JP4908933B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関するものである。
電子写真方式を利用したレーザプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置においては、記録媒体に担持させた未定着トナー画像を加熱定着させる画像加熱定着装置(以下、定着装置と記す)が搭載されている。
この定着装置はトナー画像の定着性を確保するとともに、画像のグロス(光沢)を発現させる機能も併せ持っている。定着装置の加熱方式の構成としては、熱ローラ方式、フィルム加熱方式、ベルトニップ方式などが知られている。
熱ローラ方式の定着装置は、弾性層を有したローラ対に熱源(ヒータ)を内蔵させ、ローラ表面が所定の温度を保つように温度制御する。そして未定着トナー画像を担持した記録媒体を、ローラ対の接触部に形成される定着ニップ部により挟持搬送させ、加熱および加圧して、未定着トナー画像を記録媒体に定着させる。
しかし、この種の熱ローラ方式で所定の定着性とグロスを得ようとすると、弾性層を有したローラの熱容量が大きいので、ローラ表面を所定の温度まで上昇させるためのウォーミングアップ時間が長く、消費電力が大きくなるという問題点があった。
この問題を解決するため、フィルム加熱方式やベルトニップ方式の定着装置が考案されている。
フィルム加熱方式の定着装置は、熱源を内側に有し、それに摺動して回転するスリーブ状の耐熱性の定着フィルムと、該定着フィルムに圧接して定着ニップ部を形成する加圧ローラなどで構成される。そして未定着トナーを担持する記録媒体を上記定着ニップ部で挟持搬送し、未定着トナー画像を記録媒体に定着させる(例えば、特許文献1参照)。
このようなフィルム加熱方式の定着装置においては、低熱容量のヒータ、定着フィルムを用いて、加圧ローラ側の加熱手段を省くことができる。
このため、フィルム加熱方式の定着装置は、従来の熱ローラ方式に比べ、省電力化が図れ、クイックスタート性に優れている。更にフィルムに薄層の弾性層を設け、トナーや記録媒体の凹凸面に対して均一に熱を加えることで、トナー画像の均一高グロス化が可能である。
また、ベルトニップ方式(例えば、特許文献2参照)の定着装置は、熱源を内側に有し回転可能な加熱ローラに、エンドレスベルトが所定角度巻きつけられて配設される。そして、エンドレスベルト内側に設けられた加圧部材によりエンドレスベルトを加熱ローラに圧接して定着ニップ部が形成される。そして未定着トナーを担持する記録媒体を上記定着ニップ部で挟持搬送し、未定着トナー画像を記録媒体に定着させる。
このようなベルトニップ方式の定着装置においては、定着ニップ部出口において、記録媒体の剥離装置を設けることなく、セルフストリッピングにより剥離する事ができる。また熱容量の少ない薄肉ベルトを用いてニップ幅を長く設定する事で、従来の熱ローラ方式に比べて省電力化が図れ、クイックスタート性に優れ、且つ画像の高グロス化が可能にな
る。
しかし、プリント画像に求められるグロスはユーザーの好みや使用目的により異なり、単純に高いグロスが求められるわけではない。一般的に、プリントする対象が写真や絵など高グロスが好まれる場合や、文字やグラフなど低グロスが好まれる場合などがある。また、印刷同様のグロス感を求めたとき、定着したトナー画像のグロスが用紙のグロスと略等しいことが好ましく、これらの要求に応えるためには定着において出力画像のグロスを制御する技術が必要になる。
定着装置においてグロスを制御するための主なパラメータとして温度、圧力、時間が挙げられる。
各パラメータを変更してグロスを制御する方法が提案されているが(例えば特許文献3参照)、このうち温度と時間に関しては、定着装置の温調温度とプロセススピードを変化させることで、ある程度グロスを制御することはできる。
しかし、温調温度を変更する手法は、高グロス化を狙った高温設定時はトナー溶融過多によりトナーが定着部材に付着するホットオフセットの発生が懸念される。また、低グロス化を狙った低温設定時はトナー溶融不足により定着性が低下し、コールドオフセットの発生が懸念される。これらの弊害を回避し、ある一定の定着性を確保しつつ、パラメータを変更しグロス制御を行うことは困難である。
プロセススピードを変更する手法については、低速では温調温度の高温設定時と、高速では温調温度の低温設定時と同様の現象が懸念されることに加え、プリントスピードが変化してしまう。特に高グロス化を狙ってプロセススピードを低下させるとスループットが低下してしまう。
圧力を変更する手法については高圧化によって高グロス化、低圧化によって低グロス化が可能であるが、その際に定着装置のニップ幅も変化してしまい、それによって記録媒体とトナーに熱を与える時間も変化する。従って、圧力とともに温度、時間のパラメータも変動し、定着性を確保しつつパラメータを適切に変更し、グロス制御を行うことは困難である。また、高グロス化を狙って圧力を高めた場合、定着装置のトルクが上昇し、定着装置を回転させるために余計な電力が必要になり、部材の削れが促進されるために寿命が短くなるなどの弊害を伴う。
以上のように単純に温度、圧力、時間のパラメータを変化させることは、結局、定着装置で記録媒体とトナーに与える総熱量を変化させることにつながる。したがって、この場合には、定着性を確保しつつ、オフセットの発生やスループットの変化、トルクの上昇等を避けてグロス制御を行うことが困難になる。
特許文献4ではニップ幅を変更せずにニップ部の圧力分布を変更する手段が提案されている。
これは、熱源を有した定着ローラにベルトを一定角度巻きつけて設置し、ベルト内側から複数の加圧部材によりベルトを定着ローラに圧接させてニップ部を形成する定着装置に関するものである。そして、各々の加圧部材の押圧力を変化させることにより、ニップ内に予め設定した閾値より高い高圧部と、予め設定した閾値より低い低圧部を有し、高圧部と低圧部の面積を変更することで、画像形成部のグロスを制御するものである。
これにより一定の定着性を確保しつつ、グロスを制御する事ができる。
特開2003−308949号公報 特開平11−133776号公報 特開平9−269695号公報 特開2004−184476号公報
しかしながら、上記従来例(特許文献4)のグロス制御では、ニップ内で高圧部、低圧部の面積を変化させているため、例えば高グロス設定時に高圧部面積が大きくなる場合などは定着装置の駆動トルクが上昇し、負荷が大きくなる。また、高圧部、低圧部の面積変化の段階は加圧部材の数によって限定されるため、グロスの変更も段階が限定される。
また、加圧部材はベルトと摺動するため、部材の削れ等によって寿命が低下する。また、各々の加圧部材に異なる圧力がかかるため、各々の加圧部材の削れ具合が不均一になり、狙い通りの圧力分布が得られなくなる。
また、高圧部、低圧部の面積切り替えに、階段状の加圧切り替え部材を使用する実施例では、ニップ入口から出口にかけての圧力勾配の向きが常に一定であり、圧力勾配の向きを制御することで水蒸気による画像乱れを回避することが出来ない。高圧部、低圧部の面積切り替えに、各々の加圧部材を独立したカム等で圧制御することも記載されているが、構成の複雑化は避けられない。また、記録媒体の搬送中に起こる記録媒体の温度低下によって、記録媒体の先後端においてグロス差が発生してしまう。
そこで、本発明の目的は、上記の課題を解決し、温調温度、プロセススピードを変更することなく、定着性を維持しつつ、簡易な構成で出力画像のグロス制御が可能な定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明にあっては、
記録媒体を挟持搬送するニップ部を有し、前記ニップ部で記録媒体上の未定着画像を定着する定着装置において、
前記ニップ部で記録媒体搬送方向に形成される圧力分布のピーク位置を変更することによりグロス制御を行う制御手段を備え
前記制御手段は、前記ニップ部で記録媒体搬送方向に形成される圧力分布のピーク位置を、記録媒体搬送中に変更することを特徴とする。
画像形成装置にあっては、上記記載の定着装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、温調温度、プロセススピードを変更することなく、定着性を維持しつつ、簡易な構成で出力画像のグロス制御が可能な定着装置及び画像形成装置を提供することが可能となる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
(1)画像形成装置
図10は本発明に係る定着装置として画像加熱定着装置を搭載できる画像形成装置の一
例の概略断面図である。本実施例に示す画像形成装置は、転写方式、電子写真プロセス利用のレーザビームプリンタである。
図10において、101は画像形成装置本体に回転自在に支持されている像担持体としてのドラム形状の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)である。この感光ドラム101は駆動手段(不図示)によって矢印方向へ所定のプロセススピードで回転駆動される。
感光ドラム101の周囲には、その回転方向に沿って、帯電ローラ(帯電手段)102、レーザ露光装置(露光手段)103、現像装置(現像手段)105、転写ローラ(転写手段)106、クリーニング装置(クリーニング手段)107がその順に配設してある。
感光ドラム101の外周面(表面)は、帯電ローラ102により、所定の極性および電位に一様に帯電される。その後、感光ドラム101の表面に対しレーザ光学系等のレーザ露光装置103から目的の画像情報に基づいたレーザLがミラー104等を介して露光され、露光部分の電荷が除去されて該感光ドラム上に静電潜像が形成される。
静電潜像は現像装置105によって現像される。現像装置105は現像ローラ105aを有しており、この現像ローラに現像バイアスを印加し、感光ドラム101上の静電潜像にトナーを付着させることで、静電潜像がトナー画像として可視化(顕像化)される。
一方、所定のタイミングで給送ローラ109により、給送カセット108から記録媒体(記録材)Pが給送され、搬送ローラ110等により、感光ドラム101と転写ローラ106とによって形成される転写ニップ部Tnへと搬送される。転写ローラ106には、転写バイアスが印加され、これにより感光ドラム101上のトナー画像が順次記録媒体P上に転写される。
転写によって表面に未定着トナー画像を担持した記録媒体Pは転写ニップ部Tnを出た後、感光ドラム101から分離されて、搬送ガイド111に沿って画像加熱定着装置(以下、定着装置と略記する)112へ送り込まれる。定着装置112では、ニップ部で記録媒体を挟持搬送しながら、未定着トナー画像を加熱・加圧して記録媒体上に定着させる。定着装置112の構成については次の(2)項で詳しく説明する。
未定着トナー画像が定着された記録媒体Pは、搬送ローラ113、排出ローラ114によって装置本体上の排出トレイ115上に搬送・排出される。
一方、トナー画像転写後の感光ドラム101は、記録媒体Pに転写されないで表面に残ったトナーがクリーニング装置107のクリーニングブレード107aによって除去される。これにより感光ドラム101は次の画像形成に備える。
(2)定着装置
図1は定着装置112の一例の概略断面図である。本実施例に示す定着装置112はベルトニップ方式の定着装置である。
定着装置112には、熱源21を有し回転可能な加熱ローラ20と、加熱ローラ20と共に回転可能な無端ベルト31を有し、無端ベルト31を一定の圧力で加熱ローラ20に圧接させてニップ部Nを形成する加圧手段30と、が設けられている。加圧手段30において、無端ベルト31の内側(背面側)には無端ベルト31を加熱ローラ20に押圧する加圧部材32が配置されている。尚、無端ベルト31は支持ローラ33,34,35によって回転可能に架け渡されている。ここで、無端ベルト31はベルト状部材を構成するも
のである。ベルト状部材は、ベルトに限られるものではなく、例えばフィルムであってもよい。
加熱ローラ20はアルミ芯金22上にシリコンゴム層23を有し、表面にフッ素樹脂層24としてPFAチューブを有している。無端ベルト31はポリイミドの基材上にフッ素樹脂層を有している。
無端ベルト31の内側から無端ベルト31を加熱ローラ20に押圧(加圧)する加圧部材32は、例えばアルミ芯金上にシリコンゴム層を有した回転可能なローラ形状の部材である。加圧部材32は加熱ローラ20の外径と略等しい曲率をもった移動手段としての移動ガイド部材36に沿って、常にほぼ一定の進入量で押圧しながら移動可能で、ニップ部にかかる総荷重値を変更せずに、圧力ピーク位置を変更できるようになっている。
図2(a)は定着装置112の概略断面図、(b)はニップ部搬送時の記録媒体の未定着トナー画像の担持面側でのニップ部での温度・圧力プロファイルの説明図である。
図2(a)に示すように、記録媒体がニップ入口〔a〕に突入すると、記録媒体の未定着トナー画像の担持面側でのニップ部での温度は上がりはじめ、ニップ出口〔b〕まで昇温し続ける。トナーは高温になるほど溶融が進み、粘度が低下していくため、ニップ部Nではニップ入口〔a〕からニップ出口〔b〕に近づくにつれて記録媒体上のトナーは粘度が低下する。ニップ部Nでは同時に圧力も印加されており、トナー画像表面が加圧によって変形し、平滑化することでグロスが発現する。トナーが低粘度の状態であるほど圧力の寄与が大きく、より効率的にトナーを変形させ、高グロスになる。
従って、ニップ部Nに同じ総荷重が印加されていても、ニップ後半(温度が高く、トナーは低粘度)に圧力を高くするとグロスが高くなり、ニップ前半(温度が低く、トナーは高粘度)に圧力を高くすると相対的にグロスは低くなる。本発明はこの現象を利用し、制御手段によってニップ部での圧力ピーク位置のみを変更させることで、出力画像(定着後のトナー画像、画像形成部)のグロス制御を行う。
図2は、圧力ピーク位置〔p〕をニップ中央に配置した状態Aを示しており、このときグロス値(入射光に対する正反射光の強度の比)は14.7である。なお、このグロス値を得たときの条件は、記録媒体は坪量80gの普通紙、重合カラートナーを用いた。ニップ部での最高到達温度がおよそ125℃になるように温調を行い、プロセススピードは87.4mm/sec、ニップ部の圧力は、ピーク値で2.0kgf/cm(19.6×10Pa)程度である。グロス値は75°グロス(入射光、反射光の角度が75°のときのグロス値)である。
図3、図4に圧力ピーク位置を変更した2つの状態の定着装置の概略断面図、およびニップ部内の温度・圧力プロファイルを示す。制御手段は、図2で説明した状態に比べて、温度、プロセススピード、圧力のピーク値を変えずに、ニップ部Nの幅を変化させない範囲内で、移動ガイド部材36に沿って加圧部材32の位置を変更することでグロスを制御している。
図3は圧力ピーク位置〔p〕をニップ後半寄りに配置した状態Bを示している。この状態では図2の状態Aに比べて、ニップ後半(温度が高く、トナーは低粘度)で強く加圧しているため、高グロスとなり、そのグロス値は20.7である。
図4は圧力ピーク位置〔p〕をニップ前半寄りに配置した状態Cを示している。この状態では図2の状態Aに比べて、ニップ前半(温度が低く、トナーは高粘度)で加圧してい
るため、低グロスとなり、そのグロス値は12.1である。
以上のように加圧部材32を記録媒体搬送方向において移動させて、ニップ部Nの圧力ピーク位置を変更することで、温調温度、プロセススピードを変更することなく、定着性を維持しつつ、簡易な構成で出力画像のグロスを制御することができる。
更に、制御手段によって記録媒体搬送方向における加圧部材32の位置制御によってグロス制御を行うので、グロス値の変更は離散的でなく連続的に行うことができ、発現可能なグロス範囲内できめ細かなグロス制御ができる。
更に、加圧部材を回転可能なローラ形状とすることで、加圧部材とベルトまたはフィルムの摺擦による部材の磨耗を低減し、定着装置を長寿命化できる。
更に、ニップ部にかかる総荷重値を変更せずに、加熱ローラ20の外径と略等しい曲率をもった加圧部材32の移動ガイド部材36によって加圧部材32の進入量をほぼ一定にして、加圧部材32の位置を可変とすることで、次のような効果が得られる。すなわち、圧力ピーク値をほぼ一定にでき、加熱ローラ20、無端ベルト31の回転トルクを一定に保ち、記録媒体の搬送を安定化しつつグロス制御ができる。
更に、ニップ部Nの幅を変化させないことで、ニップ部Nへの熱供給量を常に一定にでき、これにより、グロス制御動作によって熱量の増減による画像不良等を伴う事なく、グロス制御ができる。
なお、本実施例においては、ニップ部Nを構成する2部材のうち加圧手段30が無端ベルト31と加圧部材32とを有する構成であるが、これに限らず、ニップ部Nを構成する2部材のうち少なくとも一方が、ベルト状部材と加圧部材を有する構成であればよい。
以下、本発明の実施例2について説明する。なお、本実施例の定着装置において、加熱ローラ20、無端ベルト31、加圧部材32等の基本的構成は上述した実施例1と同様であり、実施例1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
本実施例の画像形成装置においては、実施例1の画像形成装置に対し、更に低印字率(文字)用の高画質モードを有する。したがって、主に文字や、ライン画像などで顕著に見られる水蒸気による画像の乱れを防止し、文字が読みやすい低グロス領域でグロス制御ができる。
定着装置が低印字率用の高画質モードに入ると、加圧部材32の位置を制御する制御手段によって、加圧部材32の移動範囲をニップ部Nで記録媒体が水の沸点に達する位置よりもニップ入口側(記録媒体搬送方向上流側)の範囲内に制限する。水の沸点到達位置の情報は、数種類の温調温度、紙種の組み合わせ毎に予め把握しておき、制御手段はこの情報に基づいて動作する。
これにより、水蒸気による画像の乱れを防止し、文字が読みやすい低グロス領域でグロス制御ができる仕組みを図5、図6を用いて説明する。
図5は、水蒸気による画像の乱れが発生する場合のニップ部の温度・圧力プロファイルの一例である。
一般的に定着装置においては、記録媒体上のトナーを加熱および加圧して十分な定着性
を得るために、記録媒体を百数十℃にまで昇温させている。この温度は定着動作環境の気圧下における水の沸点T以上である場合がほとんどである。
記録媒体はその置かれた環境の湿度に応じて水分を含んでいるため、トナーを担持した記録媒体がニップ入口〔a〕から突入して昇温し始め、記録媒体温度が水の沸点に到達する位置〔x〕で、記録媒体に含まれる水は沸騰し、水蒸気が急激に発生する。水蒸気はニップ部圧力の高い方へはせき止められ、ニップ部圧力の低い方へと流れやすいため、水蒸気発生位置(水の沸点到達位置)〔x〕における圧力勾配の向きによって発生した後の水蒸気の挙動が決まる。
圧力ピーク位置〔p〕が水の沸点到達位置〔x〕よりもニップ出口〔b〕側にある場合、位置〔x〕における圧力勾配はニップ入口〔a〕側が低い状態になるため、水蒸気はニップ入口〔a〕側へ向かって流れる。このとき、ニップ入口〔a〕側はまだ十分に昇温しておらず、トナー溶融が進んでいないため、定着性が不十分なので、水蒸気によってトナー画像が乱されてしまう。このような画像不良は特に文字画像やライン画像で発生しやすい。ベタ画像に比べて画像を形成するトナー量が少なく、トナー同士の結合が弱いため、水蒸気によって画像が乱されやすくなっているためである。
図6は、水蒸気による画像の乱れを回避することのできる場合のニップ部の温度・圧力プロファイルの一例である。
本実施例では、制御手段により加圧部材32の位置制御を行うことによって、圧力ピーク位置〔p〕を、ニップ部Nで記録媒体が水の沸点に達する位置〔x〕よりもニップ入口〔a〕側の範囲内に限定することができる。これにより、水蒸気発生位置(水の沸点到達位置)〔x〕での圧力勾配をニップ出口〔b〕側に向かって低くなる状態にできる。
水蒸気はニップ出口〔b〕側へ向かって流れるが、ニップ出口〔b〕側は温度が上昇し、トナーの溶融も進んでいるため、ある程度定着性が得られており、水蒸気による画像の乱れは防止される。圧力ピーク位置〔p〕はニップ前半寄りの範囲内で制御することになるので、比較的低グロスの画像が得られる。
以上のように、制御手段により、圧力ピーク位置をニップ部で記録媒体が水の沸点に達する位置よりも、ニップ入口側の範囲内に限定することにより、水蒸気による画像の乱れを防止しつつ、比較的低グロスの範囲内でグロス制御ができる。
以下、本発明の実施例3について説明する。なお、本実施例の定着装置において、加熱ローラ20、無端ベルト31、加圧部材32等の基本的構成は上述した実施例1と同様であり、実施例1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
本実施例の画像形成装置においては、実施例1の画像形成装置に対し、更に記録媒体搬送中に加圧部材32の位置を変更する制御手段を有するので、記録媒体の先端と後端での定着性、グロスの差を無くすことができる。
記録媒体がニップ部Nに突入すると、加熱ローラ20から供給される熱は記録媒体とトナーに吸収され、定着が行われていく。このとき、特に坪量が大きい厚紙など熱容量が大きく加熱ローラ20からの熱供給が追いつかない場合には、記録媒体がニップ部Nに搬送される間に徐々に記録媒体表面の温度が低下する。
図7(a)は記録媒体表面の温度がニップ部搬送中に徐々に低下する場合の記録媒体上
の温度勾配を模式的に表したものである。
記録媒体表面温度がこのような状態の場合、記録媒体先端から後端にかけてトナー溶融状態が徐々に変化し、後端に近づくほどトナーが溶融不足となる。これにより同一の記録媒体中で、先端から後端にかけて定着性やグロスが低下してしまう。
これを回避するために、加圧部材32の位置を制御する制御手段により、図7(b)に示すような圧力ピーク位置の制御を行う。この制御は、加圧部材32の位置を記録媒体先端がニップ部に突入した時から、記録媒体後端がニップ部を脱出する時までの間、徐々にニップ出口側へ移動させるものである。
また、図8(a)は記録媒体の温度低下が加熱ローラ20の表面温度履歴の影響を受け、加熱ローラ20の周長相当距離で段階的に低下していく場合を示した模式図である。この場合には、加圧部材32の移動もそれに合わせて段階的に行い、図8(b)に示すような圧力ピーク位置の制御を行っても良い。
また、記録媒体の温度低下はその種類によって異なるため、温度低下が起こる紙種毎に適切な加圧部材32の移動量を決定する。また、移動速度は一定でも良いが、記録媒体の温度低下特性を踏まえて、速度を変化させながら移動してもよい。
例えば、図9(a)に示すように、記録媒体先端から中央にかけては緩やかに温度が低下し、記録媒体後端近傍で急激に温度が低下するような場合には、図9(b)に示すような圧力ピーク位置の制御を行っても良い。この制御は、記録媒体先端から中央部までの搬送中はある一定速度で加圧部材32をニップ出口側へ移動させ、記録媒体後端近傍がニップ部Nに突入するタイミングに合わせて、加圧部材32の移動速度を速めてニップ出口側に移動させるものである。
以上のように、記録媒体搬送中に圧力ピーク位置をニップ出口側へ移動させることで、同一記録媒体中の搬送方向での温度低下による定着性、グロス低下を防ぎ、定着性、グロスを均一に制御できる。
なお、本発明に係る定着装置は、上記実施例で説明したベルトニップ方式の定着装置に限られず、圧力ピークを可変とする構成であれば、フィルム加熱方式の定着装置などにも適用することができる。
実施例1に係る定着装置の一例の概略断面図。 (a)は実施例1に係る定着装置の加圧状態Aを説明する概略断面図、(b)はニップ部搬送時の記録媒体表面でのニップ部内の温度・圧力プロファイルの説明図。 (a)は実施例1に係る定着装置の加圧状態Bを説明する概略断面図、(b)はニップ部搬送時の記録媒体表面でのニップ部内の温度・圧力プロファイルの説明図。 (a)は実施例1に係る定着装置の加圧状態Cを説明する概略断面図、(b)はニップ部搬送時の記録媒体表面でのニップ部内の温度・圧力プロファイルの説明図。 水蒸気による画像の乱れが発生する場合のニップ部搬送時の記録媒体表面でのニップ部内の温度・圧力プロファイルの一例の説明図。 実施例2に係る定着装置によって水蒸気による画像の乱れを回避することのできる場合のニップ部搬送時の記録媒体表面でのニップ部内の温度・圧力プロファイルの一例の説明図。 (a)は実施例3において記録媒体表面温度がニップ部通紙中に低下していく様子の一例を示す説明図、(b)は記録媒体の先後端でのグロス差を回避するための圧力ピーク位置制御を示す説明図。 (a)は実施例3において記録媒体表面温度がニップ部通紙中に低下していく様子の一例を示す説明図、(b)は記録媒体の先後端でのグロス差を回避するための圧力ピーク位置制御を示す説明図。 (a)は実施例3において記録媒体表面温度がニップ部通紙中に低下していく様子の一例を示す説明図、(b)は記録媒体の先後端でのグロス差を回避するための圧力ピーク位置制御を示す説明図。 画像形成装置の一例の概略断面図。
符号の説明
20 加熱ローラ
21 加熱源
22 アルミ芯金
23 シリコンゴム層
24 フッ素樹脂層
31 無端ベルト
32 加圧部材
33,34,35 支持ローラ
36 移動ガイド部材
112 定着装置
N ニップ部
水の沸点
〔a〕 ニップ入口
〔b〕 ニップ出口
〔p〕 圧力ピーク位置
〔x〕 水の沸点到達位置

Claims (7)

  1. 記録媒体を挟持搬送するニップ部を有し、前記ニップ部で記録媒体上の未定着画像を定着する定着装置において、
    前記ニップ部で記録媒体搬送方向に形成される圧力分布のピーク位置を変更することによりグロス制御を行う制御手段を備え
    前記制御手段は、前記ニップ部で記録媒体搬送方向に形成される圧力分布のピーク位置を、記録媒体搬送中に変更することを特徴とする定着装置。
  2. 前記ニップ部を構成する2部材のうち少なくとも一方は、ベルト状部材と、前記ベルト状部材の背面側から前記2部材のうち他方を加圧する加圧部材とを有し、
    前記加圧部材を記録媒体搬送方向に移動させる移動手段が設けられており、
    前記制御手段は、前記移動手段により前記加圧部材を記録媒体搬送方向に移動させることによって、前記ニップ部で記録媒体搬送方向に形成される圧力分布のピーク位置を変更することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記制御手段は、前記ニップ部にかかる総荷重値を変更せずに、前記加圧部材を記録媒体搬送方向に移動させ、前記ニップ部で記録媒体搬送方向に形成される圧力分布のピーク位置を変更することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記制御手段は、前記加圧部材を記録媒体搬送方向においてニップ幅を変化させる事のない範囲内で移動させ、前記ニップ部で記録媒体搬送方向に形成される圧力分布のピーク位置を変更することを特徴とする請求項2又は3に記載の定着装置。
  5. 前記加圧部材の形状は、回転可能なローラ形状であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記制御手段は、前記ニップ部で記録媒体搬送方向に形成される圧力分布のピーク位置を、前記ニップ部において温度が定着動作環境の気圧下における水の沸点以上に達する位置よりも、記録媒体搬送方向上流側の範囲内で変更することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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