以下、本実施形態の照明器具について、図1〜図5を参照しながら説明する。
本実施形態の照明器具は、ペンダントライトであり、器具本体20と、有機エレクトロルミネッセンス素子を有する有機エレクトロルミネッセンス素子モジュール1とを備えたものである。なお、本実施形態では、有機エレクトロルミネッセンス素子モジュール(以下、有機ELモジュール)1を説明した後に、有機ELモジュール1を備えた照明器具について説明する。
有機ELモジュール1は、板状(本実施形態では、矩形板状)に形成されている。
また、有機ELモジュール1は、図4に示すように、上述の有機エレクトロルミネッセンス素子からなる発光パネル2を有する光源部3と、光源部3を着脱自在に取り付け可能なベース部4とを備えている。なお、ベース部4は、器具本体20に有機ELモジュール1を取り付けるためのものである。
光源部3は、上述の発光パネル2と、発光パネル2の光出射面側(図4では、下面側)とは反対側に配置され発光パネル2と電気的に接続される配線基板8とを有している。また、光源部3は、配線基板8における発光パネル2側とは反対側の部位を覆うケース6と、発光パネル2における光出射面側の部位を覆いケース6に取り付けられるカバー5とを有している。なお、本実施形態では、発光パネル2の外周形状が、矩形状に形成されているが、この形状を特に限定するものではない。
発光パネル2は、透光性を有する板状(本実施形態では、矩形板状)の基体(図示せず)と、上記基体の一表面側に配置され発光層(図示せず)を含む板状(本実施形態では、矩形板状)の発光体(図示せず)とを有している。本実施形態では、上記発光体の外周形状が、上記基体の外周形状よりも小さな形状となっている。
上記発光体は、上記基体側に形成された第1の電極(図示せず)と、上記第1の電極における上記基体側とは反対側に形成された上記発光層と、上記発光層における上記基体側とは反対側に形成された第2の電極(図示せず)とを備えている。本実施形態では、上記第1の電極が、透明導電膜からなり、陽極を構成している。また、本実施形態では、上記第2の電極が、例えば、アルミニウム膜からなり、陰極を構成している。ここで、アルミニウム膜は、反射膜を兼ねている。
また、発光パネル2は、上記発光体の外側を覆い上記基体に取り付けられた封止部(図示せず)を有している。なお、本実施形態では、上記基体の他表面が、発光パネル2の光出射面となる。また、本実施形態では、発光パネル2の発光色を、白色としているが、白色以外であってもよい。
また、発光パネル2は、この発光パネル2の光出射面側とは反対側(図4では、上面側)に、上記第1の電極と電気的に接続された複数(本実施形態では、6個)の第1の端子部2bが設けられている。なお、本実施形態では、発光パネル2における上記反対側の両端部(図4では、左上端部および右下端部)の各々に、第1の端子部2bが3個ずつ配置されている。
また、発光パネル2は、この発光パネル2の光出射面側とは反対側に、上記第2の電極と電気的に接続された複数(本実施形態では、4個)の第2の端子部2aが設けられている。なお、本実施形態では、発光パネル2における上記反対側の両端部(図4では、左上端部および右下端部)の各々に、第2の端子部2bが2個ずつ配置されている。
配線基板8は、例えば、ガラスエポキシ樹脂などからなる絶縁性基材に適宜の第1の導体パターン(図示せず)が形成されたプリント配線板により形成されている。本実施形態では、配線基板8が、矩形枠状に形成されている。
また、配線基板8は、発光パネル2側とは反対側に、発光パネル2の各端子部2a,2bと各別に電気的に接続可能な複数(本実施形態では、10個)のランド8aが上記第1の導体パターンの一部により形成されている。なお、本実施形態では、配線基板8における発光パネル2側とは反対側の両端部(図4では、左上端部および右下端部)の各々に、各ランド8aが5個ずつ配置されている。
ここにおいて、本実施形態における有機ELモジュール1では、配線基板8の各ランド8aの各々が、導電性を有する電気接続部39により、対応する各端子部2a,2bと電気的に接続されている。なお、本実施形態では、電気接続部39として、ワイヤを採用しているが、これに限らず、例えば、リード線などを採用してもよい。
また、配線基板8は、発光パネル2側とは反対側に、対応する各ランド8aと電気的に接続された一対の給電端子15,15(図5参照)が突設されている。本実施形態では、一対の給電端子15,15が、配線基板8の上記第1の導体パターンの一部を介して各ランド8aと各別に電気的に接続されている。なお、図5では、一対の給電端子15,15のうち一方の給電端子15が見えている。
本実施形態における有機ELモジュール1では、発光パネル2と配線基板8とが、例えば、両面に接着剤が塗布されたテープなどにより接着されている。
ケース6は、発光パネル2側(図4では、下側)に開口面を有する扁平な箱状(本実施形態では、矩形箱状)に形成されている。本実施形態では、ケース6の材料として、例えば、電気的絶縁性を有する合成樹脂材料などを採用することができる。
ケース6の底壁6fの中央部には、発光パネル2側へ窪むように形成された第1の凹部6aが設けられている。本実施形態における有機ELモジュール1では、第1の凹部6aの内周形状が、矩形状に形成されている。また、本実施形態では、ケース6の底壁6fにおける周部の発光パネル2側が、配線基板8を収納する収納部6bを構成している。
また、ケース6の底壁6fの周部には、配線基板8に突設された一対の給電端子15,15に対応する位置に、これら一対の給電端子15,15を導出する一対の導出孔6e,6eが貫設されている。
また、ケース6の底壁6fの一端部(図4では、左上端部)には、発光パネル2側とは反対側に、ケース6をベース部4に着脱自在に係合するための一対の第1係合爪6d,6dが設けられている。また、ケース6の底壁6fの他端部(図4では、右下端部)には、発光パネル2側とは反対側に、ケース6をベース部4に着脱自在に係合するための第2係合爪6cが設けられている。
カバー5は、発光パネル2側(図4では、上側)に、発光パネル2を収納する収納部5aを有する扁平な箱状(本実施形態では、矩形箱状)に形成されている。本実施形態では、カバー5の材料として、透光性材料を採用している。透光性材料としては、透光性の樹脂(例えば、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂など)を採用することができる。なお、本実施形態では、透光性材料として、透光性の樹脂を採用しているが、これに限らず、例えば、ガラスなどを採用することもできる。
また、カバー5の側壁5bの外側には、このカバー5をケース6に取り付けるための嵌合爪5cが、複数箇所(本実施形態では、8箇所)に設けられている。ここにおいて、ケース6の側壁6gの内側には、カバー5の各嵌合爪5cの各々に対応する位置に、これら各嵌合爪5cを各別に嵌合する嵌合溝(図示せず)が設けられている。したがって、本実施形態における有機ELモジュール1では、カバー5の各嵌合爪5cをケース6の上記各嵌合溝に嵌合させることによって、カバー5がケース6に取り付けられる。
ベース部4は、発光パネル2を点灯させる点灯回路(図示せず)を有する回路基板9と、回路基板9に電気的に接続され光源部3の一対の給電端子15,15を着脱自在に挿抜可能な一対の端子受け部13,13とを備えている。また、ベース部4は、回路基板9および一対の端子受け部13,13を収納可能なハウジング12と、ハウジング12に収納された回路基板9および一対の端子受け部13,13を保護する保護部材10とを備えている。
回路基板9は、例えば、ガラスエポキシ樹脂などからなる絶縁性基材に適宜の第2の導体パターン(図示せず)が形成されたプリント配線板により形成されている。なお、本実施形態では、回路基板9の外周形状が、矩形状に形成されているが、この形状を特に限定するものではない。
回路基板9の一表面側(図4では、下面側)には、上記点灯回路を構成する電子部品(図示せず)が実装されている。また、回路基板9の一端部(図4では、左下端部)の上記一表面側には、天井材40(図1参照)の上面側に予め設置された電源ユニット(図示せず)から給電するための一対のコネクタ11,11が実装されている。また、回路基板9の上記一端部の上記一表面側には、発光パネル2の光出力を制御するための制御信号を入力可能な入力端子7が実装されている。なお、本実施形態における有機ELモジュール1では、上記電子部品、一対のコネクタ11,11および入力端子7の各々が、上記第2の導体パターンの一部と電気的に接続されている。また、本実施形態では、上記点灯回路が、入力端子7から入力された制御信号に応じて発光パネル2の光出力を制御する制御回路を含んでいる。
各端子受け部13の各々は、帯板状の金属板を屈曲させて形成されている。
また、各端子受け部13の各々は、一端部に、ケース6の各導出孔6eの各々から導出された各給電端子15(図5参照)を挟持可能な挟持部13aが設けられている。本実施形態では、各端子受け部13の各々の他端部が、例えば、半田からなる接合部(図示せず)により回路基板9に電気的に接続されている。
ハウジング12は、板状(本実施形態では、矩形板状)に形成されている。本実施形態では、ハウジング12の材料として、例えば、電気的絶縁性を有する合成樹脂材料などを採用することができる。
ハウジング12の中央部には、上述の保護部材10を収納するための第2の凹部12eが設けられている。
ハウジング12の第2の凹部12eにおける内底壁の周部には、ケース6の一対の導出孔6e,6eから導出された一対の給電端子15,15を挿通する一対の挿通孔12b,12bが貫設されている。本実施形態では、各挿通孔12bの各々の内側に、一対の端子受け部13,13の各挟持部13aが配置される。
ハウジング12の第2の凹部12eにおける内底壁の中央部には、回路基板9を収納するための第3の凹部12aが設けられている。
また、ハウジング12の第3の凹部12aの内底壁には、この第3の凹部12aに収納された回路基板9の上記電子部品が第3の凹部12aの内底壁に接触するのを防ぐために、回路基板9を支持する支持部14が突設されている。本実施形態における有機ELモジュール1では、支持部14に、複数(本実施形態では、2個)のボス16が設けられ、各ボス16の各々に、回路基板9をハウジング12に固定するための固定ねじ17を螺合する固定ねじ穴16aが形成されている。ここにおいて、回路基板9は、ハウジング12の各固定ねじ穴16aの各々に対応する位置に、固定ねじ17を挿通する第1の固定ねじ挿通孔9aが貫設されている。
また、ハウジング12の周部の発光パネル2側には、ケース6の一対の第1係合爪6d,6dに対応する位置に、一対の第1係合爪6d,6dを着脱自在に係合する一対の第1係合部12d,12d(図5参照)が設けられている。なお、図5では、一対の第1係合部12d,12dのうち一方の第1係合部12dが見えている。
また、ハウジング12の周部の発光パネル2側には、ケース6の第2係合爪6cに対応する位置に、第2係合爪6cを着脱自在に係合する第2係合部12cが設けられている。
また、ハウジング12の周部には、このハウジング12を、例えば、器具本体20(図1参照)に取り付けるための第1の取付ねじ(図示せず)を挿通する第1の取付ねじ挿通孔12fが、複数箇所(本実施形態では、4箇所)に貫設されている。
保護部材10は、板状(本実施形態では、矩形板状)に形成されている。本実施形態では、保護部材10の材料として、例えば、電気的絶縁性を有する合成樹脂材料などを採用することができる。
また、保護部材10は、回路基板9の各第1の固定ねじ挿通孔9aの各々に対応する位置に、固定ねじ17を挿通する第2の固定ねじ挿通孔10aが貫設されている。ここにおいて、本実施形態における有機ELモジュール1では、固定ねじ17を、保護部材10および回路基板9の各固定ねじ挿通孔10a,9aに挿通して、ハウジング12の各固定ねじ穴16aに螺合することにより、保護部材10および回路基板9の各々をハウジング12に固定することができる。これにより、本実施形態における有機ELモジュール1では、ハウジング12に収納された回路基板9および一対の端子受け部13,13を保護部材10により覆うことが可能となり、回路基板9および一対の端子受け部13,13を保護することが可能となる。
以下、本実施形態における有機ELモジュール1に関して、光源部3をベース部4に取り付ける手順を、図5に基づいて説明する。なお、光源部3およびベース部4の各々が、予め組み立てられているものとして説明する。
まず、光源部3の一対の第1係合爪6d,6dを、ベース部4の一対の第1係合部12d,12dに係合させる。次に、一対の第1係合爪6d,6dを支点として、光源部3の第2係合爪6cをベース部4に近づける。そして、光源部3の第2係合爪6cを、ベース部4の第2係合部12cに係合させることによって、光源部3をベース部4に取り付けることができる。ここで、本実施形態における有機ELモジュール1では、光源部3がベース部4に取り付けられると、光源部3の一対の給電端子15,15が、ベース部4の一対の端子受け部13,13に挟持される。これにより、本実施形態における有機ELモジュール1では、光源部3とベース部4とが、電気的に接続される。ここにおいて、光源部3をベース部4から取り外す場合は、光源部3の第2係合爪6cとベース部4の第2係合部12cとの係合を解除した後に、光源部3の一対の第1係合爪6d,6dとベース部4の一対の第1係合部12d,12dとの係合を解除することによって、光源部3をベース部4から取り外すことができる。
以下、本実施形態の照明器具における有機ELモジュール1以外の構成要素について説明する。
器具本体20は、箱状(本実施形態では、矩形箱状)に形成されている。本実施形態では、器具本体20を、例えば、鋼板などの金属板により形成している。また、本実施形態では、器具本体20の表面が、銀色の塗装材により塗装されている。これにより、本実施形態の照明器具では、器具本体20に、反射板としての機能を付加することが可能となる。なお、器具本体20の材料は、金属に限らず、例えば、合成樹脂などであってもよい。
本実施形態の照明器具では、器具本体20の上端部の中央部に、有機ELモジュール1を配置するための第1の凹所20b(図2(a)および図3(a)参照)が設けられている。また、本実施形態では、器具本体20の下端部の中央部にも、有機ELモジュール1を配置するための第2の凹所20a(図2(b)および図3参照)が設けられている。
本実施形態の照明器具では、複数(本実施形態では、32個)の有機ELモジュール1を備えている。なお、本実施形態では、有機ELモジュール1の個数を32個としているが、この個数を特に限定するものではない。
また、本実施形態の照明器具では、各有機ELモジュール1のベース部4の各々が、上記第1の取付ねじにより器具本体20の各凹所20b,20aの内底壁に取り付けられる。ここで、本実施形態では、第1の凹所20bの内底壁に、8個の有機ELモジュール1が取り付けられている(図2(a)参照)。また、本実施形態では、第2の凹所20aの内底壁に、24個の有機ELモジュール1が取り付けられている(図2(b)参照)。なお、本実施形態の照明器具では、第1の凹所20bの内底壁に配置された有機ELモジュール1の個数を8個、第2の凹所20aの内底壁に配置された有機ELモジュール1の個数を24個としているが、これらの個数を特に限定するものではない。
本実施形態の照明器具では、第1の凹所20bの内底壁に配置された有機ELモジュール(第1の有機エレクトロルミネッセンス素子モジュール)1が、発光パネル2の光出射面を上側として器具本体20に保持されている。また、本実施形態では、第2の凹所20aの内底壁に配置された有機ELモジュール(第2の有機エレクトロルミネッセンス素子モジュール)1が、発光パネル2の光出射面を下側として器具本体20に保持されている。第1の凹所20bの内底壁に配置された有機ELモジュール1が有する有機エレクトロルミネッセンス素子は、第1の有機エレクトロルミネッセンス素子に相当する。第2の凹所20aの内底壁に配置された有機ELモジュール1が有する有機エレクトロルミネッセンス素子は、第2の有機エレクトロルミネッセンス素子に相当する。
ここにおいて、本実施形態の照明器具における各有機ELモジュール1は、外側面が隣りの有機ELモジュール1および器具本体20から離れていることが好ましい。これにより、本実施形態の照明器具では、有機ELモジュール1の光源部3を交換する作業性を向上させることが可能となる。
本実施形態の照明器具では、器具本体20の上端部の周部に、この照明器具20を吊りボルト41(図1,3参照)に吊り下げ可能な一対の吊下げ部21,21が、複数箇所(本実施形態では、2箇所)に取り付けられている。また、本実施形態では、各一対の吊下げ部21,21の先端部(図1では、上端部)の各々に、天井材40に貫設された埋込孔40aに埋め込まれる埋込部22が設けられている。各埋込部22の各々は、吊りボルト41に着脱自在に取り付け可能となっている。なお、図2(a)では、一方の一対の吊下げ部21,21および埋込部22の各々の図示を省略している。また、本実施形態では、4本の吊りボルト41が、天井材40の上側に予め設置されている。
また、本実施形態の照明器具は、器具本体20の第1の凹所20bの内底壁に配置された各有機ELモジュール1の発光パネル2の光出射面側(図1では、上面側)を覆う第1の保護カバー32を備えている。
第1の保護カバー32は、板状(本実施形態では、矩形板状)に形成されている。本実施形態では、第1の保護カバー32の材料として、透光性材料を採用している。透光性材料としては、透光性の樹脂(例えば、アクリル樹脂など)を採用することができる。なお、本実施形態では、透光性材料として、透光性の樹脂を採用しているが、これに限らず、例えば、ガラスなどを採用することもできる。
また、第1の保護カバー32の周部には、この第1の保護カバー32を器具本体20に取り付けるための第2の取付ねじ37を挿通する第2の取付ねじ挿通孔(図示せず)が、複数箇所(本実施形態では、4箇所)に貫設されている。ここにおいて、器具本体20の上端部の周部には、第1の保護カバー32の各第2の取付ねじ挿通孔の各々に対応する位置に、第2の取付ねじ37を螺合する取付ねじ穴38が設けられている。本実施形態の照明器具では、第2の取付ねじ37を、第1の保護カバー32の各第2の取付ねじ挿通孔に挿通して、器具本体20の各取付ねじ穴38に螺合することにより、第1の保護カバー32を器具本体20に取り付けることができる。
また、本実施形態の照明器具は、器具本体20の第2の凹所20aの内底壁に配置された各有機ELモジュール1の発光パネル2の光出射面側(図1では、下面側)を覆う第2の保護カバー31を備えている。
第2の保護カバー31は、板状(本実施形態では、矩形板状)に形成されている。本実施形態では、第2の保護カバー31の材料として、透光性材料を採用している。透光性材料としては、透光性の樹脂(例えば、アクリル樹脂など)を採用することができる。なお、本実施形態では、透光性材料として、透光性の樹脂を採用しているが、これに限らず、例えば、ガラスなどを採用することもできる。
また、第2の保護カバー31の周部には、この第2の保護カバー31を器具本体20に取り付けるための第3の取付ねじ34を挿通する第3の取付ねじ挿通孔31a(図3参照)が、複数箇所(本実施形態では、8箇所)に貫設されている。ここにおいて、器具本体20の下端部の周部には、第2の保護カバー31の各第3の取付ねじ挿通孔31aの各々に対応する位置に、第3の取付ねじ34を挿通する第4の取付ねじ挿通孔20c(図2(b)参照)が貫設されている。また、器具本体20の内部には、各第4の取付ねじ挿通孔20cの各々に対応する位置に、第3の取付ねじ34を螺合する螺合部36(図1,3参照)が設けられている。本実施形態の照明器具では、第3の取付ねじ34を、第2の保護カバー31および器具本体20の各取付ねじ挿通孔31a,20cに挿通して、器具本体20の螺合部36に螺合することにより、第2の保護カバー31を器具本体20に取り付けることが可能となる。
本実施形態の照明器具では、器具本体20と第2の保護カバー31との間に、規定の距離を保つスペーサ35(図1,3参照)が、複数箇所(本実施形態では、8箇所)に配置されている。各スペーサ35は、筒状(本実施形態では、円筒状)に形成されている。本実施形態では、各スペーサ35の材料として、例えば、合成樹脂材料などを採用することができる。
また、本実施形態の照明器具では、器具本体20および第2の保護カバー31の各取付ねじ挿通孔31a,20cの各々の中心軸上に、各スペーサ35を介在させている。これにより、本実施形態の照明器具では、器具本体20と第2の保護カバー31との間に規定の距離を保つことが可能となり、器具本体20の第2の凹所20aの内底壁に配置された有機ELモジュール1で発生する熱を、外部へ効率的に放熱することが可能となる。
ここにおいて、本実施形態の照明器具では、器具本体20の外周形状が、第2の保護カバー31の外周形状よりも小さな形状となっている。これにより、本実施形態の照明器具では、第2の保護カバー31を器具本体20の下側に配置しているので、仮に、器具本体20の第2の凹所20aの内底壁に配置された有機ELモジュール1における上記第1の取付ねじが外れたとしても、この有機ELモジュール1が落下するのを防止することが可能となる。
また、本実施形態の照明器具において第2の保護カバー31は、少なくとも器具本体20における第2の凹所20aの開口面の投影領域のうち、第2の凹所20aの内底壁に配置された各有機ELモジュール1の発光部(各発光パネル2において、上記第1の電極、上記発光層および上記第2の電極の各々が重なる領域)の下方への投影領域以外の領域(図2(b)中のハッチングを施した領域)である非発光部に、有機ELモジュール1における発光パネル2の発光色と同系色(本実施形態では、白色)の着色部材31bが設けられることが好ましい。着色部材31bは、この着色部材31bの色が白色の場合、例えば、白色のシルク印刷により形成することができる。これにより、本実施形態の照明器具では、器具本体20の第2の凹所20aの内底壁に配置された各有機ELモジュール1を点灯させた場合に、上記非発光部が目立つのを低減することが可能となる。なお、本実施形態では、着色部材31bを、白色のシルク印刷により形成しているが、これに限らず、例えば、二色成形により第2の保護カバー31と一体に形成してもよい。
しかして、本実施形態の照明器具では、第1の凹所20bの内底壁に配置される有機ELモジュール1が、発光パネル2の光出射面を上側として器具本体20に保持されているので、器具本体20の上側への配光が可能となる。また、本実施形態の照明器具では、例えば、この照明器具を各吊りボルト41から吊り下げた場合、器具本体20の第1の凹所20bの内底壁に配置された各有機ELモジュール1からの光を、天井材40の下面に向けて照射することが可能となる。これにより、本実施形態の照明器具では、器具本体20の第1の凹所20bの内底壁に配置された各有機ELモジュール1からの光を、間接照明として利用することが可能となり、また、器具本体20の第2の凹所20aの内底壁に配置された各有機ELモジュール1からの光を、直接照明として利用することが可能となる。
また、本実施形態の照明器具では、第1の保護カバー32を、器具本体20の第1の凹所20bの内底壁に配置された各有機ELモジュール1の発光パネル2の光出射面側(図1では、上面側)を覆うようにして器具本体20に取り付けているので、これら各有機ELモジュール1に埃などが積もるのを防ぐことが可能となり、有機ELモジュール1の劣化(光量の低下や短寿命化など)を抑制することが可能となる。これにより、本実施形態の照明器具では、器具本体20から上方の空間を明るくすることが可能となる。
以上説明した本実施形態の照明器具では、器具本体20と、有機エレクトロルミネッセンス素子の光出射面を上側として器具本体20に保持された有機ELモジュール(有機エレクトロルミネッセンス素子モジュール)1と、有機エレクトロルミネッセンス素子モジュール1の上面側を覆う透光性の第1の保護カバー(保護カバー)32とを備えているので、器具本体20の上側への配光が可能で、且つ、有機エレクトロルミネッセンス素子モジュール1の劣化を抑制することが可能となる。