(第1の実施の形態)
本発明の遊技媒体貸出装置の第1の実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態における遊技媒体貸出装置(サンド)を併設したパチスロ機を示す正面図であり、図2は、サンドを示す斜視図である。
図1に示すように、パチスロ機10の向かって右側には、それぞれ、サンド20が密接して併設されている。各サンド20は、隣接するパチスロ機10に対応して設置されており、対応する当該パチスロ機10との間で通信可能に接続されている。また各サンド20は、ホール全体のサンド20のシステム管理や売り上げ管理を行うコントローラ(図示せず)に対して通信可能に接続されている。なお、本実施の形態においては、ホール全体の管理を行うコントローラ(ホールコンピュータ)に通信可能に接続されたサンド20について説明するが、本発明はこれに限られるものではなく、コントローラと通信を行わないサンドであってもよい。
各サンド20の前面部21には、LED(light-emitting diode)部31、カード挿入口32、紙幣を投入可能な紙幣挿入口33、タッチパネルLCD(liquid crystal display)により構成された操作ユニット34、カメラ35、非接触ICカードリーダライタ36、メダル(遊技媒体)払出部1001、スピーカカバー38、メダル(遊技媒体)計数用の計数口39等が設けられている。カード挿入口32は、例えばホールのカード発行機(図示せず)によって発行された情報カードを受け付け可能な挿入口である。LED部31は、フルカラーLED、赤外LED(赤外線発光ダイオード)から構成されている。
遊技者は、情報カード又は所定金額の紙幣を、カード挿入口32又は紙幣挿入口33に投入することで、遊技に必要な遊技媒体としてのメダルの貸し出しを受けることができる。また、遊技者は、非接触ICカードを、非接触ICカードリーダライタ36にかざすことで、遊技に必要なメダルの貸し出しを受けることができる。
サンド20は、情報カード、紙幣及びICカードといった価値媒体の投入を受けると、投入された価値媒体の金額に応じた数のメダルを、内部に設けられた払出用ホッパによって計数し、払出口及び当該払出口に連通するメダル払出部1001を介して、パチスロ機10のメダル払出トレー12に払い出す。遊技者は、サンド20からメダル払出トレー12に払い出されたメダルをパチスロ機10のメダル投入口11へ投入することにより、パチスロ機10において遊技を行うことができる。
また、パチスロ機10においては、遊技の結果に応じて、メダル払出トレー12にメダルを払い出すようになされている。遊技者は、このメダルをパチスロ機10のメダル投入口11へ投入することにより、パチスロ機10において遊技を行うことができると共に、メダル払出トレー12からメダルを掬い取って、サンド20の計数口39へ投入することにより、このメダルをサンド20によって計数させることもできる。サンド20は、計数口39から投入されたメダルを、内部に設けられた計数用ホッパによって計数する。
計数された結果は、カード挿入口32から挿入されたカードに記録され、又は、ホールコンピュータに設けられた記憶部に記憶される。
計数用ホッパにおいて計数されたメダルは、サンド20の底面部に設けられた排出口から搬送コンベアに排出され、回収される。なお、搬送コンベアが設けられていない場所では、サンド20の下部にメダルを貯留するための貯留ボックスを設置し、この貯留ボックスへメダルを排出するようにしてもよい。
メダル払出部1001においては、サンド20の前面に設けられたメダル払出口1002(図2)から払い出されたメダルがその自重によって傾斜面を滑り落ち、パチスロ機10のメダル払出トレー12へ払い出される。
具体的には、メダル払出部1001は、サンド20の前面パネル23に、メダルを払い出すためのメダル払出口1002を有するとともに、このメダル払出口1002から払い出されたメダルを案内するための案内通路としてのノズル1030を有している。
図3はノズル1030の正面図であり、図4はノズル1030をサンド20から払い出されたメダルをパチスロ機10の払出トレー12へ払い出すための案内通路として用いる払出状態を示す側面図であり、図5はその斜視図である。払出状態とは、第1の案内部1030Aに対して、第2の案内部1030Bが回動されていない非回動状態(第2の案内部が図4、図5に示す位置(第1の位置)にある状態)であって、メダル払出口1002(図2)から第1の案内部1030Aを介して導かれたメダルを、第2の案内部1030Bによってパチスロ機10に導くことが可能な状態をいう。
ノズル1030は、内部にメダルが滑り落ちるための空間AR1が設けられた管状に形成されており、その基部は、前面パネル23に固定された支持部1020によって左右方向に回動可能に支持されている。
ノズル1030の先端部には、下方に開口部1070Aを有する払出部1070を有し、ノズル1030の内部を滑り落ちたメダルは、払出部1070の開口部1070Aから落下するように構成されている。
遊技者がノズル1030を左右方向へ回動させて払出部1070をパチスロ機10のメダル払出トレー12上に位置合わせすることにより、ノズル1030を滑り落ちたメダルを、払出部1070からメダル払出トレー12へ落下させることができる。
因みに、図6に示すように、パチスロ機10においては、本体部10Cに対して、フロントドア10Bが、サンド20の併設側(本実施形態の場合、パチスロ機10に向かって右側)とは反対側(本実施形態の場合、パチスロ機10に向かって左側)に設けられた回動軸10Aによって回動(開閉)可能に軸支されている。このため、メダル払出部1001がパチスロ機10の前面側に引き出されていると、フロントドア10Bを矢印r1方向に開くことができなくなるが、本実施の形態のメダル払出部1001では、ノズル1030を矢印r2で示す左右方向に回動に構成されていることにより、ノズル1030をサンド20に向かって右方向に回動させることで当該ノズル1030を退避させることができ、フロントドア10Bを開く際の妨げになることを回避することができる。
図1及び図2について上述したように、メダル払出部1001の下方には、メダルを計数するための計数口39が設けられている。遊技者は、ノズル1030をメダル投入用の補助手段として利用し、メダル払出トレー12のメダルを計数口39に投入することができる。
ノズル1030を計数口39に対するメダル投入用の補助手段として利用するための構成について説明する。図7はノズル1030をメダル投入用の補助手段として用いる状態を示す側面図であり、図8はその斜視図である。図7及び図8に示すように、ノズル1030は、その中央部分において、第1及び第2の案内部1030A及び1030Bに分割されている。
第1の案内部1030Aは、その一端をサンド20の前面パネル23の払出口に連通するように、支持部1020によって左右方向に回動可能に支持されている。第2の案内部1030Bは、その一端が、第1の案内部1030Aの他端に対して、回動軸1031を介して回動可能に支持されている。本実施形態の場合、回動軸1031は、第1及び第2の案内部1030A、1030Bの上部において軸方向が略水平方向となるように設けられていることにより、第1の案内部1030A及び第2の案内部1030Bが分割部1035において一連の案内通路として連通した状態(図4、図5)から、第2の案内部1030Bの他端(先端部)を上方に持ち上げるように回動させることで、図7及び図8に示すように、第2の案内部1030Bは、遊技者がメダルをサンド20の計数口39へ投入するための補助手段として機能する計数状態となる。計数状態とは、第1の案内部1030Aに対して、第2の案内部1030Bが回動された回動状態(第2の案内部が図7、図8に示す位置(第2の位置)にある状態)であって、計数口39にメダルを導くことが可能な状態をいう。この計数状態において、第1の案内部1030Aと第2の案内部1030Bの分割部1035には、その下方において、第2の案内部1030Bの回動角度に応じた大きさの開口部1032が形成される。
このように、ノズル1030を分割部1035において屈曲させて開口部1032が形成された状態(図7、図8)においては、第2の案内部1030Bの払出部1070は、開口部1032よりも上方に持ち上がった状態となる。
第2の案内部1030Bの上面部には、メダルを投入するための投入口1036が形成されており、第2の案内部1030Bを上方に回動させた状態において、投入口1036にメダルを投入すると、当該メダルは、第2の案内部1030Bの内部を開口部1032へ向かって滑り落ち、開口部1032から下方へ落下する。
本実施形態の場合、メダル払出部1001の下方に設けられている計数口39は、開口部1032(すなわち、ノズル1030における第1の案内部1030Aと第2の案内部1030Bとの分割部1035)よりもサンド20側に配置される構成となっていることにより、開口部1032から落下したメダルを、計数口39へガイドするための板状の案内部材1040が設けられている。
この案内部材1040は、第2の案内部1030Bの底面部1030Dの下面側に固定されており、第2の案内部1030Bから第1の案内部1030Aの方向へ延伸された構成を有している。これにより、第2の案内部1030Bの払出部1070が持ち上げられて第2の案内部1030Bと第1の案内部1030Aとの間に開口部1032が形成された状態においては、案内部材1040の延伸部1040Aが下方に移動し、その先端部が計数用投入口39内に挿入された状態となる。
これにより、第2の案内部1030Bの投入口1036から投入されたメダルは、開口部1032及び案内部材1040の延伸部1040Aを介して計数口39へ案内される。
因みに、計数口39の内部には、案内部材1040の延伸部1040Aを受けるための当接部39Aが設けられており、この当接部39Aと案内部材1040の延伸部1040Aとには、互いの当接状態を保持するための係合部が設けられている。本実施形態の場合、係合部として、延伸部1040Aに凸部1040Bを設け、当接部39Aに凹部39Bを設け、これらを係合することで、延伸部1040Aが当接部39Aに当接した状態を保持することができるようになっている。なお、凸部を当接部39A側に設け、凹部を延伸部1040A側に設けるようにしてもよく、また、係合部としては、このような凹部及び凸部を設ける構成に限られず、例えば、マグネットを用いる等、種々の構成を適用することができる。
図7に示すように、延伸部1040Aの凸部1040Bと当接部39Aの凹部39Bが係合された状態において、延伸部1040Aの下面側を持ち上げるか、又は、第2の案内部1030Bの先端部(払出部1070)を押し下げることにより、凹部39Bから凸部1040Bを離合させ、これらの係合状態を解除することができる。本実施形態の場合、係合状態が解除されると、第2の案内部1030Bの重量により、当該第2の案内部1030Bの先端部(払出部1070)が下方に下がって当該第2の案内部1030Bは、回動されていない払出状態(図4、図5)に戻る。
図9は、計数口39を示す上面図である。図9に示すように、当接部39Aは、計数口39の内部において、円弧状に設けられている。これにより、ノズル1030が左右方向(図6の矢印r2方向)へ回動した場合に、いずれの回動位置であっても、案内部材1040の延伸部1040Aが当接部39Aに当接し保持されるようになっている。これにより、ノズル1030を介してメダルを計数口39へ投入する場合、ノズル1030が左右方向のいずれの回動位置にあっても第2の案内部1030B、開口部1032及び延伸部1040Aを介して、メダルを計数口39へ滑り落とすことができる。
かくして、以上の構成によれば、サンド20から払い出されたメダルをパチスロ機10の払出トレー12へ案内するノズル1030において、その一部を分割可能に構成し、第2の案内部1030Bの先端を持ち上げた状態で分割部1035に形成される開口部1032からメダルが計数口39へ落下する構成としたことにより、遊技者は、パチスロ機10の払出トレー12のメダルを掬い取ってノズル1030の第2の案内部1030Bの投入口1036に投入することで、第2の案内部1030Bを介してメダルを計数口39へ投入することができる。
すなわち、遊技者は、直接手を計数口39へ差し入れることなく、メダルを計数口39へ投入することが可能となり、遊技者の手が計数口39内部の計数用ホッパと干渉することを防止することができる。
因みに、ノズル1030が図7に示した屈曲状態となっている場合に、遊技者が誤ってサンド20の操作ユニット34においてメダル払出操作を行ってしまった場合、サンド20のメダル払出口1002から払い出されたメダルは、第1の案内部1030Aと第2の案内部1030Bとの間に形成される開口部1032から計数口39へ落下して計数用に回収されることにより、メダルが床に散乱するといった不都合を回避することができる。また、遊技者は、メダル払出操作に応じたサンド20の払出し動作を、メダルがメダル払出部1001から計数口39に落下する動作によって認識することができるため、メダル払出操作を行ったにも関わらず、メダル払出動作が実行されないといった不信感を抱くことがなくなる。すなわち、仮にセンサ等を設けて、メダル払出部1001が図4に示した払出状態となっていないことを検出し、当該検出結果に基づいてメダル払出動作を停止するように構成した場合、遊技者は、メダル払出操作を行ったにも関わらず、払出動作が実行されない故障状態と誤認する可能性があるが、本実施の形態のように、メダルの落下という動作によって、サンド20の払出し動作は正規に実行されたという認識を遊技者に持たせることができる。これにより、遊技者は、メダル払出部1001を払出状態にセットしていないにも関わらず、払出操作を行ってしまったことを認識することができる。
図10は、サンド20の内部構成を示す斜視図であり、図11は、その縦断面図である。図10及び図11に示すように、サンド20は、筐体22の内部に、情報カード、紙幣、非接触ICカード等の価値媒体を識別する識別手段(情報カードリーダ、紙幣識別装置61、ICカードリーダライタ等)と、電源ユニット65とを収納する第1の収納空間AR11を有している。また、第1の収納空間AR11の下方には、払出用ホッパ51と計数用ホッパ71とを上下に併設して収納する第2の収納空間AR13を有している。第1の収納空間AR11には、上部に識別手段(情報カードリーダ、紙幣識別装置61、ICカードリーダライタ等)が収納され、下部に電源ユニット65が収納されている。すなわち、第1の収納空間AR11の下部は、電源ユニット65を収納する電源ユニット収納空間AR12を形成している。
図12は、第1の収納空間AR11を示す略線的斜視図である。図12において、紙幣識別装置(ビルバリ)61は、紙幣挿入口33(図10)から投入された紙幣を識別する装置であり、情報カードリーダ62は、カード挿入口32から挿入された情報カードから情報を読み取る装置である。これら紙幣識別装置61及び情報カードリーダ62の合計の幅寸法は、筐体22の内部空間の幅寸法よりも小さくなっている。これにより、情報カードリーダ62及び紙幣識別装置61を並べて収納した場合、これら情報カードリーダ62及び紙幣識別装置61からなる識別手段の側方には、制御基板63の厚み寸法以上の空間が形成されるようになっている。
また、電源ユニット65の幅寸法は、筐体22の内部空間の幅寸法よりも小さくなっている。これにより、電源ユニット65を識別手段の下方に収納した場合、電源ユニット65の側方には、制御基板63の厚み寸法以上の空間が形成されるようになっている。
すなわち、識別手段及び電源ユニット65を上下に並べて収納することにより、それらの側方には、制御基板63の厚み寸法以上の寸法でなる空間が形成される。この空間に制御基板63を立てて収納することができる。この場合、制御基板63を収納する空間の大きさは、筐体22の内部空間の前後方向の寸法及び第1の収納領域AR11の上下方向の寸法を全て充当することができ、大きな収納空間を得ることができる。
図13は、電源ユニット65を、筐体22の内部空間の左右方向の寸法を全て使用して収納した比較例を示している。この場合、識別手段(紙幣識別装置61及び情報カードリーダ62)の側方に形成される制御基板63を収納するための空間の下方は、電源ユニット65によって占められていることにより、その分、制御基板63を収納するための空間が小さくなる。
これに対して、本実施の形態においては、図12に示したように、制御基板63を収納するための空間を大きくとることができることにより、一段と大型の制御基板63を収納することができる。このように大型の制御基板63を収納することができることにより、制御基板63の制御対象装置を多くすることができる。
図10において、第1の収納領域AR11の下方の第2の収納空間AR13に収納された払出用ホッパ51は、その上部において筐体22の背面部に設けられた補給用開口部52を介して、ホールからの補給路によりメダルが補給されるようになっている。この補給用開口部52と払出用ホッパ51との間には、補給通路53が設けられており、補給用開口部52から補給されたメダルは、補給通路53を介して払出用ホッパ51に落下する。
一方、筐体22の前面部21に設けられた計数口39と計数用ホッパ71との間には、導入通路72が設けられたおり、計数口39から投入されたメダルは、この導入通路72を介して計数用ホッパ71に落下する(矢印a)。計数用ホッパ71には、メダルを計数する計数手段が設けられており、この計数手段により計数されたメダルは、筐体20の底面部に設けられた排出口73から搬送コンベアに排出され(矢印b)、回収される。
次に、サンド20におけるスピーカの取り付け位置について説明する。図10及び図11に示すように、サンド20の前面部21には、前面パネル23が設けられており、この前面パネル23には、その裏面側に設けられたスピーカからの音を前方に透過させる複数の透過口38を有している。
図14は、サンド20の前面部21の前面パネル23を取り外した状態を示す斜視図である。図14に示すように、前面パネル23の裏面側には、払出用ホッパ51が配置されており、この払出用ホッパ51の前面部にスピーカ81が固定されている。このスピーカ81の固定位置は、払出用ホッパ51の払出口54と、計数用ホッパ71の投入口(開口部75)との間である。払出用ホッパ51の払出口54は、前面パネル23に設けられたメダル払出部1001に対して、払出用ホッパ51からのメダルを払い出すものであり、計数用ホッパ71の投入口(開口部75)は、計数口39へ投入されたメダルを、計数用ホッパ71へ導くものである。すなわち、スピーカ81の取り付け位置は、メダル払出部1001と計数口39との間となっている。
払出用ホッパ51の払出口54は一般に払出用ホッパ51の上部に設けられており、また計数用ホッパ71の投入口(開口部75)は一般に計数用ホッパ71の上部に設けられている。従って、払出用ホッパ51と計数用ホッパ71とを上下に並べて配置した構成においては、払出口54と投入口(開口部75)との間に空間が形成されることになる。本実施の形態においては、この空間を利用して、スピーカ81が取り付けられている。
なお、図15に示すように、前面パネル23の裏面側には、スピーカ81から出力される音の漏れを防止するためのエンクローズド用の突起部材101をスピーカ81の周囲を覆うように一体成形することが望ましい。
図16は、払出用ホッパ51を示す斜視図であり、図17は、その縦断面図である。図16に示すように、払出用ホッパ51には、スピーカ81が結合部材82を介してユニット化されており、図17に示すように、スピーカ81の接続配線84は、払出用ホッパ51の接続コネクタ55に接続されている。この払出用ホッパ51の接続コネクタ55は、制御基板63と払出用ホッパ51とを接続して、払出用ホッパ51に対して制御基板63からの制御信号を供給するためのコネクタであり、本実施の形態の場合、接続コネクタ55にスピーカ81への音声信号供給用の配線を接続することにより、接続コネクタ55を、払出用ホッパ51及びスピーカ81によって共用している。これにより、制御基板63からの音声信号は、接続コネクタ55を介してスピーカ81に出力されることになり、既存の払出用ホッパ51のための接続コネクタ55をスピーカ81のための接続コネクタとして共用することで、接続コネクタが増えることを防止して、構成の複雑化を回避することができる。
図18は、計数用ホッパ71を示す斜視図であり、図19は、その縦断面図である。図18に示すように、計数用ホッパ71のメダル通路76の前面部にはメダルを受けるための開口部75が設けられており、この開口部75には、外部からメダルを投入するための計数口39が取り付けられる。これにより、計数口39へ投入されたメダルは、開口部75及びメダル通路76を介して計数用ホッパ71へ導かれる。計数用ホッパ71において計数されたメダルは、図19に示すように、計数用ホッパ71の底面部に設けられた排出口74から筺体の排出口73(図10)を介して搬送コンベアに排出される。
因みに、計数用ホッパ71の開口部75及び計数口39の大きさは、遊技者の手が入り難い大きさとされている。計数口39には、前面パネル23に併設して、板状のメダルガイド部材29(図11)が固定されている。これにより、遊技者の手が計数口39から入り難くすることができる。
また、開口部75にはフォトセンサ77(図14)が設けられており、遊技者の手が入った場合にこれを検出するようになっている。これにより、遊技者の手が誤って挿入された場合、又は、不正により手が挿入された場合等に、フォトセンサ77によって検出し、計数用ホッパ71の動作を停止させることができる。なお、このフォトセンサ77の取り付け位置は、計数口39及び開口部75を介して投入されるメダルを誤検出しない位置に設けられている。例えば、開口部75の上部の状態のみを検出するように設けることにより、開口部75の下方を滑り込むメダルは検出せずに、開口部75の上部まで入り込む遊技者の手だけを検出することができる。因みに、計数用ホッパ71には、メダルの投入を検出するためのセンサ(図示せず)も設けられている。
図20は、搬送コンベア90とパチスロ機10及びサンド20との配置状態を示す概略図である。図20に示すように、本実施の形態のサンド20及びパチスロ機10は、搬送コンベア90を挟んで両側に設けられており、図10に示した排出口73の位置と、搬送ベルト90の位置とが離れている。この場合、サンド20の排出口73には、図21に示すような樹脂チューブ95を取り付けることにより、排出口73から排出されたメダルを、搬送コンベア90へ導くことができる。樹脂チューブ95は、蛇腹状に形成されていることが望ましく、これにより、排出口73と搬送コンベア90との位置関係に応じた排出経路の設定を容易に行うことができる。
なお、樹脂チューブ95の取付方法としては、まず、計数用ホッパ71を取り外し、樹脂チューブ95を排出口73の上方から挿入して筺体22の底面部(平面部)で固定する。その後、計数用ホッパ71を取り付ける。このように、樹脂チューブ95を排出口73に取り付けた後に、蛇腹部により排出方向を任意に調整することができ、排出経路の設定を容易に行うことができる。
因みに、図22は、サンド20及びパチスロ機10の近傍に搬送コンベア90が設けられている例を示す概略図である。この場合、サンド20の排出口73の下方近傍に搬送コンベア90が設けられることにより、排出口73から排出されたメダルを直接搬送コンベア90に排出することができる。すなわち、図19に示すように、計数用ホッパ71の排出口74には、排出されるメダルをガイドするガイド部74A、74Bが設けられており、このガイド部74A、74Bによって、メダルの排出方向を斜め方向にすることができる。これにより、計数用ホッパ71の排出口から排出されるメダル(すなわち筺体22の排出口73(図10)から排出されるメダル)の排出方向を、サンド20の下方近傍に配された搬送コンベア90の方向にすることができる。
図23は、サンド20の制御基板63及び当該制御基板63によって制御される構成部品を示すブロック図である。メインCPU(central processing unit)121は、ROM(read only memory)122に格納された制御部ログラムを読み出してメダルの計数及びその他の処理を実行するようになされている。処理に係る各種データは、RAM(random access memory)123に格納される。
メインCPU121は、情報カードリーダを介して情報カードから読み取った金額データを残高データとしてRAM123に格納する。メインCPU121は、この残高データと、操作ユニット34から出力される操作結果に基づいて、遊技者が指定した金額が残高データよりも小さい場合には、指定された金額分のメダルを払出用ホッパ51において計数して払い出し、残高データから払い出されたメダル分の金額を減算することにより、残高データを更新する。なお、メインCPU121は、駆動回路131を制御することにより、払出用ホッパ51を駆動させることができる。また、メインCPU121には、駆動回路132を介して計数用ホッパ71が接続されており、メインCPU121は、駆動回路132を制御することにより、計数用ホッパ71を駆動させることができる。
操作ユニット34には、情報カードを返却するボタンも表示されており、遊技者がこの操作ボタンを操作することにより、メインCPU121は、情報カードリーダ62に挿入されている情報カードをカード挿入口32から返却する。
また、メインCPU121は、紙幣識別装置(ビルバリ)61から出力される紙幣識別結果を残高データとしてRAM123に格納する。メインCPU121は、この残高データと、操作ユニット34から出力される操作結果に基づいて、遊技者が指定した金額が残高データよりも小さい場合には、指定された金額分のメダルを払出用ホッパ51において計数して払い出し、残高データから払い出されたメダル分の金額を減算することにより、残高データを更新する。なお、メインCPU121は、駆動回路131を制御することにより、払出用ホッパ51を駆動させることができる。
また、メインCPU121は、LED部31の赤外LED31Bを監視用投光器として用い、赤外LED31Bからの赤外光を遊技者で反射させ、これをカメラ35において撮像する。メインCPU121は、カメラ35において撮像された画像をROM122に格納し、この画像に基づいて、遊技者の存在を検出する。この検出処理は常時行われる。遊技者の状態が非検出(離席)状態に変化して、カード挿入口32から挿入された情報カードの金額データに残高がある場合、又は紙幣挿入口33から挿入された紙幣の金額データに残高がある場合、メインCPU121は、スピーカ81を介して、警告音や警告音声を発することにより、離席しようとする遊技者に対して注意を喚起することができる。警告音声としては、「カードを忘れています」といった音声が発せられる。
また、メインCPU121は、非接触ICカードリーダライタ36を介して、非接触ICカードとの間で非接触通信を行うようになされている。この通信の方式は、例えば、キャリア周波数が13.56MHzの電磁誘導方式である。メインCPU121は、非接触ICカードリーダライタ36を介して非接触ICカードから読み取った金額データに応じた数のメダルを払出用ホッパ51によって計数し、メダル払出部1001から払い出すと共に、非接触ICカードの残高データを書き換える。
また、メインCPU121は、インターフェイス125を介して、パチスロ機やホールコンピュータとの間で通信を行うようになっている。
図24は、メインCPU121による遊技媒体の貸出処理手順を示すフローチャートである。この処理は、メインCPU121によって常時実行されている。図24に示すように、メインCPU121は、ステップS11において、計数済のメダル数に基づく払出指示があったか否かを判断する。この処理は、後述するステップS20において計数されRAM123に記憶されたメダル数の払出しを行う指示が操作ユニット34を介して入力されたか否かを判断する処理である。
因みに、図25は、ステップS11において操作ユニット34のタッチパネルLCDに表示される選択用の表示内容を示す平面図である。図25に示すように、操作ユニット34のタッチパネルLCDには、計数済のメダル数に基づく払出指示を選択するためのアイコンA11と、現金(価値媒体)に基づく払出指示を選択するためのアイコンA12が表示される。遊技者はこれらのアイコンのいずれかを押圧操作することにより、いずれかを指定することができる。
計数済のメダル数に基づく払出指示があった場合、メインCPU121は、ステップS11からステップS12に処理を移して、払出用ホッパ51を動作させることにより、計数済のメダル数と同数のメダルをメダル払出部1001に払い出す。なお、遊技者が操作ユニット34を操作することにより、払出数を指定した場合、RAM123に記憶されているメダル数の範囲で指定された数のメダルを払い出すようにしてもよい。
これに対して、ステップS11において計数済のメダル数に基づく払出指定がなかった場合、メインCPU121は、ステップS11からステップS13に処理を移して、価値媒体の投入があったか否かを判断する。価値媒体とは、カード挿入口32に挿入される情報カード、紙幣挿入口33に挿入される紙幣、又は非接触ICカードリーダライタ36にかざされる非接触ICカードを意味する。情報カードがカード挿入口32に挿入されると、情報カードリーダ62によって情報カードから金額データが読み出される。紙幣が紙幣挿入口33に挿入されると、紙幣識別装置(ビルバリ)61によって紙幣の金額が識別される。また、非接触ICカードリーダライタ36に非接触ICカードがかざされると、非接触ICカードリーダライタ36によって非接触ICカードの金額データが読み取られる。これらの読み取られた金額データは、RAM123に記憶される。
価値媒体が挿入された場合、メインCPU121は、ステップS13において肯定結果を得ることにより、ステップS13からステップS14へ処理を移して、払出しに係る金額の指定があったか否かを判断する。ここで否定結果が得られると、このことは、遊技者が操作ユニット34を介して払出メダルの金額を指定していないこと(すなわち、金額データ全額分の払出しを指定したこと)を意味している。ここで、情報カード又は紙幣が挿入されている場合には、情報カード又は紙幣を挿入した後に、遊技者が操作ユニット34を操作することにより、金額を指定することができ、また、非接触ICカードをかざして金額データを読み取らせる場合には、非接触ICカードをかざす前に、遊技者が操作ユニット34を操作することにより、金額データを指定することができる。情報カード又は紙幣が挿入された場合にあっては、メインCPU121は、読み取った金額データを一旦RAM123に格納した後、遊技者によって指定された金額がRAM123に格納された金額の範囲内である場合には、RAM123の金額データを指定された金額データに書き換える。
一方、非接触ICカードがかざされる場合、先に金額が指定されることにより、メインCPU121は、指定された金額データをRAM123に設定し、その後非接触ICカードがかざされて当該非接触ICカードとの間で通信を行う際に、RAM123に設定されている金額が非接触ICカードに格納されているか否かを判断し、格納されている場合には、非接触ICカードに格納されている金額から、RAM123に設定された金額を減算することにより、非接触ICカードの金額を書き換える。これに対して、非接触ICカードに格納されている金額が、RAM123に設定された金額に満たない場合、メインCPU121は、非接触ICカードの金額データを書き換えず、操作ユニット34にエラー表示を行うことにより、払出処理を中止する。
このような処理がステップS14において実行されることにより、RAM123には、実際に価値媒体から引き出された金額分のデータが記憶されることになる。因みに、RAM123において、既に残高データがある場合(過去の計数結果や前回の価値媒体の挿入時の残高)、メインCPU121は、これらの残高データに、価値媒体から引き出された金額分のデータを加算することになる。
そして、メインCPU121は、金額指定が有った場合には、ステップS14からステップS15へ処理を映して、払出用ホッパ51を駆動させることにより、指定金額分のメダルを、メダル払出部1001に払い出す。払い出された金額データは、RAM123の特定の領域に払出履歴データとして残される。そして、メインCPU121は、ステップS17へ処理を映す。
これに対して、金額指定がなかった場合、メインCPU121は、ステップS14からステップS16へ処理を映して、挿入された全金額分のメダルを払い出す。払い出された金額データは、RAM123の特定の領域に払出履歴データとして残される。そして、メインCPU121は、ステップS17へ処理を映す。
なお、遊技者が価値媒体を投入しなかった場合、メインCPU121は、上述のステップS13において否定結果を得ることにより、ステップS13からステップS17へ処理を映す。以上により、メダルの払出(貸出)処理は終了する。次に、メインCPU121は、ステップS17において、計数用ホッパ71の投入口(開口部75)に設けられたセンサ(フォトセンサ)77の検出結果に基づいて、遊技者の手が計数用ホッパ71に差し込まれたか否かを判断する。ここで肯定結果が得られると、メインCPU121は、ステップS18へ処理を移して、計数用ホッパ71の動作を停止させることにより、後述するステップS20、ステップS21における計数処理を実行せずに、ステップS22へ処理を移す。これにより、遊技者の手が計数用ホッパ71へ挿入された場合には、計数用ホッパ71の計数処理を中止することができる。
一方、遊技者の手が計数用ホッパ71へ挿入されなかった場合、メインCPU121は、ステップS19からステップS20へ処理を移し、計数用ホッパ71に計数動作を実行させる。そして、メインCPU121は、ステップS21において、計数結果(計数されたメダル数)をRAM123に記憶する。
以上の処理手順により、メダルの計数処理は終了する。次に、メインCPU121は、ステップS22において、離席警告処理を実行する。図26は、離席警告処理手順を示すフローチャートである。メインCPU121は、ステップS41において、カメラ35による撮像結果を分析し、続くステップS42において、遊技者が離籍したか否かを判断する。遊技者が離席した場合、メインCPU121は、ステップS42からステップS43へ処理を移して、情報カード又は現金(金額データ)が残っているか否かを判断する。情報カード又は現金(金額データ)が残っている状態とは、RAM123に記憶されている金額データに残高が残っている状態を意味する。
金額データが残っている場合、メインCPU121は、ステップS43からステップS44へ処理を移して、駆動回路133によりスピーカ81から警告音や警告音声を発生させ、当該離席警告処理を終了する。これにより、残高が残っているにも関わらず遊技者が離席した場合には、遊技者に注意を促すことができる。
また、メインCPU121は、ステップS42において遊技者が離席していないと判断した場合又はステップS43において残高が残っていないと判断した場合、当該離席警告処理を終了し、図24の処理ルーチン(ステップS23)へ処理を移す。
ステップS23において、メインCPU121は、RAM123に記憶されている残高を、このとき挿入されている情報カード又は非接触ICカードに書き込む指示があったか否かを判断する。この処理は、操作ユニット34に書込みを指示するためのアイコンを表示し、このアイコンが押圧操作されたか否かによって判断する処理である。
書込み指示があった場合、メインCPU121は、ステップS23からステップS24へ処理を移して、カード挿入口32に情報カードが挿入されている場合には、当該情報カードにRAM123の残高データを書き込んで情報カードの残高データに加算することにより、情報カードの残高データを更新させる。また、情報カードが挿入されていない場合、メインCPU121は、操作ユニット34に情報カードを挿入するか又は非接触ICカードをかざすことを促す表示を行う。遊技者がカード挿入口32に情報カードを挿入したか、又は非接触ICカードリーダライタ36に非接触ICカードをかざした場合、メインCPU121は、これらのカードに残高データを書き込む。メインCPU121は、ステップS24の処理の後、又はステップS23において書込み指示がなかったと判断した場合、上述のステップS11に戻って、同様の処理を繰り返す。
以上説明したように、メインCPU121は、貸出処理(図24)及び離席警告処理(図26)を実行することにより、サンド20においてメダルの貸出(払出)やメダルの計数を行うことができる。
メダルの貸出処理においては、サンド20において計数された結果を用いたメダルの貸出を行うことにより、遊技者は、パチスロ機10から払い出されたメダルを、パチスロ機10から離れたホールの計数装置へメダルを運んで計数するといった煩雑な手間をかけずに、情報カードや非接触ICカードに計数結果を書き込むことができる。また、計数された結果に基づいてメダルの払出を受けることにより、パチスロ機10から離れたホールの計数装置へメダルを運んで計数するといった煩雑な手間をかけずに、払い出されたメダル数に応じた再遊技を行うことができる。
また、残高があるにも関わらず、遊技者が離席しようとした場合には、サンド20に設けられたスピーカ81から出力される警告音により遊技者に注意を促すことができる。
また、遊技者は、残高データを情報カードや非接触ICカードに書き込むこと又は再遊技のためのメダル払出しに利用することができることにより、メダル収納箱をホールの計数装置へ運ぶといった遊技者やホールスタッフの手間を軽減することができる。
また、遊技者は、投入された価値媒体に基づくメダルの払出し、又は計数結果に基づくメダルの払出しを選択することができることにより、例えば、計数したメダルのデータはそのまま残して、これに価値媒体から引き出した金額データを加算して使用するといった柔軟な利用方法を選択することが可能となる。
また、以上説明したサンド20においては、払出用ホッパ51のメダル払出部1001とその下に設けられた計数用ホッパ71の計数口39との間にスピーカ81を設ける構成としたことにより、例えばメダル箱を計数口39の上方へ運んでメダルを計数口39に投入する際のスペースを確保するための計数口39上の空間を利用してスピーカ81を取り付けることができる。すなわち、スピーカ81を取り付けるための専用のスペースを確保する必要がなくなり、サンド20の前面部の面積を大きくする必要がなくなる。
また、スピーカ81は、取り外し可能な前面パネル23ではなく、払出用ホッパ51に取り付けられていることにより、前面パネル23を取り外す際に、スピーカ81が前面パネル23と共に外されることがなくなる。これにより、スピーカの接続配線84が前面パネル23の取り外しの妨げになることを防止することができ、メンテナンス作業を容易に行うことができるようになる。
また、情報カード、紙幣、非接触ICカード等の価値媒体を識別する識別手段(情報カードリーダ62、紙幣識別装置61、ICカードリーダライタ等)を筺体内部の左右に寄せて配置すると共に、電源ユニット65も筺体内部の左右方向の寸法よりも小さなものを用い、これを上部に配置された識別手段と同じ側に寄せて配置するようにしたことにより、上下に配置された識別手段及び電源ユニット65の横の空間を上下に大きくとることができ、この空間に大型の制御基板63を配置することができる。本実施の形態の場合、サンド20の筺体22の内部において、制御基板63を、パチスロ機10側に配置する構成としたことにより、制御基板63とパチスロ機10とを接続する信号線の長さを短くすることができる。
(他の実施形態)
(1)上述の実施形態においては、図7及び図8に示したように、第2の案内部1030Bの先端部(払出部1070)側を持ち上げることでノズル1030を屈曲状態として開口部1032を形成し、当該開口部1032からメダルを落下させる場合について述べたが、第2の案内部1030Bの持ち上げ角度が小さい場合には、十分な開口部1032を形成することができなくなる。このような場合においても、開口部1032からメダルを円滑に落下させることを目的として、例えば図27に示すように、第1の案内部1030Aの底面部において、第2の案内部1030Bとの分割部1035側に切欠き部1037を形成するようにしてもよい。
このように構成すれば、第2の案内部1030Bの持ち上げ角度が小さくても、切欠き部1037からメダルを円滑に落下させることができる。因みに、第2の案内部1030Bの先端部(払出部1070)を下げてノズル1030を払出状態(図4)とした場合には、ガイド板1040の延伸部1040Aによって切欠き部1037が塞がれることにより、切欠き部1037からメダルが落下することを防止し得る。
(2)上述の実施形態においては、第2の案内部1030Bの上面部にメダルを投入するための投入口1036を単なる開口形状で形成したが、例えば、図28に示すように、投入口1036の周囲に漏斗状のガイド部1038を形成し、投入されるメダルを投入口036に入り易くするように構成してもよい。なお、図28においては、切欠き部1037が形成されているが、当該切欠き部1037を形成しないようにしてもよい。
(3)上述の実施形態においては、第2の案内部1030Bの先端部に下方向に開口部を有する払出部1070を設ける場合について述べたが、これに限られるものではなく、例えば図29及び図30に示すように、第2の案内部1030Bの先端部において上面部側を斜めにカットした開口部1039を形成した構成としてもよい。このように上面側を斜めにカットした開口部1039においては、第2の案内部1030Bの底面部1030Dは第2の案内部1030Bの先端部まで形成されると共に、当該先端部まで側面部1030Cによってメダルの払出方向がガイドされることになり、サンド20からパチスロ機10の払出トレー12までのメダルの払出通路を十分にガイドすることが可能となるとともに、開口部1039が第2の案内部1030Bの上面部に亘って斜めに形成されることで、当該開口部1039をサンド20の計数口39へメダルを投入する際の投入口として利用する場合に、投入し易い十分な大きさを確保することができる。なお、図29及び図30に示す構成においては切欠き部1037が形成されているが、当該切欠き部1037を形成しないようにしてもよい。
(4)上述の実施形態においては、第2の案内部1030Bの先端部においてメダルの払出口(開口部1070A)を下方に向け、メダルの払出方向を下方に変化させる払出部1070を設けると共に、上面部に投入口1036を設ける場合について述べたが、これに限られるものではなく、例えば、図31及び図32に示すように、第2の案内部1030Bの先端部に払出部1070を設けることなく、第2の案内部1070Bの先端部から直接メダルがその払出方向を変化させずに払い出されるように開口部1070Aを形成してもよい。この場合、図32に示すように、第2の案内部1030Bを上方に回動させた状態では、開口部1070Aが上方を向くことになるため、当該開口部1070Aをメダル投入口として利用することができる。これにより、第2の案内部1030Bの上面部に投入口1036(図8)を設けることなく、比較的容易に1070Aにメダルを投入することができる。すなわち、開口部1070Aを、メダルの払出口及び投入口として共用することができる。
また、この場合、図33及び図34に示すように、開口部1070Aの大きさを大きくすることにより、メダル投入口として利用する際に、一段とメダルを投入し易くすることができる。
(5)上述の実施形態においては、第2の案内部1030Bに投入されたメダルを計数口39へ案内するための案内部材1040の延伸部1040Aとして単なる板状とした場合について述べたが、これに限られるものではなく、例えば、図35に示すように、延伸部1040Aの両側に案内壁1040Bを設けるようにしてもよい。このようにすれば、延伸部1040A上を滑り落ちるメダルを、サンド20の計数口39へ正確に導くことができる。なお、図35においては、図5及び図8に示したノズル1030において、案内壁1040Bを設ける場合について示しているが、図27〜図34に示したいずれの構成においても、案内壁1040Bを設けることができる。
(6)上述の実施形態においては、メダルの通過経路が管状のノズル1030(第1及び第2の案内部1030A、1030Bを用いる場合について述べたが、これに代え、例えば、図36及び図37に示すように、断面がU字溝形状に形成された第1及び第2の案内部2030A、2030Bを有するノズル2030を用いるようにしてもよい。図38は、図36及び図37に示したノズル2030の正面図である。このノズル2030は、上面部のないU字溝形状に形成されているため、サンド20からメダルを払い出す場合には、図36に示すように、第1の案内部2030Aの側面部2030F、底面部2030Eと、第2の案内部2030Bの側面部2030B、底面部2030Dとによって形成される一連のU字状溝に沿って、メダルが滑り落ち、第2の案内部2030Bの先端部に形成された開口部2070Aから当該メダルが払い出される。
これに対して、サンド20の計数口39へメダルを投入する場合には、図37に示すように、第2の案内部2030Bの先端部を持ち上げた状態で、当該第2の案内部2030Bの上からメダルを投入することにより、当該メダルは、第2の案内部2030B及び開口部1032及び案内板1040の延伸部1040Aを介して計数口39(図2)へ滑り落ちる。
この場合、第2の案内部2030Bの上面部が設けられていないことにより、第2の案内部2030Bのいずれの位置に対してもメダルを投入することができ、例えば、図5に示したように一定の大きさで投入口1036を形成する場合に比べて、メダルの投入位置に自由度を持たせることができる。これにより、一段とメダルを投入し易くなる。
また、図37に示すように第1の案内部2030Aは、サンド20側の支持部1020よりも第2の案内部2030Bとの間の開口部1032のほうが低くなることにより、第1の案内部2030Aに対してメダルを投入することもできる。この場合、投入されたメダルは、第1の案内部2030A、開口部1032及び案内板1040の延伸部1040Aを介してサンド20の計数口39へ滑り落ちる。
このように、上面部を有しないノズル2030(図36〜図38)を用いることにより、計数口39へメダルを投入するための補助手段として当該ノズル2030を用いる場合に、メダルの投入位置に大きな自由度ができることとなり、一段とメダルを投入し易くなる。
なお、図36〜図38に示すノズル2030においても、図35に示した案内壁1040Bを設けることができる。
(7)上述の実施形態においては、サンド20のメダル払出口1002と計数口39との間にスピーカを設ける場合について述べたが、これに限られるものではなく、他の位置にスピーカ81を設け、メダル払出口1002と計数口39との間の距離を小さくしてもよい。このようにすれば、メダル払出部1001と計数口39との距離が小さくなることにより、遊技者が計数口39に対して直接手を差し入れることを抑制することが可能となる。
(8)上述の実施形態においては、ノズル1030の中央部分に第1及び第2の案内部1030A、1030Bの分割部1035を設ける場合について述べたが、分割部1035の形成位置は中央部分に限られず、中央部分よりも支持部1020側、又は中央部分よりも先端側(払出部1070側)に設けるようにしてもよい。
(9)上述の実施形態においては、支持部1020から直線状に延びるノズル1030(2030)について述べたが、これに限られるものではなく、例えば、図39に示すように、ノズル1030(2030)の形状を円弧状としてもよい。このようにすれば、サンド20の前面部がパチスロ機10よりも奥方向へ引き込まれた位置に設けられている場合においても、パチスロ機10の筐体に干渉することなく、サンド20から払い出されたメダルをパチスロ機10の払出トレー12へ導くことができる。
(10)上述の実施の形態においては、制御基板63、ビルバリ61、情報カードリーダ62、非接触ICカードリーダライタ36、払出用ホッパ51、計数用ホッパ71等をサンド20の筺体22にそれぞれ固定する場合について述べたが、これに限られず、例えば、図40に示すように、筺体22に対して着脱可能なユニット構成としてもよい。
図39は、制御基板63、ビルバリ61、情報カードリーダ62、非接触ICカードリーダライタ36、払出用ホッパ51、計数用ホッパ71等を着脱可能なユニット構成とした場合のサンド20を示すブロック図である。図39に示すように、サンド20は、縦長の箱状に形成されており、遊技機間に設置固定される断面コの字型の筺体22に対して着脱可能なユニット部630と、ユニット構成の払出用ホッパ51と、ユニット構成の計数用ホッパ71と、電源ユニット65とを備えている。
このサンド20においては、ユニット部630の着脱装置634と筺体22の着脱装置(係止ピン、解除ピン、突起等により構成される)625とを介して、ユニット部630を、筺体22に対して着脱可能となっている。
また、払出用ホッパ51の着脱装置651と筺体22の着脱装置(係止ピン、解除ピン、突起等により構成される)653とを介して、払出用ホッパ51は、筺体22に対して着脱可能となっている。また、計数用ホッパ71の着脱装置671と筺体22の着脱装置(係止ピン、解除ピン、突起等により構成される)673とを介して、払出用ホッパ51は、筺体22に対して着脱可能となっている。
ユニット部630は、略長方体形状に構成された縦長状の本体(ケーシング)633内に、制御基板63、ビルバリ61、情報カードリーダ62、非接触ICカードリーダライタ36を収容しており、メンテナンスの頻度が高いこれらの構成装置を、1つのユニット部630内に設置して筺体22に対して取り外しできるように構成されている。
上記した各ユニットは、ユニット部630の内部に設置された制御基板63によってその動作が制御される。この制御基板63は、ユニット部630の後面に装着されるコネクタ631が筺体22内面に装着された接続コネクタ622に接続されることで、電源供給部Dから電源が供給されると共に、外部との間で各種データの送受信が可能となっている。この場合、ユニット部630に設けられるコネクタ631と、筺体22に設けられる接続コネクタ622は、ユニット部630を筺体22から離脱する方向に移動した際、両者の接続がそのまま解除されるように設置、構成されている。
また、払出用ホッパ51は、その後面に装着されるコネクタ652が筺体22内面に装着されたコネクタ654に接続されることで、電源供給部Dから電源が供給されると共に、外部との間で各種データの送受信が可能となっている。この場合、払出用ホッパ51に設けられるコネクタ652と、筺体22に設けられるコネクタ654は、払出用ホッパ51を筺体22から離脱する方向に移動した際、両者の接続がそのまま解除されるように設置、構成されている。
また、計数用ホッパ71は、その後面に装着されるコネクタ672が筺体22内面に装着されたコネクタ674に接続されることで、電源供給部Dから電源が供給されると共に、外部との間で各種データの送受信が可能となっている。この場合、計数用ホッパ71に設けられるコネクタ672と、筺体22に設けられるコネクタ674は、計数用ホッパ71を筺体22から離脱する方向に移動した際、両者の接続がそのまま解除されるように設置、構成されている。
電源供給部D内には、ユニット部630の内部に収容されるビルバリ61、情報カードリーダ62、非接触ICカードリーダライタ36、操作ユニット34及び着脱装置634の駆動モータ等、払出用ホッパ51の駆動モータ等、及び計数用ホッパ71の駆動用モータ等にそれぞれ電力を供給すべく、外部電源645から供給される電圧等を制御する電源ユニット65と、通信制御ユニット623とが設置されている。この通信制御ユニット623は、通信方式の変換制御(シリアル/パラレル変換制御)や送受信先の振り分け制御を行う機能を有しており、通信コネクタ627、628を介して、それぞれホールコンピュータ500及び隣接するパチスロ機10との間で各種データの送受信を実行する。
このように、ユニット部630、払出用ホッパ51及び計数用ホッパ71を筺体22に対して前面側からスライドさせて着脱可能としたことにより、メンテナンス作業を容易に行うことができる。
(11)上述の実施形態においては、本発明をパチスロ用(メダル用)の遊技媒体貸出装置(サンド20)に適用する場合について述べたが、これに限られるものではなく、例えばパチンコ用(パチンコ球用)の遊技媒体貸出装置等、他の遊技媒体用の遊技媒体貸出装置に広く適用することができる。
(遊技媒体貸出装置の概要)
本実施の形態における遊技媒体貸出装置(サンド20)は、遊技機(パチスロ機10)に併設され、前記遊技機で遊技を行うための遊技媒体(メダル)を貸し出す遊技媒体貸出装置であって、前記貸し出される遊技媒体を払い出す払出口(メダル払出口1002)と、前記払出口の下方に設けられ、外部から投入された遊技媒体を、遊技媒体の数を計数する計数手段(計数用ホッパ71)に導くための計数口39と、前記払出口から払い出される遊技媒体を前記遊技機に案内する案内通路(ノズル1030(2030))と、を備え、前記案内通路は、一端が前記払出口に連通する第1の案内部1030A(2030A)と、前記第1の案内部の他端に対して回動可能に設けられた第2の案内部1030B(2030B)と、を備え、前記第2の案内部は、前記第1の案内部に対して回動されていない状態であって、前記第1の案内部を介して導かれた遊技媒体を前記遊技機に導くことが可能な第1の位置と、前記第1の案内部に対して回動された状態であって、前記計数口に遊技媒体を導くことが可能な第2の位置と、に変位可能であることを特徴とする。
この遊技媒体貸出装置においては、計数口39の上部に設けられ、払出口(メダル払出口1002)から払い出された遊技媒体(メダル)を遊技機(パチスロ機10)へ導くための案内通路(ノズル1030(2030))を第1及び第2の案内部1030A(2030A)、1030B(2030B)に分割すると共に、第1の案内部に対して第2の案内部を回動可能とし、第2の案内部が回動された状態で遊技媒体を計数口へ導く構成とすることにより、計数口へ遊技媒体を投入するための補助手段として案内通路を利用することができる。これにより、遊技者が計数口へ直接手を差し入れることなく、遊技媒体を計数口へ投入することが可能となり、遊技者の手が計数口内部の構成部品(計数用ホッパ71)に干渉することを防止することができる。
また本実施の形態は、前記構成に加えて、前記第2の案内部1030B(2030B)の底面部1030Dに、前記計数口39に導かれる遊技媒体を当該計数口に案内する案内部材(案内板1040)を備えたことを特徴とする。
この遊技媒体貸出装置においては、第1の案内部1030A(2030A)に対して第2の案内部1030B(2030B)が回動された状態において、第2の案内部の底面部に設けられた案内部材(案内板1040)が、遊技媒体(メダル)を計数口39へ案内する位置に配置される。これにより、遊技媒体を正確に計数口へ導くことができる。