JP5866264B2 - シリンダブロックの加工用冶具及びシリンダブロックの製造方法 - Google Patents

シリンダブロックの加工用冶具及びシリンダブロックの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリンダブロックを変形させた状態で、シリンダボアに対し加工を行うシリンダブロックの加工用冶具及びシリンダブロックの製造方法に関する。
内燃機関のシリンダブロックには、油膜を介してピストンが摺動するシリンダボアが複数形成され、シリンダブロックの一面には、ガスケットを介してシリンダヘッドがボルト締結される。ボルト締結後のシリンダボアは、エンジン使用時のピストンとの摺動抵抗を抑制するために、断面が略真円形状をなす円筒形状を有することが要求されている。
ところが、シリンダボアを断面略真円形状に加工した後、シリンダブロックの取付面に実際のシリンダヘッドを取り付けた場合、その締結力によりシリンダボアの形状が変形してしまう。そこで、加工用治具としてダミーヘッドを取付面にボルト締結した状態でシリンダボアの加工を行う技術が提案されている。
具体的には、シリンダボアの加工時、ダミーヘッドを取付面にボルト締結し、その締結力により、シリンダヘッドをボルト締結した場合と同様な変形をシリンダボアに生じさせる。ダミーヘッドにはシリンダボアに連通する加工用貫通穴が形成されているから、その加工用貫通穴を通じて、変形したシリンダボアにボーリング加工やホーニング加工を行うことにより、シリンダボアを断面略真円形状に形成することができる。シリンダボアの加工後、ダミーヘッドを取り外し、シリンダヘッドをボルト締結した場合、ダミーヘッドの場合と同様な締結力が加えられるから、ボアの変形を抑制することができる。
例えば、特許文献1においては、図11に示すダミーヘッド100に関し、「ボルト締結時にダミーヘッドが変形した場合でも、ビード部によるボアの周縁部への面圧を均一に加えることができるシリンダブロックの加工用治具および加工方法を提供する。シリンダブロック200の上面へのダミーヘッド100の本体110の載置時、シム部140は、ボルト用孔112よりも外周側に配置され、シリンダブロック200の上面に当接する。ビード部130はボア201の周縁部に配置されている。この場合、たとえばビード部130とシリンダブロック100の上面との間には所定間隔の隙間Gが形成される。ダミーヘッド100をボルト締結すると、シム部140を支点としてボルト軸力によるモーメントを本体110におけるボルト120同士の間の部分に加えることができる。その部分をボア201に向かって凸状に撓ませることができ、ビード部130はボア201の周縁部に当接することができる。」ことが記載されている。
特開2012−35366号公報
しかしながら、特許文献1に記載のダミーヘッドについても、シリンダブロックの長手方向の圧力が上手に再現できない場合があり、シリンダボアの変形形状の再現性の点で改善の余地があった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、シリンダボアの変形形状をより的確に再現できるシリンダブロックの加工用冶具及びシリンダブロックの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、
シリンダボア(例えば、後述の実施形態におけるシリンダボア201)を有するシリンダブロック(例えば、後述の実施形態におけるシリンダブロック200)を変形させた状態で、前記シリンダボアに対し加工を行うときに、前記シリンダブロックの一方側の面にボルト締結されるシリンダブロックの加工用冶具(例えば、後述の実施形態におけるダミーヘッド100)であって、
本体(例えば、後述の実施形態における本体110)と、
該本体に形成され、直交する2方向をX方向及びY方向とすると、中心がX方向に延びる第1仮想線(例えば、後述の実施形態における第1仮想線P)上に並ぶ複数の加工用貫通穴(例えば、後述の実施形態における加工用貫通穴111)と、
前記本体の前記シリンダブロック側の面に設けられ、前記複数の加工用貫通穴の周縁部に配置されてボルト締結により前記シリンダブロックと当接する第1突出部(例えば、後述の実施形態におけるビード部130)と、
前記本体の前記シリンダブロック側の面に設けられ、前記第1突出部より外側に配置される第2突出部(例えば、後述の実施形態におけるシム部140)と、を有し、
前記複数の加工用貫通穴の少なくとも一つにおいて、当該加工用貫通穴の中心を挟んでY方向両側に、前記第1突出部が設けられていないか、又は、前記第1突出部に切り欠きが形成されることでボルト締結により前記シリンダブロックと当接しない非当接領域(例えば、後述の実施形態における非当接領域135)が設けられ、当接領域が円周方向で連続しないことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1の構成に加えて、
前記第1突出部は、前記加工用貫通穴の外周を囲うように略円形状を有し、
前記各非当接領域は、前記加工用貫通穴の中心を通りY方向に延びる第2仮想線(例えば、後述の実施形態における第2仮想線Q)と第1突出部の円周(例えば、後述の実施形態における円周R)との交点を中心に円周の2%以上25%以下であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2の構成に加えて、
前記複数の加工用貫通穴のうち、X方向両端側に位置する2つの加工用貫通穴にのみ前記非当接領域が設けられていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項の構成に加えて、
前記本体の前記シリンダブロック側の面とは反対側の面に、前記加工用冶具から前記シリンダブロックに作用する面圧を高めるための凹部(例えば、後述の実施形態における凹部113A、凹部113B)を有することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4の構成に加えて、
前記凹部は、前記第1仮想線上に設けられていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項4の構成に加えて、
前記凹部は、前記複数の加工用貫通穴を囲うように環状に設けられていることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項7に係る発明は、
シリンダボア(例えば、後述の実施形態におけるシリンダボア201)を有するシリンダブロック(例えば、後述の実施形態におけるシリンダブロック200)の一方側の面に請求項1〜6のいずれか1項に記載の加工用冶具(例えば、後述の実施形態におけるダミーヘッド100)をボルト締結することにより、前記シリンダブロックを変形させた状態で、前記シリンダボアに対し加工を行うシリンダブロックの製造方法であって、
前記加工用冶具をボルト締結して、前記第1突出部を前記シリンダブロックに当接させるとともに前記非当接領域を前記シリンダブロックに当接させない状態で、前記シリンダボアを加工することを特徴とする。
請求項1及び7の発明によれば、第1突出部を全ての加工用貫通穴の全周に設ける代わりに、加工用貫通穴の中心を通ってX方向に延びる第1仮想線と直交するY方向両側に当接領域が円周方向で連続しないように非当接領域を設けることで、シリンダヘッドをボルト締結した場合のシリンダボアの変形形状をより的確に再現することができる。また、第1突出部と第2突出部を加工用冶具の本体に形成することにより、ガスケットを用いる必要がないのでガスケットのコストを削減することができる。
請求項2の発明によれば、シリンダブロックの仕様に応じて、ボルト締結時にシリンダブロックに当接させない長さを調整することで、仕様の異なる複数のシリンダブロックに適用することができる。
請求項3の発明によれば、シリンダボアの変形形状をより的確に再現することができる。
請求項4の発明によれば、ボルト締結により加工用冶具のシリンダブロック側の面とは反対側の面に形成した凹部を撓ませることにより、加工用冶具からシリンダブロックに作用する面圧をあげることができる。
請求項5の発明によれば、ボルト締結により、最も面圧のかかりにくいシリンダボア間に最も効果的に面圧を作用させることができる。
請求項6の発明によれば、シリンダボアの周縁部全体に面圧を作用させることができる。
本発明の一実施形態のダミーヘッドを示す図であり、(a)は上面側の斜視図であり、(b)は下面側の斜視図である。 シリンダブロックの取付面を上方から見た平面図である。 ビード部の非当接領域を説明する図である。 ダミーヘッドをシリンダブロックの取付面上に載置したボルト締結前の状態における図1のA−A線矢視断面図である。 ダミーヘッドをシリンダブロックの取付面上に載置したボルト締結後の状態における図1のA−A線矢視断面図である。 第1変形例のダミーヘッドを示す図であり、(a)は上面側の斜視図であり、(b)は下面側の斜視図である。 第2変形例のダミーヘッドを示す図であり、(a)は上面側の斜視図であり、(b)は下面側の斜視図である。 (a)は実施例1〜3のダミーヘッドの下面を示す図であり、(b)は比較例(従来)のダミーヘッドの下面を示す図である。 実施例1〜3のダミーヘッドの締結状態での取付面(ボアの上面)からの距離とボアの変形量の関係と、シリンダヘッドの締結状態での取付面(ボアの上面)からの距離とボアの変形量の関係とを示すグラフである。 従来のダミーヘッドの締結状態での取付面(ボアの上面)からの距離とボアの変形量の関係と、シリンダヘッドの締結状態での取付面(ボアの上面)からの距離とボアの変形量の関係とを示すグラフである。 特許文献1に記載のダミーヘッドの下面を示す図である。
以下、本発明のシリンダブロックの加工用冶具としてのダミーヘッドの一実施形態について図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の一実施形態のダミーヘッドについて図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態のダミーヘッドを示す図であり、(a)は上面側の斜視図であり、(b)は下面側の斜視図であり、図2はシリンダブロックの取付面を上方から見た平面図である。なお、図11に示した従来と同じ作用を果たす部材については、同一符号を付して説明する。
ダミーヘッド100は、たとえば4気筒エンジンのシリンダブロック200に適用される。シリンダブロック200の上面(以下、取付面とも呼ぶ。)には、たとえば4個のシリンダボア201が形成され、シリンダボア201の周囲には、たとえば10個のボルト挿通穴202が形成されている。シリンダボア201とボルト挿通穴202との間には、たとえばウォータジャケット203(図4、5のみに図示)が形成されている。シリンダボア201は、たとえば鋳鉄からなるスリーブ204(図4、5のみに図示)により構成され、スリーブ204の内面がピストンとの摺動面となる。なお、シリンダボア201は、スリーブ204の代わりに、シリンダブロック200に形成された穴部の内面により構成してもよい。本明細書において、シリンダボア201の配列方向をX方向、シリンダブロック200の取付面内においてX方向と直交する方向をY方向とする。
ダミーヘッド100は、シリンダブロック200の取付面に取り付けられる、矩形状の本体110を有する。
本体110には、複数の加工用貫通穴111と複数のボルト挿通穴112とが形成されている。加工用貫通穴111は、その断面がシリンダボア201に対応する形状をなし、シリンダブロック200の取付面への本体110の取付時、シリンダボア201に連通する。シリンダボア201の加工時、ボーリング加工機やホーニング加工機は、加工用貫通穴111を介して、シリンダボア201の内部に挿入される。ボルト挿通穴112は、本体110の取付時、シリンダブロック200のボルト挿通穴202に連通する。ボルト120は、ボルト挿通穴112を通じて、ボルト挿通穴202に締め付けられる。
このボルト挿通穴112は、隣接する加工用貫通穴111の中間で、加工用貫通穴111の中心を通る第1仮想線Pから等距離の位置に1対、合計で5対配置されている。
本体110の下面110bには、加工用貫通穴111の周縁部から突出するようにして略円形状のビード部130が形成されている。ビード部130は、本体110の取付時、シリンダブロック200のシリンダボア201の周縁部に配置される。なお、ビード部130は本体110に対して別体として構成されていてもよい。また、本実施形態のように、隣り合う加工用貫通穴111周りの円形状のビード部同士が連結されてもよく、図8(a)のようにそれぞれ独立して円形状に形成されていてもよい。なお、本明細書では、ビード部130が一部に設けられていなかったり、ビード部130の一部が切り欠かれたものを含めて円形状と呼ぶ。
また、本体110の下面110bには、外周縁部から突出するように複数のシム部140が形成されている。より具体的に説明すると、複数のシム部140は、本体110のX方向に延びる長辺に等間隔で5つずつ、Y方向に延びる短辺に2つずつ設けられている。なお、シム部140は、ビード部130より外側に配置されている限り本体110とは別体として構成されていてもよく、その数および形状は適宜選択される。図8(a)のように、本体110の下面110bの外周縁部に連続して形成されていてもよい。
ビード部130およびシム部140の厚みは、シリンダブロック200の取付面へのダミーヘッド100の載置時(ボルト締結前)、図4に示すように、シム部140がシリンダブロック200の取付面に当接しているとき、ビード部130とシリンダブロック200のシリンダボア201の周縁部との間に所定の隙間Gが形成されるように設定される。
ここで、本発明の特徴であるビード部130の形状についてより詳細に説明する。
本発明のダミーヘッドにおいては、複数の加工用貫通穴の少なくとも一つにおいて、当該加工用貫通穴の中心を挟んでY方向両側に、ビード部が設けられていないか、又は、ビード部に切り欠きが形成されることで、当該部分が、ボルト締結時にシリンダブロックに当接しない非当接領域が設けられている。なお、切り欠きとは、当該部分のみ他の部分よりビード部の高さが低くなっていることを意味する。非当接領域が設けられる加工用貫通穴は、X方向両端側に位置する2つの加工用貫通穴を含むことが好ましい。
図1に示す本実施形態のダミーヘッド100では、4つの加工用貫通穴111のうち、X方向両端側に位置する2つの加工用貫通穴111にのみ非当接領域135が形成されている。図3も参照して、非当接領域135は、加工用貫通穴111の中心を通り、第1仮想線Pと直交する第2仮想線Qとビード部130の円周Rとの交点を中心に、円周方向両側に等しい距離となるように形成される。各非当接領域135の円周方向長さLは、円周(πd、dは円周Rの直径)の2%以上25%以下であることが好ましく、4%以上21%以下であることがさらに好ましい。
例えば、ボア径76mmの場合、円周は約239mmであり、その場合の非当接領域135の円周方向長さLは、2%以上25%以下であれば約5mm〜約60mmとなり、4%以上21%以下であれば約10mm〜約50mmとなる。なお、加工用貫通穴111の中心とX方向に隣り合うボルト挿通穴112を結んだ線のなす角度は45°に設定されており、非当接領域135の円周方向長さLはこの円周Rに沿って加工用貫通穴111の中心とX方向に隣り合うボルト挿通穴112を結んだ線との交点間距離よりも短くなっている。
次にシリンダブロックの製造方法について図4及び図5を参照して説明する。
図4はダミーヘッドをシリンダブロックの取付面上に載置したボルト締結前の状態における図1のA−A線矢視断面図であり、図5はダミーヘッドをシリンダブロックの取付面上に載置したボルト締結後の状態における図1のA−A線矢視断面図である。
まず、図4に示すように、ダミーヘッド100をシリンダブロック200の取付面に載置する。このとき、シム部140は、シリンダブロック200の取付面に当接するとともに、ビード部130とシリンダボア201の周縁部との間には、所定間隔の隙間Gが形成される。
続いて、図5に示すように、ボルト挿通穴112を通じてボルト120をボルト挿通穴202に締め付けることにより、ダミーヘッド100をシリンダブロック200に固定する。
その際、第1仮想線Pを挟んで対向する1対のボルト120のボルト軸力によるシリンダブロック200側へのモーメントを、本体110における1対のボルト120同士の間の部分(以下、ボルト間領域とも呼ぶ。)に加えることができる。
ボルト挿通穴112よりも外周側に配置されたシム部140は、シリンダブロック200の取付面に当接するとともに、加工用貫通穴111の周縁部に配置されたビード部130とシリンダボア201の周縁部との間には所定間隔の隙間Gが形成されているから、1対のボルト120のボルト軸力によるシリンダブロック200側へのモーメントを、本体110におけるボルト間領域に加えることができる。
そして、このモーメントによりボルト間領域がシリンダボア201に向かって凸状に弾性変形することで、ビード部130はシリンダボア201の周縁部に当接する。ただし、X方向両端側に位置する2つの加工用貫通穴111に形成された非当接領域135は、シリンダブロック200には当接せず、非当接領域135とシリンダブロック200との間には僅かな隙間が残った状態となっている。
このように、シリンダボア201の周縁部に面圧を加えることで、隣接するシリンダボア201同士の軸間部分にも面圧を効果的に加えることができる。そして、この状態で、シリンダボア201に対しボーリング加工やホーニング加工を行うことで、シリンダブロック200が製造される。
ボルト間領域に効果的に一対のボルト120のボルト軸力を作用させるために、図6に示す第1変形例のように、本体110の上面110aに、第1仮想線P上であって隣接する加工用貫通穴111間に、下面110b側に窪むように凹部113Aを形成してもよい。このように凹部113Aを形成することにより、ボルト締結時に凹部113Aが撓むことで、1対のボルト120のボルト軸力によるシリンダブロック200側へのモーメントを、本体110における1対のボルト120同士の間の部分により効果的に加えることができる。
また、図7に示す第2変形例のように、本体110の上面110aであって、加工用貫通穴111を囲うように環状に凹部113Bを形成してもよい。このように、凹部113Bを加工用貫通穴111を囲うように環状に形成した場合であっても、第1変形例と同様の効果を得ることができる。なお、凹部113A、113Bの深さ、幅については適宜設定され得る。
以下、具体的な実施例を参照して本発明の効果について詳細に説明する。
実施例として図8(a)に示すダミーヘッドを用意し、4気筒エンジンのシリンダブロックに、このダミーヘッドをボルト締結したときのシリンダボアの変形状態について調べた。また、比較例として図8(b)に示すダミーヘッドを用意し、4気筒エンジンのシリンダブロックに、このダミーヘッドをボルト締結したときのシリンダボアの変形状態についても調べた。
実施例及び比較例で使用したシリンダブロックは、いずれもボア径76mm、深さ147mmのボアを有し、FC(ねずみ鋳鉄)からなるスリーブを有する4気筒エンジンのシリンダブロックである。ボルトの締結は、ボルト挿通穴の左側から3番目の上側、その下側、ボルト挿通穴の左側から2番目の下側、その上側、ボルト挿通穴の左側から4番目の上側、その下側、ボルト挿通穴の左側から1番目の下側、その上側、ボルト挿通穴の左側から5番目の上側、その下側の順に行った。
従来のダミーヘッド(比較例)の結果を、実際のシリンダヘッドをシリンダブロックに締結した際のシリンダボアの変形形状とともに図10に示した。図10の、白塗りのマルは、従来のダミーヘッドの締結状態での取付面からの距離とボアの変形量の関係を示すグラフであり、黒塗りのマルは、シリンダヘッドの締結状態での取付面からの距離とボアの変形量の関係を表している。図10では、上段はX方向のボアの変形量を表すグラフ、下段はY方向のボアの変形量を表すグラフである。ボアA〜Dは、図8(b)の左側から順に1番目、2番目、3番目、4番目のボアに対応している。
図10から、このダミーヘッドの締結状態では、2番目のボアと3番目のボアにおけるX方向の変形形状が、実際のシリンダヘッドの締結状態の変形形状とは逆方向に外れる結果となった。また、全てのボアにおけるY方向のボアの変形量が、実際のシリンダヘッドの締結状態のボアの変形量に比べて小さい結果となった。即ち、ボアの周縁部全周に亘ってビード部を形成した従来のダミーヘッドの場合、必ずしもシリンダブロックの長手方向(X方向)の圧力が、上手に再現できていないことが分かる。
実施例として非当接領域の円周方向長さLを変えた3種類のダミーヘッドを用意し、非当接領域の円周方向長さLを30mmとしたシリンダヘッドを実施例1、非当接領域の円周方向長さLを40mmとしたシリンダヘッドを実施例2、非当接領域の円周方向長さLを50mmとしたシリンダヘッドを実施例3として、各ダミーヘッドをシリンダブロックに締結した際のシリンダボアの変形形状について調べた。
その結果をシリンダヘッドをシリンダブロックに締結した際のシリンダボアの変形形状とともに図9に示す。図9では、上段はX方向のボアの変形量を表すグラフ、下段はY方向のボアの変形量を表すグラフである。ボアA〜Dは、図8(a)の左側から順に1番目、2番目、3番目、4番目のボアに対応している。
図9から、実施例1〜3のいずれのダミーヘッドの締結状態においても、X方向及びY方向の変形形状が、シリンダヘッドの締結状態の変形形状と同方向であって、図8(b)に示した従来のダミーヘッドに比べてシリンダヘッドの締結状態におけるシリンダボアの変形形状に近い結果となった。特に、従来のダミーヘッドでは、2番目のボアと3番目のボアにおけるX方向の変形形状が、シリンダヘッドの締結状態の変形形状とは逆方向に外れる結果となったが(図10)、ボアの変形量の差が比較的大きかった4番目のボアにおいても変形傾向は類似する結果となった。また、Y方向の変形量は、シリンダヘッドの締結状態におけるシリンダボアの変形量よりは小さい結果となったが、従来のダミーヘッドの締結状態におけるシリンダボアの変形量よりもボアの変形量の差は小さくなった。
このように本発明によれば、従来の加工用貫通穴の全周に亘ってビード部を設けたダミーヘッドでは再現できなかった、シリンダブロックの長手方向(X方向)の圧力も、非当接領域135を設けることで、再現することができた。従って、本発明によれば、シリンダヘッドをボルト締結した時の変形と同等若しくは近似する変形をより良く再現することができる。特に、シリンダブロック200の機種に応じて、非当接領域135の円周方向長さLを変更することで、シリンダボア201の周縁部への面圧値の最適化を図ることができる。これに加えて、非当接領域135の円周方向長さLとともに、ビード部130及びシム部140の厚みを変えてもよい。
なお、詳細は省略するが、加工用貫通穴の中心を挟んでX方向両側に非当接領域を設けたダミーヘッドを用いてボルト締結したときのシリンダボアの変形状態についても調べたが、本発明のダミーヘッドに比べて、シリンダヘッドをボルト締結した時のシリンダボアの変形状態の再現性を得ることはできなかった。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、上記実施形態では4つのシリンダボアを形成されたシリンダブロックを製造するためのダミーヘッドを例示したが、2つ以上のシリンダボアを形成されたシリンダブロックを製造するためのダミーヘッドに適用することができる。
100 ダミーヘッド(加工用冶具)
110 本体
110a 上面(リンダブロック側の面とは反対側の面)
110b 下面(シリンダブロック側の面)
111 加工用貫通穴
113A 凹部
113B 凹部
130 ビード部(第1突出部)
135 非当接領域
140 シム部(第2突出部)
200 シリンダブロック
201 シリンダボア
P 第1仮想線
Q 第2仮想線
R 円周

Claims (7)

  1. シリンダボアを有するシリンダブロックを変形させた状態で、前記シリンダボアに対し加工を行うときに、前記シリンダブロックの一方側の面にボルト締結されるシリンダブロックの加工用冶具であって、
    本体と、
    該本体に形成され、直交する2方向をX方向及びY方向とすると、中心がX方向に延びる第1仮想線上に並ぶ複数の加工用貫通穴と、
    前記本体の前記シリンダブロック側の面に設けられ、前記複数の加工用貫通穴の周縁部に配置されてボルト締結により前記シリンダブロックと当接する第1突出部と、
    前記本体の前記シリンダブロック側の面に設けられ、前記第1突出部より外側に配置される第2突出部と、を有し、
    前記複数の加工用貫通穴の少なくとも一つにおいて、当該加工用貫通穴の中心を挟んでY方向両側に、前記第1突出部が設けられていないか、又は、前記第1突出部に切り欠きが形成されることでボルト締結により前記シリンダブロックと当接しない非当接領域が設けられ、当接領域が円周方向で連続しないことを特徴とするシリンダブロックの加工用冶具。
  2. 前記第1突出部は、前記加工用貫通穴の外周を囲うように略円形状を有し、
    前記各非当接領域は、前記加工用貫通穴の中心を通りY方向に延びる第2仮想線と第1突出部の円周との交点を中心に円周の2%以上25%以下であることを特徴とする請求項1に記載のシリンダブロックの加工用冶具。
  3. 前記複数の加工用貫通穴のうち、X方向両端側に位置する2つの加工用貫通穴にのみ前記非当接領域が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリンダブロックの加工用冶具。
  4. 前記本体の前記シリンダブロック側の面とは反対側の面に、前記加工用冶具から前記シリンダブロックに作用する面圧を高めるための凹部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリンダブロックの加工用冶具。
  5. 前記凹部は、前記第1仮想線上に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のシリンダブロックの加工用冶具。
  6. 前記凹部は、前記複数の加工用貫通穴を囲うように環状に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のシリンダブロックの加工用冶具。
  7. シリンダボアを有するシリンダブロックの一方側の面に請求項1〜6のいずれか1項に記載の加工用冶具をボルト締結することにより、前記シリンダブロックを変形させた状態で、前記シリンダボアに対し加工を行うシリンダブロックの製造方法であって、
    前記加工用冶具をボルト締結して、前記第1突出部を前記シリンダブロックに当接させるとともに前記非当接領域を前記シリンダブロックに当接させない状態で、前記シリンダボアを加工することを特徴とするシリンダブロックの製造方法。
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