JP5870406B2 - 坩堝保持具および坩堝保持具の製造方法 - Google Patents

坩堝保持具および坩堝保持具の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5870406B2
JP5870406B2 JP2012121678A JP2012121678A JP5870406B2 JP 5870406 B2 JP5870406 B2 JP 5870406B2 JP 2012121678 A JP2012121678 A JP 2012121678A JP 2012121678 A JP2012121678 A JP 2012121678A JP 5870406 B2 JP5870406 B2 JP 5870406B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
crucible holder
opening
crucible
flat plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012121678A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013245155A (ja
Inventor
森田 聡
聡 森田
敏孝 大橋
敏孝 大橋
公仁弘 藤塚
公仁弘 藤塚
富雄 三上
富雄 三上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Carbon Co Ltd
Original Assignee
Tokai Carbon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai Carbon Co Ltd filed Critical Tokai Carbon Co Ltd
Priority to JP2012121678A priority Critical patent/JP5870406B2/ja
Publication of JP2013245155A publication Critical patent/JP2013245155A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5870406B2 publication Critical patent/JP5870406B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

本発明は、坩堝保持具および坩堝保持具の製造方法に関する。
従来より、単結晶及び多結晶を成長させインゴットを製造する装置として結晶製造装置が使用されており、例えば、シリコンの単結晶インゴットを製造するためのチョクラルスキー法(CZ法)を用いた単結晶引き上げ装置、シリコンの多結晶インゴットを製造するための鋳造法を用いた結晶製造装置等を挙げることができ(例えば、特許文献1(特開2012−1386号公報))、こうした結晶製造装置で製造されたインゴットはスライスされてウエハとなり、半導体や太陽電池等に供される。
上記結晶製造装置においては、融液を収納する容器として石英坩堝等の耐熱性坩堝が好適に使用されている。これは半導体向けに必要とされるシリコンがイレブンナイン(99.999999999%)と極めて高い純度が求められ、太陽電池向けに必要とされるシリコンでもシックスナイン(99.9999%)と高い純度が求められるため、坩堝としても耐熱性を有するとともに純度の高い(不純物の含有割合が低い)石英製のものが好適であるためである。
ところで、上記結晶製造装置を用いたインゴットの製造に際しては、シリコンがその融点(1400℃)以上に加熱されるが、石英製坩堝の軟化点が1600〜1700℃であることから、石英製坩堝がある程度軟化することが避けられない。
このため、上記結晶製造装置においては、石英製坩堝の外側にグラファイト製の保持具を配置して、石英製坩堝を保持することが行われてきた。このグラファイト製の保持具は、純度が高く(不純物の含有割合が低く)、1600℃以上の温度下においても高強度を発揮することから石英製坩堝の保持具として好適である。
特開2012−1386号公報
しかしながら、近年における結晶製造装置の大型化に伴い、上記グラファイト製の保持具もより大型化して重量化を招いており、このためにハンドリング性が低下したり、重量化に対応する必要が生じて装置価格が高額化してしまっていた。
このような状況下、近年においては、保持具の構成材料として、炭素繊維強化炭素複合材(CC材)が注目されるようになっている。
CC材は、グラファイトと同様に高純度であるとともに、グラファイトよりも嵩密度あたりの強度、すなわち比強度が高く、「軽くて強い」性質を有しているため、保持具が大型化しても高強度化と軽量化とを両立させることが期待されている。
ところで、単結晶用の結晶製造装置で使用される坩堝保持具としては、一般に椀状のものが知られている。
この椀状の坩堝保持具をCC材により製造しようとする場合、先ず、例えば、「ハンドレイアップ法」により、炭素繊維クロスからなるプリプレグを成形型に張り付けて積層したり、「フィラメントワインディング法(FW法)」により、樹脂を含浸させた炭素繊維を成形型に巻き付けることにより、樹脂(結合剤)を付着させた炭素繊維からなるニアネット形状(最終製品の形状に近似する形状)に成形し、引き続き焼成処理および高純度化処理を施し、さらに必要に応じて機械加工を施すことが行われている。
しかしながら、上記ニアネット形状への成形、焼成処理、高純度化処理および機械加工という一連の処理は、煩雑であるとともに非常に長期の製造期間を必要とする。
また、最終的に機械加工を施すことによって得られる製品の寸法精度を向上させることができるが、加工の自由度を高めるにはニアネット形状への成形時に、肉厚な成形体を作製する必要があり、肉厚な成形体は、(1)高価な炭素繊維の使用量が増大したり、(2)成形時のみならずそれ以降の工程で層間剥離等を生じる可能性が大きくなるといった技術課題を有している。
一方、多結晶用の結晶製造装置においては、四角柱型のインゴットが好適に作製されていることから、坩堝としても箱状(枡状)のものが多く用いられ、このため坩堝保持具も箱状のものが多く用いられている。
上記箱状の坩堝保持具をCC材からなる平板状部材を組み付けて製造した場合、得られる坩堝保持具の構造強度は、各部材の中で最も弱い部材の強度に依存し、また各部材の結合箇所および結合部品であるボルトやピンの強度に依存する。
このため、組み付けた保持具の構造次第ではCC材製であるにも拘わらず、その強度が同一形状のグラファイト製のものと同程度に止まる等、所望強度を発揮し得ない場合がある。
従って、本発明は、高純度、高強度かつ軽量であるとともに、簡便かつ低コストに製造可能な坩堝保持具を提供することおよび高純度、高強度かつ軽量である坩堝保持具を簡便かつ低コストに製造する方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明者等が鋭意検討を行った結果、内部に坩堝を収容し得る中空状胴部と底部とを備えた坩堝保持具であって、上記中空状胴部は、中央に開口部が設けられた炭素繊維強化炭素複合材料製の複数の開口板状物を相互に接着しつつ積層してなるものであり、上記底部は、炭素繊維強化炭素複合材料製の平板状物を前記胴部の底に接着してなるものである坩堝保持具により、上記目的を達成し得ることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)内部に坩堝を収容し得る中空状胴部と底部とを備えた坩堝保持具であって、
前記中空状胴部は、中央に開口部が設けられた炭素繊維強化炭素複合材製の複数の開口板状物を相互に接着しつつ積層してなるものであり、
前記底部は、炭素繊維強化炭素複合材製の平板状物を前記中空状胴部の底に接着してなるものである
ことを特徴とする坩堝保持具、
(2)前記複数の開口板状物が中央に円形状の開口部が設けられてなる開口円板状物であるとともに前記平板状物が円板状物であるか、または前記複数の開口板状物が中央に四角形状の開口部が設けられてなる開口四角板状物であるとともに前記平板状物が四角板状物である上記(1)に記載の坩堝保持具、
(3)前記開口板状物および平板状物の厚みが、5〜15mmである上記(1)または(2)に記載の坩堝保持具、
(4)前記開口板状物の外周から開口部迄の距離が5mm以上である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の坩堝保持具、
(5)前記開口板状物と平板状物との接着物の表面が平滑加工されてなる上記(1)〜(4)のいずれかに記載の坩堝保持具、
(6)内部に坩堝を収容し得る中空状胴部と底部とを備えた坩堝保持具を製造する方法であって、
中央に開口部が設けられた炭素繊維強化炭素複合材料製の複数の開口板状物を相互に積層接着する工程と、前記複数の開口板状物のうち、最下部に配置される開口板状物と炭素繊維強化炭素複合材料製の平板状物とを接着する工程とを含む
ことを特徴とする坩堝保持具の製造方法
を提供するものである。
本発明によれば、高純度、高強度かつ軽量であるとともに、簡便かつ低コストに製造可能な坩堝保持具を提供するとともに、高純度、高強度かつ軽量である坩堝保持具を簡便かつ低コストに製造する方法を提供することができる。
本発明の坩堝保持具の一例を示す、(i)正面図、(ii)上面図および(iii)垂直断面図である。 本発明の坩堝保持具の一例を示す、(i)正面図、(ii)上面図および(iii)垂直断面図である。 本発明の坩堝保持具の一例を示す、(i)平滑加工前の断面図および(ii)平滑加工後の断面図である。 本発明の比較例で用いた成形型の説明図である。 本発明の比較例で用いた成形型の説明図である。
先ず、本発明の坩堝保持具について説明する。
本発明の坩堝保持具は、内部に坩堝を収容し得る中空状胴部と底部とを備えた坩堝保持具であって、前記中空状胴部は、中央に開口部が設けられた炭素繊維強化炭素複合材製の複数の開口板状物を相互に接着しつつ積層してなるものであり、前記底部は、炭素繊維強化炭素複合材製の平板状物を前記中空状胴部の底に接着してなるものであることを特徴とするものである。
本発明の坩堝保持具において、開口板状物や平板状物は、CC材(炭素繊維強化炭素複合材)からなる。
CC材としては、特に制限されないが、PAN(ポリアクリロニトリル)またはピッチ系の炭素繊維を出発物質とする各種CFRP(炭素繊維強化プラスチック)を炭化処理してなるものを挙げることができる。
上記CFRPとしては、UD(一方向引き揃え)炭素繊維または2D(二次元織)炭素繊維織布に樹脂を含浸させて調製したプリプレグを積層後に硬化したCFRPや、3D(三次元織)炭素繊維織布に樹脂を含浸させて加熱、硬化したCFRPや、チョップドファイバーと樹脂ペレットの混合体を加圧熱処理したCFRPを挙げることができる。
CC材は、CFRPを、不活性雰囲気中、所望の温度条件下で所望時間焼成処理することにより炭化処理してなるものであることが好ましい。また、CC材は、必要に応じてCFRPを高温中でハロゲンガスと反応させて不純物を除去する高純度化処理を行ってなるものであってもよい。更に、CC材は、必要に応じてCFRPを炭化処理した後、ピッチまたは樹脂を含浸して再度炭化処理を行い、緻密化してなるものであってもよい。
本発明の坩堝保持具は、CC材からなるものであることから、高純度性、高強度性および軽量性を容易に発揮することができる。
以下、本発明の坩堝保持具の好ましい形態について、図面を参照しつつ説明するものとする。
図1および図2に本発明の坩堝保持具の具体的な形態を例示する。
図1は、本発明の坩堝保持具の一形態例を示す図であって、図1(i)は坩堝保持具1の正面図、図1(ii)は坩堝保持具1の上面図、図1(iii)は図1(ii)に示す坩堝保持具1のX−X'線垂直断面図である。
また、図2も、本発明の坩堝保持具の一形態例を示す図であって、図2(i)は坩堝保持具1の正面図、図2(ii)は坩堝保持具1の上面図、図2(iii)は図2(ii)に示す坩堝保持具1のY−Y'線垂直断面図である。
図1および図2に示すように、本発明において、坩堝保持具1は、中空状胴部2と底部3とを備え、上記中空状胴部2は、中央に開口部が設けられた炭素繊維強化炭素複合材製の複数の開口板状物2a〜2oを相互に接着しつつ積層してなるものである。
本発明の坩堝保持具において、坩堝保持具1の形状は保持しようとする坩堝の形状に応じて適宜選定することができ、保持しようとする坩堝の形状が椀状である場合には坩堝保持具の形状も図1に示すように椀状であることが好ましく、保持しようとする坩堝の形状が箱状である場合には坩堝保持具の形状も図2に示すように箱状であることが好ましい。
図1に示すように、得ようとする坩堝保持具1の形状が椀状である場合、中空状胴部2の形状も椀状であることが好ましく、この場合、図1に示すように、中空状胴部2を構成する開口板状物の形状は、中央に円形状の開口部が設けられてなる開口円板状物(開口円板状物2a〜2o)であることが好ましい。中央に円形状の開口部が設けられてなる開口円板状物を用いて椀状の中空状胴部を形成する場合、図1(iii)に示すように、下側に配置する開口円板状物2a〜2eの円形状の開口部の径を最下部に配置する開口円板状物2aから開口円板状物2eに向けて段階的に拡大するとともに、開口円板状物2eの上部に配置する開口円板状物2f〜2oの開口部の径を開口板状物2eよりも拡大させつつ、開口円板状物2f〜2oの開口部の径を一定値にすることにより、椀状に形成することができる。
また、図1に示すように、得ようとする坩堝保持具1の形状が椀状である場合、底部3を構成する平板状物は円板状物(円板状物3a〜3c)であることが好ましい。底部3を構成する円板状物は、1枚であってもよいし、(図1に示すように)複数枚であってもよい。
一方、図2に示すように、得ようとする坩堝保持具の形状が箱状である場合、中空状胴部2の形状も四角枠状であることが好ましく、この場合、図2に示すように、中空状胴部2を構成する開口板状物の形状は、中央に四角形状の開口部が設けられてなる開口四角板状物(開口四角板状物2a〜2o)であることが好ましい。中央に四角形状の開口部が設けられてなる開口四角板状物を用いて箱状の中空状胴部を形成する場合、図2(iii)に示すように、同一サイズを有する開口四角板状物2a〜2oを積層配置することにより、四角枠状の中空状胴部を形成することができる。
また、図2に示すように、得ようとする坩堝保持具1の形状が箱状である場合、底部3を構成する平板状物は同一サイズを有する四角板状物(四角板状物3a〜3c)であることが好ましい。底部3を構成する四角板状物は、1枚であってもよいし、(図2に示すように)複数枚であってもよい。
本発明の坩堝保持具において、開口板状物や平板状物は、研削加工等により表面処理したものであってもよいし、未加工のものであってもよい。
本発明の坩堝保持具において、開口板状物や平板状物の厚みは、5〜15mmであることが好ましく、8〜15mmであることがより好ましく、10〜15mmであることがさらに好ましい。
厚みが15mmを超える開口板状物や平板状物は大型サイズのものを製造することが困難であり、また、厚さが5mm未満の開口板状物や平板状物は、坩堝保持具を構成するために使用する開口板状物や平板状物の数が増加するために、その製造が煩雑化する。
なお、本出願書類において開口板状物や平板状物の厚みは、ノギス等により測定することができる。
本発明の坩堝保持具において、開口板状物や平板状物の主表面を規定する縦方向または横方向の長さは、得ようとする坩堝保持具のサイズに応じて適宜決定すればよい。本発明の坩堝保持具が、開口板状物と平板状物との積層接着物の表面を平滑加工してなるものである場合、予め加工代を考慮した開口板状物や平板状物を選択すればよい。
本発明の坩堝保持具において、坩堝保持具を構成する開口板状物の幅(開口板状物の外周から開口部迄の距離)は5mm以上であることが適当であり、10〜15mmであることがより適当である。
開口板状物や平板状物の幅が5mm未満であると、CC材の原料となるCFRPを構成する炭素繊維の束の幅よりも細くなる場合があることから、幅1mmあたりの強度が低くなる場合があるためである。
なお、本出願書類において開口板状物の幅は、ノギス等により測定することができる。
本発明の坩堝保持具において、開口板状物には開口板状物の分割物を含むものとし、平板状物には、平板状物の分割物を含むものとする。
開口板状物や平板状物の分割物の形状は、分割物を組付けたときに所望形状を有する開口板状物や平板状物を形成し得るものであれば特に制限されない。
本発明の坩堝保持具において、開口板状物や平板状物は、必要に応じて接着時の位置決め用のピンを取り付ける孔や座ぐり加工を施したものであってもよい。上記ピンの構成材料は特に制限されないが、開口板状物や平板状物の構成材料と同一の材料であることが好ましい。
本発明の坩堝保持具は、開口板状物および平板状物を接着してなるものであるが、上記開口板状物や平板状物を接着する接着剤としては、熱硬化性樹脂または炭素粉を適宜混合した接着剤を挙げることができる。
開口板状物や平板状物が位置決め用のピンを有するものである場合、本発明の坩堝保持具は、開口板状物や平板状物とともに、ピンや、ピンを取り付ける孔や、座ぐりについても接着してなるものであることが好ましい。
また、本発明の坩堝保持具は、開口板状物および平板状物等を接着剤で接着した後、焼成処理してなるものであってもよい。焼成処理は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中、600〜1400℃の温度下において、1〜24時間加熱保持して行うことが好ましい。
さらに、本発明の坩堝保持具は、上記開口板状物や平板状物等の接着物を高温中でハロゲンガスと反応させて不純物を除去した高純度化処理を行ってなるものであってもよい。
本発明の坩堝保持具は、開口板状物と平板状物との接着物の表面が平滑加工されてなるものであってよい。平滑加工は、切削加工等により行うことができる。
図3(i)は、図1(ii)に示す坩堝保持具1のX−X'線垂直断面図であり、図3(ii)は、図1に示す坩堝保持具の表面を平滑加工してなるものの図3(i)に対応する垂直断面図である。
本発明の坩堝保持具は、開口板状物や平板状物を接着してなるものであることから、簡便かつ低コストに製造することができる。
次に、本発明の坩堝保持具の製造方法について説明する。
本発明の坩堝保持具の製造方法は、内部に坩堝を収容し得る中空状胴部と底部とを備えた坩堝保持具を製造する方法であって、中央に開口部が設けられた炭素繊維強化炭素複合材料製の複数の開口板状物を相互に積層接着する工程と、前記複数の開口板状物のうち、最下部に配置される開口板状物と炭素繊維強化炭素複合材料製の平板状物とを接着する工程とを含むことを特徴とするものである。
本発明の坩堝保持具の製造方法において、中空状胴部を構成する開口板状物や、底部を構成する平板状物や、開口板状物や平板状物を接着する接着剤の詳細は、上述したとおりである。
本発明の坩堝保持具の製造方法において、開口板状物や平板状物を接着する方法や接着する順序は特に制限されない。
例えば、図1や図2に示す複数の開口板状物2a〜開口板状物2oを予め順次積層接着して中空状胴部2を作製した後、中空状胴部2の最下部に配置される開口板状物に対して平板状物3c、平板状物3bおよび平板状物3aを順次積層接着する方法を挙げることができる。
また、例えば、図1および図2に示す複数の開口板状物2a〜開口板状物2oを予め順次積層接着して中空状胴部2を作製するとともに、平板状物3a〜平板状物3cを順次接着して底部3を作製した上で、中空状胴部2の最下部に配置される開口板状物2aと底部3の最上部に配置される平板状物3cとを接着する方法を挙げることができる。
さらに、例えば、図1および図2に示す平板状物3aに対し、平板状物3bおよび平板状物3cを順次接着して底部3を形成した後、底部3を構成する平板状物3cに対して、開口板状物2a、開口板状物2b、開口板状物2c、・・・開口板状物2oを順次接着することにより中空状胴部2を形成する方法を挙げることができる。
図1および図2に示す開口板状物2aと平板状物3cとを接着した後、開口板状物2aに対して開口板状物2b、開口板状物2c、開口板状物2d、・・・開口板状物2oを順次接着して中空状胴部2を形成しつつ、平板状物3cに対して平板状物3bおよび平板状物3aを順次接着することにより、中空状胴部2の下部に底部3を形成してもよい。
また、本発明の坩堝保持具の製造方法においては、開口板状物および平板状物等を接着剤で接着した後、焼成処理を行ってもよい。焼成処理は、不活性雰囲気中、600〜1400℃の温度下において、1〜24時間加熱保持して行うことが好ましい。
さらに、本発明の坩堝保持具の製造方法においては、上記開口板状物や平板状物等の接着物を高温中でハロゲンガスと反応させて不純物を除去する高純度化処理を行ってもよい。
本発明の坩堝保持具の製造方法においては、開口板状物と平板状物との接着物の表面をさらに平滑加工してもよい。平滑加工は、切削加工等により行うことができる。
上記平滑加工を施すことにより、 例えば、図3(i)に断面図で示す坩堝保持具1の表面を図3(ii)に断面図で示すように平滑化することができる。
本発明の製造方法により得られる坩堝保持具の詳細については、本発明の坩堝保持具の説明で述べたとおりである。
本発明の製造方法においては、CC材からなる開口板状物や平板状物を接着してなるものであることから、簡便かつ低コストに、高純度、高強度および軽量な坩堝保持具を作製することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(1)開口円板状物および円板状物の作製
図1(i)〜(iii)に示す形態を有する開口円板状物と円板状物の積層接着物を作製した後、平滑加工を施すことにより図3(ii)に示す椀状の坩堝保持具を作製した。
先ず、厚さ13mmのCC材平板(東海カーボン(株)製CC28NF)の表面を厚さ10mmになる迄研削加工した後、それぞれ表1および表2に示すサイズになるように、円板状物(円平板)3a〜3cと、中央に円形状の開口部が設けられてなる開口円板状物(リング状平板)2a〜2oとを切り出した。
Figure 0005870406
Figure 0005870406
(2)接着剤の作製
等方性黒鉛材(東海カーボン(株)製G347)をメノウ乳鉢で10分間粉砕して粉末状の黒鉛材とし、この粉末状の黒鉛材に液状フェノールレジン(住友ベークライト(株)製PR−51107)を100g加えた後、再びメノウ乳鉢で3分間粉砕することにより接着剤を調製した。
(3)開口円板状物および円板状物の接着
(1)で得られた円板状物3aに対して、(2)で調製した接着剤を用いて円板状物3bおよび円板状物3cを順次積層しつつ接着することにより底部3を形成した。
この底部3を構成する円板状物3c上に、(2)で調製した接着剤を用いて開口円板状物2aを接着し、次いで、この開口円板状物2a上に、(2)で調製した接着剤を用いて開口円板状物2b〜開口円板状物2oを順次積層しつつ接着することにより、底部3上に中空状胴部2を形成してなる積層接着物を得た。
得られた積層接着物を、ハロゲンガスを導入しながら電気炉中で2000℃まで加熱して純化処理を施すことにより、図1(i)〜(iii)に示す形態を有する坩堝保持具を得た。
(4)平滑化処理
(3)で得られた坩堝保持具の内表面および外表面に対して、研削加工を施すことにより、図3(ii)に示す表面を平滑加工してなる坩堝保持具を得た。
上記研削加工によって、上記積層接着物の形成に用いた開口円板状物2oと円板状物3aに相当する部分は消失し、開口円板状物2f〜開口円板状物2oに相当する部分の外径が250mm、内径が230mmとなった。
なお、上記(1)〜(4)の処理に要した工期は2カ月であった。
(比較例1)
市販の炭素繊維織布(東邦テナックス(株)製W−6E01)100gに対し、液状フェノールレジン(住友デュレズ(株)製PR−51107)が50gとなるように染み込ませてプリプレグを調製した。
図4に示すアルミニウム製の成形型(直径φ:230mm、長さL:400mm、R部の半径:115mm)の外表面に、上記プリプレグを厚さが10mmになるまで貼り付けた。上記プリプレグの積層物を脱型したした後、窒素ガスを導入しながら電気炉中にて1000℃で5時間加熱保持し、更にハロゲンガスを導入しながら電気炉中にて2000℃で5時間加熱保持することにより純化処理を施した。
上記純化処理を施したプリプレグの積層物の長さが160mmになるように切断することにより、椀形状を有する坩堝保持具を得た。
なお、上記坩堝保持具の作製に要した工期は10カ月であった。
(比較例2)
市販の炭素繊維の糸(東邦テナックス(株)製IMS60(24K品))100gに対し、液状フェノールレジン(住友デュレズ(株)製PR−51107)が50gとなるように染み込ませてプリプレグを調製した。
図5に示すアルミニウム製の成形型(直径φ:230mm、長さL:600mm、R部の半径:115mm)の外表面に、上記プリプレグを厚さが10mmになるまでフィラメントワインディング装置(IHI社製IFW−4401)を用いて巻き付けた。
上記巻き付け物を中央部で切断して長さ300mmの2つの巻き付け物に分割した後、脱型し、窒素ガスを導入しながら電気炉にて1000℃で5時間加熱保持することにより炭化処理し、さらにハロゲンガスを導入しながら電気炉中にて2000℃で5時間加熱保持することにより純化処理を施した。
上記純化処理を施したプリプレグの積層物の長さが160mmになるように切断することにより、椀形状を有する坩堝保持具を得た。
なお、上記坩堝保持具の作製に要した工期は10カ月であった。
実施例1、比較例1および比較例2で作製した坩堝保持具を結晶成長装置に取り付けて、シリコン単結晶を繰り返し製造し、各坩堝保持具がライフエンドに達するまでのシリコン単結晶の製造回数を計測した。
本計測において、坩堝保持具がライフエンドに達したか否かは、引き続き使用することができないと判断される外観異常が生じているか否か、すなわち外観に割れや層間剥離等が生じているか否かにより確認した。結果を表3に示す。
なお、表3においては、各坩堝保持具の製造工期を併記する。
Figure 0005870406
表3の結果から、実施例1においては、高純度かつ軽量のCC材からなる坩堝保持具を短期間で簡便に作製することができ、得られた坩堝保持具はライフエンドに達するまでの使用回数が70回と長いために高い強度を発揮し得るものであることが分かる。
これに対して、比較例1および比較例2においては、坩堝保持具を製造するために、煩雑な処理を要し、10カ月という長い製造工期を要するものであることが分かる。
本発明によれば、高純度、高強度かつ軽量であるとともに、簡便かつ低コストに製造可能な坩堝保持具を提供するとともに、高純度、高強度かつ軽量である坩堝保持具を簡便かつ低コストに製造する方法を提供することができる。
1 坩堝保持具
2 中空状胴部
2a〜2o 開口板状物
3 底部
3a〜3c 平板状物

Claims (6)

  1. 内部に坩堝を収容し得る中空状胴部と底部とを備えた坩堝保持具であって、
    前記中空状胴部は、中央に開口部が設けられた炭素繊維強化炭素複合材製の複数の開口板状物を相互に接着しつつ積層してなるものであり、
    前記底部は、炭素繊維強化炭素複合材製の平板状物を前記中空状胴部の底に接着してなるものである
    ことを特徴とする坩堝保持具。
  2. 前記複数の開口板状物が中央に円形状の開口部が設けられてなる開口円板状物であるとともに前記平板状物が円板状物であるか、または前記複数の開口板状物が中央に四角形状の開口部が設けられてなる開口四角板状物であるとともに前記平板状物が四角板状物である請求項1に記載の坩堝保持具。
  3. 前記開口板状物および平板状物の厚みが、5〜15mmである請求項1または請求項2に記載の坩堝保持具。
  4. 前記開口板状物の外周から開口部迄の距離が5mm以上である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の坩堝保持具。
  5. 前記開口板状物と平板状物との接着物の表面が平滑加工されてなる請求項1〜請求項4のいずれかに記載の坩堝保持具。
  6. 内部に坩堝を収容し得る中空状胴部と底部とを備えた坩堝保持具を製造する方法であって、
    中央に開口部が設けられた炭素繊維強化炭素複合材料製の複数の開口板状物を相互に積層接着する工程と、前記複数の開口板状物のうち、最下部に配置される開口板状物と炭素繊維強化炭素複合材料製の平板状物とを接着する工程とを含む
    ことを特徴とする坩堝保持具の製造方法。
JP2012121678A 2012-05-29 2012-05-29 坩堝保持具および坩堝保持具の製造方法 Expired - Fee Related JP5870406B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012121678A JP5870406B2 (ja) 2012-05-29 2012-05-29 坩堝保持具および坩堝保持具の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012121678A JP5870406B2 (ja) 2012-05-29 2012-05-29 坩堝保持具および坩堝保持具の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013245155A JP2013245155A (ja) 2013-12-09
JP5870406B2 true JP5870406B2 (ja) 2016-03-01

Family

ID=49845212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012121678A Expired - Fee Related JP5870406B2 (ja) 2012-05-29 2012-05-29 坩堝保持具および坩堝保持具の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5870406B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6219141B2 (ja) 2013-11-27 2017-10-25 株式会社ミツトヨ 形状測定装置及び形状測定方法
JP2023042297A (ja) 2021-09-14 2023-03-27 株式会社Sumco ルツボ保護シート及びこれを用いたシリコン単結晶の製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4840666Y1 (ja) * 1969-01-31 1973-11-28
DE4130253C2 (de) * 1991-09-12 2001-10-04 Sgl Carbon Ag Mehrteiliger Stütztiegel und Verfahren zu seiner Herstellung
US5616175A (en) * 1994-07-22 1997-04-01 Herecules Incorporated 3-D carbon-carbon composites for crystal pulling furnace hardware
JP3012299U (ja) * 1994-12-09 1995-06-13 東洋炭素株式会社 シリコン単結晶引上げ用黒鉛ルツボ
US5683281A (en) * 1995-02-27 1997-11-04 Hitco Technologies, Inc High purity composite useful as furnace components
JP3734004B2 (ja) * 1999-01-14 2006-01-11 東芝セラミックス株式会社 シリコン単結晶引上げ用黒鉛ルツボ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013245155A (ja) 2013-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5218431B2 (ja) 溶液法による単結晶成長用種結晶軸
CN102173844B (zh) 一种碳纤维增强氮化硼复合材料及其制备方法
KR101261728B1 (ko) C/c 복합재 성형체 및 그의 제조 방법
CN108883585B (zh) 复杂形状的复合结构的制造
US20090288592A1 (en) Crucible holding member and method for producing the same
CN105712730B (zh) 一种净尺寸c/c复合保温硬毡的制备方法
JP5870406B2 (ja) 坩堝保持具および坩堝保持具の製造方法
JP2001503364A (ja) 炉部材として有用な高純度複合材
JP2009203093A (ja) ルツボ保持部材
JP2009269777A (ja) ルツボ保持部材およびその製造方法
US11117838B2 (en) Method of making a fiber preform for ceramic matrix composite (CMC) fabrication
US20120034400A1 (en) Carbon fiber-reinforced carbon composite material and method for manufacturing the same
KR20160079326A (ko) 유리섬유 강화 플라스틱 및 알루미늄을 포함한 하이브리드 복합재료 제조방법 및 하이브리드 복합재료
JPWO2019188195A1 (ja) 繊維強化樹脂の製造方法
JP5706442B2 (ja) 真空熱処理装置用熱処理容器
KR20090092249A (ko) 용기 보유 지지 부재 및 그 제조 방법
CN102211766B (zh) 一种高导热碳材料的快速、低成本制备方法
JP5979862B2 (ja) C/c複合材積層体
JP2002193679A (ja) 焼成用スペーサー及びそれを用いた焼成用治具
JP2011093758A (ja) 炭素質材料
JP2019081704A (ja) 配向セラミック焼結体の製法及びフラットシート
JP2016013946A (ja) 長繊維強化炭化ケイ素複合材料およびその製造方法
CN101169308A (zh) 一种坩埚托
JP2012211062A (ja) 炭素繊維強化炭素複合材ルツボ
CN102443778A (zh) 一种空心石墨模具及其应用

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151216

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5870406

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees