(第1の実施の形態)
本発明の遊技媒体貸出装置の第1の実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態における遊技媒体貸出装置(サンド)を併設したパチスロ機を示す正面図であり、図2は、サンドを示す斜視図である。
図1に示すように、複数のパチスロ機10の向かって右側には、それぞれ、サンド20が密接して併設されている。各サンド20は、隣接するパチスロ機10に対応して設置されており、対応するパチスロ機10との間で通信可能に接続されている。また各サンド20は、ホール全体のサンド20のシステム管理や売り上げ管理を行うコントローラ(図示せず)に対して通信可能に接続されている。なお、本実施の形態においては、ホール全体の管理を行うコントローラ(ホールコンピュータ)に通信可能に接続されたサンド20について説明するが、本発明はこれに限られるものではなく、コントローラと通信を行わないサンドであってもよい。
各サンド20の前面部21には、LED(light-emitting diode)部31、カード挿入口32、紙幣を投入可能な紙幣挿入口33、タッチパネルLCD(liquid crystal display)により構成された操作ユニット34、カメラ35、非接触ICカードリーダライタ36、メダル払出/投入部1001、スピーカカバー部38、等が設けられている。カード挿入口32は、例えばホールのカード発行機(図示せず)によって発行された情報カードを受け付け可能な挿入口である。LED部31は、フルカラーLED31A、赤外LED(赤外線発光ダイオード)31Bから構成されている。
遊技者は、情報カード又は所定金額の紙幣を、カード挿入口32又は紙幣挿入口33に投入することで、遊技に必要な遊技媒体としてのメダルの貸し出しを受けることができる。また、遊技者は、非接触ICカードを、非接触ICカードリーダライタ36にかざすことで、遊技に必要なメダルの貸し出しを受けることができる。
サンド20は、情報カード、紙幣及びICカードといった価値媒体の投入を受けると、投入された価値媒体の金額に応じた数のメダルを、内部に設けられた払出用ホッパによって計数し、メダル払出/投入部1001を介して遊技者に払い出す。遊技者は、メダル払出/投入部1001を介して払い出されたメダルをパチスロ機10のメダル投入口11へ投入することにより、パチスロ機10において遊技を行うことができる。
また、パチスロ機10においては、遊技の結果に応じて、メダル払出トレー12にメダルが払い出される。遊技者は、このメダルをメダル払出トレー12から掬い取り、サンド20のメダル払出/投入部1001を介して計数口39へ投入することにより、このメダルをサンド20によって計数させることができる。サンド20は、計数口39から投入されたメダルを、内部に設けられた計数用ホッパによって計数する。
計数された結果は、カード挿入口32から挿入されたカードに記録され、又は、ホールコンピュータに設けられた記憶部に記憶される。
計数用ホッパにおいて計数されたメダルは、サンド20の底面部に設けられた排出口から搬送コンベアに排出され、回収される。なお、搬送コンベアが設けられていない場所では、サンド20の下部にメダルを貯留するための貯留ボックスを設置し、この貯留ボックスへメダルを排出するようにしてもよい。
メダル払出/投入部1001(遊技媒体誘導部)について説明する。上述したように、メダル払出/投入部1001は、サンド20から貸し出されるメダル(サンド20の払出用ホッパにおいて計数され前面パネル23の払出口1002から払い出されたメダル)をノズル1050を介して遊技者の手元(パチスロ機10のメダル払出トレー12(図1))に誘導する払出誘導手段としての機能と、パチスロ機10において払出トレー12へ払い出されたメダルを、遊技者が掬い取って計数口39へ投入する際の投入誘導手段としての機能を併せ持っている。
メダル払出/投入部1001においては、サンド20の前面パネル23に払出口1002及び計数口39が設けられており、これらを覆うように、前面パネル23の前面側に誘導カバー1003が設けられている。
因みに図3に示すように、本実施形態の場合、サンド20の筐体内において、払出用ホッパ51は計数用ホッパ71よりも上方に設けられており、これに応じて、払出口1002は計数口39よりも上方に設けられている。
図4は、メダル払出/投入部1001の構成を示す略線図である。図4に示すように、誘導カバー1003の内底部は、誘導カバー1003の内部と誘導カバー1003の下部に設けられたノズル1050の内部とを連通する開口部1004を構成している。この開口部1004は、計数口39の筐体内部側から繰り出されるノズルシャッタ(第2のシャッタ)1100によって開閉可能となっている。ノズルシャッタ1100は、ソレノイドによって開閉動作可能に構成されている。ノズルシャッタ1100によって開口部1004が閉じられた状態では、当該ノズルシャッタ1100によって誘導カバー1003の内底部が構成される。この内底部は、計数口39の筐体内部側に設けられた誘導傾斜面部1301と連続する一連の傾斜面を構成する。
また、計数口39は、計数口シャッタ(第1のシャッタ)1200によって開閉可能となっている。計数口シャッタ1200は、ソレノイドによって開閉動作可能に構成されている。計数口39が計数口シャッタ1200によって閉じられた状態では、誘導カバー1003内のメダルは、計数口39内に入らず計数用ホッパ71による計数は行われないことになる。
計数口39の上部に設けられた払出口1002は、常時開放されており、払出用ホッパ51によって所定数のメダルが払い出されると、当該メダルは、払出口1002を介して誘導カバー1003の内部に落下する。ノズルシャッタ1100が開口部1004を開放した状態では、誘導カバー1003内に落下したメダルは、開口部1004を介してノズル1050へ落下することとなる。
払出用ホッパ51による払出動作が実行される場合の各シャッタ(ノズルシャッタ1100、計数口シャッタ1200)の動作について説明する。遊技者が情報カード又は所定金額の紙幣を、カード挿入口32又は紙幣挿入口33に投入し、操作ユニット34を操作して金額を指定すると、払出用ホッパ51は、図5に示すように、指定された金額分のメダルを数えて払出口1002から誘導カバー1003内に払い出す。
払出用ホッパ51が払出動作を実行する場合、サンド20の制御部の制御により、ノズルシャッタ1100が開口部1004を開放して誘導カバー1003の内部とノズル1050の内部とが連通した状態となる。また、この場合、計数口シャッタ1200が計数口39を閉じた状態に制御される。
これにより、払出口1002から誘導カバー1003内に払い出されたメダルMは、ノズル1050へ導かれることになる。
次に、計数用ホッパ71による計数動作が実行される場合の各シャッタ(ノズルシャッタ1100、計数口シャッタ1200)の動作について説明する。遊技者が操作ユニット34を操作して計数動作の開始を指定すると、計数用ホッパ71は計数動作を開始すると共に、図6に示すように、サンド20の制御部の制御により、ノズルシャッタ1100が開口部1004を閉じ、計数口シャッタ1200が計数口39を開放した状態となる。
このように、計数口39が開放状態となり、ノズルシャッタ1100が開口部1004を閉じた状態になると、誘導カバー1003内のメダルMは、計数口39から筐体内部に入り、誘導傾斜面部1301上を計数用ホッパ71へ滑り落ちる。これにより、遊技者が計数しようとするメダルを誘導カバー1003内に投入すると、当該投入されたメダルは、計数用ホッパ71に誘導され、計数される。因みに、計数用ホッパ71において計数されたメダルは、計数用ホッパ71の底面部に設けられた排出口74から筺体の排出口73(図3)を介して、排出メダルを搬送するための搬送コンベアに排出される。
このように、サンド20においては、ノズルシャッタ1100及び計数口シャッタ1200を制御することにより、払出用ホッパ51を動作させてメダルを貸し出す(払い出す)場合と、計数用ホッパ71を動作させて投入されたメダルを計数する場合とで、メダルの流れを異ならせることができ、払出し時(メダル貸出時)には、払出口1002、誘導カバー1003内及びノズル1050の順にメダルが流れるように制御することにより、ノズル1050の先端部から遊技者の手元(パチスロ機10のメダル払出トレー12)へ払い出すことができ、これに対して、計数時には、誘導カバー1003内、計数口39及び計数用ホッパ71の順にメダルが流れるように制御することにより、誘導カバー1003内に投入されたメダルを計数用ホッパ71によって計数させることができる。
ノズル1050について説明する。図7に示すように、ノズル1050は、その基部1050Bがノズル支持部1055に回動自在に支持されている。これにより、ノズル1050の先端部1050Aが左右方向に回動し得るように構成されている。
一方、図8に示すように、パチスロ機10のメダル払出トレー12の周縁部の一部には、ノズル1050の外周形状に一致した凹部12Aが形成されている。図9に示すように、ノズル1050を回動させて凹部12Aに乗せることで、ノズル1050の先端部1050Aをメダル払出トレー12の内部に位置決めすることができる。これにより、ノズル1050を介して貸し出されたメダルを、確実にメダル払出トレー12内に払い出すことができる。
なお、図7に示すように、ノズル支持部1055及びノズル1050の基部1050Bには、発光部1056A及び受光部1056Bからなる回動位置センサ1056が設けられており、ノズル1050の先端部1050Aがパチスロ機10のメダル払出トレー12内に入っている状態(図7(A))を検出することができるようになっている。これにより、例えば、払出し(貸出し)動作を実行する際に、ノズル1050の先端部1050Aがメダル払出トレー12内に入っていない場合(図7(B))には、エラー表示を行ったり、払出用ホッパ51の払出動作を停止させたりすることで、サンド20からノズル1050を介して払い出されたメダルが、床等に散乱することを防止することができる。なお、回動位置センサ1056としては、発光部1056A及び受光部1056Bからなるセンサに代えて、例えば磁気センサ等、種々のものを用いることができる。
ノズル1050の先端部1050Aの近傍において、当該ノズル1050がメダル払出トレー12に支持されることで、ノズル1050は、その基部1050Bと先端部1050A近傍の2か所において支持されることになり、基部1050Bだけで片持ち支持される場合に比べて、ノズル1050の耐久性を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、ノズル1050の先端部1050Aの近傍がメダル払出トレー12の周縁部に接触することで支持される構成について述べたが、これに限られるものではなく、ノズル1050の先端部1050Aから払い出されるメダルがメダル払出トレー12内に払い出される状態において、ノズル1050がメダル払出トレー12(パチスロ機10)に接触しない程度の近傍に配置されるようにしてもよい。
例えば、図8及び図9に示す構成では、ノズル1050の先端部1050Aがメダル払出トレー12の周縁部に接触するようになっているが、周縁部に接触させずに当該周縁部から僅かに浮いた状態に配置されるようにしてもよい。この場合、ノズル1050はその基部1050Bにおいてのみサンド20に支持される片持ち支持構造となるが、このような片持ち支持構造においてノズル1050に外力が加わって当該ノズル1050の先端部1050Aが下方に押し下げられると、メダル払出トレー12の周縁部から浮いていた先端部1050Aが周縁部に接触する。この状態において、ノズル1050は、当該接触部位と基部1050Bとの2か所で支持される両持ち支持構造になり、片持ち支持構造に比べて一段と耐久性の高い状態となる。すなわち、外力が加わらない状態においては、基部1050Bにおける片持ち支持構造となっており、外力が加わると先端部1050Aの近傍と基部1050Bとの2か所で支持される両端支持構造となることにより、例えば、図7に示したようにノズル1050を回動させる際には、片持ち支持構造においてノズル先端部が支持されていない分、回動操作が容易になるという利点を有しながら、外力が加わった場合には両持ち支持構造となって十分な耐久性を発揮させることができる。外力としては、例えば手で押さえつけられた場合に加わる力の他、大量のメダルがノズル1050を介して払い出された場合に当該メダルの重量によって下方に加わる力等が想定される。
次に、パチスロ機10が設置されたいわゆる島設備における吸殻処理装置について説明する。図1に示すように、パチスロ機10が並べて配置された島設備においては、パチスロ機10ごとに遊技者が吸殻を捨てるための廃棄口1601が設けられている。
廃棄口1601の内部には、搬送ベルト1602が移動しており、当該搬送ベルト1602上に落下した吸殻は、搬送ベルト1602によって搬送される。図10は、吸殻処理装置1600の構成を示す図である。図10に示すように、一対のローラ1602、1603間に架け渡され、これらのローラ1602、1603がモータ(図示せず)によって回転駆動されることで、常に一定の方向に回転している。
搬送ベルト1602の下流側には、廃棄箱1605が設けられており、搬送ベルト1602によって搬送された吸殻は、廃棄箱1605内に廃棄される。
なお、本実施形態においては、廃棄対象を吸殻としているが、これに限られるものではなく、種々のごみを廃棄する場合に広く適用することができる。
次に、サンド20における異物処理部1700について説明する。図4に示したように、サンド20においては、ノズルシャッタ1100によって開口部1004を閉じると共に計数口シャッタ1200を駆動して計数口39を開放した場合に、計数口39を介して筐体内部に誘導されたメダルを、計数用ホッパ71へ導くための誘導傾斜面部1301が設けられている。この誘導傾斜面部1301は、計数口39を介して投入されたメダルを計数用ホッパ71へ滑り落とすための通路となっている。メダルがこの誘導傾斜面部1301上を滑り落ちる場合、メダルと共に小さなごみ等の異物がメダルに混入して投入されてくる場合や、遊技者の悪意により飲み物等の液体が投入される場合がある。本実施形態の場合、誘導傾斜面部1301に異物分別孔1302を設けることにより、異物のみを分別して廃棄することができるように構成されている。
図11は、メダル払出/投入部1001と、サンド20の筐体内部に設けられた異物処理部1700とを示す略線図である。図11に示すように、異物処理部1700は、上下方向に延びる異物分別経路1701と、当該異物分別経路1701の上面部を構成する誘導傾斜面部1301と、異物分別経路1701の下端部に設けられた異物排出口1703とを備える。
図12及び図13は、誘導カバー1003、計数口シャッタ1100、誘導傾斜面部1301及び計数用ホッパ71を示す略線図である。図12は、ノズルシャッタ1100がノズル上部の開口部1004を閉じた状態を示し、図13は、ノズルシャッタ1100が筐体22の内部に移動して開口部1004が開放された状態を示す。
誘導傾斜面部1301には、メダルMの大きさよりも小さな異物分別孔1302が複数形成されている。ノズルシャッタ1100が開口部1004を閉じた状態においては、異物分別孔1302が露出することにより、誘導傾斜面部1301上をメダルとともに滑り落ちる異物は、異物分別孔1302から異物分別経路1701へ落下する。異物分別経路1701へ落下した異物は、異物分別経路1701の異物排出口1703から排出される。
このように、本実施形態のサンド20では、計数口39を介してメダルが投入されると、これに混入した異物を分別して除去することができる。これにより、計数用ホッパ71に異物が落下して計数用ホッパ71が故障することを未然に防止することができる。
異物処理部1700においては、さらに、異物排出口1703から排出された異物を、図10について上述した吸殻処理装置1600へ排出する構成となっている。図6に示すように、誘導傾斜面部1301の異物分別孔1302を介して異物分別経路1701へ落下した異物Dは、異物排出口1703によって吸殻処理装置1600へ誘導される。すなわち、異物排出口1703は、異物を吸殻処理装置1600へ誘導する誘導手段としての機能を有している。
図6に示すように、異物処理部1700の位置と、吸殻処理装置1600の搬送ベルト1602の位置とは離れている。この場合、異物排出口1703としては、図14に示すような樹脂チューブ1704を取り付けることにより、異物処理部1700から排出される異物Dを、搬送コンベア1602へ導くことができる。樹脂チューブ1704は、蛇腹状に形成されていることが望ましく、これにより、異物排出口1703と搬送コンベア1602との位置関係に応じた排出経路の設定を容易に行うことができる。
なお、樹脂チューブ1704の取付方法としては、まず、異物分別経路1701を取り外し、樹脂チューブ1704を筐体22の装着孔22Dの上方から挿入して筺体22の底面部(平面部)で固定する。その後、異物分別経路1701を取り付ける。このように、樹脂チューブ1704を装着孔22Dに取り付けた後に、蛇腹部1704Aにより排出方向を任意に調整することができ、異物排出経路の設定を容易に行うことができる。
このように、異物処理部1700において分別された異物を吸殻処理装置1600へ誘導する構成としたことにより、異物として例えば飲み物等の液体が投入された場合、当該液体は異物処理部1700において分別され、異物分別経路1701及び異物排出口1703を介して吸殻処理装置1600へ誘導することができる。この場合、吸殻処理装置1600に排出された液体は、当該吸殻処理装置1600内を搬送される吸殻の消火用として利用することが可能となる。
図15は、パチスロ機10及びサンド20を示す上面図である。図15に示すように、パチスロ機10においては、本体部10Cに対して、フロントドア10Bが回動軸10Aによって回動(開閉)可能に軸支されている。このため、ノズル1050がパチスロ機10の前面側に回動されていると、フロントドア10Bを矢印r1方向に開くことができなくなるが、本実施の形態のノズル1050は左右に回動自在に支持されていることにより、ノズル1050を図15において右方向(矢印r2方向)に回動させることで、フロントドア10Bを開く際の妨げになることを回避することができる。
次に、サンド20の内部構造について説明する。図3に示すように、サンド20は、筐体22の内部に、情報カード、紙幣、非接触ICカード等の価値媒体を識別する識別手段(情報カードリーダ62、紙幣識別装置61、ICカードリーダライタ等)と、電源ユニット65とを収納する第1の収納空間AR11を有している。また、第1の収納空間AR11の下方には、払出用ホッパ51と計数用ホッパ71とを上下に併設して収納する第2の収納空間AR13を有している。第1の収納空間AR11には、上部に識別手段(情報カードリーダ62、紙幣識別装置61、ICカードリーダライタ等)が収納され、下部に電源ユニット65が収納されている。すなわち、第1の収納空間AR11の下部は、電源ユニット65を収納する電源ユニット収納空間AR12を形成している。
図16は、第1の収納空間AR11を示す略線的斜視図である。図16において、紙幣識別装置(ビルバリ)61は、紙幣挿入口33(図3)から投入された紙幣を識別する装置であり、情報カードリーダ62は、カード挿入口32から挿入された情報カードから情報を読み取る装置である。これら紙幣識別装置61及び情報カードリーダ62の合計の幅寸法は、筐体22の内部空間の幅寸法よりも小さくなっている。これにより、情報カードリーダ62及び紙幣識別装置61を並べて収納した場合、これら情報カードリーダ62及び紙幣識別装置61からなる識別手段の側方には、制御基板63の厚み寸法以上の空間が形成されるようになっている。
また、電源ユニット65の幅寸法は、筐体22の内部空間の幅寸法よりも小さくなっている。これにより、電源ユニット65を識別手段の下方に収納した場合、電源ユニット65の側方には、制御基板63の厚み寸法以上の空間が形成されるようになっている。
すなわち、識別手段及び電源ユニット65を上下に並べて収納することにより、それらの側方には、制御基板63の厚み寸法以上の寸法でなる空間が形成される。この空間に制御基板63を立てて収納することができる。この場合、制御基板63を収納する空間の大きさは、筐体22の内部空間の前後方向の寸法及び第1の収納領域AR11の上下方向の寸法を全て充当することができ、大きな収納空間を得ることができる。
図17は、電源ユニット65を、筐体22の内部空間の左右方向の寸法を全て使用して収納した比較例を示している。この場合、識別手段(紙幣識別装置61及び情報カードリーダ62)の側方に形成される制御基板63を収納するための空間の下方は、電源ユニット65によって占められていることにより、その分、制御基板63を収納するための空間が小さくなる。
これに対して、本実施の形態においては、図16に示したように、制御基板63を収納するための空間を大きくとることができることにより、一段と大型の制御基板63を収納することができる。このように大型の制御基板63を収納することができることにより、制御基板63の制御対象装置を多くすることができる。
図3において、第1の収納領域AR11の下方の第2の収納空間AR13に収納された払出用ホッパ51は、その上部において筐体22の背面部に設けられた補給用開口部52を介して、ホールからの補給路によりメダルが補給されるようになっている。この補給用開口部52と払出用ホッパ51との間には、補給通路53が設けられており、補給用開口部52から補給されたメダルは、補給通路53を介して払出用ホッパ51に落下する。
一方、筐体22の前面部21に設けられた計数口39と計数用ホッパ71との間には、導入通路72が設けられたおり、計数口39から投入されたメダルは、この導入通路72を介して計数用ホッパ71に落下する(矢印a)。計数用ホッパ71には、メダルを計数する計数手段が設けられており、この計数手段により計数されたメダルは、筐体20の底面部に設けられた排出口73から搬送コンベアに排出され(矢印b)、回収される。
次に、サンド20におけるスピーカの取り付け位置について説明する。図3に示すように、サンド20の前面部21には、前面パネル23が設けられており、この前面パネル23には、スピーカカバー38が一体に設けられている。このスピーカカバー38は、前面パネル23(スピーカカバー38)の裏面側に設けられたスピーカからの音を前方に透過させる複数の透過口を有している。
図18は、サンド20の前面部21の前面パネル23を取り外した状態を示す斜視図である。図18に示すように、前面パネル23の裏面側には、払出用ホッパ51が配置されており、この払出用ホッパ51の前面部にスピーカ81が固定されている。
なお、図19に示すように、前面パネル23の裏面側には、スピーカ81から出力される音の漏れを防止するためのエンクローズド用の突起部材101をスピーカ81の周囲を覆うように一体成形することが望ましい。
図20は、払出用ホッパ51を示す斜視図であり、図21は、その縦断面図である。本実施形態においては、払出用ホッパ51として、払出しのための計数が完了したメダルを、当該払出用ホッパ51の下部から払い出す構造(計数用ホッパ71と同様の構造)のものを用いる。図20に示すように、払出用ホッパ51には、スピーカ81が結合部材82を介してユニット化されており、図21に示すように、スピーカ81の接続配線84は、払出用ホッパ51の接続コネクタ55に接続されている。この払出用ホッパ51の接続コネクタ55は、制御基板63と払出用ホッパ51とを接続して、払出用ホッパ51に対して制御基板63からの制御信号を供給するためのコネクタであり、本実施の形態の場合、接続コネクタ55にスピーカ81への音声信号供給用の配線を接続することにより、接続コネクタ55を、払出用ホッパ51及びスピーカ81によって共用している。これにより、制御基板63からの音声信号は、接続コネクタ55を介してスピーカ81に出力されることになり、既存の払出用ホッパ51のための接続コネクタ55をスピーカ81のための接続コネクタとして共用することで、接続コネクタが増えることを防止して、構成の複雑化を回避することができる。
図22は、計数用ホッパ71を示す斜視図であり、図23は、その縦断面図である。図22に示すように、計数用ホッパ71のメダル通路76の前面部にはメダルを受けるための開口部75が設けられており、計数口39へ投入されたメダルは、誘導傾斜面部1301(図6、図11)を介して計数用ホッパ71へ導かれる。計数用ホッパ71において計数されたメダルは、図23に示すように、計数用ホッパ71の底面部に設けられた排出口74から筺体の排出口73(図3)を介して搬送コンベアに排出される。
因みに、計数口39の大きさは、遊技者の手が入り難い大きさとされている。
また、開口部75にはフォトセンサ77(図18)が設けられており、遊技者の手が入った場合にこれを検出するようになっている。これにより、遊技者の手が誤って挿入された場合、又は、不正により手が挿入された場合等に、フォトセンサ77によって検出し、計数用ホッパ71の動作を停止させることができる。なお、このフォトセンサ77の取り付け位置は、計数口39及び開口部75を介して投入されるメダルを誤検出しない位置に設けられている。例えば、開口部75の上部の状態のみを検出するように設けることにより、開口部75の下方を滑り込むメダルは検出せずに、開口部75の上部まで入り込む遊技者の手だけを検出することができる。因みに、計数用ホッパ71には、メダルの投入を検出するためのセンサ(図示せず)も設けられている。
図24は、搬送コンベア90とパチスロ機10及びサンド20との配置状態を示す概略図である。図24に示すように、本実施の形態のサンド20及びパチスロ機10は、搬送コンベア90を挟んで両側に設けられており、図3に示した排出口73の位置と、搬送ベルト90の位置とが離れている。この場合、サンド20の排出口73には、図14に示すような樹脂チューブ95を取り付けることにより、排出口73から排出されたメダルを、搬送コンベア90へ導くことができる。樹脂チューブ95は、蛇腹状に形成されていることが望ましく、これにより、排出口73と搬送コンベア90との位置関係に応じた排出経路の設定を容易に行うことができる。
なお、樹脂チューブ95の取付方法としては、まず、計数用ホッパ71を取り外し、樹脂チューブ95を排出口73の上方から挿入して筺体22の底面部(平面部)で固定する。その後、計数用ホッパ71を取り付ける。このように、樹脂チューブ95を排出口73に取り付けた後に、蛇腹部により排出方向を任意に調整することができ、排出経路の設定を容易に行うことができる。
因みに、図25は、サンド20及びパチスロ機10の近傍に搬送コンベア90が設けられている例を示す概略図である。この場合、サンド20の排出口73の下方近傍に搬送コンベア90が設けられることにより、排出口73から排出されたメダルを直接搬送コンベア90に排出することができる。すなわち、図23に示すように、計数用ホッパ71の排出口74には、排出されるメダルをガイドするガイド部74A、74Bが設けられており、このガイド部74A、74Bによって、メダルの排出方向を斜め方向にすることができる。これにより、計数用ホッパ71の排出口から排出されるメダル(すなわち筺体22の排出口73(図3)から排出されるメダル)の排出方向を、サンド20の下方近傍に配された搬送コンベア90の方向にすることができる。
図26は、前面パネル23をサンド20の筐体22から取り外した状態を示す部分的断面図である。前面パネル23は、鍵によるロック/ロック解除が可能であるロック部225(図3)によって筐体22にロック可能となっており、このロック部225をロック解除することにより、筐体22から取り外すことができる。
図26に示すように、筐体内部には、ノズルシャッタ1100を案内する案内部材1105Aが設けられており、図27に示すように、ノズルシャッタ1100は、この案内部材1105Aに沿ってソレノイド1110により移動するようになっている。一方、前面パネル23においては、当該前面パネル23を筐体22に取り付けた状態で案内部材1105Aに連通する案内部材1105Bが設けられており、前面パネル23が筐体22に取り付けられた状態において、ノズルシャッタ1100は、案内部材1105A及び1105Bによって案内され、ノズル1050の開口部1004を閉じる位置(図6)と筐体22の内部に引き込まれた位置(図5)との間を移動可能に構成されている。
また、計数口シャッタ1200は、筐体内部に設けられた案内部材1205に沿って、ソレノイド1210により上下駆動されるようになっている。これにより、計数口シャッタ1200を下方に移動させることにより(図5)、払出用ホッパ51から払い出されたメダルMが誤って計数口39に流れ込むことを防止することができ、また、メダル計数時には、計数口シャッタ1200を上方に移動させることにより(図6)、誘導カバー1003内に投入されたメダルMを、計数口39を介して計数用ホッパ71へ誘導することができる。
図28は、サンド20の制御基板63及び当該制御基板63によって制御される構成部品を示すブロック図である。メインCPU(central processing unit)121は、ROM(read only memory)122に格納された制御プログラムを読み出してメダルの計数及びその他の処理を実行するようになされている。処理に係る各種データは、RAM(random access memory)123に格納される。
メインCPU121は、情報カードリーダ62を介して情報カードから読み取った金額データを残高データとしてRAM123に格納する。メインCPU121は、この残高データと、操作ユニット34から出力される操作結果に基づいて、遊技者が指定した金額が残高データよりも小さい場合には、指定された金額分のメダルを払出用ホッパ51において計数して払い出し、残高データから払い出されたメダル分の金額を減算することにより、残高データを更新する。なお、メインCPU121は、駆動回路131を制御することにより、払出用ホッパ51を駆動させることができる。また、メインCPU121には、駆動回路132を介して計数用ホッパ71が接続されており、メインCPU121は、駆動回路132を制御することにより、計数用ホッパ71を駆動させることができる。
操作ユニット34には、情報カードを返却するボタンも表示されており、遊技者がこの操作ボタンを操作することにより、メインCPU121は、情報カードリーダ62に挿入されている情報カードをカード挿入口32から返却する。
また、メインCPU121は、紙幣識別装置(ビルバリ)61から出力される紙幣識別結果を残高データとしてRAM123に格納する。メインCPU121は、この残高データと、操作ユニット34から出力される操作結果に基づいて、遊技者が指定した金額が残高データよりも小さい場合には、指定された金額分のメダルを払出用ホッパ51において計数して払い出し、残高データから払い出されたメダル分の金額を減算することにより、残高データを更新する。なお、メインCPU121は、駆動回路131を制御することにより、払出用ホッパ51を駆動させることができる。
メインCPU121は、駆動回路1111を介してソレノイド1110を制御することにより、ノズルシャッタ1100(図26)を開閉させることができ、また、駆動回路1211を介してソレノイド1210を制御することにより、計数口シャッタ1200(図26)を開閉させることができる。
また、メインCPU121は、LED部31の赤外LED31Bを監視用投光器として用い、赤外LED31Bからの赤外光を遊技者で反射させ、これをカメラ35において撮像する。メインCPU121は、カメラ35において撮像された画像をROM122に格納し、この画像に基づいて、遊技者の存在を検出する。この検出処理は常時行われる。遊技者の状態が非検出(離席)状態に変化して、カード挿入口32から挿入された情報カードの金額データに残高がある場合、又は紙幣挿入口33から挿入された紙幣の金額データに残高がある場合、メインCPU121は、スピーカ81を介して、警告音や警告音声を発することにより、離席しようとする遊技者に対して注意を喚起することができる。警告音声としては、「カードを忘れています」といった音声が発せられる。
また、メインCPU121は、非接触ICカードリーダライタ36を介して、非接触ICカードとの間で非接触通信を行うようになされている。この通信の方式は、例えば、キャリア周波数が13.56MHzの電磁誘導方式である。メインCPU121は、非接触ICカードリーダライタ36を介して非接触ICカードから読み取った金額データに応じた数のメダルを払出用ホッパ51によって計数し、メダル払出/投入部1001から払い出すと共に、非接触ICカードの残高データを書き換える。
また、メインCPU121は、インターフェイス125を介して、パチスロ機やホールコンピュータとの間で通信を行うようになっている。
回動位置センサ1056は、図7について上述したように、ノズル1050の先端部1050Aの位置を検出するものであり、CPU121は、回動位置センサ1056からの検出信号に基づいて、ノズル1050の先端部1050Aがパチスロ機10のメダル払出トレー12内に入っている状態を検出する。
図29は、メインCPU121による遊技媒体の貸出/計数処理手順を示すフローチャートである。この処理は、メインCPU121によって常時実行されている。図29に示すように、メインCPU121は、ステップS11において、回動位置センサ1056からの検出信号に基づいて、ノズル1050の位置が正常であるか否かを判断する。正常な位置とは、ノズル1050の先端部1050Aがパチスロ機10のメダル払出トレー12内に入っている状態を意味する。ノズルの位置が正常である場合、CPU121はステップS11において肯定結果を得ることにより、ステップS11からステップS13へ処理を移す。
これに対して、ノズルの位置が正常でないと判断した場合、このことは、このままサンド20において払出(貸出)を行うと、払い出されたメダルが床に散乱するおそれがあることを意味しており、メインCPU121は、ステップS11において否定結果を得ることにより、ステップS11からステップS12へ処理を移して、ランプや音などによる警告表示を行うと共に、ノズルシャッタ1100を駆動することでノズル1050の開口部1004(図3)を閉じ、ノズル1050へメダルが払い出されることを防止する。そして、メインCPU121は、ステップS13〜ステップS18の払出(貸出)に関する処理を行わずに、計数処理に係るステップS19へ処理を移す。
このようにして、ノズル1050の位置が正常でない場合は、ノズル1050からメダルが払い出されることが防止される。
ノズルが正常な位置である場合、メインCPU121は、ステップS13において計数済のメダル数に基づく払出指示があったか否かを判断する。この処理は、後述するステップS22において計数されRAM123に記憶されたメダル数の払出しを行う指示が操作ユニット34を介して入力されたか否かを判断する処理である。
因みに、図30は、ステップS13において操作ユニット34のタッチパネルLCDに表示される選択用の表示内容を示す平面図である。図30に示すように、操作ユニット34のタッチパネルLCDには、計数済のメダル数に基づく払出指示を選択するためのアイコンA11と、現金(価値媒体)に基づく払出指示を選択するためのアイコンA12が表示される。遊技者はこれらのアイコンのいずれかを押圧操作することにより、いずれかを指定することができる。
計数済のメダル数に基づく払出指示があった場合、メインCPU121は、ステップS13からステップS14に処理を移して、払出用ホッパ51を動作させることにより、計数済のメダル数と同数のメダルを払出口1002を介してメダル払出/投入部1001に払い出す。なお、遊技者が操作ユニット34を操作することにより、払出数を指定した場合、RAM123に記憶されているメダル数の範囲で指定された数のメダルを払い出すようにしてもよい。
図31は、ステップS14の詳細な処理手順を示すフローチャートである。ステップS14に処理を移したメインCPU121は、ステップS101において、ノズルシャッタ1100がノズル1050の開口部1004を開放しているか否かを判断する。この判断は、ノズルシャッタ1100の位置を検出するセンサ(図示せず)又はノズルシャッタ1100を駆動するソレノイド1110の状態に基づいて判断することができる。
開口部1004が開放されている場合、メインCPU121は、ステップS101において肯定結果を得ることにより、ステップS101からステップS103へ処理を移す。これに対して、ノズルシャッタ1100が開口部1004を開放していない場合、メインCPU121は、ステップS101において否定結果を得ることにより、ステップS101からステップS102へ処理を移して、ソレノイド1110を駆動することにより、ノズルシャッタ1100を移動し、ノズル1050の開口部1004を開放する。これにより、払出口1002から払い出されたメダルがノズル1050へ流入する状態となる。
ステップS101において肯定結果が得られた場合、又はステップS102の処理の後、メインCPU121は、ステップS103において、計数口シャッタ1200が計数口39を閉鎖しているか否かを判断する。この判断は、計数口シャッタ1200の位置を検出するセンサ(図示せず)又は計数口シャッタ1200を駆動するソレノイド1210の状態に基づいて判断することができる。
計数口シャッタ1200が計数口39を閉鎖している場合、メインCPU121は、ステップS103において肯定結果を得ることにより、ステップS103からステップS105へ処理を移す。これに対して、計数口シャッタ1200が計数口39を閉鎖していない場合、メインCPU121は、ステップS103において否定結果を得ることにより、ステップS103からステップS104へ処理を移して、ソレノイド1210を駆動することにより、計数口シャッタ1200を移動し、計数口39を閉鎖する。これにより、払出口1002から払い出されたメダルが計数口39へ誤って流入することを防止することができる。
ステップS103において肯定結果が得られた場合、又はステップS104の処理の後、メインCPU121は、ステップS105において、払出用ホッパ51を動作させることにより、このとき指定されている数のメダルを払い出す。これにより、払出口1002から払い出された指定数のメダルは、誘導カバー1003及び開口部1004(図3)、ノズル1050を介して、パチスロ機10のメダル払出トレー12へ払い出される。
ステップS105の処理の後、メインCPU121は、図29のステップS19へ処理を移す。
一方、図29のステップS13において、計数済メダルに基づく払出指示がなかった場合、メインCPU121は、ステップS13において否定結果を得ることにより、ステップS13からステップS15へ処理を移し、価値媒体の投入があったか否かを判断する。価値媒体とは、カード挿入口32に挿入される情報カード、紙幣挿入口33に挿入される紙幣、又は非接触ICカードリーダライタ36にかざされる非接触ICカードを意味する。情報カードがカード挿入口32に挿入されると、情報カードリーダ62によって情報カードから金額データが読み出される。紙幣が紙幣挿入口33に挿入されると、紙幣識別装置(ビルバリ)61によって紙幣の金額が識別される。また、非接触ICカードリーダライタ36に非接触ICカードがかざされると、非接触ICカードリーダライタ36によって非接触ICカードの金額データが読み取られる。これらの読み取られた金額データは、RAM123に記憶される。
価値媒体が挿入された場合、メインCPU121は、ステップS15において肯定結果を得ることにより、ステップS15からステップS16へ処理を移して、払出しに係る金額の指定があったか否かを判断する。ここで否定結果が得られると、このことは、遊技者が操作ユニット34を介して払出メダルの金額を指定していないこと(すなわち、金額データ全額分の払出しを指定したこと)を意味している。ここで、情報カード又は紙幣が挿入されている場合には、情報カード又は紙幣を挿入した後に、遊技者が操作ユニット34を操作することにより、金額を指定することができ、また、非接触ICカードをかざして金額データを読み取らせる場合には、非接触ICカードをかざす前に、遊技者が操作ユニット34を操作することにより、金額データを指定することができる。情報カード又は紙幣が挿入された場合にあっては、メインCPU121は、読み取った金額データを一旦RAM123に格納した後、遊技者によって指定された金額がRAM123に格納された金額の範囲内である場合には、RAM123の金額データを指定された金額データに書き換える。
一方、非接触ICカードがかざされる場合、先に金額が指定されることにより、メインCPU121は、指定された金額データをRAM123に設定し、その後非接触ICカードがかざされて当該非接触ICカードとの間で通信を行う際に、RAM123に設定されている金額が非接触ICカードに格納されているか否かを判断し、格納されている場合には、非接触ICカードに格納されている金額から、RAM123に設定された金額を減算することにより、非接触ICカードの金額を書き換える。これに対して、非接触ICカードに格納されている金額が、RAM123に設定された金額に満たない場合、メインCPU121は、非接触ICカードの金額データを書き換えず、操作ユニット34にエラー表示を行うことにより、払出処理を中止する。
このような処理がステップS16において実行されることにより、RAM123には、実際に価値媒体から引き出された金額分のデータが記憶されることになる。因みに、RAM123において、既に残高データがある場合(過去の計数結果や前回の価値媒体の挿入時の残高)、メインCPU121は、これらの残高データに、価値媒体から引き出された金額分のデータを加算することになる。
そして、メインCPU121は、金額指定があった場合には、ステップS16からステップS17へ処理を映して、払出用ホッパ51を駆動させることにより、指定金額分のメダルを、メダル払出/投入部1001に払い出す。払い出された金額データは、RAM123の特定の領域に払出履歴データとして残される。
図32は、ステップS17の詳細な処理手順を示すフローチャートである。図32においては、図31と同様の処理ステップに同一符号を付して、重複した説明は省略する。図29のステップS17に処理を移したメインCPU121は、ステップS101においてノズルシャッタ1100がノズル1050の開口部1004を開放しているか否かを判断し、開口部1004が開放されていない場合、ステップS102において開口部1004を開放する。
また、メインCPU121は、ステップS103において、計数口シャッタ1200が計数口39を閉鎖しているか否かを判断し、計数口39が閉鎖されていない場合、ステップS104において計数口39を閉鎖する。
ステップS103において肯定結果が得られた場合、又はステップS104の処理の後、メインCPU121は、ステップS110において、払出用ホッパ51を動作させることにより、このとき指定されている金額分のメダルを払い出す。これにより、払出口1002から払い出された指定金額分のメダルは、誘導カバー1003及び開口部1004(図3)、ノズル1050を介して、パチスロ機10のメダル払出トレー12へ払い出される。
ステップS110の処理の後、メインCPU121は、図29のステップS19へ処理を移す。
一方、図29のステップS16において、金額の指定がなかった場合、メインCPU121は、ステップS16において否定結果を得ることにより、ステップS16からステップS18へ処理を移し、挿入された全金額分のメダルを払い出す。払い出された金額データは、RAM123の特定の領域に払出履歴データとして残される。
図33は、ステップS18の詳細な処理手順を示すフローチャートである。図33においては、図31と同様の処理ステップに同一符号を付して、重複した説明は省略する。図29のステップS18に処理を移したメインCPU121は、ステップS101においてノズルシャッタ1100がノズル1050の開口部1004を開放しているか否かを判断し、開口部1004が開放されていない場合、ステップS102において開口部1004を開放する。
また、メインCPU121は、ステップS103において、計数口シャッタ1200が計数口39を閉鎖しているか否かを判断し、計数口39が閉鎖されていない場合、ステップS104において計数口39を閉鎖する。
ステップS103において肯定結果が得られた場合、又はステップS104の処理の後、メインCPU121は、ステップS115において、払出用ホッパ51を動作させることにより、このとき挿入されている金額分のメダルを払い出す。これにより、払出口1002から払い出された全金額分のメダルは、誘導カバー1003及び開口部1004(図3)、ノズル1050を介して、パチスロ機10のメダル払出トレー12へ払い出される。
ステップS115の処理の後、メインCPU121は、図29のステップS19へ処理を移す。
なお、遊技者が価値媒体を投入しなかった場合、メインCPU121は、上述のステップS15において否定結果を得ることにより、ステップS15からステップS19へ処理を移す。以上により、メダルの払出(貸出)処理は終了する。次に、メインCPU121は、ステップS19において、計数用ホッパ71の投入口(開口部75)に設けられたセンサ(フォトセンサ)77の検出結果に基づいて、遊技者の手が計数用ホッパ71に差し込まれたか否かを判断する。ここで肯定結果が得られると、メインCPU121は、ステップS20へ処理を移して、計数用ホッパ71の動作を停止させることにより、後述するステップS21〜ステップS25における計数処理を実行せずに、ステップS26へ処理を移す。これにより、遊技者の手が計数用ホッパ71へ挿入された場合には、計数用ホッパ71の計数処理を中止することができる。
一方、遊技者の手が計数用ホッパ71へ挿入されなかった場合、メインCPU121は、ステップS19からステップS21へ処理を移し、計数スイッチがオン操作されたか否かを判断する。計数スイッチは、操作ユニット34に設けられている。
計数スイッチがオン操作されている場合、メインCPU121は、ステップS21からステップS22へ処理を移し、計数用ホッパ71に計数処理を実行させる。
図34は、ステップS22の詳細な処理手順を示すフローチャートである。ステップS22に処理を移したメインCPU121は、ステップS121において、計数口シャッタ1200が計数口39を開放しているか否かを判断する。この判断は、計数口シャッタ1200の位置を検出するセンサ(図示せず)又は計数口シャッタ1200を駆動するソレノイド1210の状態に基づいて判断することができる。
計数口39が開放されている場合、メインCPU121は、ステップS121において肯定結果を得ることにより、ステップS121からステップS123へ処理を移す。これに対して、計数口シャッタ1200が計数口39を開放していない場合、メインCPU121は、ステップS121において否定結果を得ることにより、ステップS121からステップS122へ処理を移して、ソレノイド1210を駆動することにより、計数口シャッタ1200を移動し、計数口39を開放する。これにより、誘導カバー1003内に投入されたメダルを計数口39へ流入させることが可能な状態となる。
ステップS121において肯定結果が得られた場合、又はステップS122の処理の後、メインCPU121は、ステップS123において、ノズルシャッタ1100がノズル1050の開口部1004を閉鎖しているか否かを判断する。この判断は、ノズルシャッタ1100の位置を検出するセンサ(図示せず)又はノズルシャッタ1100を駆動するソレノイド1110の状態に基づいて判断することができる。
ノズルシャッタ1100が開口部1004を閉鎖している場合、メインCPU121は、ステップS123において肯定結果を得ることにより、ステップS123からステップS125へ処理を移す。これに対して、ノズルシャッタ1100が開口部1004を閉鎖していない場合、メインCPU121は、ステップS123において否定結果を得ることにより、ステップS123からステップS124へ処理を移して、ソレノイド1110を駆動することにより、ノズルシャッタ1100を移動し、開口部1004を閉鎖する。これにより、誘導カバー1003内に投入されたメダルがノズル1050へ流入することを防止して、計数口39へ流入させることができる。
ステップS123において肯定結果が得られた場合、又はステップS124の処理の後、メインCPU121は、ステップS125において、計数用ホッパ71を動作させることにより、投入されたメダルを計数する。これにより、遊技者が誘導カバー1003内に投入したメダルの数が計数用ホッパ71によって計数される。
ステップS125の後、メインCPU121は、ステップS126へ処理を移して、真贋判定処理を実行する。この処理は、計数用ホッパ71に投入されるメダルの真贋を判定する処理である。
図35は、ステップS126の詳細な処理手順を示すフローチャートである。ステップS126に処理を移したメインCPU121は、ステップS141において、真贋判定を行う。この処理では、所定の真贋判定手段(計数用ホッパ71に投入されるメダルをカメラ1501(図6)によって撮像し、撮像された画像と予め記憶されている真正メダルの画像とをメインCPU121が比較することに基づいて真贋を判定する手段)を用いて真贋を判定する。なお、真贋判定装置としては、画像比較を行うものに限られず、例えば投入されたメダルの重さを計測し、真正メダルの重さと比較する構成のものを用いたり、又は画像比較や重量比較を併用する構成のものを用いたりすることができる。さらに、画像比較の場合には、真正メダルの特徴点(例えば、自店独自の刻印を画像として用意しておき、投入されたメダルの刻印が一致するか否かを画像判定するようにすることもできる。
メインCPU121は、ステップS141において真贋判定処理を実行した後、ステップS142へ処理を移して、真贋判定の結果を判断する。判定対象のメダルが真正メダルである場合、メインCPU121は、ステップS142において肯定結果を得ることにより、ステップS148へ処理を移す。これに対して、判定対象のメダルが真正メダルではないと判断した場合、メインCPU121は、ステップS142において否定結果を得ることにより、ステップS142からステップS143へ処理を移して、RAM123(図28)に記憶されるエラー枚数を加算する。
そして、メインCPU121は、ステップS144において、エラー枚数が予め設定されている設定値以上となったか否かを判断する。エラー枚数が設定値以上でない場合、メインCPU121は、ステップS144において否定結果を得ることにより、ステップS144からステップS148へ処理を移す。これに対して、エラー枚数が設定値以上である場合、メインCPU121は、ステップS144において肯定結果を得ることにより、ステップS144からステップS145へ処理を移して、エラー信号を遊技店のホールコンピュータ(図示せず)へ送信し、さらにステップS146に処理を移してサンド20において所定のエラー表示(ランプの発光態様を特定の態様とすること等)を行う。そして、メインCPU121は、ステップS147において、このときサンド20に挿入されているカードを抜き取り禁止状態とする。これにより、不正なメダルを使用した場合に、不正メダルと判定されたメダル数が設定値以上となると、遊技店にその旨が通知される。
なお、設定値は遊技店側で任意に設定することができる。これにより、不正メダルが多少混入しただけではエラー状態としないようにすることができ、頻繁にエラー状態が発生することを避けることが可能となる。
ステップS142において肯定結果が得られた場合、ステップS144において否定結果が得られた場合、又はステップS147の処理の後、メインCPU121は、ステップS148へ処理を移して、計数動作を終了するか否かを判断する。本実施形態の場合、計数用ホッパ71において投入されるメダルを検出するセンサ(発光部及び受光部からなるセンサ等)が設けられており(図示せず)、このセンサが一定時間メダルを検出しない場合に計数処理を終了するものとなっている。
メインCPU121は、計数処理を終了しないものと判断した場合、ステップS148において否定結果を得ることにより、上述したステップS141へ処理を移して、同様の真贋判定処理を繰り返す。これに対して、計数処理を終了するものと判断した場合、メインCPU121は、ステップS148において肯定結果を得ることにより、ステップS148からステップS149へ処理を移して、エラー枚数をリセットした後、真贋判定処理(計数処理)を終了し、図29のステップS23へ処理を移す。
メインCPU121は、ステップS23において、計数結果(計数されたメダル数)をRAM123に記憶し、ステップS24において、オン状態にある計数スイッチの状態をクリアする。
次に、メインCPU121は、ステップS25において、離席警告処理を実行する。図36は、離席警告処理手順を示すフローチャートである。メインCPU121は、ステップS151において、カメラ35による撮像結果を分析し、続くステップS152において、遊技者が離席したか否かを判断する。遊技者が離席した場合、メインCPU121は、ステップS152からステップS153へ処理を移して、情報カード又は現金(金額データ)が残っているか否かを判断する。情報カード又は現金(金額データ)が残っている状態とは、RAM123に記憶されている金額データに残高が残っている状態を意味する。
金額データが残っている場合、メインCPU121は、ステップS153からステップS154へ処理を移して、駆動回路133によりスピーカ81から警告音や警告音声を発生させ、当該離席警告処理を終了する。これにより、残高が残っているにも関わらず遊技者が離席した場合には、遊技者に注意を促すことができる。
また、メインCPU121は、ステップS152において遊技者が離席していないと判断した場合又はステップS153において残高が残っていないと判断した場合、当該離席警告処理を終了し、図29の処理ルーチン(ステップS26)へ処理を移す。
ステップS26において、メインCPU121は、RAM123に記憶されている残高を、このとき挿入されている情報カード又は非接触ICカードに書き込む指示があったか否かを判断する。この処理は、操作ユニット34に書込みを指示するためのアイコンを表示し、このアイコンが押圧操作されたか否かによって判断する処理である。
書込み指示があった場合、メインCPU121は、ステップS26からステップS27へ処理を移して、カード挿入口32に情報カードが挿入されている場合には、当該情報カードにRAM123の残高データを書き込んで情報カードの残高データに加算することにより、情報カードの残高データを更新させる。また、情報カードが挿入されていない場合、メインCPU121は、操作ユニット34に情報カードを挿入するか又は非接触ICカードをかざすことを促す表示を行う。遊技者がカード挿入口32に情報カードを挿入したか、又は非接触ICカードリーダライタ36に非接触ICカードをかざした場合、メインCPU121は、これらのカードに残高データを書き込む。メインCPU121は、ステップS27の処理の後、又はステップS26において書込み指示がなかったと判断した場合、上述のステップS11に処理を移して、同様の処理を繰り返す。
以上説明したように、メインCPU121は、貸出/計数処理(図29)を実行することにより、サンド20においてメダルの貸出(払出)やメダルの計数を行うことができる。
メダルの貸出/計数処理においては、サンド20において計数された結果を用いたメダルの貸出を行うことにより、遊技者は、パチスロ機10から払い出されたメダルを、パチスロ機10から離れたホールの計数装置へメダルを運んで計数するといった煩雑な手間をかけずに、情報カードや非接触ICカードに計数結果を書き込むことができる。また、計数された結果に基づいてメダルの払出を受けることにより、パチスロ機10から離れたホールの計数装置へメダルを運んで計数するといった煩雑な手間をかけずに、払い出されたメダル数に応じた再遊技を行うことができる。
また、残高があるにも関わらず、遊技者が離席しようとした場合には、サンド20に設けられたスピーカ81から出力される警告音により遊技者に注意を促すことができる。
また、遊技者は、残高データを情報カードや非接触ICカードに書き込むこと又は再遊技のためのメダル払出しに利用することができることにより、メダル収納箱をホールの計数装置へ運ぶといった遊技者やホールスタッフの手間を軽減することができる。
また、遊技者は、投入された価値媒体に基づくメダルの払出し、又は計数結果に基づくメダルの払出しを選択することができることにより、例えば、計数したメダルのデータはそのまま残して、これに価値媒体から引き出した金額データを加算して使用するといった柔軟な利用方法を選択することが可能となる。
また、スピーカ81は、取り外し可能な前面パネル23ではなく、払出用ホッパ51に取り付けられていることにより、前面パネル23を取り外す際に、スピーカ81が前面パネル23と共に外されることがなくなる。これにより、スピーカの接続配線84が前面パネル23の取り外しの妨げになることを防止することができ、メンテナンス作業を容易に行うことができるようになる。
また、情報カード、紙幣、非接触ICカード等の価値媒体を識別する識別手段(情報カードリーダ62、紙幣識別装置61、ICカードリーダライタ等)を筺体内部の左右に寄せて配置すると共に、電源ユニット65も筺体内部の左右方向の寸法よりも小さなものを用い、これを上部に配置された識別手段と同じ側に寄せて配置するようにしたことにより、上下に配置された識別手段及び電源ユニット65の横の空間を上下に大きくとることができ、この空間に大型の制御基板63を配置することができる。本実施の形態の場合、サンド20の筺体22の内部において、制御基板63を、パチスロ機10側に配置する構成としたことにより、制御基板63とパチスロ機10とを接続する信号線の長さを短くすることができる。
また、払出用ホッパ51から払い出されるメダルをノズル1050へ誘導する場合と、計数用ホッパ71へ計数目的のメダルを投入する場合とのいずれにおいても、メダル払出/投入部1001の誘導カバー1003内を通るように構成することにより、構成が煩雑になることを防止することができる。また、ノズルシャッタ1100及び計数口シャッタ1200を設けることで、払出時及び計数時に共用されるメダル払出/投入部1001を誤動作なく使用することが可能となる。すなわち、払出時には、ノズルシャッタ1100が開かれ、計数口シャッタ1200が閉じられることにより、払出用ホッパ51から払い出されたメダルが、計数口39に流入することなく、ノズル1050に誘導することができる。また、計数時には、ノズルシャッタ1100が閉じられ、計数口シャッタ1200が開かれることにより、遊技者によって計数用として誘導カバー1003内に投入されたメダルは、ノズル1050に流入することなく、計数口39から計数用ホッパ71へ誘導されることになる。これにより、メダル払出/投入部1001を払出用及び計数用として共用するにつき、その払出動作及び計数動作を正確に行わせることが可能となる。
(他の実施の形態)
(1) 上述の実施の形態においては、誘導カバー1003として上部が大きく開口したものを用いる場合について述べが、これに限られず、例えば図37に示すように、棒状の仕切り部材1740を開口部に架け渡すようにしてもよい。このようにすれば、当該開口部は、仕切り部材1740に分断されることにより各々の開口面積が小さくなり、遊技者の手が挿入され難くなる。これにより、遊技者の手が、計数口39を介して計数用ホッパ71に差し込まれることを防止することができる。
(2) 上述の実施の形態においては、異物処理部1700として、吸殻処理装置1600等のサンド20の外部装置へ異物を排出する場合について述べたが、これに限られず、例えば、図38に示すように、サンド20の筐体22内部に異物貯留部1800を設け、異物処理部1700において分別された異物を異物貯留部1800に貯留し、一定量が溜まった時点で内部の異物を廃棄するようにしてもよい。
この場合、図39に示すように、異物貯留部1800は、前面パネル23を取り外すことにより、筐体22の内部から取り出すことができる。前面パネル23は、鍵225によって筐体22に取り付けられていることにより、異物貯留部1800を取り出す際には鍵の解除が必要となり、異物貯留部1800の取り出し部から不正を行うことが困難な構成とすることができる。
(3) 上述の実施の形態においては、計数口39へ投入されたメダルの真贋判定の結果、真正メダル以外のメダルが所定数検出された場合に、エラー信号の送信、エラー表示等の処理を実行する場合について述べたが、これに加えて、真正メダル以外のメダルと判定された場合に当該メダルを計数用ホッパ71とは別の不正メダル貯留部に貯留するようにしてもよい。
具体的には、図40に示すように、真正と判断されたメダルと不正と判断されたメダルとを振り分ける振分け処理部1850を設け、図35に示した真贋判定処理の真贋判定結果が真正メダルでないと判断された場合(ステップS142において否定結果が得られた場合)、振り分け処理部1850で経路切換手段1851を切り換えることにより、当該メダルを不正メダル貯留部1852へ誘導する。これにより、不正メダルは計数用ホッパ71において計数されないようにすることができる。
(4) 上述の実施の形態においては、ノズル1050の位置がパチスロ機10のメダル払出トレー12の中に入っているか否かを検出するための手段として、ノズル1050の基部1050Bにセンサ1056を設ける場合について述べたが、これに限られず、例えば、パチスロ機10のメダル払出トレー12においてノズル1050が接触する部位に接触センサを設けるようにしてもよい。ノズル1050が正しくメダル払出トレー12の中に入っている状態を接触センサが検出するようにしても、図7のセンサ1056と同様の効果を得ることができる。接触センサとしては、例えば、感圧式導電性シートを用いたもの等、種々の原理のものを用いることができる。また、接触センサに限らず、近接センサを用いるようにしてもよい。近接センサとしては、磁界の変化を利用した誘導型近接センサや、発光素子及び受光素子からなる赤外線を利用したもの等、種々の原理のものを用いることができる。近接センサを用いることにより、ノズル1050の先端部1050Aがメダル払出トレー12に接触しない構成を用いる場合であっても、ノズル1050からメダル払出トレー12へメダルを払出し得るノズル1050の位置(メダル払出トレー12の主演部からノズル1050が所定間隔を隔てて浮いた状態)を検出することが可能となる。
(5) 上述の実施の形態においては、貸出/計数処理(図29)のステップS21において、遊技者が計数スイッチをオン操作することで計数用ホッパ71を動作させて計数処理を実行する場合について述べたが、計数処理を開始させる方法としてはこれに限られず、例えば、誘導カバー1003の上部開口部にメダル通過検出センサ(発光部及び受光部からなるセンサ等)を設け、メダルが投入されたことを検出した場合に、計数処理を開始するようにしてもよい。
(6) 上述の実施の形態においては、制御基板63、ビルバリ61、情報カードリーダ62、非接触ICカードリーダライタ36、払出用ホッパ51、計数用ホッパ71等をサンド20の筺体22にそれぞれ固定する場合について述べたが、これに限られず、例えば、図41に示すように、筺体22に対して着脱可能なユニット構成としてもよい。
図41は、制御基板63、ビルバリ61、情報カードリーダ62、非接触ICカードリーダライタ36、払出用ホッパ51、計数用ホッパ71等を着脱可能なユニット構成とした場合のサンド20を示すブロック図である。図41に示すように、サンド20は、縦長の箱状に形成されており、遊技機間に設置固定される断面コの字型の筺体22に対して着脱可能なユニット部630と、ユニット構成の払出用ホッパ51と、ユニット構成の計数用ホッパ71と、電源ユニット65とを備えている。
このサンド20においては、ユニット部630の着脱装置634と筺体22の着脱装置(係止ピン、解除ピン、突起等により構成される)625とを介して、ユニット部630を、筺体22に対して着脱可能となっている。
また、払出用ホッパ51の着脱装置651と筺体22の着脱装置(係止ピン、解除ピン、突起等により構成される)653とを介して、払出用ホッパ51は、筺体22に対して着脱可能となっている。また、計数用ホッパ71の着脱装置671と筺体22の着脱装置(係止ピン、解除ピン、突起等により構成される)673とを介して、払出用ホッパ51は、筺体22に対して着脱可能となっている。
ユニット部630は、略長方体形状に構成された縦長状の本体(ケーシング)633内に、制御基板63、ビルバリ61、情報カードリーダ62、非接触ICカードリーダライタ36を収容しており、メンテナンスの頻度が高いこれらの構成装置を、1つのユニット部630内に設置して筺体22に対して取り外しできるように構成されている。
上記した各ユニットは、ユニット部630の内部に設置された制御基板63によってその動作が制御される。この制御基板63は、ユニット部630の後面に装着されるコネクタ631が筺体22内面に装着された接続コネクタ622に接続されることで、電源供給部Dから電源が供給されると共に、外部との間で各種データの送受信が可能となっている。この場合、ユニット部630に設けられるコネクタ631と、筺体22に設けられる接続コネクタ622は、ユニット部630を筺体22から離脱する方向に移動した際、両者の接続がそのまま解除されるように設置、構成されている。
また、払出用ホッパ51は、その後面に装着されるコネクタ652が筺体22内面に装着されたコネクタ654に接続されることで、電源供給部Dから電源が供給されると共に、外部との間で各種データの送受信が可能となっている。この場合、払出用ホッパ51に設けられるコネクタ652と、筺体22に設けられるコネクタ654は、払出用ホッパ51を筺体22から離脱する方向に移動した際、両者の接続がそのまま解除されるように設置、構成されている。
また、計数用ホッパ71は、その後面に装着されるコネクタ672が筺体22内面に装着されたコネクタ674に接続されることで、電源供給部Dから電源が供給されると共に、外部との間で各種データの送受信が可能となっている。この場合、計数用ホッパ71に設けられるコネクタ672と、筺体22に設けられるコネクタ674は、計数用ホッパ71を筺体22から離脱する方向に移動した際、両者の接続がそのまま解除されるように設置、構成されている。
電源供給部D内には、ユニット部630の内部に収容されるビルバリ61、情報カードリーダ62、非接触ICカードリーダライタ36、操作ユニット34及び着脱装置634の駆動モータ等、払出用ホッパ51の駆動モータ等、及び計数用ホッパ71の駆動用モータ等にそれぞれ電力を供給すべく、外部電源645から供給される電圧等を制御する電源ユニット65と、通信制御ユニット623とが設置されている。この通信制御ユニット623は、通信方式の変換制御(シリアル/パラレル変換制御)や送受信先の振り分け制御を行う機能を有しており、通信コネクタ627、628を介して、それぞれホールコンピュータ500及び隣接するパチスロ機10との間で各種データの送受信を実行する。
このように、ユニット部630、払出用ホッパ51及び計数用ホッパ71を筺体22に対して前面側からスライドさせて着脱可能としたことにより、メンテナンス作業を容易に行うことができる。
(7) また、上述の実施の形態においては、本発明をパチスロ機10に併設されるサンド20に適用する場合について述べたが、これに限られるものではなく、パチンコ機に併設されるサンドにも適用することができる。
(8) 上述の実施の形態においては、図3について上述したように、計数用ホッパ71によって計数されたメダルを、筐体20の底面部に設けられた排出口73から搬送コンベアに排出する場合について述べたが、これに限られるものではなく、排出口73に代えて、計数用ホッパ71において計数済のメダルを、所定の揚送手段を用いて、払出用ホッパ51へ揚送するようにしてもよい。
揚送手段としては、例えば、エアを利用してメダルを揚送するもの、ベルト等のリフト手段によってメダルを揚送するもの、又は、ばねによってメダルを打ち上げるもの等、種々の構成を適用することができる。
揚送手段を設けることにより、計数用ホッパ71において計数処理されたメダルをホールの回収手段によって回収することなく、払出用ホッパ51へ送ることにより、遊技者への払出しに供することができる。これにより、ホールによって回収する手間を省くことが可能となる。
(9) また上述の実施の形態においては、サンド20の紙幣識別装置61、電源ユニット65、制御基板63等が収納された筺体内部空間の前面側を、まとめて1つの前面パネル(前面部21)によって覆う場合について述べたが、これに限られるものではなく、前面部21を複数(例えば2つ)に分割して、制御基板63などの重要な構成部品が取り付けられる部位の前面部のみを個別のパネル構成としてもよい。
このような構成としたサンド20を図42に示す。図42に示すように、サンド20は、その前面部21として、紙幣識別装置61が取り付けられる筺体内部空間前面部を覆う前面パネル221と、制御基板63及び電源ユニット65が取り付けられる筺体内部空間の前面部を覆う前面パネル222と、払出用ホッパ51の補給通路53が設けられる筺体内部空間の前面部を覆う前面パネル223とから構成されている。
図42に示すように、前面パネル221、222及び223は、各々個別に着脱可能に構成されており、最も重要な構成部品である制御基板63が設けられる筺体内部空間の前面部を覆う前面パネル222は、その上下に配置された前面パネル221及び223を筺体22に取り付けることで、ロックされる構成となっている。
このロック機構について説明する。図43は、前面パネル221、222及び223の取付け状態を示す略線図である。図43に示すように、前面パネル221の上部には、鍵224が設けられており、この鍵224によって前面パネル221が筺体20にロックされる。前面パネル221は、鍵224を解除することにより、図43において一点鎖線で示すように、略平行に筺体22から取り外すことができる。これにより、筺体22の内部空間のうち、上部空間(後述する第1の内部空間AR101の上側に隣接する空間)AR102の前方を前面パネル221によって開閉することができる。また、前面パネル223の下部には、鍵225が設けられており、この鍵225によって前面パネル223が筺体20にロックされる。前面パネル223は、その下部が筺体22に対して回動可能に軸支されており、図43において一点鎖線で示すように、当該下部を回動軸として上部が開閉する。これにより、筺体22の内部空間のうち、下部空間(後述する第1の内部空間AR101の下側に隣接する空間)AR103の前方を前面パネル223によって開閉することができる。
前面パネル221の下部には、略L字状の屈曲部221Aが形成されており、また、前面パネル222の上部には、略U字状の屈曲部222Aが形成されている。屈曲部222Aによって形成される凹部に、屈曲部221Aが挿入されることにより、前面パネル222の上部は、前面パネル221の屈曲部221Aによって前方から押されて筺体22にロックされた状態となる。屈曲部221A及び222Aによって第1のロック部が構成される。
前面パネル223の上部には、略L字状の屈曲部223Aが形成されており、また、前面パネル222の下部には、略U字状の屈曲部222Bが形成されている。屈曲部222Bによって形成される凹部に、屈曲部223Aが挿入されることにより、前面パネル222の下部は、前面パネル223の屈曲部223Aによって前方から押されて筺体22にロックされた状態となる。屈曲部223A及び222Bによって第2のロック部が構成される。
前面パネル221が鍵224によって筺体22にロックされている状態においては、前面パネル222の上部も前面パネル221によってロックされ、また、前面パネル223が鍵225によって筺体22にロックされている状態においては、前面パネル222の下部も前面パネル223によってロックされる。このように、前面パネル221及び223が鍵224及び225によって筺体22にロックされている状態においては、前面パネル22は、その上部及び下部が筺体22にロックされる。すなわち、前面パネル221及び223のロックを解除してこれらを筺体22から取り外すことにより、前面パネル222を筺体22から取り外すことができる。
また、前面パネル222を取り付ける場合は、当該前面パネル222を筺体22位置合わせした後、前面パネル221及び223を筺体22に取り付ける。
かくして、前面パネル222自体には鍵等を設けることなく、前面パネル221及び223によりロックさせる構成とすることにより、簡単に前面パネル22が取り外されることを防止することができる。これにより、重要な構成部品(制御基板など)が不正に交換されることを防止することができる。
(10) 上述の実施の形態においては、誘導カバー1003の上部開口からメダルを投入することで、当該メダルを計数口39へ誘導し計数用ホッパ71によって計数する構成について述べた。例えば、図44に示すように、誘導カバー1003の内部をLED等の発光部1901によって照明することにより、誘導カバー1003の内部を明るくしてメダルを投入し易くすることもできる。
この場合、計数動作及び払出動作を行う場合のみ発光部1901を発光させることにより、メダルの払出しや計数といったメダルに関する特定のタイミングにおいてのみ誘導カバー1003の内部を発光させることにより、誘導カバー1003の上部開口から漏れる光によって演出効果を高めたり、又は計数用に投入するメダルの投入場所(誘導カバー1003の上部開口)を明確に遊技者に認識させたりすることが可能となる。
(11) 上述の実施の形態においては、平板状の基板で構成された制御基板63(図16)を用いる場合について述べたが、これに限られるものではなく、例えば、図45に示すようにL字状に屈曲した基板によって制御基板63を構成するようにしてもよい。
図45に示すように、この制御基板63は、略90°の角度で結合された第1の基板領域63Aと、第2の基板領域63Bとを有する。第1の基板領域63Aは、垂直面内に主面を有し、第2の基板領域63Bは、水平面内に主面を有する。第1の基板領域63Aは、サンド20の前面部21(前面パネル)の裏面側に接するように収納される。すなわち、第1の基板領域63Aは、略垂直に収納される。第1の基板領域63Aと直交する方向に結合された第2の基板領域63Bは、その端部にコネクタ63Cが設けられており、このコネクタ63CがI/O基板67に接続される。
I/O基板67は、その主面が筺体22の背面部22Bに沿うように配置されており、このI/O基板67の基板面に設けられたコネクタに、制御基板63のコネクタ63Cが接続される。
また、制御基板63の第1の基板領域63AとI/O基板67との間には、電源ユニット65が配置される。この電源ユニット65のコネクタ65Cは、I/O基板67に設けられたコネクタに接続される。このように、電源ユニット65は、制御基板63の第1の基板領域63Aと、I/O基板67との間に挟まれた状態に配置される。電源ユニット65、制御基板63の左右方向の幅寸法は、サンド20の筺体22に設けられた左右両側の側壁22D(図2)によって挟まれる程度の寸法となっており、図48に示すように、電源ユニット65及び制御基板63が配置された状態においては、筺体22の側壁22D(図2)によって、左右方向から挟まれた状態となる。また、電源ユニット65は、筺体22の一部に設けられたフレーム22E上に載置されるようにもなっている。
これらにより、電源ユニット65は、I/O基板67、側壁22D、制御基板63の第1の基板領域63A、第2の基板領域63B、フレーム22Eによって、上下左右全ての方向から挟まれた状態となる。これにより、電源ユニッ65が不用意に動くことを防止することができる。因みに、前面部21は、筺体22に対して、所定のロック機構などで固定されることにより、制御基板63、電源ユニット65などが前方に飛び出すことを防止することができる。
(12) 上述の実施の形態においては、誘導傾斜面部1301(図4)の上部をノズルシャッタ1100が移動する場合について述べたが、これに限られず、例えば図46に示すように、誘導傾斜面部1301の下部をノズルシャッタ1100が移動するようにしてもよい。この場合、計数口39から筐体22の内部に誘導されたメダルMは、誘導傾斜面部1301の上面を計数用ホッパ71へ滑り落ちることになる。
(13) 上述の実施の形態においては、計数スイッチが操作されたとき又は常時計数口シャッタ1200を開放するようにしたが、これに限られるものではなく、不正なメダルが使用されるおそれがある場合に計数口シャッタ1200が開かないようにする又は計数口シャッタ1200を閉じる制御を行うようにしてもよい。
例えば、他の遊技店又は自店内の交換レートの異なる遊技機から持ち込まれたメダル(不正メダル)が使用されると、当該不正メダルが使用された遊技店にとって利益が損なわれることになるため、このような不正メダルの使用を防止する必要がある。
不正メダルの持込みを検出するための構成としては、例えば、特開2009−50369号公報に開示されているように、遊技機においてメダルの真贋判定を行う構成が考えられている。
しかしながら、従来、遊技機に併設された計数機能付きのサンド(遊技媒体貸出装置)において不正メダルが計数されることを防止するものは考えられていなかった。
この点について上述の実施の形態では、サンド20に設けられたカメラ1501により真贋判定を行うことで不正メダルを検出し、不正メダルを検出した場合には、エラー枚数として加算する(図35、ステップS143)、又は、不正メダルを振り分ける(図40)という制御により不正メダルが遊技者の手持ちメダルとして計数されること防止することができるが、これらの構成に代えて、サンド20において貸し出されたメダル枚数と、上記サンド20が併設されたパチスロ機10において遊技の結果として遊技者に払い出されたメダルの枚数と、上記パチスロ機10において遊技を行うために投入されたメダルの枚数とに基づいて、上記パチスロ機10において遊技を行う遊技者の正規のメダルの手持ち枚数を把握し、この把握された手持ち枚数に基づいて、遊技者が正規のメダルを持っていると判断した場合に計数口シャッタ1200を開放可能とする制御を行うようにしてもよい。
具体的には、パチスロ機10と管理サーバ(例えば、パチスロ機10が設置されている遊技店のホールコンピュータ)とを接続するとともに、サンド20と管理サーバとを接続する。パチスロ機10は1遊技ごとに使用されたメダル数(遊技者によって投入されたメダル数)を表す使用メダル数情報を管理サーバに送信する。この使用メダル数情報は、メダルが投入されて1遊技が開始される際、又は1遊技が終了した際にパチスロ機10から管理サーバに送信される。
またパチスロ機10は、遊技の結果として、メダルを遊技者に付与することとなる入賞結果が得られたときには、当該入賞結果により遊技者に払い出されるメダルの払出枚数を表す払出メダル数情報を管理サーバに送信する。この払出メダル数情報は、遊技結果が確定した際、又は当該1遊技が終了した際にパチスロ機10から管理サーバに送信される。
また上記パチスロ機10に併設されたサンド20は、遊技者にメダルを貸し出した際に、貸し出したメダルの枚数を表す貸出メダル数情報を管理サーバに送信する。
かくして、管理サーバでは、上記使用メダル数情報、上記払出メダル数情報及び上記貸出メダル数情報に基づいて、パチスロ機10で現在遊技中の遊技者の正規の持ちメダル数を算出することができる。すなわち、後述する遊技者交代判断手段により当該パチスロ機10において遊技者が交代したものと判断された後、当該遊技者がそのパチスロ機10において遊技を続ける間において、管理サーバは、当該パチスロ機10及びこれに併設されたサンド20から、使用メダル数情報、払出メダル数情報及び貸出メダル数情報を取得し、「貸出メダル数−使用メダル数+払出メダル数」を計算することによって、遊技者の正規の持ちメダル数を算出することができる。例えば、使用メダル数が3枚、払出メダル数が10枚、貸出メダル数が50枚であるとすると、50枚−3枚+10枚=57枚が遊技者の正規の持ちメダル数として算出される。この算出された正規の持ちメダル数は、パチスロ機10から遊技の結果として払い出された払出メダル数及びサンド20から貸し出された貸出メダル数に基づいて算出されるものであるため、この算出結果が1枚以上であることは、遊技者の手元には、上記パチスロ機10又はこれに併設されたサンド20から払い出された又は貸し出された正規のメダルが1枚以上あることを意味する。これに対して、算出結果が1枚以上ではない場合は、遊技者の手元には、上記パチスロ機10又はこれに併設されたサンド20から払い出された又は貸し出された正規のメダルが残っていないことを意味する。
管理サーバでは、パチスロ機10及びサンド20から使用メダル数情報、払出メダル数情報又は貸出メダル数情報のいずれかが新たに送信されるごとに、これらの情報を受信して内部のメモリに記憶する。この場合、前回送信された該当する情報が記憶されている場合には記憶済の情報に新たに受信した情報を加算することで更新し、改めて上述の正規の持ちメダル数の算出を実行する。これにより、遊技の進行(パチスロ機10へのメダルの投入、遊技結果に基づくメダルの払出し)やメダルの貸出状況(サンド20からのメダルの貸出し)に応じて遊技者の手持ちメダル数が変化するごとに、その状況を逐次管理サーバにおいて把握することができる。
サンド20の計数シャッタ1200は、常時閉鎖しておき、管理サーバは、上記算出された遊技者の正規の持ちメダル数が1枚以上であることを条件に、計数口シャッタ1200の開放許可信号をサンド20へ送信する。因みに、遊技者の正規の持ちメダル数が1枚以上でない場合、管理サーバは計数口シャッタ1200の開放禁止信号をサンド20へ送信するようになっている。
サンド20では、計数口シャッタ1200の開放許可信号を受け取ると、開放許可フラグをオン状態とする。サンド20は、開放許可信号を受信した場合に開放許可フラグをオン状態とし、開放禁止信号を受信した場合に開放許可フラグをオフ状態とするようになされている。開放許可フラグがオン状態である場合のみ計数スイッチが操作された場合に計数口シャッタ1200を開放する。換言すると、サンド20は、開放許可フラグがオフ状態である場合には、計数スイッチが操作されても計数口シャッタ1200を開放しない。
このように、管理サーバによって算出された遊技者の正規の持ちメダル数が1枚以上である場合に、計数口シャッタ1200を開放可能とすることにより、例えば、他の低レート遊技機から高レート遊技機へメダルを持ち込んで当該高レート遊技機に併設されたサンド20においてこの持ち込んだメダルを計数しようとしても、正規の持ちメダル数が1枚以上ない状態では、当該サンド20の計数口シャッタ1200が開かないことにより、当該サンド20における不正メダルの計数が防止される。
これにより、低レート遊技機(サンド)において取得したメダルを高レート遊技機(サンド)において不正に計数することや、他店から持ち込んだメダルを真正メダルへ交換するといった不正行為を防止することができる。
また、パチスロ機10から使用メダル数情報及び払出メダル数情報を管理サーバに送信するとともに当該パチスロ機10に併設されたサンド20から貸出メダル数情報を管理サーバに送信し、管理サーバにおいてこれらの情報をもとに計数口シャッタ1200を開放可能とするか否かを判断する構成としたことにより、例えば、図40に示したカメラ1501やメダルの振分け処理部1850といった複雑な構成要素を設けることなく、不正メダルが計数されることを防止することができる。
なお、遊技者が交代したか否かを判断する遊技者交代判断手段としては、例えば、営業開始のタイミング、カード挿入口32(図2)に挿入されたカードの排出動作、カード残高がゼロとなった後所定時間が経過したこと、等を条件に判断する手段(管理サーバや当該管理サーバとの間で情報を授受する他の機器)を用いることができる。また、遊技を行う遊技者の顔を撮像して認証するフェイシャル認証カメラを搭載し遊技者のフェイシャル認証結果に基づいて遊技者の変更を判断するようにしてもよい。
以上の構成における計数口シャッタ1200の制御の具体例を説明する。まず遊技者が交代すると、サンド20は、カードの排出動作やカード残高がゼロとなった後所定時間が経過したこと、又はフェイシャル認証の結果等、上述した判断方法により遊技者の交代結果を得ることにより、遊技者が交代したことを表す遊技者交代情報を管理サーバに送信する。
管理サーバは、遊技者交代情報を受信すると、メモリに記憶されている前遊技者に関する情報(使用メダル数情報、払出メダル数情報、貸出メダル数情報)をクリアする。そして、パチスロ機10から使用メダル数情報又は払出メダル数情報が送信されるごとに、それらを受信し、メモリ内の使用メダル数情報又は払出メダル数情報を新たに受信した情報によって更新する。また、サンド20から貸出メダル数情報が送信されるごとに、それを受信し、メモリ内の貸出メダル数情報を新たに受信した情報によって更新する。
例えば、遊技者が交代した後、サンド20からメダルが50枚貸し出されると、サンド20から管理サーバに対して貸出メダル数情報(50枚)が送信されることにより、管理サーバは、メモリの貸出メダル数情報を50枚に更新する。この場合、管理サーバでは、使用メダル数情報、払出メダル数情報又は貸出メダル数情報の少なくともいずれか1つの情報が更新されたことに応じて、遊技者の正規の持ちメダル数を、新たに算出する。すなわち、それまでに記憶されている使用メダル数情報(遊技者交代時に0枚)及び払出メダル数情報(遊技者交代時に0枚)と、更新された貸出メダル数情報(50枚)とに基づいて、遊技者の正規の持ちメダル数を算出する。この場合、50枚−0枚+0枚=50枚となる。
この算出結果が1枚以上であるため、管理サーバは、開放許可信号をサンド20に送信する。サンド20では、開放許可信号を受信することにより、開放許可フラグをオン状態とする。因みに、サンド20では、遊技者が交代した場合に開放許可フラグをオフ状態とし、開放許可信号を受信した場合にオン状態とし、開放禁止信号を受信した場合にオフ状態とするようになっている。
次に、遊技者がパチスロ機10に使用メダルとして3枚を投入して遊技を開始すると、パチスロ機10から管理サーバに対して使用メダル数情報(3枚)が送信されることにより、管理サーバは、メモリの使用メダル数情報をこのとき受信した枚数(3枚)によって更新する。この場合、管理サーバでは、使用メダル数情報が更新されたことに応じて、遊技者の正規の持ちメダル数を、新たに算出する。すなわち、それまでに記憶されている払出メダル数情報(遊技者交代時に0枚)及び貸出メダル数情報(前回の更新時に50枚)と、今回更新された使用メダル数情報(0枚から3枚に更新)とに基づいて、遊技者の正規の持ちメダル数を算出する。この場合、50枚−3枚+0枚=47枚となる。
この算出結果が1枚以上であるため、管理サーバは、開放許可信号をサンド20に送信する。サンド20では、開放許可信号を受信することにより、開放許可フラグをオン状態とする(オン状態を維持する)。
次に、遊技者がパチスロ機10における遊技の結果として、パチスロ機10から例えば10枚の払出しを受けると、パチスロ機10から管理サーバに対して払出メダル数情報(10枚)が送信されることにより、管理サーバは、メモリの払出メダル数情報をこのとき受信した枚数(10枚)によって更新する。この場合、管理サーバでは、払出メダル数情報が更新されたことに応じて、遊技者の正規の持ちメダル数を、新たに算出する。すなわち、それまでに記憶されている使用メダル数情報(前回の更新時に3枚)及び貸出メダル数情報(前回の更新時に50枚)と、今回更新された払出メダル数情報(0枚から10枚に更新)とに基づいて、遊技者の正規の持ちメダル数を算出する。この場合、50枚−3枚+10枚=57枚となる。
この算出結果が1枚以上であるため、管理サーバは、開放許可信号をサンド20に送信する。サンド20では、開放許可信号を受信することにより、開放許可フラグをオン状態とする(オン状態を維持する)。
さらに、遊技者がパチスロ機10に使用メダルとして3枚を投入して遊技を開始すると、パチスロ機10から管理サーバに対して使用メダル数情報(3枚)が送信されることにより、管理サーバは、メモリの使用メダル数情報をそれまでの3枚から新たに使用された3枚を加えた6枚に更新する。この場合、管理サーバでは、使用メダル数情報が更新されたことに応じて、遊技者の正規の持ちメダル数を、新たに算出する。すなわち、それまでに記憶されている払出メダル数情報(前回の更新時に10枚)及び貸出メダル数情報(前回の更新時に50枚)と、更新された使用メダル数情報(6枚)とに基づいて、遊技者の正規の持ちメダル数を算出する。この場合、50枚−6枚+10枚=54枚となる。
この算出結果が1枚以上であるため、管理サーバは、開放許可信号をサンド20に送信する。サンド20では、開放許可信号を受信することにより、開放許可フラグをオン状態とする(オン状態を維持する)。
このように、管理サーバでは遊技者の持ちメダル数を逐次算出する。そして、持ちメダル数が1枚以上ではない結果となった時点で、開放禁止信号をサンド20に送信することで、サンド20の計数口シャッタ1200が計数スイッチを操作しても開放されない状態となる。例えば、管理サーバのメモリに記憶されている払出メダル数が10枚、貸出メダル数が50枚、使用メダル数が57枚である状態において、新たにパチスロ機10から3枚の使用メダル数情報が管理サーバに送信されると、管理サーバにおいて、遊技者の正規の持ちメダル数が算出される。この場合、メモリに記憶されている使用メダル数がそれまでの57枚から60枚に更新されることにより、正規の持ちメダル数は、50枚−60枚+10枚=0枚となり、算出結果が1枚以上でないことから、管理サーバからサンド20に対して開放禁止信号が送信される。
サンド20では、開放禁止信号を受信することにより、開放許可フラグをオフ状態とし、計数口シャッタ1200の開放が禁止される。
これにより、遊技者が正規のメダル数を持っている場合のみサンド20における計数が可能となり、不正に持ち込んだメダルが計数されることを抑制することができる。因みに、サンド20においては、計数スイッチを操作して計数口シャッタ1200を開放し、計数を行った後には、計数口シャッタ1200が自動的に閉じられるように構成されている。計数が終了したことは、一定時間メダルの投入が検出されないことや情報カードの抜き取り操作等によって検出される。
なお、本実施の形態においては、管理サーバにおいて、使用メダル数情報、払出メダル数情報及び貸出メダル数情報のいずれかが新たに受信されるごとに、正規の持ちメダル数を算出し、当該算出結果に基づいて、計数口シャッタ1200の開放許可信号をサンド20に送信するか否かを判断する場合について述べたが、開放許可信号のサンド20への送信が許可されるタイミングとして、パチスロ機10において遊技者が交代した後、所定遊技数経過後から送信を許可するという条件を付してもよい。このような条件を付すことにより、遊技者は所定回数遊技を行った後でなければサンド20における計数を行うことができないという制限が加えられることにより、不正メダルを持ち込んだ後、僅かなメダルの払出しや僅かなメダルの貸出しを受けただけで、すぐに不正メダルの計数が実行されること、すなわち容易に不正メダルの計数が実行されることを防止することができる。
因みに、遊技数のカウントは、パチスロ機10から遊技ごとに管理サーバへ遊技実行信号を送信することで管理サーバにおいて遊技数をカウントする方法、又は遊技が開始されたことを示唆する使用メダル数情報を受信するごとに管理サーバで遊技数をカウントする方法等、種々の方法を用いることができる。
また、本実施の形態においては、算出された正規の持ちメダル数が1枚以上である場合に開放許可信号を送信する場合について述べたが、開放許可信号を送信する条件としてはこれに限られず、例えば、算出された持ちメダル数が所定の複数枚数以上である場合に開放許可信号を送信するようにしてもよい。このようにすれば、遊技者がサンド20によって持ちメダルを計数しようとする状況として、持ちメダル数がある程度まとまった枚数に達した状況が一般的に想定されることに合致させたタイミングで計数口シャッタ1200の開放許可をサンド20に送信することが可能となる。
また、本実施の形態においては、パチスロ機10及びサンド20とそれぞれ接続された管理サーバにおいて、遊技者の正規の持ちメダルを算出して計数口シャッタ1200の開放許可信号をサンド20に送信する場合について述べたが、これに限られるものではなく、例えば、パチスロ機10とサンド20とを接続し、パチスロ機10からサンド20に対して使用メダル数情報及び払出メダル数情報を送信し、サンド20においてこれらパチスロ機10から受信した使用メダル数情報及び払出メダル数情報と、当該サンド20において遊技者に貸し出したメダル数に関する貸出メダル数情報とに基づいて、上述した遊技者の正規の持ちメダル数を算出し、当該算出結果に基づいて計数口シャッタ1200を開放可能とする(開放許可フラグをオンにする)ようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、パチスロ機10を有する遊技システムに適用する場合について述べたが、これに限られるものではなく、パチンコ機を有する遊技システムにも適用することができる。
上述したように本実施の形態における遊技システムは、遊技機(パチスロ機10)と、前記遊技機に併設され、前記遊技機で遊技を行うための遊技媒体を貸し出すとともに投入された遊技媒体を計数する遊技媒体貸出装置(サンド20)とを含む遊技システムであって、前記遊技媒体貸出装置は、前記貸し出される遊技媒体を払い出す払出用ホッパ51と、投入された遊技媒体を計数する計数用ホッパ71と、外部から投入された遊技媒体を前記計数用ホッパに向けて通過させる計数口39と、前記計数口を開閉可能な計数口シャッタ1200とを備え、前記遊技機に投入された遊技媒体の数を表す使用遊技媒体数情報を取得する使用遊技媒体数情報取得手段(管理サーバ)と、前記遊技機において遊技の結果払い出された遊技媒体の数を表す払出遊技媒体数情報を取得する払出遊技媒体数情報取得手段(管理サーバ)と、前記遊技媒体貸出装置において貸し出された遊技媒体の数を表す貸出遊技媒体数情報を取得する貸出遊技媒体数情報取得手段(管理サーバ)と、前記使用遊技媒体数情報と前記払出遊技媒体数情報と前記貸出遊技媒体数情報とに基づいて、前記遊技機で遊技を行う遊技者が所有する遊技媒体の数を算出する手持ち遊技媒体数算出手段(管理サーバ)と、前記手持ち遊技媒体数算出手段により算出された結果に応じて、前記計数口シャッタを開放可能に制御する制御手段(サンド20の制御基板63、管理サーバ)とを備えることを特徴とする。
この遊技システムにおいては、遊技者の正規の持ちメダル数に応じて計数口シャッタ1200を開放可能としたことにより、不正に持ち込まれたメダルの計数行為を抑制することができる。これにより、不正メダルを真正メダルに不正交換する行為を、不正メダル検出用の大がかりな構成(真贋判定カメラ等)を用いることなく抑制することができる。すなわち、コストを大幅に増加させることなく、メダルの不正持込みを防止することができる。
なお、本実施の形態においては、算出された遊技者の正規の持ちメダル数が、1枚又は予め決められた所定の複数枚数以上である場合に、開放許可信号を管理サーバからサンド20へ送信して計数口シャッタ1200が開くように制御する場合について述べたが、これに限られるものではなく、例えば、計数口シャッタ1200を計数スイッチの操作により開放可能としておき、遊技者が計数スイッチを操作して計数口1200を開放させ、開放された計数口にメダルを投入することにより計数用ホッパ71によって計数された結果が、上記算出された遊技者の正規の持ちメダル数を超えた場合に、超えた分の計数結果を持ちメダル数として加算しないようにしてもよい。
例えば、上記算出結果として、遊技者の正規の持ちメダル数が50枚であるとすると、管理サーバは、当該算出結果に基づいて、計数上限数として、50枚を表す計数上限信号をサンド20に送信する。この信号を受信したサンド20は、計数口を介して計数用ホッパ71に投入されたメダルの計数結果が50枚以下である場合は、計数結果をそのまま遊技者の持ちメダル数として加算する(すなわち当該枚数をカード挿入口32(図2)に挿入されているカード等に書き込む)。
これに対して、計数用ホッパ71の計数結果が80枚である場合、このことは、算出された正規の持ちメダル数(50枚)よりも多い枚数のメダルが計数されたことを意味しており、サンド20において正規の持ちメダル数との差分である30枚を計数結果から除外し、50枚のみを遊技者の持ちメダル数として加算する。これにより、不正に持ち込んだメダルを計数しても、正規のメダル数を超えた枚数は遊技者の持ちメダル数としてカウントされることがなくなる。すなわち、不正に持ち込んだメダルを計数しようとしても、当該持ち込みを行ったパチスロ機10及びこれに併設されたサンド20において正規にメダルの払出し又は貸出しを受けた枚数に基づいて算出された持ちメダル数分のみの計数結果が反映されることにより、不正持込みによる遊技店の損失の発生を防止することができる。なお、算出された正規の持ちメダル数以上の枚数が計数された場合に遊技者の持ちメダル数としてカウントしてカード等に書き込む処理に加えて、又は代えて、所定の警告表示を遊技店のホールコンピュータに送信したり、遊技店の係員から見やすい位置に表示したりすることで不正があったことを遊技店側に伝えるようにしてもよい。
(遊技媒体貸出装置の概要)
本実施の形態における遊技媒体貸出装置(サンド20)は、遊技機(パチスロ機10)に併設され、前記遊技機で遊技を行うための遊技媒体(メダル)を貸し出す遊技媒体貸出装置(サンド20)であって、前記貸し出される遊技媒体を払い出す払出用ホッパ51と、前記払出用ホッパ51の下部に設けられ、投入された遊技媒体を計数する計数用ホッパ71と、前記払出用ホッパ51から払い出された遊技媒体(メダル)を、前記遊技機(パチスロ機10)の筐体下部に配されたトレー(メダル払出トレー12)に誘導する、先端が前記トレー近傍に移動可能な払出用ノズル(ノズル1050)と、前記払出用ホッパ51から払い出された遊技媒体(メダル)及び外部から投入された遊技媒体(メダル)を受け入れる部材であって、前記払出用ノズルに向けて通過させる通過口(開口部1004)と、前記計数用ホッパ71に向けて通過させる計数口39と、前記計数口39を開閉可能な第1のシャッタ(計数口シャッタ1200)と、前記通過口(開口部1004)を開閉可能な第2のシャッタ(ノズルシャッタ1100)と、を備えた遊技媒体誘導部(メダル払出/投入部1001、誘導カバー1003)と、を備えることを特徴としている。
この遊技媒体貸出装置(サンド20)においては、遊技媒体(メダル)が払出用ノズル(ノズル1050)から遊技機の筐体下部のトレー(メダル払出トレー12)に直接払い出されるようにすることが可能となり、内部に大量メダルが滞留することが無いため耐久性を向上させ、且つ、遊技者の利便性を向上することができる。尚、好ましくは、払出用ノズル(ノズル1050)の先端は筐体下部のトレー(メダル払出トレー12)の一部に接触又は所定以上の力が加わったときにトレーの一部に接触する位置に配されることが望ましい。このようにすることで、遊技者等からの外力に対する耐久性も向上させることが可能となる。
また、払出用ホッパ51から払い出された遊技媒体は遊技媒体誘導部(メダル払出/投入部1001、誘導カバー1003)に誘導され、計数用ホッパ71に投入される計数用の遊技媒体も同じ遊技媒体誘導部に投入される構成とすることにより、払出用及び計数用の誘導部を別々に設ける場合に比べて、構成を簡略化することができ低コスト化を実現できると共に、外観上煩雑な印象となることを回避することができる。
また、第1のシャッタ(計数口シャッタ1200)及び第2のシャッタ(ノズルシャッタ1100)を設けることにより、計数時に誤って遊技媒体が払出用ノズル(ノズル1050)から払い出されることを防止することができ、また、払出時に誤って計数用の遊技媒体を投入しても当該投入された遊技媒体が計数用ホッパ71に流入することを防止するように制御することが可能となる。また、払出時に払出用ホッパ51から払い出された遊技媒体が計数用ホッパ71へ流入することを防止することができる。このように、第1及び第2のシャッタを設けることにより、払出時及び計数時に共用される遊技媒体誘導部を誤動作なく使用することが可能となる。
また、遊技媒体誘導部メダル払出/投入部1001、誘導カバー1003)を払出時用及び計数時用として共用することができることにより、別々の誘導部材を用いる場合に比べて、一方を使用する際に他方が邪魔になることを防止することができる。
また本実施の形態は、前記構成に加えて、前記遊技媒体を払い出す払出動作を実行する場合に前記第2のシャッタ(ノズルシャッタ1100)が前記通過口(開口部1004)を開放すると共に前記第1のシャッタ(計数口シャッタ1200)が前記計数口39を閉鎖するように制御し、前記遊技媒体を計数する計数動作を実行する場合に前記第2のシャッタが前記通過口を閉鎖すると共に前記第1のシャッタが前記計数口を開放するように制御する制御部(制御基板63)を備えることを特徴としている。
この遊技媒体貸出装置(サンド20)においては、払出動作時と計数動作時とで第1のシャッタ(計数口シャッタ1200)及び第2のシャッタ(ノズルシャッタ1100)を制御することにより、遊技媒体誘導部(メダル払出/投入部1001)を払出時及び計数時において誤動作なく共用することができる。
また本実施の形態は、前記構成に加えて、前記払出用ノズル(ノズル1050)が所定位置に存在するか否かを検出するセンサ(回動位置センサ1056)を備え、前記制御部(制御基板63)は、前記払出用ノズルが前記所定位置に存在しない場合に、前記第2のシャッタ(ノズルシャッタ1100)が前記通過口(開口部1004)を閉鎖するように制御することを特徴としている。
この遊技媒体貸出装置(サンド20)においては、払出用ノズル(ノズル1050)が例えば遊技機のトレー(メダル払出トレー12)内に存在しない場合に第2のシャッタ(ノズルシャッタ1100)を閉じることにより、払い出された遊技媒体が床に散乱することを防止することができる。
また本実施の形態は、前記構成に加えて、前記計数用ホッパ71に投入される遊技媒体の投入経路に設けられた異物分別用開口部(異物分別孔1302)と、前記異物分別用開口部を通過した異物を異物搬送路(吸殻処理装置1600)へ誘導する異物誘導路(異物分別経路1701)と、を備えることを特徴としている。
この遊技媒体貸出装置(サンド20)においては、悪戯で異物や飲み物等の液体が計数口39から投入された場合であっても、これらを遊技媒体から分別することができ、計数用ホッパ71が破損することを防止することができる。
また、分別された液体を、吸殻等を搬送する異物搬送路(吸殻処理装置1600)に流すことにより、当該液体を吸殻の消火用に用いることが可能となる。
特許文献に開示されている遊技媒体貸出装置では、払出用ホッパから払い出された遊技媒体を、メダル払出部を介して払い出すように構成されている。メダル払出部は、一方の端部が遊技媒体貸出装置の払出口において遊技媒体貸出装置の前面パネルに支持され、払出用ホッパから払出口を介して払い出された遊技媒体を滑り落とすような傾斜面を有している。また、メダル払出部の他方の端部(先端部)は、浮いた状態となっている。すなわち、メダル払出部は払出口側のみが支持された片持ち支持構造を有している。このような片持ち支持構造では、内部に大量のメダルが払い出された場合など、メダル払出部に強い力が掛かったときには耐久性に問題があった。
また、従来の計数機能付きの遊技媒体貸出装置は、遊技によって獲得した遊技媒体を計数するための計数用ホッパへ遊技媒体を投入するための計数用投入口と、遊技媒体貸出装置において貸出し用の遊技媒体が払い出される払出口とが設けられている。計数機能付き(計数用ホッパ付き)の遊技媒体貸出装置においては、払出口及び計数用投入口が設けられている分、払出口から払い出された遊技媒体を誘導するための構成と、計数用投入口へ遊技媒体を投入する際に当該遊技媒体を誘導するための構成とを別々に設ける構成としていたことにより、構成が複雑になり、外観上も煩雑な印象を遊技者に与える問題があった。
そこで、本発明の目的は、耐久性のある使い勝手のよいメダル払出部を有する遊技媒体貸出装置を提供することである。
本発明は、以下のような遊技媒体貸出装置を提供する。
本発明の遊技媒体貸出装置は、遊技機に併設され、前記遊技機で遊技を行うための遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出装置であって、前記貸し出される遊技媒体を払い出す払出用ホッパと、前記払出用ホッパの下部に設けられ、投入された遊技媒体を計数する計数用ホッパと、前記払出用ホッパから払い出された遊技媒体を、前記遊技機の筐体下部に配されたトレーに誘導する、先端が前記トレー近傍に移動可能な払出用ノズルと、前記払出用ホッパから払い出された遊技媒体及び外部から投入された遊技媒体を受け入れる部材であって、前記払出用ノズルに向けて通過させる通過口と、前記計数用ホッパに向けて通過させる計数口と、前記計数口を開閉可能な第1のシャッタと、前記通過口を開閉可能な第2のシャッタと、を備えた遊技媒体誘導部と、を備えることを特徴としている。
この遊技媒体貸出装置においては、遊技媒体が払出用ノズルから遊技機の筐体下部のトレーに直接払い出されるようにすることが可能となり、内部に大量メダルが滞留することが無いため耐久性を向上させ、且つ、遊技者の利便性を向上することができる。尚、好ましくは、払出用ノズルの先端は筐体下部のトレーの一部に接触又は所定以上の力が加わったときにトレーの一部に接触する位置に配されることが望ましい。このようにすることで、遊技者等からの外力に対する耐久性も向上させることが可能となる。
また、払出用ホッパから払い出された遊技媒体は遊技媒体誘導部に誘導され、計数用ホッパに投入される計数用の遊技媒体も同じ遊技媒体誘導部に投入される構成とすることにより、払出用及び計数用の誘導部を別々に設ける場合に比べて、構成を簡略化することができ低コスト化を実現できると共に、外観上煩雑な印象となることを回避することができる。
また、第1のシャッタ及び第2のシャッタを設けることにより、計数時に誤って遊技媒体が払出用ノズルから払い出されることを防止することができ、また、払出時に誤って計数用の遊技媒体を投入しても当該投入された遊技媒体が計数用ホッパに流入することを防止するように制御することが可能となる。また、払出時に払出用ホッパから払い出された遊技媒体が計数用ホッパへ流入することを防止することができる。このように、第1及び第2のシャッタを設けることにより、払出時及び計数時に共用される遊技媒体誘導部を誤動作なく使用することが可能となる。
また、遊技媒体誘導部を払出時用及び計数時用として共用することができることにより、別々の誘導部材を用いる場合に比べて、一方を使用する際に他方が邪魔になることを防止することができる。
また本発明は、前記構成に加えて、前記遊技媒体を払い出す払出動作を実行する場合に前記第2のシャッタが前記通過口を開放すると共に前記第1のシャッタが前記計数口を閉鎖するように制御し、前記遊技媒体を計数する計数動作を実行する場合に前記第2のシャッタが前記通過口を閉鎖すると共に前記第1のシャッタが前記計数口を開放するように制御する制御部を備えることを特徴としている。
この遊技媒体貸出装置においては、払出動作時と計数動作時とで第1のシャッタ及び第2のシャッタを制御することにより、遊技媒体誘導部を払出時及び計数時において誤動作なく共用することができる。
また本発明は、前記構成に加えて、前記払出用ノズルが所定位置に存在するか否かを検出するセンサを備え、前記制御部は、前記払出用ノズルが前記所定位置に存在しない場合に、前記第2のシャッタが前記通過口を閉鎖するように制御することを特徴としている。
この遊技媒体貸出装置においては、払出用ノズルが例えば遊技機のトレー内に存在しない場合に第2のシャッタを閉じることにより、払い出された遊技媒体が床に散乱することを防止することができる。
また本発明は、前記構成に加えて、前記計数用ホッパに投入される遊技媒体の投入経路に設けられた異物分別用開口部と、前記異物分別用開口部を通過した異物を異物搬送路へ誘導する異物誘導路と、を備えることを特徴としている。
この遊技媒体貸出装置においては、悪戯で異物や飲み物等の液体が計数口から投入された場合であっても、これらを遊技媒体から分別することができ、計数用ホッパが破損することを防止することができる。
また、分別された液体を、吸殻等を搬送する異物搬送路に流すことにより、当該液体を吸殻の消火用に用いることが可能となる。
本発明によれば、耐久性のある使い勝手のよいメダル払出部を有する遊技媒体貸出装置を提供することができる。