JP5863246B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Description
特許文献1では、電動モータの回転角を検出する回転角センサが、電動モータの底部に配置されている。また、特許文献2では、電動モータの回転角を検出する回転角センサが、電動モータのモータ室内において、電動モータのロータよりも減速機構側に配置されている。
特許文献1,2では、回転角センサと回転角センサからの信号を入力する制御基板との間を電気的に接続するための経路が長くなるため、電動パワーステアリング装置が大型化し、また、構造が複雑になる。
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、構造が簡単で小型化を図ることができ、しかも回転角センサの性能劣化を防止することができる車両用操舵装置を提供することである。
本発明によれば、カバーの隔壁部が、磁電変換素子および検出マグネットの対向面間を横切って配置されているものの、検出マグネットの対向面に隣接する空間の側方を第2封止部で覆っているので、金属摩耗粉等の、検出マグネットへの付着を確実に防止することができる。
図1は、本発明の一参考の形態に係る電動パワーステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。
図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、操舵部材としてのステアリングホイール2と、ステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪3を転舵する転舵機構4と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構5とを備えている。ステアリングホイール2と転舵機構4とは、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して機械的に連結されている。
ステアリングシャフト6は、ステアリングホイール2に連結された入力軸8と、中間軸7に連結された出力軸9とを含む。入力軸8と出力軸9とは、トーションバー10を介して同一軸線上で相対回転可能に連結されている。
ピニオン軸13は、中間軸7に連結されている。ピニオン軸13は、ステアリングホイール2の操舵に連動して回転するようになっている。ピニオン軸13の先端(図1では下端)には、ピニオン16が設けられている。
操舵補助機構5は、操舵補助用の電動モータ18と、電動モータ18の出力トルクを転舵機構4に伝達するための減速機構19とを含む。減速機構19は、電動モータ18の駆動力が入力される駆動ギヤ(入力軸)としてのウォーム軸20と、このウォーム軸20と噛み合う従動ギヤとしてのウォームホイール21とを含む。減速機構19は、ギヤハウジング23内に収容されている。
電動モータ18がウォーム軸20を回転駆動すると、ウォーム軸20によってウォームホイール21が回転駆動され、ウォームホイール21およびステアリングシャフト6が一体回転する。これにより、操舵補助力がステアリングシャフト6に伝達される。
ギヤハウジング23は、アルミニウム合金等を用いて形成された一体成形品である。このギヤハウジング23は、駆動ギヤとしてのウォーム軸20を収容する筒状の駆動ギヤ収容部26と、従動ギヤとしてのウォームホイール21を収容する従動ギヤ収容部27とを含んでいる。
電動モータ18のモータハウジング25は、一端が閉じられた円筒状に形成されている。モータハウジング25の他端は、ECUハウジング24の第1ハウジング28に形成された環状の凸部28cに嵌め込まれており、第1ハウジング28の環状の段部28aに受けられている。モータハウジング25の他端は、図示しない固定ねじを用いて第1ハウジング28に固定されている。
ステータ45は、モータハウジング25の内周に固定されている。ステータ45は、モータハウジング25の内周に固定されたステータコア46と、複数のコイル47とを含む。ステータコア46は、ステータコア46の環状のヨークと、このヨークの内周から径方向内方へ突出する複数のティースとを含む。各コイル47は対応するティースに巻回されている。
ロータ44は、ロータマグネットを含む環状の部材であり、電動モータ18の出力軸49と一体回転可能に連結されている。出力軸49は、連結軸50と単一の材料を用いて一体に形成されている。連結軸50は、出力軸49とウォーム軸20とを同軸に連結するために設けられている。
収容室40には、電動モータ18の回転角を検出するための回転角センサ55が配置されている。回転角センサ55は、連結軸50と一体回転する継手60の入力部材61に一体回転可能に連結された例えば環状の検出マグネット56と、検出マグネット56の回転による磁束変化に応じた出力を発生する磁電変換素子57とを含んでいる。
図3は、図2のECU12周辺の拡大図である。図3に示すように、ECU12は、制御基板67を保持する保持部材としての第1ハウジング28によって保持されたカバー68を含んでいる。カバー68は、検出マグネット56および磁電変換素子57の対向面56a,57a間の空間S1(磁電変換素子57に対する検出マグネット56の対向面56aに隣接する空間に相当)が、減速機構19側へ連通することを防止する機能を果たしている。
入力部材61は、金属製の一体成形品であり、収容室40に収容されている。入力部材61は、連結軸50に固定される第1部分61aと、第1部分61aから延びる第2部分61bとを含んでいる。第1部分61aは、筒状に形成されており、連結軸50のうち筒状部32から突出する先端部50aに圧入等により固定されている。第2部分61bは、第1部分61aから径方向外方に拡がっている。第2部分61bには、入力部材61の周方向に等間隔に並ぶ爪部61cが形成されている。
ECU12は、前記ECUハウジング24と、パワー基板65と、電源モジュール66と、前記制御基板(基板)67と、検出マグネット56および磁電変換素子57の対向面間56a,57aの空間S1が減速機構19側に連通することを防止する前記カバー68とを含んでいる。パワー基板65と、電源モジュール66と、制御基板67と、カバー68とは、収容室40に配置されている。
周壁部95は、製造工程において制御基板67の裏面67bの半田付けの状態を目視検査するために第1ハウジング28に設けられた窓部92,93を、検査後に閉塞する閉塞部としても機能する。
図4に示すように、第1封止部77は、隔壁部96の挿通孔96aの内周と、検出マグネット56を連結軸50に同伴回転可能に支持する支持部材としての入力部材61の外周(具体的には、第2部分61bの外周61d)との間を封止している。
カバー68によって、収容室40は、第1収容室41と第2収容室42とに分けられている。第1収容室41には、制御基板67、パワー基板65および電源モジュール66が収容されている。第2収容室42は、駆動ギヤ収容部26と連通している。
パワー基板65は、底壁30の厚肉部30b上に配置されている。パワー基板65には、スイッチング素子としてのFET(Field Effect Transistor )69が例えば6個実装されている(図3において、1つのFET69を例示)。これらのFET69等により、電動モータ18を駆動するためのパワー回路70が形成されている。パワー基板65のパワー回路70と、前述のバスバー48とは、バスバー端子71等を介して電気的に接続されている。パワー基板65のFET69の熱は、厚肉部30bを介してECUハウジング24の外部に放出されるようになっている。
主体部72は、筒状部32を取り囲む環状(枠状)に形成されており、周壁31に沿わされている。また、主体部72は、第1ハウジング28の底壁30に沿わされており、この底壁30に固定されている。主体部72は、底壁30の厚肉部30bに隣接する第1部分72aと、底壁30の薄肉部30aに隣接する第2部分72bとを含んでいる。
電源バスバー73は、主体部72に保持された導電部材である。電源バスバー73は、パワー基板65に接続されているとともに、主体部72に設けられたコネクタ(図示せず)に接続されている。コネクタは、車両のバッテリに電気的に接続されるようになっている。これにより、バッテリとパワー基板65のパワー回路70とは電気的に接続され、パワー回路70に電力が供給される。電源バスバー73には、図示しないコイルやコンデンサ等の電気素子が接続されており、これらの電気素子は主体部72に保持されている。
制御回路75とパワー回路70とは、接続端子74を介して電気的に接続されている。各半田部材76は、制御基板67の裏面67bに配置されている。このように、各半田部材76の形状(バックフィレット形状)は、制御基板67の表面67aからは実質的に視認できないようになっている。本実施形態では、各半田部材76の形状を制御基板67の外側方(制御基板67の裏面67bと平行な方向)から視認できるようになっている。
これらの支柱81,82,83上に、制御基板67が載置されている。制御基板67は、固定ねじ84,85,86を用いて対応する支柱81,82,83に固定されている。
また、検出マグネット56および磁電変換素子57の対向面56a,57a間の空間S1(磁電変換素子57に対する検出マグネット56の対向面56aに隣接する空間に相当)が、減速機構19側に連通することをカバー68によって防止している。したがって、減速機構19側からの油や金属摩耗粉等が、回転角センサ55の検出マグネット56の対向面56aに付着することをカバー68によって確実に防止することができるので、回転角センサ55の検出性能が劣化することがない。
また、制御基板67を含むECU12の他の電子部品に、油や金属摩耗粉が付着することを防止し、ECU12の信頼性を向上することができる。
次いで、図6,図7および図8は本発明の一実施の形態を示している。本実施の形態が図3〜図5の参考の形態と主に異なるのは、下記である。図6〜図8の構成要素において、図3〜図5の構成要素と同じ構成要素には、図3〜図5の構成要素と同じ参照符号を付してある。図6および、主に図7を参照して、カバー168が、周壁部95と、隔壁部196と、第1封止部177と、一対の第2封止部178,179と、固定部97,98とを備えている。図8に示すように、カバー168の隔壁部196が、回転角センサ55の検出マグネット56および磁電変換素子57の対向面56a,57a間を横切って配置されている。
一対の第2封止部178,179は、回転角センサ55の検出マグネット56の対向面56aとこれに対向する隔壁部196の対向面196bとの間の空間S2(検出マグネット56の対向面56aに隣接する空間に相当)の側方を覆っている。具体的には、第2封止部178は、環状をなす検出マグネット56の周囲を取り囲む環状をなしており、空間S2の径方向外方を閉塞している。第2封止部179は、環状をなす入力部材61の第1部分61aと環状をなす検出マグネット56との間に配置されて、環状をなしており、空間S2の径方向内方を閉塞している。
カバー168の隔壁部196が、検出マグネット56および磁電変換素子57の対向面56a,57aの間を横切って配置されている。もともと、回転角センサ55の磁電変換素子57と検出マグネット56との間には、所定の隙間を設けることが必要である。その隙間にカバー168の隔壁部196を配置するので、空きスペースを有効に利用して小型化に寄与することができる。
なお、第1封止部177が、検出マグネット56を支持する支持部材(例えば継手60の入力部材61)と同伴回転可能に連結されていてもよい。その場合、第1封止部177は、隔壁部196と摺接することになる。
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、例えば、図示していないが、第1封止部77,177や第2封止部178,179が、当該第2封止部178,179に対して相対回転する部材に対して摺接せずに、ラビリンスを用いて非接触で封止するように構成されていてもよい。その場合にも、検出マグネット56の対向面56aに隣接する空間が減速機構19側へ実質的に連通することを防止することができる。
また、図示していないが、各封止部が摺接部を有している場合、その摺接部に公知のリップ構造を採用してもよい。その他、本発明は、請求項記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
Claims (3)
- 電動モータと、
前記電動モータの回転を減速する減速機構と、
前記電動モータと前記減速機構との間に配置され前記電動モータを制御する制御装置と、
前記電動モータの回転角を検出する回転角センサと、
前記電動モータの出力軸と前記減速機構の入力軸とを同軸に連結する連結軸と、を備え、
前記回転角センサは、前記電動モータの回転に伴って回転する検出マグネットと、前記検出マグネットの回転による磁束変化に応じた出力を発生する磁電変換素子と、を含み、 前記制御装置は、前記磁電変換素子を実装した基板と、この基板を保持する保持部材と、この保持部材に直接または間接的に保持され、前記磁電変換素子に対する前記検出マグネットの対向面に隣接する空間が前記減速機構側に連通することを防止するカバーと、を含み、
前記カバーは、前記検出マグネットと前記減速機構との間に配置された隔壁部と、第1封止部と、前記空間の側方を覆う第2封止部と、を含み、
前記隔壁部は、前記連結軸が挿通された挿通孔を有し、
前記隔壁部は、前記検出マグネットの前記対向面およびこれに対向する前記磁電変換素子の対向面の間を横切って配置されており、
前記第1封止部は、前記隔壁部の前記挿通孔の内周と前記連結軸の外周との間、または、前記隔壁部の前記挿通孔の前記内周と前記検出マグネットを前記連結軸に同伴回転可能に支持する支持部材の外周との間の少なくとも一方を封止するように構成されている車両用操舵装置。 - 請求項1において、前記第2封止部は、前記検出マグネットに対向する前記隔壁部の対向面と前記検出マグネットとの間、または、前記隔壁部の前記対向面と前記支持部材との間の少なくとも一方を封止するように構成されている車両用操舵装置。
- 請求項1または2において、前記第2封止部は、前記検出マグネットの側方を覆う車両用操舵装置。
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