JP5867859B2 - 銅合金 - Google Patents
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Description
Crは、単体の金属CrまたはSiとの化合物として析出することにより、銅合金の強度向上に寄与する作用を有する。Cr含有量が0.10%を下回ると、所望の強度を確保することが困難となる。またCr含有量が少ないと析出するTi量が減少してTi固溶量が多くなり、導電性が悪化することがある。一方、Cr含有量が0.50%を超えると、粗大な結晶粒が多量に生成してしまい、曲げ加工性に悪影響を及ぼすことがある。したがってCr含有量は、0.10%以上、好ましくは0.2%以上であって、0.50%以下、好ましくは0.40%以下である。
Tiは、Siとの化合物として析出することにより、銅合金の強度向上に寄与する作用を有する。またTiは、CrやSiの固溶限を低下させ、これらの析出を促進させる効果がある。Tiの含有量が0.010%を下回ると、十分な量の結晶粒を生成できないため、所望の強度を確保することが困難となる。一方、Ti含有量が0.30%を超えると、粗大な結晶粒が多量に生成してしまい、曲げ加工性に悪影響を及ぼす。したがってTi含有量は、0.010%以上、好ましくは0.02%以上であって、0.30%以下、好ましくは0.15%以下である。
Siは、CrやTiとの前記化合物を析出させて銅合金の強度向上に寄与する作用を有する。Si含有量が0.01%を下回ると、結晶粒の生成が不十分となり、所望の強度を確保することが困難となる。一方、Si含有量が0.10%を超えると、導電性が悪くなったり、粗大な結晶粒が多量に生成してしまい、強度−曲げ加工性バランスに悪影響を及ぼすことがある。したがってSi含有量は、0.01%以上、好ましくは0.02%以上であって、0.10%以下、好ましくは0.08%以下とする。
銅合金に含まれるCrとTiの質量比(Cr/Ti)のバランスは強度と導電性に影響する。すなわち、Cr/Tiが小さい方が高い強度が得られる。したがって、Cr/Tiは30以下、好ましくは15以下となるように調整することが望ましい。またCr/Tiが1.0よりも小さいと時効処理後の銅合金中のTi固溶量が多くなりすぎ、導電性が低下する。また曲げ加工性も悪化することがある。したがってCr/Tiは1.0以上、好ましくは3.0以上となるように調整することが望ましい。
銅合金に含まれるCrとSiの質量比(Cr/Si)のバランスは曲げ加工性と導電性に影響する。すなわち、Cr/Siが大きくなりすぎると、導電性が低下する。したがってCr/Siは30以下、好ましくは20以下となるように調整することが望ましい。またCr/Siが3.0よりも小さいとCrとSiの化合物が粗大な結晶粒として生成され、強度−曲げ加工性バランスに悪影響を及ぼす。また他の元素の固溶量が増加して導電性が悪化することがある。したがってCr/Siは3.0以上、好ましくは10以上となるように調整することが望ましい。
Fe、Ni、Coは、Siとの化合物を析出させて銅合金の強度及び導電性を向上させる作用を有する。含有量(合計)が多くなりすぎると固溶量が多くなって導電性が悪化するため、好ましくは0.3%以下、より好ましくは0.2%以下である。一方、含有量(合計)が少なすぎると、上記強度及び導電性向上効果が十分に得られないため、好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.03%以上である。
Znは、電気部品の接合に用いるSnめっきやはんだの耐熱剥離性を改善し、熱剥離を抑制する効果を有する。このような効果を有効に発揮させるためには0.005%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.01%以上である。しかし、過剰に含有させると、却って溶融Snやはんだの濡れ広がり性が劣化し、また導電性が悪化することから、好ましくは0.5%以下である。
Sn、Mg、Alは、固溶することによって銅合金の強度を向上させる効果を有する。このような効果を十分に発揮させるためには、合計量で0.01%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.03%以上である。一方、過剰に含有させると導電性が悪化して所望の特性が得られなくなることから、好ましくは0.3%以下である。
以下の要領で破断面厚み(t)方向の表面の結晶粒の長軸および短軸の平均直径を求めた。試料の圧延方向に平行な断面の組織を観察するため、試料を樹脂埋めし、圧延方向に平行断面を機械研磨した後、更に、バフ研磨に次いで電解研磨を行い、試料を調製した。その後、電界放出型走査電子顕微鏡(日本電子社製FESEM:JEOL JSM 5410)を用いてEBSPによる結晶粒の測定を行った。測定箇所は試料の最表面から板厚方向に10μm(任意の5箇所)について行い、その平均を求めた。また測定領域は板厚方向に10μm×圧延方向に平行方向に30μm(測定サイズ)とした。
圧延方向に平行に切り出した試験片(サイズ:JIS5号)を作製し、5882型インストロン社製万能試験機により、室温、試験速度10.0mm/min、GL=50mmの条件で、引張強度、0.2%耐力を測定した。本発明では引張強度470MPa以上、且つ0.2%耐力450MPa以上を高強度と評価した。
導電性は、ミーリングにより、幅10mm×長さ300mmの短冊状の試験片を加工し、ダブルブリッジ式抵抗測定装置により電気抵抗を測定して、平均断面積法により算出した。本発明では導電性70%(IACS)以上を良好と評価した。
銅合金板試料の曲げ試験は、日本伸銅協会技術標準に従って行った。板材を幅10mm×長さ30mmに切り出した試料を用いてW曲げ試験を行った。最小曲げ半径Rと、銅合金板の板厚tとの比R/tが、1.0となるように曲げ加工を実施した。W曲げ加工を行いながら、曲げ部における割れの有無を10倍の光学顕微鏡で観察した。割れの評価は日本伸銅境界技術標準(JBMA−T307:2007年)に準拠して評価した。具体的には伸銅境界技術標準では評価が5段階であるが、本発明では詳細に曲げ加工性を評価するために、「しわ」「われ」の最大幅(μm)をA(10以下)、A〜B(10超〜15以下)、B(15超〜20以下)、B〜C(20超〜25以下)、C(25超〜30以下)、C〜D(30超〜35以下)、D(35超〜40以下)、D〜E(40超〜45以下)、E(45超)の9段階で評価し、本発明ではD評価より優れているもの(すなわち、C〜D評価以上)を曲げ加工性が優れている(○)と評価した。結果を表2に記載する。
Claims (4)
- Cr:0.10〜0.50%(質量%の意味、以下同じ)、
Ti:0.010〜0.30%、
Si:0.01〜0.10%、
前記Crと前記Tiの質量比:1.0≦(Cr/Ti)≦30、
前記Crと前記Siの質量比:3.0≦(Cr/Si)≦30、
となるように含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなる銅合金であって、
前記銅合金の圧延方向と板厚方向に平行な断面の金属組織をFESEM−EBSP法により測定したとき、結晶粒の長軸の平均長さが6.0μm以下、短軸の平均長さが1.0μm以下であることを特徴とする銅合金。 - 更に、他の元素として、
Fe、Ni、およびCoよりなる群から選択される少なくとも一種以上:合計で0.3%以下含有するものである請求項1に記載の銅合金。 - 更に、他の元素として、
Zn:0.5%以下を含有するものである請求項1または2に記載の銅合金。 - 更に、他の元素として、
Sn、Mg、Alよりなる群から選択される少なくとも一種以上:合計で0.3%以下を含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の銅合金。
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