JP5867784B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
また、下記特許文献2には、ステアバイワイヤ方式の操舵装置において、転舵軸に振動センサを取り付け、振動センサによって検出される振動を加味して操舵ハンドルへ加えるべき反力を求めるようにしたものが開示されている。
図1は、この発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。
電動パワーステアリング装置1は、操舵部材としてのステアリングホイール2が連結されたステアリングシャフト3と、ステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪4を転舵する転舵機構5と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構6とを備えている。
転舵機構5は、ピニオン軸12と、転舵軸としてのラック軸13とを含む。ラック軸13は、車両の左右方向に沿って直線状に延びている。ラック軸13は、車体に固定されるラックハウジング18内に図示しない複数の軸受を介して軸方向に直線往復移動可能に支持されている。ラック軸13の各端部は、それぞれ、ラックハウジング18の対応する端部から突出している。ラック軸13の各端部は、それぞれ、ボールジョイント14を介して、タイロッド15の一方の端部と連結されている。各タイロッド15の他方の端部は、それぞれ、ナックルアーム16を介して、転舵輪4に連結されている。
ピニオン軸12は、第2の自在継手9を介して中間軸8に連結されている。ピニオン軸12の先端部には、ピニオン12aが連結されている。ラック軸13の軸方向の中間部には、ピニオン12aに噛み合うラック13aが形成されている。このラック13aとピニオン12aとからからなるラックアンドピニオン機構によって、ステアリングギヤが構成されている。このステアリングギヤによって、ピニオン軸12の回転がラック軸13の軸方向移動に変換される。ラック軸13を軸方向に移動させることによって、転舵輪4を転舵することができる。
操舵補助機構6は、操舵補助用の電動モータ21と、電動モータ21の出力トルクを転舵機構5に伝達するための減速機構22とを含む。減速機構22は、ウォーム軸23と、このウォーム軸23に噛み合うウォームホイール24とを含むウォームギヤ機構からなる。ウォーム軸23は電動モータ21によって回転駆動される。また、ウォームホイール24は、ステアリングシャフト3とは同方向に回転可能に連結されている。
ECU40は、電動モータ21を制御するためのマイクロコンピュータ(モータ制御用マイクロコンピュータ)41と、マイクロコンピュータ41によって制御され、電動モータ21に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)42と、電動モータ21に流れるモータ電流(実電流値)Iを検出する電流検出回路43とを含んでいる。
軸力センサ30の出力信号に基づいて生成される逆入力振動伝達用指令値Ic*が基本目標電流値Io*に加算されることにより、電動モータ21の目標電流値I*が設定されている。このため、電動モータ21は、基本目標電流値Io*に応じたモータトルクと、逆入力振動伝達用指令値Ic*に応じたモータトルクとを発生する。これにより、逆入力振動伝達用指令値Ic*に応じたモータトルクが、電動モータ21とステアリングホイール2との間の機械系を経て、ステアリングホイール2に伝達されるようになる。
図4Aは軸力センサ30によって検出されるタイロッド軸力の時間領域信号を示す模式図である。図4BはFFT処理部61によって得られた周波数領域信号を示す模式図である。図4Cは逆入力振動抽出部62によって抽出された、逆入力振動成分に対応する周波数領域信号を示す模式図である。図4Dは、逆伝達関数乗算部63によって得られた周波数領域信号を示す模式図である。図4Eは、IFFT処理部64によって得られた時間領域信号を示す模式図である。
逆入力振動成分抽出部62は、FFT処理部61によって得られた周波数領域信号から、周波数fが所定範囲内(fL≦f≦fH(fH>fL))にあり、かつパワー密度ρが所定範囲内(ρL≦f≦ρH(ρH>ρL))にある信号(図4Bに斜線で示す領域内の信号)を抽出する。これにより、図4Cに示すような逆入力振動成分に対応した周波数領域信号が抽出される。
ρLは、FFT処理部61によって得られた周波数領域信号からノイズを除去するために設定された閾値であり、例えば10−4[V2/Hz]に設定される。ρHは、FFT処理部61によって得られた周波数領域信号のうち、逆入力振動成分よりパワー密度が大きい周波数領域信号を排除するために設定された閾値であり、例えば1[V2/Hz]に設定される。
IFFT処理部64によって求められた信号は、その振動の方向が右方向操舵に対応するタイロッド15の軸方向である場合には正をとり、その振動の方向が左方向操舵に対応するタイロッド15の軸方向である場合には負をとるものとする。
IFFT処理部64によって求められた時間領域信号をIF[N]で表すことにする。時間領域信号IF[N]の1[N]に対して電動モータ21から発生させるべきモータトルク[Nm]の大きさを、時間領域信号IF[N]に対するモータトルク[Nm]の比β[Nm/N]として決定する。モータトルク[Nm]は、β[Nm/N]を用いて次式(1)で表される。
一方、モータトルク[Nm]は、電動モータ21のトルク定数[Nm/A]を用いて次式(2)で表される。
モータトルク[Nm]=トルク定数[Nm/A]×モータ電流[A]…(2)
これにより、β[Nm/N]×IF[N]に応じたモータトルク[Nm]を、電動モータ21に発生させるためのモータ電流[A]は、次式(3)で表される。
=(β[Nm/N]/トルク定数[Nm/A])×IF[N]…(3)
そこで、前記係数αを、次式(4)により決定する。
α=β[Nm/N]/トルク定数[Nm/A]…(4)
この実施形態では、軸力センサ30によって検出されるタイロッド軸力の時間領域信号が周波数領域信号に変換される。この周波数領域信号から、タイロッド16に入力する逆入力振動成分に対応する周波数領域信号が抽出される。抽出された逆入力振動成分に対応する周波数領域信号に、ゲインG(f)の逆数1/G(f)に比例した関数A/G(f)が乗算される。得られた周波数領域信号が時間領域信号に変換され、この時間領域信号に係数αが乗算されることにより、逆入力振動伝達用指令値Ic*が生成される。そして、逆入力振動伝達用指令値Ic*に応じたモータトルクが電動モータ21から発生され、このモータトルクがステアリングホイール2に伝達される。
Claims (2)
- 転舵輪にタイロッドを介して転舵のための力を伝達する転舵軸を含み、操舵部材の操作によって前記転舵輪を転舵する転舵機構と、
前記転舵軸に操舵補助力を与える電動モータと、
前記タイロッドの軸力を検出するための軸力検出手段と、
前記軸力検出手段によって検出される軸力の時間領域信号を周波数領域信号に変換するFFT処理手段と、
前記FFT処理手段によって得られる周波数領域信号から、周波数が所定範囲内にあり、かつパワー密度が所定範囲内にある周波数領域信号を、前記転舵軸側から前記転舵軸に入力する逆入力振動に対応する周波数領域信号として抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された周波数領域信号に、前記電動モータと前記操舵部材との間の機械系伝達関数ゲインの逆数に比例した値を乗算する乗算手段と、
前記乗算手段によって得られた周波数領域信号を時間領域信号に変換するIFFT処理手段と、
前記IFFT処理手段によって得られた時間領域信号に応じたモータトルクを前記電動モータから発生させることにより、前記転舵軸側から前記タイロッドに入力する逆入力振動を前記操舵部材に伝達させる逆入力振動伝達手段とを含む、電動パワーステアリング装置。 - 前記操舵部材に加えられる操舵トルクを検出するための操舵トルク検出手段と、
前記操舵トルク検出手段によって検出される操舵トルクを用いて、前記電動モータの基本目標電流値を設定する基本目標電流値設定手段とを含み、
前記逆入力振動伝達手段は、
前記IFFT処理手段によって得られた時間領域信号に所定の係数を乗算した値を、前記基本目標電流値に加算することによって目標電流値を演算する加算手段と、
前記加算手段によって演算される目標電流値に基づいて前記電動モータを制御する制御手段とを含む、請求項1に記載の車両用操舵装置。
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