以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについて重複する説明は省略する。
図1および図2は、本実施形態における遊技機1の外観構成を示す斜視図である。この遊技機1は、遊技者の指示操作によって打ち出される遊技球が各種入賞口に入球すると賞球を払い出すように構成された弾球式の遊技機である。この遊技機1には、図1および図2に示すように、遊技の進行に伴い、それぞれ第1位置と第2位置との間で移動することにより、遊技の進行を演出する複数の可動装置15が設けられる。図1には、それら複数の可動装置15が第1位置で待機している待機状態(通常状態)を示しており、図2には、それら複数の可動装置15が第1位置から第2位置へ移動した動作状態を示している。
図1および図2に示すように、遊技機1は、ホール(店舗)の島設備などに固定される本体枠2と、その本体枠2の正面側に設けられる前枠扉3とを備えている。前枠扉3は、本体枠2の左端部に設けられた支持部2a,2aによって所定の鉛直軸周りに回動可能に軸支されており、その回動動作によって本体枠2の正面側を開放したり、閉鎖したりすることができる。この前枠扉3は、その中央に、本体枠2の内側に設けられる遊技盤11を視認可能にするための透明ガラス板4を有している。
また前枠扉3は、透明ガラス板4の下方において、遊技機1の正面側に張り出した状態に形成される棚状の球受け部5を有している。この球受け部5の上面には、遊技機1から払い出される遊技球を貯留するための球受け皿が設けられる。その球受け皿は、例えば底部が右方向に傾斜しており、遊技球が払い出されると、その遊技級が球受け皿を右方向へと転動していき、前枠扉3の背面側に設けられる遊技球発射機構へと導かれる。
また球受け部5の上面には、遊技者が演出を楽しむために操作する演出ボタン6が設けられる。この演出ボタン6は、例えば遊技機1において所定の演出パターンに基づく演出が行われるとき、遊技者が予め定められたタイミングで演出ボタン6を操作すると、それに連動して特別な演出を行うためのボタンである。これに対し、遊技者が予め定められたタイミングで演出ボタン6を操作しない場合には、特別な演出は行われない。つまり、遊技機1は、所定の演出パターンに基づく演出を行うとき、その所定の演出パターンに定められたタイミングで演出ボタン6が操作されるか否かに応じて演出内容を異なる内容に切り替える構成である。
また演出ボタン6は、遊技機1における可動装置15の1つとして設けられる。この演出ボタン6は、通常、図1に示すように球受け部5の上面から僅かに突出した状態となる第1位置で待機した状態となっている。そして遊技機1において演出ボタン6を動作させる演出が行われるときには、図2に示すように演出ボタン6が上昇駆動され、球受け部5の上面からの突出長さが長くなって第2位置まで上昇移動することにより動作状態となる。図1および図2のいずれの状態においても、演出ボタン6は、遊技者による操作を検知可能である。特に、図2に示すように演出ボタン6が球受け部5の上面から所定長さ突出した動作状態で遊技者による操作が行われると、演出ボタン6は図1に示す元の待機状態に戻る。尚、図2に示すように演出ボタン6が上昇駆動されることによって球受け部5から所定長さ突出する演出は、遊技者に演出ボタン6を操作させる演出の中でも出現頻度の低い演出となっている。
また球受け部5の右下部には、遊技者が操作するハンドルレバー7が設けられている。遊技者が、このハンドルレバー7を時計方向に回転操作すると、遊技球発射機構が作動し、その操作角度に応じた打球力で遊技球が遊技盤11の盤面上に所定の時間間隔で打ち出される。そして、その遊技球が遊技盤11に設けられた各種入賞口に入球すると、それに応じた賞球が球受け皿に払い出されるようになる。
また前枠扉3は、透明ガラス板4の左右両側に一対の枠ランプ8,8を備えている。これら枠ランプ8,8は、遊技機1で実行される演出パターンに基づいて点灯することにより、透明ガラス板4の左右両側で電飾演出を行うものである。
また前枠扉3は、透明ガラス板4の上部および球受け部5の下部に可動ランプ9,9を備えている。これらの可動ランプ9,9もまた、遊技機1で実行される演出パターンに基づいて点灯することにより、透明ガラス板4の上下両側において電飾演出を行うものである。また可動ランプ9,9は、光の照射方向を変化させることができるように動作可能であり、遊技機1における可動装置15の1つとして設けられる。すなわち、可動ランプ9,9は、通常、図1に示すように遊技機1の正面側を向いた状態の略水平な角度位置(第1位置)で点灯しない静止状態にある。そして遊技機1において可動ランプ9,9を動作させる演出が行われるときには、図2に示すように可動ランプ9,9が俯仰方向に回転駆動されて点灯する。図2の例では、透明ガラス板4の上部に設けられた可動ランプ9が所定の俯角位置(第2位置)へ回転移動する一方、球受け部5の下部に設けられた可動ランプ9が所定の仰角位置(第2位置)へ回転移動する。そして、それらが同時に点灯することによって、遊技機1の前方位置にある遊技者に対してスポットライトを照射するような態様で電飾演出を行う。尚、このように可動ランプ9,9が動作する演出は、遊技機1において行われる各種演出の中でも出現頻度は比較的低く、例えば大当たりが確定したことを報知するための演出の1つとして実行される。
さらに前枠扉3の上部には、左右一対のスピーカー10が設けられており、各種演出のための音楽や音声、効果音などを発生する。
一方、遊技機1の本体枠2の内側に設けられる遊技盤11は、遊技球が打ち出される遊技領域のほぼ中央に、開口部が設けられ、その開口部の背面側に画像表示器12が取り付けられた構成である。画像表示器12は、遊技機1において各種演出を行うために設けられた演出装置の1つであり、例えばカラー液晶ディスプレイやLEDアレイディスプレイなどで構成され、各種演出画像を表示する。そのような演出画像は、遊技盤11に形成された開口部を介して遊技機1の正面側から視認可能となっている。
また遊技盤11は、画像表示器12を視認可能にするために形成された開口部の上部に、センター枠体などとも称される装飾部材13が配置された構成である。この装飾部材13の背面側には、図2に示すように画像表示器12の前方上部位置へ出現する可動役物14が設けられている。この可動役物14もまた、遊技機1における可動装置15の1つとして設けられるものであり、通常、図1に示すように装飾部材13の背面側に隠れた退避位置(第1位置)にあり、遊技機1の正面側からはその一部又は全部を視認することができない状態にある。そして遊技機1において可動役物14を動作させる演出が行われるときには、図2に示すように可動役物14が駆動され、装飾部材13の下方へ移動することにより、第2位置となる画像表示器12の前方へ出現した状態となる。尚、このように可動役物14が動作する演出は、遊技機1において行われる各種演出の中でも出現頻度は比較的低く、例えば遊技者に対して有利な遊技状態(大当たりを含む)となることを期待させるための演出の1つとして実行される。
また遊技盤11の盤面上には、図示を省略しているが、多数の釘や風車、スルーゲート、普通入賞口、第1始動口、第2始動口および大入賞口などの公知の部材が設けられる。そのため、遊技盤11の盤面上に打ち出された遊技球は、多数の釘や風車などによって進路を変えながら盤面上を下方に向かって転動していき、スルーゲートを通過したり、普通入賞口、第1始動口、第2始動口、大入賞口などの各種入賞口に入球したりする。遊技球が各種入賞口に入球すると、所定個数の賞球が払い出される。また遊技球が第1始動口や第2始動口に入球すると、遊技機1において始動条件が成立し、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技を含む)を行うか否かを判定する大当たり抽選が行われる。そして遊技機1は、その大当たり抽選の結果を表示するために様々な図柄変動演出を実行する。
この図柄変動演出では、画像表示器12において例えば1〜9などの数字を付した3つの装飾図柄を上下方向又は左右方向に変動させながら表示する演出が所定時間行われ、所定時間経過後に3つの装飾図柄を停止させることによって大当たりの抽選結果を表示する。このとき、3つの装飾図柄が例えば「7,7,7」などの揃った図柄で停止すれば、大当たりとなり、遊技機1は通常の遊技状態から大当たり遊技を行うための特別遊技状態へと移行する。遊技機1が特別遊技状態へと移行すると、遊技機1においては特別遊技演出が行われるようになり、特別遊技状態が終了するまで特別遊技演出が継続して行われる。
また遊技機1が特別遊技状態へと移行すると、大入賞口が所定回数開閉動作を行うようになり、遊技盤11の盤面上に打ち出された遊技球が大入賞口に入球し易い状態となる。したがって、遊技機1が特別遊技状態へ移行して大当たり遊技が開始されると、遊技球の打ち出し操作を継続することによって多くの賞球を獲得することができるようになるため、遊技者にとっては有利な遊技状態となる。
一方、図柄変動演出が停止したとき、3つの装飾図柄が揃わない状態で停止すると、ハズレとなり、次の図柄変動演出が保留されていればその直後に次の図柄変動演出が開始される。この場合、遊技機1は、通常の遊技状態のままで遊技を進行させることになる。
また遊技盤11の盤面上に打ち出された遊技球は各種入賞口に入球しないことも多い。そのような遊技球は遊技盤11の最下部に設けられたアウト口から遊技盤11の背面側に排出される。
また遊技盤11の盤面上に打ち出された遊技球がスルーゲートを通過した場合、遊技機1において普通図柄の抽選が行われる。この普通図柄の抽選は、第2始動口を開閉するために設けられる電動チューリップを開放するか否かを決定するための抽選である。そのため、普通図柄の抽選に当選すると、通常は閉鎖された状態の第2始動口が開放されるようになり、遊技球が第2始動口へ入球し易くなるので、遊技機1において大当たり抽選が行われる頻度が増加する。
尚、遊技機1は、大当たり遊技が終了して特別遊技状態から通常の遊技状態へ戻ると、一定期間の間、時短遊技を行うことがある。時短遊技は、例えば図柄変動演出が所定回数行われるまで継続する遊技であり、普通図柄の抽選に当選し易い状態となって遊技球が連続的に第2始動口へ入球し易くなる遊技状態である。そのため、大当たり遊技の終了後において時短遊技が行われる場合はその時短遊技が終了するまでの間、遊技者は、持ち球をあまり減らすことなく、遊技を行うことができる。
次に、上記のような遊技機1の制御機構について説明する。図3は、遊技機1の動作を制御するために設けられる各種制御基板の一構成例を示すブロック図である。遊技機1は、遊技盤11に打ち出された遊技球の入賞を検知することによって遊技の進行などを統括的に制御するメイン制御基板20と、メイン制御基板20から出力される信号やコマンドに基づいて各部を制御するために設けられるサブ制御基板19とを備えている。サブ制御基板19は、例えば、払出制御基板30、演出制御基板40、画像制御基板50およびランプ制御基板60を備えて構成される。尚、図3の例では、サブ制御基板19が、払出制御基板30、演出制御基板40、画像制御基板50およびランプ制御基板60の4つに分離された状態を示しているが、これらの一部又は全部が1つの基板に統合された構成であっても構わない。メイン制御基板20およびサブ制御基板19は、例えば遊技盤11の背面側に配置される。
メイン制御基板20は、遊技機1における遊技の進行や遊技状態、遊技球の払い出しといった遊技機1における主要動作を統括的に制御するものであり、CPU21とROM22とRAM23とを備えている。このメイン制御基板20には、遊技球が第1始動口に入球したことを検知する第1始動口スイッチ24、遊技球が第2始動口に入球したことを検知する第2始動口スイッチ25、遊技球が普通入賞口に入球したことを検知する普通入賞口スイッチ26、遊技球がスルーゲートを通過したことを検知するゲートスイッチ27、遊技球が大入賞口に入球したことを検知する大入賞口スイッチ28、および、大入賞口を開閉駆動する大入賞口ソレノイド29が接続されている。
メイン制御基板20は、第1始動口スイッチ24、第2始動口スイッチ25、普通入賞口スイッチ26および大入賞口スイッチ28のそれぞれが遊技球の入賞を検知した場合、払出制御基板30に対して賞球コマンドを送出する。
払出制御基板30は、CPU31とROM32とRAM33とを備え、遊技盤11の背面側に設けられる払出モーター17を駆動することにより、遊技球の払い出しを行うように構成される。この払出制御基板30は、上述のようにメイン制御基板20から賞球コマンドを入力すると、その賞球コマンドに基づいて所定球数の遊技球を賞球として払い出す。
またメイン制御基板20は、第1始動口スイッチ24又は第2始動口スイッチ25が遊技球の入賞を検知した場合には、それによって始動条件成立と判断し、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を行うか否かを判定する大当たり抽選を行い、その大当たり抽選の結果に応じた図柄変動演出を行わせるべく、演出制御基板40に対して変動開始コマンドを送出する。具体的に説明すると、メイン制御基板20は、第1始動口又は第2始動口への入賞を検知すると、大当たり乱数を取得し、その取得した大当たり乱数が所定の当選値に一致するか否かを判定する。その結果、大当たり乱数が所定の当選値に一致する場合は、大当たりとなり、特別遊技を行うことが決定される。この場合、大当たり乱数と共に取得した図柄乱数に基づき、大当たり遊技後の遊技状態を、大当たりの当選確率が通常確率となる通常確率遊技状態と、大当たりの当選確率が通常確率よりも高確率となる高確率遊技状態(いわゆる確変遊技状態)とのいずれか一方に設定する。そしてメイン制御基板20は、遊技機1において行われる図柄変動演出の変動時間を比較的長時間に設定し、大当たり抽選の結果と変動時間とを含む変動開始コマンドを演出制御基板40へ送出することにより、図柄変動演出の開始を指示する。また大当たり抽選の結果が大当たりである場合は、大当たり遊技後の遊技状態が通常確率遊技状態と高確率遊技状態とのいずれであるかを示すコマンドなども、メイン制御基板20から演出制御基板40へ出力される。
一方、大当たり乱数が当選値に一致しなかった場合は、ハズレとなる。この場合も、メイン制御基板20は、遊技機1において行われる図柄変動演出の変動時間を適宜設定し、大当たり抽選の結果と変動時間とを含む変動開始コマンドを演出制御基板40へ送出することにより、図柄変動演出の開始を指示する。メイン制御基板20は、演出制御基板40に変動開始コマンドを送出すると、その変動時間をカウントし、設定した変動時間が経過すると、演出制御基板40に対して図柄変動演出を終了させるための変動停止コマンドを送出する。
またメイン制御基板20は、大当たり抽選の結果が大当たりである場合、図柄変動演出の変動時間が経過した後、遊技機1の遊技状態を、特別遊技状態へと移行させて、特別遊技(大当たり遊技)を開始する。メイン制御基板20は、遊技機1を特別遊技状態へと移行させると、大入賞口ソレノイド29を駆動することにより、大入賞口を所定ラウンド回数開放させる。このとき、メイン制御基板20は、大当たり遊技中の特別遊技演出を行わせるべく、演出制御基板40に対して特別遊技の開始時および終了時に所定のコマンドなどを出力する。
演出制御基板40は、メイン制御基板20による遊技の進行に伴って実行すべき演出パターンを決定し、その決定した演出パターンに基づいて様々な遊技演出の実行を制御する。また演出制御基板40は、メイン制御基板20の制御によって進行していく遊技の遊技状態に基づいて演出モードを通常演出モード(第1の演出モード)と特殊演出モード(第2の演出モード)との間で移行させ、その演出モードに応じた演出を行うように構成される。この演出制御基板40は、CPU41と、ROM42と、RAM43とを備えており、その下流側に設けられる画像制御基板50およびランプ制御基板60を制御することによって遊技機1における各種遊技演出の実行を制御する。
例えば、演出制御基板40がメイン制御基板20から変動開始コマンドを受信すると、演出制御基板40は、その変動開始コマンドに基づき、複数の演出パターンの中から、メイン制御基板20で設定される変動時間に対応する一の演出パターンを決定する。このとき決定される一の演出パターンにより、遊技機1において行われる図柄変動演出の内容が決定される。そして演出制御基板40は、その一の演出パターンに基づいて画像制御基板50およびランプ制御基板60を制御することにより、その一の演出パターンに対応する図柄変動演出の実行を制御する。
また演出制御基板40には、演出ボタン6が接続されている。そして演出制御基板40は、メイン制御基板20からの変動開始コマンドに基づいて決定した一の演出パターンが演出ボタン6の操作に連動して特別な演出を行うパターンである場合、その演出パターンに定められたタイミングにおいて遊技者が演出ボタン6を操作したことを検知すると、それに連動して特別な演出を行うように制御する。
さらに演出制御基板40は、メイン制御基板20による制御によって特別遊技が開始されると、メイン制御基板20から受信するコマンドに基づいて複数の演出パターンの中から一の演出パターンを決定し、その一の演出パターンに対応する特別遊技演出の実行を制御する。
ただし、演出制御基板40は、演出モードが通常演出モードである場合と、特殊演出モードである場合とで、遊技機1において行う演出が異なる演出となるように制御する。これについては後に詳しく説明する。
画像制御基板50は、CPU51と、ROM52と、RAM53と、VRAM54とを備えており、演出制御基板40から送出されるコマンドなどに基づいて画像表示器12およびスピーカー10を制御することにより、画像表示器12に対して図柄変動演出やその他各種演出用の画像を表示すると共に、画像表示器12に表示される画像に対応した音声や音楽、効果音などをスピーカー10から出力する。すなわち、画像制御基板50は、VRAM54に書き込んだ画像を所定のフレームレートで画像表示器12へ出力することにより、画像表示器12における表示画像を制御する。またVRAM54への画像の書き込み動作と連動してその画像に対応する音声や音楽などをスピーカー10から出力する。
例えば、画像制御基板50は、演出制御基板40において決定された演出パターンに基づき、画像表示器12に表示している3つの装飾図柄を変動させるように表示する図柄変動演出を開始し、その図柄変動演出中に様々な予告演出画像やリーチ演出画像などを表示する。また図柄変動演出中の所定のタイミングで演出ボタン6が操作されることに伴い、演出制御基板40から特定の演出を実行することを指示するコマンドを受信すると、画像制御基板50は、そのタイミングで画像表示器12に特定の演出用画像を表示させたり、スピーカー10から特定の効果音を発生させたりする。
ランプ制御基板60は、CPU61とROM62とRAM63とを備えており、演出制御基板40から送出されるコマンドなどに基づいて上述した枠ランプ8を点灯制御する。またランプ制御基板60は、可動ランプ9、可動役物14およびボタン駆動部16のそれぞれを個別に駆動することにより、可動装置15として設けられた可動ランプ9、可動役物および演出ボタン6のそれぞれを第1位置と第2位置との間で移動させる移動演出を実行する。すなわち、ランプ制御基板60は、演出制御基板40の制御による図柄変動演出又は特別遊技演出の実行中に、演出制御基板40から可動装置15を動作させることを指示するコマンドを受信すると、そのタイミングで可動装置15を駆動することにより、演出制御基板40から指定された移動演出を実行する。尚、ボタン駆動部16は、演出ボタン6を第1位置および第2位置の間で昇降駆動するための駆動手段であり、例えば演出ボタン6を第2位置へ上昇させた状態で遊技者による操作が行われなかった場合には下降させて元の待機位置(第1位置)へ戻すこともできる。
次にメイン制御基板20および演出制御基板40の具体的な構成および動作について説明する。図4は、メイン制御基板20および演出制御基板40における具体的な機能構成の一例を示すブロック図である。まず図4に示すように、メイン制御基板20は、特別遊技判定部21aと、特別遊技実行部21bとを備えている。特別遊技判定部21aは、第1始動口又は第2始動口への入賞に伴う始動条件の成立により、上述した大当たり乱数を取得してその大当たり乱数の判定(大当たり抽選)を行う処理部である。つまり、この判定により、遊技者にとって有利な特別遊技状態へ移行するか否かが決定される。そして、特別遊技判定部21aは、その判定結果に基づいて図柄変動演出の変動時間を設定し、変動開始コマンドC1を演出制御基板40へ出力する。また特別遊技判定部21aは、上記判定の結果、大当たりに当選して特別遊技状態へ移行させる場合、図柄変動演出の変動時間が経過した後に、特別遊技実行部21bを機能させる。
特別遊技実行部21bは、特別遊技状態において大入賞口ソレノイド29を開閉駆動することにより、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技)を進行させる処理部である。この特別遊技実行部21bは、特別遊技を開始する際、演出制御基板40に対して特別遊技開始コマンドC2を出力する。
一方、演出制御基板40は、図4に示すように、CPU41が第1演出制御部44、演出モード設定部45および第2演出制御部46として機能する。またROM42には、予め複数の演出パターン42aが記憶されており、RAM43には遊技の進行に基づいて更新される遊技情報43aが記憶されている。尚、ROM42に記憶される複数の演出パターン42aには、図柄変動演出用の演出パターンと、特別遊技演出用の演出パターンとが含まれる。
第1演出制御部44は、特別遊技判定部21aから変動開始コマンドC1を受信した場合、その変動開始コマンドC1に基づいて複数の演出パターン42aの中から一の演出パターンを決定し、その一の演出パターンに対応する図柄変動演出を実行する。同様に、第1演出制御部44は、特別遊技実行部21bから特別遊技開始コマンドC2を受信した場合、その特別遊技開始コマンドC2に基づいて複数の演出パターン42aの中から一の演出パターンを決定し、その一の演出パターンに対応する特別遊技演出を実行する。尚、図柄変動演出および特別遊技演出は、いずれも遊技機1において行われる遊技演出の1つである。
また第1演出制御部44は、変動開始コマンドC1や特別遊技開始コマンドC2に対応する図柄変動演出および特別遊技演出の実行を終了すると、それに伴い、RAM43に記憶されている遊技情報43aを更新する。
図5は、遊技情報43aの一例を示す図である。遊技情報43aには、カウント項目と、現在のカウント値とが格納される。図例の場合、カウント項目として、大当たり回数、連続大当たり回数、大当たり後の図柄変動回数、電源投入後の図柄変動回数、蓄積ポイント数、および、プレミア演出実行回数が設定されており、それぞれのカウント項目ごとに、現在のカウント値N1,N2,N3,N4,N5,N6が格納されている。
ここで、大当たり回数とは、遊技機1に電源が投入された後に大当たり(特別遊技)が発生した回数である。また連続大当たり回数とは、遊技機1において高確率遊技状態が継続している状態で大当たり(特別遊技)が発生した回数(いわゆる、連チャン回数)であり、通常確率遊技状態に戻って上述した時短遊技が終了すると0にリセットされる回数である。また大当たり後の図柄変動回数は、前回の大当たり以後に実行された図柄変動演出の実行回数であり、遊技機1において特別遊技が実行されると0にリセットされる回数である。また電源投入後の図柄変動回数は、電源投入以降の図柄変動演出の実行回数である。また蓄積ポイント数とは、演出制御基板40によって特定の演出パターンに基づく演出が実行された場合に発行されるポイントの蓄積数である。さらにプレミア演出実行回数は、遊技機1において実行される様々な演出の中でも、例えば出現確率が1/1000といった極めて出現頻度の低い特定の演出が実行された回数である。第1演出制御部44は、図柄変動演出および特別遊技演出の実行終了に伴って、上記のような遊技情報43aを更新することにより、現在の遊技状態を遊技情報43aに記録して管理する。
また、ROM42に格納される複数の演出パターン42aのうち、特別遊技演出用の演出パターンには、連続大当たり回数N2に応じた演出パターンが予め設定されている。このうち、例えば、連続大当たり回数N2が10回目となるときに選択される演出パターンには、遊技者に対して演出モードが移行することを報知するための特定の遊技演出を行うパターンが含まれる。したがって、第1演出制御部44は、特別遊技実行部21bから特別遊技開始コマンドC2を受信した場合、高確率遊技状態が継続している状態での特別遊技であれば、遊技情報43aから現在の連続大当たり回数N2を読み出し、複数の演出パターン42aの中から、現在の連続大当たり回数N2に対応する演出パターンを選択することにより、現在の連続大当たり回数N2に対応する特別遊技演出を実行する。そして遊技機1において例えば連続大当たり回数N2が10回目となる特別遊技が行われるときには、それに対応する演出パターンに基づく特別遊技演出を実行するため、第1演出制御部44は、その特別遊技演出の実行中に、特定の遊技演出を行うようになる。
演出モード設定部45は、第1演出制御部44によって行われる遊技演出に基づいて、遊技機1における演出モードを、通常演出モードおよび特殊演出モードのいずれかに設定することにより、演出モードを切り替える処理部である。ここで、通常演出モードは、特別遊技判定部21aの判定結果に基づき、第1演出制御部44において決定される一の演出パターンに定められた各演出を忠実に実行する通常の演出モードである。したがって、第1演出制御部44において実行される一の演出パターンに、可動装置15として設けられた演出ボタン6、可動ランプ9および可動役物14のうちの少なくとも1つを所定のタイミングで動作させる演出が含まれていれば、それら可動装置15を所定のタイミングで動作させる移動演出が行われる。これに対し、特殊演出モードは、特別遊技判定部21aの判定結果に関わらず、可動装置15として設けられた演出ボタン6、可動ランプ9および可動役物14のうちの少なくとも1つを動作させた状態を継続して保持する演出モードである。
演出モード設定部45は、例えば遊技機1に対して電源が投入されたときには、演出モードを通常演出モードに設定する。そして演出モード設定部45は、演出モードを通常演出モードに設定しているとき、第1演出制御部44によって所定の演出が実行されると、演出モードを通常演出モードから特殊演出モードへ移行させる。例えば、第1演出制御部44による特別遊技演出の実行中に、遊技者に対して演出モードが移行することを報知するための特定の遊技演出が行われると、演出モード設定部45は、演出モードを通常演出モードから特殊演出モードへ移行させる。また、プレミア演出にもそのような特定の遊技演出が含まれていることもあり、第1演出制御部44によってプレミア演出の実行中にそのような特定の遊技演出が実行されると、演出モード設定部45は、演出モードを通常演出モードから特殊演出モードへ移行させる。
またこの他にも、演出モード設定部45は、RAM43から遊技情報43aを読み出し、遊技機1における現在の遊技状態が所定の条件を満たしたときに、演出モードを通常演出モードから特殊演出モードに移行させる。この条件としては、例えば大当たり回数N1のカウント値が50回、大当たり後の図柄変動回数N3が1000回、電源投入後の図柄変動回数N4が10000回、蓄積ポイント数N5が100ポイントなど、適宜設定可能である。
さらに演出モード設定部45は、演出モードを特殊演出モードに設定しているとき、RAM43から遊技情報43aを読み出し、遊技機1の現在の遊技状態に基づいて、予め設定されている解除条件が成立したことを検知すると、演出モードを特殊演出モードから通常演出モードに移行させて元に戻す。この解除条件は、任意に設定可能であるが、例えば高確率遊技状態の終了時や、時短遊技の終了時、或いは、次の特別遊技状態への移行時などに通常演出モードへ戻すようにしても良い。
第2演出制御部46は、第1演出制御部44による遊技演出が行われるとき、必要に応じて、可動装置15として設けられた演出ボタン6、可動ランプ9および可動役物14のうちの少なくとも1つを移動させる移動演出の実行を制御する処理部である。この第2演出制御部46は、図4に示すように、移動演出制御部47と、保持演出制御部48とを備えており、演出モード設定部45によって設定される演出モードに応じて移動演出制御部47と保持演出制御部48とのいずれか一方を択一的に機能させるように構成される。
移動演出制御部47は、演出モード設定部45により通常演出モードが設定されているときに機能し、特別遊技判定部21aにおける判定結果に応じて決定される一の演出パターンに基づき、可動装置15として設けられている演出ボタン6、可動ランプ9および可動役物14のそれぞれを個別に第1位置から第2位置に移動させてから再び第1位置へと移動させる特定移動演出の実行を制御する制御部である。したがって、演出モードが通常演出モードである場合には、この移動演出制御部47の制御により、可動装置15は、図柄変動演出又は特別遊技演出の実行中において特定のタイミングで第1位置から第2位置へ移動した後、再び第1位置へ戻る動作を行うようになる。
これに対し、保持演出制御部48は、演出モード設定部45により特殊演出モードが設定されているときに機能し、特別遊技判定部21aにおける判定結果に関わらず、可動装置15として設けられている演出ボタン6、可動ランプ9および可動役物14のうちの少なくとも1つを第1位置から第2位置に移動させた状態を継続して保持させる保持演出の実行を制御する制御部である。したがって、演出モードが特殊演出モードである場合には、この保持演出制御部48の制御により、可動装置15は、図柄変動演出又は特別遊技演出の実行中においても第2位置へ移動した動作状態を継続的に保持するようになる。
図6は、遊技機1における演出モードの移行と、各演出モードにおいて行われる演出の概念を示す図である。通常、遊技者は、通常演出モードで遊技を行っていく。この状態では、移動演出制御部47が機能し、特別遊技判定部21aの判定結果に基づいて決定される一の演出パターンに、可動装置15を特定のタイミングで動作させる演出が含まれていれば、可動装置15がその特定のタイミングで動作する特定移動演出が行われる。ただし、特別遊技判定部21aの判定結果に基づいて決定される一の演出パターンに、そのような演出が含まれていない場合には、可動装置15が動作する演出は行われない。
その後、例えば遊技機1において連続大当たり回数N2が10回目となる特別遊技が開始され、その特別遊技中に特定の遊技演出が行われると、演出モードのモード移行条件が成立し、演出モード設定部45は、演出モードを特殊演出モードに設定する。またこの他にも、演出モード設定部45は、上述したような他のモード移行条件が成立した場合に、演出モードを特殊演出モードに設定する。
特殊演出モードが設定された状態では、保持演出制御部48が機能し、特別遊技判定部21aの判定結果に関わらず、例えば図2に示したように、可動装置15は第1位置から第2位置へ移動した状態のまま保持される。この状態は、遊技機1において解除条件が成立するまで継続する。そのため、特殊演出モードにおいて複数回の図柄変動演出が連続的に行われる場合には、それら複数回の図柄変動演出に跨って可動装置15が第2位置へ移動した状態の保持演出が継続的に行われる。また特殊演出モードでは、第1演出制御部44が特別遊技判定部21aの判定結果に基づいて決定する一の演出パターンに、仮に、可動装置15を特定のタイミングで動作させる演出が含まれている場合であっても、そのような特定のタイミングで可動装置15を移動させる演出は行われない。
このように演出モードが特殊演出モードにある場合には、可動装置15が動作した状態のままで遊技が進行していくようになるため、遊技者に対して一種の達成感を付与することができるようになる。すなわち、遊技者が通常演出モードで長時間に亘って遊技を行ってきた場合でも、特殊演出モードに移行すると、可動装置15が動作したままの状態となり、それまでとは全く異なる演出状態で遊技を進行させることができるという一種の達成感により、それまで蓄積していた疲労感が緩和され、再び遊技への集中力を取り戻すことができるようになる。
そして遊技機1において解除条件が成立すると、演出モード設定部45は、演出モードを再び通常演出モードに設定する。このとき、可動装置15は、第2位置から第1位置へと戻る。そして可動装置15は、再び、特別遊技判定部21aの判定結果に基づいて決定される一の演出パターンに定義された特定のタイミングで動作するようになる。
図7は、通常演出モードにおいて実行される遊技演出の一例を示すタイミングチャートである。図7では、6回の図柄変動演出が行われた後、6回目の図柄変動演出が大当たりとなって特別遊技演出が開始される例を示している。1回目から6回目の図柄変動演出は、それぞれ演出パターンPA1,PA2,PA3,PA4,PA5,PA6に基づいて行われる。またタイミングT6から開始される特別遊技演出は、演出パターンPB1に基づいて行われる。
ここで、図7の例では、3回目の演出パターンPA3に、特定のタイミングTaで演出ボタン6を移動させる特定移動演出が含まれており、演出ボタン6の動作に連動して行うエフェクト演出も含まれている。エフェクト演出とは、例えば可動装置15の動作に連動して画像表示器12に特定の演出画像を表示したり、スピーカー10から特定の演出音を出力したりする演出である。したがって、演出パターンPA3に対応する3回目の図柄変動演出が実行されているときには、特定のタイミングTaにおいて演出ボタン6が移動する特定移動演出が行われると共に、その特定移動演出に連動して、エフェクト演出が実行される。
また6回目の演出パターンPA6には、特定のタイミングTbで演出ボタン6、可動役物14および可動ランプ9を移動させる特定移動演出が含まれており、それら可動装置15の動作に連動して行うエフェクト演出も含まれている。したがって、演出パターンPA6に対応する6回目の図柄変動演出が実行されているときには、特定のタイミングTbにおいて演出ボタン6、可動役物14および可動ランプ9の全てが移動する特定移動演出が行われると共に、その特定移動演出に連動して、エフェクト演出が実行される。
さらに特別遊技演出の演出パターンPB1にも、特定のタイミングTcで演出ボタン6、可動役物14および可動ランプ9を移動させる特定移動演出が含まれており、それら可動装置15の動作に連動して行うエフェクト演出も含まれている。したがって、演出パターンPB1に対応する特別遊技演出が実行されているときには、特定のタイミングTcにおいて演出ボタン6、可動役物14および可動ランプ9の全てが移動する特定移動演出が行われると共に、その特定移動演出に連動して、エフェクト演出が実行される。
このように通常演出モードでは、第1演出制御部44が特別遊技判定部21aの判定結果に基づいて決定する演出パターンに、演出ボタン6、可動役物14および可動ランプ9のそれぞれを移動させる特定移動演出が含まれていれば、その演出パターンに基づいて特定移動演出が実行される。
これに対し、図8は、特殊演出モードにおいて実行される遊技演出の一例を示すタイミングチャートである。この図8においても、図7と同様、6回の図柄変動演出が行われた後、6回目の図柄変動演出が大当たりとなって特別遊技演出が開始される例を示している。また、1回目から6回目の図柄変動演出の演出パターンPA1,PA2,PA3,PA4,PA5,PA6、および、タイミングT6から開始される特別遊技演出の演出パターンPB1についても、図7と同様である。
図8に示すように、特殊演出モードでは、演出ボタン6、可動役物14および可動ランプ9の全てが第2位置へ移動したままの動作状態となって保持される。そのため、3回目の演出パターンPA3に基づく図柄変動演出が実行されている場合でも、特定のタイミングTaにおいて演出ボタン6を移動させる特定移動演出は実行されず、その特定移動演出に連動して行うエフェクト演出も実行されない。また6回目の演出パターンPA3に基づく図柄変動演出が実行されている場合も同様であり、特定のタイミングTbにおいて演出ボタン6、可動役物14および可動ランプ9の全てを移動させる特定移動演出は実行されず、その特定移動演出に連動して行うエフェクト演出も実行されない。さらに、タイミングT6で開始される演出パターンPB1に基づく特別遊技演出が実行されている場合においても同様であり、特定のタイミングTcで演出ボタン6、可動役物14および可動ランプ9の全てを移動させる特定移動演出は実行されず、その特定移動演出に連動して行うエフェクト演出も実行されない。
また特殊演出モードでは、演出ボタン6が遊技者によって押し込み操作されると、第2位置から一旦第1位置へと戻るが、その後、保持演出制御部48が再びボタン駆動部16を駆動することにより、演出ボタン6を上昇させて第2位置へ移動させる。つまり、特殊演出モードでは、遊技者が演出ボタン6を繰り返し操作したとしても、演出ボタン6は、その都度、第2位置へ復帰して動作状態を継続する。
このような特殊演出モードにおける保持演出は、解除条件が成立するまで、特別遊技判定部21aにおける判定結果に関わらず継続する。そのため、遊技者にとっては通常演出モードでは発生し得ない保持演出が行われたままで遊技を進行させることができる。その結果、遊技者は、一種の達成感を得た状態のまま、遊技を継続することができる。
また演出モードが特殊演出モードであるときには、上述したように、仮に第1演出制御部44において決定された演出パターンに、可動装置15を特定のタイミングで動作させる演出が含まれている場合であっても、第2演出制御部46は、特定のタイミングでは可動装置15を動作させないように制御する。このとき、エフェクト演出も実行しないように制御する。したがって、特殊演出モードにおいて仮に可動装置15が動作する演出パターンが実行対象として決定されたときでも、遊技機1において行われる演出が、不自然な演出となってしまうことを防止することができるようになる。
次に演出制御基板40において行われる具体的な動作について説明する。まず図9は、上述した第1演出制御部44によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば遊技機1に電源が投入されることに伴って開始される。第1演出制御部44は、この処理を開始すると、メイン制御基板20から変動開始コマンドC1を受信したか否かを判断する(ステップS10)。変動開始コマンドを受信している場合(ステップS10でYES)、第1演出制御部44は、図柄変動演出用の複数の演出パターン42aの中から、その変動開始コマンドC1に対応する一の演出パターンを決定し(ステップS11)、図柄変動演出の実行を開始する(ステップS12)。第1演出制御部44は、メイン制御基板20から変動停止コマンドを受信するまで、図柄変動演出の実行処理を行い、変動停止コマンドを受信すると(ステップS13でYES)、図柄変動演出を終了させて大当たり抽選の結果を表示させると共に、遊技情報43aを更新する(ステップS14)。尚、メイン制御基板20から変動開始コマンドC1を受信していない場合(ステップS10でNO)には、ステップS11〜S14の処理は行われない。
次に第1演出制御部44は、メイン制御基板20から特別遊技開始コマンドC2を受信したか否かを判断する(ステップS15)。特別遊技開始コマンドC2を受信している場合(ステップS15でYES)、第1演出制御部44は、遊技情報43aを読み出し(ステップS16)、特別遊技演出用の複数の演出パターン42aの中から、連続大当たり回数N2に対応する一の演出パターンを決定し(ステップS17)、特別遊技演出の実行を開始する(ステップS18)。第1演出制御部44は、メイン制御基板20から特別遊技終了コマンドを受信するまで、特別遊技演出の実行処理を行い、特別遊技終了コマンドを受信すると(ステップS19でYES)、特別遊技演出を終了させると共に、遊技情報43aを更新する(ステップS20)。尚、メイン制御基板20から特別遊技開始コマンドC2を受信していない場合(ステップS15でNO)には、ステップS16〜S20の処理は行われない。以後、第1演出制御部44は、上記のような処理を繰り返し実行する。
このように本実施形態おける第1演出制御部44は、演出モードが通常演出モードと特殊演出モードとのいずれであっても、共通した処理を行うように構成される。ただし、必ずしもこれに限られるものではなく、第1演出制御部44は、演出モードが通常演出モードである場合に選択する演出パターンと、演出モードが特殊演出モードである場合に選択する演出パターンとを切り替えるようにし、通常演出モードと特殊演出モードのそれぞれにおいて実行する図柄変動演出および特別遊技演出の内容を変更するような処理を行うようにしても良い。
次に、図10は、演出モード設定部45によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理もまた、遊技機1に電源が投入されることに伴って開始される処理である。演出モード設定部45は、この処理を開始すると、まず演出モードを通常演出モードに設定し(ステップS30)、その後、演出モードを移行させるために繰り返し行うループ処理(ステップS31〜S37)へと進む。
ループ処理へと進むと、演出モード設定部45は、まず遊技情報43aを読み出す(ステップS31)。そして現在の演出モードが通常演出モードであるか否かを確認し(ステップS32)、通常演出モードであれば(ステップS32でYES)、特殊演出モードへの移行条件が成立しているか否かを判断する(ステップS33)。ここでは、例えば、第1演出制御部44によって連続大当たり回数N2が10回目となる特別遊技演出が実行され、その特別遊技演出の実行中に特定の遊技演出が行われた場合に移行条件成立と判断する。また、その他の移行条件が成立しているか否かも判断する。その結果、移行条件が成立している場合(ステップS33でYES)、演出モード設定部45は、演出モードを特殊演出モードに設定する(ステップS34)。尚、現在の演出モードが通常演出モードでなかった場合(ステップS32でNO)、或いは、特殊演出モードへの移行条件が成立していない場合(ステップS33でNO)、ステップS34の処理は行われない。
次に演出モード設定部45は、現在の演出モードが特殊演出モードであるか否かを確認し(ステップS35)、特殊演出モードであれば(ステップS35でYES)、特殊演出モードを終了して通常演出モードへ戻すための解除条件が成立しているか否かを判断する(ステップS36)。ここでは、例えば、連続大当たり回数N2が0にリセットされたか否かが判断され、リセットされていれば解除条件成立となる。また、演出モード設定部45は、その他の解除条件が成立しているか否かも判断する。その結果、解除条件が成立している場合(ステップS36でYES)、演出モード設定部45は、演出モードを通常演出モードに設定する(ステップS37)。尚、現在の演出モードが特殊演出モードでなかった場合(ステップS35でNO)、或いは、特殊演出モードの解除条件が成立していない場合(ステップS36でNO)、ステップS37の処理は行われない。
演出モード設定部45は、上記のような処理を遊技機1が稼働している間、繰り返し実行することにより、メイン制御基板20の制御によって進行される遊技状態に応じた演出モードを設定する。
次に図11は、第2演出制御部46によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理もまた、遊技機1に電源が投入されることに伴って開始される処理である。第2演出制御部46は、この処理を開始すると、まず第1演出制御部44による図柄変動演出の実行中であるか否かを判断する(ステップS40)。図柄変動演出の実行中である場合(ステップS40でYES)、第2演出制御部46は、可動装置15を動作させる特定のタイミングとなったか否かを判断し(ステップS41)、特定のタイミングになると、可動装置15を駆動して第1位置から第2位置へ移動させると共に、再び第1位置へと戻すことにより、可動装置15による特定移動演出を実行させる(ステップS42)。このとき、第2演出制御部46は、必要に応じて、可動装置15による特定移動演出に連動させて行うエフェクト演出の実行を制御する。尚、図柄変動演出の実行中でない場合(ステップS40でNO)、又は、図柄変動演出の実行中であっても可動装置15を動作させる特定のタイミングになっていない場合(ステップS41でNO)には、ステップS42の処理は行われない。また、第1演出制御部44によって実行される図柄変動演出の演出パターンに可動装置15を動作させる演出が含まれていない場合にも、ステップS42の処理は行われない。
次に第2演出制御部46は、第1演出制御部44による特別遊技演出の実行中であるか否かを判断する(ステップS43)。特別遊技演出の実行中である場合(ステップS43でYES)、第2演出制御部46は、可動装置15を動作させる特定のタイミングとなったか否かを判断し(ステップS44)、特定のタイミングになると、可動装置15を駆動して第1位置から第2位置へ移動させると共に、再び第1位置へと戻すことにより、可動装置15による特定移動演出を実行させる(ステップS45)。このときもまた、第2演出制御部46は、必要に応じて、可動装置15による特定移動演出に連動させて行うエフェクト演出の実行を制御する。尚、特別遊技演出の実行中でない場合(ステップS43でNO)、又は、特別遊技演出の実行中であっても可動装置15を動作させる特定のタイミングになっていない場合(ステップS44でNO)には、ステップS42の処理は行われない。また、第1演出制御部44によって実行される特別遊技演出の演出パターンに可動装置15を動作させる演出が含まれていない場合にも、ステップS42の処理は行われない。
そして第2演出制御部46は、演出モードが特殊演出モードに切り替えられたか否かを判断し(ステップS46)、特殊演出モードへの切り替えが行われていない場合(ステップS46でNO)には、ステップS40に戻って上述した処理を繰り返す。つまり、ステップS40〜S46の処理は、第2演出制御部46において移動演出制御部47が機能することによって行われる処理である。
これに対し、特殊演出モードへの切り替えが行われた場合(ステップS46でYES)、第2演出制御部46は、可動装置15が第2位置へ移動したままの動作状態となっているか否かを判断し(ステップS47)、動作状態となっていない場合(ステップS47でNO)には、可動装置15を駆動して第1位置から第2位置へと移動させることにより動作状態とする(ステップS48)。一方、可動装置15が動作状態となっていれば(ステップS47でYES)、その動作状態をそのまま継続させて保持する。
そして第2演出制御部46は、演出モードが通常演出モードに切り替えられたか否かを判断し(ステップS49)、通常演出モードへの切り替えが行われていない場合(ステップS49でNO)には、ステップS47に戻って上述した処理を繰り返す。これにより、特殊演出モードにおいて、例えば演出ボタン6が第2位置へ上昇しているときに遊技者による押し込み操作が行われた場合であっても、演出ボタン6はその度に繰り返し上昇駆動され、第2位置へ上昇した状態を保持する。
一方、通常演出モードへの切り替えが行われた場合(ステップS49でYES)、第2演出制御部46は、可動装置15を第2位置から第1位置へ戻すべく、可動装置15を駆動して元の待機状態へと戻す(ステップS50)。これにより、特殊演出モードにおいて可動装置15の動作状態が継続する保持演出が終了する。上記ステップS47〜S50の処理は、第2演出制御部46において保持演出制御部48が機能することによって行われる処理である。その後、第2演出制御部46による処理は、ステップS40へと戻り、上述した処理が繰り返し行われる。
以上のように、本実施形態の遊技機1は、始動条件の成立により遊技者にとって有利な特別遊技を行うか否かを判定する特別遊技判定部21aと、特別遊技判定部21aによる判定結果に基づいて演出装置に遊技演出を行わせる第1演出制御部44と、第1演出制御部44による遊技演出が行われているときに、第1位置または第2位置に移動可能な可動装置15に移動演出を行わせる第2演出制御部46と、第1演出制御部44により行われた遊技演出に基づいて通常演出モードおよび特殊演出モードの何れかの演出モードを設定する演出モード設定部45とを備えている。そして第2演出制御部46は、演出モード設定部45により通常演出モードが設定されているときには、特別遊技判定部21aによる判定結果に基づいて可動装置15を第1位置から第2位置に移動させてから第1位置に移動させる特定移動演出を行わせるのに対し、演出モード設定部45により特殊演出モードが設定されているときには、特別遊技判定部21aによる判定結果に関わらず、可動装置15を第2位置に移動させた状態を継続して保持させる保持演出を行わせる構成である。
したがって、演出モードが通常演出モードであるときに、比較的長時間に亘って遊技を行ってきた遊技者にとっては、演出モードが特殊演出モードへ移行すると、それまでとは全く異なった遊技状態になったことを視覚的に明らかに把握することができるようになり、それによって一種の達成感を得ることができる。その結果、それまでの遊技によって蓄積していた疲労感をある程度緩和させることができるようになる。
また本実施形態の遊技機1は、特別遊技判定部21aにより特別遊技を行うと判定された場合、当該特別遊技を行う特別遊技実行部21bを更に備えている。そして第1演出制御部44は、特別遊技実行部21bによって特別遊技が行われているときには、画像表示器12などの演出装置に特定の遊技演出を行わせることが可能であり、演出モード設定部45は、通常演出モードを設定しているときに特別遊技実行部21bによって特別遊技が行われ、当該特別遊技において第1演出制御部44による特定の遊技演出が行われることを条件に、特殊演出モードを設定する構成である。
このような構成によれば、例えば連続大当たり回数N2が所定回数となったときに行われる特別遊技中に、第1演出制御部44が特定の遊技演出を実行するように予め設定しておくことにより、演出モードを通常演出モードから特殊演出モードへ移行させることができる。その場合、遊技者は、連続大当たり回数N2が所定回数となることにより、一種の達成感を得ることができるようになり、興趣性の高い遊技機1が実現されるようになる。
また本実施形態の演出モード設定部45は、通常演出モードを設定しているときには、遊技情報43aにおいて特定の遊技情報が記憶されることを条件に、演出モードを特殊演出モードに設定する構成である。そのため、遊技機1において特別遊技が行われない場合であっても、演出モードを特殊演出モードへ移行させることが可能であり、遊技者に対して一種の達成感を付与することができるようになる。
さらに本実施形態の遊技機1は、演出モードが特殊演出モードである場合、メイン制御基板20の制御によって進行される遊技状態が所定の解除条件を満たすことにより、演出モードを特殊演出モードから通常演出モードへと戻す構成である。つまり、特殊演出モードにおいて可動装置15が動作し続ける演出は、所定の解除条件が成立すると終了し、その後は通常演出モードによる演出が実行されるようになる。したがって、特殊演出モードにおける演出は、所定の解除条件が成立するまでの限られた期間だけで行われる演出となるため、演出モードが特殊演出モードへ移行すると、遊技機1で遊技を行う遊技者だけでなく、その周囲の遊技者も、特殊演出モードにおいて実行される保持演出に注目するようになる。
また特殊演出モードにおいて所定の解除条件が成立した場合に演出モードを通常演出モードへ戻すことにより、遊技を継続する遊技者にとっては、遊技機1における演出モードを繰り返し特殊演出モードへと移行させることも可能である。それ故、遊技機1の興趣性をより一層向上させることができるようになる。
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば、上記実施形態において説明した演出モードを移行させる条件(解除条件を含む)は、単なる一例であり、上記以外の条件に基づいて演出モードを移行させるようにしても良い。また演出モードを特殊演出モードへ移行させる要因となったモード移行条件に応じて、演出モードを通常演出モードへ戻すための解除条件をその都度設定するようにしても良い。