JP5870461B2 - 積層フィルムの高温密着性検査方法と接着剤溶液の高温密着性予測検査方法及びそれらを用いた太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法 - Google Patents

積層フィルムの高温密着性検査方法と接着剤溶液の高温密着性予測検査方法及びそれらを用いた太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造工程で使用する検査方法及びそれらを用いた太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法に関する。
太陽電池は、半永久的で無公害の新たなエネルギー源として実用化され、近年、爆発的に普及が進んでいる。太陽光エネルギーを直接電気に変換する太陽電池素子は、単結晶シリコン基板、多結晶シリコン基板等を用いて作製され、実用的な電気出力を発生させるために複数の太陽電池素子を接続し、受光面を透明基板等で覆い、隙間は充填材等を用いて太陽電池素子を保護する構造である太陽電池モジュールを作製し、太陽電池として使用することが通常行われている。一般に太陽電池モジュールは、透明前面基板、表面充填材層、太陽電池素子、裏面充填材層、及び裏面保護シート等をこの順で積層し、これらを真空吸引して加熱圧着するラミネーション法等を利用して製造される。太陽電池モジュールは複数のものを並べて屋外に設置して使用されることが多いため、太陽電池モジュールを構成する部材には高い耐候性と耐久性が必要とされる。なかでも、太陽電池モジュールに用いられる裏面保護シートは、太陽電池モジュールを構成する太陽電池素子の裏面側を保護するために使用され、機械強度に優れ、かつ耐候性、耐加水分解性、耐久性等を備えることが必要とされている。
現在、このような太陽電池モジュール用裏面保護シ−トとしては、たとえば、アルミナ蒸着ポリエステルフィルム、白色ポリエステルフィルム、140℃高圧スチームで10時間保管後の引張伸度が、フィルムの縦方向・横方向共に保管前の値に対し60%以上を保持するポリエステルフィルムをこの順で積層した積層材からなり、150℃、30分熱処理をしたときの収縮率が、縦方向・横方向共に0.5%以下であることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シート(特許文献1)、基材シートのセル面もしくは屋外暴露される面の一方の表面が表面抵抗値1×10から5×1012Ω/□の範囲の帯電防止層を有し、もう一方の面には、帯電防止層を有しない太陽電池モジュール用裏面保護シート(特許文献2)、耐加水分解性を有するプラスチックフィルムからなるB層と、B層に隣接し、表面抵抗値が1×10〜1×1012Ω/□であり、かつ350〜360nm波長の平均透過率が5%以下であるA層とを有する太陽電池モジュール用裏面保護シート(特許文献3)等が提案され、実用化されている。
再表2007/122936号公報 特開2009-147063号公報 特開2010-92958号公報
しかし、これらの太陽電池モジュール用裏面保護シ−トは太陽電池素子の裏面側を保護するための機械強度、耐候性、耐加水分解性、耐久性等を備えるが、太陽電池モジュール製造の際、透明前面基板、表面充填材層、太陽電池素子、裏面充填材層、及び裏面保護シート等をこの順で積層し、これらを真空吸引して加熱圧着するラミネーション時に、しわが発生したり、裏面保護シートを構成する積層フィルム間の密着力が不十分であるために積層フィルム同士がずれたり、剥離したりするなどの熱変形による不具合を起こす問題があった。
本発明の課題は、太陽電池モジュールを真空吸引して加熱圧着するラミネーション時に、熱変形のしにくい太陽電池モジュール用裏面保護シートを確実に製造するために、積層に用いる接着剤溶液の加熱硬化後における積層フィルム間の高温密着性を予測する接着剤溶液の検査方法と積層フィルム間の高温密着性を確認するための検査方法を提供し、当該検査を行う検査工程を有する製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、耐久性を有するプラスチックフィルムからなるB層と、B層に隣接する太陽光反射性を有するプラスチックフィルムからなるA層とが接着剤溶液を用いて積層されたことからなるA/B積層フィルムをサンプリングし、懸垂状態下A層B層間にせん断荷重をかけ、80℃以上の一定温度雰囲気下静置し、A/B積層フィルムがはがれる荷重を確認する高温密着性検査方法が、A/B積層フィルムのA層とB層との高温密着性を確認するための検査方法となることを見出した。また、本高温密着性検査方法を実施する前に、B層とA層とを積層するための接着剤溶液をサンプリングし、80℃以上の一定温度で乾燥固化させ、乾燥固化物の硬度を室温で測定することにより、加熱乾燥後のA層とB層の高温密着性を予測する接着剤溶液の検査方法を見出した。
また、前記記載の検査方法を実施して太陽電池モジュール用裏面保護シートを製造する方法であって、耐久性を有するプラスチックフィルムからなるB層と、B層に隣接する太陽光反射性を有するプラスチックフィルムからなるA層とを接着剤と硬化剤とからなる加熱乾燥後熱硬化する接着剤溶液を用いてラミネートする工程と、ラミネートしたA/B積層フィルムを加熱エージングする工程と、前記記載の検査方法を実施してA/B積層フィルムの高温密着性の検査を行う工程とその検査方法を実施する前に接着剤溶液の高温密着性を予測する検査とを有する太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法の使用をすることにより、太陽電池モジュールを真空吸引して加熱圧着するラミネーション時に、熱変形のしにくい太陽電池モジュール用裏面保護シートが確実に実現できることを見出した。さらにまた、この製造方法において、前記A/B積層フィルムが加熱エージング前に、A層とB層が80℃以上の温度範囲で密着していることを確実とすると、太陽電池モジュールを真空吸引して加熱圧着するラミネーション時に、熱変形のしにくい太陽電池モジュール用裏面保護シートが特に好ましく実現できることを見出した。
本接着剤溶液の検査方法によれば、耐久性を有するプラスチックフィルムからなるB層と、B層に隣接する太陽光反射性を有するプラスチックフィルムからなるA層とを接着剤溶液を用いて積層させる場合、接着剤溶液より少量の試料溶液をサンプリングし、80℃以上の一定温度で乾燥固化させ、乾燥固化物の硬度を室温で測定することにより、加熱乾燥後のA層とB層の高温密着性を予測することができる。
本高温密着性検査方法によれば、A/B積層フィルムのA層とB層との高温密着性を確認することができる。
本製造方法によれば、太陽電池モジュールを真空吸引して加熱圧着するラミネーション時に、熱変形のしにくい太陽電池モジュール用裏面保護シ−トを確実に実現できる。さらにまた、この製造方法において、前記A/B積層フィルムが加熱エージング前に、A層とB層が80℃以上の温度範囲で密着していることを確実とすると、太陽電池モジュールを真空吸引して加熱圧着するラミネーション時に、熱変形のしにくい太陽電池モジュール用裏面保護シ−トを特に好ましく実現できる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明において、太陽電池モジュール用裏面保護シートは耐久性を有するプラスチックフィルムからなるB層と、B層に隣接する太陽光反射性を有するプラスチックフィルムからなるA層とが積層されてなる。B層は太陽電池素子を屋外の暴露から保護するためにあり、機械強度、耐候性、耐加水分解性等の耐久性等を備えることが必要である。A層は入射した太陽光を有効に反射させて再利用し、太陽電池の電力変換効率を高める機能を有する。
そのためB層のプラスチックフィルムとしては屋外に暴露しても耐久性のあるプラスチックフィルムとして140℃高圧スチーム(100%RH)処理する前の引張伸度に対して、140℃高圧スチームで5時間処理後の引張伸度がフィルムの縦方向・横方向共に60%以上を保持するプラスチックフィルム、たとえばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、耐加水分解性のポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリフッ化ビニルフィルム等が好ましい。特に耐加水分解性のプラスチックフィルムが好ましく、140℃高圧スチーム処理する前の引張伸度に対して、140℃高圧スチームで10時間処理後の引張伸度がフィルムの縦方向・横方向共に60%以上を保持するフィルムがより好ましい。
A層は、受光面から透過した太陽光を反射させるため、光の波長の400nmから1100nmの平均反射率が70%以上の高光反射性であることが必要で、ポチエチレンテレフタレートフィルムに気泡または白色顔料を含有させた白色ポリエステルフィルム、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のオレフィン樹脂フィルムに白色顔料を添加した白色オレフィン樹脂フィルム、より好ましくは透明ポリオレフィン系樹脂/白色ポリオレフィン系樹脂/透明ポリオレフィン系樹脂で構成された3層構成の白色のポリオレフィン系樹脂フィルム、透明又は白色ポリエチレンフィルムと白色のポリエチレンテレフタレートフィルムの積層フィルム等の2層以上のプラスチックフィルムからなる積層フィルムである。白色度はCIELABでL値が70以上100以下、a値が−20以上20以下、b値が−20以上20以下であることがより好ましく、L値が80以上100以下、a値が−10以上10以下、b値が−10以上10以下であることがより好ましい。
A層フィルムとB層フィルムの積層は接着剤と硬化剤とからなる加熱乾燥後熱硬化する接着剤溶液を用いてドライラミネート法等により行う。
接着剤としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂,ポリアミド、フェノール、ポリオレフィン、アイオノマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタールなど、およびこれらの共重合体や、混合物などが用いられる。ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂,ポリオレフィン、アイオノマーが、接着力および、ガスバリア性の点で好ましい。硬化剤としては、脂肪族ポリアミン、例えばジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、m−キシレンジアミン、脂肪族系イソシアネート、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、脂環系イソシアネート、例えば、イソホロンジイソシアネート、芳香族系イソシアネート、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等を使用することができる。接着剤と硬化剤は酢酸エチル、トルエン等の有機溶媒に溶解させ接着剤溶液が調整される。
接着剤溶液は加熱乾燥後、A層とB層とが高温密着性能を発揮する必要がある。そうでないと積層フィルム間の高温時密着性が不十分となり、太陽電池モジュールを真空吸引して加熱圧着するラミネーション時に、熱変形しやすくなり好ましくない。
本接着剤溶液の高温密着性能は、接着剤溶液を80℃以上、好ましくは80〜120℃の温度で30分〜1時間、乾燥固化させ、乾燥固化物の硬度を室温で測定することにより予測可能である。接着剤溶液の高温密着性予測検査方法の具体的説明は実施例中に記載する。
接着剤溶液は接着剤と硬化剤を有機溶媒に溶解させ調合するが、調合後のポットライフ内であっても時間経過により硬化が一部進んだり硬化剤が失活したりして高温密着性能を発揮しない場合があるので、高温密着性能を有さない接着剤溶液の使用を防ぐために、ラミネート工程の直前に接着剤溶液をサンプリングして工程内検査をするのが好ましい。
A/B積層フィルムは30℃から60℃の温度で1日から3日間加熱エージングすることにより硬化を完了させるのが原則であるが、硬化不良が予測されるときは、より高い温度での加熱エージング期間を設けることもある。
高温密着性は製造工程内からA/B積層フィルムをサンプリングし、懸垂状態下A層B層間にせん断荷重をかけ、80℃以上、好ましくは80〜120℃の一定の温度雰囲気下、15分から1時間、好ましくは30分間静置し、A/B積層フィルムがはがれる荷重を確認することにより評価できる。該評価方法を高温密着性検査方法Aとして、具体的な検査方法は後述の実施例中で記載する。
加熱エージング前にA層とB層が本検査方法で80℃以上の温度で密着していれば、太陽電池モジュールを真空吸引して加熱圧着するラミネーション時に、積層フィルムが特に熱変形しにくくなり好ましい。また、加熱エージングする前に本検査方法で80℃以上の温度で密着していなければ、加熱エージング温度をより高い温度に設定することにより、またより長時間の加熱エージングを施すことにより、太陽電池モジュールを真空吸引して加熱圧着するラミネーション時に、熱変形による不良発生を防ぐこともできる。
別の高温密着性評価方法としては、以下の方法が採用できる。製造工程内からA/B積層フィルムをサンプリングし、積層フィルムを長さ150mm、幅15mmにカットする。次に積層フィルムのA層とB層を長辺方向へ50mm剥離する。さらに、A層の剥離部分と未剥離部分が重なる様に折り返した状態で、A層の剥離部分と接着部分の境にマーキングし、A層の剥離部分端部に22gの荷重を接続した試験片を作製する。当該試験片のB層端部を把持した状態で100℃に設定した送風定温乾燥器(東京理化器械株式会社製、“ウインディオーブン”WFO−450SD)内で5分間吊り下げる。熱処理終了後に当該試験片を取り出して、A層の剥離部分と接着部分の元の境のマーキング部分からの剥離進行状態を確認する。当該評価方法を高温密着性検査方法Bとして、具体的な検査方法は後述の実施例中で記載する。
サンプルカットサイズと剥離荷重と高温静置温度条件は、上述の高温密着性検査方法Bに限定されるものではなく、剥離幅1mm当たりの剥離荷重が1g以上20g以下であることが好ましい。
高温密着性検査方法Bの剥離幅1mm当たりの剥離荷重が1g未満の場合、加熱圧着するラミネーション時に、積層フィルムが変形することを予見できなくなる。また、当該剥離幅1mm当たりの剥離荷重が20gを越える場合、加熱圧着するラミネーション時に、積層フィルムが変形しないものについても不合格と判断する場合がある。
高温密着性検査方法Bの高温静置温度条件は60℃以上120℃以下であることが好ましい。当該高温静置温度条件は60℃未満の場合、加熱圧着するラミネーション時に、積層フィルムが変形することを予見できなくなる。また、当該高温静置温度条件が120℃を越える場合、加熱圧着するラミネーション時に、積層フィルムが変形しないものについても不合格と判断する場合がある。
加熱エージング後の高温密着性検査方法BによるA層とB層の剥離の進行が2mm未満であれば、太陽電池モジュールを真空吸引して加熱圧着するラミネーション時に、積層フィルムが特に熱変形しにくくなり好ましい。加熱エージング後のA層とB層の剥離の進行が2mm以上あると加熱圧着するラミネーション時に、積層フィルムが特に熱変形し易くなり、不良モジュールの発生確率が著しく上昇する。
太陽電池モジュール用裏面保護シ−トの一般的な製造工程はウェットコーティング装置を用いて、接着剤をフィルム上に塗布後、乾燥炉にて乾燥した接着剤塗布フィルムと、もう一方のフィルムとをニップロールにより圧着してラミネートし、巻き取ることで完了する。その後、太陽電池モジュール用裏面保護シ−トを加熱エージングすることで、接着剤層を完全に硬化させる。
本高温密着性予測検査方法により接着剤溶液調合時に接着剤溶液だけで性能を予測評価できるため、ラミネート工程の継続可否を判断できる。高温密着性が不十分と予測された場合は、接着剤溶液を再調整し、再度高温密着性予測検査を実施し、高温密着性を予測確認した上でラミネート工程を再開できるため、高温密着性に優れた太陽電池モジュール用裏面保護シートを確実に製造することができる。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(1)接着剤溶液の高温密着性予測検査方法
接着剤と硬化剤と溶媒からなる固形分濃度が20重量%の接着剤溶液を調合した後、あるいは調合後保管中、あるいは工程での使用中、一部の接着剤溶液を直径80mm、深さ28mmのテフロン(登録商標)製シャーレ(株式会社テックジャム販売 テフロン(登録商標)平皿/KN3342412)に80mlサンプリングし、防爆型オーブン(株式会社島川製作所製 蒸気防爆型乾燥機SKE−300)を用いて、室温から80℃以上のある一定の温度(80℃、100℃、120℃)まで昇温し、その温度で30分から1時間、好ましくは45分間、接着剤溶液を乾燥固化させる。その後、シャーレを取り出し室温まで自然冷却させ、約3mm厚さの乾燥固化物をシャーレごと、その硬度をゴム硬度計(高分子計器株式会社製アスカーゴム硬度計C型 JIS S 6050:2002準拠)を用いて手押し測定で硬度測定をした。
固形分濃度が任意の接着剤溶液に関しては、事前評価により接着剤溶液と乾燥後の固形分の重量比から固形分濃度を計算し、上記シャーレ中で固化した場合の厚さが3mmとなるように接着剤溶液の量を調整すれば良い。
硬化後の接着剤が軟らか過ぎると、太陽電池モジュールを真空吸引して加熱圧着するラミネーション時に、太陽電池モジュール用裏面保護シートに掛かるせん断応力のため、太陽電池モジュール用裏面保護シートの片方のフィルムにシワ等の変形が発生し易くなるが、接着剤固化物の硬度測定をすることでシワ等の変形の発生を予測できる
高温密着性は以下基準で基準A,Bは十分、基準C,Dは不十分と予測できる。
A 硬度が50ポイント以上
B 硬度が20ポイント以上、50ポイント未満
C 硬度が10ポイント以上、20ポイント未満
D 硬度が10ポイント未満。
(2)積層フィルムの高温密着性検査方法A
厚さ75μmのポリエステルフィルム(東レ株式会社製「ルミラー」(登録商標)S10)を幅20mm長さ100mmに切り取り、一端から10mmの位置に直径4mmの孔を設けたもの2枚作製してリードフィルム1、リードフィルム2とした。製造工程中、あるいは製造工程で保管中に、A/B積層フィルムを幅20mm長さ15mmの大きさにカットし、該A/B積層フィルムの一方側面の中央に、幅20mm長さ15mmの両面テープ(日東電工株式会社 耐熱両面接着テープNo.5915)を設け、リードフィルム1の他端(孔のない側)を貼り合わせた。同様に該A/B積層フィルムの他方側面にもリードフィルム2を設けて試験片を得た。ここで、試験片はその長軸方向の一端にリードフィルム1の孔の開いた側が、他端にリードフィルム2の孔の開いた側が位置する形状とした。次に、リードフィルム1の孔にフックを設けてスタンドにかけ、リードフィルム2の孔にフックを設けて荷重(株式会社大正天びん製作所製輪付分銅 MICSB−5KC、MICSB−2KC、MICSB−1KC)をかけて試験片を懸垂させた状態で、80℃の温度以上一定の温度雰囲気下(80℃、100℃、120℃)、30分間静置し、A/B積層フィルムのA層とB層とがはがれる荷重を確認した。高温密着性は以下のランクで評価した。
V 8kg分の荷重(78.4N)をかけてもA/B層ははがれない
W 6kg分の荷重(58.8N)をかけてもA/B層ははがれないが、8kg分の荷重(78.4N)をかけるとはがれる
X 4kg分の荷重(39.2N)をかけてもA/B層ははがれないが、6kg分の荷重(58.8N)をかけるとはがれる
Y 1kg分の荷重(9.8N)をかけてもA/B層ははがれないが、4kg分の荷重(39.2N)をかけるとはがれる。
Z 1kg分の荷重(9.8N)をかけてA/B層がはがれる
以下実施例で示したが、80℃以上の温度でV、W、Xのランクであれば、高温密着性が十分と予測され、太陽電池モジュールを真空吸引して加熱圧着するラミネーション時に、積層フィルムが特に熱変形しにくくなり好ましい。この場合は、次の加熱エージング工程へ進めることで高温密着性に優れた太陽電池モジュール用裏面保護シートを確実に製造することができる。一方、Y、Zのランクであれば、高温密着性が不十分と予測される。この場合、接着剤溶液を再調整し、再度高温密着性検査を実施し、高温密着性を予測確認した上でラミネート工程を再開することで、高温密着性に優れた太陽電池モジュール用裏面保護シートを確実に製造することができる。
(3)積層フィルムの高温密着性検査方法B
本発明の製造方法にて作製した積層フィルムを長さ150mm、幅15mmにカットする。次に積層フィルムのA層とB層を長辺方向へ50mm剥離する。さらに、A層の剥離部分と未剥離部分が重なる様に折り返した状態で、A層の剥離部分と接着部分の境にマーキングし、A層の剥離部分端部に22gの荷重を接続した試験片を作製する。当該試験片のB層端部を把持した状態で100℃に設定した送風定温乾燥器(東京理化器械株式会社製、“ウインディオーブン”WFO−450SD)内で5分間吊り下げる。熱処理終了後に当該試験片を取り出して、A層の剥離部分と接着部分の元の境のマーキング位置を確認し、剥離の進行距離がマーク位置より2mm未満の場合は合格と判断し、剥離の進行距離がマーク位置より2mm以上の場合は不合格と判断した。
(4)A層フィルムの平均反射率
(株)島津製作所製分光光度計「UV-3100」を用いて、波長400〜1100nmに於ける2nm毎の分光反射率を測定した。光源はタングステンランプを使用し、スキャン速度1600nm/分、φ60積分球((株)島津製作所製「BIS-3100」)を使用し測定した。標準白色板として硫酸バリウムを用いて、傾斜角度を8°つけて拡散反射率を求め、その時の反射率を100%とした(R)。その後、標準白色板を50mm×50mmの試料片に取り替え拡散反射率を測定した(R)。その後、下記式により反射率に換算した(R)。
R(%)=R/R×100
R :反射率
:標準白色板の反射率
:試験片の反射率
この様に求めた波長400〜1100nm間の分光反射率の算術平均値を平均反射率とした。
[実施例1]
太陽電池モジュール用裏面保護シートの基材シートのA層フィルム用として厚さ50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(東レフィルム加工株式会社製、タイプ4801、幅1500mm、長さ4000m)と、厚さ50μmの白色ポリエステルフィルム(東レ株式会社製「ルミラー」(登録商標)E20、幅1500mm、長さ4000m)を岡崎機械工業社製のフィルムコーターを用いて160℃の乾燥温度にて60秒間処理し、150℃,30分熱処理後に収縮率0.2%となるフィルムを用いた。
B層フィルムには、140℃高圧スチーム(100%RH)で10時間保管後の引張伸度がフィルムの縦方向、横方向共に、80%を保持する厚さ125μmのポリエステルフィルム(東レ株式会社製「ルミラー」(登録商標)X10S、幅1500mm、長さ4000m)を使用し、岡崎機械工業社製のフィルムコーターを用いて、160℃の乾燥温度にて60秒間処理したもの(このポリエステルフィルムの150℃,30分熱処理後の収縮率は、縦方向0.3%、横方向0.1%であった)を用いた。
接着剤としては、ウレタン系接着剤(東洋モートン(株)製「AD503」)10重量部とイソシアネート系硬化剤(同社製「CAT−10」)1重量部の混合物に、溶剤として酢酸エチル10重量部、トルエン10重量部を室温で撹拌しながら混合し、均一な溶液とした接着剤溶液を用いた。
その後、4801フィルムのコロナ処理面と熱処理を行ったE20をラミネートし貼り合わせA層フィルムとした。A層フィルムの4801側から測定した光の波長の400nmから1100nmの平均反射率は80%、白色度は積分球分光測色計(X−Rite社製、SP68)を用いて、L、a、b値を測定し、L=96、a=−1、b=1であった。このA層フィルムのE20側と、B層フィルムのX10Sをラミネートし貼合せ、ロール状に巻き取った。ラミネートは前記接着性溶液を塗布し、熱風式オーブンにより90℃で2分間乾燥し、膜厚3μmとなるように設けて行った。
本ロールより3層積層フィルムをサンプリングし、80℃、100℃、120℃の温度で30分間の高温密着性検査方法Aを実施した。検査結果はX、X、Xであった。この後に、40℃オーブンにて48時間加熱エージングし、長さ3990mの太陽電池モジュール用裏面保護シートをロール状に作製した。本ロールよりフィルムをサンプリングし、80℃、100℃、120℃の温度で30分間の高温密着性検査方法Aを実施した。検査結果はW、W、Wであった。また、高温密着性検査方法Bで評価した結果、試験による剥離の進行距離は2mm未満であり、合格と判断した。
この太陽電池モジュール用裏面保護シートロールより幅1338mm、長さ1012mmのシートをカットして、ガラス、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂製充填材(EVA)、太陽電池素子、EVA充填材、裏面保護シートと重ね合わせ、150℃−30分−1.3×10Paの真空加熱によりラミネートして太陽電池モジュールを3940個作製した。
フィルム4801、E20、X10Sを各10本ずつ使用し、上記方法により太陽電池モジュールを39400個作製したが、真空加熱ラミネートで保護シートにしわが発生したり、剥離したりすることはなく不良の太陽電池モジュールの発生はなかった。
[実施例2]
実施例1において、接着剤溶液調製後、接着剤溶液の一部をサンプリングし、接着剤溶液の高温密着性予測検査を実施した。80℃、100℃、120℃での30分加熱・乾燥後の高温密着性予測検査結果はB、B、Bであった。また、高温密着性検査方法Bで評価した結果、試験による剥離の進行距離は2mm未満であり、合格と判断した。
その他、実施例1と同様にして、太陽電池モジュールを39400個作製したが、真空加熱ラミネートで保護シートにしわが発生したり、剥離したりすることはなく不良の太陽電池モジュールの発生はなかった。
[実施例3]
実施例2において直鎖状低密度ポリエチレンフィルム4801を用いなかったこと以外は実施例2と同様にして、2層の太陽電池モジュール用裏面保護シートを3990mの長さでロール状に作製した。A層フィルムとしてのE20単独の光の波長の400nmから1100nmの平均反射率は82%、白色度L=98、a=−2、b=1であった。接着剤溶液の80℃、100℃、120℃での30分加熱・乾燥後の高温密着性予測検査結果はB、B、Bであった。加熱エージング前の2層積層フィルムの80℃、100℃、120℃の温度で30分間の高温密着性検査方法Aの結果はX、X、Xであった。加熱エージング後の2層積層フィルムの80℃、100℃、120℃の温度で30分間の高温密着性検査方法Aの結果はW、W、Wであった。また、高温密着性検査方法Bで評価した結果、試験による剥離の進行距離は2mm未満であり、合格と判断した。
実施例2と同様に各10本分のフィルムより、実施例2と同様の方法で太陽電池モジュールを39400個作製したが、真空加熱ラミネートで保護シートにしわが発生したり、剥離したりすることはなく不良の太陽電池モジュールの発生はなかった。
[実施例4]
実施例2において、B層フィルムとして、140℃高圧スチーム(100%RH)で5時間保管後の引張伸度がフィルムの縦方向・横方向共に、60%を保持する厚さ125μmの厚さ125μmのポリエステルフィルム(東レ株式会社製「ルミラー」(登録商標)S10、幅1500mm、長さ4000m)を使用したこと以外は実施例2と同様にして、3層の太陽電池モジュール用裏面保護シートを3990mの長さでロール状に作製した。接着剤溶液の80℃、100℃、120℃での30分加熱・乾燥後の高温密着性予測検査結果はB、B、Bであった。加熱エージング前の2層積層フィルムの80℃、100℃、120℃の温度で30分間の高温密着性検査方法Aの結果はX、X、Xであった。加熱エージング後の2層積層フィルムの80℃、100℃、120℃の温度で30分間の高温密着性検査方法Aの結果はW、W、Wであった。また、高温密着性検査方法Bで評価した結果、試験による剥離の進行距離は2mm未満であり、合格と判断した。実施例2と同様に各10本のフィルムより、実施例2と同様の方法で太陽電池モジュールを39400個作製したが、真空加熱ラミネートで保護シートにしわが発生したり、剥離したりすることはなく不良の太陽電池モジュールの発生はなかった。
[実施例5]
実施例2において、ラミネート時の乾燥温度を70℃としたところ、加熱エージング前の3層積層フィルムの、80℃、100℃、120℃の温度での30分間の高温密着性検査方法Aの結果はY、Y、Yであった。40℃オーブンにて48時間加熱エージングし、長さ3990mの太陽電池モジュール用裏面保護シートをロール状に作製した。本ロールよりフィルムをサンプリングし、80℃、100℃、120℃の温度で30分間の高温密着性検査方法Aを実施した。検査結果はY、Y、Yであった。また、高温密着性検査方法Bで評価した結果、試験による剥離の進行距離は約50mmであり、不合格と判断した。
この太陽電池モジュール用裏面保護シートを用い、ガラス、EVA充填材、太陽電池素子、EVA充填材、裏面保護シートを重ね合わせ、150℃−30分−1.3×10Paの真空加熱によりラミネートして太陽電池モジュールの作製を試みたが、真空加熱ラミネートで保護シートにしわが大量に発生し、太陽電池モジュールの作製ができなかったので、加工を中止した。
本実施例より、積層フィルムの高温密着性検査方法Aにおいて、80℃以上の温度でランクがYでは、太陽電池モジュールを真空吸引して加熱圧着するラミネーション時に、積層フィルムが熱変形しやすくなり好ましくないことが判った。また、高温密着性検査方法Bにおいても、真空加熱ラミネート時に裏面保護シートにしわが発生することをラミネート前に予見することができた。
[実施例6]
イソシアネート系硬化剤の使用を0.25重量部とした。接着剤溶液の高温密着性予測検査を実施した。80℃、100℃、120℃での30分加熱・乾燥後の高温密着性予測検査結果はD、D、Dであった。他は実施例1と同様にして、加熱エージング前の3層積層フィルムをロール状に作製した。本ロールより3層積層フィルムをサンプリングし、80℃、100℃、120℃の温度で30分間の高温密着性検査方法Aを実施した。検査結果はZ、Z、Zであった。しかし、本フィルムを40℃オーブンにて48時間加熱エージングし、長さ3990mの太陽電池モジュール用裏面保護シートをロール状で作製した。本ロールよりフィルムをサンプリングし、80℃、100℃、120℃の温度で30分間の高温密着性検査方法Aを実施した。検査結果はY、Y、Yであった。また、高温密着性検査方法Bで評価した結果、試験による剥離の進行距離は約50mmであり、不合格と判断した。
実施例2と同様の方法で太陽電池モジュールの作製を試みたが、真空加熱ラミネートで保護シートにしわが大量に発生し、太陽電池モジュールの作製ができなかったので、加工を中止した。
本実施例より、接着剤溶液の高温密着性予測検査で80℃以上の高温密着性がDであると、その後の加工を続けると製造される積層フィルムの熱変形性が不良になることが判った。また、高温密着性検査方法Bにおいても、真空加熱ラミネート時に裏面保護シートにしわが発生することをラミネート前に予見することができた。
[実施例7]
実施例2において、接着剤溶液をフィルム5本分の加工にあわせて一度に調合し、各フィルムの加工の前に接着剤溶液の高温密着性予測検査を実施して、他は実施例2と同様にして、長さ3990mずつの太陽電池モジュール用裏面保護シートロールを5本作製した。1本目から4本目までの接着剤溶液の80℃、100℃、120℃での30分加熱・乾燥後の高温密着性予測検査結果はB、B、Bであり、3層積層フィルムの加熱エージング前の80℃、100℃、120℃の温度で30分間の高温密着性検査方法Aの結果はX、X、Xであった。40℃オーブンにて48時間加熱エージング後の太陽電池モジュール用裏面保護シートの80℃、100℃、120℃の温度で30分間の高温密着性検査方法Aの結果はW、W、Wであった。また、高温密着性検査方法Bで評価した結果、試験による剥離の進行距離は2mm未満であり、合格と判断した。5本目では、接着剤溶液の80℃、100℃、120℃での30分加熱・乾燥後の高温密着性予測検査結果はC、C、Cであり、3層積層フィルムの加熱エージング前の80℃、100℃、120℃の温度で30分間の高温密着性検査方法Aの結果はY、Y、Yであった。また、40℃オーブンにて48時間加熱エージング後の太陽電池モジュール用裏面保護シートの80℃、100℃、120℃の温度で30分間の高温密着性検査方法Aの結果はY、Y、Yであった。また、高温密着性検査方法Bで評価した結果、試験による剥離の進行距離は約50mmであり、不合格と判断した。
実施例2と同様の方法で太陽電池モジュールの作製を行い、4本目までは各ロールより太陽電池モジュールを3940個ずつ作製でき、真空加熱ラミネートで保護シートにしわが発生したり、剥離したりすることはなく不良の太陽電池モジュールの発生はなかった。
しかし、5本目ロールでは、真空加熱ラミネートで保護シートにしわが大量に発生し、太陽電池モジュールの作製ができなかったので、加工を中止した。
本実施例より、接着剤溶液はいわゆるポットライフ内であっても、接着剤溶液の高温密着性予測検査で80℃以上の高温密着性がCであると、その後の加工を続けると製造される積層フィルムの熱変形性が不良になることが判った。
そして、加工中止後、その5本目の残ロールを50℃のオーブンにて24時間の追加加熱エージングを行ったところ、太陽電池モジュール用裏面保護シートの80℃、100℃、120℃の温度で30分間の高温密着性検査方法Aの結果はX、X、Xとなった。そこで、実施例2と同様の方法で太陽電池モジュールの作製を行なったところ、残ロールより太陽電池モジュールが2800個作製でき、真空加熱ラミネートで保護シートにしわが発生したり、剥離したりすることはなく5本目のロール全部が不良の太陽電池モジュールとなることが防止できた。また、高温密着性検査方法Bにおいても、真空加熱ラミネート時に裏面保護シートにしわが発生することをラミネート前に予見することができた。
本発明の接着剤溶液の検査方法によれば、加熱乾燥後のA層とB層の高温密着性を予測することができる。本発明の高温密着性検査方法によれば、A/B積層フィルムのA層とB層との高温密着性を迅速に確認することができる。本発明の製造方法によれば、太陽電池モジュールを真空吸引して加熱圧着するラミネーション時に、熱変形のしにくい太陽電池モジュール用裏面保護シ−トが実現できる。さらにまた、この製造方法において、前記A/B積層フィルムが加熱エージング前に、A層とB層が80℃以上の温度範囲で密着していることを確実とすると、太陽電池モジュールを真空吸引して加熱圧着するラミネーション時に、熱変形のしにくい太陽電池モジュール用裏面保護シ−トが特に好ましく実現できる。

Claims (12)

  1. 耐久性を有するプラスチックフィルムからなるB層と、B層に隣接する太陽光反射性を有するプラスチックフィルムからなるA層とが接着剤溶液を用いて積層されたA/B積層フィルムのA層とB層との高温密着性を確認するための検査方法であって、A/B積層フィルムをサンプリングし、懸垂状態下A層、B層間にせん断荷重をかけ、80℃以上の一定温度雰囲気下静置し、A/B積層フィルムがはがれる荷重を確認する高温密着性検査方法。
  2. プラスチックフィルムからなるB層と、B層に隣接する400〜1100nmの波長における平均反射率が70%以上のプラスチックフィルムからなるA層とが接着剤溶液を用いて積層されたA/B積層フィルムのA層とB層との高温密着性を確認するための検査方法であって、A/B積層フィルムをサンプリングし、懸垂状態下A層、B層間にせん断荷重をかけ、80℃以上の一定温度雰囲気下静置し、A/B積層フィルムがはがれる荷重を確認する高温密着性検査方法。
  3. 請求項1または2に記載の高温密着性検査方法を実施する前に、B層とA層とを積層させる接着剤溶液の加熱乾燥後のA層とB層の高温密着性を予測する接着剤溶液の検査方法であって、接着剤溶液をサンプリングし、80℃以上の一定温度で乾燥固化させ、乾燥固化物の硬度を室温で測定することを特徴とする高温密着性予測検査方法。
  4. 前記請求項3に記載の高温密着性予測検査方法を実施して太陽電池モジュール用裏面保護シートを製造する方法であって、耐久性を有するプラスチックフィルムからなるB層と、B層に隣接する太陽光反射性を有するプラスチックフィルムからなるA層とを接着剤と硬化剤とからなる加熱乾燥後熱硬化する接着剤溶液を用いてラミネートする工程において高温密着性予測検査方法を実施してA層とB層との高温密着性を予測判定し以後のラミネート工程の継続可否を判断することを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法。
  5. 前記ラミネート工程の直前に、前記接着剤溶液の高温密着性予測検査方法を実施することを特徴とする請求項4に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法。
  6. 前記ラミネートしたA/B積層フィルムを加熱エージングする工程の前に、請求項1または2に記載の検査方法を実施し、A層とB層との高温密着性が十分と判定された場合に、A/B積層フィルムを加熱エージング工程に進めることを特徴とする請求項5に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法。
  7. 前記A層が少なくとも2層以上のプラスチックフィルムからなる積層フィルムであることを特徴とする請求項1または2に記載の積層フィルムの高温密着性検査方法。
  8. 前記A層が少なくとも2層以上のプラスチックフィルムからなる積層フィルムであることを特徴とする請求項3記載の接着剤溶液の高温密着性予測検査方法。
  9. 前記A層が少なくとも2層以上のプラスチックフィルムからなる積層フィルムであることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載する太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法。
  10. 耐久性を有するプラスチックフィルムからなるB層と、B層に隣接する太陽光反射性を有するプラスチックフィルムからなるA層とが接着剤溶液を用いて積層されたA/B積層フィルムのA層とB層との高温密着性を確認するための検査方法であって、A/B積層フィルムをサンプリングし、懸垂状態下A層、B層に剥離荷重をかけ、高温雰囲気下で一定時間静置し、A/B積層フィルムがはがれる距離を確認することで、真空加熱ラミネート時に裏面保護シートでしわが発生することを予見することができる高温剥離試験方法。
  11. プラスチックフィルムからなるB層と、B層に隣接する400〜1100nmの波長における平均反射率が70%以上のプラスチックフィルムからなるA層とが接着剤溶液を用いて積層されたA/B積層フィルムのA層とB層との高温密着性を確認するための検査方法であって、A/B積層フィルムをサンプリングし、懸垂状態下A層、B層に剥離荷重をかけ、高温雰囲気下で一定時間静置し、A/B積層フィルムがはがれる距離を確認することで、真空加熱ラミネート時に裏面保護シートでしわが発生することを予見することができる高温剥離試験方法。
  12. 剥離荷重が単位剥離幅1mm当たり1g以上20g以下であり、高温静置温度条件が60℃以上120℃以下であることを特徴とする請求項10または11に記載の積層フィルムの高温剥離試験方法。
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