JP5870030B2 - 改良型核酸定量法 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
〔技術分野〕
本発明は核酸を定量する方法に関し、特に、データをハウスキーピング遺伝子または注目している合成遺伝子に対して規格化する必要がない、遺伝子発現研究に用いる核酸を定量する改良された普遍的な方法に関する。この方法は、診断用途、法医学的用途、および、研究用途に適用可能であるが、本発明は、これらの特定の分野の用途に限定されるものではないことは理解されよう。
〔背景技術〕
本明細書全体を通じて、先行技術に関するいかなる議論も、当該先行技術が広く公知であると見なすべきではなく、当該分野の通常の一般的な知識の一部を構成すると容認するものであると見なすべきでもない。
遺伝子発現を定量するためのPCR技術は、急速なサーモサイクラーの開発、および、各サイクルの後の増幅生成物の蛍光モニタリング(リアルタイムPCR)の導入によって向上してきた。遺伝子発現の定量は、色素(特に、蛍光色素)を使用して、反応初期における試料中の核酸の量に比例して増加しつつある蛍光を、PCR増幅の対数期に検出することによって実施される。定量は、閾値サイクル、つまり、検出可能な蛍光を示す最初のサイクルに基づいて行われ、外部標準(通常は合成遺伝子)を用いて絶対的に実施することも可能であるし、比較用の規格化参照遺伝子を内部検量用試料(つまり、ハウスキーピング遺伝子)として用いて相対的に実施することも可能である。制御遺伝子(つまり、ハウスキーピング遺伝子)は、異なる試料間のmRNAレベルを規格化するために使用される。
遺伝子発現がたとえわずかに変化しても標的遺伝子の相対的定量プロファイルは変化してしまうので、選択した参照遺伝子が変動しないことが非常に重要である。ピペッティングおよび希釈の誤差も増幅レベルを変化させ、その結果、定量プロファイルを変化させる。
例えばグリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素(GAPDH)、ポルフォビリノーゲンデスアミナーゼ(PBGD)、β2−マイクログロビン、βアクチンなどの遺伝子が、リアルタイムPCRにおける内部検量用試料として使用されることが多い。ただし、これらの遺伝子は、実験条件または処理法に応じて変動(move)することが示されている。大量に発現する遺伝子(例えば、18S)も、反応を圧倒しないようにPCR条件を限定する必要があるので、理想的な参照遺伝子ではない。
したがって、適切なハウスキーピング遺伝子は、注目している組織中で十分に発現すべきであり、もっとも重要なことは、該ハウスキーピング遺伝子の発現が、採用する実験条件下または処理法において各試料間で非常に小さな変動しか示さないことである。
ただし、これらの制御遺伝子のうちの多くは、発現において容認できない程度の変動を示す。このような遺伝子の発現レベルには組織間または細胞間でばらつきがある可能性があり、ある環境下、つまり、異なる処理法では変化し得ることが示されている。したがって、新しい実験システムでは、どのシステムであっても、ハウスキーピング遺伝子を検証することが重要である。特定の実験システムにおける使用に適したハウスキーピング遺伝子または参照遺伝子を見つけ出すことは、時間のかかる困難な作業であることが多い。状況によっては、見つけ出すことが不可能なことすらある。
遺伝子発現研究において外部標準(つまり合成配列)を使用するには、一般に、注目している遺伝子をクローン化して、合成参照遺伝子を得ることが必要である。この方法では、既知量の合成参照遺伝子配列を連続的に希釈し、増幅して、検量線を作成する。この方法の場合のクローン化配列の生成は、一般に時間と手間がかかる作業であって、希釈の誤差が指数関数的に増幅され、この増幅が核酸レベルの不正確な評価を引き起こす可能性がある。大幅に希釈されたクローン化配列の安定性および保存も問題になり得る。
したがって、依然として、任意の実験環境または処理状態にも適用可能であるとともに、データを規格化するためにハウスキーピング遺伝子または注目している合成遺伝子を使用しなくてもよい、速く効率的に核酸を定量する普遍的方法を開発する必要がある。
本発明の目的は、上記先行技術の欠点のうちの少なくとも1つを解消または緩和すること、または、有用な代替物/方法を提供することである。
〔発明の概要〕
本発明は、一般的な広い意味では、核酸の発現データを規格化するためにハウスキーピング遺伝子または合成参照遺伝子を使用する必要がない、核酸を定量する方法に関する。換言すれば、本発明の方法は、普遍的な参照オリゴヌクレオチド(または、1つ以上のこのようなオリゴヌクレオチド)を適切な色素と組み合わせて使用する方法であって、この方法を用いて検量線が作成可能であり、さらに、この検量線からは、試料中の増幅済みの標的核酸の絶対レベルが算出可能である。したがって、本発明の方法は、注目している互いに異なる核酸を、同じ参照オリゴヌクレオチドを用いて、個別に、または、このような注目している核酸の混合物中において定量することができる。
本発明は、上記本発明の方法において使用するためのキットにも関する。
第1の態様では、標的核酸を定量する方法であって、以下のa)〜d)を含んでいる方法が提供される:
a)所定の長さを有する参照オリゴヌクレオチドを、検出可能なマーカーで標識する工程、
b)該標識された参照オリゴヌクレオチドの連続希釈物(serial dilutions)を用いて、該検出可能なマーカーの強度を標識された参照オリゴヌクレオチドの濃度に対してプロットすることによって検量線を作成する工程、
c)増幅される標的核酸を標識する検出可能なマーカーの存在下で、標的核酸を増幅する工程、
d)該標識が付された増幅された標的核酸に付随する該検出可能なマーカーの強度と該検量線とを比較して、該増幅された標的核酸の量を求める工程であって、該検量線は、増幅されず、該標的核酸との共増幅もされない工程
第2の態様では、標的核酸を定量する方法であって、以下のa)〜e)を含んでいる方法が提供される:
a)所定の長さを有する参照オリゴヌクレオチドを、検出可能なマーカーで標識する工程、
b)該標識された参照オリゴヌクレオチドの連続希釈物を用いて、該検出可能なマーカーの強度を標識された参照オリゴヌクレオチドの濃度に対してプロットすることによって検量線を作成する工程、
c)標的核酸を増幅する工程、
d)該増幅された標的核酸を、検出可能なマーカーで標識する工程、
e)該標識が付された増幅された標的核酸に付随する該検出可能なマーカーの強度と該検量線とを比較して、該増幅された標的核酸の量を求める工程であって、該検量線は、増幅されず、該標的核酸との共増幅もされない工程
上記参照オリゴヌクレオチドの配列は、上記標的核酸または任意のハウスキーピング遺伝子の配列に対していかなる相同性を有する必要はない。ただし、本発明の方法では、参照オリゴヌクレオチドを特定の様態で使用する(つまり、参照オリゴヌクレオチドの連続希釈にしたがって検量線を作成するために使用する)ので、上記参照オリゴヌクレオチドの配列は、標的核酸配列もしくはハウスキーピング遺伝子、または、これらの配列/遺伝子のより小さな部分に対して、ある程度の相同性または同一性さえをも有する可能性がある。本発明の有利な効果の1つは、上記方法が、同じ単一の参照オリゴヌクレオチドを利用して、異なる標的核酸を定量できることである。実際には、上記参照オリゴヌクレオチドは、特定の固定された長さおよびGC含有率を有する普遍的なオリゴヌクレオチド(通常、GC含有率が50%である100bpのオリゴヌクレオチド)であってもかまわない。
好ましくは、上記標的核酸の増幅をポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)によって実施する。通常、上記標的核酸は15サイクルよりも多いサイクルにて増幅されるが、このサイクル数は本発明の方法にとって必須要素ではない。注目している複数個の標的核酸を1回の反応で同時に増幅(つまり多重PCR)してもかまわない。
上記参照オリゴヌクレオチドは、標的核酸配列と同じまたは類似の長さを有していてもよいが、必ずしも有している必要はない。上記参照オリゴヌクレオチドは上記標的核酸よりも長くても、短くてもかまわない。好ましくは、単一の参照オリゴヌクレオチドを用いて単一の検量線を作成し、この検量線を使用して複数回の標的核酸の増幅および定量を実施する。所望であれば、この複数回の標的核酸の増幅および定量を、それぞれ異なるタイミングで実施してもかまわない。
好ましくは、上記検出可能なマーカーは、dsDNAに結合する色素であり、インターカレート色素であってもかまわない。好ましくは、該色素は蛍光色素である。上記使用される色素を、SYBRグリーンI、SYBRグリーンII、CYBRゴールド、エバグリーン(Evagreen)、オキサゾールイエロー、チアゾールオレンジ、ピコグリーン、TOTO、BEBO、または、Deep Purple(登録商標)のうちのいずれか1つから選択してもかまわない。ただし、他の適切な色素も使用することができ、当業者には既知であるように、色素の選択は必須要素ではない。好ましくは、上記色素の化学量論(dye stoichiometry)は1:1であるが、1:1よりも大きくてもかまわない。
第3の態様では、蛍光色素と1つ以上の参照オリゴヌクレオチドとを有している、第1の態様または第2の態様の方法に使用するためのキットが提供される。好ましくは、該キット中には、参照オリゴヌクレオチドが1つだけ存在する。複数のオリゴヌクレオチドが存在する場合には、各参照オリゴヌクレオチドの長さが同じであっても、異なっていてもかまわない。
第4の態様では、蛍光色素で標識された1つ以上の参照オリゴヌクレオチドを有している、第1の態様または第2の態様の方法に使用するためのキットが提供される。
第5の態様では、蛍光色素で標識された1つ以上の参照オリゴヌクレオチドの連続希釈物を有している、第1の態様または第2の態様の方法において使用するためのキットが提供される。
上記参照オリゴヌクレオチドの長さは、好ましくは60bpを超え、通常は約60bp〜約170bpの範囲である。もっとも好ましくは、上記参照オリゴヌクレオチドの長さは100bpであり、この長さの参照オリゴヌクレオチドを使用すれば、一般に長さが約60bp〜約210bpの範囲である標的核酸を定量することができる。上記参照オリゴヌクレオチドの長さの上限は必須要素ではなく、実使用時に検討すべきことに応じて決定され得る。
参照オリゴヌクレオチドのGC含有率は45%以上であることが望ましい。通常、参照オリゴヌクレオチドのGC含有率は、約45%〜約75%の範囲で選択されてよく、もっとも好ましくは50%である。GC含有率の上限は必須要素ではない。
上記参照オリゴヌクレオチドを、公知の手法を用いて、天然の生物学的ソースまたは天然ではない生物学的ソースから得てもよいし、合成して調製してもよい。
明らかに文脈と矛盾する場合を除いて、「...を備えている」、「...を含む」などの言葉は、記載および請求項全体を通して、排他的または網羅的とは反対の意味である包括的な意味、すなわち、「...を含めるが、これらの例に限定されない」という意味に解釈すべきものである。
〔図面の簡単な説明〕
図1は、15サイクルにわたる、複数の濃度における、標準とする参照オリゴヌクレオチドの蛍光を示している。各水平線が1つの濃度を表わしている。反応混合物において酵素が欠如していることによって、蛍光が多数のサイクルにわたって変化しないことが保証される。さらに、グラフは、変性およびアニーリングのサイクルを繰り返すことによって、参照オリゴヌクレオチド色素複合体の安定性および再現性が得られることを示唆している。
図2は、図1に示す蛍光データから作成された検量線を示している。
図3は、(ブラケットによって規定される)6つの遺伝子のサイクリング曲線を示している。各遺伝子が任意の3つの蛍光レベルf1、f2、f3(例えば、65、60、および、55)を達成するために必要なサイクル数が、このデータから得られる。
図4は、SHRラットの心臓における注目している5つの遺伝子の発現を示している。注目している各遺伝子の発現量は、参照オリゴヌクレオチド(白抜きバー)、参照オリゴヌクレオチド+20個の塩基対(ハッチング入りバー)、および、参照オリゴヌクレオチド+100個の塩基対(黒塗りバー)を用いて算出した。参照オリゴヌクレオチドの長さを長くしても、注目している遺伝子の発現量の計算に大きく影響しなかった。参照オリゴヌクレオチドを参照オリゴヌクレオチド+20個および100個の塩基対と比較すると、TNFα p=0.3946、TGFβ p=0.7151、Ang0 p=0.6158、CTGF p=0.4955、および、AT1a p=0.5589であった(ANOVA)。
図5は、WKYラットの心臓における、注目している5つの遺伝子の発現を示している。ラットは、ゼロ時間コントロール(14週齢、白抜きバー)、媒体を注入して4週間後のコントロール(18週齢、ハッチング入りバー)、および、VIP処理から4週間後(18週間、黒塗りバー)の3つの実験群に分けて高塩分の食事を与えられている。
図6は、3週間かけて作成した検量線を示している。参照オリゴヌクレオチドと色素との反応混合物は、実験から実験までの間、−20℃で凍結させて保存し、各実験に合わせて解凍し、再凍結した。作成した検量線は、経時的に、かつ、繰り返し凍結・再解凍しても安定していることが読み取れる。
図7A〜図7Fは、長さが70塩基対〜170塩基対、GC含有率が50%〜74%の5つの参照オリゴヌクレオチドを用いて、注目している6つの遺伝子(アンジオテンシノーゲン、TGFβ、TNFα、CTGF、At1a、および、NONO)を定量した結果を示している。これらの例に示す参照オリゴヌクレオチドは、長さ70塩基対、GC含有率50%のCTGF(CTGF70/50)、長さ73塩基対、GC含有率74%のCTGF(CTGF73/74)、長さ90塩基対、GC含有率50%のβアクチン(アクチン90/50)、長さ90塩基対、GC含有率50%のCTGF(CTGF90/50)、および、長さ170塩基対、GC含有率52%のCTGF(CTGF170/52)である。
図8A〜図8Fは、長さが50塩基対〜144塩基対、GC含有率が40%〜50%の4つの参照オリゴヌクレオチドを用いて、注目している6つの遺伝子(アンジオテンシノーゲン、TGFβ、TNFα、CTGF、At1a、および、NONO)を定量した結果を示している。これらの例に示す参照オリゴヌクレオチドは、アクチン144/40(長さが144塩基対、GC含有率が40%のβアクチン)、CTGF50/50(長さが50塩基対、GC含有率が50%のCTGF)、アクチン90/50(長さが90塩基対、GC含有率が50%のβアクチン)、および、CTGF90/50(長さが90塩基対、GC含有率が50%のCTGF)である。アクチン90/50に対しては、*p<0.005、**p<0.0005、CTGF90/50に対しては#p<0.01、##p<0.005、###p<0.001、および、####p<0.0005である。
図9Aは、SHRにおけるアンジオテンシノーゲン(AGT)、TGFβ、および、CTGFの発現に対する、VIPまたはエナラプリルを用いた処理の効果を示している。ゼロ時間コントロールは白抜きバー、媒体コントロールはハッチング入りバー、VIP注入は黒塗りバー、エナラプリルを用いた処理はクロスハッチング入りバーで示してある。VIPまたはエナラプリルを用いた処理を媒体コントロールと比較した場合において、*p<0.05、**p<0.025、***p<0.0005とする。VIPまたはエナラプリルを用いた処理をゼロ時間コントロールと比較した場合において、#p<0.001、##p<0.0005とする。
図9Bは、SHRにおけるNF κ B、TNFα、および、AT1a受容体の発現に対する、VIPまたはエナラプリルを用いた処理の効果を示している。VIPまたはエナラプリルを用いた処理を媒体コントロールと比較した場合において、*p<0.01、**p<0.0005とする。VIPまたはエナラプリルを用いた処理をゼロ時間コントロールと比較した場合において、#p<0.05、##p<0.0005とする。
図9Cは、SHRにおけるメタロプロテイナーゼおよびTIMPの発現に対する、VIPまたはエナラプリルを用いた処理の効果を示している。VIPまたはエナラプリルを用いた処理を媒体コントロールと比較した場合において、*p<0.025、**p<0.0005とする。VIPまたはエナラプリルを用いた処理をゼロ時間コントロールと比較した場合において、#p<0.01、##p<0.001、###p<0.0005とする。各値は、ラット数n=6に対して平均±平均値の標準誤差で表わした。
〔定義〕
本明細書中で使用される場合、「遺伝子」または「標的核酸」または「標的遺伝子」または「注目している遺伝子」または「注目している標的配列」または「注目している標的」または「注目している核酸」という用語/表現は、互換的に使用し、同一概念を指すものである。
「核酸」という用語は、単量体であるヌクレオチドの鎖から構成された分子を指す。本明細書中で使用される場合、この用語は、DNA、RNA、ならびに、これらの変異体および誘導体を包含するものとする。
本明細書中で使用される場合、「遺伝子」は、天然(例えば、ゲノム由来)の遺伝子であってもよく、合成遺伝子であってもよく、転写および/または翻訳制御配列、および/または、コード領域、および/または、非翻訳配列(例えば、イントロンや5’−および3’−非翻訳配列)を包含する。遺伝子のコード領域は、アミノ酸配列をコードしているヌクレオチド配列または機能を有するRNA(例えばtRNA、rRNA、触媒RNA、siRNA、miRNA、または、アンチセンスRNAなど)であってもかまわない。「遺伝子」という用語は、コード領域(例えば、エクソン)に対応するcDNAをも包含することがあり、このコード領域には、そこに繋がる5’−非翻訳配列または3’−非翻訳配列が随意的に含まれる。さらに、遺伝子は、コード領域、および/または、そこに繋がる5’−非翻訳配列もしくは3’−非翻訳配列の全て、または、その一部を含む、インビトロで生成される増幅された核酸分子であってもかまわない。
核酸配列の「増幅」は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)でうまく達成されることもあるが、別の適切な方法(例えば、リガーゼ連鎖反応)で達成されてもかまわない。本明細書の場合には、「ポリメラーゼ連鎖反応」という用語、および、「PCR」というその略称は、当業者が理解する通常の意味にしたがって使用される。PCR法の例は、一般的な分子生物学の教科書や当該技術分野において使用される参照用手引きに記載されている。一例としては、PCR Technology: Principles and Applications for DNA Amplification (1989) Ed H A Erlich. Stockton Press, New Yorkがあげられる。PCR増幅を最適化するためには、プライマーを異なる濃度および比で使用すればよい。これらの変数およびその他の変数の選択は、当業者であれば理解および実施できるはずである。
本発明の場合の「増幅産物」とは、例えばPCRまたはリガーゼ連鎖反応によって実施される増幅反応によって形成される、DNAまたは核酸生成物の一部を指す。場合によっては、増幅産物は、「標的核酸」または「注目している遺伝子」または「注目している核酸」などの生成物であってもかまわない。
「プライマー」は、「オリゴヌクレオチド」と互換的に使用し、天然由来のものであってもよく、合成されたものであってもよく、または、これらを修飾したものであってもよく、鋳型分子において、特定のヌクレオチド配列に対して十分に相補的なヌクレオチドの合成の開始点として作用し得る。
本発明において、「参照オリゴヌクレオチド」または「参照核酸配列」または「普遍的な参照オリゴヌクレオチド」とは、核酸(好ましくは二重鎖DNA)であり、検量線の作成において有用、または、注目している標的核酸の定量に対して別の態様で適切な、任意の適切なサイズの核酸を包含する。したがって、参照オリゴヌクレオチドはポリヌクレオチドであってもかまわないが、ポリヌクレオチドよりも短い配列であってもかまわない。適切な参照オリゴヌクレオチドの特性について、本明細書中に記載する。
参照オリゴヌクレオチドは、全体が合成されたものであってもよく、適切なサイズの核酸を参照オリゴヌクレオチドとして得るために適切な制限酵素を用いて天然由来のDNAから得られるものであってもよい。
適切な大きな量を得るために、参照オリゴヌクレオチドを、増幅反応(例えば、PCRまたはリガーゼ連鎖反応)を利用して増幅してもよく、微生物において組換えて発現させて使用前に精製してもよい。参照オリゴヌクレオチドのサイズに問題がなければ、参照オリゴヌクレオチドを合成手段によって多量に調製してもかまわない。
「ハウスキーピング遺伝子」は、通常、基本的な細胞機能を維持するために必要な構成遺伝子である。このような遺伝子は全ての細胞において見られる。比較的一定のレベルで発現するハウスキーピング遺伝子もあるが、使用される実験条件によって発現量にばらつきがあるハウスキーピング遺伝子もある。
「検量線」とは、定量研究に用いるツールであって、物質(例えば、DNAやタンパク質)の絶対濃度を求めるために使用される、アッセイのデータをプロットする1つの方法である。
本発明において、「定量(化)」とは、物質(本発明の場合であれば、「注目している標的遺伝子」)の絶対量を検出することを意味する。
「連続希釈」とは、物質(例えば、核酸)の濃度範囲をカバーする検量線を作成するために必要な任意の形態の希釈を指し、「標的核酸」の量はこの検量線から定量することができる。
本発明において、「dsDNA」とは二重鎖DNAを指し、「bp」とは塩基対を指し、「dNTP」とはデオキシヌクレオチド三リン酸を指し、「RNA」とはリボ核酸を指し、「tRNA」とはトランスファーRNAを指し、「rRNA」とはリボソームRNAを指し、「siRNA」とは低分子干渉RNAを指し、「miRNA」とはマイクロRNAを指し、「mRNA」とはメッセンジャーRNAを指し、「cDNA」とは相補DNAを指す。
核酸配列(例えば、プライマー)の「GC含有率」は、融解温度(Tm)を含めたプライマーの各種特性に対して作用する。
〔本発明の好適な実施形態〕
本発明は、動物/ヒトのコントロール群および処理群において核酸の発現を定量するための高精度かつ効率的な手段が存在しないことが開発の動機となっている。本発明は、さらに、遺伝子発現研究に使用される既知のハウスキーピング遺伝子は、大部分が実験条件または処理に応じて変動し、したがって、結果に狂いが生じることも動機となって開発された。
本発明の1つの有利な効果は、記載の方法が、データを規格化して遺伝子発現を定量するために使用されるハウスキーピング遺伝子または合成参照遺伝子を不要にしてしまうことである。本発明のもう1つの有利な効果は、標的核酸の増幅(通常PCRによって増幅するが、その他の方法を使用して増幅してもかまわない)が、遺伝子発現研究に用いる通常の30程度のサイクル数ではなく、少ないサイクル数(例えば15サイクル)で実施可能であり、したがって、定量アッセイに使用するために十分な量の標的核酸が提供できる一方で、アッセイの時間およびコストを大幅に削減できることである。
本明細書中に記載する新規な取り組みでは、色素を所定の長さの参照オリゴヌクレオチドと組み合わせて使用して、検量線を作成する。なお、この参照オリゴヌクレオチドは、好適には注目している標的核酸とは無関係であってもよいが、注目している遺伝子と類似または同一であってもよい。検量線は、本発明に係る蛍光標識された参照オリゴヌクレオチドを連続的に希釈し、蛍光色素の強度レベルを標識された参照オリゴヌクレオチドの濃度に対してプロットすることによって作成される。上記検量線の作成には、参照オリゴヌクレオチドの増幅が不要である。これは、試験試料とハウスキーピング遺伝子/合成参照遺伝子との両方を、別々にまたは組み合わせて1つの反応混合物として増幅する、遺伝子発現を評価する現在の方法とは対照的である。
検量線を一旦作成すれば、必要であれば、その同じ検量線を何度も使用して、注目している複数の標的核酸を定量可能である。検量線の作成に使用する希釈参照オリゴヌクレオチド溶液は、経時的に(例えば約1ヶ月間)、かつ、溶液を繰り返し凍結・解凍しても安定している。これにより、実験を行う任意の必要が生じる前に参照オリゴヌクレオチド溶液を調製および保存できるようになる。
上記参照オリゴヌクレオチドは完全な合成配列であってもよく、増幅配列(例えば、PCRで生成した配列)であってもよく、天然の供給源から単離した大きな核酸の一部である適切なサイズの制限断片であってもよい。本発明の方法において使用する参照オリゴヌクレオチドは、いわゆる「ハウスキーピング遺伝子」または「合成参照遺伝子」ではない。つまり、本発明の参照オリゴヌクレオチドを、注目している遺伝子とともに増幅する必要はない。
異なる長さの標的核酸を定量するための検量線を作成するために、異なる長さの参照オリゴヌクレオチドを設計することが望ましいこともあるが、これは、本発明の方法にとって必須要素ではない。本発明の特定の1つの有利な効果は、参照オリゴヌクレオチドよりも長いまたは短い、互いに異なる核酸配列を有する標的核酸を定量する検量線において、特定の固定された長さの単一の参照オリゴヌクレオチドが使用可能であることである。
上記参照オリゴヌクレオチドの長さは、望ましくは、60bpを超え、通常は約60bp〜約170bpの範囲(つまり約60bp、70bp、80bp、90bp、100bp、110bp、120bp、130bp、140bp、150bp、160bp、または、約170bp)であり、これらの長さであれば、長さが約80bp〜約210bp、通常は約80bp〜約150bpの範囲の標的核酸を定量するために使用可能である。さらに、この範囲の長さを有する任意の参照オリゴヌクレオチドを使用して、この範囲の長さを有する任意の1つ以上の標的核酸生成物を定量することができる。標的配列は、上記方法を用いる人によって注目されている核酸(または、注目している複数の核酸)として選択されるのであるから、本発明の方法にとって、標的配列の長さは本質的なことではないことが理解されよう。
参照オリゴヌクレオチドの長さの上限は必須要素ではなく、実際の使用時に検討すべきことに応じて決定されればよい。したがって、所望であれば、170bpよりも大きな(例えば、約170bp〜180bp、180bp〜200bp、200bp〜220bp、220bp〜240bp、240bp〜260bp、260bp〜280bp、280bp〜300bp、300bp〜320bp、320bp〜340bp、340bp〜360bp、360bp〜380bp、380bp〜400bpなどの長さの)参照オリゴヌクレオチドを本発明の方法に使用してもよく、これらの構成であっても、標的核酸の定量に対して悪影響を及ぼすことがない。
上記参照オリゴヌクレオチドのGC含有率は45%以上であることが望ましい。GC含有率の上限は必須要素ではない。したがって、GC含有率が75%の参照オリゴヌクレオチドでも、GC含有率がこれより低い参照オリゴヌクレオチドと同様の結果が得られた。通常、参照オリゴヌクレオチドのGC含有率は、約45%〜約75%の範囲で選択されればよい(例えば、約45%、50%、55%、55%、60%、65%、70%、または、約75%から選択されればよい)。
上記参照オリゴヌクレオチドの配列は、上記標的核酸または任意のハウスキーピング遺伝子配列に対していかなる相同性を有する必要はない。ただし、本発明の方法では参照オリゴヌクレオチドを特定の様態で使用する(つまり、参照オリゴヌクレオチドの連続希釈にしたがって検量線を設定するために使用する)ので、上記参照オリゴヌクレオチドの配列は、標的核酸配列もしくはハウスキーピング遺伝子、または、これらの配列/遺伝子のより小さな部分に対して、ある程度の相同性または同一性さえも有する可能性がある。本発明の有利な効果の1つは、上記方法が、同じ参照オリゴヌクレオチドを利用して、異なる標的核酸を定量できることである。実際には、上記参照オリゴヌクレオチドは、特定の固定された長さおよびGC含有率を有する普遍的なオリゴヌクレオチド(通常、GC含有率が50%である100bpのオリゴヌクレオチド)である。測定される通常の遺伝子(核酸)サイズの範囲を全て定量できるように、上述の範囲にある少なくとも3つの異なる参照オリゴヌクレオチドをキットに含めてもかまわない。
参照オリゴヌクレオチドを、適切なサイズの断片を得るために制限酵素を用いて生物学的供給源(天然由来でも、そうでなくてもよい)から得るのであれば、GC含有率は、当業者に周知の標準的な分子生物学的手法を用いて決定可能であって、適切なサイズの断片を選択し決定する単純な分析的手順を超える作業は不要である(Sambrook et al. Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed. (1989) Cold SpringHarbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.)。さらに、合成参照オリゴヌクレオチドも使用可能である上に便利であり、例えば、Sambrook et al. Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed. (1989) Cold SpringHarbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.、および、Roe et al. DNA Isolation and Sequencing’’(Essential Techniques Series) (1996) John Wiley & Sons, Inc., N.Y.に記載の公知の手法で単純に調製できる。合成参照オリゴヌクレオチドの所望の長さおよびGC含有率は、合成時に容易に選択可能である。
本発明の方法は、蛍光プローブ(色素)との使用に限らず、インターカレート色素との使用にも適している。インターカレート色素の場合には、参照オリゴヌクレオチドの長さは、参照オリゴヌクレオチドの長さが60bp以上である限り、所定の参照オリゴヌクレオチドの濃度に対する蛍光強度に影響することがない。蛍光強度に影響する参照オリゴヌクレオチドの長さの上限は、存在しないと考えられる。この結果、異なる長さ、GC含有率、および/または、ヌクレオチド配列を有し得る、注目している任意の個数の標的核酸配列に対して、1つの参照オリゴヌクレオチドを標準品として使用して差し支えない。蛍光プローブの場合には、同一のフルオロフォアを使用する限り、連続的に試験される多数の標的核酸に対して、同一の参照オリゴヌクレオチドを使用してもかまわない。別の構成としては、マルチプレックス・rt−PCR法による生成物を定量するフレームワークを得るために、1つの参照オリゴヌクレオチドを用いる一方で複数の異なるフルオロフォアを用いて、複数の検量線を作成してもかまわない。
したがって、本発明の方法は、ハウスキーピング遺伝子を増幅し、ハウスキーピング遺伝子または合成参照遺伝子のアッセイを常に稼動させて、実験をするたびに核酸の発現データを規格化することを不要にするので、好適である。1つの検量線を作成すれば、これをある期間にわたって使用し、サイズおよび配列の異なる可能性がある注目している複数の標的核酸を定量することができ、これによって、従来の遺伝子発現アッセイに比べてコストおよび時間が削減される。
本発明の方法は、参照オリゴヌクレオチドの検量線に関する情報を、コンピュータをベースにしたシステムに、注目している標的核酸の増幅を開始する前に保存し、増幅反応の試料をある時間的間隔で採取または蛍光の増加を経時的に(リアルタイムで)モニタリングし、この情報を上記保存しておいた検量線情報と関連付けることによって、自動化、さらに、標的核酸の増幅および定量のリアルタイムでのモニタリングにも役立つ。上記方法をこのような形態で実施する場合、検量線を周期的に(例えば1週間に1度または1ヶ月に1度)作成してもよく、さらに、新しい検量線を作成しなくても注目している標的核酸をある期間にわたって定量できるように、この情報を保存および使用してもよい。
本発明の方法およびキットは、分析室や研究室で一般に見られ、通常長さが80bp〜150bpの範囲であってGC含有率が30%〜60%である、遺伝子(核酸)生成物を有する注目している遺伝子(核酸)を、単一の参照オリゴヌクレオチドを用いて定量するために、好適に使用可能である。さらに具体的には、本発明の方法およびキットは、長さが60bpを超え、GC含有率が35%を超える核酸生成物を、(好ましくは、長さが100bp、GC含有率が50%の)単一の参照オリゴヌクレオチドを用いて定量する際に有用である。したがって、該キットの好ましい形態は、このような参照オリゴヌクレオチドまたはその連続希釈物と、注目している核酸について反応において使用される、色素またはその他の適した検出可能な標識とからなる。別の構成としては、該キットは、色素またはその他の適したマーカーで標識された参照オリゴヌクレオチド、または、このような標識された参照オリゴヌクレオチドの連続希釈物と、注目している核酸に標識するために使用される色素またはマーカーとを含む。
本発明の方法において使用する検量線を作成するための一般的な指針として、参照オリゴヌクレオチドを、注目している遺伝子に対して使用される反応バッファと同じ反応バッファを用いて連続的に繰り返し希釈し、反応用チューブごとに最終的な量(例えば、約0.01pmol〜約10pmolの範囲であるが、これより狭い範囲であっても、広い範囲であってもかまわない)の参照オリゴヌクレオチドを得る。これによって、標準(参照)曲線を上述のように作成できるようになる。参照ヌクレオチドの濃度の範囲は、上記要件に応じて単純な試行錯誤によって求められる。次に、例えば蛍光色素などの検出可能なマーカー(注目している遺伝子に対して使用されるマーカーと同じマーカーであり、注目している遺伝子反応に対して使用される量と同じ量)が、各反応用チューブに添加される。通常、上記反応用チューブは、リアルタイムrt−PCR装置内で15サイクルを経る(所望であればサイクル数を増やしてもかまわない)。なお、サイクリング条件は、注目している遺伝子に対して適用されるサイクリング条件を反映したものである。したがって、注目している遺伝子に対する初期の変性条件が、例えば、94℃および2分間であれば、(検量線を作成するために使用される)上記参照オリゴヌクレオチドの連続希釈物を収納するチューブは、94℃で2分間の初期変性を受ける。そして、次の15サイクルは、注目している遺伝子に対する15サイクルに相当する。したがって、注目している遺伝子のサイクリング条件が、例えば、95℃で30秒間の変性を実施した後に、60℃で30秒間のアニーリングを実施することを含むのであれば、上記参照オリゴヌクレオチドの連続希釈物を収納するチューブも、95℃で30秒間のサイクル(変性)、および、60℃で30秒間のサイクル(アニーリング)を経る。蛍光色素を標識またはマーカーとして使用すれば、図1および図2に示すように、各アニーリング段階において蛍光を得ることができる。そして、核酸(例えば、DNA)量に対する蛍光の標準(参照)曲線を、本明細書中に記載するように作成する。
本発明について例をあげて記載してきたが、変更および修正を加えても、本発明の技術的範囲から逸脱するものではないことは理解されるべきである。さらに、特定の特徴点に対する公知の等価物が存在する場合、このような等価物は、本明細書において具体的に参照されているかのごとく組み込まれる。
〔実施例〕
〔実施例1〕
<計算>
rt−PCRでは、複製効率が100%であり、各サイクルにおいて遺伝子の全ての複製物が複製されると仮定すれば、所定のサイクル数(c)の後に存在する注目している遺伝子の量(R)は、PCR増幅の開始時に存在する該遺伝子の量(n)に再現可能な形式で関連している。
R=n×2
n=時刻0において存在する複製物の個数
c=所定の蛍光でのサイクル数 R=cサイクル後に存在する複製物の個数
効率が100%未満であり、各サイクルにおいて遺伝子の全ての複製物が複製されるわけではないと仮定すれば、この複製効率の減少を考慮して、上式を次のように修正する。
R=n×e
e=複製効率
c=所定の蛍光でのサイクル数
R=cサイクル後に存在する複製物の個数。
〔実施例2〕
<参照オリゴヌクレオチドの調製>
引用した実施例では、参照オリゴヌクレオチドを生成するために、結合組織増殖因子(CTGF)に対応するRNAを使用しているが、標準規格として使用するための参照オリゴヌクレオチドが、任意の遺伝子またはコードDNAもしくは非コードDNAに対応するRNAから生成可能であることは理解されるべきである。
高血圧自然発症ラット(SHR)の心臓組織から得たCTGF遺伝子のセグメントを以下のように増幅することによって、長さが70塩基対、90塩基対、および、170塩基対の参照オリゴヌクレオチドを調製した。
(1)RNA抽出
SHRラットから組織を収集し、フェノールおよびグアニジンイソチオシアネートを利用する方法(Chomczynski and Sacchi 1987)に修正を加えた方法を用いて全RNAを抽出した。液体窒素で凍結させたSHRの心臓を、Mixer Mill MM300(Retsch GmbH社、ドイツ)で均質化した。1.5mLのSafe−Lock型マイクロ試験チューブ(Eppendorf Biopur社、ハンブルグ、ドイツ)に仕込んだ1mLのトリゾール試薬(Invitrogen社)に、Tungsten Carbide Beads 3mm(Qiagen社)とともに、各100mgずつの低温貯蔵試料を添加し、30Hzの振動数で粉砕した。続いて、製造者(Invitrogen社)の推奨にしたがってRNAを抽出した。RNAを得るために試料を破砕(disrupt)した後、200mLのクロロホルム(Lab−Scan Analytical Sciences、Lomb Scientific社、Taren Point、NSW、オーストラリア)を添加して相分離を進めた。試料を15秒間手で激しく振り、室温(23℃〜30℃)で5分間インキュベーションし、その後、Sigma 1−15PK centrifuge (John Morris Scientific社、Chatswood、NSW、オーストラリア)を用いて、12,000rpm(13,201g)、4℃で、20分間(ブレーキはオフ)遠心分離を実施した。上部の水相を300mL収集して新しい1.5mLのエッペンドルフチューブに入れ、事前に冷却しておいた500mLのプロパン−2−オール(イソプロパノール)(Lab−Scan Analytical Sciences、Lomb Scientific社、Taren Point、NSW、オーストラリア)を添加し、試料を手で数回転倒混和した。この混合物を室温で10分間インキュベーションして、RNAを沈殿させた。12,000rpm、4℃で20分間遠心分離(John Morris Scientific社、Chatswood、NSW、オーストラリア)することによって、ペレットを形成した。上清を捨て、そして、ジエチルピロカーボネート(DEPC)で(Sigma−Aldrich社、Castle Hill、NSW、オーストラリア)で希釈した75%(v/v)の絶対分子グレード(absolute molecular grade)のエタノール(Lab−Scan Analytical Sciences、Lomb Scientific社、Taren Point、NSW、オーストラリア)を1mL用いて、ペレットを洗浄し、10,000rpm、4℃で10分間遠心分離にかけた(John Morris Scientific社、Chatswood、NSW、オーストラリア)。ペレットを収集して、ドラフト中で数分間空気乾燥させ、次に、DEPCで処理したMilli−Q水に溶解させ、−80℃で保存した。全RNA濃度を、Nanodrop 1000(Nd−1000、Thermo Scientific社)を260nm(A260)で用いて、分光光度計による吸光度によって決定した。A260:A280の比が約2.0であれば、RNAの純度は十分であるとみなした。
(2)デオキシリボヌクレアーゼ1(DNase−1)による処理
逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)に先立って、RNAの試料をDNase−1(Invitrogen社)を用いて処理し、二重鎖DNAおよび一本鎖DNAを取り除いた。DNaseもRNaseも含まない0.5mLのエッペンドルフチューブにおいて、1ユニット/μLのDNase−1および1μLの10X DNase−1の反応バッファを用いて、DEPCで処理した水で10μLの総容積にした中で最大で1μgまでのRNAを消化させた。試料を室温で15分間インキュベーションし、その後、溶液混合物中での25mMのEDTA(1μL)によるカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンのキレート化、ならびに65℃での10分間の加熱によってDNase−1を不活性化した。試料を氷の上に載せて冷却し、−80℃で保存した。混合物の全ての成分はDNase−1キット(Invitrogen社)において供給された。
(3)RNAの質および濃度の評価
DNase−1で処理したRNAの試料を、マイクロチップ自動電気泳動器MCE−202 MultiNA(Shimadzu Biotech社、Rydalmere、NSW、オーストラリア)で、リボソームRNA(rRNA)の18Sサブユニットおよび28Sサブユニットの純度、サイズ、および、濃度について分析した。なお、全てのステップを製造者の推奨にしたがいながら、わずかな修正を加えて実施した。簡潔に記すと、各試料(3μL)を、96ウェルを有するプレートにおいて等しい体積の内部RNAマーカー(internal RNA marker)(Shimadzu Biotech社、Rydalmere、NSW、オーストラリア)と混合し、粘着性PCRアルミニウム箔(Thermo Scientific社、Integrated Sciences、NSW、オーストラリア)で封止した。上記RNAを濃度およびサイズが既知の内部標準マーカー(より低分子のサイズマーカーおよびより高分子のサイズマーカー(lower and upper molecular size markers))とともに用いることで、電気泳動の結果を自動的に補正し、RNAの試料について自動的にサイズの予測および定量を行う。RNA−6000ラダー(Applied Biosystems社、Victoria、オーストラリア)を、DEPCで処理した水で1:5の比(v/v)に希釈し、次に、この混合溶液をRNAマーカー溶液と1:1(v/v)で混合した。試料およびラダーの混合物をどちらも65℃で5分間熱変性させ、すぐに氷の上に載せて5分間冷却した。このサイズ範囲の分離は、MultiNAのマイクロチップ(Shimadzu Biotech社、Rydalmere、NSW、オーストラリア)において、TE(10mMのTris−HCl、1mMのEDTA二ナトリウム、pH値8.0)(Sigma−Aldrich社)および20%(v/v)のホルムアミド(Invitrogen社)で1:99に希釈した蛍光性挿入色素10,000X SYBRグリーンII(Invitrogen社)を含有するRNA Separating Buffer(Shimadzu Biotech社、Rydalmere、NSW、オーストラリア)中で実施した。
(4)逆転写
SuperScript III First−Strand Synthesis SuperMixキット(Invitrogen社)のMoloney−Murine Leukaemia Virus Reverse Transcriptase(M−MLV RT)を製造業者の指示にしたがって用いて、第1鎖相補DNA(cDNA)を一本鎖RNA鋳型から合成した。全ての反応を0.2mLの薄壁型エッペンドルフチューブの中で実施した。また、全てのインキュベーションステップをRotor−Gene6000(Corbett Research社、Sydney、オーストラリア; Qiagen社)を用いて実施した。最大で5μgまでの全RNAを、1μLの50μMのオリゴ(dT)20および1μLのアニーリングバッファを用いて、総容積が8μLのDEPCで処理した水中で65℃で5分間熱変性させた。試料を氷の上に載せて少なくとも1分間冷却し、その後、10μLの2X First−Strand Reaction Mixおよび2μLのSuperScript III/RNaseOUT Enzyme Mixに添加した。試料を短時間ボルテックスして混合し、そして、パルス回転によって収集し、次に、50℃で50分間インキュベーションして、cDNAを合成した。RT酵素を85℃で5分間変性させて反応を終了させ、試料をすぐに氷の上に載せて冷却し、−20℃で保存した。DNAの混入がないことを検証するために、RT酵素もRNAも用いないネガティブコントロール用試料を一緒に用いた。
(5)プライマー
長さが70bp、90bp、および、170bpのPCR生成物を生成するプライマー対を、結合組織増殖因子(CTGF)に対応するラットのmRNA(受託番号AB023068)についてNCBI GenBankによって報告されている配列に基づいて設計した。このプライマー配列(プライマーの配列自身が21〜24個の塩基の長さである)を委託して(Invitrogen社)脱塩凍結乾燥生成物として合成した。TE(10mMのTris−HCl、pH値8.0、1mMのEDTA)(Invitrogen社)を用いて、上記プライマーの濃度を50μMにし、−20℃で保存した。
Figure 0005870030
(6)PCR
各プライマーのセットを固定量のエバグリーンに結合するdsDNAの異なる濃度を決定できるように設定して、SHRの心臓に対してPCRを実施した。このPCRにおいて使用する全ての試薬は、Invitrogen社からキットの一部として、または、個別に購入した。10X PCRバッファ(5μL)、10mMのdNTP混合物(1μL)、50mMのMgCl(1.5μL)、10μMのプライマー対混合物(各2μL)、Platinum Taq DNAポリメラーゼ(0.2μL)、および、DEPCで処理した水(39.3μL)を含有する全体で50μLの反応混合物において、1μLのcDNAを増幅した。PCRは、Rotor−Gene6000(Corbett Research社、Sydney、オーストラリア; Qiagen社)を用いて実施した。増幅条件は、最初に94℃で2分間変性、95℃で10秒間の変性を30サイクル〜35サイクル、60℃で20秒間のアニーリング、および、72℃で20秒間の合成である。cDNAを用いないネガティブコントロールを、全ての実験時に一緒に用いた。
(7)PCR生成物の濃度
最大で4μLまでのプールしておいたPCR生成物を、DNAを濃縮するためのセルロース膜である、30K Amicon Ultra−4フィルタユニット(Millipore社、North Ryde、NSW、オーストラリア)、に追加し、スウィンギングバケットローター、Sigma 2−16PK(John Morris Scientific社、Chatswood、NSW、オーストラリア)を用いて、5000rpm(4025g)、22℃で10分間遠心分離にかけた。濃縮溶質をフィルタユニットの底部において収集し、次のPCRに備えて−20℃で保存した。
(8)DNAサイズの確認および定量
濃縮PCR生成物を、マイクロチップ自動電気泳動器MCE−202 MultiNA(Shimadzu Biotech社、Rydalmere、NSW、オーストラリア)で分析し、バンドサイズおよび濃度の確認を行った。全てのステップを製造者の指示にしたがいながら、わずかな修正を加えて実施した。簡潔に記すと、濃縮PCR生成物を、DEPCで処理した水で希釈した1/10(v/v)希釈物(6μL)を、96ウェルを有するプレートの各ウェルに加え、粘着性PCRアルミニウム箔(Thermo Scientific社、Integrated Sciences、NSW、オーストラリア)で封止した。10,000X SYBRゴールド(Invitrogen社)からなるDNA−500 Separation Buffer(Shimadzu Biotech社、Rydalmere、NSW、オーストラリア)を、TE(10mMのTris−HCl、1mMのEDTA二ナトリウム、pH値8.0)(Sigma−Aldrich社)で1/100に希釈して使用し、マイクロチップ(Shimadzu Biotech社、Rydalmere、NSW、オーストラリア)でDNA試料を分離した。DNAのバンドサイズおよび濃度を、それぞれ、25bpのDNAラダー(Invitrogen社)をTE(10mMのTris−HCl、1mMのEDTA二ナトリウム、pH値8.0)(Sigma−Aldrich社)で1:49に希釈したもの、および、内部マーカーDNA−500(Shimadzu Biotech社、Rydalmere、NSW、オーストラリア)を用いて分析した。 参照文献 Chomczynski, P., and Sacchi, N. (1987) Anal. Biochem. 162, 156。
〔実施例3〕
i)検量線の作成
反応容積が50μLのTE(10mMのTris−HCl、pH値8.0、1mMのEDTA)(Invitrogen社)を収納する0.2mLのPCR用チューブ中の、1:1(v/v)のTE(10mMのTris−HCl、pH値8.0、1mMのEDTA)(Invitrogen社)(希釈していない状態から1/32まで)、および、1.25μMのエバグリーン色素(Biotium Inc,社、Hayward、CA; Jomar Biosciences社、SA、Australia)において、7μLの濃縮DNA試料(つまり、70bp、90bp、または、170bp生成物)を、連続的に繰り返し希釈した。滴定は、Rotor−Gene6000(Corbett Research社、Sydney、オーストラリア; Qiagen社)で実施した。サイクリング条件は、最初に94℃で2分間変性、95℃で30秒間の変性を15サイクル、さらに、60℃で30秒間の各アニーリングステップ間に、蛍光性シグナルを取得した。鋳型を用いないコントロール、および、エバグリーン色素を用いないもっとも高い濃度のオリゴヌクレオチドの2つのネガティブコントロールを、各検量線を作成する実験時に一緒に用いた。DNAの混合物は、次の蛍光繰り返し測定に備えて−20℃で保存した。
参照オリゴヌクレオチドの各濃度に対する蛍光を得た(図1を参照)。そして、データを、参照オリゴヌクレオチド(pmol)(X軸)に対する蛍光(Y軸)としてプロットした(図2を参照)。最良適合曲線を最小二乗直線回帰によって生成し、検量線式を生成した。
ii)計算
検量線式から、3つの蛍光レベルf1、f2、f3をpmolに換算したものを算出する(つまり、3つの閾値を選択した。図3を参照)。
試験試料/標的試料のRT−PCRから、
・注目している遺伝子の効率(e)を得、
・3つの各蛍光レベル(f1、f2、f3)のサイクル(c1、c2、c3)を得、さらに、
・検量線式を用いて、f1、f2、f3に対応する、試料[DNA(pmol)]中に存在する注目している遺伝子の発現量をpmolで求める。
n(反応の開始時に存在する注目している遺伝子の発現量(単位はpmol))を次式から算出する。
DNA(pmol)=n×eci、つまり、n=DNA/eci
の平均値を計算して、試料中に存在する注目している遺伝子のモル数を求める。各反応中に存在する全RNAについて補正し、nを全RNA100ng当たりのpmol数で表わす。アボガドロ数を掛ければ、RNA100ng当たりの複製物の個数として別の形で表わすことができる(図4を参照)。
〔実施例4〕
以上によって、図1は、繰り返し実施した参照オリゴヌクレオチドの各濃度に対する蛍光を示している。存在する参照オリゴヌクレオチド(pmol)(x軸)に対する蛍光(y軸)としてプロットした図2のデータによって、この関係を規定する等式の値を最小二乗回帰で計算できるようになる。f1、f2、f3(f1、f2、f3はサイクル数に対する注目している各遺伝子の蛍光のプロットから求められる。図3を参照)を上記検量線式に代入すると、サイクルc1、c2、c3において存在する注目している遺伝子(DNA)のpmol数が算出できる。次に、時刻ゼロにおいて存在する注目している遺伝子のpmolを上述のように算出することができ、全RNAについて補正し、アボガドロ数を掛けた後に複製物の個数として表わされる。
<nを計算する基準としての、長さが異なる参照オリゴヌクレオチドの比較>
長さが20塩基対および100塩基対異なる3つのオリゴヌクレオチドを使用し、上記i)検量線の作成法に記載したようにして3つの検量線を作成した。次に、ii)計算に記載したように各検量線を順に用いて、注目している5つの遺伝子を独立して定量した。3つの曲線によって各遺伝子について得られた結果をANOVAによって比較した。有意差を0.05レベルに設定した(図4を参照)。注目している遺伝子の発現量は、この3群間で有意な差がなかった。したがって、最大で100塩基対までの参照オリゴヌクレオチドの長さの違いは、注目している遺伝子の計算に影響しなかったと言える。
<実験環境への適用(図5を参照)>
上述の方法を用いて、ゼロ時間コントロール(白抜きバー)、媒体コントロール(ハッチング入りバー)、および、VIP処理後(黒塗りバー)の3つの実験群のWKYラットの心臓において、注目している5つの遺伝子を測定した。
<検量線の安定性および再現性>
3週間かけて繰り返し凍結・解凍した後に、さまざまな濃度の参照オリゴヌクレオチドおよびエバグリーン色素を収納するチューブについて蛍光を測定した。蛍光レベルは、全ての濃度について安定していた。したがって、同じバッチの色素を使用し、各実験間で色素濃度にばらつきがない限り、多数のrt−PCR実験について、1つの基準を定量基準として使用してかまわないと言える(図6を参照)。
〔実施例5〕
長さが50塩基対〜170塩基対の範囲であり、GC含有率が40%〜75%の範囲である参照オリゴヌクレオチドを、CTGF、αアクチン、および、βアクチンのさまざまな部分から得た。参照オリゴヌクレオチドを実施例2に記載のように調製し、検量線を実施例3記載のように作成した。参照オリゴヌクレオチド(50bp〜170bp)を生成するプライマーを、CTGFに対応するラットmRNA(受託番号AB023068)ならびにαアクチンおよびβアクチンに対応するラットmRNA(受託番号NM_019183およびBC063166)についてNCBI GenBankによって報告されている配列に基づいて設計した(表2を参照)。
ii)計算に記載したように各検量線を順に用いて、注目している6つの遺伝子(AT1a、アンジオテンシン、TGFβ、TNFa、NONO、および、CTGF)を独立して定量した。3つの曲線によって各遺伝子について得られた結果をANOVAによって比較した。
Figure 0005870030
結果を図7A〜図7Fおよび図8A〜図8Fに示す。これらの実験では、注目している遺伝子の定量は、長さが50bp、GC含有率が40%の参照オリゴヌクレオチドによってのみ、影響を受けた(注目している遺伝子の複製物の値が大幅に高くなった)。長さがこれより大きくGC含有率がこれより高い参照オリゴヌクレオチドについては、どちらのパラメータの上限にも制限がないようであり、どの参照オリゴヌクレオチドも注目している遺伝子の高精度の定量が実現できた。これらの実験から、参照オリゴヌクレオチドの長さの下限は(本発明の方法において有用である)60bpであり、GC含有率の下限は45%であると結論できる。これらの値は、これらの値の有用な範囲の下限を表わしていてもよい。上限は要件に応じて設定可能である。単一の普遍的な参照オリゴヌクレオチドを使用するのであれば、長さを100bp、GC含有率を50%に設定してもよく、このように設定すれば便利である。本明細書中に記載のデータから、参照オリゴヌクレオチドのこれ以外の適した任意の長さおよびGC含有率を選択してもかまわない。
〔実施例6〕
これらの各参照オリゴヌクレオチドを順に使用して、遺伝子産物が80塩基対〜120塩基対の範囲である、注目している9つの遺伝子(アンジオテンシノーゲン、TNFα、TGFβ、CTGF、NONO MMP2、MMP9、および、TIMP1)を定量した(増幅産物の配列については表3を参照)。
Figure 0005870030
上述の方法を用いて、ゼロ時間コントロール(白抜きバー)、媒体コントロール(ハッチング入りバー)、VIP処理後(黒塗りバー)、および、エナラプリルを用いた処理(クロスハッチング入りバー)の4つの実験群のSHRラット(n=6)の心臓において、上記注目している9つの遺伝子を測定した。
結果を図9A〜図9Cに示す。これらの結果が、上記参照オリゴヌクレオチドを用いた方法の、核酸生成物の量を精度よく定量し、こうすることによって、高血圧ラットを例えばVIPやエナラプリルなどの化合物で処理することによってもたらされる遺伝子発現における変化を精度よく解明できる能力を実証している。該方法は、処理を受けた動物とコントロール動物との間に統計学的に有意な差を規定し、さらに、複数の処理法による遺伝子発現の制御に関して、複数の処理法の効力を規定できる感度を提供する。本方法が特定の実験環境においてどのように作用するかを示す簡便な例として、特定の動物試験を使用したが、これと同じ定量原理および方法は、ハウスキーピング遺伝子などにおけるいかなる望ましくない変化によっても影響されない、核酸生成物の高精度の定量が必要とされる、このような任意の状況に対して適用可能である。
SYBRグリーンI、SYBRグリーンII、CYBRゴールド、エバグリーン、オキサゾールイエロー、チアゾールオレンジ、ピコグリーン、TOTO、および、BEBOの各色素および上述のプロトコールを用いて実施した同様の各実験からは、同様の結果が得られた。
説明した本方法が、ハウスキーピング遺伝子または合成遺伝子に対して規格化しなくても、または、標的配列を用いてハウスキーピング/合成参照遺伝子を共増幅する必要がない、遺伝子発現生成物が定量できる改良型方法を提供することが理解されよう。
本発明について具体的な例を参照しながら記載してきたが、当業者であれば、本発明は上記以外の多数の形態で具現化され得ることが理解できるであろう。
15サイクルにわたる、複数の濃度における、標準とする参照オリゴヌクレオチドの蛍光を示している。各水平線が1つの濃度を表わしている。反応混合物において酵素が欠如していることによって、蛍光が多数のサイクルにわたって変化しないことが保証される。さらに、グラフは、変性およびアニーリングのサイクルを繰り返すことによって、参照オリゴヌクレオチド色素複合体の安定性および再現性が得られることを示唆している。 図1に示す蛍光データから作成された検量線を示している。 (ブラケットによって規定される)6つの遺伝子のサイクリング曲線を示している。各遺伝子が任意の3つの蛍光レベルf1、f2、f3(例えば、65、60、および、55)を達成するために必要なサイクル数が、このデータから得られる。 SHRラットの心臓における注目している5つの遺伝子の発現を示している。注目している各遺伝子の発現量は、参照オリゴヌクレオチド(白抜きバー)、参照オリゴヌクレオチド+20個の塩基対(ハッチング入りバー)、および、参照オリゴヌクレオチド+100個の塩基対(黒塗りバー)を用いて算出した。参照オリゴヌクレオチドの長さを長くしても、注目している遺伝子の発現量の計算に大きく影響しなかった。参照オリゴヌクレオチドを参照オリゴヌクレオチド+20個および100個の塩基対と比較すると、TNFα p=0.3946、TGFβ p=0.7151、Ang0 p=0.6158、CTGF p=0.4955、および、AT1a p=0.5589であった(ANOVA)。 WKYラットの心臓における、注目している5つの遺伝子の発現を示している。ラットは、ゼロ時間コントロール(14週齢、白抜きバー)、媒体を注入して4週間後のコントロール(18週齢、ハッチング入りバー)、および、VIP処理から4週間後(18週間、黒塗りバー)の3つの実験群に分けて高塩分の食事を与えられている。 3週間かけて作成した検量線を示している。参照オリゴヌクレオチドと色素との反応混合物は、実験から実験までの間、−20℃で凍結させて保存し、各実験に合わせて解凍し、再凍結した。作成した検量線は、経時的に、かつ、繰り返し凍結・再解凍しても安定していることが読み取れる。 長さが70bp〜170塩基対、GC含有率が50%〜74%の5つの参照オリゴヌクレオチドを用いて、注目している6つの遺伝子(アンジオテンシノーゲン、TGFβ、TNFα、CTGF、At1a、および、NONO)を定量した結果を示している。これらの例に示す参照オリゴヌクレオチドは、長さ70塩基対、GC含有率50%のCTGF(CTGF70/50)、長さ73塩基対、GC含有率74%のCTGF(CTGF73/74)、長さ90塩基対、GC含有率50%のβアクチン(アクチン90/50)、長さ90塩基対、GC含有率50%のCTGF(CTGF90/50)、および、長さ170塩基対、GC含有率52%のCTGF(CTGF170/52)である。 長さが70bp〜170塩基対、GC含有率が50%〜74%の5つの参照オリゴヌクレオチドを用いて、注目している6つの遺伝子(アンジオテンシノーゲン、TGFβ、TNFα、CTGF、At1a、および、NONO)を定量した結果を示している。これらの例に示す参照オリゴヌクレオチドは、長さ70塩基対、GC含有率50%のCTGF(CTGF70/50)、長さ73塩基対、GC含有率74%のCTGF(CTGF73/74)、長さ90塩基対、GC含有率50%のβアクチン(アクチン90/50)、長さ90塩基対、GC含有率50%のCTGF(CTGF90/50)、および、長さ170塩基対、GC含有率52%のCTGF(CTGF170/52)である。 長さが70bp〜170塩基対、GC含有率が50%〜74%の5つの参照オリゴヌクレオチドを用いて、注目している6つの遺伝子(アンジオテンシノーゲン、TGFβ、TNFα、CTGF、At1a、および、NONO)を定量した結果を示している。これらの例に示す参照オリゴヌクレオチドは、長さ70塩基対、GC含有率50%のCTGF(CTGF70/50)、長さ73塩基対、GC含有率74%のCTGF(CTGF73/74)、長さ90塩基対、GC含有率50%のβアクチン(アクチン90/50)、長さ90塩基対、GC含有率50%のCTGF(CTGF90/50)、および、長さ170塩基対、GC含有率52%のCTGF(CTGF170/52)である。 長さが70bp〜170塩基対、GC含有率が50%〜74%の5つの参照オリゴヌクレオチドを用いて、注目している6つの遺伝子(アンジオテンシノーゲン、TGFβ、TNFα、CTGF、At1a、および、NONO)を定量した結果を示している。これらの例に示す参照オリゴヌクレオチドは、長さ70塩基対、GC含有率50%のCTGF(CTGF70/50)、長さ73塩基対、GC含有率74%のCTGF(CTGF73/74)、長さ90塩基対、GC含有率50%のβアクチン(アクチン90/50)、長さ90塩基対、GC含有率50%のCTGF(CTGF90/50)、および、長さ170塩基対、GC含有率52%のCTGF(CTGF170/52)である。 長さが70bp〜170塩基対、GC含有率が50%〜74%の5つの参照オリゴヌクレオチドを用いて、注目している6つの遺伝子(アンジオテンシノーゲン、TGFβ、TNFα、CTGF、At1a、および、NONO)を定量した結果を示している。これらの例に示す参照オリゴヌクレオチドは、長さ70塩基対、GC含有率50%のCTGF(CTGF70/50)、長さ73塩基対、GC含有率74%のCTGF(CTGF73/74)、長さ90塩基対、GC含有率50%のβアクチン(アクチン90/50)、長さ90塩基対、GC含有率50%のCTGF(CTGF90/50)、および、長さ170塩基対、GC含有率52%のCTGF(CTGF170/52)である。 長さが70bp〜170塩基対、GC含有率が50%〜74%の5つの参照オリゴヌクレオチドを用いて、注目している6つの遺伝子(アンジオテンシノーゲン、TGFβ、TNFα、CTGF、At1a、および、NONO)を定量した結果を示している。これらの例に示す参照オリゴヌクレオチドは、長さ70塩基対、GC含有率50%のCTGF(CTGF70/50)、長さ73塩基対、GC含有率74%のCTGF(CTGF73/74)、長さ90塩基対、GC含有率50%のβアクチン(アクチン90/50)、長さ90塩基対、GC含有率50%のCTGF(CTGF90/50)、および、長さ170塩基対、GC含有率52%のCTGF(CTGF170/52)である。 長さが50塩基対〜144塩基対、GC含有率が40%〜50%の4つの参照オリゴヌクレオチドを用いて、注目している6つの遺伝子(アンジオテンシノーゲン、TGFβ、TNFα、CTGF、At1a、および、NONO)を定量した結果を示している。これらの例に示す参照オリゴヌクレオチドは、アクチン144/40(長さが144塩基対、GC含有率が40%のβアクチン)、CTGF50/50(長さが50塩基対、GC含有率が50%のCTGF)、アクチン90/50(長さが90塩基対、GC含有率が50%のβアクチン)、および、CTGF90/50(長さが90塩基対、GC含有率が50%のCTGF)である。アクチン90/50に対しては、*p<0.005、**p<0.0005、CTGF90/50に対しては#p<0.01、##p<0.005、###p<0.001、および、####p<0.0005である。 長さが50塩基対〜144塩基対、GC含有率が40%〜50%の4つの参照オリゴヌクレオチドを用いて、注目している6つの遺伝子(アンジオテンシノーゲン、TGFβ、TNFα、CTGF、At1a、および、NONO)を定量した結果を示している。これらの例に示す参照オリゴヌクレオチドは、アクチン144/40(長さが144塩基対、GC含有率が40%のβアクチン)、CTGF50/50(長さが50塩基対、GC含有率が50%のCTGF)、アクチン90/50(長さが90塩基対、GC含有率が50%のβアクチン)、および、CTGF90/50(長さが90塩基対、GC含有率が50%のCTGF)である。アクチン90/50に対しては、*p<0.005、**p<0.0005、CTGF90/50に対しては#p<0.01、##p<0.005、###p<0.001、および、####p<0.0005である。 長さが50塩基対〜144塩基対、GC含有率が40%〜50%の4つの参照オリゴヌクレオチドを用いて、注目している6つの遺伝子(アンジオテンシノーゲン、TGFβ、TNFα、CTGF、At1a、および、NONO)を定量した結果を示している。これらの例に示す参照オリゴヌクレオチドは、アクチン144/40(長さが144塩基対、GC含有率が40%のβアクチン)、CTGF50/50(長さが50塩基対、GC含有率が50%のCTGF)、アクチン90/50(長さが90塩基対、GC含有率が50%のβアクチン)、および、CTGF90/50(長さが90塩基対、GC含有率が50%のCTGF)である。アクチン90/50に対しては、*p<0.005、**p<0.0005、CTGF90/50に対しては#p<0.01、##p<0.005、###p<0.001、および、####p<0.0005である。 長さが50塩基対〜144塩基対、GC含有率が40%〜50%の4つの参照オリゴヌクレオチドを用いて、注目している6つの遺伝子(アンジオテンシノーゲン、TGFβ、TNFα、CTGF、At1a、および、NONO)を定量した結果を示している。これらの例に示す参照オリゴヌクレオチドは、アクチン144/40(長さが144塩基対、GC含有率が40%のβアクチン)、CTGF50/50(長さが50塩基対、GC含有率が50%のCTGF)、アクチン90/50(長さが90塩基対、GC含有率が50%のβアクチン)、および、CTGF90/50(長さが90塩基対、GC含有率が50%のCTGF)である。アクチン90/50に対しては、*p<0.005、**p<0.0005、CTGF90/50に対しては#p<0.01、##p<0.005、###p<0.001、および、####p<0.0005である。 長さが50塩基対〜144塩基対、GC含有率が40%〜50%の4つの参照オリゴヌクレオチドを用いて、注目している6つの遺伝子(アンジオテンシノーゲン、TGFβ、TNFα、CTGF、At1a、および、NONO)を定量した結果を示している。これらの例に示す参照オリゴヌクレオチドは、アクチン144/40(長さが144塩基対、GC含有率が40%のβアクチン)、CTGF50/50(長さが50塩基対、GC含有率が50%のCTGF)、アクチン90/50(長さが90塩基対、GC含有率が50%のβアクチン)、および、CTGF90/50(長さが90塩基対、GC含有率が50%のCTGF)である。アクチン90/50に対しては、*p<0.005、**p<0.0005、CTGF90/50に対しては#p<0.01、##p<0.005、###p<0.001、および、####p<0.0005である。 長さが50塩基対〜144塩基対、GC含有率が40%〜50%の4つの参照オリゴヌクレオチドを用いて、注目している6つの遺伝子(アンジオテンシノーゲン、TGFβ、TNFα、CTGF、At1a、および、NONO)を定量した結果を示している。これらの例に示す参照オリゴヌクレオチドは、アクチン144/40(長さが144塩基対、GC含有率が40%のβアクチン)、CTGF50/50(長さが50塩基対、GC含有率が50%のCTGF)、アクチン90/50(長さが90塩基対、GC含有率が50%のβアクチン)、および、CTGF90/50(長さが90塩基対、GC含有率が50%のCTGF)である。アクチン90/50に対しては、*p<0.005、**p<0.0005、CTGF90/50に対しては#p<0.01、##p<0.005、###p<0.001、および、####p<0.0005である。 SHRにおけるアンジオテンシノーゲン(AGT)、TGFβ、および、CTGFの発現に対する、VIPまたはエナラプリルを用いた処理の効果を示している。ゼロ時間コントロールは白抜きバー、媒体コントロールはハッチング入りバー、VIP注入は黒塗りバー、エナラプリルを用いた処理はクロスハッチング入りバーで示してある。VIPまたはエナラプリルを用いた処理を媒体コントロールと比較した場合において、*p<0.05、**p<0.025、***p<0.0005とする。VIPまたはエナラプリルを用いた処理をゼロ時間コントロールと比較した場合において、#p<0.001、##p<0.0005とする。 SHRにおけるNF κ B、TNFα、および、AT1a受容体の発現に対する、VIPまたはエナラプリルを用いた処理の効果を示している。VIPまたはエナラプリルを用いた処理を媒体コントロールと比較した場合において、*p<0.01、**p<0.0005とする。VIPまたはエナラプリルを用いた処理をゼロ時間コントロールと比較した場合において、#p<0.05、##p<0.0005とする。 SHRにおけるメタロプロテイナーゼおよびTIMPの発現に対する、VIPまたはエナラプリルを用いた処理の効果を示している。VIPまたはエナラプリルを用いた処理を媒体コントロールと比較した場合において、*p<0.025、**p<0.0005とする。VIPまたはエナラプリルを用いた処理をゼロ時間コントロールと比較した場合において、#p<0.01、##p<0.001、###p<0.0005とする。各値は、ラット数n=6に対して平均±平均値の標準誤差で表わした。

Claims (20)

  1. 核酸を定量する方法であって、以下のa)〜d)を含んでいる方法:
    a)所定の長さを有する参照オリゴヌクレオチドを、検出可能なマーカーで標識する工程、
    b)該標識された参照オリゴヌクレオチドの連続希釈物を用いて、該検出可能なマーカーの強度を標識された参照オリゴヌクレオチドの濃度に対してプロットすることによって検量線を作成する工程、
    c)増幅される標的核酸を標識する該検出可能なマーカーの存在下で、標的核酸を増幅する工程、
    d)該標識が付された増幅された標的核酸に付随する該検出可能なマーカーの強度と該検量線とを比較して、該増幅された標的核酸の量を求める工程であって、該標識された参照オリゴヌクレオチドは、増幅されず、該標的核酸との共増幅もされない工程であって、同じ該標識された参照オリゴヌクレオチドを用いて異なる標的核酸を定量する工程
  2. 上記検出可能なマーカーが色素である、請求項1に記載の方法。
  3. 上記色素が二重鎖DNA(dsDNA)に結合する、請求項2に記載の方法。
  4. 上記色素が、インターカレート色素である、請求項3に記載の方法。
  5. 上記色素が、蛍光色素である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 上記使用される色素は、SYBRグリーンI、SYBRグリーンII、CYBRゴールド、エバグリーン、オキサゾールイエロー、チアゾールオレンジ、ピコグリーン、TOTO、BEBO、または、Deep Purpleのうちのいずれか1つから選択されるものである、請求項5に記載の方法。
  7. 記参照オリゴヌクレオチドの長さが、60bp以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 記参照オリゴヌクレオチドのGC含有率が、45%以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 記参照オリゴヌクレオチドの長さが、60bp〜170bpである、請求項7に記載の方法。
  10. 記参照オリゴヌクレオチドのGC含有率が、45%〜75%である、請求項8または9に記載の方法。
  11. 記参照オリゴヌクレオチドの長さが100bpであり、GC含有率が50%である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 記参照オリゴヌクレオチドが、上記標的核酸よりも長い、または、短い、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  13. 上記標的核酸の増幅が、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)によって実施される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 単一の検量線を使用して、複数回の標的核酸の増幅および定量が実施される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 上記複数回の標的核酸の増幅および定量が、それぞれ異なるタイミングで実施される、請求項14に記載の方法。
  16. 上記標的核酸が、15サイクルよりも多いサイクルにて増幅される、請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法に使用するためのキットであって、
    蛍光色素と参照オリゴヌクレオチドとを有している、キット。
  18. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法に使用するためのキットであって、
    検出可能なマーカーで標識された参照オリゴヌクレオチドを有している、キット。
  19. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法に使用するためのキットであって、
    検出可能なマーカーで標識された参照オリゴヌクレオチドの連続希釈物を有している、キット。
  20. 照オリゴヌクレオチドは、長さが60bp〜170bpであり、GC含有率が4〜75%である、請求項17〜19のいずれか一項に記載のキット。
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