JP5862527B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動変速機の変速時にトルクダウン制御を実行すると共に、エンジンの排気系に関わる温度が上昇したときに燃料増量制御を実行する車両の制御装置に関するものである。
エンジンと、そのエンジンからの動力を駆動輪側へ伝達する自動変速機とを備え、自動変速機の変速時(特に、パワーオンアップシフト時)にエンジントルクを低下させる制御(変速時トルクダウン制御)を実行して変速ショックを抑制する車両が良く知られている。例えば、特許文献1に記載されたパワートレーンの総合制御装置がそれである。この特許文献1には、変速時トルクダウン制御として、エンジンの一部気筒への燃料供給を停止する制御(部分フューエルカット制御)が提案されている。一般的に、このような変速時トルクダウン制御としては、この部分フューエルカット制御の他に、例えばエンジンの点火時期を遅角する制御(遅角制御)やスロットル弁開度を小さくする制御(閉じ制御)も良く知られている。
特開平2−45627号公報
ところで、上述したような変速時トルクダウン制御は、それぞれに一長一短があり、何れか1つの制御を採用したときに良好な変速(例えば変速ショックの抑制と変速応答性とを両立させた変速)を実現できない可能性がある。例えば、上記遅角制御では、トルクダウンの応答性や精度は比較的優れているものの、大きなトルクダウン量が得られ難い。また、上記閉じ制御では、空気量による遅れの為に、応答性の面で劣っている。また、上記部分フューエルカット制御では、気筒毎の段階的なトルクダウン量となる為、トルクダウン量を要求値に制御することが難しい。一方で、高負荷運転が続いたことでエンジンの排気系に関わる温度(排気系温度、例えば排気温度やエンジンの排気管に設けられた触媒の温度等)が上昇したときに、エンジンへの燃料噴射量を増量する制御(燃料増量制御)を実行してその排気系温度を低下させることも良く知られている。また、この燃料増量制御では、通常、そのときのエンジンの点火時期が遅角側にある程(点火遅角量が大きい程)、燃料噴射量の増量分が大きくされる。そうすると、燃料増量制御の実行中に、変速時トルクダウン制御を遅角制御にて実行すると、更に燃料噴射量の増量分が大きくされることで実エンジントルクの変動が大きくされて、良好な変速を実現し難くなる可能性がある。その為、変速時トルクダウン制御のみを考えれば、上述した各制御の中では遅角制御が最も優れていると考えられるが、変速時トルクダウン制御と燃料増量制御等の他の制御との協調を考えると、必ずしも遅角制御が優れているとは限らず、適宜最適なものを選択することが望ましい。尚、上述したような課題は未公知であり、燃料増量制御の実行中における変速時トルクダウン制御をその燃料増量制御と協調させて適切に実行することで、良好な変速を実現することについて未だ提案されていない。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、燃料増量制御が実行中であるときの自動変速機の変速の際に、変速時トルクダウン制御を適切に実行して良好な変速を実現することができる車両の制御装置を提供することにある。
前記目的を達成する為の第1の発明の要旨とするところは、(a) エンジンと、そのエンジンからの動力を駆動輪側へ伝達する自動変速機とを備え、その自動変速機の変速時にそのエンジンのトルクを低下させる変速時トルクダウン制御を実行すると共に、そのエンジンの排気系に関わる温度が上昇したときにそのエンジンへの燃料噴射量を増量する燃料増量制御を実行し、その燃料増量制御ではそのエンジンの点火時期が遅角側にある程、その燃料噴射量の増量分を大きくする車両の制御装置であって、(b) 前記燃料増量制御が実行されているときの前記自動変速機の変速の際には、前記変速時トルクダウン制御として、前記点火時期を遅角する遅角制御を、スロットル弁開度を小さくする閉じ制御或いはそのエンジンの少なくとも1つの気筒への燃料供給を停止する部分フューエルカット制御よりも、その変速時の燃料噴射量の増量分の変化量が小さい領域で選択するものであり、(c) 前記変速時の燃料噴射量の増量分の変化量は、その変速時に前記遅角制御により前記変速時トルクダウン制御を実行するとした場合に、その遅角制御に伴ってその燃料噴射量の増量分が変化させられる量である
このようにすれば、燃料増量制御が実行されているときの自動変速機の変速の際に、遅角制御により変速時トルクダウン制御を実行すると、そのときの点火遅角量に応じて燃料噴射量が増量される。燃料増量制御中に遅角制御で行うことに伴う燃料噴射量の増量分の変化量が小さい場合は、遅角制御を行ったとしても変速中の実エンジントルクの変化が小さくされて変速ショックや変速応答性の悪化が抑制される為、比較的制御性の良い(すなわちトルクダウンの応答性や精度が比較的優れている)遅角制御により変速時トルクダウン制御を実行する。一方で、燃料増量制御中に遅角制御で行うことに伴う燃料噴射量の増量分の変化量が大きい場合は、遅角制御を行うと変速中の実エンジントルクの変化が大きくされて変速ショックや変速応答性が悪化し易い為、実エンジントルクへの影響がない(すなわち遅角制御と異なりトルクダウンの実行に伴って燃料噴射量の増量分が変化しない)閉じ制御或いは部分フューエルカット制御により変速時トルクダウン制御を実行する。これにより、変速ショックの抑制と変速応答性とを両立することが可能となる。よって、燃料増量制御が実行中であるときの自動変速機の変速の際に、変速時トルクダウン制御を適切に実行して良好な変速を実現することができる。前記変速時の燃料噴射量の増量分の変化量は、その変速時に前記遅角制御により前記変速時トルクダウン制御を実行するとした場合に、その遅角制御に伴ってその燃料噴射量の増量分が変化させられる量であるので、燃料増量制御が実行中であるときの自動変速機の変速の際に、変速時トルクダウン制御を適切に実行して良好な変速を確実に実現することができる。
ここで、第2の発明は、前記第1の発明に記載の車両の制御装置において、アクセル開度或いはスロットル弁開度が小の低開度領域、或いはアクセル開度或いはスロットル弁開度が大の高開度領域は、アクセル開度或いはスロットル弁開度がその低開度領域よりも相対的に大きく且つその高開度領域よりも相対的に小さい中の中開度領域よりも、前記変速時の燃料噴射量の増量分の変化量が小さい領域とされることにある。このようにすれば、燃料増量制御の実行中における変速時トルクダウン制御として、アクセル開度(或いはスロットル弁開度)の低開度領域或いは高開度領域では遅角制御が選択される一方で、アクセル開度(或いはスロットル弁開度)の中開度領域では閉じ制御或いは部分フューエルカット制御が選択される。
本発明が適用される車両における動力伝達経路の概略構成を説明する図であると共に、車両に設けられた制御系統の要部を説明する図である。 図1のエンジンの概略構成を説明する図であると共に、エンジンの出力制御等を実行する為に車両に設けられた制御系統の要部を説明する図である。 電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 点火遅角量及びアクセル開度Acc(或いはスロットル弁開度θth)と燃料噴射量増量係数との予め定められた関係(燃料噴射量増量係数マップ)の一例を示す図であって、変速時の燃料噴射量の増量分の変化量が小さい領域を説明する為の図でもある。 電子制御装置の制御作動の要部すなわち燃料増量制御が実行中であるときの自動変速機の変速の際に変速時トルクダウン制御を適切に実行して良好な変速を実現する為の制御作動を説明するフローチャートである。 図5のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートであって、パワーオンアップシフト時の一例を示す図である。
本発明において、好適には、前記自動変速機は、例えば複数のギヤ段が択一的に達成される公知の遊星歯車式自動変速機、2軸間に備えられた常時噛み合う複数対の変速ギヤの何れかをアクチュエータにより駆動される同期装置によって択一的に動力伝達状態とすることでギヤ段が自動的に切換られる公知の同期噛合型平行2軸式自動変速機、入力軸を2系統備えて各系統の入力軸にクラッチがそれぞれ繋がり更にそれぞれ偶数段と奇数段へと繋がっている型式の同期噛合型平行2軸式自動変速機である所謂DCT(Dual Clutch Transmission)、変速比が無段階に連続的に変化させられる公知のベルト式無段変速機やトラクション型無段変速機、或いは電気的に変速比が変更される公知の電気式無段変速機などにより構成される。上記各種無段変速機にあっては、敢えて有段的に変速比を変更する変速制御を実行できることは言うまでもないことである。また、前記自動変速機の車両に対する搭載姿勢は、その自動変速機の軸線が車両の幅方向となるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両などの横置き型でも、その自動変速機の軸線が車両の前後方向となるFR(フロントエンジン・リヤドライブ)車両などの縦置き型でも良い。
また、好適には、前記エンジンとしては、例えば燃料の燃焼によって動力を発生するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関が広く用いられる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10に備えられたエンジン12から駆動輪26までの動力伝達経路の概略構成を説明する図であると共に、車両10に設けられた制御系統の要部を説明する図である。また、図2は、特に、図1のエンジン12の概略構成を説明する図であると共に、エンジン12の出力制御等を実行する為に車両10に設けられた制御系統の要部を説明する図である。図1、図2において、駆動力源としてのエンジン12により発生させられた動力は、トルクコンバータ14を経て自動変速機18の入力軸16に入力され、自動変速機18の出力軸20から差動歯車装置(ディファレンシャルギヤ)22や一対の車軸(ドライブシャフト)24等を順次介して左右の駆動輪26へ伝達される。
自動変速機18は、エンジン12から駆動輪26までの動力伝達経路の一部を構成し、エンジン12からの動力を駆動輪26側へ伝達する。自動変速機18は、例えば複数の係合装置の何れかの掴み替えにより(すなわち係合装置の係合と解放との切替えにより)変速が実行されて複数の変速段(ギヤ段)が選択的に成立させられる公知の遊星歯車式自動変速機である。すなわち、自動変速機18は、所謂クラッチツゥクラッチ変速を行う有段変速機であり、入力軸16の回転を変速して出力軸20から出力する。この入力軸16は、トルクコンバータ14のタービン翼車によって回転駆動されるタービン軸でもある。複数の係合装置は、油圧制御回路28によってそれぞれ係合と解放とが制御され、その油圧制御回路28内のソレノイドバルブ等の調圧によりそれぞれのトルク容量すなわち係合力が変化させられて、それが介挿されている両側の部材を選択的に連結するクラッチやブレーキ等の油圧式の摩擦係合装置である。
エンジン12は、例えば複数の気筒を有する公知の自動車用ガソリンエンジンであり、燃焼室30の吸気ポートに接続された吸気管32と、燃焼室30の排気ポートに接続された排気管34と、燃焼室30に吸入される吸気(吸入空気)に燃料Fを噴射供給する燃料噴射装置36と、燃料噴射装置36により噴射供給された燃料Fと吸入された空気とから構成される燃焼室30内の混合気に点火する点火装置38とを備えている。
エンジン12の吸気管32内には、電子スロットル弁40が設けられており、その電子スロットル弁40はスロットルアクチュエータ42により開閉作動させられる。このエンジン12では、吸気管32から燃焼室30に吸入される吸入空気に燃料噴射装置36から燃料Fが噴射供給されて混合気が形成され、燃焼室30内でその混合気が点火装置38により点火されて燃焼する。これにより、エンジン12は駆動され、燃焼後の混合気は排気ガスEXとして排気管34内へと送り出される。
エンジン12の排気管34には、触媒44が備えられており、エンジン12の燃焼により生じた排気ガスEXは、排気管34を通って触媒44に流入しその触媒44によって浄化されて大気中に排出される。この触媒44は、例えば排気ガスEX中の炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)等を浄化する良く知られた三元触媒を含んで構成されている。
車両10には、例えばエンジン12の出力制御などに関連する制御装置を含む電子制御装置70が備えられている。電子制御装置70は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置70は、エンジン12の出力制御、自動変速機18の変速制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用や油圧制御用(変速制御用)等に分けて構成される。また、電子制御装置70には、各種センサ(例えば各回転速度センサ50,52,54、アクセル開度センサ56、スロットル弁開度センサ58、エアフローメータ(吸入空気量センサ)60、水温センサ62、空燃比センサ64など)により検出された各種信号(例えばエンジン12の回転速度を表すエンジン回転速度Ne,入力軸16の回転速度を表すタービン回転速度Ntすなわち変速機入力回転速度Nin,車速Vに対応する出力軸20の回転速度を表す変速機出力回転速度Nout、車両10の駆動力(駆動トルク等も同意)に対する運転者の要求量を表すアクセル開度Acc、電子スロットル弁40の開き角度を表すスロットル弁開度θth、エンジン12の吸入空気量Qair、エンジン12の冷却水温TEMPw、触媒44よりも上流側の排気ガスEX(すなわち触媒に流入する排気ガスEX(触媒入ガス))の空燃比A/F(すなわち触媒前A/F)など)が、それぞれ供給される。また、電子制御装置70からは、例えばエンジン12の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号Se、自動変速機18の油圧アクチュエータを制御する油圧制御回路28を作動させる為の油圧指令信号Spなどが、それぞれ出力される。
図3は、電子制御装置70による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図3において、エンジン出力制御手段すなわちエンジン出力制御部72は、例えば要求されたエンジントルクTe(以下、要求エンジントルクTedem)が得られるように、スロットル制御の為にスロットルアクチュエータ42により電子スロットル弁40を開閉制御する他、エンジン12の各気筒への燃料噴射制御の為に燃料噴射装置36による燃料噴射量(燃料供給量)を制御し、点火時期制御の為に点火装置38を制御するエンジン出力制御指令信号Seを出力する。エンジン出力制御部72は、例えばアクセル開度Accをパラメータとして車速Vと要求駆動力Fdemとの予め記憶された不図示の関係(駆動力マップ)から実際のアクセル開度Acc及び車速Vに基づいて要求駆動力Fdemを算出する。そして、エンジン出力制御部72は、例えば駆動輪26のタイヤ有効半径、現在の自動変速機18のギヤ段におけるギヤ比、出力軸20よりも駆動輪26側の動力伝達経路における終減速比、及びトルクコンバータ14のトルク比tに基づいて、要求駆動力Fdemが得られる要求エンジントルクTedemを算出する。尚、トルクコンバータ14のトルク比tは、例えば速度比(=タービン回転速度Nt/ポンプ回転速度ωp(エンジン回転速度Ne))とトルク比t、効率、及び容量係数とのそれぞれの予め記憶された公知の関係(トルクコンバータ14の作動特性図)から実際の速度比eに基づいて算出される。
エンジン出力制御部72は、エンジン12の排気系に関わる温度が上昇したときには、エンジン12への燃料噴射量を増量する燃料増量制御を実行する燃料増量制御手段すなわち燃料増量制御部74を機能的に備えている。具体的には、燃料増量制御部74は、エンジン12の排気系に関わる温度としての触媒44の温度である触媒温度THcatが、触媒44の浄化能力が低下してしまう程の高温となっていることを判断する為の予め定められた所定温度を超えた場合には、燃料増量制御を実行しないときの燃料噴射量(指令値)に乗算する為の燃料噴射量増量係数(>1)を設定してその燃料噴射量を増量することで、排気ガスEX(触媒入ガス)の温度である排気温度THexを低下させて触媒44を冷却する。この際、燃料増量制御部74は、例えば図4に示すように、エンジン12の点火時期が遅角側にある程(点火遅角量が大きい程)、大きな燃料噴射量増量係数を設定して燃料噴射量の増量分を大きくする。又、例えばアクセル開度Accが大きなときには速やかに加速させるという観点から、燃料増量制御部74は、例えば図4に示すように、アクセル開度Acc或いはスロットル弁開度θthが大きなときには、大きな燃料噴射量増量係数を設定して燃料噴射量を増量側に補正する。燃料増量制御部74は、点火遅角量に基づいて決定した燃料噴射量増量係数、及びアクセル開度Acc或いはスロットル弁開度θthに基づいて決定した燃料噴射量増量係数のうちで大きい方を燃料増量制御の実行時の燃料噴射量増量係数として設定する。或いは、例えば図4に示すように、点火遅角量及びアクセル開度Acc(或いはスロットル弁開度θth)と燃料噴射量増量係数との関係(燃料噴射量増量係数マップ)が予め定められており、燃料増量制御部74は、その燃料噴射量増量係数マップから点火遅角量及びアクセル開度Acc(或いはスロットル弁開度θth)に基づいて燃料増量制御の実行時の燃料噴射量増量係数を設定しても良い。
上記排気温度THexは、例えば排気温度THexを決定する為の予め定められた関係(排気温度マップ)からエンジン12の負荷(例えば吸入空気量Qair)及びエンジン回転速度Neに基づいて、電子制御装置70により推定値として逐次算出される。また、上記触媒温度THcatは、例えば排気温度THexを一次遅れ処理することで触媒温度THcatを算出する為の予め定められた関係(触媒温度算出式)から上記排気温度THexの推定値に基づいて、電子制御装置70により推定値として逐次算出される。
変速制御手段すなわち変速制御部76は、自動変速機18の変速制御を実行する。具体的には、変速制御部76は、車速V及びアクセル開度Accを変数として予め記憶された公知の関係(変速マップ、変速線図)から実際の車速V及びアクセル開度Accで示される車両状態に基づいて変速判断を行う。そして、変速制御部76は、自動変速機18の変速を実行すべきと判断した場合には、変速すべきギヤ段が得られるように自動変速機18の自動変速制御を実行する。例えば、変速制御部76は、判断したギヤ段が達成されるように、自動変速機18の変速に関与する係合装置を係合及び/又は解放させる油圧指令信号Spを油圧制御回路28へ出力する。特に、変速制御部76は、変速を適切に進行させる為に(良好な変速を実現する為に)、イナーシャ相中の変速機入力回転速度Ninの変化が変速ショックの抑制と変速時間(変速応答性)とを両立させる所定変化となるように変速機入力回転速度Ninを変化させる油圧指令信号Spを油圧制御回路28へ出力する。
ここで、変速制御部76による自動変速機18の変速(特には、パワーオンアップシフト)を適切に進行させるには、その変速時にエンジントルクTeを低下させる変速時トルクダウン制御を実行することが有効な手法である。その為、エンジン出力制御部72は、変速制御部76による自動変速機18の変速の際には、イナーシャ相中において、イナーシャトルクを相殺するように変速時トルクダウン制御を実行するトルクダウン制御手段すなわちトルクダウン制御部78を機能的に備えている。
トルクダウン制御部78による変速時トルクダウン制御としては、エンジン12の点火時期を遅角する遅角制御、スロットル弁開度θthを小さくする閉じ制御(電スロ閉じ制御ともいう)、エンジン12の少なくとも1つの気筒への燃料供給を停止する部分フューエルカット制御などの各種トルクダウン制御が用いられる。但し、変速ショックの抑制や変速応答性の観点からは、変速時トルクダウン制御にはトルクダウンの応答性及び精度が要求されており、本実施例では、通常実行する変速時トルクダウン制御として、それら応答性及び精度が比較的優れている(その要求を比較的満足させられ易い)遅角制御を用いる。つまり、遅角制御は、通常実行する変速時トルクダウン制御としては最も優れている。一方で、閉じ制御では、吸入空気量Qairによる遅れの為に、変速ショックが悪化したり、トルクダウン量が変速時間内で要求値に追従しない等の問題があり、例えば遅角制御が使用し難いような冷却水温TEMPwの低温時等以外は極力使用しないことが望ましい。その為、通常実行する変速時トルクダウン制御として、遅角制御を閉じ制御に置き換えるのは難しい。他方で、部分フューエルカット制御は、遅角制御よりも大きなトルクダウン量が得られ易いものの、気筒毎の段階的なトルクダウン量となる為にトルクダウン量が過度になったり反対に不足したり、また触媒44による排気ガスEXの浄化が難しく成り易い等の問題が生じる可能性があり、通常実行する変速時トルクダウン制御としては優れていない。
ところで、前述したように、燃料増量制御部74による燃料増量制御では点火遅角量が大きい程、燃料噴射量の増量分が大きくされる。その為、その燃料増量制御の実行中にトルクダウン制御部78による変速時トルクダウン制御が遅角制御にて実行されると、燃料噴射量の増量分が更に大きくされる可能性がある。そうすると、燃料増量制御のみが実行中であるときと比較して、変速中の実エンジントルクTe(延いては変速機入力トルクTin)が増加させられたり、トルクの応答性が悪化させられてしまい、例えば自動変速機18の係合装置の摩擦材の発熱量が増加したり、変速ショックや変速応答性が悪化して、良好な変速を実現し難くなる可能性がある。このような問題は、遅角制御が加えられたことによる燃料噴射量の増量分の変化量が大きい程、顕著に発生すると考えられる。
そこで、本実施例の電子制御装置70は、燃料増量制御部74による燃料増量制御が実行されているときの変速制御部76による自動変速機18の変速(特には、パワーオンアップシフト)の際には、トルクダウン制御部78による変速時トルクダウン制御として、遅角制御を、閉じ制御或いは部分フューエルカット制御よりも、変速時の燃料噴射量の増量分の変化量が小さい領域で選択する。つまり、変速時の燃料噴射量の増量分の変化量が比較的小さい領域では、増量分の変化に伴って発生する問題を回避することよりも、トルクダウンの応答性及び精度を重視するという観点から、燃料増量制御を実行中の変速時トルクダウン制御を、遅角制御にて実行する。一方で、変速時の燃料噴射量の増量分の変化量が比較的大きい領域では、トルクダウンの応答性及び精度よりも、増量分の変化に伴って発生する問題を回避することを重視するという観点から、燃料増量制御を実行中の変速時トルクダウン制御を、増量分の変化自体が生じない閉じ制御或いは部分フューエルカット制御にて実行する。見方を換えれば、燃料増量制御の実行中は、通常用いる遅角制御に替えて、敢えて、トルクダウンの応答性及び精度が比較的劣っている閉じ制御或いは部分フューエルカット制御にて変速時トルクダウン制御を実行するが、その閉じ制御或いは部分フューエルカット制御の実行頻度を可及的に抑制する為、上記問題が顕著に発生するような燃料噴射量の増量分の変化量が比較的大きい領域でのみ実行するようにして、変速ショックの抑制や変速応答性を確保しつつ、係合装置の摩擦材の発熱量を抑制する。この変速時の燃料噴射量の増量分の変化量は、変速時に遅角制御により変速時トルクダウン制御を実行するとした場合に(つまり、変速時トルクダウン制御にて要求されるトルクダウン量を遅角制御を用いて生じさせたと仮定した場合に)、燃料増量制御のみが実行されているときの燃料噴射量の増量分に対して、その遅角制御に伴う点火遅角量の変化に伴って燃料噴射量の増量分が変化させられる量である。
ここで、前記変速時の燃料噴射量の増量分の変化量が小さい領域について、図4を用いて説明する。図4において、前述したように、点火遅角量が大きい程、大きな燃料噴射量増量係数が設定される(すなわち燃料噴射量の増量分が大きくされる)が、加えて、アクセル開度Acc(或いはスロットル弁開度θth)が大きなときでも、大きな燃料噴射量増量係数が設定される。その為、点火遅角量の変化が比較的大きくても、燃料噴射量増量係数の変化量α(換言すれば燃料噴射量の増量分の変化量)が比較的小さくされる場合がある。具体的には、変速時のアクセル開度Acc(或いはスロットル弁開度θth)が小さく、遅角によるトルクダウン量が小さいと(つまり要求されるトルクダウン量が小さいと)、点火遅角量の変化が小さくされて、遅角制御に伴う燃料噴射量増量係数の変化量α1は比較的小さくされる。一方で、遅角によるトルクダウン量が大きくされて点火遅角量の変化が大きくされても、変速時のアクセル開度Acc(或いはスロットル弁開度θth)が大きい為に点火遅角量の変化前の燃料噴射量増量係数が元々大きくされており、結果的に遅角制御に伴う燃料噴射量増量係数の変化量α2は比較的小さくされる。他方、変速時のアクセル開度Acc(或いはスロットル弁開度θth)が小さくもなく大きくもないような中程度の大きさであると、点火遅角量の変化前の燃料噴射量増量係数は比較的小さくされており、点火遅角量の変化に伴って、遅角制御に伴う燃料噴射量増量係数の変化量α3は比較的大きくされる。このように、アクセル開度Acc(或いはスロットル弁開度θth)が小の低開度領域(低トルク領域)、或いはアクセル開度Acc(或いはスロットル弁開度θth)が大の高開度領域(高トルク領域)は、アクセル開度Acc(或いはスロットル弁開度θth)がその低開度領域よりも相対的に大きく且つその高開度領域よりも相対的に小さい中の中開度領域(中トルク領域)よりも、変速時の燃料噴射量の増量分の変化量が小さい領域とされる。従って、本実施例の電子制御装置70は、燃料増量制御が実行されているときの自動変速機18の変速の際に、低開度領域或いは高開度領域である場合は遅角制御にて変速時トルクダウン制御を実行する一方で、中開度領域である場合は遅角制御に替えて閉じ制御或いは部分フューエルカット制御にて変速時トルクダウン制御を実行するようにしても良い。
より具体的には、図3において、トルクダウン要求変更要否判定手段すなわちトルクダウン要求変更要否判定部80は、変速時トルクダウン制御の実行時に要求される制御を、遅角制御から閉じ制御或いは部分フューエルカット制御に替える必要があるか否かを判定する。具体的には、トルクダウン要求変更要否判定部80は、変速制御部76により変速指示(変速指令)が為されて自動変速機18の変速(例えばパワーオンアップシフト)が開始されたか否か、つまり変速制御部76による自動変速機18の変速中であるか否かを判定する。また、トルクダウン要求変更要否判定部80は、燃料増量制御部74による燃料増量制御が実行中(すなわち燃料増量制御中)であるか否かを判定する。また、トルクダウン要求変更要否判定部80は、トルクダウン制御部78による変速時トルクダウン制御を遅角制御にて実行するとした場合に、要求されるトルクダウン量を満たす為の点火遅角量の変化に伴う燃料噴射量増量係数の変化量α(すなわち遅角制御による燃料噴射量増量係数変化量α)が所定変化量αpre以上であるか否かを判定する。或いは、トルクダウン要求変更要否判定部80は、アクセル開度Acc(或いはスロットル弁開度θth)が所定の中開度領域にあるか否かを判定しても良い。尚、トルクダウン要求変更要否判定部80は、例えば図4に示すような燃料噴射量増量係数マップから、要求されるトルクダウン量を満たす為の点火遅角量及びアクセル開度Acc(或いはスロットル弁開度θth)に基づいて、遅角制御を実行するとした場合の燃料噴射量増量係数Kaを算出し、燃料増量制御部74により設定されている燃料増量制御の実行時の燃料噴射量増量係数Kbとの差分として、上記燃料噴射量増量係数変化量α(=Ka−Kb)を算出する。上記所定変化量αpreは、例えばそれ以上となると良好な変速を実現し難くなるような燃料噴射量増量係数の変化量αとして予め定められた閾値である。上記所定の中開度領域は、例えば燃料噴射量増量係数の変化量αが所定変化量αpre以上となるようなアクセル開度Acc(或いはスロットル弁開度θth)の範囲として予め定められた領域である。そして、トルクダウン要求変更要否判定部80は、自動変速機18の変速中であると判定し、且つ、燃料増量制御中でないと判定するか或いは遅角制御による燃料噴射量増量係数変化量αが所定変化量αpre以上でないと判定した(或いはアクセル開度Acc(或いはスロットル弁開度θth)が所定の中開度領域にないと判定した)場合には、変速時トルクダウン制御の実行時に要求される制御を遅角制御から閉じ制御或いは部分フューエルカット制御に替える必要がないと判定する。一方で、トルクダウン要求変更要否判定部80は、自動変速機18の変速中であると判定し、且つ燃料増量制御中であると判定し、且つ遅角制御による燃料噴射量増量係数変化量αが所定変化量αpre以上であると判定した(或いはアクセル開度Acc(或いはスロットル弁開度θth)が所定の中開度領域にあると判定した)場合には、変速時トルクダウン制御の実行時に要求される制御を遅角制御から閉じ制御或いは部分フューエルカット制御に替える必要があると判定する。
エンジン出力制御部72は、トルクダウン要求変更要否判定部80により変速時トルクダウン制御の実行時に要求される制御を遅角制御から閉じ制御或いは部分フューエルカット制御に替える必要がないと判定された場合には、変速時トルクダウン制御を遅角制御にて実行する。一方で、エンジン出力制御部72は、トルクダウン要求変更要否判定部80により変速時トルクダウン制御の実行時に要求される制御を遅角制御から閉じ制御或いは部分フューエルカット制御に替える必要があると判定された場合には、変速時トルクダウン制御を閉じ制御或いは部分フューエルカット制御にて実行する。
図5は、電子制御装置70の制御作動の要部すなわち燃料増量制御が実行中であるときの自動変速機18の変速(例えばパワーオンアップシフト)の際に変速時トルクダウン制御を適切に実行して良好な変速を実現する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。図6は、図5のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートであって、パワーオンアップシフト時の一例を示す図である。
図5において、先ず、トルクダウン要求変更要否判定部80に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、例えば自動変速機18の変速中であるか否かが判定される。このS10の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが肯定される場合(図6のt1時点乃至t3時点)はトルクダウン要求変更要否判定部80に対応するS20において、燃料増量制御中であるか否かが判定される。例えば、変速時トルクダウン制御が開始されるイナーシャ相開始判断時(図6のt2時点)にこのS20が実行される。このS20の判断が肯定される場合はトルクダウン要求変更要否判定部80に対応するS30において、遅角制御による燃料噴射量増量係数変化量αが所定変化量αpre以上であるか否かが判定される(図6のt2時点)。このS30の判断が肯定される場合はエンジン出力制御部72に対応するS40において、変速時トルクダウン制御の実行時に要求される制御が遅角制御から閉じ制御或いは部分フューエルカット制御に変更され、変速時トルクダウン制御が閉じ制御或いは部分フューエルカット制御にて実行される(図6のt2時点乃至t3時点の破線参照)。一方で、上記S20の判断が否定されるか或いは上記S30の判断が否定される場合はエンジン出力制御部72に対応するS50において、変速時トルクダウン制御が通常通り遅角制御にて実行される(図6のt2時点乃至t3時点の実線参照)。上記S40或いは上記S50に次いで、変速制御部76に対応するS60において、変速が進行させられて変速が終了させられる(図6のt3時点)。
図6において、例えばパワーオンアップシフトのイナーシャ相中において変速時トルクダウン制御が実行される場合、実線に示す実施例では、イナーシャ相開始時(t2時点)に、変速時トルクダウン制御を遅角制御にて実行したとしても燃料噴射量増量係数変化量αが所定変化量αpre以上にはならないと判断された為、変速時トルクダウン制御が通常通り遅角制御にて実行される。一方で、破線に示す実施例では、イナーシャ相開始時(t2時点)に、変速時トルクダウン制御を通常通りに遅角制御にて実行してしまうと燃料噴射量増量係数変化量αが所定変化量αpre以上になると判断された為、変速時トルクダウン制御が遅角制御に替えて閉じ制御にて実行される。従って、燃料噴射量増量係数は変化しない。
上述のように、本実施例によれば、燃料増量制御中に遅角制御で行うことに伴う燃料噴射量増量係数変化量αが比較的小さい場合は、遅角制御を行ったとしても変速中の実エンジントルクTeの変化が小さくされて変速ショックや変速応答性の悪化が抑制される為、比較的制御性の良い(すなわちトルクダウンの応答性や精度が比較的優れている)遅角制御により変速時トルクダウン制御を実行する。一方で、燃料増量制御中に遅角制御で行うことに伴う燃料噴射量増量係数変化量αが比較的大きい場合は、遅角制御を行うと変速中の実エンジントルクTeの変化が大きくされて変速ショックや変速応答性が悪化し易い為、実エンジントルクTeへの影響がない(すなわち遅角制御と異なりトルクダウンの実行に伴って燃料噴射量増量係数が変化しない)閉じ制御或いは部分フューエルカット制御により変速時トルクダウン制御を実行する。これにより、変速ショックの抑制と変速応答性とを両立することが可能となる。よって、燃料増量制御中であるときの自動変速機18の変速の際に、変速時トルクダウン制御を適切に実行して良好な変速を実現することができる。
また、本実施例によれば、アクセル開度Acc(或いはスロットル弁開度θth)の低開度領域或いは高開度領域は、中開度領域よりも、変速時の燃料噴射量増量係数変化量αが小さい領域とされるので、燃料増量制御中における変速時トルクダウン制御として、所定の中開度領域でない領域である低開度領域或いは高開度領域では遅角制御が選択される一方で、所定の中開度領域では閉じ制御或いは部分フューエルカット制御が選択される。
また、本実施例によれば、変速時の燃料噴射量増量係数変化量αは、遅角制御により変速時トルクダウン制御を実行するとした場合に、その遅角制御に伴って燃料噴射量増量係数が変化させられる量であるので、燃料増量制御中であるときの自動変速機18の変速の際に、変速時トルクダウン制御を適切に実行して良好な変速を確実に実現することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、その他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例において、エンジン12の排気系に関わる温度として触媒温度THcatを例示したが、排気温度THexもこのエンジン12の排気系に関わる温度の一つである。従って、エンジン出力制御部72は、排気温度THexに基づいて燃料増量制御を実行しても良い。要は、触媒温度THcatの変化に関連する、エンジン12の排気系に関わる何らかの温度に基づいて燃料増量制御を実行すれば良い。また、前述の実施例では、このエンジン12の排気系に関わる温度は、燃料増量制御を実行するか否かを判断する為のものであったが、エンジン12の排気系に関わる温度が高温である程、大きな燃料噴射量増量係数を設定して燃料噴射量の増量分を大きくしても良い。つまり、燃料増量制御部74は、点火遅角量に基づいて決定した燃料噴射量増量係数、アクセル開度Acc或いはスロットル弁開度θthに基づいて決定した燃料噴射量増量係数、及びエンジン12の排気系に関わる温度に基づいて決定した燃料噴射量増量係数のうちで大きい方を燃料増量制御の実行時の燃料噴射量増量係数として設定しても良い。
また、前述の実施例では、触媒44は、三元触媒であったが、これに限らない。例えば、酸化触媒とNOx還元触媒とがそれぞれ排気管34に設けられる態様であっても良い。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
12:エンジン
26:駆動輪
18:自動変速機
70:電子制御装置(制御装置)

Claims (2)

  1. エンジンと、該エンジンからの動力を駆動輪側へ伝達する自動変速機とを備え、該自動変速機の変速時に該エンジンのトルクを低下させる変速時トルクダウン制御を実行すると共に、該エンジンの排気系に関わる温度が上昇したときに該エンジンへの燃料噴射量を増量する燃料増量制御を実行し、該燃料増量制御では該エンジンの点火時期が遅角側にある程、該燃料噴射量の増量分を大きくする車両の制御装置であって、
    前記燃料増量制御が実行されているときの前記自動変速機の変速の際には、前記変速時トルクダウン制御として、前記点火時期を遅角する遅角制御を、スロットル弁開度を小さくする閉じ制御或いは該エンジンの少なくとも1つの気筒への燃料供給を停止する部分フューエルカット制御よりも、該変速時の燃料噴射量の増量分の変化量が小さい領域で選択するものであり、
    前記変速時の燃料噴射量の増量分の変化量は、該変速時に前記遅角制御により前記変速時トルクダウン制御を実行するとした場合に、該遅角制御に伴って該燃料噴射量の増量分が変化させられる量であることを特徴とする車両の制御装置。
  2. アクセル開度或いはスロットル弁開度が小の低開度領域、或いはアクセル開度或いはスロットル弁開度が大の高開度領域は、アクセル開度或いはスロットル弁開度が該低開度領域よりも相対的に大きく且つ該高開度領域よりも相対的に小さい中の中開度領域よりも、前記変速時の燃料噴射量の増量分の変化量が小さい領域とされることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
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