JP5862599B2 - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳片の厚み中心部に発生する成分偏析を鋳造工程において防止することを目的として連続鋳造中の鋳片に振動を与えながら溶鋼を連続鋳造する方法に関する。
鋼の連続鋳造における最終凝固部では、鋳片の厚み中央部に、炭素、燐、マンガン、硫黄などの溶質元素が集積して、中心偏析が生成する。この中心偏析は、鋼製品、特に厚鋼板の品質を劣化させる。例えば、厚鋼板を曲げ加工した後に溶接して製造される、石油輸送用や天然ガス輸送用に供される耐サワーラインパイプ用鋼管では、サワーガスの作用により、中心偏析を起点として水素誘起割れが発生する。このように、中心偏析は鋼製品の品質を劣化させることから、中心偏析の軽微な鋳片が要求されている。しかも近年、鋼製品は低温、腐食環境といった厳しい環境で使用されることが多く、鋳片の中心偏析を低減することの重要性は益々高まっている。
これらの問題に対処するべく、鋳片の中心偏析を連続鋳造工程において低減する手段が多数提案されている。例えば、鋳片凝固末期の凝固完了位置(クレータエンド位置)付近を鋳片の凝固収縮量程度の圧下量で複数の鋳片支持ロールで圧下(「軽圧下」という)しながら鋳造する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。但し、軽圧下を用いた鋳造方法では、圧下量が不足すると中心偏析を低減する効果が不十分となり、一方、圧下量が大き過ぎると内部割れが発生し、鋳片の内部品質を悪化させる。したがって、この軽圧下鋳造方法では鋳片の圧下量を適正範囲に制御することが重要である。
また、特許文献2、特許文献3及び特許文献4には、内部に未凝固層を有する鋳片の表面を連続的に打撃して鋳片に振動を付与しながら、軽圧下鋳造する方法が提案されている。鋳片に振動を付与することで、鋳片凝固シェルの成長途中の柱状晶が破断され、破断した柱状晶を核として微細な等軸晶が生成する。特許文献2〜4は、破断した柱状晶を核として生成する微細な等軸晶を鋳片中心部に堆積させて鋳片の中心偏析を軽減すると同時に、軽圧下によって鋳片の中心偏析を軽減するという技術である。また、特許文献2〜4によれば、鋳片に振動を与えることで、形成される等軸晶のブリッジングが防止され、等軸晶同士のブリッジングによって生成する偏析も防止できるとしている。
しかしながら、特許文献2〜4では、内部が未凝固の状態の鋳片の表面に振動を与えており、振動を与える場所が鋳片の凝固完了位置に近い場合には中心偏析を軽減することができるが、振動を与える場所が鋳片の凝固完了位置よりも鋳造方向上流側に離れた場合には、付与した振動の減衰が大きく、鋳片の中心偏析を効率的に低減できない虞がある。
特開2010−69499号公報 特開2003−334641号公報 特開2007−229748号公報 特開2002−273554号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、鋳造中の鋳片に振動を与えて鋳片の中心偏析を低減する連続鋳造方法において、付与した振動の減衰が少なく、付与した振動によって効率的に中心偏析の発生を抑制することのできる、鋼の連続鋳造方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]連続鋳造機で横断面形状が矩形の鋳片を鋳造する際に、連続鋳造機内の鋳片の表面であって、鋳片の厚み中心部まで凝固が完了した部位の鋳片の表面に連続的に振動を与えながら、鋳片を鋳造することを特徴とする、鋼の連続鋳造方法。
[2]前記振動を鋳片の長辺面に与える場合には、与える振動の周波数をf1(Hz)、振幅をA1(mm)、鋳片の厚みをD(mm)としたとき、前記周波数f1を100Hz以上300Hz以下、且つ、前記振幅Aを「D/125」mm以上「D/50」mm以下とし、前記振動を鋳片の短辺面に与える場合には、与える振動の周波数をf2(Hz)、振幅をA2(mm)、鋳片の厚みをD(mm)、鋳片の短辺面に振動を与えるときの振動付与装置の振動方向と鋳片短辺面との接触角をθ(°)としたとき、前記周波数f2を100Hz以上300Hz以下、前記振幅Bを「D/83」mm以上「D/17.8」mm以下、且つ、接触角θを45°以上75°以下とすることを特徴とする、上記[1]に記載の鋼の連続鋳造方法。
[3]前記鋳片の厚み中心部の固相率が少なくとも0.3の時点から0.8になる時点まで、鋳造方向に配置した複数対の鋳片支持ロールを用いて、前記鋳片を0.5〜1.5mm/分の圧下速度で圧下することを特徴とする、上記[1]または上記[2]に記載の鋼の連続鋳造方法。
本発明によれば、鋳片の厚み中心部まで凝固が完了した部位の鋳片の表面に振動を与えるので、内部に未凝固層を有する鋳片表面に振動を与えた場合に比較して、与えた振動の減衰が少なく、付与した振動によって効率的に中心偏析の発生を抑制することが実現される。また、与えた振動の減衰が少ないことから、鋳片の凝固完了位置よりも鋳造方向下流側に離れた位置で振動を与えることが可能となり、振動付与装置の設置位置の融通性が高まるなどの付随効果も発現する。
スラブ連続鋳造機で本発明を実施している状況を示す概略図である。 鋳片の表面に振動を付与する様子を示す概略図である。 種々の条件で鋳片の長辺面に振動を与えたときの鋳片の中心偏析の調査結果を示す図である。 種々の条件で鋳片の長辺面に振動を与えたときの鋳片の中心偏析の調査結果を示す図である。 種々の条件で鋳片の短辺面に振動を与えたときの鋳片の中心偏析の調査結果を示す図である。 種々の条件で鋳片の短辺面に振動を与えたときの鋳片の中心偏析の調査結果を示す図である。 種々の条件で鋳片の短辺面に振動を与えたときの鋳片の中心偏析の調査結果を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、本発明の実施形態例を示す図であり、スラブ連続鋳造機で本発明を実施している状況を示す概略図である。
図1に示すように、スラブ連続鋳造機1には、溶鋼9を注入して凝固させ、横断面が矩形である鋳片10の外殻形状を形成するための鋳型5が設置され、この鋳型5の上方所定位置には、取鍋(図示せず)から供給される溶鋼9を鋳型5に中継供給するためのタンディッシュ2が設置されている。タンディッシュ2の底部には、溶鋼9の流量を調整するためのスライディングノズル3が設置され、このスライディングノズル3の下面には、浸漬ノズル4が設置されている。一方、鋳型5の下方には、サポートロール、ガイドロール及びピンチロールからなる複数対の鋳片支持ロール6が配置されている。鋳造方向に隣り合う鋳片支持ロール6の間隙には、水スプレーノズル或いはエアーミストスプレーノズルなどのスプレーノズル(図示せず)が配置された二次冷却帯が構成され、二次冷却帯のスプレーノズルから噴霧される冷却水(「二次冷却水」ともいう)によって鋳片10は引き抜かれながら冷却されるようになっている。また、鋳造方向最終の鋳片支持ロール6の下流側には、鋳造された鋳片10を搬送するための複数の搬送ロール7が設置されており、この搬送ロール7の上方には、鋳造される鋳片10から所定の長さの鋳片10aを切断するための鋳片切断機8が配置されている。
鋳片10の凝固完了位置13を挟んだ鋳造方向の下流側(鋳片切断機側)及び上流側(鋳型側)には、相対する鋳片支持ロール6とのロール間隔を鋳造方向下流側に向かって順次狭くなるように設定され、鋳片10に圧下力を付与するための、複数対の鋳片支持ロール群から構成される軽圧下帯14が設置されている。軽圧下帯14では、その全域または一部選択した領域で、鋳片10に圧下(「軽圧下」という)を行うことが可能である。軽圧下帯14の各鋳片支持ロール間にも鋳片10を冷却するためのスプレーノズルが配置されている。
相対する鋳片支持ロール6とのロール間隔を鋳造方向下流に向かって順次狭くなるように設定することを、「ロール勾配」と称し、ロール勾配(単位:mm/m)に鋳造速度(m/分)を乗算した数値が圧下速度(mm/分)となる。したがって、所定の圧下速度となるように、鋳造速度に応じてロール勾配を設定する。尚、図1では、軽圧下帯14の範囲内に凝固完了位置13が位置しているが、凝固完了位置13が軽圧下帯14の範囲内に位置することは必須ではなく、鋳片厚み中心部の固相率が0.8となる位置が軽圧下帯14の範囲内に存在すればよい。また、軽圧下帯14に配置される鋳片支持ロール6は「圧下ロール」とも呼ばれている。
取鍋からタンディッシュ2に溶鋼9を注入してタンディッシュ2に所定量の溶鋼9を滞留させ、次いで、タンディッシュ2に滞留した溶鋼9を、浸漬ノズル4を介して鋳型5に注入する。鋳型内に注入された溶鋼9は鋳型5で冷却されて凝固シェル11を形成し、外殻を凝固シェル11とし、内部に未凝固層12を有する鋳片10として、鋳片支持ロール6に支持されながらピンチロールによって鋳型5の下方に連続的に引き抜かれる。鋳片10は、鋳片支持ロール6を通過する間、二次冷却帯の二次冷却水で冷却され、凝固シェル11の厚みを増大させ、軽圧下帯14にて適宜な量の軽圧下量が付加され、凝固完了位置13で中心部までの凝固を完了する。中心部まで凝固完了した鋳片10を鋳片切断機8により切断して鋳片10aを得る。
この場合、予め伝熱凝固計算などを用いて、種々の鋳造条件下における凝固シェル11の厚み並びに鋳片厚み中心部の固相率を求めておき、軽圧下帯14に入る時点での鋳片厚み中心部の固相率が0.3以下になるように、鋳造速度及び二次冷却水量などの鋳造条件を調整する。軽圧下を開始する時点の鋳片厚み中心部の固相率は0.3以下であればいくらであっても構わない。また、少なくとも鋳片10の厚み中心部の固相率が0.8以上になる時点までは、鋳片10の圧下を継続する。鋳片厚み中心部の固相率が0.3を超えると中心偏析が発生する虞があることから、鋳片厚み中心部の固相率が0.3以下の範囲から軽圧下することが好ましく、また、鋳片10の厚み中心部の固相率が0.8未満では中心偏析が発生する虞があることから、鋳片10の厚み中心部の固相率が0.8以上になる時点まで軽圧下することが好ましい。また、圧下速度が0.5〜1.5mm/分の範囲内になるように、予定する鋳造速度に応じてロール勾配を予め調整しておく。これは、圧下速度が0.5mm/分未満では中心偏析の改善効果が少なく、一方、圧下速度が1.5mm/分を超えると鋳片10に内部割れが発生する虞があるからである。ここで、固相率とは、凝固開始前を固相率=0、凝固完了時を固相率=1.0と定義されるものであり、鋳片厚み中央部の固相率は伝熱凝固計算によって求めることができる。
本発明では、鋳片10の厚み中心部の固相率が1.0となった時点またはそれ以降、鋳造中の鋳片10の表面に、振動付与装置としてスラブ連続鋳造機1の二次冷却帯に設置した打撃振動装置15を用いて連続的に振動を与える。図2に、鋳片10の表面に打撃振動装置15を用いて振動を付与する様子を示す。図2(A)は、横断面が矩形の鋳片10の長辺面に振動を付与する概略図であり、図2(B)は、横断面が矩形の鋳片10の短辺面に振動を付与する概略図である。
鋳片10の長辺面に振動を付与する場合には、図2(A)に示すように、打撃振動装置15の振動子15aの先端に長辺面振動金具16を取り付け、長辺面振動金具16を凝固完了位置13、或いは、凝固完了位置13よりも鋳造方向下流側の鋳片10の長辺面に押し当てて、打撃振動装置15で発生する振動を鋳片10に伝達させる。また、鋳片10の短辺面に振動を付与する場合には、図2(B)に示すように、打撃振動装置15の振動子15aの先端に短辺面振動金具17を取り付け、短辺面振動金具17を凝固完了位置13、或いは、凝固完了位置13よりも鋳造方向下流側の鋳片10の短辺面に押し当てて、打撃振動装置15で発生する振動を鋳片10に伝達させる。
鋳片10に振動を付与することで、鋳片10の凝固シェル11にて成長途中の柱状晶の先端部が破断され、破断した柱状晶を核として微細な等軸晶が生成し、この等軸晶が鋳片中心部に堆積するので、軽圧下による鋳片10の中心偏析の軽減効果と相まって、鋳片10の中心偏析が軽減される。
鋳片10に振動を付与する位置は、鋳片10の凝固完了位置13を含め、凝固完了位置13から鋳造方向下流側に5m程度離れた位置までとすればよい。また、詳細は後述するが、鋳片10の長辺面に振動を付与する場合には、与える振動の周波数をf1(Hz)、振幅をA1(mm)、鋳片の厚みをD(mm)としたとき、100Hz≦f1≦300Hzで、且つ、「D/125」mm≦A1≦「D/50」mmとし、一方、鋳片10の短辺面に振動与える場合には、与える振動の周波数をf2(Hz)、振幅をA2(mm)、鋳片の厚みをD(mm)、鋳片の短辺面に振動を与えるときの打撃振動装置15の振動方向と鋳片10の短辺面との接触角をθ(°)としたとき、100Hz≦f2≦300Hz、「D/83」mm≦A2≦「D/17.8」mmで、且つ、45°≦θ≦70°とすることが好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、鋳片10の厚み中心部まで凝固が完了した部位の鋳片10の表面に振動を与えるので、内部に未凝固層12を有する鋳片表面に振動を与えた場合に比較して、与えた振動の減衰が少なく、付与した振動によって効率的に鋳片10の中心偏析の発生を抑制することが実現される。
図1に示すスラブ連続鋳造機を用いて低炭素アルミキルド鋼の鋳造試験を行った。軽圧下帯は鋳型内溶鋼湯面位置から鋳造方向下流側の21〜27mの範囲に設定し、軽圧下帯の鋳片支持ロールの直径は230mmである。鋳片のサイズは、厚み250mm、幅2000mmであり、二次冷却比水量を1.6L/鋼−kgとし、鋳造速度を1.4m/分、軽圧下帯での鋳片の圧下速度を1.0mm/分とした。
これらの鋳造条件における鋳片の凝固完了位置は、伝熱凝固計算により、鋳型内溶鋼湯面位置から27.0mの位置となることが確認されている。また、伝熱凝固計算により、上記鋳造条件における鋳片の厚み中心部の固相率が0となる時点から1.0となる時点までの鋳造方向距離は約5.5mであることが確認されている。つまり、鋳片の厚み中心部の固相率が0.3の時点から鋳片の厚み中心部の固相率が0.8となる時点までは、軽圧下帯に位置することが確認されている。
この鋳造条件での連続鋳造において、打撃振動装置を、凝固完了位置を挟んで鋳造方向上流側及び鋳造方向下流側の種々の位置に設置し、鋳片の長辺面または短辺面に種々の周波数及び振幅の振動を付与し、鋳造後の鋳片の中心偏析を調査した。
鋳片の短辺面に振動を付与する際には、打撃振動装置の振動方向と鋳片の短辺面との接触角θを30〜90°の範囲で変更し、接触角θの影響を調査した。尚、鋳片の長辺面に振動を付与する場合には、接触角θを90°の一定としている。これは、鋳片の長辺面に振動を付与する場合には、鋳造方向に並んだ鋳片支持ロールにより、接触角θを90°に対して大きく変更することが設備的に困難なためである。
鋳片の中心偏析は、スラブの厚み中央の炭素濃度分析値をCとし、厚み方向の両端の炭素濃度分析値の平均値をC0とし、C/C0で定義される中心偏析度で評価した。この場合、中心偏析度が1.0に近づくほど中心偏析は低減する。本発明では、中心偏析度が1.06を超えた場合に中心偏析が悪化したと判定した。
図3及び図4に、種々の条件で鋳片の長辺面に振動を与えたときの鋳片の中心偏析の調査結果を示す。図3は、振幅A 1 を2.0mmの一定として、周波数f1を1Hz、50Hz、100Hz、300Hzの4水準に変更したときの鋳片中心偏析の調査結果で、図4は、周波数f1を300Hzの一定として、振幅A 1 を0.5mm、1.0mm、2.0mm、5.0mmの4水準に変更したときの鋳片中心偏析の調査結果である。図3及び図4では、鋳造方向の位置を、凝固完了位置を基準点(距離=0)として、鋳造方向上流側を正(+)、鋳造方向下流側を負(−)で表示している。この表示方法は、後述する図5〜7も同一である。
図3及び図4からも明らかなように、凝固完了位置(固相率=1.0の位置)並びに凝固完了位置よりも鋳造方向下流側の位置で鋳片に振動を与えることで、凝固完了位置よりも上流側で振動を与える場合に比較して、鋳片の中心偏析は大幅に低くなることが確認できた。
また、図3に示すように、周波数f1が100Hz及び300Hzの場合は、周波数f1が1Hz及び50Hzの場合に比較して中心偏析度は低く、したがって、鋳片の長辺面に振動を与える場合は、周波数f1は100〜300Hzの範囲が好ましいことが確認できた。
また、図4に示すように、厚みが250mmの鋳片長辺面に振動を付与する際に、振幅A 1 が2.0mm(2.0=250/125)及び5.0mm(5.0=250/50)の場合は、振幅A 1 が0.5mm(0.5=250/500)及び1.0mm(2.0=250/250)の場合に比較して中心偏析度は低く、したがって、振幅A 1 は、鋳片厚みをD(mm)とすると、「D/125」〜「D/50」mmの範囲が好ましいことが確認できた。
一方、図5、図6及び図7に、種々の条件で鋳片の短辺面に振動を与えたときの鋳片の中心偏析の調査結果を示す。図5は、振幅 2 を3.0mm、接触角θを45°の一定とし、周波数f2を10Hz、100Hz、300Hzの3水準に変更したときの鋳片中心偏析の調査結果で、図6は、周波数f2を100Hz、接触角θを45°の一定とし、振幅 2 を3.0mm、7.0mm、14.0mmの3水準に変更したときの鋳片中心偏析の調査結果で、図7は、振幅 2 を3.0mm、周波数f2を100Hzの一定として、接触角θを30°、45°、60°、75°、90°の5水準に変更したときの鋳片中心偏析の調査結果である。
図5〜7においても、図3、4と同様に、凝固完了位置(固相率=1.0の位置)並びに凝固完了位置よりも鋳造方向下流側の位置で鋳片に振動を与えることで、凝固完了位置よりも上流側で振動を与える場合に比較して、鋳片の中心偏析は大幅に低くなることが確認できた。
また、図5に示すように、周波数f 2 が100Hz及び300Hzの場合は、周波数f 2 が10Hzの場合に比較して中心偏析度は低く、したがって、鋳片の短辺面に振動を与える場合は、周波数f 2 は100〜300Hzの範囲が好ましいことが確認できた。
また、図6に示すように、厚みが250mmの鋳片短辺面に振動を付与する際に、振幅 2 が3.0mm(3.0=250/83.3)、7.0mm(7.0=250/35.7)及び14.0mm(14.0=250/17.8)の場合、何れも中心偏析度は低く、したがって、振幅 2 は、鋳片厚みをD(mm)とすると、「D/83」〜「D/17.8」mmの範囲が好ましいことが確認できた。
また、図7に示すように、接触角θが45°、60°及び75°の場合は、接触角θが30°及び90°の場合に比較して中心偏析度は低く、したがって、鋳片の短辺面に振動を与える場合は、接触角θは45°〜75°の範囲が好ましいことが確認できた。
尚、本実施例では鋳片の長辺面と短辺面とに同時に振動を付与する試験を実施していないが、鋳片の長辺面と短辺面とに同時に振動を付与した場合も、長辺面のみに振動を付与したときの効果と、短辺面のみに振動を付与したときの効果とが重なりあって発現すると考えられる。したがって、本発明は鋳片の長辺面と短辺面とに同時に振動を付与することを否定するものではない。
1 スラブ連続鋳造機
2 タンディッシュ
3 スライディングノズル
4 浸漬ノズル
5 鋳型
6 鋳片支持ロール
7 搬送ロール
8 鋳片切断機
9 溶鋼
10 鋳片
11 凝固シェル
12 未凝固層
13 凝固完了位置
14 軽圧下帯
15 打撃振動装置
16 長辺面振動金具
17 短辺面振動金具

Claims (2)

  1. 連続鋳造機で横断面形状が矩形の鋳片を鋳造する際に、連続鋳造機内の鋳片の表面であって、鋳片の厚み中心部まで凝固が完了した部位の鋳片の表面に連続的に振動を与えながら、鋳片を鋳造する鋼の連続鋳造方法であって、
    前記振動を鋳片の長辺面に与える場合には、与える振動の周波数をf 1 (Hz)、振幅をA 1 (mm)、鋳片の厚みをD(mm)としたとき、前記周波数f 1 を100Hz以上300Hz以下、且つ、前記振幅A 1 を「D/125」mm以上「D/50」mm以下とし、
    前記振動を鋳片の短辺面に与える場合には、与える振動の周波数をf 2 (Hz)、振幅をA 2 (mm)、鋳片の厚みをD(mm)、鋳片の短辺面に振動を与えるときの振動付与装置の振動方向と鋳片短辺面との接触角をθ(°)としたとき、前記周波数f 2 を100Hz以上300Hz以下、前記振幅A 2 を「D/83」mm以上「D/17.8」mm以下、且つ、接触角θを45°以上75°以下とすることを特徴とする、鋼の連続鋳造方法。
  2. 前記鋳片の厚み中心部の固相率が少なくとも0.3の時点から0.8になる時点まで、鋳造方向に配置した複数対の鋳片支持ロールを用いて、前記鋳片を0.5〜1.5mm/分の圧下速度で圧下することを特徴とする、請求項1に記載の鋼の連続鋳造方法。
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