JP2022034398A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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真 大野
Makoto Ono
勉 田村
Tsutomu Tamura
ロバート フックス
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裕貴 中原
Yuki Nakahara
孝 影山
Takashi Kageyama
真康 東
Masayasu Azuma
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Abstract

Figure 2022034398000001
【課題】振動指令値の設定に、車両毎のチューニング作業が不要となる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】電動パワーステアリング装置1は、電動モータ18と、入力要素をモータトルク指令値とし、出力要素をトーションバートルクとするEPSモデル60の伝達関数の逆伝達関数を用いて、トーションバートルクの目標値として表される振動トルク指令値から、振動電流指令値を演算する振動電流指令値演算部42と、振動電流指令値を含むモータ電流指令値に基づいて電動モータ18を制御するモータ制御部44~46とを含む。
【選択図】図2

Description

この発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
車線の逸脱を運転者に警報するために、車線逸脱時に、ハンドルを振動させる機能を備えた電動パワーステアリング装置が知られている(例えば下記特許文献1参照)。この種の従来技術では、車線逸脱時に、アシストトルク指令値に振動指令値が加算されることにより、モータトルク指令値が演算され、モータトルク指令値に基づいて電動モータが駆動制御される。
特開2017-65587号公報
電動モータからハンドルまでの伝達特性は、車両毎に変わる。このため、従来技術では、ハンドルに適切な大きさの振動が付与されるように、振動指令値を設定するためには、車両毎にチューニング作業を行う必要があった。
この発明は、振動指令値の設定に、車両毎のチューニング作業が不要となる電動パワーステアリング装置を提供することである。
この発明の一実施形態は、電動モータと、入力要素をモータトルク指令値とし、出力要素をトーションバートルクとするEPSモデルの伝達関数の逆伝達関数を用いて、トーションバートルクの目標値として表される振動トルク指令値から、振動電流指令値を演算する振動電流指令値演算部と、前記振動電流指令値を含むモータ電流指令値に基づいて前記電動モータを制御するモータ制御部とを含む、電動パワーステアリング装置を提供する。
この構成では、トーションバートルクの目標値として表される振動トルク指令値を振動指令値として設定し、上記逆伝達関数を用いることで、所望のトーションバートルクの目標値を実現し得る振動電流指令値を算出することができるので、振動指令値の設定に車両毎のチューニング作業が不要となる。
この発明の一実施形態では、前記EPSモデルは、入力要素をモータトルク指令値とし、出力要素をモータトルクとするモータ制御モデルと、入力要素を前記モータトルクに応じた値とし、出力要素をトーションバートルクとする一慣性の物理モデルとを含む。
この発明の一実施形態では、前記一慣性の物理モデルは、前記電動モータの回転速度に応じた摩擦力が考慮されたモデルである。
この発明の一実施形態では、操舵トルクに基づきアシスト電流指令値を演算するアシスト電流指令値演算部をさらに含み、前記モータ電流指令値が、前記振動電流指令値と前記アシスト電流指令値との和である。
本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。 モータ制御用ECUの電気的構成を説明するためのブロック図である。 トーションバートルクTに対するアシスト電流指令値Ia,cmdの設定例を示すグラフである。 EPSモデルの構成例を示す模式図である。 モータ制御モデルの構成を示すブロック図である。 振動振幅が0.5Nmである場合と1.0Nmである場合の振動周波数に対する摩擦ダンピング係数σの関係の一例を示すグラフである。 図7Aは、振動トルク指令値Tvt,cmdの波形の一例としての振幅変調波を示す波形図であり、図7Bは、振動トルク指令値Tvt,cmdの波形の一例としての減衰波を示す波形図である。 図8Aおよび図8Bは、伝達関数と最終的な逆伝達関数の周波数特性を示すボード線図であり、図8Aは、ゲイン特性を示すボード線図であり、図8Bは、位相特性を示すボード線図である。
以下では、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置(EPS:electric power steering)1は、車両を操向するための操舵部材としてのステアリングホイール(ハンドル)2と、このステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪3を転舵する転舵機構4と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構5とを備えている。ステアリングホイール2と転舵機構4とは、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して機械的に連結されている。
ステアリングシャフト6は、ステアリングホイール2に連結された入力軸8と、中間軸7に連結された出力軸9とを含む。入力軸8と出力軸9とは、トーションバー10を介して相対回転可能に連結されている。
トーションバー10の近傍には、トルクセンサ12が配置されている。トルクセンサ12は、入力軸8および出力軸9の相対回転変位量に基づいて、ステアリングホイール2に与えられたトーションバートルク(操舵トルク)Tを検出する。この実施形態では、トルクセンサ12によって検出されるトーションバートルクTは、たとえば、左方向への操舵のためのトルクが正の値として検出され、右方向への操舵のためのトルクが負の値として検出され、その絶対値が大きいほどトーションバートルクTの大きさが大きくなるものとする。
転舵機構4は、ピニオン軸13と、転舵軸としてのラック軸14とを含むラックアンドピニオン機構からなる。ラック軸14の各端部には、タイロッド15およびナックルアーム(図示略)を介して転舵輪3が連結されている。ピニオン軸13は、中間軸7に連結されている。ピニオン軸13は、ステアリングホイール2の操舵に連動して回転するようになっている。ピニオン軸13の先端(図1では下端)には、ピニオン16が連結されている。ラック軸14は、車両の左右方向に沿って直線状に延びている。ラック軸14の軸方向の中間部には、ピニオン16に噛み合うラック17が形成されている。
ステアリングホイール2が操舵(回転)されると、この回転が、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して、ピニオン軸13に伝達される。そして、ピニオン軸13の回転は、ピニオン16およびラック17によって、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。
操舵補助機構5は、操舵補助力(アシストトルク)を発生するための電動モータ18と、電動モータ18の出力トルクを増幅して転舵機構4に伝達するための減速機19とを含む。減速機19は、ウォームギヤ20と、このウォームギヤ20と噛み合うウォームホイール21とを含むウォームギヤ機構からなる。減速機19は、ギヤハウジング22内に収容されている。以下において、減速機19の減速比(ギヤ比)をiで表す。減速比iは、ウォームホイール21の回転速度に対するウォームギヤ20の回転速度の比で表される。
ウォームギヤ20は、電動モータ18によって回転駆動される。また、ウォームホイール21は、出力軸9に一体回転可能に連結されている。
電動モータ18によってウォームギヤ20が回転駆動されると、ウォームホイール21およびステアリングシャフト6にモータトルクが付与され、ステアリングシャフト6(出力軸9)が回転する。そして、ステアリングシャフト6の回転は、中間軸7を介してピニオン軸13に伝達され、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。すなわち、電動モータ18によってウォームギヤ20を回転駆動することによって、電動モータ18による操舵補助や転舵輪3の転舵が可能となる。
出力軸9に加えられるトルクとしては、電動モータ18によるモータトルクと、モータトルク以外の外乱トルクとがある。モータトルク以外の外乱トルクには、トーションバートルクT、路面反力トルクT、摩擦トルクT等が含まれる。
路面反力トルクTは、タイヤに発生するセルフアライニングトルク、サスペンションやタイヤホイールアライメントによって発生する力、ラックアンドピニオン機構の摩擦力等によって、転舵輪3側から出力軸9に加えられるトルクである。
摩擦トルクTは、ウォームホイール21とウォームギヤ20のとの間の摩擦によって生じるトルクである。
車両には、上位ECU(電子制御ユニット:Electronic control Unit)201が設けられている。上位ECU201は、運転者に様々な情報を振動として付与するための振動指令値(振動波形に応じた指令値)を生成する。以下において、トーションバートルクの目標値として表される振動指令値を、「トーションバートルクレベルの振動トルク指令値」という。そして、これに対応する、モータトルクの目標値として表される振動指令値を、「モータトルクレベルの振動トルク指令値」ということにする。また、モータ電流の目標値として表される振動指令値を、「振動電流指令値」ということにする。
上位ECU201は、トーションバートルクレベルの振動トルク指令値を生成する。上位ECU201によって生成される振動トルク指令値は、車載ネットワークを介して、モータ制御用ECU202に与えられる。
上位ECU201は、例えば、車両前方を撮影するCCDカメラの撮像画像に基づいて、車両が車線を逸脱する可能性が高い状態であるか否かを判定し、車両が車線を逸脱する可能性が高い状態であるときに、その旨を運転者に知らせるための振動トルク指令値を生成してもよい。また、上位ECU201は、例えば、運転者を撮像するCCDカメラの撮像画像に基づいて運転者の覚醒状態が低いか否かを判定し、運転者の覚醒状態が低いときに、その旨を運転者に知らせるための振動トルク指令値を生成してもよい。
車両には、車速Vを検出するための車速センサ11が設けられている。トルクセンサ12によって検出されるトーションバートルクT、車速センサ11によって検出される車速Vおよび上位ECU201によって生成される振動トルク指令値は、モータ制御用ECU202に入力される。モータ制御用ECU202は、これらの入力信号および上位ECU201から与えられ情報に基づいて、電動モータ18を制御する。
図2に示すように、モータ制御用ECU202は、電動モータ18を制御するためのマイクロコンピュータ40と、マイクロコンピュータ40によって制御され、電動モータ18に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)31と、電動モータ18に流れるモータ電流(実モータ電流I)を検出する電流検出回路32とを含んでいる。
マイクロコンピュータ40は、CPUおよびメモリ(ROM,RAM,不揮発性メモリ34など)を備えており、所定のプログラムを実行することにより、複数の機能処理部として機能するようになっている。この複数の機能処理部には、アシスト電流指令値設定部41と、振動電流指令値演算部42と、電流指令値加算部43と、電流偏差演算部44と、PI制御部45と、PWM制御部46とが含まれる。
アシスト電流指令値設定部41は、トルクセンサ12によって検出されるトーションバートルクTと車速センサ11によって検出される車速Vとに基づいて、アシスト電流指令値Ia,cmdを設定する。トーションバートルクTに対するアシスト電流指令値Ia,cmdの設定例は、図3に示されている。
アシスト電流指令値Ia,cmdは、電動モータ18から左方向操舵のための操舵補助力を発生させるべきときには正の値とされ、電動モータ18から右方向操舵のための操舵補助力を発生させるべきときには負の値とされる。アシスト電流指令値Ia,cmdは、トーションバートルクTの正の値に対しては正をとり、トーションバートルクTの負の値に対しては負をとる。そして、アシスト電流指令値Ia,cmdは、トーションバートルクTの絶対値が大きくなるほど、その絶対値が大きくなるように設定されている。また、トーションバートルクTは、車速センサ11によって検出される車速Vが大きいほど、その絶対値が小さくなるように設定される。これにより、低速走行時には大きな操舵補助力を発生させることができ、高速走行時には操舵補助力を小さくすることができる。
振動電流指令値演算部42は、上位ECU201から与えられるトーションバートルクレベルの振動トルク指令値Tvt,cmdに基づいて、振動電流指令値Iv,cmdを演算する。振動電流指令値演算部42は、トルク指令値変換部42Aとトルク定数除算部42Bとを含む。トルク指令値変換部42Aは、トーションバートルクレベルの振動トルク指令値Tvt,cmdを、モータトルクレベルの振動トルク指令値Tvm,cmdに変換する。トルク定数除算部42Bは、トルク指令値変換部42Aによって得られる振動トルク指令値Tvm,cmdを、電動モータ18のトルク定数Kで除算することにより、振動電流指令値Iv,cmdを演算する。トルク指令値変換部42Aの動作の詳細については後述する。
電流指令値加算部43は、アシスト電流指令値設定部41によって設定されたアシスト電流指令値Ia,cmdに、振動電流指令値演算部42によって演算された振動電流指令値Iv,cmdを加算することにより、モータ電流指令値Im,cmdを演算する。電流偏差演算部44は、電流指令値加算部43によって得られたモータ電流指令値Im,cmdと電流検出回路32によって検出された実モータ電流Iとの偏差(電流偏差e=Im,cmd-I)を演算する。
PI制御部45は、電流偏差演算部44によって演算された電流偏差eに対するPI演算を行うことにより、電動モータ18に流れるモータ電流Iをモータ電流指令値Im,cmdに導くための駆動指令値を生成する。PWM制御部46は、前記駆動指令値に対応するデューティ比のPWM制御信号を生成して、駆動回路31に供給する。これにより、前記駆動指令値に対応した電力が電動モータ18に供給されることになる。電流偏差演算部44、PI制御部45、PWM制御部46および駆動回路31は、本発明の「モータ制御部」に含まれる。
電流偏差演算部44およびPI制御部45は、電流フィードバック制御手段を構成している。この電流フィードバック制御手段の働きによって、電動モータ18に流れるモータ電流Iが、モータ電流指令値Im,cmdに近づくように制御される。
以下、トルク指令値変換部42Aについて、詳しく説明する。
トルク指令値変換部42Aは、図4に示されるEPSモデル60の伝達関数の逆伝達関数を用いて、トーションバートルクレベルの振動トルク指令値Tvt,cmdを、モータトルクレベルの振動トルク指令値Tvm,cmdに変換する。以下、EPSモデル60の伝達関数およびその逆伝達関数の算出方法について説明する。
EPSモデル60は、入力要素をモータトルク指令値Tm,cmdとし、出力要素をトーションバートルクTとするモデルである。EPSモデル60は、モータ制御モデル61と、減速比乗算部62と、物理モデル63とを含む。
図4において、Jはコラム慣性であり、θはコラム角度であり、iは減速機の減速比(ウォームギヤとウォームホイールとの間のギヤ比)であり、Kはトーションバー剛性であり、Cはトーションバー粘性であり、Kは路面反力剛性であり、Tはトーションバートルクであり、Tは摩擦トルクであり、Tは路面反力トルクである。
モータ制御モデル61は、入力要素をモータトルク指令値Tm,comとし、出力要素をモータトルクTとするモデルである。減速比乗算部62は、モータ制御モデル61の出力であるモータトルクTに、減速機の減速比iを乗算することにより、出力軸換算モータトルクiを演算する。物理モデル63は、コラム64を含み、入力要素を出力軸換算モータトルクiとし、出力要素をトーションバートルクTとする一慣性の物理モデル(一慣性モデル)である。コラム64には、出力軸換算モータトルクi・T、トーションバートルクT、摩擦トルクT、路面反力トルクT(=Kθ)が入力する。
図5のモータ制御モデル61では、電動モータは、数学モデルであるモータモデルとして記述されている。モータモデルは、1/(Ls+R)と表すことができる。Rはモータ抵抗値、Lはモータインダクタンスであり、sはラプラス演算子(微分演算子)である。
モータトルク指令値Tm,cmdに、モータのトルク定数の逆数1/Kが乗算された値がモータ電流指令値Im,cmdとなる。モータ電流指令値Im,cmdから実モータ電流Iが減算された値が電流偏差eとなる。電流偏差eに比例ゲインKが乗算された値が比例操作量となる。電流偏差eに積分ゲインKが乗算された値に、1/sが乗算された値が、積分操作量となる。比例操作量eKと積分操作量eK/sとが加算された値が、電圧指令値となる。
一方、モータ回転速度iθsに電動モータの逆起電力定数Kが乗算された値が、電動モータに発生する逆起電力(誘起電圧)となる。モータモデル{1/(Ls+R)}には、電圧指令値(eK+eK/s)と逆起電力Kθsとの偏差が印加される。これにより、モータにモータ電流I(実モータ電流)が流れる。実モータ電流Iにトルク定数Kを乗じた値がモータトルク(実モータトルク)Tとなる。
図4のEPSモデル60の伝達関数は、次式(1)で表される。
Figure 2022034398000002
伝達関数T(s)/Tm,cmd(s)を導くために、まず、モータ制御モデル61から次式(2)が導出される。
Figure 2022034398000003
図4に戻り、摩擦トルクTは、ウォームギヤとウォームホイールとの間の摩擦トルクであり、次式(3)で表される。
Figure 2022034398000004
摩擦ダンピング係数σは、例えば、振動トルク指令値Tvt,cmdの振幅(以下、「振動振幅」という。)毎に、振動トルク指令値Tvt,cmdの周波数(以下、「振動周波数」という。)に対する摩擦ダンピング係数σを記憶したマップ(以下、「摩擦ダンピング係数マップ」という。)に基づいて演算される。図6に、振動振幅が0.5Nmである場合(破線)と1.0Nmである場合(実線)の振動周波数に対する摩擦ダンピング係数σの関係の一例を示す。
上位ECU201からモータ制御用ECU202に与えられる振動トルク指令値Tvt,cmdの波形は、sin波、矩形波等のように振幅および周波数が一定の波形であってもよい。基本的には、振動トルク指令値Tvt,cmdの波形としては、sin波が用いられる。振動トルク指令値Tvt,cmdの周波数は、20[Hz]以上であることが好ましい。
上位ECU201から与えられる振動トルク指令値Tvt,cmdの波形が、振幅および周波数が一定の波形のみである場合には、当該振幅および周波数を予め設定しておくことにより、トルク指令値変換部42Aは、図6のような摩擦ダンピング係数マップから摩擦ダンピング係数σを求めることができる。
振動トルク指令値Tvt,cmdの波形は、振幅および周波数のいずれか一方または両方が時間的に変化する波形であってもよい。振幅が時間的に変化する波形としては、例えば、図7Aに示される振幅変調波や、図7Bに示される減衰波等を挙げることができる。
また、上位ECU201は、振幅および周波数のうちの少なくとも一方が異なる複数種類の振動トルク指令値Tvt,cmdを生成してもよい。
上位ECU201から振幅が異なる複数種類の振動トルク指令値Tvt,cmdまたは振幅が時間的に変化する振動トルク指令値Tvt,cmdが生成される場合には、上位ECU201は、振動トルク指令値Tvt,cmdと振幅情報とを生成してモータ制御用ECU202に与える。この場合には、トルク指令値変換部42Aは、予め設定される振動トルク指令値Tvt,cmdの周波数と、上位ECU201から与えられる振幅情報と、摩擦ダンピング係数マップとに基づいて、摩擦ダンピング係数σを求めることができる。
上位ECU201から周波数が異なる複数種類の振動トルク指令値Tvt,cmdまたは周波数が時間的に変化する振動トルク指令値Tvt,cmdが生成される場合には、上位ECU201は、振動トルク指令値Tvt,cmdと周波数情報とを生成してモータ制御用ECU202に与える。この場合には、トルク指令値変換部42Aは、予め設定される振動トルク指令値Tvt,cmdの振幅と、上位ECU201から与えられる周波数情報と、摩擦ダンピング係数マップとに基づいて、摩擦ダンピング係数σを求めることができる。
上位ECU201から振幅および周波数が異なる複数種類の振動トルク指令値Tvt,cmdまたは振幅および周波数が時間的に変化する振動トルク指令値Tvt,cmdが生成される場合には、上位ECU201は、振動トルク指令値Tvt,cmdと振幅情報と周波数情報とを生成してモータ制御用ECU202に与える。この場合には、トルク指令値変換部42Aは、上位ECU201から与えられる振幅情報および周波数情報と、摩擦ダンピング係数マップとに基づいて、摩擦ダンピング係数σを求めることができる。
図4に戻り、物理モデル63の運動方程式は、次式(4),(5)で表される。
Figure 2022034398000005
式(5)をラプラス変換することにより、次式(6)が得られる。
Figure 2022034398000006
式(2)のθ(s)に式(6)のθ(s)を代入した後、式(2)からT(s)を求めると、次式(7)が得られる。
Figure 2022034398000007
式(4)および(5)をラプラス変換した後、式(4)および(5)からT(s)/T(s)を求めると、次式(8)が得られる。
Figure 2022034398000008
式(7)のT(s)に式(8)のT(s)を代入した後、式(7)からT(s)/Tm,cmd(s)を求めると、次式(9)が得られる。
Figure 2022034398000009
以上により、EPS60の伝達関数T(s)/T(s)が得られる。
伝達関数T(s)/Tm,cmd(s)の逆伝達関数Tm,cmd(s)/T(s)は、次式(10)で表される。
Figure 2022034398000010
しかしながら、式(10)の逆伝達関数では分母と分子の次数が一致しない。そこで、分母と分子の次数を一致させるために、式(10)の逆伝達関数に補償フィルタ(β/(s+α))を乗算した値が、最終的な逆伝達関数として求められる。最終的な逆伝達関数(モータトルク指令値/トーションバートルク)は、次式(11)で表される。
Figure 2022034398000011
図8Aおよび図8Bは、伝達関数T(s)/Tm,cmd(s)と最終的な逆伝達関数の周波数特性を示すボード線図である。図8Aは、ゲイン特性を示すボード線図であり、図8Bは、位相特性を示すボード線図である。上段の図はゲイン(gain)を表し、下段の図は位相(phase)を表す。図8Aおよび図8Bにおいて、曲線aは、伝達関数T(s)/Tm,cmd(s)の特性を示しており、曲線bは、最終的な逆伝達関数の特性を示している。
トルク指令値変換部42Aは、上位ECU201から与えられるトーションバートルクレベルの振動トルク指令値Tvt,cmdに、最終的な逆伝達関数(モータトルク指令値/トーションバートルク)を乗算することにより、モータトルクレベルの振動トルク指令値Tvm,cmdを演算する。
本実施形態では、入力要素をモータトルク指令値とし出力要素をトーションバートルクとするEPSモデル60の伝達関数の逆伝達関数を用いて、トーションバートルクレベルの振動トルク指令値Tvt,cmdを、モータトルクレベルの振動トルク指令値Tvm,cmdに変換している。そして、モータトルクレベルの振動トルク指令値Tvm,cmdを、トルク定数Kで除算することにより、振動電流指令値Iv,cmdを演算している。
つまり、EPSモデル60の伝達関数の逆伝達関数を用いて、所望のトーションバートルクの目標値を実現し得る、電動モータ18に対する振動電流指令値Iv,cmdを演算しているので、振動指令値の設定に車両毎のチューニング作業が不要となる。
また、本実施形態では、物理モデル63は、ウォームギヤとウォームホイールとの間の摩擦トルクを考慮したモデルであるので、トーションバートルクレベルの振動トルク指令値Tvt,cmdからモータトルクレベルの振動トルク指令値Tvm,cmd(または振動電流指令値Iv,cmd)への変換の精度を向上させることができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。
例えば、上位ECU201は、自動操舵用角度指令値を生成して、モータ制御用ECU202に供給する機能を有していてもよい。この場合、モータ制御用ECU202は、上位ECU201からの自動操舵用角度指令値に基づいて自動操舵用電流指令値を生成して、電流指令値加算部43に与えるようにしてもよい。この場合には、電流指令値加算部43は、アシスト電流指令値Ia,cmd、振動電流指令値Iv,cmdおよび自動操舵用電流指令値を加算することにより、モータ電流指令値Im,cmdを演算する。
前述の実施形態では、この発明をコラム式EPSに適用した例を示したが、この発明は、コラム式EPS以外のEPSにも適用することができる。
また、この発明は、ステアバイワイヤシステムにも適用することができる。その場合には、ステアバイワイヤシステムの反力モータが、本発明の電動モータに相当する。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…電動パワーステアリング装置、2…ステアリングホイール、18…電動モータ、11…車速センサ、12…トルクセンサ、41…アシスト電流指令値設定部、42…振動電流指令値演算部、42A…トルク変換部、42B…トルク定数除算部、43…電流指令値加算部、44…電流偏差演算部、45…PI制御部、46…PWM制御部、60…EPSモデル、61…モータ制御モデル、62…減速比乗算器、63…物理モデル、64…コラム、201…上位ECU、202…モータ制御用ECU

Claims (4)

  1. 電動モータと、
    入力要素をモータトルク指令値とし、出力要素をトーションバートルクとするEPSモデルの伝達関数の逆伝達関数を用いて、トーションバートルクの目標値として表される振動トルク指令値から、振動電流指令値を演算する振動電流指令値演算部と、
    前記振動電流指令値を含むモータ電流指令値に基づいて前記電動モータを制御するモータ制御部とを含む、電動パワーステアリング装置。
  2. 前記EPSモデルは、入力要素をモータトルク指令値とし、出力要素をモータトルクとするモータ制御モデルと、入力要素を前記モータトルクに応じた値とし、出力要素をトーションバートルクとする一慣性の物理モデルとを含む、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記一慣性の物理モデルは、前記電動モータの回転速度に応じた摩擦力が考慮されたモデルである、請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 操舵トルクに基づきアシスト電流指令値を演算するアシスト電流指令値演算部をさらに含み、
    前記モータ電流指令値が、前記振動電流指令値と前記アシスト電流指令値との和である、請求項1~3のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
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