以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。また実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
実施の一形態を、図1ないし図17に基づいて説明する。説明の便宜上、本実施の形態を第一の実施の形態と呼ぶ。
図1は、スロット島1の平面図である。遊技島としてのスロット島1は、遊技場に設けられるものであり、遊技機としてのスロットマシン2と、台間機10と、搬送設備としてのベルトコンベア装置201と、遊技媒体溜り部としてのメダル貯留装置301と、遊技媒体排出指示手段を備える管理装置401とを含み、スロットマシン2とメダル計数機能を備えた台間機10とが複数交互に列状に横並びし、この列を所定の間隔をあけて背中合わせにしてベルトコンベア装置201を挟んで二列配置し、ベルトコンベア装置201の下流端にメダル貯留装置301を配置して構成される。本実施の形態では、一台のスロットマシン2に対し一台の割合で台間機10を備える。なお、全てのスロットマシン2に対して台間機10が設けられなくてもよく、例えば、一部のスロットマシン2については台間機10が設けられなくてもよい。また、本実施の形態では、特許請求の範囲でいうところの「計数機」の一例として台間機10を挙げているが、例えば、メダル計数機能を備えた台間機と異なる装置として、一台乃至複数台のスロットマシンに対して一台の計数機能のみを備える台間計数機が、遊技島内に複数設けられてもよい。
本実施の形態では、全ての台間機10の背面側に、台間機10から排出されるメダルM(遊技媒体)を貯留する貯留部11が設けられる。なお、この貯留部11は、全ての台間機10に設けられていなくてもよく、例えば、少なくとも一部の台間機10に設けられていてもよいし、複数の台間機10に対応して、1つの貯留部11を設けてもよい。また、例えば、貯留部11は、台間機の背面側ではなく、台間機内の一部の装置として設けられてもよい。また、貯留部11は、台間機の機体内に設けられても、機体外に設けられても良い。貯留部11には、その内部に貯留されたメダルMをベルトコンベア装置201に排出する排出部252(図12等参照)が設けられる。管理装置401は、個々の排出部252を制御し、ベルトコンベア装置201に排出されるメダルMの量を管理する。本実施の形態のスロット島1では、遊技場の閉店間際等に、台間機10における計数装置にメダルMが大量に投入されても、そのメダルMは貯留部11に留まり、管理装置401の遊技媒体排出指示手段からの指示をもって、排出部の遊技媒体排出量制御機構により、適宜、ベルトコンベア装置201に排出させることができ、したがって、スロット島1で一時的に大量に用いられるメダルMを効率良くベルトコンベア装置201に搬送することができる。以下、スロット島1について、その詳細を述べる。
図2は、スロット島1の斜視図である。スロットマシン2は、遊技媒体としてのメダルMを使用して遊技が行われる遊技機である。スロットマシン2は、回転可能な三つのリール(図示せず)に付された絵柄(図示せず)を表示する可変表示部2aと、始動レバー2bと、三つの停止ボタン2cと、メダル受け皿2dとを備える。スロットマシン2では、遊技客がメダルMを投入したりBETボタン(図示せず)を押したりして賭数(1枚賭け、2枚賭け、3枚賭け)を設定する。賭数が設定されると、可変表示部2aにおいて、横三列および斜め対角線上二列の絵柄停止ラインが賭数に応じて有効化され、遊技客が始動レバー2bを押圧操作することにより三つのリールが一斉に回転する。三つの停止ボタン2cが遊技客によって押圧操作されると、三つのリールの回転が個別に停止する。三つのリールに付された絵柄が予め定められた特定の態様となった場合、メダルMが景品としてメダル受け皿2dに払出される。メダルMの払出に代えて、クレジット数の加算が行われてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技機としてスロットマシン2を示しているが、メダルMを使用して遊技が行われるものであれば遊技機はスロットマシン2には限られず、ゲーム機などでもよい。メダルMは、遊技媒体の一例であり、周囲が縁取りされた、所定の直径を有する真円形状の金属製の薄板である。また、メダルMの表面および裏面には、例えば、文字や模様などが刻印されている。
図3は、メダル計数機能を備えた台間機10の正面図である。図4は、台間機10の内部構成を示す模式図である。台間機10は、正面10a、背面10b(図4参照)、左側面10c、右側面10dで囲まれる箱型の筐体からなる装置である。台間機10は、金銭や度数と引き替えにメダルMを貸し出す機能と、遊技客が獲得したメダルMを計数する計数機能とを有する。台間機10は、スロットマシン2の側面側に隣接して設置される。
台間機10の正面10aの上方には、紙幣挿入口20が設けられる。紙幣挿入口20の下方には、表示パネル21が設けられる。表示パネル21の下方には、貸メダルボタン23、再プレー用貸メダルボタン24、計数ボタン25、カード挿入口22がこの順に左から右に向けて横並びに設けられる。カード挿入口22の下方には、カード返却ボタン26が設けられる。なお、紙幣挿入口20、表示パネル21、カード挿入口22、各種ボタン23〜26の配置位置は、図3に示す位置に限られず、適宜変更してもよい。
台間機10の正面10aの略中央からは、メダル投入部30が、遊技客側に突出する。メダル投入部30には、メダルMを投入するためのメダル投入口31が形成される。台間機10の正面10aの下方には、メダル貸出部40が設けられる。メダル貸出部40では、遊技客に貸し出されるメダルMが払出される。メダル投入部30とメダル貸出部40との間には、返却メダル受け皿51が設けられる。返却メダル受け皿51は、メダル投入口31から投入されたものの使用できないためにメダル返却口52から戻されるメダルM(偽造メダルなど)を受け止める。
台間機10は、その内部に、紙幣識別装置27と、カード処理機28と、制御部60と、電源回路(図示せず)と、メダル計数装置100と、メダル払出装置72とを有する。
紙幣挿入口20は、紙幣を挿入する部分である。紙幣挿入口20から挿入された紙幣は、紙幣識別装置27に導入される。紙幣識別装置(ビルバリ)27は、紙幣挿入口20から挿入される4種類の紙幣(一万円札、五千円札、二千円札、千円札)に対応できるコンパクトサイズの紙幣識別機である。
表示パネル21は、例えば、貸し出すメダル数の表示、実際に利用可能な度数残高の表示、メダルMの計数結果の表示、その他の遊技情報などを表示する液晶の表示画面である。
カード挿入口22は、会員登録をした遊技客に付与される会員用ICカードや、会員登録をしていない遊技客に係る有価価値特定情報などが記憶された非会員用ICカードを挿入するための挿入口である。有価価値特定情報としては、例えばID情報や有価価値そのものに係る情報でもよい。なお、有価価値としては、遊技客が遊技の結果得た獲得遊技媒体数に対応した有価価値(持ちメダル数、または貯メダル数)と、紙幣挿入口20から挿入される紙幣の額に対応した有価価値(度数)などが例示できる。なお、前記ICカードは、記憶媒体であればICカードに限らず、例えば、磁気カードやICコインなどでもよい。
カード処理機28は、カード挿入口22から挿入されたICカードを受け入れる。カード処理機28は、カード挿入口22から挿入されたICカードからIDなどの情報を読み取るものであり、例えば、リーダライタなどで構成される。また、カード処理機28は、例えば、度数が0となった非会員用ICカードを回収して貯留する機能を有してもよい。さらに、この貯留した非会員用ICカードに新たに記憶するIDか、予め記憶されたIDかに基づいて有価価値管理装置に有価価値を記憶したり、有価価値を非会員用ICカードに記憶したりする等、非会員用ICカードと有価価値の対応付け処理をして再発行する機能を有してもよい。
貸メダルボタン23は、遊技客がメダルMの貸し出しを要求するときに押すボタンである。例えば、貸メダルボタン23が1回押されると、1000円分の度数が消費され、メダルMが貸し出される。なお、メダルMの貸し出しは、標準的には1000円単位で行われる。
再プレー用貸メダルボタン24は、会員遊技客の貯メダルを払い出すためのボタンであり、例えば、遊技場に設置された再プレー受付機、または台間機において再プレー手続が行われた会員用ICカード使用時にのみ利用され、再プレーに利用できるメダルMの払い出し要求をするときに押される。ここで、会員の遊技客は、ID情報などに基づいて、遊技場の有価価値管理装置などに獲得したメダルMを貯メダルとして記憶しておくことができる。再プレーとは、この記憶された貯メダル数を消費してメダルMを払い出すことをいう。
計数ボタン25は、メダル投入口31に投入したメダルMの数量を計数するときに押されるボタンである。計数ボタン25が押されると、メダル投入口31に投入されたメダルMは、台間機10内に取り込まれて計数される。なお、計数ボタン25を設けずに、電気導通センサや光学式センサによりメダル投入口31にメダルの投入を検知した場合に自動的に計数するようにしてもよい。
カード返却ボタン26は、カード挿入口22から挿入されたICカードを排出させるための操作ボタンである。カード返却ボタン26は、特に、遊技終了時などに押される。
制御部60は、インタフェイス回路60a、CPU60b、ROM60c、RAM60d、AD変換回路(図示せず)などから主に構成される。AD変換回路は、CCDカメラが撮影したアナログ信号をデジタル情報に変換してRAM60dに時系列に順次記憶する。台間機10に備わる各構成機器を駆動するための電力は、電源回路(図示せず)により供給される。インタフェイス回路60aは表示パネル21、紙幣識別装置27、カード処理機28のいずれに対してもデータ通信自在に接続している。制御部60は、CPU60bの駆動によってインタフェイス回路60aを介してこれら各部を制御する。制御部60は、インタフェイス回路60aを介して、台間機10内の各構成機器の制御や、島コンピュータ、有価価値管理装置などの台間機10以外の機器との情報通信も行う。
台間機10は、メダル計数装置100を有する。メダル計数装置100は、メダル収容筐体110を有する。メダル収容筐体110は、台間機10においてメダル収容筐体110を筺体の正面10aから遊技客側に突出させるよう配置され、メダル投入部30やメダル投入口31を構成し、メダル投入口31から投入され台間機10に取り込まれたメダルMを計数する。計数されたメダルMは、図4に示すような回収路70Aによって台間機10の背面側に導かれ、排出口70から排出され、台間機10の背面10bに設けられた貯留部11に貯留される。なお、計数されたメダルMを台間機10の筺体内のメダルタンク71(後述)に貯留して後にメダル貸出部40から再び払出できるようにしておいてもよいし、スロットマシン2の内部へ導くようにしてもよい。また、台間機10に、回収路70Aへの搬送、スロットマシン2の内部への搬送、台間機10の筺体内での貯留のいずれかの取り扱いを行うようメダルMの移動経路を選択的に切り換えるための機構を設けてもよい。
台間機10は、メダルタンク71を有する。メダルタンク71は、台間機10の筺体内に配置され、メダル貸出部40から貸し出される予定のメダルMを貯留する。メダルタンク71は、下方が窄まるロート状をなす。メダルタンク71の上部と下部とは、開口している。メダルタンク71には、メダル投入口31から投入されるメダルMのみならず、スロット島1のメダル供給管307(図13参照)を通りそこから分岐して台間機10の背面10bに繋がるメダル供給分岐配管73を通るメダルMも導入される。メダル供給分岐配管73のメダル供給口73aは、メダルタンク71の上部に位置付けられ、メダルタンク71にメダルMを供給できる位置に設けられる。
メダルタンク71の下部には、メダルタンク71の下部の開口と連通して、円盤形状ディスク72が設けられる。円盤形状ディスク72は、円形状の中心軸72Aを回転中心として回転自在となっている。円盤形状ディスク72の下方には、メダル貸出部40に繋がる導入経路(図示せず)が設けられる。円盤形状ディスク72には、略水平状態になったメダルMが一枚入る大きさの穿設孔72Bが複数穿設される。円盤形状ディスク72は、モータ(図示せず)の駆動によって円周方向に回転し、穿設孔に入り込んだメダルMを、導入経路を介してメダル貸出部40へ払い出される。メダルMは、導入経路を通りメダル貸出部40へ払い出される途中に、順次計数される。
ところで、メダル貸出部40は、ノズル41を有する。ノズル41は、円盤形状ディスク72から払い出されたメダルMを、スロットマシン2のメダル受け皿2dに案内する(図2も参照)。ノズル41の一端部は、台間機10の正面10aから前方に突出するハウジング部(図示せず)内に設けられ、重力方向に平行な回転軸によって回動可能に支持される。
なお、本実施の形態では、ノズル41を有するメダル貸出部40を示したが、ノズル41を有さないで、円盤形状ディスク72によって払い出されるメダルMを一時的に収容する収容部を台間機10の正面10aの下部に設けてもよい。この場合、遊技客は、メダル貸出部40の収容部に払い出されたメダルMを手掴みでスロットマシン2のメダル受け皿2dに移す。
図5は、メダル計数装置100の斜視図である。図6は、メダル計数装置100の平面図である。図7は、メダル計数装置100の側面図である。図8は、搬送装置120の側面図である。メダル計数装置100は、搬送装置120と、ゲート部130と、傾斜誘導路140と、メダル識別手段150と、流下通路160と、メダル排除機構180と、メダル計数手段195とを有する。搬送装置120と傾斜誘導路140と流下通路160とは、メダルMを搬送する搬送経路100Aを構成する。搬送経路100Aの下流端(流下通路160の下流端)は、回収路70Aと繋がっている。本実施の形態において、メダルMの搬送経路100Aは、台間機10の中央部を縦断せずに筐体側壁に沿っており、しかもメダルMを縦立状態で転動させて搬送するために要する空間が小さく済むものである。これにより、台間機10内にメダルMの貯留空間が増大し、メダルMの収容量を増大できる。もしくは、本実施例と異なる形態であるが、例えば、空いた空間に貯留部11を設ける事も可能となる。また、本実施の形態の台間機10は、メダルMの搬送経路100Aが筐体の左右両側面に設けられており、メダルMの搬送能力が向上している。なお、本実施の形態では、台間機10の左側面10c側及び右側面10d側の双方にメダルMを導いて流下させる構成を示すが、いずれか一方の側面側のみにメダルMを導いて流下させる構成であってもよい。
[搬送装置120] 図5ないし図8を参照する。搬送装置120は、メダル収容筐体110の底部に設けられる。搬送装置120は、メダル収容筐体110に投入されたメダルMを、横倒させた状態でメダル計数装置100の内部(台間機10の内部)にメダルMを搬送する。
搬送装置120は、回転ローラ121a、121b、121c、121dと、搬送ベルト122と、逆転ローラ124と、駆動モータ125と、伝達手段126と、噛込防止部材127とを有する。回転ローラ121a、121b、121c、121dは、台間機10の正面側から見て左右に延びるよう水平に設けられる。搬送ベルト122は、回転ローラ121a、121b、121c、121dに掛け渡される無端の平ベルトであり、その表面はゴムなどで被覆されてメダルMとの摩擦抵抗の増大が図られている。搬送ベルト122は、手前側から奥側に向かって上り傾斜となっており、回転ローラ121bが図7、図8中の矢印Rの方向に回転することで、搬送ベルト122上のメダルMが手前側から奥側に移動する。逆転ローラ124は、横倒させた状態のメダルM一枚のみの通過を許容する間隙(メダルM一枚分の厚さよりも大きく且つメダルM二枚分の厚さよりは小さい間隙で、好ましくはメダルMの厚さの1.2〜1.8倍程度の間隙)を設けて、搬送ベルト122の上方に配置される。逆転ローラ124は、複数重なった状態で搬送され接触した上側位置のメダルMをメダル収容筐体110内に弾き返す。
駆動モータ125は、回転ローラ121a、121b、121c、121dのうちの少なくとも1つの回転ローラ(本実施の形態では、回転ローラ121b)と逆転ローラ124とを回転させる駆動源となる。伝達手段126は、ギヤやベルトにより構成され、駆動モータ125のモータ軸の回転駆動力を回転ローラ121a、121b、121c、121d及び逆転ローラ124に伝達する。なお、回転ローラ121a、121b、121c、121dの配置構成は、図7および図8に示された配置構成に限られるものではなく、例えば、正面側から見て前後方向に並列して設けられた一対の回転ローラで構成されてもよく、搬送装置120が設置される設置空間などの条件などによって適宜に設定することができる。また、本実施の形態では、回転ローラ121bが駆動モータ125により駆動されるが、他の1つまたは複数の回転ローラが駆動モータ125により駆動されるようにしてもよい。また、本実施の形態のメダル計数装置100では、搬送ベルト122が二つ並設され、個々の搬送ベルト122に対応して逆転ローラ124が設けられる。また、駆動モータ125は、回転ローラ121aや回転ローラ121dよりも高い位置に設置されることで、イタズラ等によりメダル収容筐体110内に投入された液体との接触を防止できる。
噛込防止部材127は、板状をなし、搬送ベルト122の上面に垂直な方向に延び、逆転ローラ124の直径方向延長上に位置し、逆転ローラ124と接触しない程度の微小の隙間をあけて配置され、メダルMの噛み込みを防止する。噛込防止部材127の上方部は遊技客側(回転ローラ121d側)に湾曲しており、逆転ローラ124によって上方に弾き出されるメダルMは、逆転ローラ124よりも上流側へ戻される。
ところで、メダル収容筐体110は、回転ローラ121bと軸線が一致する所定の回転中心軸128によって、手前方向に回動可能に取り付けられている。なお、回転ローラ121bを回転中心軸128として用いてもよい。メダル収容筐体110を手前方向に回動することで、傾斜誘導路140の上流側の端部を露出でき、図11に基づいて後述する処理によって使用できるメダルでないと判定されて突起部143上に位置するメダルMや、ゲート部130に詰まったメダルMを容易に取り除くことができる。なお、ゲート部130の上流側に詰まったメダルMをさらに容易に取り除くことができるよう、ゲート部130(例えば、一対のゲート板状部材131のうちの一方または双方)を取り外し可能にしてもよい。また、メダル収容筐体110を手前方向に回動した際、ゲート部130が動かずに傾斜誘導路140側に位置するようにしてもよい。また、一対のゲート板状部材131のみを傾斜誘導路140側に残し、遮断部材作動機構132及び遮断部材133をメダル収容筐体110とともに移動するようにしても、ゲート板状部材131と遮断部材作動機構132と遮断部材133とを移動させずに傾斜誘導路140側に残すようにしてもよい。また、一対のゲート板状部材131のうちのいずれか一方のみが、メダル収容筐体110とともに移動せずに、傾斜誘導路140側に位置するように構成してもよい。また、ゲート部130(例えば、一対のゲート板状部材131うちの一方または双方)を取り外しできるようにしてもよい。
[ゲート部130] 図9は、ゲート部130の平面図である。図5ないし図9を参照する。ゲート部130は、搬送ベルト122と逆転ローラ124との間隙を通過し横倒させた状態にあるメダルMを整流させるものである。ゲート部130には、一対のゲート板状部材131を有する。一対のゲート板状部材131は、メダルMが通過できる程度のゲート幅Lが確保されて、互いに対向して配置される。ゲート板状部材131は、搬送ベルト122により搬送されるメダルMの外周面に当接され、このメダルMを整流する。ゲート幅Lは、メダルMの直径よりも0.1〜1.2mm程度大きく設定することが好ましい。ゲート板状部材131は、ゲート幅Lよりも大きな直径を有する異物Nの進入を防止する。
ゲート部130は、ソレノイドなどの機械的手段により構成される遮断部材作動機構132と、棒状部材などで構成される遮断部材133とを有する。遮断部材作動機構132は、遮断部材133をメダルMの搬送方向に対して垂直な方向に進退させてメダルMの通過を許容したりメダルMを阻止したりする。ゲート部130を通過したメダルMは、搬送ベルト122によって傾斜誘導路140に導かれる。
[傾斜誘導路140] 図10は、傾斜誘導路140の斜視図である。図5、図6、図7及び図10を参照する。傾斜誘導路140は、搬送装置120によって搬送された方向にメダルMを進めつつ、メダルMの姿勢を変えながらメダルMを流下通路160に流下させる。傾斜誘導路140の上部近傍には、突起部143が設けられる。搬送装置120によって搬送され横倒された状態にある左右の二つのメダルMは、突起部143と傾斜誘導路140の上面の中央部付近の底面とによって略水平に保持される。ここでいう略水平とは、重力方向に直交する方向に限られず、搬送装置120によるメダルMの進行方向に対して下方に傾いた状態で、且つ、この進行方向に対して垂直な左右方向に対しては上下に傾きなく、メダル径の断面のみが水平となって、撮像部151(後述)の撮像方向に対しメダル平面を垂直に向けた状態を含む。傾斜誘導路140は、搬送ベルト122によるメダルMの搬送方向に向かうにつれて徐々に下方に傾斜する搬送方向傾斜面141Aと、搬送ベルト122によるメダルMの搬送方向に対し直交する左右方向に凸状に湾曲しながら下方に傾斜する傾斜側面141とを形成する。傾斜誘導路140の上面の中央部には、上流側から下流側に向かうにつれて広がる平面視略V字状形状をなし、所定の高さを有するV字状壁142が立ち上がっている。メダルMは、その外周面がV字状壁142に接触して傾斜側面141側に動き、図10中の矢印R1に沿って傾斜側面141を流下する。
ところで、図7に示すように、搬送装置120と傾斜誘導路140との連結箇所において、搬送装置120の下流側端部が傾斜誘導路140の上流側端部よりも若干上方にあり、ゲート部130を通過したメダルMが、その先端を斜め下方に傾けた状態で傾斜誘導路140上に移る。メダルMの先端が斜め下方に傾いた状態となるのは、メダルMの先端が突起部143上を下流側に通過した後であり、メダルMの先端が突起部143に引っ掛かって後続のメダルMの傾斜誘導路140上への進入が妨げられることはない。
搬送ベルト122の上面が手前側から奥側に向かって上り傾斜となっていることで、例えば、不正行為を行うための道具である弾性構造体が搬送ベルト122に沿って挿入された場合でも、搬送ベルト122の延長線上と、次にメダルMが導かれる傾斜誘導路140におけるメダルMの進行方向が異なるため、弾性構造体が計数装置まで挿入し難くなり、不正行為を防止できる。さらに、搬送ベルト122の上面を手前側から奥側に向かう上り傾斜とすることで、ゲート部130におけるメダル詰まりを抑制することができる。なお、本実施の形態では、搬送ベルト122の上面が手前側から奥側に向かって上り傾斜となる構成の一例を示したが、例えば、弾性構造体などによる不正行為を防止できる構成を他に備える場合などには、搬送ベルト122の上面を水平にしてもよい。弾性構造体などによる不正行為を防止する構成の一例として、搬送装置120側が開口した箱体からなる一方開口部材(図示せず)を、傾斜誘導路140の上方空間で搬送ベルト122の上面の延長上に配置してもよい。一方開口部材を配置することで、不正行為を行うための道具(弾性構造体など)が搬送ベルト122の上面に沿って挿入されても、弾性構造体の先端が一方開口部材に突き当たり、不正行為が防がれる。ここで、搬送ベルト122の上面が水平となっている場合には、搬送ベルト122の上面が上方傾斜している場合と比較して、弾性構造体が傾斜誘導路140に進入しやすくなる。そのため、搬送ベルト122の上面が水平となっている場合には、一方開口部材による弾性構造体などの傾斜誘導路140や流下通路160への進入防止の効果が大きい。
本実施の形態では、傾斜誘導路140の傾斜側面141として、凸状に湾曲しながら傾斜する傾斜側面を例示したが、この形状に限られるものではなく、例えば、傾斜側面を平面などで構成してもよい。即ち、傾斜誘導路140の傾斜側面141の形状は、メダルMを、搬送装置120による搬送方向に進行させるとともに、傾斜側面141を流下させ横倒した状態のメダルMを縦立した状態とすることができる形状であればよい。
[メダル識別手段150] 図7を参照する。メダル識別手段150は、突起部143上で略水平状態となったメダルMが利用可能なメダルであるか否かを識別する。メダル識別手段150は、撮像部151と、識別部(図示せず)とを有する。撮像部151は、突起部143の上方で、突起部143上で略水平状態となったメダルMの表面と略平行に設置され、突起部143上で略水平状態となったメダルMを撮像する。撮像部151の一例は、CCDカメラである。識別部は、撮像部151で撮像された画像が利用可能なメダルか否かを識別する処理を行う。なお、メダル識別手段150は、LEDなどの照射源を有してもよい。識別部の一例は、制御部60(図4参照)である。
メダル識別手段150は、さらに、突起部143の内部又は直下で、且つ、傾斜誘導路140を構成する部材の内部に、メダルMが突起部143上の撮像可能な領域内に位置することを検知し、検知信号を制御部60(識別部)に出力しこの検知信号によってメダル識別手段150が駆動するようなメダル位置検知手段152を有する。メダル位置検知手段152は、突起部143上で略水平状態となったときのメダルMを検知可能な位置に設けられればよい。メダル位置検知手段152としては、光学式センサ、近接センサなどを使用することができる。また、撮像部151を高速度撮影することでメダル位置を検知し、これをメダル位置検知手段152としてもよい。
図11は、メダルMが使用できるものであるか否かを判定する処理の流れを示すフローチャートである。使用できるメダルMとは、遊技場で使用が認められているメダルをいう。
まず、ゲート部130を通過したメダルMは、メダルMの先端が斜め下方に傾いた状態で傾斜誘導路140上に導かれ、傾斜誘導路140の突起部143上の、撮像部151によるメダルMの表面全体の撮像が可能な位置に導かれる。制御部60(識別部)は、メダル位置検知手段152が検知して出力した検知信号の入力を待機(ステップS300)する。制御部60は、複数の処理を切り替えてマルチタスクとして並行して進めており、ステップS300の処理もその複数の処理のうちの一つとして行っている。制御部60は、検知信号の入力が無いと判定した場合(ステップS300のNo)、図11に示す処理から復帰(リターン)し他の処理を進める。他方、制御部60は、検知信号の入力があったと判定すると(ステップS300のYes)、制御部60(識別部)は、撮像部151によるメダルMの撮像が可能であるとして、撮像部151を作動してメダルMを撮像し(ステップS301)、撮像部151からの撮像情報に基づいてメダルMが使用できるメダルであるか否かを判定するための画像処理を行う(ステップS302)。画像処理は、一例として、記憶手段に記憶された画像解析プログラムの記述に従った、撮像されたメダルMの表面の文字や模様と予め記憶されている正規のメダルMの表面の文字や模様との比較である。なお、搬送装置120から導入されたメダルMは、常に、搬送装置120による搬送方向に搬送されつつ、傾斜側面141に沿って流下するため、メダルMが撮像可能な位置に停止するわけではない。
続いて、制御部60(識別部)は、画像処理した情報に基づいて、メダルMが使用できるものであるか否かを判定する(ステップS303)。ステップS303の判定でメダルMが使用できるものであると判定した場合(ステップS303のYes)、制御部60(識別部)は、図11に示す処理から復帰(リターン)し他の処理を進める。他方、ステップS303の判定でメダルMが使用できるものでないと判定した場合(ステップS303のNo)、制御部60(識別部)は、メダル排除処理(ステップS304)を実行する。メダル排除処理については、[メダル排除機構180]の説明のところで後述する。
[流下通路160] 図4ないし図7を参照する。メダル識別手段150で撮像されたメダルMは、搬送装置120による搬送方向に進行しつつ、傾斜誘導路140の傾斜側面141を矢印R1に沿って流下し、横倒した状態から縦立した状態となり、流下通路160に入り込む。流下通路160は、傾斜誘導路140によって導かれたメダルMを、台間機10の背面10bに設けられた排出口70に導く。なお、横倒した状態とは、メダルMが重力方向に対して垂直である水平となった状態、および水平面とメダルMの表面とのなす角が±45度未満の範囲で傾いた状態をいう。また、縦立した状態とは、メダルMが重力方向に対して平行となる直立した状態、および重力方向に対して平行な面とメダルMの表面とのなす角が±45度以下の範囲で傾いた状態をいう。メダルMは、流下通路160をスムーズに自由流下するために、縦立した状態のときに略鉛直に向いていることが好ましい。
流下通路160は、傾斜誘導路140によって導かれたメダルMを縦立させた状態で排出口70に導く通路であり、メダル計数装置100の両側面(台間機10の左側面10c側及び右側面10d側)に設けられ、排出口70に向かって下方に傾斜する。
流下通路160の上流部は、傾斜誘導路140の外側に流下方向に立設された側壁161と、傾斜誘導路140の傾斜側面141と、平面視においてこれらに挟まれる位置にある底部162とにより構成される。側壁161と傾斜側面141との間隙は、メダルMの厚さよりも若干大きく、メダルMが縦立した状態でスムーズに流下できるようになっている。
[メダル排除機構180] 図4ないし図7を参照する。メダル排除機構180は、流下通路160の中流部に設けられ、流下通路160の上流部から縦立した状態で流下するメダルMを選択的に排除する。メダル排除機構180は、メダル識別手段150における識別判定の処理(図11参照)に基づいて、使用することができないメダル(例えば、他の遊技場メダルや偽造メダルなど)を、流下通路160からメダル計数装置100の中央側へ排除する。
メダル排除機構180は、流下通路160を通過中のメダルMの上端部を支持する上端側支持部181と、断面凹状形をなしてメダルMの下端部を支持する下端側支持部182とを有する。メダルMは、メダル排除機構180においては、上端側支持部181と下端側支持部182とによってのみ支持されている。
上端側支持部181は、駆動機構185によって流下通路160を流下するメダルMの面に対して直交する方向に、メダルMを排除する位置とメダルMを排除せずにそのまま流下通路160に沿って流下させる位置との間を動く。図11に示す処理の中で、ステップS303の判定でメダルMが使用できるメダルであると判定した場合(ステップS303のYes)、メダル排除機構180における駆動機構185は駆動されない。他方、ステップS303の判定でメダルMが使用できるメダルでないと判定した場合(ステップS303のNo)、制御部60は、ステップS304(メダル排除処理)として、駆動機構を動作させるべく所定時間後に作動する割込処理をセットしこの割込処理のたびに駆動機構185を駆動させることを行う(ステップS310)。駆動機構185を駆動させるタイミングは、例えば、傾斜誘導路140の突起部143上の撮像可能な位置で撮像されてからメダルMが流下する時間などで設定される。具体的には、例えば、傾斜誘導路140の突起部143上の撮像可能な位置からメダル排除機構180に至るまでの流下時間を予め調べておき、その流下時間および撮像された時間に基づいて、駆動機構185を駆動させる。なお、駆動機構185を駆動させるタイミングは、傾斜誘導路140の突起部143上の撮像可能な位置で撮像されてからの時間に限られるものではなく、メダル位置検知手段152によって検知されてからの時間などで設定してもよい。駆動機構185を駆動させる際には、制御部60は、駆動機構185を駆動するための駆動信号を出力して、駆動機構185を駆動する。駆動機構185が駆動すると、縦立した状態で流下通路160を流下するメダルMが傾斜通路190に排除され、傾斜通路190を滑り落ち、メダル返却口52から戻され、返却メダル受け皿51に到達する。駆動機構185は、メダルMの排除後、駆動機構185を元に戻してメダルMを流下通路160に沿って流下可能な状態にする。このような駆動機構185は、例えば、ソレノイドなどで構成することができる。上端側支持部181と下端側支持部182とを別個に設け、一方を動かすようにすることで、駆動機構185や上端側支持部181、下端側支持部182の可動範囲が小さくなり、台間機10内のメダルMの貯留空間が増大する。なお、本実施の形態では、ステップS303の判定でメダルMが使用できるメダルでないと判定した場合(ステップS303のNo)、駆動機構185を駆動しメダルMを排除する形態にしたが、例えば、通常状態において駆動機構185を、メダルMを排除する位置に配置し、ステップS303の判定でメダルMが使用できるメダルと判定した場合(ステップS303のYes)、駆動機構185を、メダルMを流下可能にする位置に駆動する形態にしてもよい。
メダル排除機構180は、さらに、薄い板状部材で形成され弾性を有する板ばね等のメダル押圧部材187を有する。メダル押圧部材187の先端187aは、流下通路160を流下するメダルMの流下軌跡に突出する。メダル押圧部材187の他端は、固定されている。メダル押圧部材187は、薄い板状部材で形成されるため、メダルMの流下を妨げない。
ここで、一対のゲート板状部材131(図9等)では、所定の直径(例えば、正規のメダルMの直径)よりも大きなメダルの進入を防止するものの、所定の直径よりも小さなメダルはゲート部130を通過し、傾斜誘導路140や流下通路160に進入することになる。しかしながら、メダル排除機構180において、メダルM(正規のもの)は、上端側支持部181と下端側支持部182とにより上端部と下端部とが支持されるのみであり、正規のものよりも小さなメダルはその上端部を支持されず、メダル押圧部材187の先端187aに押し出されて流下通路160から排除される。このように、メダル排除機構180は、メダルを排除する機能と所定の直径に満たないメダルを識別する機能とを兼ね備えることになる。なお、正規のメダルMの直径よりも小さく且つ直径差が僅かであるメダルの場合には、駆動機構185を駆動させることで排除される。
図7に示すように、メダル計数装置100の中央側には、メダル排除機構180によって排除されたメダルMを、台間機10の正面10aに設けられるメダル返却口52に導く傾斜通路190が設けられる。傾斜通路190は、傾斜誘導路140の下方側に位置し、メダル返却口52に向かって下方傾斜する平板状部材で構成される。傾斜通路190の表面は、メダルMが滑りやすいように、鏡面加工等によりメダルMとの摩擦抵抗を小さくすることが好ましい。傾斜通路190は、メダル供給口73aから供給されるメダルMが到達しない傾斜誘導路140の下方側のデッドスペース(図4参照)の有効活用に寄与し、台間機10に必要な機器を配置するためのスペースを確保することができる。別の一例として、図5に示す、駆動モータ125の下方の空間に、メダル供給口73aから供給されるメダルMが到達するように構成されてもよい。
メダル排除機構180によってメダル計数装置100の中央側へ排除されたメダルは、図7に示すように、傾斜通路190を滑り落ち、メダル返却口52から戻され返却メダル受け皿51に返却される。メダル排除機構180は、メダル計数装置100の両側面に設けられたそれぞれの流下通路160に備わっており、傾斜通路190には、双方のメダル排除機構180によって排除されたメダルMが流下する。
一方、メダル排除機構180によって排除されることなく、メダル排除機構180を通過したメダルMは、流下通路160の下流部に設けられた上端側支持部188と下端側支持部189とに支持されて、流下通路160の下流部に流下する。流下通路160の下流部には、メダルMの数量を計数するための計数装置195が設けられる。計数装置195は、流下通路160を流下するメダルMを計数する。メダルMは、計数された後、さらに流下して、回収路70Aに入り、排出口70を通って、台間機10の背面10bに設けられた貯留部11(図4)に排出される。なお、計数されたメダルMは、例えば台間機10内のメダルタンク71に導入されるように構成されてもよい。
ここで、一例として、会員用ICカードなどのICカードなどがカード挿入口22に挿入されICカードに記憶されたIDなどの識別情報が読み取られた場合、計数装置195により計数された計数値が計数メダル数としてそのIDに基づき有価価値管理装置などに記憶される。別の一例として、ICカードなどを使用せずに現金を挿入して遊技がされている場合、例えば、カード処理機28に貯留されたICカードにIDなどの情報を記録して発行し、そのIDに基づき、計数装置195により計数された計数値を計数メダル数として有価価値管理装置などに記憶させてもよい。別の一例として、ICカードなどを使用せずに現金を挿入して遊技がされている場合、例えば、計数装置195により計数された計数値に係る情報をバーコードなどの態様で記録したレシートを発行する機構を設けてもよい。レシートを発行する場合、レシートには、簡易管理用IDが記録され、その簡易管理用IDは、そのレシートを用いて景品交換されるまで、有価価値管理装置において計数されたメダル数とともに管理される。メダル数の計数結果は、表示パネル21に表示されてもよい。
なお、計数装置195の配置位置は、この位置に限られず、搬送装置120、傾斜誘導路140及び流下通路160のいずれかであってもよい。また、メダル位置検知手段152からの入力信号をメダルMの計数に用いることで、メダル位置検知手段152を計数手段として機能させてもよい。この場合、メダル識別判定において、使用できないメダル(偽造メダルなど)であると判定されたメダルの数は減算するようにしてもよいし、使用することができるメダル(正規なメダルM)であると判定されたメダルの数のみを計数値するようにしてもよい。
また、このメダル位置検知手段152を、例えば、メダルMが突起部143上から移動しない場合や、計数装置195での計数動作中にメダルMを所定時間検知しない場合などのメダル搬送異常検知手段として機能させてもよい。この場合において、制御部60は、メダル位置検知手段152からの入力信号などに基づいて、メダルMが突起部143上から移動しない場合や、計数装置195での計数動作中にメダルMを所定時間検知しない場合などを判定し、例えば、通報処理を実行するように構成してもよい。この通報処理として、例えば、表示パネル21にメダル搬送異常である旨を表示したり、メダル搬送異常検知情報を遊技場の管理コンピュータなどに出力したりする処理などが例示できる。
また、計数装置195を、メダルMが通過する一の流路に複数設けてもよい。一例として、搬送装置120によって搬送され整列されたメダルMを計数可能な位置と、流下通路160を流下するメダルMを計数可能な位置との二箇所に設けてもよい。計数装置195を複数設ける場合、各計数装置195における計数結果が異なるときには、所望の計数装置195の計数結果を計数値とするよう設定する。一例として、ここでいう所望の計数装置195に、不正行為を行うための道具(弾性構造体など)が挿入され難い位置に配置された流下通路160の下流部にある計数装置195を採用する。また、計数装置195を複数設ける場合、搬送装置120によって搬送され整列されたメダルMを計数する第1の計数手段(突起部143の近傍位置に光学式センサ、近接センサ、撮像部151を高速度撮影してメダル位置を検知してもよい)を設け、流下通路160を流下するメダルMを計数する第2の計数手段(計数装置195)を設け、第1の計数手段で計数したものが第2の計数手段によって計数できないときに、ジャム(搬送不良)や、不正行為を行うための道具(弾性構造体など)が第1の計数手段位置まで挿入されているなどの不具合の発生と判定することもできる。
図12は、図1の矢印Pの方向から見た貯留部11の模式図である。図1、図12及び図13を参照する。貯留部11は、台間機10の背面10b側に設けられる。貯留部11には、上述した台間機10から排出されるメダルMが貯留される。台間機10の排出口70から排出されるメダルMは、主としてメダル計数装置100(図4参照)にて計数され回収路70Aを通り排出口70から排出されたものである。また、台間機10から排出されるメダルMとしては、メダルタンク71に貯留され、台間機10に備わる所定の汲み上げ手段(図示せず)によって汲み上げられて回収路70Aに導かれたものであってもよい。貯留部11は、管理装置401からの制御信号に従って、貯留しているメダルMをベルトコンベア装置201に排出する。なお、本実施の形態において、管理装置401と有価価値管理装置は区別して記載しているが、管理装置401と有価価値管理装置を1の装置として構成してもよい。また、貯留部11は台間機の外部に設けられているが、例えば台間機の内部に貯留部を設け、台間機の計数装置により計数された後、メダルMを台間機の内部に貯留してもよい。
貯留部11は、貯留容器251と、排出部252とを有する。貯留容器251は、台間機10の排出口70から排出されるメダルMを受け止めるように台間機10の背面10b側に設けられる。図12に示す例では、貯留容器251は台間機10の背面10bに取付けられているが、メダルMを受け止めることができれば貯留容器251は台間機10に取付けられなくてもよい。排出部252は、多数のカップ253を取付けられたベルト254を回転搬送するリフト装置255により構成される。ベルト254は、駆動ローラ256と従動ローラ257とに掛け渡される無端のものである。リフト装置255は、駆動ローラ256を回転駆動するためのモータ258を有する。モータ258が作動すると、駆動ローラ256が回転してベルト254が回転搬送され、カップ253が貯留容器251内のメダルMを掬い上げる。掬い上げられたメダルMは、ベルト254の回転駆動とともに上昇したのち、ベルトコンベア装置201の搬送ベルト203に向けて落下する。モータ258は、台間機10の制御部60から制御を受けて駆動したり停止したりする。ここで、モータ258にパルス幅変調制御(PMW制御)可能なものを採用し、制御部60から受ける制御に応じてパルス波のデューティー比を変化させて、ベルト254の回転駆動速度を変更自在とし、貯留部11から汲み出されるメダルMの量を調整することもできる。また、排出部の一例として、例えば、貯留容器251に貯留されているメダルMを全て排出する機構とし、管理装置401からの指示送信により、スロット島1に設けられた複数の貯留部のうち、一部の貯留部のみメダルMの排出を許可するようにしてもよい。
貯留容器251には、カップ253から落下するメダルMの重さを検知しそのメダルMの個数を算出する排出個数センサ259と、排出個数センサ259にメダルMを案内する案内部材259Aとが設けられる。排出個数センサ259は、メダルの個数に応じた電気信号を台間機10の制御部60に送信する。なお、排出個数センサ259に代えて、貯留部11から排出されるメダルMの個数を計上するための既知の手段を設けてもよい。制御部60は、台間機10の計数装置195による貯留部11に投入されるメダルMの計数と、排出個数センサ259による貯留部11から排出されるメダルMの計数とにより、貯留部11内のメダルMの個数を把握する。
図13は、図1の矢印Qの方向から見たベルトコンベア装置201及びメダル貯留装置301の模式図である。図1、図12及び図13を参照する。ベルトコンベア装置201は、スロット島1の長手方向に並ぶ複数のローラ202と、これらのローラ202に掛け渡される無端の搬送ベルト203と、ローラ202を回動自在に支持し搬送ベルト203を支える基台204とを有する。ローラ202のうちいくつかは、モータ205の駆動により回動する駆動ローラ206であり、残りのローラ202は、従動ローラ207である。モータ205の駆動は、制御回路208により制御される。搬送ベルト203の上面には、台間機10の貯留部11から排出部252(図12参照)によって排出されたメダルMが落下する。搬送ベルト203の上面には、スロットマシン2から排出されるメダルMも落下する。搬送ベルト203は、モータ205の駆動によって回転駆動し、搬送ベルト203の上面にあるメダルMをメダル貯留装置301まで搬送する。
メダル貯留装置301は、貯留容器302と、計数部303と、送出部304と、洗浄部305と制御回路306とを有する。貯留容器302は、ベルトコンベア装置201の搬送ベルト203の搬送方向下流側の端部に設けられ、搬送ベルト203により搬送されてその下流端部から落下したメダルMを受け止め貯留する。計数部303は、ベルトコンベア装置201の搬送ベルト203から落下するメダルMを計数する。送出部304からは、メダル供給管307が延びる。このメダル供給管307は、メダル供給分岐配管73(図4参照)を経てメダル供給口73a(図4参照)に至る。送出部304は、貯留容器302内のメダルMをメダル供給管307に送り出し、スロットマシン2及び台間機10に還元する。洗浄部305は、貯留容器302内のメダルMを洗浄する。制御回路306は、計数部303、送出部304及び洗浄部305の各部を制御する。
図14は、スロット島1の電気的構成を示すブロック図である。管理装置401は、サーバ機能を有するコンピュータである。管理装置401は、配線501を介して、スロットマシン2(詳しくはその中の制御回路〈図示せず〉)、台間機10(詳しくはその中の制御部60)、ベルトコンベア装置201(詳しくはその中の制御回路208)、メダル貯留装置301(詳しくはその中の制御回路306)とのそれぞれと通信自在に接続されている。なお、配線501は、有線接続であっても無線接続であってもよい。
図15は、管理装置401に記憶されるメダル一時貯留数記憶部402の構成を示す模式図である。管理装置401は、ハードディスクやRAMメモリ等に、台間機10を特定する台間機ID番号403と、貯留部11内のメダルMの一時貯留量を示すメダル一時貯留量404とを対応付けて記憶する。本実施例においては、台間機1台に対して貯留部を1つ設けているため、台間機ID番号を採番しているが、例えば、複数の台間機に対して1つの貯留部を設ける場合などにおいては、台間機ID番号403の代りに貯留部ID番号を採番してもよい。
図16は、スロット島1で行われるメダル一時貯留数把握処理の流れを示すフローチャートである。台間機10の制御部60は、複数の処理を切り替えてマルチタスクとして並行して進めており、ステップS451の処理もその複数の処理のうちの一つとして行っている。また、管理装置401も、複数の処理を切り替えてマルチタスクとして並行して進めており、ステップS401の処理もその複数の処理のうちの一つとして行っている。台間機10の制御部60は、所定の時間間隔で、管理装置401に貯留部11内のメダルMの一時貯留量と、この台間機10を特定するための台間機ID番号とを送信し(ステップS451)、続いて、図16に示す処理から復帰(リターン)し他の処理を進める。このステップS451は、全ての台間機10で行われる。管理装置401は、台間機10からのデータ受信を待機しており(ステップS401)、受信があると判定すると(ステップS401のYes)、受信した台間機ID番号とメダルMの一時貯留量とをメダル一時貯留数記憶部402に記憶する。他方、管理装置401は、ステップS401の処理において、台間機10からのデータ受信が無いと判定すると(ステップS401のNo)、図16に示す処理から復帰(リターン)し他の処理を進める。
図17は、スロット島1で行われるメダル回収処理の流れを示すフローチャートである。台間機10の制御部60は、複数の処理を切り替えてマルチタスクとして並行して進めており、ステップS551の処理もその複数の処理のうちの一つとして行っている。また、管理装置401も、複数の処理を切り替えてマルチタスクとして並行して進めており、ステップS501及びこれに続くステップS502の処理もその複数の処理のうちの一つとして行っている。管理装置401は、メダル一時貯留数記憶部402のメダル一時貯留量404を足し合わせて、スロット島1に含まれる全台の台間機10において貯留部11内のメダルMの総数を算出する(ステップS501)。なお、このステップS501において、スロット島1に含まれる全台の台間機10を処理対象とせずに、これらの台間機10を複数にグループ分けして所定のグループについてのメダルMの貯留部11を処理対象としてもよい。管理装置401は、この算出した貯留部11でのメダルMの総数が所定量以上ではないと判定した場合(ステップS502のNo)、図17に示す処理から復帰(リターン)し他の処理を進める。
他方、管理装置401は、ステップS502で算出した処理対象となる台間機10の貯留部11内のメダルMの総数が所定量以上であると判定すると(ステップS502のYes)、処理対象となる台間機10のうちの一台に、貯留部11内のメダルMを排出する排出命令を送信する(ステップS503)。ここで、管理装置401は、ステップS503〜S505での処理ループで一番初めにステップS503を行うに際して、処理対象とする一台目の台間機10を、メダル一時貯留数記憶部402の台間機ID番号403を参照して得られる最も若い台間機ID番号403の台間機10としてもよいし、メダル一時貯留数記憶部402を参照して得られるメダル一時貯留量404が最も多い台間機10としてもよい。
本実施の形態では、ステップS503において、管理装置401から台間機10に発せられる排出命令は、台間機10の制御部60がステップS551の処理を行うためのトリガとして機能するものであって、貯留容器251内から排出するメダルの量(枚数、重量、貯留容器251での最大のメダル貯留枚数に対する割合、排出命令受信時点での貯留容器251でのメダル貯留枚数に対する割合等)を含まない。
管理装置401は、ステップS503の処理を終えると、処理対象の全ての台間機10(例えば、スロット島1内の全ての台間機10、スロット島1内の所定のグループ内の台間機10)について貯留部11からメダルMを排出した場合には図17に示す処理から復帰(リターン)して他の処理を進め(ステップS504のYes)、そうでない場合(ステップS504のNo)にはメダル排出を行う台間機10を変えて(ステップS505)、ステップS503を再び行う。ここで、管理装置401は、ステップS505において、メダル一時貯留数記憶部402の台間機ID番号403を参照してこの台間機ID番号403の順にメダル排出を行う台間機10を変えるようにしてもよい。また、管理装置401は、ステップS505の処理を行うに際して、メダル一時貯留数記憶部402のメダル一時貯留量404の多い順にメダル排出を行う台間機10を変えるようにしてもよい。
台間機10の制御部60は、いずれも、管理装置401からの排出命令の受信を待機している(ステップS551)。台間機10の制御部60は、排出命令の受信が無いと判定した場合(ステップS551のNo)、図17に示す処理から復帰(リターン)し他の処理を進める。排出命令を受信すると(ステップS551のYes)、台間機10の制御部60は、モータ258(図12参照)を駆動して貯留容器251内のメダルMをベルトコンベア装置201に排出し(ステップS552)、続いて、図16に示す処理から復帰(リターン)し他の処理を進める。ステップS552において、台間機10の制御部60は、貯留容器251内のメダルMの全てをベルトコンベア装置201に排出するよう、モータ258(図12参照)を駆動する。
なお、別の実施の形態として、台間機10の制御部60が、ステップS552において、貯留容器251内のメダルMのうち一部の所定量をベルトコンベア装置201に排出し、残りのメダルMを貯留容器251に残すよう、モータ258(図12参照)を駆動してもよい。さらにこの場合において、台間機10の制御部60は、後述するステップS553の処理において、貯留容器251内に残すメダルMの量(割合)の情報データを、この台間機10を特定するための台間機ID番号とともに管理装置401に送信するようにし、管理装置401が、送信されたデータを、メダル一時貯留数把握処理によってメダル一時貯留数記憶部402に記憶するようにしてもよい(図16のステップS401及びS402参照)。ここでいう「一部の所定量」とは、台間機10の制御部60のROM60cやRAM60dに、枚数、重量、貯留容器251での最大のメダル貯留枚数に対する割合等の態様で予め記憶されているものである。貯留容器251にその中のメダルMの貯留枚数を検出・把握する手段が設けられているのであれば、ROM60cやRAM60dに予め割合を定め、「一部の所定量」として、この割合に排出命令受信時点での貯留容器251でのメダル貯留枚数を乗じたものを用いることもできる。そして、例えば、制御部60のRAM60d又はROM60cに、予め算出された排出部252の排出能力(ベルト254が一周駆動する間にカップ253によって排出されるメダルMの個数と、ベルト254が一周駆動するのに要する時間)を記憶しておき、制御部60が、メダル一時貯留量404から把握される貯留容器251内のメダルMの個数を所定割合まで減らすだけの駆動時間だけ駆動させることで、ステップS552の処理の後でも貯留容器251内にメダルMが残留するようにする。
台間機10の制御部60は、排出完了後に、貯留部11内のメダルMの貯留量を、この台間機10を特定するための台間機ID番号とともに管理装置401に送信する(ステップS553)。ここで送信されたデータは、メダル一時貯留数把握処理によってメダル一時貯留数記憶部402に記憶される(図16のステップS401及びS402参照)。貯留容器251内のメダルMの一部を残す場合、この残量は、ステップS552の開始時点でメダル一時貯留数記憶部402に記録されていたメダル一時貯留量404から、ベルト254の駆動時間やモータ258の駆動率、排出能力等に基づき算出されるステップS552の処理のメダルMの排出量を引いて求められる。また、貯留容器251全体の重量を量る等の貯留容器251内のメダルMを計数する手段を貯留容器251に設けて、この手段で求められた貯留容器251内のメダルMの個数をステップS553で送信してもよい。
本実施の形態では、逐次、管理装置401がスロット島1内の貯留部11のメダルMの総数を把握している。そして、このメダルMの総数が所定以上になると、管理装置401は、台間機10の制御部60に制御信号を順次送信し、スロット島1内の貯留部11からメダルMが順次排出される。このため、ベルトコンベア装置201には、遊技場の閉店間際等に台間機10に大量に投入されたメダルMを一度に排出させずに、管理装置401による制御で、ベルトコンベア装置201の搬送能力に応じた量のメダルMをベルトコンベア装置201に排出させることを実現できる。結果として、スロット島1で一時的に大量に用いられるメダルMを効率良くベルトコンベア装置201に搬送することができる。
なお、本実施の形態において、予めスロット島1や管理装置401もしくは遊技場内にタイマー(図示せず)を設け、台間機10の制御部60や管理装置401の少なくともいずれかが、このタイマーによって遊技場が閉店時間近くの所定時刻や予め予測によって定められる遊技客の少ない時間帯内の所定時刻であると判定すると、自動で排出部252でのベルト254の排出速度を変化させる(速くする/遅くする)ようにしてもよい。
また、上記のメダル排出量情報は、貯留部11に残されるべきメダルMの残留量として取り扱われても、貯留部11から排出されるべきメダルMの排出量として取り扱われてもよい。
別の実施の形態を、図18に基づいて説明する。説明の便宜上、本実施の形態を第二の実施の形態と呼ぶ。図18は、スロット島1で行われるメダル回収処理の流れを示すフローチャートである。本実施の形態では、ステップS503において管理装置401から台間機10に発せられる排出命令には、貯留容器251内から排出するメダルMの量(枚数、重量、貯留容器251での最大のメダル貯留枚数に対する割合、排出命令受信時点での貯留容器251でのメダル貯留枚数に対する割合等。以下、「メダル排出量情報」と呼ぶことがある。)を含んでいる。即ち、本実施の形態では、この排出命令は、台間機10の制御部60がステップS551の処理を行うためのトリガとして機能するだけでなく、管理装置401が各台間機10で貯留されるメダルMの量を管理するためにも用いられることになる。
以下、詳細に述べる。本実施の形態では、メダル回収処理が行われる中で、台間機10の制御部60は、メダル排出量情報を含む管理装置401からの排出命令を受信すると(ステップS551のYes)、台間機10の制御部60は、モータ258(図12参照)を駆動して、貯留容器251内のメダルMのうち、メダル排出量情報に従った一部の量のメダルMをベルトコンベア装置201に排出し、残りのメダルMを貯留容器251に残す(ステップS554)。詳細に一例を挙げると、メダルMは、排出命令を受けた時点でメダル一時貯留数記憶部402に記憶されているメダル一時貯留量404に対する所定の割合(メダル排出量情報に従った割合であって、例えば、50%)だけ貯留容器251内に残される。一例として、制御部60のRAM60d又はROM60cには、予め算出された排出部252の排出能力(ベルト254が一周駆動する間にカップ253によって排出されるメダルMの個数と、ベルト254が一周駆動するのに要する時間)が記憶されており、制御部60は、メダル一時貯留量404から把握される貯留容器251内のメダルMの個数を所定割合まで減らすだけの駆動時間だけ駆動させることで、ステップS552の処理の後でも貯留容器251内にメダルMが残留する。
なお、モータ258にパルス幅変調制御(PMW制御)可能なものが採用されている場合、制御部60から受ける制御に応じてパルス波のデューティー比を変化させてモータ258の駆動率を落とす。例えば、貯留容器251のメダルMをその時点での貯留量の50%だけ残すようにする場合、駆動率が50%(=100%−貯留率50%)となるように駆動率を落とす。この場合、管理装置401が、ステップS503において、台間機10に発せられる排出命令に、メダル排出量情報に代えてベルト254の搬送速度に関する情報を含めるようにし、台間機10の制御部60が、ステップS554において、この搬送速度に関する情報に応じた速度(通常よりも速い/遅い速度)でベルト254が動くようにモータ258を駆動してもよい。
ところで、図18中のステップS554には「一時貯留部のメダルの一部を排出」と示されている。しかしながら、メダル排出量情報が、貯留容器251内のメダルWの全量を示すものである場合、ステップS554において貯留容器251内の全てのメダルMが排出されることは言うまでもない。
台間機10の制御部60は、一部のメダルMの排出後に、貯留部11内のメダルMの貯留量の残量を、この台間機10を特定するための台間機ID番号とともに管理装置401に送信する(ステップS555)。この残量は、ステップ554の開始時点でメダル一時貯留数記憶部402に記録されていたメダル一時貯留量404から、ベルト254の駆動時間やモータ258の駆動率、排出能力等に基づき算出されるステップS554の処理のメダルMの排出量を引いて求められる。また、貯留容器251全体の重量を量る等の貯留容器251内のメダルMを計数する手段を貯留容器251に設けて、この手段で求められた貯留容器251内のメダルMの個数をステップS555で送信してもよい。ここで送信されたデータは、メダル一時貯留数把握処理によってメダル一時貯留数記憶部402に記憶される(図16のステップS401及びS402参照)。
なお、上記のメダル排出量情報は、貯留部11に残されるべきメダルMの残留量として取り扱われても、貯留部11から排出されるべきメダルMの排出量として取り扱われてもよい。
本実施の形態のスロット島1によっても、遊技場の閉店間際等に、台間機10にメダルMが大量に投入されても、そのメダルMは貯留部11に留まり、管理装置401の制御によって、適宜、ベルトコンベア装置201に排出させることができ、したがって、スロット島1で一時的に大量に用いられるメダルMを効率良くベルトコンベア装置201に搬送することができる。
別の実施の形態を、図19に基づいて説明する。説明の便宜上、本実施の形態を第三の実施の形態と呼ぶ。本実施の形態は、前述の第二の実施の形態に準ずるものであって、メダル回収処理を行う中で、台間機10の制御部60が、管理装置401からの排出命令を受信したときに(ステップS551のYes)、モータ258(図12参照)を駆動して貯留容器251内のメダルMの一部をベルトコンベア装置201に排出しつつ残りの一部のメダルMを貯留容器251に残すものである(ステップS554)。図19は、管理装置401の記憶部に記憶された、貯留部11内のメダルMの総量と、この総量のときに貯留部11から排出させるメダルMの排出量との対応関係を示すデータの模式図である。本実施の形態では、管理装置401の記憶部に、貯留部11内のメダルMの総量と、この総量のときに貯留部11から排出させるメダルMの排出量との対応関係がデータとして記憶されている。このデータは、貯留部11内のメダルMの総量とそのときに貯留部11から排出させるメダルMの排出量とを対応付ける数式であってもよいし、貯留部11内のメダルMの総量とそのときに貯留部11から排出させるメダルMの排出量とのいずれをも数値で表した数値データであってもよい。ここで、図19に示されるグラフでは、貯留部内のメダルの総量が所定以上になると、排出量が一定となって横軸と平行になることがしめされている。これは、貯留部内のメダルの総量が増え続けても、メダルの排出量は搬送が問題なく行われる一定の量で頭打ちになるためである。
本実施の形態では、ステップS503(図18参照)において、管理装置401が台間機10に対して、記憶部を参照して貯留部11内のメダルMの総量とそのときに貯留部11から排出させるメダルMの排出量との対応関係を把握し、ステップS501(図18参照)において算出されている貯留部11内のメダルMの総数に対応するメダルMの排出量の情報データを送信するようにしてもよい。この排出量の情報データは、メダルMの絶対数であっても、その時点で貯留部11内にあるメダルMに対する割合であってもよい。台間機10の制御部60は、ステップS554(図18参照)において、モータ258(図12参照)を駆動して、台間機10が受信した情報データに基づくメダルMの排出量だけ貯留容器251内のメダルMをベルトコンベア装置201に排出し、残りの一部のメダルMを貯留容器251に残す。
本実施の形態のスロット島1によっても、遊技場の閉店間際等に、台間機10にメダルMが大量に投入されても、そのメダルMは貯留部11に留まり、管理装置401の制御によって、適宜、ベルトコンベア装置201に排出させることができ、したがって、スロット島1で一時的に大量に用いられるメダルMを効率良くベルトコンベア装置201に搬送することができる。
別の実施の形態を、図20に基づいて説明する。説明の便宜上、本実施の形態を第四の実施の形態と呼ぶ。本実施の形態は、前述の第一、第二、第三のいずれの実施の形態にも適用できるものである。図20は、貯留部11の模式図である。本実施の形態の貯留部11では、貯留容器251の底部に開口251Aしており、排出部252として、開口251Aを塞ぐスライド板261と、スライド板261に設けられたラックギア262と、ラックギア262に噛み合うピニオンギア263と、ピニオンギア263を正逆両方向に回転させるモータ264と、開口251Aの下方に位置してメダルMを搬送ベルト203に導く傾斜部材265とにより構成される。排出個数センサ259は、傾斜部材265に設けられ、傾斜部材265を落下するメダルMを計数する。モータ264は、台間機10の制御部60から制御を受けて駆動したり停止したりして、スライド板261をスライドさせて開口251Aを開閉する。
ここで、モータ264にステッピングモータを採用し、制御部60から受ける制御に応じて開口251Aの開口面積の割合を所望の値(例えば、50%)にすることで、開口251Aから落下するメダルMの量を調整することもできる。
本実施の形態のスロット島1によっても、遊技場の閉店間際等に、台間機10にメダルMが大量に投入されても、そのメダルMは貯留部11に留まり、管理装置401の制御によって、適宜、ベルトコンベア装置201に排出させることができ、したがって、スロット島1で一時的に大量に用いられるメダルMを効率良くベルトコンベア装置201に搬送することができる。
なお、本発明には、以下のものが含まれる。
(付加請求項1)
列設された複数の遊技機で構成される遊技島と、
前記遊技機に対応して設けられ、遊技媒体の計数機能を備える複数の計数機と、
前記計数機に対応して、前記計数機の機体内に備えられ、もしくは機体外で前記遊技島に複数備えられ、前記計数した遊技媒体を貯留可能な貯留部と、
遊技媒体溜り部と、
前記遊技媒体溜り部に遊技媒体を搬送する搬送設備と、
前記貯留部に設けられ、前記貯留部に貯留された遊技媒体を前記搬送設備に排出する排出部と、
を備えることを特徴とする遊技媒体搬送システム。
(付加請求項2)
前記遊技島における全前記排出部の限界排出能力の範囲内で、排出量を指示する遊技媒体排出指示手段を備えることを特徴とする付加請求項1記載の遊技媒体搬送システム。
(付加請求項3)
前記排出部は、前記貯留部に貯留した遊技媒体を外部に排出する限界排出能力以下での排出が可能な遊技媒体排出量制御機構を備えた排出部であり、
前記遊技媒体排出指示手段の指示を受け、複数の前記排出部の内全部乃至一部の排出部は、前記遊技媒体排出量制御機構によって排出を行うことを特徴とする付加請求項2記載の遊技媒体搬送システム。
(付加請求項4)
前記遊技媒体排出指示手段は、複数の前記排出部の内1台乃至一部のグループ毎に、順次、排出を行うことを特徴とする付加請求項2または3記載の遊技媒体搬送システム。
(付加請求項5)
前記遊技媒体排出量制御機構における限界排出能力未満での排出は、
前記排出部毎に、
A)所定時間毎に間欠的に排出動作を行う。
または
B)限界排出能力における排出速度と比較し、遅い排出速度で排出を行う。
のA)及びB)の少なくとも一方であることを特徴とする付加請求項2記載の遊技媒体搬送システム。
(付加請求項6)
列設された複数の遊技機で構成される遊技島に前記遊技機に対応して設けられ、遊技媒体の計数機能を備える複数の計数機であって、
前記計数機に対応して、前記計数機の機体内に備えられ、もしくは機体外で前記遊技島に複数備えられ、前記計数した遊技媒体を貯留可能な貯留部と、
前記貯留部に設けられ、前記貯留部に貯留された遊技媒体を、遊技媒体溜り部に遊技媒体を搬送する搬送設備、に排出する排出部と、を備えることを特徴とする計数機。
(付加請求項7)
前記排出部は、前記貯留部に貯留した遊技媒体を外部に排出する限界排出能力以下での排出が可能な遊技媒体排出量制御機構を備えた排出部であり、
遊技媒体排出指示手段からの指示を受け、前記遊技媒体排出量制御機構によって排出を行うことを特徴とする付加請求項6記載の計数機。
(付加請求項8)
前記遊技媒体排出指示手段からの指示を受け、複数の前記排出部の内1台乃至一部のグループ毎に、順次、排出を行うことを特徴とする付加請求項7記載の計数機。
(付加請求項9)
前記遊技媒体排出量制御機構における限界排出能力未満での排出は、
前記排出部毎に、
A)所定時間毎に間欠的に排出動作を行う。
または
B)限界排出能力における排出速度と比較し、遅い排出速度で排出を行う。
のA)及びB)の少なくとも一方であることを特徴とする付加請求項6記載の計数機。
即ち、特許文献1に記載の技術の様に、スロットマシン2に並列された複数の各台メダル計数機10に対応して予備タンク20に相当する一時貯留タンク(例えば本願発明における前記貯留部11)を設けた場合、遊技場では、所定の面積当りなるべく多くの遊技機を設置できるよう限られたスペースで遊技機などの各種機器を配置するので、特許文献1の予備タンク20のような大容量の一時貯留タンクを設けることができない。前記限られたスペースにおいて配置が可能な小容量の一時貯留タンクを設けた場合は、閉店間際のような複数の各台メダル計数機10から一斉に計数されると、一時貯留タンクが直ぐに満杯となる。一時貯留タンクが満杯になれば、その時点から一時貯留タンクが付いていないのと同様に、満杯後計数したメダル量がそのままの量で各台メダル計数機10から排出されるか、もしくは貯留された貯留メダルを一斉に排出する事により、前述記載した搬送能力以上のメダルが排出されたことによる搬送設備の不具合が発生する恐れがある。もしくは、前記不具合を回避するため満杯以降計数処理ができないようにすることが想定される。
付加請求項2記載の発明によれば、遊技島における全前記排出部の限界排出能力の範囲内で、排出量を指示する事が可能なため、複数の貯留部から一斉に遊技媒体が排出され、搬送設備の搬送能力を上回り、不具合が発生する事を回避する事が出来る。
ここで、「遊技島における全前記排出部」とは、遊技場内に設置されている後述する遊技媒体排出量制御機構を備える全ての排出部を意味する。
また、「限界排出能力の範囲内」における限界排出能力とは、遊技島にある全ての貯留部に満杯状態に貯留されている遊技媒体を最大限の排出速度で全て排出する事を意味し、よって、限界排出能力の範囲内とは、前記最大限の排出速度での排出、最大限の排出速度未満の低速度での排出などの排出速度的な範囲、また、排出速度ではなく、貯留されている遊技媒体量の範囲で、貯留遊技媒体の全てを排出、全貯留遊技媒体量の一部の量のみを排出など、排出量的な範囲、また、1、複数、あるいは全ての排出部といった排出を行う対象排出部の範囲、を含み、加えて、全ての排出部において排出動作を行わない事も本発明に含まれる。
また、「排出量を指示する遊技媒体排出指示手段」は、例えば、後述する管理装置401から送信される指示信号でもよいし、また、有価価値管理装置にその機能を備えてもよいし、前記遊技島において設置されている各台メダル計数機、貯留部、などの周辺装置の中の所定の一台にその機能を備えてもよいし、排出部自体にその機能を備えても本発明に含まれる。
付加請求項3記載の発明によれば、複数の前記排出部の内、全部乃至一部について、限界排出能力以下での排出が可能なため、複数の貯留部から一斉に遊技媒体が排出され、搬送設備の搬送能力を上回り、不具合が発生する事を回避する事が出来る。
ここで、「限界排出能力以下での排出」とは、貯留部に満杯状態に貯留されている遊技媒体を最大限の排出速度で全て排出する事に加えて、前記最大限の排出速度未満の低速度で排出するといった排出速度の制御した排出、貯留されている遊技媒体量の範囲で、全貯留遊技媒体量の一部の量のみを排出するといった排出量を制御した排出、あるいは前記排出速度の制御と排出量の制御を組み合わせた排出などが含まれる。また、前記排出速度の制御とは、例えば、排出部が行う排出動作自体の速度の制御に加えて、排出動作自体の速度は一定(例えばベルト搬送速度が一定)で所定の単位時間当たりの排出遊技媒体量(例えばベルト上に複数等間隔に配置したカップへのメダルを載せる量を少なくする)を制御する事も本発明に含まれる。
付加請求項4記載の発明によれば、複数の前記排出部の内1台乃至一部のグループ毎に、順次、排出する事が可能なため、複数の貯留部から一斉に遊技媒体が排出され、搬送設備の搬送能力を上回り、不具合が発生する事を回避する事が出来る。
ここで「一部のグループ」とは、事前に所定の装置により設定したグループでもよいし、1グループに属する排出部数だけを設定しランダムに選択された排出部をグループとしてもよいし、貯留部の貯留遊技媒体量により自動で選択された排出部をグループとしてもよいし、また、遊技場に備えられる管理コンピュータからの情報により稼働している遊技機を選別し、選別結果によりグループが自動選択されてもよい。つまり、遊技場に備えられる装置により自動で選択する、もしくは手動により選択するに関わらず、2以上全数未満の排出部の組み合わせをグループとする。同様に「順次、排出する」の順次は、遊技場に備えられる装置により自動で順序を設定する場合も、手動で順序を設定する場合も本発明に含まれる。
付加請求項5記載の発明によれば、排出部毎に、所定時間毎に間欠的に排出動作を行う、もしくは、限界排出能力における排出速度と比較し、遅い排出速度で排出を行う事が可能なため、複数の貯留部から一斉に遊技媒体が排出され、搬送設備の搬送能力を上回り、不具合が発生する事を回避する事が出来る。
ここで、「所定時間毎に間欠的に排出動作を行う」とは、排出速度に関わらず、所定時間毎に2回以上排出動作と排出停止を繰り返せば、本発明に含まれる。また、所定時間は遊技場に備えられる装置により自動で設定される場合も、手動で設定する場合も本発明に含まれる。
また、本発明は、計数機についても規定する。付加請求項6記載の計数機の発明は、付加請求項1記載の遊技媒体搬送システムの発明と同様の効果を奏する。付加請求項7記載の計数機の発明は、付加請求項3記載の遊技媒体搬送システムの発明と同様の効果を奏する。付加請求項8記載の計数機の発明は、付加請求項4記載の遊技媒体搬送システムの発明と同様の効果を奏する。付加請求項9記載の計数機の発明は、付加請求項5記載の遊技媒体搬送システムの発明と同様の効果を奏する。