JP5863010B2 - 定着装置の温度制御方法及び画像形成システム - Google Patents

定着装置の温度制御方法及び画像形成システム Download PDF

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Description

本発明は、印刷媒体上に転写された画像を熱と圧力により印刷媒体上に定着する定着装置の温度制御方法及び画像形成システムに関するものである。
従来より、電子写真式の画像形成装置において、印刷媒体上に転写されたトナー像を定着させる定着装置として、二本のローラ(加熱ロール、加圧ロール)を用いて印刷媒体上のトナー画像に熱および圧力を加えることにより定着する加熱加圧方式の定着装置が知られている。この定着装置は、加熱回転部材としての加熱ロールの内部に加熱ヒータを有し、加熱ロールの表面に対向して非接触状態で設置されたサーミスタが配置されている。そして、トナー像の定着に必要な目標制御温度とサーミスタの検出温度とを比較した結果に基づいて加熱ヒータをON/OFF制御することにより、加熱ロールの定着領域の表面温度を制御している。長尺に連続した印刷媒体であるウェブに印刷する場合は、加熱ロールと加圧ロールとによってウェブが加熱加圧作用を付与されながら挟持搬送されることにより、ウェブ上のトナー像を溶融定着する。
また、長尺に連続した印刷媒体であるウェブに対して二つの印刷装置を用いる画像形成システムが知られている。この画像形成システムは、第1の印刷装置でウェブの表面に対して画像を定着し、ターンバーを通してウェブを反転させ、第2の印刷装置でウェブの裏面に対して画像を定着する。この画像形成システムでは、印刷停止時に、第1の印刷装置内の定着装置やターンバーの中に停止したウェブが収縮したり変形したりするおそれがある。次の印刷再開時にウェブの収縮や変形した部分が第2の印刷装置内の定着装置で定着される際、定着不良となってしまう。
上記定着不良を防止するために、特許文献1には、印刷開始から第1の印刷装置の定着装置と第2の印刷装置の定着装置との間にあるウェブが定着されるのに十分な時間、通常の印刷中の目標制御温度に補正温度を加算し、通常印刷時より加熱ロールの表面温度を高くすることで、定着不良を改善する制御方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2には、印刷終了時の加熱ロールでの表面温度のオーバーシュートを低減する目的で、熱吸収ロール、或いはこれと併用して印刷停止とともに加熱ロールの表面温度を特定の温度まで強制冷却するエアーブロアを設ける構成が記載されている。
しかしながら、上記ウェブ上のトナー像を溶融定着する従来の定着装置の制御方法では、印刷を停止すると、加熱ロールと加圧ロールとが互いに離れてウェブが停止する。そのため、トナー像の定着に必要だった熱量が必要なくなり、一時的に加熱ロールの表面温度が急上昇する。この温度の急上昇現象は「オーバーシュート」と呼ばれている(例えば、特許文献2参照)。非接触式のサーミスタは、加熱ロールの周辺の空気を介して加熱ロールの表面温度を検出しているため、その検出に時定数があり、オーバーシュートの発生後はなかなかサーミスタの検出温度が下がらない。そのため、実際に加熱ロールの表面温度が低下し始めても、暫らくの間、高い検出温度を維持し続ける。
また、上記特許文献1に記載された制御方法では、通常印刷中より高い制御温度で印刷中に印刷が停止した場合、通常印刷中に印刷が停止した場合より大きなオーバーシュートが発生してしまう。その後、加熱ロールの表面温度が低下を始めても、サーミスタの検出温度は高いままほとんど変化しない。
このようにサーミスタの検出温度と実際の表面温度に差がある状態で次の印刷を実施すると、加熱ロールの表面温度が低いにもかかわらずサーミスタの検出温度が高いため、目標制御温度に補正温度を加算して求められた値よりも、サーミスタの検出温度が高いという状態となる。この場合、制御部は、加熱ヒータをオンすべき判断をせず、その結果、加熱ヒータはオンされない。このため、ウェブの印刷停止時に第1の印刷装置の定着装置やターンバーの中に停止していた部分に、熱量不足による定着不良が発生してしまうおそれがある。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、定着装置の加熱回転部材の表面温度のオーバーシュートが発生した後の印刷においても定着不良を防止できる定着装置の温度制御方法及び画像形成システムを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、加熱ヒータを内部に有する加熱回転部材の表面に非接触状態で対向するように配置された温度検知手段の検知温度に基づいて、前記加熱ヒータの温度制御を行う定着装置の温度制御方法であって、前記温度検知手段が前記加熱回転部材の目標制御温度Tt以上の温度Tdを検知した場合に、その検知温度Tdと前回の印刷停止から次の印刷開始までの停止時間とに基づいて補正温度Tcを求め、次の印刷に必要な前記加熱ロールの目標制御温度Ttに対して前記補正温度Tcを加算して補正目標制御温度Ttcを求め、該補正目標制御温度Ttcとなるように温度制御を行った後に次の印刷を開始することを特徴とするものである。
本発明によれば、印刷停止後に定着装置の加熱回転部材の表面温度のオーバーシュートが発生し、温度検知手段が加熱回転部材の目標制御温度Tt以上の温度Tdを検知した場合に、検知温度Tdと前回の印刷停止から次の印刷開始までの停止時間とに基づいて補正温度Tcを求める。ここで、印刷停止後からの時間経過に伴って検知温度Tdと加熱回転部材の表面温度との温度差が大きくなるが、この温度差を反映させるように上記補正温度Tcを求めることができる。この温度差を反映した補正温度Tcを、次の印刷に必要な前記加熱ロールの目標制御温度Ttに対して加算して補正目標制御温度Ttcを求め、その補正目標制御温度Ttcとなるように温度制御を行った後に次の印刷を開始する。従って、次の印刷において、加熱回転部材の表面温度を定着に十分な表面温度に維持され、定着不良を防止できる。以上のように、本発明によれば、定着装置の加熱回転部材の表面温度のオーバーシュートが発生した後の印刷においても定着不良を防止できる。
本発明の一実施形態に係る温度制御方法を適用可能な加熱加圧方式の定着装置の概略構成を示す斜視図。 本実施形態の定着装置を備えた電子写真式の印刷装置の構成例を示す概略構成図。 複数の印刷装置を備えた画像形成システムの全体構成例を示す概略構成図。 本実施形態の画像形成システムにおける定着装置の温度制御の一例を示すフローチャート。 本実施形態の画像形成システムにおいて印刷を停止した後の加熱ロールの表面温度及びサーミスタの検出温度の推移を示した実験結果のグラフ。 本実施形態の画像形成システムにおける定着装置の温度制御の更に他の例を示すフローチャート。 本実施形態の画像形成システムにおける定着装置の温度制御の更に他の例を示すフローチャート。 本実施形態の画像形成システムにおける定着装置の一連の温度制御の流れを示すタイムチャート。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明は本発明を実施するための形態の例であって、この特許請求の範囲における本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る温度制御方法を適用可能な加熱加圧方式の定着装置10の概略構成を示す斜視図である。この定着装置10は、後述の電子写真式の画像形成装置としての印刷装置に採用される。図1において、定着装置10は、ウェブ7を吸引する図示しない吸引装置と、予熱手段としてのプレヒータ12と、互いに接触対向するように配置された加熱回転部材としての加熱ロール13及び加圧回転部材としての加圧ロール14と、加熱ロール13の表面の定着領域の温度を検知する温度検知手段としてのサーミスタ17と、加熱ロール13を加熱する加熱手段(熱源)としての加熱ヒータ18と、を備えている。加圧ロール14は、加熱ロール13側に押付けられるように構成されており、加熱ロール13との接触により加熱ロール13の駆動回転に伴って、及び/又は、加熱ロール13の回転によって搬送される印刷媒体の移動に伴って従動回転する。サーミスタ17は、加熱ロール13の回転軸方向における定着領域のフロント側、中央、リア側にそれぞれ対向して非接触状態で設置された複数(本実施形態では3つ)のサーミスタ17A,17B,17Cで構成されている。また、加熱ヒータ18は、加熱ロール13の内部に配設され、加熱ロール13の回転軸方向における定着領域の全域にわたって加熱部を有する長加熱ヒータ18Dと、上記複数のサーミスタ17A,17B,17Cそれぞれに対応する位置の加熱部を有する短加熱ヒータ18A,18B,18Cとで構成されている。定着装置10は、後述の制御装置により、長尺に連続した連続印刷媒体(連続記録紙)であるウェブ7上に転写されたトナー像の定着に必要な目標制御温度と、各サーミスタ17A,17B,17Cの検出温度とを比較した結果に基づいて、各サーミスタ17A,17B,17Cに対応する短加熱ヒータ18A,18B,18Cと全域に対応する長加熱ヒータ18DとをON/OFF制御する。この制御により、加熱ロール13の定着領域の表面温度を制御している。ウェブ7は、加熱ロール13と加圧ロール14とによって加熱加圧作用を付与されながら挟持搬送される。これにより、ウェブ7上のトナー像が溶融定着される。
図2は、上記構成の定着装置10を備えた電子写真式の印刷装置100の構成例を示す概略構成図である。この印刷装置100は、後述の画像形成システムにおける複数の印刷装置100A,100Bとして用いられる。画像形成システムの全体の印刷動作を制御する制御手段としての印刷制御装置(コントローラ)21から印刷開始の指示を受けると、像担持体としての感光体1が回転を始める。感光体1は、印刷速度に相当する速度で表面が移動するように回転し、印刷動作が終了するまで回転を続ける。感光体1が回転を開始すると、帯電手段としての帯電器2に高電圧が付加され、感光体1の表面を、例えば正の電荷を付与して所定電位に均一に帯電する。半導体レーザや発光ダイオードなどで構成された光書込手段(潜像形成手段)としての光源3から出力されたレーザービーム4は、印刷制御装置(コントローラ)21から送られてくるドットイメージに変換された文字データや図形データに基づいてオン/オフしながら感光体1上を走査して照射する。これにより、感光体1の表面に照射されて電荷が消失した部分と照射されない電荷がそのままの部分とが形成され、いわゆる静電潜像が形成される。
感光体1上の静電潜像は、例えば次のように現像されて顕像化されることにより、トナー像となる。現像手段としての現像装置5には画像形成物質としてのトナー6が供給されており、トナー6が例えば正の電荷を帯びるように攪拌されている。感光体1表面の静電潜像が現像装置5に対向する位置(現像領域)に到達すると、静電潜像の電荷が消失した部分に正の電荷に帯電したトナー6が静電気により吸着され、感光体1の表面にトナー像が形成される。
用紙やフィルム等で構成されるウェブ7は、紙送りローラなどからなる印刷媒体搬送手段としての搬送装置8により、トナー像がウェブ7を挟んで転写器9と対向する転写位置に到達するタイミングと同期して、感光体1と転写手段としての転写器9との間に向けて搬送される。転写器9は、搬送されてくるウェブ7に対してトナー像と逆極性の電荷を付与することで、感光体1上のトナー像をウェブ7上に転写させる。感光体1側の面にトナー像を転写されたウェブ7は、搬送ガイド部材としてのバッファプレート16によって張力を付与されながら定着装置10まで搬送される。
定着装置10は、吸引装置11、プレヒータ12、加熱ロール13、加圧ロール14、搬送回転部材としてのプラー15などを備える。吸引装置11は内部のブロアを回転させることでウェブ7を吸引し、プレヒータ12上に密着させる。プレヒータ12は内部に熱源をもっており、ウェブ7は密着したプレヒータ12によって予熱される。その後、ウェブ7は、印刷速度に相当する速度で回転し内部に熱源を持つ加熱ロール13と、加熱ロール13側に押付けられるようになっており、加熱ロール及び又はウェブ搬送により従動回転する加圧ロール14とによって、加熱加圧作用を付与されながら挟持搬送され、トナー像がウェブ7上に溶融定着される。ウェブ7はトナー像を溶融定着された後、回転するプラー15によって定着装置10の外へ引き出される。
上記構成の印刷装置100における制御は、印刷装置100の内部に設けられた制御手段としての制御部20で制御される。制御部20は、プロセッサ(CPU)、RAMやROMなどの記憶装置、外部とのI/Oインターフェースとして機能する通信装置などを有し、オペレータが操作する画像システム全体の制御手段としての印刷制御装置(コントローラ)21から送られてくる印刷開始命令や印刷終了命令などに基づいて制御を行う。
図3は、複数の印刷装置100(第1の印刷装置100A及び第2の印刷装置100B)を備えた画像形成システムの全体構成例を示す概略構成図である。このこの画像形成システムは、第1の印刷装置100Aでウェブ7の第1の印刷面(おもて面)に対してトナー像を転写して定着させ、ターンバー19を通してウェブ7を反転させ、第2の印刷装置100Bでウェブ7の第2の印刷面(裏面)に対してトナー像を転写して定着させる。これにより、ウェブ7の表裏両面に画像を形成することができる。
上記構成の画像形成システムでは、ウェブ7への印刷を停止したときに、第1の印刷装置100A内の第1の定着装置10Aやターンバー19の中に停止したウェブ7が収縮したり変形したりするおそれがある。次の印刷再開時にウェブ7の収縮や変形した部分が第2の印刷装置100B内の第2の定着装置10Bで定着される際、定着不良となってしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、加熱ロール13の表面温度のオーバーシュート現象を考慮して上記定着不良を防止するために、以下に示すように第2の定着装置100Bの温度制御方法を行っている。
[定着装置の温度制御例1]
図4は、上記構成の画像形成システムにおける定着装置の温度制御の一例(温度制御例1)を示すフローチャートである。
図4において、まず、ステップ401にて印刷が終了してウェブ7が停止すると、制御部20は、サーミスタ17の制御温度を、非印刷中の目標制御温度である第1制御温度に設定し、印刷停止時間のカウントを開始する。
次に、ステップ402にて制御部20が印刷制御装置(コントローラ)21から印刷開始の命令を受けると、サーミスタ17の制御温度を、印刷中の目標制御温度である第2制御温度に設定する。第2制御温度は通常、第1制御温度に対して加熱ロール13の定着領域におけるウェブ7の通過部にあたるサーミスタ17に対して、+1℃程度加算された制御温度である。例えば、図1の構成例に示すように、温度検知手段として3つのサーミスタ17A,17B,17Cを有する定着装置100で、サーミスタ17A及びサーミスタ17Bそれぞれが対向している位置がウェブ7の通過部にあたる場合、サーミスタ17A及びとサーミスタ17Bそれぞれの制御温度に対して、+1℃程度加算される。また、印刷開始命令時のサーミスタ17の検出温度を、温度データTdとして記憶する。
次に、ステップ403にて、制御部20は、第2制御温度を目標制御温度Ttとし、検知温度の温度データTdと目標制御温度Ttとを比較する。
ここで、温度データTdが目標制御温度Ttより小さい(Td<Tt)場合、オーバーシュートは発生していないと判断し、ステップ406にてサーミスタ17の制御温度を、通常通り第2制御温度のままで次の印刷を開始する。
一方、温度データTdが目標制御温度Tt以上(Td≧Tt)の場合、オーバーシュートが発生していると判断して、ステップ404にて、加熱ロール13の目標制御温度Ttに加算するオーバーシュート発生時の補正温度量である補正温度Tcを設定し、補正温度Tcを目標制御温度Ttに対して加算して補正目標制御温度Ttcを求める。そして、次のステップ405にて、サーミスタ17の検出温度をチェックし、加熱ロール13が補正目標制御温度Ttcまで上昇した事を確認できたら、ステップ406にて次の印刷を開始し、ウェブ7の搬送が開始される。
<補正温度Tcの決定方法1>
上記図4のステップ404にて設定する補正温度Tcは、例えば、温度データTdと印刷終了からの停止時間とに基づいて、予め作成しておいたデータテーブルから補正温度Tcを決定することができる。表1は、上記補正温度Tcを決定するときに用いるデータテーブルの一例を示している。表1のデータテーブルは例えば以下に示すように作成することができる。
Figure 0005863010
図5は、上記構成の画像形成システムにおいて印刷を停止した後の加熱ロール13の表面温度及びサーミスタ17の検出温度の推移を示した実験結果のグラフである。図5中の縦軸が温度であり横軸が時間である。また、図5中の実線が加熱ロール13の表面温度、点線がサーミスタ17の検出温度を示している。なお、この実験においては、加熱ロール13の表面温度を直接検知するため、赤外線温度計を用いている。また、第2制御温度は200℃に設定している。
図5に示すように、印刷終了直後、加熱ロール13の表面温度とサーミスタ17の検出温度は220℃まで急上昇する。その後、加熱ロール13の表面温度は直ぐに低下を始めるが、サーミスタ17の検出温度は60秒まで高温状態を維持し、その後低下を始める。180秒経過で第1制御温度まで低下し、加熱ヒータ18がONし始める。加熱ヒータ18がON状態となると、次の印刷を実施した時の搬送開始における加熱ロール13の温度低下量が小さくなり、本発明が解決しようとする課題で示したウェブ7の印刷停止時に第1の定着装置10Aやターンバー19の中に停止していた部分の定着不良は発生しなくなる。
前述の表1は、第2制御温度を200℃として、印刷終了から180秒までの停止時間に対する補正温度Tcの設定値を示すデータテーブルの例である。データテーブルの縦方向における停止時間の設定は、加熱ヒータ18がONし始めて、印刷開始時の定着不良が発生しなくなる程度の停止時間まで設定してあることが望ましい。また、第2制御温度を目標制御温度Ttとし、補正温度Tcを加算した補正目標制御温度Ttcが、温度データTdを上回るように設定し、必ず加熱ヒータ18がONするように設定している。
また、表1の例では、例えば印刷停止からの時間が90秒の時で温度データTdが210℃の場合、補正温度Tcは+13℃となり、補正目標制御温度Ttcは213℃となる。また、加熱ロール13の定着領域におけるウェブ7の通過部にあたる部分と、非通過部にあたる部分では、印刷中に必要な熱量が変わってくる。また、印刷領域の全域を使うようなウェブ7を用いた印刷の場合でも、例えばフロント側端部を加熱する加熱ヒータ18Aと、中央部を加熱する加熱ヒータ18Bでは、定着に必要な補正量が違ってくる。一般に、両端部の熱が広がる影響で、中央部の方が高温となるため、必要な補正量は少なくなる。このことを考慮し、例えば加熱ヒータ18Aと加熱ヒータ18Cに対しては補正温度Tcの100%である+13℃を、加熱ヒータ18Bに対しては補正温度Tcの50%である+6.5℃を補正温度Tcと設定するように、各サーミスタ毎に補正率を設けてもよい。また、この補正率をウェブ7の幅設定毎に設けることで、ウェブ7の幅設定に対して最適な補正目標制御温度Ttcを設定可能となる。
<補正温度の決定方法2>
上記補正温度Tcを決定する方法としては、上記温度データTdと停止時間とに基づいて補正温度Tcを求める方法以外にも、例えば以下の方法がある。
非印刷中で加熱ロール13と加圧ロール14とが離れており、サーミスタ17の検出温度が第1制御温度以上で、加熱ヒータ18は全てOFF状態となっている場合、停止時間における加熱ロール13の温度低下量は、加熱ロール13の表面や芯金の素材、大きさ(幅、径)の条件により決まっており、ウェブ7の幅や種類による変化はほとんど影響がない。このため、加熱ロール13の種類毎の温度低下量を予め調べておき、コントローラ21から加熱ロール13の種類の設定を行ったり、加熱ロール13に設けられた識別手段を検知して加熱ロール13の種類を特定したりすることで、加熱ヒータ18がOFF状態での停止時間における、加熱ロール13の表面温度の温度低下量を求めることができる。この温度低下量に基づいて、上記図4のステップ404における加熱ロール13の表面温度から第2制御温度までに必要な加熱時間を計算し、サーミスタ17の検出温度に対して加熱時間を確保できる補正温度Tcを設定する方法もある。
[定着装置の温度制御例2]
次に、上記構成の印刷装置における定着装置の温度制御の他の例(温度制御例2)について説明する。
上記温度制御例1では、図4のステップ405にて補正目標制御温度Ttcまで加熱ロール13の温度上昇を行っているが、温度検知手段(サーミスタ)の時定数を考慮すると、昇温時には、たとえば補正目標制御温度Ttcの1℃から2℃程度低い温度まで加熱ロール13が温度上昇したことを確認したら、次のステップ406に移って印刷を開始してもよい。こうすることで、印刷開始のタイミングで、確実にサーミスタ17の検出温度≧目標制御温度となり、最も熱量が必要な印刷開始のタイミングで加熱ヒータ18がOFFすることなく、安定してON状態を維持したまま次の印刷を開始することができる。
[定着装置の温度制御例3]
次に、上記構成の印刷装置における定着装置の温度制御の更に他の例(温度制御例3)について説明する。
印刷中の消費電力の増加や加熱ロール13の寿命低下を考慮し、印刷中にウェブ7上の第2制御温度に対して補正が必要な部分が定着装置10を通過すると、加算した補正目標制御温度Ttcは元の第2制御温度である目標制御温度Ttまで下げることが望ましい。しかし、補正温度Tcを一度にクリアしてしまうと、加熱ロール13の目標制御温度が急激に低下することで加熱ヒータ18がほとんどOFF状態となってしまい、加熱ロール13の表面温度が急激に低下してしまう。そのまま第2制御温度より低下してしまい、補正温度Tcをクリアした後の印刷部分で定着不良となってしまうおそれがある。従って、補正温度Tcは印刷中に徐々に下げていき、最終的に目標制御温度Ttまで下げるように制御することが望ましい。
図6は、上記構成の画像形成システムにおける定着装置の温度制御の更に他の例(温度制御例3)を示すフローチャートである。
図6において、制御部20は、まず、ステップ601にて補正目標制御温度Ttcで印刷を開始すると、次のステップ602にて、補正温度Tcで補正を実施する必要がある補正期間の終了をチェックする。補正期間は、上記課題で示したウェブ7に定着不良が発生する部分が定着装置10内で加熱ロール13と加圧ロール14により定着されるまでの期間である。たとえば図3で説明したような二つの印刷装置100A,100Bを用いてウェブ7の両面に印刷する画像形成システムの場合、第1の印刷装置100Aでは、ウェブ7の給紙部の矢印7Aで示す位置から定着装置10Aで定着される矢印7Bで示す位置までの距離を印刷完了するまでの期間であり、第2の印刷装置では、ウェブ7の定着装置10Aで定着される矢印7Bで示す位置から定着装置10Bで定着される矢印7Cで示す位置までの距離を印刷完了するまでの期間となる。印刷装置を1台のみで印刷する画像形成システムの場合は、第1の印刷装置100Aの場合と同様に、ウェブ7の給紙部から出たウェブ7が定着装置10で定着されるまでの期間となる。
補正目標制御温度Ttcでの制御期間が終了すると、ステップ603にて補正目標制御温度Ttcを下げ始める。このとき、補正目標制御温度Ttcから一気に目標制御温度Ttまで下げてしまうと、サーミスタ17の検出温度が目標制御温度Ttまで下がるまで、加熱ヒータ18のOFF状態が継続してしまい、加熱ロール13の表面温度は急激に低下してしまう。サーミスタ17の検出温度には時定数があるため、実際の加熱ロール13の表面温度が通常時の第2制御温度の制御中より低下してしまい、定着不良が発生するおそれがある。このため、加熱ヒータ18を適度にON/OFFさせて制御しながら補正目標制御温度Ttcを目標制御温度Ttまで下げていく必要がある。
まず、補正目標制御温度Ttcを現在のサーミスタ17の検出温度まで下げる。または、加熱ヒータ18のOFF状態が継続しても、実際の加熱ロール13の表面温度が通常時の第2制御温度で制御中の表面温度より下回らない程度に、例えば補正温度Tcのうち3℃程度なら一気に下げてもよい。
次に、ステップ604で補正目標制御温度Ttcが目標制御温度Ttまで下がったかをチェックしながら、補正温度Tcの残りをステップ605でゆっくりと段階的に下げていく。目標制御温度を下げる間隔や下げ幅は、例えば3秒間隔で0.25℃ずつ下げるといったように、サーミスタ17の検出温度が加熱ロール13の表面温度の温度変化に十分追従する程度であることが望ましい。ステップ604にて、目標制御温度Ttまで下がったことを確認すると、本温度制御は終了し、通常の印刷中の制御に戻る。
[定着装置の温度制御例4]
次に、上記構成の印刷装置における定着装置の温度制御の更に他の例(温度制御例4)について説明する。
本実施形態における定着装置の温度制御では、印刷開始のタイミングで加熱ヒータ18がON状態となっており、加熱ロール13の表面温度が上昇中で、ウェブ7が搬送開始する際の表面温度低下を抑えることが重要である。しかし、印刷制御装置(コントローラ)21から印刷開始命令が受けて印刷装置100が印刷開始の準備動作を行う際、画像調整動作等の制御が発生し、印刷準備時間が長くなる場合がある。補正温度Tcの加熱に必要な時間をTh、印刷準備時間をTpとしたとき、Tp>Thとなってしまうと、加熱ロール13の加熱が終了しても印刷が開始されず、印刷準備が完了して印刷開始しようとした時には、既に加熱ロール13の表面温度が目的の温度から変化してしまっている場合がある。この問題を解決する方法として、予め印刷準備時間Tpを計算し、印刷準備時間Tpが加熱ロール13の加熱に必要な時間Thを上回る場合は、加熱開始前に印刷準備時間Tpに即したWAIT時間Twを設定し、印刷開始のタイミングで加熱ロール13の加熱が終了するように調整する制御方法がある。
上記印刷準備時間Tpを計算するためには、予め印刷開始の準備動作で発生する画像調整動作などの複数の延長要因に対して、それぞれの要因の延長時間を決めておく必要がある。なお、準備動作の開始時に、延長時間が一定の範囲で確定していない延長要因に対しては、その要因で延長される最大の時間を延長時間とする。
図7は、上記構成の画像形成システムにおける定着装置の温度制御の更に他の例(温度制御例4)を示すフローチャートである。なお、図7のステップ701からステップ703は、図4で説明したステップ401からステップ403と同じ制御なので、説明を省略する。
図7において、制御部20は、ステップ704にて補正温度Tcを決定すると、現在のサーミスタ17の検出温度から、補正目標制御温度Ttcまでの加熱に必要な時間Thを計算する。例えば、サーミスタ制御温度の補正間隔を1秒毎に0.5℃とした場合、図4のステップ402と同様にステップ702にてセットした温度データTd及び補正目標制御温度Ttcから、Th=(Ttc−Td)/0.5となる。
次に、ステップ705で、制御部20は、印刷準備時間Tpを計算し、印刷準備時間Tpと加熱時間Thを比較する。印刷準備時間Tpは、何も延長要因が発生しなかった場合の標準の準備時間をベースとして、印刷開始の準備動作を行う際に、発生した延長要因の、それぞれの延長時間を加算して求める。
ここで、印刷準備時間Tp≦加熱時間Thとなる場合、ステップ706へ進み、以降は図4のステップ404からステップ406と同じ制御となる。
一方、印刷準備時間Tp>加熱時間Thとなる場合、ステップ709にて、加熱を開始する前に必要なWAIT時間Twを計算する。「Tw=Tp−Th」を計算することで、WAIT時間Twを求めることができる。
次に、制御部20は、ステップ710で、WAIT時間が終了するまでカウントを行う。WAIT時間Twが終了すると、ステップ706へ進み、以降は図4のステップ404からステップ406と同じ制御となる。
以上の温度制御4を行うことで、印刷準備時間Tpの変化に関係なく、ウェブ7の定着強度を維持することができるようになる。
図8は、上記温度制御例1から温度制御例4で説明した制御を組み合わせて実行した場合の一連の制御の流れを示すタイムチャートである。すなわち、図8は、縦軸を温度として、サーミスタ17の目標制御温度の推移を示したタイムチャートである。なお、図8の制御では、第2制御温度を200℃とし、補正温度Tcを+15℃とする。また、印刷準備時間の延長要因が発生し、目標制御温度の補正前にWAIT時間を置いた場合の制御とする。
図8のステップ801にて印刷制御装置(コントローラ)21から印刷開始命令を受信すると、制御部20は、印刷準備時間Tpと補正温度Tcの加熱に必要な時間Thとを比較し、必要なWAIT時間を計算する。本制御例では、前述の温度制御例2で示したように、補正温度Tcのうち印刷開始のタイミングで+2℃を加算するため、+13℃の補正に必要な時間が、補正温度Tcの加熱に必要な時間Thとなる。計算式Tw=Tp−ThによりWAIT時間Twを計算し、WAITを開始する。
ステップ802にて印刷準備時間中のWAITが終了すると、サーミスタ17の目標制御温度に対して、補正温度Tcの加算を開始する。ステップ803にて印刷準備時間が終了するまでに、目標制御温度を213℃まで上昇させる。
ステップ803にて印刷を開始すると、補正温度Tcの残りである+2℃を一気に加算し、目標制御温度を215℃として搬送を開始する。ステップ804にて補正期間が終了するまで、目標制御温度は215℃を維持する。
ステップ804にて補正期間が終了すると、前述の温度制御例3で示したように、まず目標制御温度のうち補正温度Tcで補正した分から3℃を一気に下げる。その後、補正温度Tcの残りをゆっくりと段階的に下げていく。
ステップ805にて目標制御温度から補正温度Tcで補正した分が無くなり、通常の印刷中の目標制御温度と同じになると、本発明の制御を終了し、現行の印刷制御に戻る。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
複数の加熱ヒータ18を内部に有する加熱ロール13などの加熱回転部材の表面に非接触状態で対向するように加熱回転部材の回転軸方向に複数配置されたサーミスタ17などの温度検知手段の検知温度に基づいて、複数の加熱ヒータ18の温度制御を行う定着装置100の温度制御方法であって、温度検知手段が加熱回転部材の目標制御温度Tt以上の温度Tdを検知した場合に、その検知温度Tdと前回の印刷停止から次の印刷開始までの停止時間とに基づいて補正温度Tcを求め、次の印刷に必要な前記加熱ロールの目標制御温度Ttに対して補正温度Tcを加算して補正目標制御温度Ttcを求め、補正目標制御温度Ttcとなるように温度制御を行った後に次の印刷を開始する。
(態様A’)
加熱ヒータ18を内部に有する加熱ロール13などの加熱回転部材と加熱回転部材の表面に非接触状態で対向するように配置されたサーミスタ17などの温度検知手段とを有する定着装置10をそれぞれ備えた第1の印刷装置100A及び第2の印刷装置100Bを用いて、長尺に連続したウェブ7などの記録媒体に対して画像を印刷可能な画像形成システムであって、第1の印刷装置100A及び第2の印刷装置100Bそれぞれの定着装置10について、温度検知手段が加熱回転部材の目標制御温度Tt以上の温度Tdを検知した場合に、その検知温度Tdと前回の印刷停止から次の印刷開始までの停止時間とに基づいて補正温度Tcを求め、次の印刷に必要な加熱回転部材の目標制御温度Ttに対して補正温度Tcを加算して補正目標制御温度Ttcを求め、補正目標制御温度Ttcとなるように温度制御を行った後に次の印刷を開始する制御部20などの制御手段を備える。
これらの態様A及びA’によれば、上記実施形態について説明したように、印刷停止後に定着装置10の加熱回転部材の表面温度のオーバーシュートが発生し、温度検知手段が加熱回転部材の目標制御温度Tt以上の温度Tdを検知した場合に、検知温度Tdと前回の印刷停止から次の印刷開始までの停止時間とに基づいて補正温度Tcを求める。ここで、印刷停止後からの時間経過に伴って検知温度Tdと加熱回転部材の表面温度との温度差が大きくなるが、この温度差を反映させるように上記補正温度Tcを求めることができる。この温度差を反映した補正温度Tcを、次の印刷に必要な前記加熱ロールの目標制御温度Ttに対して加算して補正目標制御温度Ttcを求め、その補正目標制御温度Ttcとなるように温度制御を行った後に次の印刷を開始する。従って、次の印刷において、加熱回転部材の表面温度を定着に十分な表面温度に維持され、定着不良を防止できる。
(態様B)
上記態様Aにおいて、前記補正目標制御温度Ttcまでの加熱に必要な加熱時間Thより、印刷開始命令を受けてから印刷開始するまでの準備時間Tpが長い場合、補正目標制御温度Ttcまでの加熱開始前に、準備時間Tpに合わせた待ち時間TwをTw=Tp−Thにより求め、印刷開始命令を受けてから待ち時間Twが経過した後に、加熱ロール13などの加熱回転部材の加熱を開始する。
(態様B’)
上記態様A’において、前記制御部20などの制御手段は、補正目標制御温度Ttcまでの加熱に必要な加熱時間Thより、印刷開始命令を受けてから印刷開始するまでの準備時間Tpが長い場合、補正目標制御温度Ttcまでの加熱開始前に、準備時間Tpに合わせた待ち時間TwをTw=Tp−Thにより求め、印刷開始命令を受けてから待ち時間Twが経過した後に、加熱回転部材の加熱を開始する。
これらの態様B及びB’によれば、上記実施形態について説明したように、印刷開始命令を受けてから印刷開始するまでの準備を行っているときに、印刷開始命令を受けてから、予め求めて於いた所定の待ち時間Twが経過した後に、加熱回転部材の加熱を開始する。これにより、次の印刷開始時における加熱回転部材の表面の過剰な温度上昇を防止することができるので、過剰な温度上昇による定着不良を防止できる。
(態様C)
上記態様A又は態様Bにおいて、加熱ロール13などの加熱回転部材の内部に、その加熱回転部材の回転軸方向における互いに異なる複数の領域をそれぞれ加熱するように加熱ヒータ18A,18B,18Cを複数備え、複数の加熱ヒータそれぞれに対応させて加熱回転部材の表面に非接触状態で対向するようにサーミスタ17A,17B,17Cなどの温度検知手段を複数配置し、前記複数の温度検知手段それぞれについて、ウェブ7などの印刷媒体の搬送方向と直交する方向における幅の設定ごとに補正率を設定し、補正温度Tcと補正率とに基づいて、複数の温度検知手段それぞれに対して補正目標制御温度Ttcを計算する。
(態様C’)
上記態様A’又は態様B’において、加熱ロール13などの加熱回転部材の内部に、その加熱回転部材の回転軸方向における互いに異なる複数の領域をそれぞれ加熱するように加熱ヒータ18A,18B,18Cを複数備え、複数の加熱ヒータそれぞれに対応させて加熱回転部材の表面に非接触状態で対向するようにサーミスタ17A,17B,17Cなどの温度検知手段を複数配置し、制御部20などの制御手段は、前記複数の温度検知手段それぞれについて、ウェブ7などの印刷媒体の搬送方向と直交する方向における幅の設定ごとに補正率を設定し、補正温度Tcと補正率とに基づいて、複数の温度検知手段それぞれに対して補正目標制御温度Ttcを計算する。
これらの態様C及びC’によれば、上記実施形態について説明したように、ウェブ7などの印刷媒体の搬送方向と直交する方向における幅の設定が変化する場合でも、その印刷媒体の幅の設定に対して最適な補正目標制御温度Ttcを設定することができる。
(態様D’)
上記態様A’乃至態様C’のいずれかの態様において、制御部20などの制御手段は、第1の印刷装置100Aの定着装置10Aにおける加熱ロール13などの加熱回転部材の温度制御を、ウェブ7などの記録媒体の供給部から第1の印刷装置100Aの定着装置10Aに至る搬送経路上にある印刷媒体の部分が定着される期間については、前記補正目標制御温度Ttcとなるように行い、その後、前記補正目標制御温度Ttcよりも低い前記目標制御温度Ttになるように行う。
この態様D’によれば、上記実施形態について説明したように、画像形成システムの印刷媒体搬送方向の上流側に位置する第1の印刷装置100Aの定着装置10Aにおいて、記録媒体の供給部から第1の印刷装置100Aの定着装置10Aに至る搬送経路上にある印刷媒体の部分に発生する定着不良を防止できる。
(態様E’)
上記態様A’乃至態様D’のいずれかの態様において、制御部20などの制御手段は、第2の印刷装置100Bの定着装置10Bにおける加熱ロール13などの加熱回転部材の温度制御を、第1の印刷装置100Aの定着装置10Aから第2の印刷装置100Bの定着装置10Bまでの搬送経路上にあるウェブ7などの印刷媒体の部分が定着される期間については、前記補正目標制御温度Ttcになるように行い、その後、前記補正目標制御温度Ttcよりも低い前記目標制御温度Ttになるように行う。
この態様E’によれば、上記実施形態について説明したように、画像形成システムの印刷媒体搬送方向の下流側に位置する第2の印刷装置100Bの定着装置10Bにおいて、第1の印刷装置100Aの定着装置10Aから第2の印刷装置100Bの定着装置10Bまでの搬送経路上にある印刷媒体の部分に発生する定着不良を防止できる。
(態様F’)
上記態様A’乃至態様E’のいずれかの態様において、制御部20などの制御手段は、加熱ロール13などの加熱回転部材の制御温度を前記補正目標制御温度Ttcから前記目標制御温度Ttまで下げる際、加熱回転部材の表面の温度変化に対するサーミスタ17などの温度検知手段の検知温度の時定数による遅延時間以上の間隔をもって段階的に制御温度を下げる。
この態様F’によれば、上記実施形態について説明したように、加熱ロール13などの加熱回転部材の制御温度を前記補正目標制御温度Ttcから前記目標制御温度Ttまで下げる際に、加熱回転部材の表面温度の急激な低下による定着不良を防止できる。
1 感光体
2 帯電器
3 光源
4 レーザービーム
5 現像装置
6 トナー
7 ウェブ
8 搬送装置
9 転写器
10 定着装置
10A 第1の定着装置
10B 第2の定着装置
11 吸引装置
12 プレヒータ
13 加熱ロール
14 加圧ロール
15 プラー
16 バッファプレート
17 サーミスタ
18 加熱ヒータ
19 ターンバー
20 制御部
21 印刷制御装置(コントローラ)
100 定着装置
100A 第1の定着装置
100B 第2の定着装置
特開2008−20630号公報 特開2006−227374号公報

Claims (7)

  1. 加熱ヒータを内部に有する加熱回転部材の表面に非接触状態で対向するように配置された温度検知手段の検知温度に基づいて、前記加熱ヒータの温度制御を行う定着装置の温度制御方法であって、
    前記温度検知手段が前記加熱回転部材の目標制御温度Tt以上の温度Tdを検知した場合に、その検知温度Tdと前回の印刷停止から次の印刷開始までの停止時間とに基づいて補正温度Tcを求め、次の印刷に必要な前記加熱ロールの目標制御温度Ttに対して前記補正温度Tcを加算して補正目標制御温度Ttcを求め、該補正目標制御温度Ttcとなるように温度制御を行った後に次の印刷を開始し、
    前記定着装置における前記加熱回転部材の温度制御を、前記記録媒体の供給部から前記定着装置に至る搬送経路上にある印刷媒体の部分が定着される期間については、前記補正目標制御温度Ttcとなるように行い、その後、前記補正目標制御温度Ttcよりも低い前記目標制御温度Ttになるように行い、
    前記加熱回転部材の制御温度を前記補正目標制御温度Ttcから前記目標制御温度Ttまで下げる際、前記加熱回転部材の表面の温度変化に対する前記温度検知手段の検知温度の時定数による遅延時間以上の間隔をもって段階的に前記制御温度を下げることを特徴とする定着装置の温度制御方法。
  2. 請求項1の定着装置の温度制御方法において、
    前記補正目標制御温度Ttcまでの加熱に必要な加熱時間Thより、印刷開始命令を受けてから印刷開始するまでの準備時間Tpが長い場合、前記補正目標制御温度Ttcまでの加熱開始前に、前記準備時間Tpに合わせた待ち時間TwをTw=Tp−Thにより求め、印刷開始命令を受けてから前記待ち時間Twが経過した後に、前記加熱回転部材の加熱を開始することを特徴とする定着装置の温度制御方法。
  3. 請求項1又は2の定着装置の温度制御方法において、
    前記加熱回転部材の内部に、その加熱回転部材の回転軸方向における互いに異なる複数の領域をそれぞれ加熱するように前記加熱ヒータを複数備え、
    前記複数の加熱ヒータそれぞれに対応させて前記加熱回転部材の表面に非接触状態で対向するように前記温度検知手段を複数配置し、
    前記複数の温度検知手段それぞれについて、印刷媒体の搬送方向と直交する方向における幅の設定ごとに補正率を設定し、前記補正温度Tcと前記補正率とに基づいて、前記複数の温度検知手段それぞれに対して前記補正目標制御温度Ttcを計算することを特徴とする定着装置の温度制御方法。
  4. 加熱ヒータを内部に有する加熱回転部材と該加熱回転部材の表面に非接触状態で対向するように配置された温度検知手段とを有する定着装置をそれぞれ備えた第1の印刷装置及び第2の印刷装置を用いて、長尺に連続した記録媒体に対して画像を印刷可能な画像形成システムであって、
    前記第1の印刷装置及び第2の印刷装置それぞれの定着装置について、前記温度検知手段が前記加熱回転部材の目標制御温度Tt以上の温度Tdを検知した場合に、その検知温度Tdと前回の印刷停止から次の印刷開始までの停止時間とに基づいて補正温度Tcを求め、次の印刷に必要な前記加熱回転部材の目標制御温度Ttに対して前記補正温度Tcを加算して補正目標制御温度Ttcを求め、該補正目標制御温度Ttcとなるように温度制御を行った後に次の印刷を開始する制御手段を備え
    前記制御手段は、
    前記第1の印刷装置の定着装置における前記加熱回転部材の温度制御を、前記記録媒体の供給部から前記第1の印刷装置の定着装置に至る搬送経路上にある印刷媒体の部分が定着される期間については、前記補正目標制御温度Ttcとなるように行い、その後、前記補正目標制御温度Ttcよりも低い前記目標制御温度Ttになるように行い、
    前記加熱回転部材の制御温度を前記補正目標制御温度Ttcから前記目標制御温度Ttまで下げる際、前記加熱回転部材の表面の温度変化に対する前記温度検知手段の検知温度の時定数による遅延時間以上の間隔をもって段階的に前記制御温度を下げることを特徴とする画像形成システム。
  5. 請求項4の画像形成システムにおいて、
    前記制御手段は、前記補正目標制御温度Ttcまでの加熱に必要な加熱時間Thより、印刷開始命令を受けてから印刷開始するまでの準備時間Tpが長い場合、前記補正目標制御温度Ttcまでの加熱開始前に、前記準備時間Tpに合わせた待ち時間TwをTw=Tp−Thにより求め、印刷開始命令を受けてから前記待ち時間Twが経過した後に、前記加熱回転部材の加熱を開始することを特徴とする画像形成システム。
  6. 請求項4又は5の画像形成システムにおいて、
    前記加熱回転部材の内部に、その加熱回転部材の回転軸方向における互いに異なる複数の領域をそれぞれ加熱するように前記加熱ヒータを複数備え、
    前記複数の加熱ヒータそれぞれに対応させて前記加熱回転部材の表面に非接触状態で対向するように前記温度検知手段を複数配置し、
    前記制御手段は、前記複数の温度検知手段それぞれについて、印刷媒体の搬送方向と直交する方向における幅の設定ごとに補正率を設定し、前記補正温度Tcと前記補正率とに基づいて、前記複数の温度検知手段それぞれに対して前記補正目標制御温度Ttcを計算することを特徴とする画像形成システム
  7. 求項4乃至のいずれかの画像形成システムにおいて、
    前記制御手段は、前記第2の印刷装置の定着装置における前記加熱回転部材の温度制御を、前記第1の印刷装置の定着装置から第2の印刷装置の定着装置までの搬送経路上にある印刷媒体の部分が定着される期間については、前記補正目標制御温度Ttcになるように行い、その後、前記補正目標制御温度Ttcよりも低い前記目標制御温度Ttになるように行うことを特徴とする画像形成システム
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