以下、本発明に係るLEDモジュールの実施形態、並びに本発明に係る照明器具の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の実施形態の一例にすぎない。本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態のLEDモジュール(Light Emitting Diode module)1は、図1に示すように、基板10と、基板10の表面に実装される複数の第1LED11及び複数の第2LED12とを備えている。基板10は、概ね円環状に形成されている。ただし、基板10は、複数枚(図示例では3枚)の副基板100に分かれている。ここで、3枚の副基板100は、第1副基板100A、第2副基板100B並びに第3副基板100Cと呼ばれる場合がある。3枚の副基板100はそれぞれ、弧状に形成されている。ただし、3枚の副基板100は全て同一の形状及び寸法に形成されている。各副基板100は、例えば、ガラス布基材エポキシ樹脂基板で形成されている。ここで、各副基板100において、弧の中心に近い側を内側と呼び、弧の中心から遠い側を外側と呼ぶ。
複数の第1LED11は、各副基板100の表面における内側に、内側から外側に向かって同心円状に並ぶように実装されている。複数の第1LED11は、3重の同心円状に並ぶように各副基板100の表面に実装されているが、2重以下若しくは4重以上の同心円状に並ぶように実装されても構わない。複数の第2LED12は、各副基板100の表面における外側に、円弧状に並ぶように実装されている。ただし、複数の第2LED12は、基板10の表面における第2領域S2において、同心円状に並ぶように実装されても構わない。ここで、各副基板100の表面において、複数の第1LED11が同心円状に3重に並べて実装されている領域を第1領域S1と呼ぶ。また、各副基板100の表面において、複数の第2LED12が円弧状に並べて実装されている領域を第2領域S2と呼ぶ。さらに、各副基板100の表面において、第1領域S1と第2領域S2の間の領域、すなわち、第1領域S1と第2領域S2とを隔てる領域を第3領域S3と呼ぶ(図1参照)。複数の第1LED11及び複数の第2LED12は、一般照明用白色LEDである。ただし、複数の第1LED11及び複数の第2LED12は、光色が異なる複数種類の一般照明用白色LED、例えば、昼光色及び電球色の一般照明用白色LEDを含んでいてもよい。
各副基板100の第3領域S3に、複数(図示例では2つ)の固定部101が設けられている。各固定部101は、副基板100を厚み方向に貫通する円形の貫通孔を有している。これらの固定部101は、各副基板100の第3領域S3において、円弧状に並ぶように配置されている。また、各副基板100の第3領域S3には、2つの第1位置決め孔102と、2つの第2位置決め孔103と、1つの第3位置決め孔104とが、副基板100を厚み方向に貫通している。第1位置決め孔102、第2位置決め孔103及び第3位置決め孔104は、2つの固定部101とともに円弧状に並ぶように配置されている。
また、各副基板100の第3領域S3に、複数(図示例では2つ)のレセプタクルコネクタ130が実装されている。2つのレセプタクルコネクタ130のうちの1つは、副基板100の第3領域S3における長手方向(円周方向)の第1端部1001に実装されている。2つのレセプタクルコネクタ130のうちの別の1つは、副基板100の第3領域S3における長手方向(円周方向)の第2端部1002に実装されている。各副基板100において、2つのレセプタクルコネクタ130はそれぞれ、各副基板100の表面に形成されている導体(銅はく)14を介して、各副基板100の表面に実装されている複数の第1LED11及び複数の第2LED12と電気的に接続されている(図2参照)。各レセプタクルコネクタ130は、それぞれのレセプタクルコネクタ130と一対一に対応するプラグコネクタ131と挿抜可能に電気的且つ機械的に接続される。なお、1つのレセプタクルコネクタ130と1つのプラグコネクタ131とで1つのコネクタ13が構成されている。
副基板100Aの第1端部1001(1001A)のレセプタクルコネクタ130に接続されるプラグコネクタ131は、副基板100Bの第2端部1002(1002B)のレセプタクルコネクタ130に接続されるプラグコネクタ131と複数の電線132を介して電気的に接続されている。また、副基板100Aの第2端部1002(1002A)のレセプタクルコネクタ130に接続されるプラグコネクタ131は、副基板100Cの第1端部1001(1001C)のレセプタクルコネクタ130に接続されるプラグコネクタ131と複数の電線133を介して電気的に接続されている。副基板100Bの第1端部1001(1001B)のレセプタクルコネクタ130に接続されるプラグコネクタ131は、複数の電線134と電気的に接続されている。副基板100Cの第2端部1002(1002C)のレセプタクルコネクタ130に接続されるプラグコネクタ131は、複数の電線135と電気的に接続されている。ただし、複数の電線134及び複数の電線135は、複数の第1LED11及び複数の第2LED12を点灯させるための電力を供給する電源装置の出力端子と電気的に接続される。つまり、LEDモジュール1においては、副基板100Bの第1端部1001Bのコネクタ13と、副基板100Cの第2端部1002Cのコネクタ13とが入力部に相当する。また、複数の電線132で接続されている2つのコネクタ13と、複数の電線133で接続されている2つのコネクタ13とが接続部に相当する。ただし、全てのコネクタ13が電源装置と直接電気的に接続される場合、全てのコネクタ13が入力部に相当する。基板10に実装されている複数の第1LED11及び複数の第2LED12は、入力部に相当するコネクタ13を介して供給される電力によって点灯する。なお、入力部及び接続部は、必ずしもコネクタ13でなくてもよい。入力部及び接続部は、例えば、基板10の表面に形成されるパッド(銅はく)であっても構わない。
上述のようにLEDモジュール1は、基板10の表面における第3領域S3に入力部又は接続部となる複数のコネクタ13を実装している。したがって、LEDモジュール1は、第1領域S1又は第2領域S2にコネクタ13を実装する構成と比較して、第1領域S1及び第2領域S2のLEDの実装スペースの減少を抑制することができる。その結果、LEDモジュール1は、第1領域S1又は第2領域S2にコネクタ13を実装する構成と比較して、照度均斉度の向上を図ることができる。
次に、基板10(副基板100)の構造、特に、表面の構造について更に詳しく説明する。図2は、複数の第1LED11及び複数の第2LED12と複数のコネクタ13が実装されていない状態の副基板100の正面図である。また、図3は、複数の第1LED11及び複数の第2LED12と複数のコネクタ13が実装された状態の副基板100の正面図である。
副基板100の第1領域S1には、複数対のパッド15A、15Bと、これら複数対のパッド15A、15Bを電気的に接続する導体14(14A)とが形成されている(図2参照)。複数対のパッド15A、15Bはそれぞれ、一対一に対応する複数の第1LED11のそれぞれが有している一対の電極(アノード電極及びカソード電極)と電気的に接続されている(図3参照)。つまり、複数対のパッド15A、15Bのそれぞれが第1パッドに相当する。また、副基板100の第2領域S2には、複数対のパッド15C、15Dと、これら複数対のパッド15C、15Dを電気的に接続する導体14(14B)とが形成されている(図2参照)。複数対のパッド15C、15Dはそれぞれ、一対一に対応する複数の第2LED12のそれぞれが有している一対の電極(アノード電極及びカソード電極)と電気的に接続されている(図3参照)。つまり、複数対のパッド15C、15Dのそれぞれが第2パッドに相当する。さらに、副基板100の第3領域S3には、複数のパッド15Eと、複数の導体14(14C)とが形成されている(図2参照)。複数のパッド15Eのうち、第1端部1001に形成されている一部のパッド15Eは、レセプタクルコネクタ130が有している複数の端子1300と一対一に対応して電気的に接続されている(図3参照)。複数のパッド15Eのうち、第2端部1002に形成されている別の一部のパッド15Eは、別のレセプタクルコネクタ130が有している複数の端子1300と電気的に接続されている(図3参照)。複数の導体14Cのうちの一部は、複数のパッド15Eのうちの一部と、第1領域S1における複数のパッド15A、15Bとを電気的に接続している(図2参照)。複数の導体14Cのうちの別の一部は、複数のパッド15Eのうちの別の一部と、第2領域S2における複数のパッド15C、15Dとを電気的に接続している(図2参照)。ここで、第3領域S3に形成されている複数の導体14Cは、第1領域S1に形成されている複数の導体14Aの一部及び第2領域S2に形成されている複数の導体14Bの一部と一体に形成されている(図2参照)。第3領域S3に形成されている複数の導体14Cは、熱の良導体である金属(銅はく)で形成されている。つまり、複数の導体14Cはそれぞれ、複数の導体14A及び導体14Bと、複数のパッド15A〜15Dとを介して、複数の第1LED11及び複数の第2LED12と熱的に接続されている。すなわち、複数の導体14Cが第1熱伝導体及び第2熱伝導体に相当する。LEDモジュール1は、複数の第1LED11及び複数の第2LED12が点灯中に発する熱を、第3領域S3に形成されている複数の導体14Cから放熱することができる。つまり、LEDモジュール1は、複数の第1LED11及び複数の第2LED12を実装していない基板10の第3領域S3に第1熱伝導体及び第2熱伝導体(複数の導体14C)を形成することで放熱を促進し、点灯中の複数の第1LED11及び複数の第2LED12の温度上昇を抑えている。
ところで、LEDモジュール1の基板10の形状は円環形状に限定されない。例えば、基板10の形状は正方形又は長方形であっても構わない。本実施形態に係る変形例1のLEDモジュール1Xを図4に示す。変形例1のLEDモジュール1Xの基板16は、概ね正方形状に形成されている。基板16の中央が円形に切り欠かれている。ただし、基板16は、複数枚(図示例では4枚)の副基板160に分かれている。ここで、4枚の副基板160はそれぞれ、概ね正方形状に形成されている。ただし、4枚の副基板160は全て同一の形状及び寸法に形成されている。各副基板160は、例えば、ガラス布基材エポキシ樹脂基板で形成されている。ここで、各副基板160において、基板16の中央に近い側を内側と呼び、基板16の中央から遠い側を外側と呼ぶ。
複数の第1LED11は、各副基板160の表面における内側に、内側から外側に向かってマトリクス状に並ぶように実装されている。複数の第2LED12は、各副基板160の表面における外側に、直線状に並ぶように実装されている。各副基板160の表面において、複数の第1LED11が実装されている領域が第1領域S1である。また、各副基板160の表面において、複数の第2LED12が実装されている領域が第2領域S2である。さらに、各副基板160の表面において、第1領域S1と第2領域S2の間の領域、すなわち、第1領域S1と第2領域S2とを隔てる領域が第3領域S3である(図4参照)。
各副基板160の第3領域S3に、複数(図示例では2つ)のレセプタクルコネクタ130が実装されている。各副基板160において、2つのレセプタクルコネクタ130はそれぞれ、各副基板160の表面に形成されている導体(銅はく)を介して、各副基板160の表面に実装されている複数の第1LED11及び複数の第2LED12と電気的に接続されている。
上述のように変形例1のLEDモジュール1Xは、基板16の表面における第3領域S3に複数のコネクタ13を実装している。したがって、変形例1のLEDモジュール1Xは、第1領域S1又は第2領域S2にコネクタ13を実装する構成と比較して、第1領域S1及び第2領域S2のLEDの実装スペースの減少を抑制することができる。その結果、変形例1のLEDモジュール1Xは、第1領域S1又は第2領域S2にコネクタ13を実装する構成と比較して、照度均斉度の向上を図ることができる。また、変形例1のLEDモジュール1Xは、第3領域S3に複数の導体を形成することにより、複数の第1LED11及び複数の第2LED12が点灯中に発する熱を、第3領域S3に形成されている複数の導体から放熱することができる。
続いて、本実施形態に係る変形例2のLEDモジュール1Yを図5に示す。変形例2のLEDモジュール1Yの基板17は、長方形状に形成されている。ただし、基板17は、複数枚(図示例では2枚)の副基板170に分かれている。ここで、2枚の副基板170はそれぞれ、長方形状に形成されている。ただし、2枚の副基板170は同一の形状及び寸法に形成されている。各副基板170は、例えば、ガラス布基材エポキシ樹脂基板で形成されている。ここで、各副基板170において、基板17の中央に近い側を内側と呼び、基板17の中央から遠い側を外側と呼ぶ。
複数の第1LED11は、各副基板170の表面における内側に、内側から外側に向かってマトリクス状に並ぶように実装されている。複数の第2LED12は、各副基板170の表面における外側に、直線状に並ぶように実装されている。各副基板170の表面において、複数の第1LED11が実装されている領域が第1領域S1である。また、各副基板170の表面において、複数の第2LED12が実装されている領域が第2領域S2である。さらに、各副基板170の表面において、第1領域S1と第2領域S2の間の領域、すなわち、第1領域S1と第2領域S2とを隔てる領域が第3領域S3である(図5参照)。
各副基板170の第3領域S3に、複数(図示例では2つ)のレセプタクルコネクタ130が実装されている。各副基板170において、2つのレセプタクルコネクタ130はそれぞれ、各副基板170の表面に形成されている導体(銅はく)を介して、各副基板170の表面に実装されている複数の第1LED11及び複数の第2LED12と電気的に接続されている。
上述のように変形例2のLEDモジュール1Yは、基板17の表面における第3領域S3に複数のコネクタ13を実装している。したがって、変形例2のLEDモジュール1Yは、第1領域S1又は第2領域S2にコネクタ13を実装する構成と比較して、第1領域S1及び第2領域S2のLEDの実装スペースの減少を抑制することができる。その結果、変形例2のLEDモジュール1Yは、第1領域S1又は第2領域S2にコネクタ13を実装する構成と比較して、照度均斉度の向上を図ることができる。また、変形例2のLEDモジュール1Yは、第3領域S3に複数の導体を形成することにより、複数の第1LED11及び複数の第2LED12が点灯中に発する熱を、第3領域S3に形成されている複数の導体から放熱することができる。
次に、本実施形態の照明器具9について、図6〜図11を参照して詳細に説明する。照明器具9は、図7に示すように、造営材(天井仕上げ材)に取り付けられる器具本体2と、器具本体2の前面(下面)に取り付けられるLEDモジュール1とを備えている。また、照明器具9は、絶縁部材4と、導光部材5とを備えることが好ましい。さらに、照明器具9は、電源ユニット3、レンズブロック6、カバー7、グローブ8を備えることが好ましい。なお、照明器具9は、住宅の天井に設置されている引掛シーリングボディに着脱可能に取り付けられる、いわゆるシーリングライトである。したがって、図7において、器具本体2からLEDモジュール1に向かう向きが下向きとなり、LEDモジュール1から器具本体2に向かう向きが上向きとなる。
器具本体2は、第1本体20と、第2本体21とを有している。第1本体20及び第2本体21はそれぞれ、鋼板などの金属板により、おおよそ円盤状に形成されている。第1本体20の中央に円形の孔200が上下方向に貫通している。第2本体21は支持台210を有している。支持台210は、円錐台形状に形成されて第2本体21の下面から下向きに突出している。支持台210の中央には長円形の孔211が上下方向に貫通している。また、支持台210における孔211の横に、窓212が開口している。第2本体21は、第1本体20の下面を覆うようにして第1本体20にねじ止めされる。すなわち、第1本体20と第2本体21とが結合されることによって器具本体2が構成されている。そして、器具本体2の内部に電源ユニット3が収納されている。
電源ユニット3は、電源装置30、取付台31、絶縁カバー32、ホルダ33を有している。電源装置30は、商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換してLEDモジュール1に供給するように構成されている。電源装置30は、例えば、力率改善回路、降圧型のDC・DCコンバータなどを有している。電源装置30は、半導体スイッチング素子、インダクタ、ダイオード、コンデンサ及び半導体スイッチング素子の駆動回路などの回路部品をプリント配線板に実装したプリント回路によって実現されることが好ましい。
取付台31は、合成樹脂のように電気絶縁性を有する材料により平板状に形成されている。取付台31には長円形の孔が上下方向に貫通している。取付台31の下面における孔の周囲に、下向きに突出する長円筒形状の隔壁310が設けられている。電源装置30は、取付台31の下面にねじ止めされて取り付けられる。
絶縁カバー32は、合成樹脂のように電気絶縁性を有する材料により取付台31よりも小さい平板状に形成されている。絶縁カバー32は、取付台31の下面に取り付けられた電源装置30を下方から覆うようにして取付台31に取り付けられている。つまり、絶縁カバー32は、下方から電気的かつ機械的に電源装置30を保護している。
ホルダ33は、引掛シーリングアダプタを支持する筒体330と、筒体330と一体に形成された固定板331とを有している。固定板331は、合成樹脂によって長円形の平板状に形成されている。固定板331の中央には円形の孔が貫通している。筒体330は、合成樹脂によって円筒形に形成されている。筒体330は、固定板331の下面における孔の周縁から下向きに突出するように固定板331と一体に形成されている。ホルダ33の固定板331は、取付台31にねじ止めされる。ホルダ33の筒体330は、固定板331が取付台31にねじ止めされている状態で隔壁310の内側に配置される。
電源ユニット3は、取付台31が第1本体20にねじ止めされることで第1本体20に取り付けられて器具本体2内に収納される。取付台31の隔壁310の下端が第2本体21の孔211に挿入される。ホルダ33の筒体330に引掛シーリングアダプタが挿入される。引掛シーリングアダプタは、天井に設置されている引掛シーリングボディに着脱可能に取り付けられる。器具本体2は、引掛シーリングアダプタに着脱可能に取り付けられる。つまり、器具本体2は、引掛シーリングアダプタを介して引掛シーリングボディに着脱可能に取り付けられ、引掛シーリングアダプタを介して引掛シーリングボディに支持される。また、電源ユニット3の電源装置30は、電線134、135を介してLEDモジュール1と電気的に接続される。ただし、引掛シーリングボディ及び引掛シーリングアダプタは従来周知であるから、詳細な構成の図示及び説明を省略する。
LEDモジュール1は、器具本体2、より詳しくは、第2本体21の支持台210に取り付けられる。支持台210は、図7に示すように、複数(図示例では6つ)のねじ孔213と、複数(図示例では6つ)の突起214とを有している。これらの突起214は、各副基板100に形成されている複数の第1位置決め孔102のうちの対応する1つとかん合する。LEDモジュール1は、3枚の副基板100のそれぞれの固定部101に挿通されるねじが、各固定部101と対応するねじ孔213に各別にねじ込まれることによって支持台210の下面に固定される。つまり、LEDモジュール1は、支持台210の下面において、第2本体21の孔211の周囲を全周に渡って囲んでいる。ただし、第2本体21の窓212は、各副基板100の第1端部1001と第2端部1002に形成されている切欠105の間から露出する。なお、この窓212には、電源ユニット3が備えている常夜灯及び赤外線受光素子が対向している。つまり、常夜灯の放射する光が窓212を通して器具本体2に下方に照射される。また、赤外線受光素子は、窓212を通して、赤外線式のリモートコントローラから送信される赤外線信号を受信することができる。なお、電源装置30は、赤外線受光素子で受信する赤外線信号に含まれるコマンドに応じて、LEDモジュール1を点滅、調光及び調色することが好ましい。
レンズブロック6は、円環状のベース60と、複数のレンズ61とを有している。複数のレンズ61は、ベース60の下面に同心円状に3重に並ぶように配置されている。ベース60と複数のレンズ61とは、ガラス又は透光性を有する合成樹脂(アクリル樹脂若しくはポリカーボネート樹脂)の成形体によって一体に形成されることが好ましい。ベース60は、内周縁から中心に向かって突出する2つの第1ラグ(first lug)62と、外周縁から外に向かって突出する6つの第2ラグ(second lug)63とを有している。2つの第1ラグ62には、円形の孔がそれぞれ厚み方向(上下方向)に貫通している。6つの第2ラグ63のそれぞれの上面には、円柱状の突起が上向きに突出している。6つの第2ラグ63の突起はそれぞれ、基板10(副基板100)に設けられている6つの第2位置決め孔103のうちの対応する1つとかん合する。つまり、レンズブロック6は、6つの第2ラグ63の突起を基板10の6つの第2位置決め孔103に一対一にかん合させることでLEDモジュール1と位置決めされる。レンズブロック6は、LEDモジュール1の基板10の第1領域S1に下から被さった状態で2つの第1ラグ62の孔にそれぞれ挿通された2本のねじによって器具本体2(第2本体21の支持台210)にねじ止めされる。そして、複数のレンズ61のそれぞれは、LEDモジュール1の複数の第1LED11のうちの対応する1つと上下方向に重なるように配置される。各レンズ61は、対応する1つの第1LED11から放射される光を集光するように構成されている。
導光部材5は、図7に示すように、導光パネル50と、ガイド部51と、複数(図示例では3つ)の取付片52とを有している。ただし、導光パネル50、ガイド部51及び複数の取付片52は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂によって一体に形成されることが好ましい。ガイド部51は、上から下に向かって開口径を徐々に大きくする円筒形、いわゆるラッパ形状(trumpet-shaped)に形成されることが好ましい。導光パネル50は、円環状に形成されている。導光パネル50の内周縁がガイド部51の下側の開口端(2つの開口端のうちの直径が大きい方の開口端)と繋がっている(図7及び図9参照)。すなわち、導光部材5は、基板10の厚み方向(上下方向)から見て第1領域S1及び第3領域S3から離れる向きに沿って第2領域S2の外側に突出する形状に形成されている(図8参照)。
導光パネル50の上面(あるいは上面と下面)には、多数の凹凸が形成されることが好ましい。導光パネル50から出射する光は、導光パネル50の上面(あるいは上面と下面)から出射する際に多数の凹凸によって拡散されることが好ましい。3つの取付片52は、ガイド部51の上側の開口端(2つの開口端のうちの直径が小さい方の開口端)から中心に向かって突出している。3つの取付片52は、ガイド部51の周方向に沿って等間隔に並んでいる(図7参照)。各取付片52の長手方向(周方向)の両端に、半円形の取付溝520がそれぞれ形成されている。また、各取付片52の上面における周方向の中央に、上向きに突出する円錐台形状の突起が形成されている。各取付片52の突起は、基板10(副基板100)に設けられている3つの第3位置決め孔104のうちの対応する1つとかん合する。導光部材5は、基板10を器具本体2(第2本体21)にねじ止めしている6本のねじが、3つの取付片52の各取付溝520に挿通されることによって、LEDモジュール1とともに器具本体2に取り付けられる。導光部材5のガイド部51の先端(上端)は、LEDモジュール1の複数の第2LED12と上下方向に対向している(図9参照)。したがって、複数の第2LED12から放射される光のほぼ全てが、ガイド部51の上端面(入射面)からガイド部51に入射する。ガイド部51に入射した光は、ガイド部51内を進行して導光パネル50に到達する。導光パネル50に到達した光は、導光パネル50内を進行しながら徐々に導光パネル50の外に出射される(図11参照)。
絶縁部材4は、図7に示すように、反射部40と固定部41とを有している。反射部40は、上から下に向かって開口径を徐々に大きくするラッパ形状に形成されることが好ましい。固定部41は、円環状に形成されている。固定部41の外周縁が反射部40の上側の開口端(2つの開口端のうちの直径が小さい方の開口端)と繋がっている(図7参照)。反射部40と固定部41とは、合成樹脂によって一体に形成されることが好ましい。反射部40は、可視光を透過させずに反射させるように構成されている。ここで、反射部40の2つの側面のうち、内側(LEDモジュール1の第1領域S1に臨む側)の側面を第1反射面401と呼ぶ(図9参照)。また、反射部40の2つの側面のうち、外側(LEDモジュール1の第2領域S2に臨む側)の側面を第2反射面402と呼ぶ(図9参照)。固定部41は、複数(図示例では6つ)のねじ挿通孔410を有している。これら6つのねじ挿通孔410は、図8に示すように、固定部41の周方向に沿って等間隔に並ぶように配置されている。また、固定部41の下面には、複数(図示例では3つ)の取付具42が周方向に等間隔に並ぶように固定されている(図7参照)。
絶縁部材4の固定部41は、6つのねじ挿通孔410のそれぞれに挿通されるねじが、各ねじ挿通孔410に対応して第2本体21の支持台210に設けられているねじ孔215にねじ込まれることによって支持台210に固定される。ただし、固定部41は、LEDモジュール1及び導光部材5の3つの取付片52を支持台210との間に挟むようにして支持台210に固定される(図9参照)。すなわち、導光部材5の3つの取付片52及び絶縁部材4の固定部41は、上下方向から見てLEDモジュール1の第3領域S3のみに重なるように配置されている(図9参照)。ここで、絶縁部材4の反射部40は、器具本体2(第2本体21)に取り付けられている状態において、均等な隙間を空けて導光パネル50の内周面と対向している。そして、第2LED12から放射されてガイド部51内を進行する光の一部がガイド部51の内周面側(図9における右側)に出射すると、反射部40の第2反射面402に反射されて再びガイド部51内に入射する。また、第1LED11から放射される光は、反射部40の第1反射面401に反射されるために導光部材5のガイド部51に入射することはない。つまり、絶縁部材4は、LEDモジュール1の複数の第1LED11と、複数の第2LED12とを光学的に絶縁している。
カバー7は、ポリスチレン樹脂などの合成樹脂により、下から上に向かって開口径を徐々に大きくするラッパ形状に形成されることが好ましい(図7参照)。カバー7の上側の開口端の直径は、器具本体2の外径とほぼ等しい。また、カバー7の下側の開口端の直径は、導光部材5のガイド部51の下側の外径とほぼ等しい。カバー7は、第2本体21の支持台210にねじ止めされることで器具本体2の下面に取り付けられる(図9参照)。すなわち、カバー7は、導光部材5のガイド部51の外周面と、器具本体2の下面(第2本体21の下面)とを覆うように構成されている。
グローブ8は、グローブ本体80と、結合部81とを有している。グローブ本体80は、図7に示すように、透光性を有する合成樹脂によって上面が開放された扁平な円筒形状に形成されている。結合部81は、透光性を有する合成樹脂によって、上から下に向かって開口径を徐々に大きくするラッパ形状に形成される。結合部81の上部の内周面には、複数(図示例では6つ)の突部82が設けられている(図7参照)。これら6つの突部82は、周方向に沿って等間隔に並ぶように配置されている。各突部82は、結合部81の上部の内周面から内向きに突出している。グローブ本体80の開口端が、結合部81の下側の開口端と繋がっている(図9参照)。なお、グローブ8は、グローブ本体80と結合部81を、例えば、接着又は熱溶着などの適宜の方法で接合して構成されることが好ましい。
次に、照明器具9の組立手順を説明する。組立作業を行う作業者は、電源ユニット3を取り付けた第1本体20に第2本体21をねじ止めして器具本体2を組み立てる。続いて、作業者は、器具本体2の支持台210に、LEDモジュール1、レンズブロック6、カバー7、導光部材5、絶縁部材4を順番にねじ止めして取り付ける。最後に、作業者は、絶縁部材4の内側に結合部81を挿入した後にグローブ本体80を回転させ、6つの突部82のうちの3つを、絶縁部材4に取り付けられている3つの取付具42のうちの対応する1つに引っ掛ける(図10参照)。つまり、グローブ8は、複数の取付具42を介して、着脱可能に器具本体2に取り付けられる(図6A及び図6C参照)。
ここで、絶縁部材4は、コネクタ13を収納する収納部411を有することが好ましい。収納部411は、図10に示すように、固定部41の一部を下向きに突出させるように箱形に形成されている。したがって、コネクタ13及びコネクタ13と電気的に接続されている電線132〜135は、収納部411に収納されることにより、絶縁部材4によって電気的かつ機械的に保護される。
照明器具9は、複数の第1LED11から放射される光をグローブ8で拡散させて下方に照射する(図11参照)。また、照明器具9は、複数の第2LED12から放射される光を導光部材5で導光し、導光パネル50の上下両面及び端面から出射させる(図11参照)。導光パネル50から出射される光は、照明器具9の下方だけでなく、天井面や壁面に照射される。ここで、照明器具9は、複数の第1LED11から放射される光と複数の第2LED12から放射される光を絶縁部材4によって光学的に絶縁することにより、それぞれの光で異なる配光特性を実現することができる。しかも、照明器具9は、絶縁部材4の固定部41を基板10の第3領域S3に配置しているので、絶縁部材4の固定部41によって基板10の表面の第1領域S1及び第2領域S2が減少することを防ぐことができる。さらに、照明器具9は、複数の第1LED11から放射される光の一部を絶縁部材4の第1反射面401で第1領域S1の方に反射することにより、複数の第1LED11から放射される光の利用効率の低下を抑えることができる。さらにまた、照明器具9は、導光部材5から出射する光の一部を絶縁部材4の第2反射面402で反射して導光部材5に戻すことにより、複数の第2LED12から放射される光の利用効率の低下を抑えることができる。
なお、照明器具は、変形例1のLEDモジュール1X又は変形例2のLEDモジュール1Yを備えていてもよい。変形例1のLEDモジュール1Xを備える照明器具は、器具本体、絶縁部材、導光部材、レンズブロック、カバー及びグローブをLEDモジュール1Xの形状(正方形)に対応した形状とすることが好ましい。変形例2のLEDモジュール1Yを備える照明器具は、器具本体、絶縁部材、導光部材、レンズブロック、カバー及びグローブをLEDモジュール1Yの形状(長方形)に対応した形状とすることが好ましい。
上述のようにLEDモジュール1、1X、1Yは、基板10と、基板10の表面に実装される複数の第1LED11及び複数の第2LED12とを備えている。(基板10の)表面は、複数の第1LED11が実装される第1領域S1と、複数の第2LED12が実装される第2領域S2と、第1領域S1と第2領域S2とを隔てる第3領域S3とを有している。第1領域S1は、複数の第1LED11のそれぞれが有する一対の電極と一対一に対応して電気的に接続される複数対の第1パッド15A、15Bが設けられている。第2領域S2は、複数の第2LED12のそれぞれが有する一対の電極と一対一に対応して電気的に接続される複数対の第2パッド15C、15Dが設けられている。第3領域S3は、複数対の第1パッド15A、15Bと熱的に接続されている第1熱伝導体(導体14C)と、複数対の第2パッド15C、15Dと熱的に接続されている第2熱伝導体(導体14C)とが設けられている。
LEDモジュール1、1X、1Yは上述のように構成されているので、第1熱伝導体及び第2熱伝導体(導体14C)により、複数の第1LED11及び複数の第2LED12の発する熱の放熱を促進させることができる。その結果、LEDモジュール1、1X、1Yは、従来例に比べて、LED(複数の第1LED11及び複数の第2LED12)の温度上昇を更に抑えることができる。
LEDモジュール1、1X、1Yにおいて、第1熱伝導体及び第2熱伝導体(導体14C)は、基板10の表面に形成されている銅はくであることが好ましい。
LEDモジュール1、1X、1Yが上述のように構成されれば、第1熱伝導体及び第2熱伝導体を導体14Cと兼用することで製造コストの削減を図ることができる。
また照明器具9は上述のように、LEDモジュール1、1X、1Yと、LEDモジュール1、1X、1Yを支持する器具本体2とを備えている。
照明器具9は上述のように構成されるので、従来例に比べて、複数の第1LED11及び複数の第2LED12の温度上昇を更に抑えることができる。
照明器具9において、基板10は、第3領域S3に設けられている固定部101によって器具本体2に固定されていることが好ましい。
照明器具9が上述のように構成されれば、第1領域S1又は第2領域S2に固定部を設ける構成と比較して、第1領域S1及び第2領域S2のLEDの実装スペースの減少を抑制することができる。
照明器具9は、複数の第1LED11と複数の第2LED12とを光学的に絶縁する絶縁部材4を備えることが好ましい。絶縁部材4は、器具本体2との間に基板10の第3領域S3を挟んで器具本体2に取り付けられていることが好ましい。
照明器具9が上述のように構成されれば、複数の第1LED11から放射される光と、複数の第2LED12から放射される光とを絶縁部材4によって光学的に絶縁することにより、それぞれの光で異なる配光特性を実現することができる。しかも、照明器具9は、絶縁部材4によって基板10の表面の第1領域S1及び第2領域S2が減少することを防ぐことができる。
照明器具9において、絶縁部材4は、第1領域S1に臨む第1反射面401と、第2領域S2に臨む第2反射面402とを有することが好ましい。第1反射面401は、複数の第1LED11から放射される光の一部を反射するように構成されていることが好ましい。第2反射面402は、複数の第2LED12から放射される光の一部を反射するように構成されていることが好ましい。
照明器具9が上述のように構成されれば、複数の第1LED11及び複数の第2LED12から放射される光の一部を第1反射面401及び第2反射面402で反射することにより、光の利用効率の低下を抑えることができる。
照明器具9は、複数の第2LED12から放射される光を導光する導光部材5を備えていることが好ましい。
照明器具9が上述のように構成されれば、複数の第2LED12から放射される光を導光部材5に導光させて様々な配光特性を実現することができる。
照明器具9において、導光部材5は、基板10の厚み方向(上下方向)から見て第1領域S1及び第3領域S3から離れる向きに沿って第2領域S2の外側に突出する形状に形成されていることが好ましい。
照明器具9が上述のように構成されれば、導光部材5によって複数の第2LED12から放射される光の照射範囲を拡げることができる。