JP5867323B2 - ハンドル装置 - Google Patents

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Description

本発明はハンドル装置に関する。
特許文献1に従来のハンドル装置が開示されている。このハンドル装置は、フレーム、回転軸、操作部材、移動部材、案内部材、ポテンショメータ及び揺動部材を備えている。
フレームは一対の支持部を有しており、両支持部は作動空間を隔てて互いに対面するように形成されている。回転軸は、両支持部に回転可能に軸支され、作動空間内の外周面には雄ねじが形成されている。操作部材は、使用者によって操作され、回転軸を回転可能となっている。
移動部材は、回転軸の雄ねじと整合する雌ねじを有しており、作動空間内で回転軸に螺合している。この移動部材には、回転軸の雄ネジのネジ溝に嵌合する一対のピンが固定されている。案内部材は、フレームに設けられ、回転軸の回転に伴う移動部材の回転を禁止しつつ移動部材における作動空間内での軸方向の移動を許容する。この案内部材は、フレームに固定され、移動部材の両ピンを軸方向に案内可能な一対の板材からなる。
ポテンショメータは、フレームに固定され、移動部材の移動量を検出可能である。このポテンショメータは、フレームに固定されるケースと、ケースに対して回動軸心周りで回動可能な検出部とを有している。揺動部材は、移動部材とポテンショメータとの間に設けられており、移動部材の移動量を自身の揺動角度としてポテンショメータに伝達する。このハンドル装置では、揺動部材は、一端側がポテンショメータの検出部と固定され、他端側が一方のピンを軸方向の前後で挟持している。
このハンドル装置では、使用者が操作部材を操作することにより、回転軸が回転する。これにより、移動部材が回転軸の軸方向に移動する。この移動部材の移動に伴って、揺動部材は、ポテンショメータの検出部と固定された一端側を支点とし、他端側が揺動する。揺動部材の揺動角度が検出部の回動量になるため、ポテンショメータが操作部材の操作量を検出することが可能となっている。
特開2006−224815号公報
しかし、上記従来のハンドル装置では、移動部材にピンが固定され、揺動部材がピンを軸方向の前後で挟持しているため、フレームに固定されるポテンショメータのケースの位置が回転軸の径方向でばらつきを有すれば、揺動部材とピンとの接触位置が回転軸の径方向でずれ、検出部から接触位置までの長さにばらつきを有することとなる。この場合、移動部材の一定の移動量に対する揺動部材の揺動角度がばらつくこととなり、検出部の回動量もばらつき、ポテンショメータによって操作部材の操作量を正確に検出することができない。上記従来のハンドル装置は、これを回避するために精度の高い組付けを行わなければならず、組付け効率が低下してしまう。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、高い組付け効率を発揮可能でありながら、ポテンショメータによって操作部材の操作量を正確に検出可能なハンドル装置を提供することを解決すべき課題としている。
本発明のハンドル装置は、一対の支持部が作動空間を隔てて互いに対面するように形成されたフレームと、
両該支持部に回転可能に軸支され、該作動空間内の外周面に雄ねじが形成された回転軸と、
使用者によって操作され、該回転軸を回転可能な操作部材と、
該雄ねじと整合する雌ねじを有し、該作動空間内で該回転軸に螺合する移動部材と、
該フレームに設けられ、該回転軸の回転に伴う該移動部材の回転を禁止しつつ該移動部材における該作動空間内での軸方向の移動を許容する案内部材と、
該フレームに固定され、該移動部材の移動量を検出可能なポテンショメータと、
該移動部材と該ポテンショメータとの間に設けられ、該移動部材の該移動量を自身の揺動角度として該ポテンショメータに伝達する揺動部材とを備えたハンドル装置において、
前記ポテンショメータは、前記フレームに固定されるケースと、該ケースに対して回動軸心周りで回動可能な検出部とを有し、
前記揺動部材は、一端側が該検出部と結合され、他端側に前記移動部材に向かって突出する円柱状の凸部の外周面からなる作用面が形成され、
該移動部材には、該揺動角度内で該作用面を摺動可能に案内する案内部が形成されていることを特徴とする
本発明のハンドル装置では、揺動部材に作用面が形成され、検出部から作用面までの長さは一定である。そして、移動部材の案内部は、揺動部材の揺動角度内で作用面を摺動可能に案内する。このため、フレームに固定されるポテンショメータのケースの位置が回転軸の径方向でばらつきを有し、作用面と案内部との接触位置が回転軸の径方向でずれたとしても、検出部から作用面までの長さにばらつきは生じない。このため、移動部材の一定の移動量に対する揺動部材の揺動角度は一定となり、検出部の回動量も一定となることから、ポテンショメータによって操作部材の操作量を正確に検出することが可能である。このため、組付け精度を高くする必要がなく、組付け効率が向上する。
したがって、本発明のハンドル装置は、高い組付け効率を発揮可能でありながら、ポテンショメータによって操作部材の操作量を正確に検出可能である。
本発明のハンドル装置において、ポテンショメータは、回動軸心周りで一方向に検出部を付勢する付勢ばねを有し得る。そして、案内部は、付勢ばねによって作用面と当接する第1案内面と、第1案内面と対面する第2案内面とを有することが好ましい
ポテンショメータがそのような付勢する付勢ばねを有する場合、案内部は第1案内面さえ有すれば、ポテンショメータが操作部材の操作量を正確に検出可能である。また、案内部が第2案内面も有すれば、例え付勢ばねが割れ等を生じても、作用面を案内することが可能である。
また、案内部は、移動部材に一体に形成されていることが好ましいこの場合には、部品点数を削減することが可能となり、ハンドル装置の生産効率をより高くすることが可能となる。
本発明のハンドル装置は、産業車両の操舵を行うためのものであることが好ましいこれにより、この産業車両では、操舵操作を正確に行うことが可能となる。
本発明のハンドル装置は高い組付け効率を発揮可能でありながら、ポテンショメータによって操作部材の操作量を正確に検出可能である。
実施例のハンドル装置の左側面を示す部分断面図である。 実施例のハンドル装置に係り、図1のII‐II矢視拡大断面図である。 実施例のハンドル装置の部分断面図である。 実施例のハンドル装置に係り、移動部材を示す拡大図である。(A)は移動部材の上面図を示しており、(B)は移動部材の正面図を示している。 実施例のハンドル装置に係り、揺動部材を示す拡大側面図である。 実施例のハンドル装置に係り、移動部材が作動空間内を上方に移動した際における揺動部材の揺動を示す模式拡大図である。 実施例のハンドル装置に係り、移動部材が作動空間内を下方に移動した際における揺動部材の揺動を示す模式拡大図である。
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
(実施例)
図1に示すように、実施例のハンドル装置は、フレーム1、回転軸3、操作部材5、移動部材7、第1、2案内ロッド9a、9b、揺動部材11及びポテンショメータ13を備えている。第1、2案内ロッド9a、9bがそれぞれ案内部材に相当している(第2案内ロッド9bについては、図2参照。)。また、ポテンショメータ13には伝達装置29が接続されている。このハンドル装置は、産業車両であるピッキングリフト(図示略)の操舵装置として採用されている。
図3に示すように、フレーム1は、水平に設けられた第1支持部15及び第2支持部17と、垂直に延びる連結ロッド19とで構成されている。第1支持部15には、第1挿通孔15a及び第2挿通孔15bが形成されている他、ボルト孔15c、15dが形成されている。一方、第2支持部17には、第1挿通孔17a及び第2挿通孔17bが形成されている。なお、図示を省略しているものの、第1、2支持部15、17には、それぞれ第1、2案内ロッド9a、9bを挿通するための挿通孔が形成されている。また、図3では、操作部材5及びポテンショメータ13等の図示を省略している。
第1支持部15の第1挿通孔15aには、軸受21aが設けられている。また、第2支持部17の第1挿通孔17aには、軸受21bが設けられている他、シール材21cが設けられている。
第1支持部15の第2挿通孔15bには、連結ロッド19の上端側が挿通されており、第2支持部17の第2挿通孔17bには、連結ロッド19の下端側が挿通されている。この連結ロッド17の両端はそれぞれナット23a、23bによって、それぞれ第1、2支持部15、17と固定されている。これにより、第1支持部15と第2支持部17とが一定の空間を隔てて上下に配置され、互いに対面する状態となっている。この第1支持部15と第2支持部17との間に形成された空間が作動空間25とされている。
回転軸3は、上端側が軸受21aに挿通されているとともに、下端側が軸受21b及びシール材21cに挿通されている。これにより、回転軸3は、第1、2支持部15、17に回転可能に軸支されている。また、回転軸3の外周面であって、作動空間25内に位置する箇所には雄ねじ3aが形成されている。この雄ねじ3aの両端側はそれぞれ一部が平面状に加工され、それらの部分には、回転軸3の軸心Oと直交する方向に延びるピン孔3b、3cが形成されている。
ピン孔3bには第1スプリングピン37aが圧入されており、ピン孔3cには第2スプリングピン37bが圧入されている。第1スプリングピン37aは、軸受21aとの間に一定の間隔を空けつつ、作動空間25における回転軸3の上端側に位置している。また、第2スプリングピン37bは、軸受21bとの間に一定の間隔を空けつつ、作動空間25における回転軸3の下端側に位置している。回転軸3の軸方向における第1スプリングピン37aと第2スプリングピン37bとの間隔αは、後述する揺動部材11が揺動した際、ポテンショメータ13が揺動部材11の揺動角度を検出可能な範囲と等しくなるように設定されている。
また、第1支持部15から突出する回転軸3の上端側は、その先端に向かって先細りとなるようにテーパ加工が施されている。そして、図1に示すように、回転軸3の上端側には、後述する操作部材5のアーム51と連結される連結部3dが形成されている。この連結部3dにはローレット加工が施されている。また、回転軸3の上端側の先端3eは、連結部3dよりも小径に形成されており、後述するナット23cと螺合可能となっている。
操作部材5は、アーム51と、ホイール52と、ノブ53とで構成されている。アーム51には、中央で下方に延びるボス部510が形成されている他、幅方向の端部で上方向に向かって延びる接続軸511が形成されている。ボス部510内には挿通孔510a、510b及び軸孔510cが形成されている。挿通孔510a、510bは、軸孔510cを介して互いに連通している。挿通孔510aには回転軸3の連結部3dが嵌め込まれており、軸孔510cには、回転軸3の先端3eが挿通されている。この先端3eは、挿通孔510bに突出しており、挿通孔510b内でナット23cによって固定されている。これにより、ボス部510を介してアーム51と回転軸3とが連結されている。
ホイール52は円盤状に形成されており、アーム51の上方に配置されている。このホイール52の周縁には、ノブ53との接続を行う接続突起520が形成されている。また、ホイール52の下面には、アーム51を保持する保持面521が形成されている。保持面521には接続突起521内に延びる挿通孔522が形成されている。このホイール52では、保持面521でアーム51を保持することにより、アーム51の接続軸511が挿通孔522に挿通され、その先端は接続突起520から突出した状態となる。
ノブ53には、挿通孔530、531及び軸孔532が形成されている。挿通孔530、531は、軸孔532を介して互いに連通している。挿通孔530には接続突起520が挿通されている。軸孔532には接続軸511が挿通されており、この接続軸511の先端は挿通孔531内に突出している。この挿通孔531内において、接続軸511の先端は、ナット21dによってノブ53と固定されている。こうして、この操作部材5では、使用者がノブ53を介してホイール52を回転させることにより、その回転がアーム51によって回転軸3に伝達される。
図4の(A)、(B)に示すように、移動部材7は略矩形体であり、上面700、下面701、前端面702、後端面703、右端面704及び左端面705が形成されている。移動部材7の上面700の中央には、下面701まで延びる挿通孔7aが形成されている。挿通孔7a内には、回転軸3の雄ねじ3aと整合する雌ねじ7bが形成されている。この挿通孔7aに回転軸3を挿通させることにより、図1に示すように、移動部材7は、作動空間25内で回転軸3に螺合する。これにより、この移動部材7は、回転軸3の回転に伴い、回転軸3と螺合しつつ回転軸3の軸方向で作動空間25内を上下に移動することが可能になっている。
また、図4の(A)に示すように、移動部材7の上面700には、挿通孔7aの周囲で挿通孔7aを囲う上面側ガイド7cが形成されている。この上面側ガイド7cは、上面700の左側後方を頂点とし、螺旋状に降下しつつ挿通孔7aまで延びる形状をなしている。上面側ガイド7cの頂点側は上面700よりも上方に向かって突出しており、上面側ガイド7cの頂点側には、移動部材7の前方側を向きつつ、上面700に対して垂直に延びる第1ストッパ面7dが形成されている。
同様に、下面701における挿通孔7aの周囲にも、下面701の右側後方を頂点とし、螺旋状に上昇しつつ挿通孔7aまで延びる下面側ガイド7eが形成されている。下面側ガイド7eの頂点側は下面701よりも下方に向かって突出しており、下面側ガイド7eの頂点側には、移動部材7の前方側を向きつつ、下面701に対して垂直に延びる第2ストッパ面7fが形成されている。
移動部材7の右端面704及び左端面705における移動部材7の前後方向の中央には、それぞれ摺動面7g、7hが半円状に凹設されている。
さらに、同図の(B)に示すように、移動部材7の前端面702には、前端面702から前方に向けて、水平かつ平行に突出する第1案内壁7i及び第2案内壁7jが形成されている。これらの第1、2案内壁7i、7jが本発明における案内部に相当する。第1、2案内壁7i、7jは矩形に形成されており、各前端部には、移動部材7の左右方向、すなわち、回転軸3の軸方向と直交する方向に延びる摺接面710、711が形成されている。各摺接面710、711は平面状に形成されており、後述する揺動部材11の他端側と摺接可能となっている。
図3に示すように、第1案内壁7iと第2案内壁7jとは、第1案内壁7iの下面712と、第2案内壁7jの上面713とが対面するように配置されている。第1案内壁7iの下面712及び第2案内壁7jの上面713は、回転軸3の軸方向と直交する方向で水平に延びている。第1案内壁7iと第2案内壁7jとの間、すなわち、第1案内壁7iの下面712と、第2案内壁7jの上面713と間には、凹部7kが形成されている。この第2案内壁7jの上面713が本発明における第1案内面に相当しており、第1案内壁7iの下面712が本発明における第2案内面に相当している。
図1に示すように、第1案内ロッド9aは、連結ロッド19と同様に第1支持部15及び第2支持部17に挿通されており、ナット23e、23fによって第1支持部15及び第2支持部17に固定されている。図2に示す第2案内ロッド9bも、第1案内ロッド9aと同様、図示しないナットを介して第1支持部15及び第2支持部17に固定されている。これにより、案内ロッド9a、9bは、回転軸3を左右方向で挟みつつ、互いに対向した状態でフレーム1に固定されている。また、図2に示すように、第1案内ロッド9aは移動部材7における摺動面7hと当接した状態となっており、第2案内ロッド9bは摺動面7gと当接した状態となっている。これにより、第1、2案内ロッド9a、9bは、移動部材7が回転軸3の回転に伴って作動空間25内を上下動する際に、移動部材7が回転軸3とともに回転することを禁止する。
図5に示すように、揺動部材11は一端から他端側に延びる板状に形成されている。揺動部材11の一端側には、ピン孔11aが形成されており、揺動部材11の他端側には、円柱状の凸部11bが揺動部材11と一体で形成されている。この凸部11aの外周面が作用面110とされている。また、この揺動部材11において、ピン孔11aの中心から凸部11bの中心までは、距離βとなるように設定されている。
図1に示すように、移動部材7の凹部7kに対して凸部11bが挿入されることにより、揺動部材11は、その他端側で移動部材7に対して揺動可能に接続されている。また、揺動部材11の他端側は各摺接面710、711と当接している。
一方、移動部材11の一端側は、ピン孔11aに挿通された固定ピン27によって伝達装置29の後端側に結合されている。これにより、移動部材11は、移動部材7と、伝達装置29及びポテンショメータ13との間に配置される(図2参照)。
伝達装置29は、後端側で移動部材11の他端側が接続されている他、前端側でポテンショメータ13と接続されている。伝達装置29は、内部にシャフト(図示略)等が設けられており、揺動部材11の一端側の揺動角度をポテンショメータ13に伝達することが可能となっている。また、図1に示すように、この伝達装置29は、ボルト31a、31bによりブラケット33に固定されている。このブラケット33は、ボルト31c、31dにより第1支持部15に固定されている。各ボルト31c、31dは、図3に示す上記のボルト孔15c、15dにそれぞれ挿通されている。
図1に示すように、ポテンショメータ13は、ケース13aと、ケース13aに対して回動軸心P周りで回動可能に設けられた検出部13bと、検出部13bを回動軸心P周りで下方向に向けて付勢する付勢ばね(図示略)を有している。ポテンショメータ13では、伝達装置29によって伝達された揺動部材11の一端側の揺動角度に応じて、検出部13bが回動軸心P周りで回動する。この回動軸心Pは、揺動部材11のピン孔11aの中心と同軸上に位置している。ポテンショメータ13では、検出部13bの回動方向及びその回動量により、移動部材7の移動に伴う揺動部材11の揺動角度を検出することが可能となっている。
また、付勢ばねによる上記の付勢力により、凹部7k内において、揺動部材11の凸部11b、すなわち、作用面110は、第2案内壁7jの上面713に押し当てられた状態となっている。
また、ケース13aの下方には、メスコネクタ13cが設けられている。このメスコネクタ13cには、ケーブル35aを有するオスコネクタ35の一端側が接続されている。このオスコネクタ35の他端側は、図示しないピッキングリフトの制御装置に接続されている。これにより、ポテンショメータ13と制御装置とが電気的に接続され、検出した揺動部材11の揺動角度を電気信号として制御装置に送信することが可能となっている。
このハンドル装置では、図1に示すように、使用者がノブ53により操作部材5を右回りで回転させることにより、回転軸3が右回りに回転する。この際、第1、2スプリングピン37a、37bも回転軸3とともに回転する。また、移動部材7では、各摺動面7g、7hと、第1、2案内ロッド9a、9bとがそれぞれ摺接する。このため、回転軸3が右回転をすることにより、図6に示すように、移動部材7は、回転軸3の軸方向で作動空間25内を上方に向かって移動する。このように移動部材7が上方に移動することに伴い、揺動部材11では、固定ピン27によって伝達装置29に結合された一端側、つまり、ピン孔11aの位置を支点として、その他端側が一端側よりも上方に位置するように揺動する。この際における移動部材11の一端側に対する他端側の揺動角度は、作動空間25内を上方に移動する移動部材7の作動量に対応して大きくなる。また、作動空間25を移動部材が上方に移動し続けることで、第1スプリングピン37aと第1ストッパ面7dとが当接する。これにより、このハンドル装置では、操作部材5を右回りで回転させることが不可能となる。
他方、使用者が操作部材5を左回りで回転させることにより、回転軸3が左回りに回転する。これにより、図7に示すように、移動部材7は、各摺動面7g、7hがそれぞれ案内ロッド9a、9bと摺接しつつ、回転軸3の軸方向で作動空間25内を下方に向かって移動する。移動部材7が下方に移動することに伴い、揺動部材11では、ピン孔11aの位置を支点として、その他端側が一端側よりも下方に位置するように揺動する。この際における移動部材11の一端側に対する他端側の揺動角度も、作動空間25内を下方に移動する移動部材7の作動量に対応して大きくなる。また、作動空間25を移動部材が下方に移動し続けることで、第2スプリングピン37bと第2ストッパ面7fとが当接する。これにより、このハンドル装置では、操作部材5を左回りで回転させることが不可能となる。なお、図6及び図7では、説明のため、伝達装置29等の図示を省略している。
この揺動部材11の揺動が伝達装置29を介してポテンショメータ13の検出部13bに伝達される。そして、検出部13bが上記のように、回動軸心P周りで回動することで、移揺動部材11の揺動角度が検出される。このハンドル装置では、移動部材11の他端側がその一端側よりも上方に位置するように揺動した際に検出部13bがその揺動角度を検出できる上限となる位置で、第1スプリングピン37aと第1ストッパ面7dとが当接する。同様に、移動部材11の他端側がその一端側よりも下方に位置するように揺動した際に検出部13bがその揺動角度を検出できる上限となる位置で、第2スプリングピン37bと第2ストッパ面7fとが当接する。
検出部13bによって検出された移動部材11の揺動角度が制御装置に伝達されることにより、このハンドル装置では、使用者が操作部材5を右回り又は左回りで回転させた量に応じてピッキングリフトを右旋回又は左旋回させることが可能である。
このハンドル装置では、揺動部材11の一端側にピン孔11aが形成されており、揺動部材11の他端側に、作用面110を有する凸部11bが一体で形成されている。そして、この揺動部材11では、ピン孔11aの中心から凸部11bの中心までの距離βが一定に設定されている。これにより、このハンドル装置において、検出部13bから作用面110までの長さは一定となっている。さらに、このハンドル装置において、移動部材7の第1案内壁7iの下面712及び第2案内壁7jの上面713は、揺動部材7の揺動角度内で作用面110を摺動可能に案内する。より具体的には、移動部材7が作動空間25内を上下動するに伴って揺動部材11の他端側が揺動することで、凸部11bは凹部7k内で左右方向に移動する。この際、第1案内壁7iの下面712及び第2案内壁7jの上面713は、凹部7k内において、作用面110と摺動することで凸部11bの移動を案内する。また、揺動部材11の他端側は、第1、2案内壁7i、7jの各摺接面710、711を摺動しつつ、これらの摺接面710、711によって案内される。
このため、このハンドル装置では、例え、フレーム1対するブラケット33の取付誤差等により、フレーム1に対するポテンショメータ13のケース13aの位置が回転軸3の径方向でばらつきを有し、作用面110と、第1案内壁7iの下面712及び第2案内壁7jの上面713との接触位置が回転軸3の径方向でずれたとしても、検出部13bから作用面110までの長さにばらつきは生じない。このため、このハンドル装置では、移動部材7の一定の移動量に対する揺動部材11の揺動角度は一定となる。そして、ピン孔11aの中心から距離βの位置でその他端側が上下に揺動する際の揺動角度に応じて、検出部13bは回動するため、検出部13bの回動量も一定となる。これらにより、このハンドル装置では、ポテンショメータ13によって操作部材5の操作量を正確に検出することが可能となっている。このため、このハンドル装置を採用したピッキングリフトでは、操舵操作を正確に行うことが可能となっている。
さらに、このハンドル装置では、揺動部材11の他端側を移動部材7に接続させるに当たり、ピン等を介して接続させる必要がなく、凹部7k内に凸部11bを挿通すれば足りる。ここで、凹部7kを形成する第1、2案内壁7i、7jは、移動部材7に一体に形成されている。これらのため、このハンドル装置では、組付け精度を高くする必要がなく、さらには、部品点数を削減しつつ、その組み付けを容易化していることから、組付け効率が高くなっている。
したがって、実施例のハンドル装置は、高い組付け効率を発揮可能でありながら、ポテンショメータ13によって操作部材5の操作量を正確に検出可能である。
特に、このハンドル装置では、ポテンショメータ13が回動軸心P周りで下方向に検出部13bを付勢する付勢ばねを有している。このため、このハンドル装置では、上記のように、凹部7k内において、作用面110が第2案内壁7jの上面713に押し当てられた状態で維持されている。このため、このハンドル装置では、図6に示すように、移動部材7が作動空間25内を上方向に移動する際には、第2案内壁7jの上面713によって、凸部11bが付勢ばねの付勢力に抗して押し上げられることで、作用面110は第2案内壁7jの上面713と摺動することが可能となる。これにより、凸部11bは凹部7k内で上記のように案内される。一方、図7に示すように、移動部材7が作動空間25内を下方向に移動する際には、付勢ばねの付勢力によって凸部11bが押し下げられることから、作用面110が第2案内壁7jの上面713を摺動することが可能となり、凸部11bは同じく案内される。このように、このハンドル装置では、第2案内壁7jの上面713のみによって凸部7bを案内することも可能である。
ここで、このハンドル装置は、第2案内壁7jの他に第1案内壁7iを有している。これにより、このハンドル装置は、例え付勢ばねが割れ等を生じ、上記のような付勢力が生じなくなった場合であっても、移動部材7が作動空間25内を下方向に移動する際に、第1案内壁7iの下面712が凸部11bを押し下げるように作用することで、作用面110が第1案内壁7iの下面712と摺動することが可能となり、凹部7k内で作用面110を案内することが可能となる。つまり、ポテンショメータ13が付勢ばねを有し、かつ、第1案内壁7iを有していることにより、このハンドル装置では、移動部材7が作動空間25内を下方向に移動する際、第1案内壁7iの下面712が凸部11bを押し下げるように作用するとともに、付勢ばねの付勢力によっても凸部11bが押し下げられることとなる。このため、移動部材7が作動空間25内を下方向に移動する際、作用面110は、第2案内壁7jの上面713と、第1案内壁7iの下面712とを摺動する。この結果、凸部11bは凹部7k内を案内されることとなる。こうして、このハンドル装置では、長期間に亘って、ポテンショメータ13によって操作部材5の操作量を正確に検出することが可能となっている。
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、フレーム1について、上記の構成に限定されることはなく、一対の支持部が作動空間25を隔てて互いに対面し、かつ、回転軸3を回転可能に軸支可能であれば、種々の構成を採用することができる。操作部材5についても同様に、上記の構成に限定されることはなく、使用者によって操作されることで回転軸3を回転可能であれば、種々の構成を採用することができる。
また、付勢ばねについて、検出部13bを回動軸心P周りで上方向に向けて付勢しても良い。
本発明は産業車両等のハンドル装置に利用可能である。
1…フレーム
3…回転軸
3a…雄ねじ
5…操作部材
7…移動部材
7i…第1案内壁(案内部)
7j…第2案内壁(案内部)
7b…雌ねじ
9a…第1案内ロッド(案内部材)
9b…第2案内ロッド(案内部材)
11…揺動部材
13…ポテンショメータ
13a…ケース
13b…検出部
15…第1支持部(支持部)
17…第2支持部(支持部)
25…作動空間
110…作用面
712…下面(第2案内面)
713…上面(第1案内面)
P…回動軸心

Claims (5)

  1. 一対の支持部が作動空間を隔てて互いに対面するように形成されたフレームと、
    両該支持部に回転可能に軸支され、該作動空間内の外周面に雄ねじが形成された回転軸と、
    使用者によって操作され、該回転軸を回転可能な操作部材と、
    該雄ねじと整合する雌ねじを有し、該作動空間内で該回転軸に螺合する移動部材と、
    該フレームに設けられ、該回転軸の回転に伴う該移動部材の回転を禁止しつつ該移動部材における該作動空間内での軸方向の移動を許容する案内部材と、
    該フレームに固定され、該移動部材の移動量を検出可能なポテンショメータと、
    該移動部材と該ポテンショメータとの間に設けられ、該移動部材の該移動量を自身の揺動角度として該ポテンショメータに伝達する揺動部材とを備えたハンドル装置において、
    前記ポテンショメータは、前記フレームに固定されるケースと、該ケースに対して回動軸心周りで回動可能な検出部とを有し、
    前記揺動部材は、一端側が該検出部と結合され、他端側に前記移動部材に向かって突出する円柱状の凸部の外周面からなる作用面が形成され、
    該移動部材には、該揺動角度内で該作用面を摺動可能に案内する案内部が形成されていることを特徴とするハンドル装置。
  2. 前記案内部は、平面状をなし、前記回転軸の軸方向と直交する方向に延びて前記揺動部材の他端側と摺接可能な摺接面を有する請求項1記載のハンドル装置。
  3. 前記ポテンショメータは、前記回動軸心周りで一方向に前記検出部を付勢する付勢ばねを有し、
    前記案内部は、該付勢ばねによって前記作用面と当接する第1案内面と、該第1案内面と対面する第2案内面とを有する請求項1又は2記載のハンドル装置。
  4. 前記案内部は、前記移動部材に一体に形成されている請求項1乃至3のいずれか1項記載のハンドル装置。
  5. 産業車両の操舵を行うためのものである請求項1乃至のいずれか1項記載のハンドル装置。
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