって実行される力率改善方法であって、
    前記交流電源から供給される交流入力電圧値と、前記電力変換回路の直流出力電圧値と、前記電力変換回路内の電流値とから、目標電流値となるN周期(Nは2以上の整数)先の電流値を求め、
    前記目標電流値に基づいて、前記N周期より後のM周期先に反映する前記スイッチング素子の駆動期間を求める、
    ことを特徴とする力率改善方法。
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