JP5863854B2 - 温風乾燥システム及び温風乾燥方法 - Google Patents
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Description
この昇温された温風は、乾燥工程において、被乾燥物である穀物と直接接触させることで、水分を蒸発させて乾燥を行っている(特許文献1及び2)。
1) 入口から導入する乾燥空気を常に常温から所定乾燥ガス温度まで昇温させる必要があるため、入口昇温工程において大きなエネルギー供給が必要である。
2) 穀物の温風乾燥では、乾燥処理後の乾燥装置からの排出ガスの温度が例えば30℃前後と低く、廃熱回収が難しく、乾燥処理後の排出ガスの熱エネルギーの損失となる。
前記再生装置から排出蒸気を排出する蒸気排出ラインと、前記蒸気排出ラインに前記排出蒸気の水分を計測する水分計と、を有し、前記再生装置で水分吸脱着材を再生した加温ガスを、前記乾燥用温風ガスとして循環再利用すると共に、前記排出蒸気が所定の水分量以下となったことを前記水分計で確認した後、前記加温ガスラインに介装されたバルブを閉じ、前記バイパスラインに介装されたバルブを解放し、前記乾燥装置に加温ガスを直接導入することを特徴とする温風乾燥システムにある。
相対蒸気圧=(吸着材周囲の水蒸気の圧力)/(吸着材の温度での水蒸気の飽和圧力)
・・・(1)
相対蒸気圧=(吸着材周囲の水蒸気の圧力)/(吸着材の温度での水蒸気の飽和圧力)
・・・(1)
例えば、入れ替え時間が短ければ水分吸脱着材が少なく済むが入れ替え動力・コストが増加し、逆に、入れ替え時間が長ければ水分吸着材が大きくなるので入れ替え動力・コストが少なくなる。
相対蒸気圧=(吸着材周囲の水蒸気の圧力)/(吸着材の温度での水蒸気の飽和圧力)
・・・(1)
ここで、図2に示すように、横軸の温度が高い(左側)場合には、水分を放出し、温度が低い(右側)の場合には、水分を吸収する。
図2では、一例として水分吸脱着材I及び水分吸脱着材IIでは、相対蒸気圧の差が0.7程度と大幅に小さいものを用いている。なお、水分吸脱着剤IIIは、例えばシリカゲルのような温度変化がリニアに変化するものである。
このように、被乾燥物11の乾燥に際して、水分を吸収及び放出するための温度差として約7℃程度の温度差があれば良いこととなる。
図3に示すように、例えば被乾燥物11として籾(温度16℃、含水率18%)を乾燥して乾燥製品(乾燥籾:温度32℃、含水率14.5%)11Aとする場合について説明する。
乾燥装置13で被乾燥物11を乾燥して蒸気22が同伴された排出ガス12Bは温度32℃、41%RH(絶対湿度:0.012kg/kg−DA)の低温で低湿分のガスとなる。
なお、ガスが再循環利用されるので、乾燥装置13内で発生する粉塵を除去するために、水分除去装置15の前流側において、粉塵除去装置41を設置するようにしてもよい。
図4に示すように、例えば被乾燥物11として籾(温度16℃、含水率18%)を乾燥して乾燥籾(温度32℃、含水率15%)とする際、処理量を例えば31トン/時間処理する場合、再循環ガスを利用するので、ヒータ加熱に要するエネルギーは約1080kWと低いものとなる。
同様に、被乾燥物11として籾(温度16℃、含水率18%)を乾燥して乾燥籾(温度32℃、含水率15%)とする際、処理量を31トン/時間処理する場合、温風ガスのヒータ加熱に要するエネルギーは約2400kWを要していた。
そして、乾燥では、熱交換量が−1080kWとなり、蒸発水分が1.3トン/時間となり、乾燥装置からの水分を含む排出ガスは系外に−1300kWの廃熱として排出され、この廃熱が大幅なエネルギーの損失分となり、問題であった。
図6−1に示すように、本実施例に係る温風乾燥システム10Bは、再生装置17をバイパスするバイパスラインL7が設けられている。
水分吸脱着材14を再生装置17で再生処理する場合、水分吸脱着材14から水分が所定量除去された後に、加温ガス12Dを通過することは、加温ガス12Dの温度が低下するので好ましくない。
図7に示すように、本実施例に係る温風乾燥システム10Cは、水分吸脱着材14を例えばカートリッジに充填し、このカートリッジを内装する第1の水分除去・再生装置31と、第2の水分除去・再生装置32とを設け、これに乾燥装置13から排出される乾燥後の水分を含む排出ガス12Bの排出ラインL2を分岐部Aで分岐した第1排出ラインL2-1と第2排出ラインL2-2を接続している。そして、第1排出ラインL2-1にはバルブV11を、第2排出ラインL2-2にはバルブV21を介装している。ここで、図7及び図8において水分吸脱着材14aは水分を吸着する能力を有する状態のもの、水分吸脱着材14bは水分を吸着する能力が低下した状態のものを各々示す。
この乾燥装置13内で乾燥処理がなされたガスは、被乾燥物11から水分を除去する際、蒸気22が同伴され、水分を含む排出ガス12Bが排出される。
排出ガス12Bは、分岐部AにおいてバルブV11が解放されている第1排出ラインL2-1を通過して、第1の水分除去・再生装置31に導入される。
再生後のガスは、第2の導入ラインL1-2を介して合流部Fで導入ラインL1と接続され、乾燥用温風ガス12Aとして、乾燥装置13に導入し、被乾燥物11を直接乾燥する。
11 被乾燥物
11A 乾燥製品
12A 乾燥用温風ガス
12B 排出ガス
12C 除湿ガス
12D 加温ガス
13 乾燥装置
14 水分吸脱着材
15 水分除去装置
16 加温装置
17 再生装置
Claims (10)
- 被乾燥物を導入し、導入される乾燥用温風ガスにより被乾燥物を直接乾燥する乾燥装置と、
前記乾燥装置から排出される乾燥後の水分を含む排出ガスを導入し、該水分を含む排出ガスから、水分吸脱着材により水分を除去する水分除去装置と、
水分除去後の除湿ガスを所定温度まで加温する加温装置と、
前記加温装置により加温された加温ガスを用いて、水分を吸着した前記水分吸脱着材を再生して水分を放出する再生装置と、
前記再生装置から乾燥用温風ガスを前記乾燥装置へ導入する導入ラインと、
前記乾燥装置から乾燥後の水分を含む排出ガスを前記水分除去装置へ排出する排出ラインと、
前記水分除去装置から前記除湿ガスを前記加温装置へ送給する除湿ガスラインと、
前記加温装置から加温ガスを前記再生装置へ送給する加温ガスラインと、
前記再生装置をバイパスして前記加温ガスを加温ガスラインと導入ラインとを接続するバイパスラインと、
前記再生装置に外部から大気を導入する大気導入ラインと、
前記再生装置から排出蒸気を排出する蒸気排出ラインと、
前記蒸気排出ラインに前記排出蒸気の水分を計測する水分計と、を有し、
前記再生装置で水分吸脱着材を再生した加温ガスを、前記乾燥用温風ガスとして循環再利用すると共に、
前記排出蒸気が所定の水分量以下となったことを前記水分計で確認した後、前記加温ガスラインに介装されたバルブを閉じ、前記バイパスラインに介装されたバルブを解放し、前記乾燥装置に加温ガスを直接導入することを特徴とする温風乾燥システム。 - 請求項1において、
前記乾燥装置に加温ガスを直接導入する際、
前記加温装置での加温を乾燥用温風ガスの温度条件に変更することを特徴とすることを特徴とする温風乾燥システム。 - 請求項1又は2において、
前記水分吸脱着材が、下記式(1)の相対蒸気圧の変化幅が、0.05〜0.10の吸着量差を有することを特徴とすることを特徴とする温風乾燥システム。
相対蒸気圧=(吸着材周囲の水蒸気の圧力)/(吸着材の温度での水蒸気の飽和圧力)・・・(1) - 請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
前記水分除去装置と、前記再生装置とを交互に切り替える切り替えラインを設け、水分吸脱着材を交互に用いて、乾燥後の水分を含む排出ガスを乾燥すると共に、水分を吸着した前記水分吸脱着材を再生することを特徴とする温風乾燥システム。 - 請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
前記被乾燥物が穀物であることを特徴とすることを特徴とする温風乾燥システム。 - 被乾燥物を導入し、導入される乾燥用温風ガスにより被乾燥物を乾燥装置で直接乾燥する乾燥工程と、
前記乾燥工程から排出される乾燥後の水分を含む排出ガスを導入し、該水分を含む排出ガスから、水分吸脱着材により水分を除去する水分除去工程と、
水分除去後の除湿ガスを所定温度まで加温装置で加温する加温工程と、
前記加温工程により加温された加温ガスを用いて、水分を吸着した前記水分吸脱着材を再生して水分を排出蒸気として外部に放出する再生工程と、
前記排出蒸気が所定の水分量以下となったことを水分計で確認する工程と、
所定の水分量以下となった際、前記再生工程で導入する前記加温ガスをバイパスして、前記乾燥装置に前記加温ガスを直接導入する工程と、を備えることを特徴とする温風乾燥方法。 - 請求項6において、
前記乾燥装置に加温ガスを直接導入する際、前記加温装置での加温を乾燥用温風ガスの温度条件に変更することを特徴とすることを特徴とする温風乾燥方法。 - 請求項6又は7において、
前記水分吸脱着材が、下記式(1)の相対蒸気圧の変化幅が、0.05〜0.10の吸着量差を有することを特徴とすることを特徴とする温風乾燥方法。
相対蒸気圧=(吸着材周囲の水蒸気の圧力)/(吸着材の温度での水蒸気の飽和圧力)
・・・(1) - 請求項6乃至8のいずれか一つにおいて、
前記水分除去工程と前記再生工程とを交互に切り替え、水分吸脱着材を交互に用いて、乾燥後の水分を含む排出ガスを乾燥すると共に、水分を吸着した前記水分吸脱着材を再生することを特徴とする温風乾燥方法。 - 請求項6乃至9のいずれか一つにおいて、
前記被乾燥物が穀物であることを特徴とすることを特徴とする温風乾燥方法。
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