JP5869815B2 - ラリー用の空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、耐バースト性や耐カット性を向上させつつプライルースを抑制させたラリー用の空気入りタイヤに関する。
従来、悪路を高速で走行するラリー用の空気入りタイヤにあっては、例えば岩石等に乗り上げた際、サイドウォール部に大きな縦たわみが生じ、該サイドウォール部でバーストやカット傷が発生することがある。このため、例えば、図4に示されるように、従来のラリー用の空気入りタイヤaでは、そのサイドウォール部bに、断面略三日月状のサイド補強ゴム層c、該サイド補強ゴム層cのタイヤ軸方向外側に破壊強度の大きいアラミド繊維からなるサイド補強コード層d、及び、サイド補強ゴム層cとサイド補強コード層dとのタイヤ軸方向両側に破壊エネルギーの大きいナイロン繊維からなるカーカスコードで形成されたカーカスプライeを配することにより、耐カット性や耐バースト性を高めることが知られている。
しかしながら、アラミド繊維からなるサイド補強コード層dと、ナイロン繊維コードからなるカーカスプライeとがタイヤのたわみ易いサイドウォール部bで長期間接触した状態が続くと、その接触箇所でプライルースが発生し易くなるという問題があった。関連する技術としては次のものがある。
特開2007−106398号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、サイドウォール部を補強する断面略三日月状のサイド補強ゴム層と、該サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向内側に配されかつナイロン繊維コードからなる折返しプライと、前記サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向外側に配されかつアラミド繊維コードからなる巻下げプライとを含むことを基本として、耐バースト性や耐カット性を向上させつつプライルースを抑制させたラリー用の空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るトロイド状の本体部と、この本体部に連なりかつ前記ビードコアの周りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部とを有したカーカスコードからなる折返しプライ、及びトレッド部からサイドウォール部に至るトロイド状の本体部のみを有したカーカスコードからなる巻下げプライを含むカーカス、前記ビードコアから半径方向外側にのびる断面略三角形状のビードエーペックスゴム、並びに、前記サイドウォール部を補強する断面略三日月状のサイド補強ゴム層を具えたラリー用の空気入りタイヤであって、前記折返しプライのカーカスコードは、ナイロン繊維コードからなり、かつ、前記サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向内側に配され、前記巻下げプライのカーカスコードは、アラミド繊維コードからなり、かつ、前記サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向外側に配され、前記巻下げプライの外端部は、前記ビードコアの外面からタイヤ半径方向外側に向かって、タイヤ断面高さの0〜50%の位置に設けられ、前記巻下げプライと前記折返し部とがタイヤ半径方向に重なるオーバーラップ部が設けられ、前記サイド補強ゴム層は、前記ビードエーペックスゴムと接続されることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記巻下げプライの外端部と前記ビードコアの外面とのタイヤ半径方向の距離が、タイヤ断面高さの10〜40%である請求項1記載のラリー用の空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記ビードエーペックスゴムのゴム硬さHbは、85〜95度であり、前記サイド補強ゴム層のゴム硬さHsは、50〜80度である請求項1又は2記載のラリー用の空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記巻下げプライの前記外端部は、前記折返し部の外端部よりもタイヤ軸方向内側かつタイヤ半径方向内側に配される請求項1乃至3のいずれかに記載のラリー用の空気入りタイヤである。
また請求項5記載の発明は、前記オーバーラップ部のタイヤ半径方向長さは、タイヤ断面高さの2%〜8%である請求項1乃至4のいずれかに記載のラリー用の空気入りタイヤである。
本発明のラリー用の空気入りタイヤは、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るトロイド状の本体部と、この本体部に連なりかつ前記ビードコアの周りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部とを有したカーカスコードからなる折返しプライ、及びトレッド部からサイドウォール部に至るトロイド状の本体部のみを有したカーカスコードからなる巻下げプライを含むカーカス、前記ビードコアから半径方向外側にのびる断面略三角形状のビードエーペックスゴム、並びに、前記サイドウォール部を補強する断面略三日月状のサイド補強ゴム層を具える。そして、前記折返しプライのカーカスコードは、ナイロン繊維コードからなり、かつ、前記サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向内側に配され、前記巻下げプライのカーカスコードは、アラミド繊維コードからなり、かつ、前記サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向外側に配され、前記サイド補強ゴム層は、前記ビードエーペックスゴムと接続される。
このようなラリー用の空気入りタイヤは、サイド補強ゴム層によって耐バースト性が向上する。また、破壊エネルギーの大きいナイロン繊維コードからなる折返しプライは、耐バースト性をさらに高めるのに役立つ。また、破壊強度の大きいアラミド繊維コードからなる巻下げプライが、サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向の外側に配されることにより、耐カット性が向上する。そして、折返しプライと巻下げプライとがサイド補強層の両側に隔てて配されるため、歪の大きいサイドウォール部において両プライの接触が抑えられ、プライルースが抑制される。また、サイド補強ゴム層は、前記ビードエーペックスゴムと接続されるため、より一層両プライの接触が抑えられる。従って、本発明のラリー用の空気入りタイヤは、耐バースト性や耐カット性が向上するとともに、プライルースが抑制される。
また、前記サイド補強ゴム層は、前記ビードエーペックスゴムと接続される。このような空気入りタイヤは、巻下げプライと折返しプライとが、サイド補強ゴム層とビードエーペックスゴムとを介して連続して離間するため、両プライが接触する箇所がより一層小さくなる。従って、本発明のラリー用の空気入りタイヤは、プライルースをさらに抑制することができる。
本発明のラリー用の空気入りタイヤの一実施形態を示す右側半分断面図である。 図1の部分拡大図である。 (a)は、本発明の他の実施形態を示すタイヤの部分断面図、(b)は、本発明のさらに他の実施形態を示すタイヤの右側半分断面図である。 従来のラリー用の空気入りタイヤを示す断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態のラリー用の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)1の正規状態の断面図であり、トレッド部2と、そのタイヤ軸方向両端からタイヤ半径方向内側にのびる一対のサイドウォール部3と、各サイドウォール部3のタイヤ半径方向内側端に配されるビード部4とを具える。本明細書において、「正規状態」とは、タイヤが、正規リム(図示せず)にリム組みされかつ正規内圧が充填されしかも無負荷である状態とし、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法等は、この正規内圧状態で測定された値とする。
ここで、前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めているリムであり、JATMAであれば"標準リム"、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"となる。また、前記「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば"最高空気圧"、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とする。
本実施形態のタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されるベルト層7と、前記ビードコア5から半径方向外側にのびるビードエーペックスゴム8と、サイドウォール部3を補強するサイド補強ゴム層9とを具えている。なお、トレッド部2には、適宜排水乃至排土用の溝Gが設けられている。
前記ベルト層7は、少なくとも2枚、本実施形態では、タイヤ半径方向内、外2枚のベルトプライ7A、7Bから構成される。各ベルトプライ7A、7Bは、タイヤ赤道Cに対して15〜40°の角度で傾けられたスチールコード等の高弾性のベルトコードを有する。各ベルトプライ7A、7Bは、ベルトコードが互いに交差する向きに重ねられている。
前記カーカス6は、本実施形態では2層の折返しプライ6A及び1層の巻下げプライ6Bの3層構造で構成され、折返しプライ6Aのタイヤ軸方向外側に巻下げプライ6Bが配されている。
前記折返しプライ6Aは、タイヤ軸方向の内側に配される内の折返しプライ6A1と、該内の折返しプライ6A1のタイヤ軸方向の外側に隣り合って配される外の折返しプライ6A2とからなる。また、前記各折返しプライ6A1、6A2は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るトロイド状の本体部6a1、6a2と、該本体部6a1、6a2に連なりかつ前記ビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6b1、6b2とを含む。
前記巻下げプライ6Bは、トレッド部2からサイドウォール部3に至るトロイド状の本体部6cのみからなり、本実施形態では、サイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5のタイヤ半径方向外側で終端する構造をなす。
このような2層の折返しプライ6A及び1層の巻下げプライ6Bからなるカーカス6は、タイヤの基本的な剛性を高めるのはもとより、ビード部4からサイドウォール部3にかけての剛性を十分に高めて、耐バースト性を向上することができるため、負荷の大きいラリー用のタイヤ構造として特に好適である。
前記各折返しプライ6A及び巻下げプライ6Bは、いずれもカーカスコードがタイヤ赤道C方向に対して例えば75〜90°の角度で傾けられている。
また、折返しプライ6Aのカーカスコードは、破壊エネルギーの大きいナイロン繊維コードから形成される。これにより、サイドウォール部3の耐バースト性がさらに高められる。また、巻下げプライ6Bのカーカスコードは、破壊強度の大きいアラミド繊維コードから形成される。このような巻下げプライ6Bは、耐カット性を向上するのに役立つ。とりわけ、本実施形態では、サイドウォール部3の外面に近い箇所に巻下げプライ6Bが配されるため、カット傷が大きくなるのを抑制できる。
また、折返しプライ6Aは、前記サイド補強ゴム層9のタイヤ軸方向内側に配されるとともに、巻下げプライ6Bは、サイド補強ゴム層9のタイヤ軸方向外側に配される。即ち、歪の大きいサイドウォール部3において両プライ6A、6Bの接触が抑えられるため、プライルースが抑制され耐久性が向上する。
図2に良く示されるように、本実施形態では、前記折返しプライ6A1、6A2の折返し部6b1、6b2の外端部6e1、6e2が、ビードエーペックスゴム8のタイヤ軸方向外側かつ比較的小高さで終端する。このように、前記外端部6eが、歪の大きいサイドウォール部3から離間して設けられるため、さらにプライルースが抑制される。なお、本実施形態では、内の折返しプライ6A1の外端部6e1が、外の折返しプライ6A2の外端部6e2よりもタイヤ半径方向外側に配されているため、外の折返しプライ6A2の外端部6e2が巻下げプライ6Bに強固に固着され、より一層プライルースが抑制される。
また、巻下げプライ6Bの本体部6cの外端部6ceとビードコアの外面5eとのタイヤ半径方向の距離Htは、タイヤ断面高さH(図1に示される。)の0〜50%に設定される。前記距離Htが小さくなると、サイドウォール部3の剛性が過度に高められてグリップ性が悪化するおそれがある。逆に、距離Htが大きくなると、前記外端部6ceが、たわみが大きいサイドウォール部3に近い箇所に配されるため、プライルースが発生し易くなる。これにより、前記距離Htは、より好ましくはタイヤ断面高さHの10%以上が望ましく、より好ましくは40%以下が望ましい。
また、本実施形態の巻下げプライ6Bの外端部6ceは、折返し部6bの外端部6eよりもタイヤ軸方向内側かつタイヤ半径方向内側に配される。即ち、本実施形態のタイヤ1には、巻下げプライ6Bと折返し部6bとがタイヤ半径方向に重なるオーバーラップ部10が設けられる。このようなオーバーラップ部10は、巻下げプライ6Bの外端部6ceを拘束して、巻下げプライ6Bに大きな張力を作用させるのに役立つ。従って、本実施形態のタイヤ1は、サイドウォール部3の剛性が高められ、耐バースト性が向上する。
なお、前記オーバーラップ部10のタイヤ半径方向長さHaが大きくなると、過度にビード部4の剛性が高められ、グリップ性が悪化するおそれがある他、プライルースが発生し易くなるおそれがある。このため、前記長さHaは、好ましくはタイヤ断面高さHの2%以上、より好ましくは4%以上が望ましく、好ましくは8%以下、より好ましくは6%以下が望ましい。
また、前記ビードエーペックスゴム8は、本実施形態ではタイヤ半径方向の内端面からタイヤ半径方向外側に向かってタイヤ軸方向長さが実質的に漸減する断面三角形状で形成される。また、本実施形態のビードエーペックスゴム8は、タイヤ軸方向内側を向く内側面8aを有する。
また、前記サイド補強ゴム層9は、本実施形態では最大厚さtを有する中央部分からタイヤ半径方向の外端9o及び内端9iに向かってそれぞれ厚さが徐々に減じられた断面略三日月状で形成される。また、本実施形態のサイド補強ゴム層9は、タイヤ半径方向内側に配されかつタイヤ軸方向外側を向く外側面9aを有する。
そして、サイド補強ゴム層9は、ビードエーペックスゴム8に接続される。これにより、折返しプライ6Aと巻下げプライ6Bとが、サイド補強ゴム層9及びビードエーペックスゴム8が設けられる範囲で連続して離間するため、両プライ6A、6Bの接触がより広範囲で防止される。従って、本発明のタイヤ1は、プライルースがさらに抑制される。
また、本実施形態では、サイド補強ゴム層9の前記外側面9aが、ビードエーペックスゴム8の前記内側面8aに接続される。即ち、サイド補強ゴム層9のタイヤ半径方向の内端9iは、ビードエーペックスゴム8のタイヤ半径方向の外端8eよりもタイヤ半径方向内側かつタイヤ軸方向内側に位置する。これにより、路面からの荷重を、サイド補強ゴム層9を介してビードエーペックスゴム8で確実に受け止めることができるため、サイド補強ゴム層9の過度の変形を抑制することができる。従って、本実施形態のタイヤ1は、サイドウォール部3の撓みを抑え、さらに耐バースト性が向上する。
前記作用を効果的に発揮させるために、ビードエーペックスゴム8のゴム硬さHbは、85〜95度、またサイド補強ゴム層9のゴム硬さHsは、50〜80度に設定されるのが望ましい。なお、サイド補強ゴム層9のゴム硬さHsが、50度未満になると、サイドウォール部3の剛性が小さくなり、耐バースト性が悪化するおそれがある。また、サイド補強ゴム層9のゴム硬さHsが80度を超えると、グリップ性が小さくなるおそれがある。このため、サイド補強ゴム層9のゴム硬さHsは、より好ましくは60度以上が望ましく、より好ましくは70度以下が望ましい。
なお、本明細書において、前記「ゴム硬さ」は、JIS K6253に準拠し、温度23℃の環境下においてJISデュロメータタイプAで測定されるものとする。
また、サイド補強ゴム層9の内端9i及び外端9o間のタイヤ半径方向の長さL(図1に示す。)は、小さすぎるとサイドウォール部3の補強効果が低下しやすく、逆に大きすぎると、通常走行時での乗り心地やリム組み性を悪化させる傾向がある。このような観点より、前記長さLは、好ましくは前記タイヤ断面高さHの35%以上が望ましく、また、好ましくは70%以下が望ましい。
また、サイド補強ゴム層9の最大厚さtは、負荷される荷重やタイヤサイズに応じて適宜定めることができる。しかしながら、最大厚さtが小さくなると、サイドウォール部3を補強する効果が得られ難く、逆に大きくなると、サイドウォール部3の剛性を過度に高めるおそれがある。このような観点より、前記最大厚さtは、好ましくは5mm以上が望ましく、また、好ましくは20mm以下が望ましい。
また、図3(a)、(b)には、本発明の他の実施形態が示される。図3(a)に示されるように、この実施形態では、巻下げプライ6Bのタイヤ半径方向の外端部6ceが、内の折返しプライ6A1の折返し部6bのタイヤ軸方向外側に配される。このようなタイヤ1は、巻下げプライ6Bに作用する張力を小さくできるため、プライルースを抑制するのに役立つ。
また、図3(b)に示されるように、この実施形態のサイド補強ゴム層9は、タイヤ半径方向の外・内側に2層のゴム組成物9A、9Bで構成される。そして、例えば、外のゴム組成物9Aのゴム硬さHs1を内のゴム組成物9Bのゴム硬さHs2よりも5〜15度大きくすることにより、耐バースト性を高めつつグリップ性を高めることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
本発明の効果を確認するために、図1、図3(a)に示される基本構造をなす空気入りタイヤ(サイズ215/60R15)が表1に示す仕様に基づき試作された。そして、各タイヤの耐久性、耐バースト性、耐カット性及びグリップ性能がテストされた。表1及び下記に記載されたパラメータ以外は共通である。
ビードエーペックスゴムのゴム硬さHb:95度
サイド補強ゴム層のゴム硬さHs:65度
テストの方法は、次の通りである。
<耐久性>
試供タイヤが、サイズ6.0JJのリムにリム組みされ、内圧190kPa、縦荷重8.0kN、速度60km/hで直径1.7mのドラム上を走行させ、プライルースが発生するまでの走行距離が測定された。走行距離の上限は15000kmとし、10000kmしたものを合格とした。数値が大きいほど良好である。
<耐バースト性(プランジャー指数)>
上記リムに組んだ試供タイヤに内圧230kPaが充填され、JIS D4230に準じたプランジャー破壊試験が行われた。その時の破壊エネルギーについて、1100Nmを基準点(0点)とし、25Nm増えるごとに0.5点を加算した5点法で評価された。数値が大きいほど耐バースト性が優れる。
<耐カット性>
上記各試供タイヤを排気量2500cc の国産ラリー車の4輪に装着し、ラリー用のテストコースであるガレキ場を30km走破させた。そして、サイドウォール部における破傷(長さ×深さ)の合計が確認された。結果は、比較例1の逆数を100とする指数で表し、数値が大きいほど良好である。
<グリップ性能>
上記耐カット性のテスト走行時において、テストドライバーの官能によるタイヤのグリップ性能が5点法で評価された。数値が大きいほど良好である。
テストの結果を表1に示す。
Figure 0005869815
Figure 0005869815
テストの結果、実施例のものは、比較例に比べて各種性能がバランス良く向上していることが確認できる。また、サイド補強ゴム層のゴム硬さを50〜80度の範囲で変化させたが、同じ結果となった。
1 ラリー用の空気入りタイヤ
3 サイドウォール部
5 ビードコア
6 カーカス
6A 折返しプライ
6B 巻下げプライ
6a 本体部
6b 折返し部
6c 本体部
8 ビードエーペックスゴム
9 サイド補強ゴム層

Claims (5)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るトロイド状の本体部と、この本体部に連なりかつ前記ビードコアの周りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部とを有したカーカスコードからなる折返しプライ、及びトレッド部からサイドウォール部に至るトロイド状の本体部のみを有したカーカスコードからなる巻下げプライを含むカーカス、
    前記ビードコアから半径方向外側にのびる断面略三角形状のビードエーペックスゴム、並びに、
    前記サイドウォール部を補強する断面略三日月状のサイド補強ゴム層を具えたラリー用の空気入りタイヤであって、
    前記折返しプライのカーカスコードは、ナイロン繊維コードからなり、かつ、前記サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向内側に配され、
    前記巻下げプライのカーカスコードは、アラミド繊維コードからなり、かつ、前記サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向外側に配され、
    前記巻下げプライの外端部は、前記ビードコアの外面からタイヤ半径方向外側に向かって、タイヤ断面高さの0〜50%の位置に設けられ、
    前記巻下げプライと前記折返し部とがタイヤ半径方向に重なるオーバーラップ部が設けられ、
    前記サイド補強ゴム層は、前記ビードエーペックスゴムと接続されることを特徴とするラリー用の空気入りタイヤ。
  2. 前記巻下げプライの外端部と前記ビードコアの外面とのタイヤ半径方向の距離は、タイヤ断面高さの10〜40%である請求項1記載のラリー用の空気入りタイヤ。
  3. 前記ビードエーペックスゴムのゴム硬さHbは、85〜95度であり、
    前記サイド補強ゴム層のゴム硬さHsは、50〜80度である請求項1又は2記載のラリー用の空気入りタイヤ。
  4. 前記巻下げプライの前記外端部は、前記折返し部の外端部よりもタイヤ軸方向内側かつタイヤ半径方向内側に配される請求項1乃至3のいずれかに記載のラリー用の空気入りタイヤ。
  5. 前記オーバーラップ部のタイヤ半径方向長さは、タイヤ断面高さの2%〜8%である請求項1乃至4のいずれかに記載のラリー用の空気入りタイヤ。
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