JP5862513B2 - 2サイクルエンジン用オイルポンプの制御方法及び制御装置 - Google Patents

2サイクルエンジン用オイルポンプの制御方法及び制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、2サイクルエンジンに潤滑オイルを供給するオイルポンプの制御方法及び制御装置に関するものである。
2サイクルエンジンにおいて、燃料と潤滑オイルとを別々に供給する場合には、オイルタンク内の潤滑オイルを送給するオイルポンプを設けて、エンジンの燃焼室内やクランク軸の軸受け部等に潤滑オイルを供給している。オイルポンプとしては、定容積型のオイルポンプが多く用いられている。
エンジンに燃料と潤滑オイルとを別々に供給する場合には、潤滑オイルの量が過剰になって排気ガスに白煙が生じたり、潤滑オイルの量が不足してエンジンが焼き付いたりするのを防ぐために、燃料とオイルとの混合比を適正に保つ必要がある。そのため、定容積型のオイルポンプを用いる場合には、オイルポンプに1ストロークの動作を行わせるために必要な時間をストローク時間とし、オイルポンプに与える駆動パルスのパルス幅をストローク時間以上の幅として、ポンプに駆動パルスを与える周期を制御することにより、オイルポンプからのオイルの吐出量を適量に保つように制御している。
例えば、特許文献1に示された潤滑オイル供給装置では、エンジンに燃料を供給するインジェクタ(電磁式燃料噴射弁)の開弁時間(燃料噴射量)と、エンジンの回転速度やスロットルバルブ開度などの運転状態とに応じて、オイルポンプに駆動パルスを供給する周期を制御することにより、潤滑オイルの吐出量を適正な量に制御している。
特開2008−2346号公報
エンジンの修理時に一旦外したオイルポンプを再接続した際や、空のオイルタンク内にオイルを補給した際などに、オイルポンプ内にエアが侵入して溜まることがある。このような場合、通常はエア抜き作業を行うが、エア抜き作業を怠ったり、エア抜き作業が不完全な状態でエンジンを始動すると、オイルポンプからのオイルの吐出量が不足し、最悪の場合にはエンジンの焼き付きを起こすおそれがある。特許文献1に開示された潤滑オイル供給装置では、インジェクタからの燃料噴射量とエンジンの運転状態とに応じてオイルポンプを制御しているが、オイルポンプ内へのエアの侵入に起因して生じる問題を解決するための制御は行っていない。
本発明の目的は、エンジンの始動時に、オイルポンプのエア抜きを素早く行って、エンジンへの潤滑オイルの供給量が不足する事態が生じるのを確実に防ぐことができるようにした2サイクルエンジン用オイルポンプの制御方法及びこの方法を実施するために用いるオイルポンプの制御装置を提供することにある。
本発明は、ポンプが1ストロークの吐出動作を行うのに要する時間をストローク時間として、該ストローク時間以上のパルス幅を有する駆動パルスにより駆動される定容積型の2サイクルエンジン用オイルポンプを制御する制御方法を対象とする。
本発明においては、オイルポンプ内にエアが侵入していないときのストローク時間よりも短い時間の間だけオイルポンプを駆動してオイルポンプ内のエアを抜くエア抜き過程を、エンジンの始動時に、オイルポンプを制御する制御装置の電源が確立した後に少なくとも1回行う。
上記のように、制御装置の電源が確立した後に、オイルポンプ内にエアが侵入していないときのストローク時間よりも短い時間の間だけオイルポンプを駆動してオイルポンプ内のエアを抜くエア抜き過程を行うようにすると、オイルポンプ内にエアが侵入していた際に、そのエアを短時間で素早く抜くことができる。オイルポンプのエア抜きは、エンジンの始動開始時に短時間で行われるため、オイルポンプ内にエアが侵入していた場合にエンジンに供給されるオイルの量が不足してエンジンが焼き付く等の事態が生じるのを確実に防ぐことができる。
本発明の好ましい態様では、各エア抜き過程が行われている期間の初期に検出したオイルポンプの駆動電流が設定された判定基準値以上であるときに次のエア抜き過程を更に行うようにして、各エア抜き過程が行われる期間の初期に検出したオイルポンプの駆動電流が判定基準値未満になるまでの間前記エア抜き過程を繰り返し行わせる。このように構成しておくと、オイルポンプ内のエアが抜けるまでエア抜き過程が繰り返されるので、オイルポンプのエア抜きを確実に行わせることができる。
本発明の他の好ましい態様では、オイルポンプにエアの侵入がないときのストローク時間を正規のストローク時間とし、エンジンの始動時に、オイルポンプを制御する制御装置の電源が確立した後、オイルポンプの駆動回数が設定回数N(Nは1以上の整数)に達するまでの間、オイルポンプに与える駆動パルスのパルス幅を正規のストローク時間よりも短いエア抜き時のパルス幅に設定するとともに、オイルポンプの駆動周期をオイルポンプにエアの侵入がない定常時の駆動周期よりも短いエア抜き時の駆動周期に設定して、設定されたエア抜き時のパルス幅を有する駆動パルスを設定されたエア抜き時の駆動周期で前記オイルポンプに与えて前記オイルポンプにN回のエア抜き過程を行わせ、N+1回目以降のオイルポンプの駆動を行う際には、オイルポンプに与える駆動パルスのパルス幅を前記正規のストローク時間以上の定常時のパルス幅に設定するとともに、オイルポンプに駆動パルスを与える周期を定常時の駆動周期として、駆動パルスを定常時の駆動周期でオイルポンプに与える。
上記のように、制御装置の電源が確立した後、オイルポンプの駆動回数が設定回数N(Nは1以上の整数)に達するまでの間、正規のストローク時間よりも短く設定されたエア抜き時のパルス幅を有する駆動パルスを定常時の駆動周期よりも短く設定されたエア抜き時の駆動周期でオイルポンプに与えると、何らかの原因でオイルポンプ内にエアが入り込んでいた場合に、オイルポンプに吐出動作を素早く行わせて、短時間でオイルポンプのエア抜きを行うことができる。
エア抜き過程は狭いパルス幅を有する駆動パルスにより行うため、N回のエア抜き過程を行うために要する時間は十分に短くすることができる。オイルポンプのポンプ室内全体がエアで満たされている状態でも、N回のエア抜き過程によりエアを完全に排除することができるように、かつエア抜き過程を行う時間が長くなりすぎてエンジン始動時にオイルが不足する事態が生じることがないように、エア抜き用の駆動パルスのパルス幅及び駆動周期とNの値とを適正な値に設定しておく。
本発明の他の好ましい態様では、オイルポンプにエアの侵入がないときのストローク時間を正規のストローク時間とし、エンジンの始動時に、オイルポンプを制御する制御装置の電源が確立した後、前記オイルポンプの初回の駆動を行う際に、オイルポンプに与える駆動パルスのパルス幅を正規のストローク時間よりも短いエア抜き時のパルス幅に設定するとともに、オイルポンプの駆動周期をオイルポンプにエアの侵入がない定常時の駆動周期よりも短いエア抜き時の駆動周期に設定して、設定されたエア抜き時のパルス幅を有する駆動パルスをオイルポンプに与えることによりオイルポンプ内のエアを抜くエア抜き過程を行い、オイルポンプの2回目以降の駆動の際に、前回のオイルポンプ駆動時にオイルポンプに駆動電流が流れていた期間の初期に設定されたタイミングで検出したオイルポンプの駆動電流が設定された判定基準値以上であるときに、駆動パルスのパルス幅をエア抜き時のパルス幅に設定するとともに、駆動周期をエア抜き時の駆動周期に設定して、設定されたエア抜き時のパルス幅を有する駆動パルスをオイルポンプに与えることによりオイルポンプ内のエアを抜くエア抜き過程を行い、オイルポンプの2回目以降の駆動の際に、前回のオイルポンプ駆動時に設定されたタイミングで検出したオイルポンプの駆動電流が判定基準値未満であるときには、駆動パルスのパルス幅を定常時のパルス幅に設定するとともに、駆動周期を定常時の駆動周期に設定してオイルポンプから目標とする吐出量のオイルを吐出させる。
オイルポンプ内にエアが侵入しているときには、エアが侵入していない場合に比べてポンプの負荷が軽くなるため、ポンプの駆動開始時の駆動電流の立ち上がりが、エアが侵入していない場合よりも速くなる。従って、オイルポンプに駆動電流を流す期間の初期に設定した適当なタイミングでオイルポンプの駆動電流を検出して、その検出値と適当に設定した判定基準値との大小を判定することにより、オイルポンプ内にオイルが侵入しているか否かを判定することができる。
上記のように構成すると、オイルポンプの2回目以降の駆動を行う際に、前回のオイルポンプ駆動時にオイルポンプ内にエアが侵入していたか否かを判定して、エアが侵入していたと判定されたときにのみ2回目以降のエア抜き過程を行わせ、前回のオイルポンプ駆動時にオイルポンプ内にエアが侵入していなかったと判定された場合には、エア抜き過程を行わせずに定常時のパルス幅を有する駆動パルスをオイルポンプに供給してオイルポンプから定量のオイルを吐出させることができるため、エア抜き過程を行う回数を必要最小限の回数に制限して、オイルポンプの運転状態をエア抜き過程を行う状態から定常時の状態に速やかに移行させることができる。
本発明はまた、ポンプが1ストロークの吐出動作を行うのに要する時間をストローク時間として、該ストローク時間以上のパルス幅を有する駆動パルスにより駆動される定容積型の2サイクルエンジン用オイルポンプを制御する制御装置を対象とする。
本発明においては、オイルポンプ内にエアが侵入していないときのストローク時間よりも短い時間の間だけ前記オイルポンプを駆動して前記オイルポンプ内のエアを抜くエア抜き過程を、エンジンの始動時に制御装置の電源が確立した後に少なくとも1回行うエア抜き制御部が設けられる。
本発明の好ましい態様では、制御装置が以下の要素により構成される。
(a)エンジンの始動時に、制御装置の電源が確立した後前記オイルポンプを駆動する際にオイルポンプの駆動がN+1回目の駆動であるか否かを判定するオイルポンプ駆動回数判定手段。
(b)オイルポンプ駆動回数判定手段によりオイルポンプの駆動がN+1回目の駆動でないと判定されているときに、オイルポンプに与える駆動パルスのパルス幅をオイルポンプにエアの侵入がないときのストローク時間である正規のストローク時間よりも短いエア抜き時のパルス幅に設定するとともに、オイルポンプの駆動周期をオイルポンプにエアの侵入がない定常時の駆動周期よりも短いエア抜き時の駆動周期に設定して、設定されたエア抜き時のパルス幅を有する駆動パルスを設定されたエア抜き時の駆動周期でオイルポンプに与えてオイルポンプ内のエアを抜くエア抜き過程をオイルポンプにN回行わせる駆動開始時エア抜き用オイルポンプ駆動手段。
(c)オイルポンプ駆動回数判定手段により今回のオイルポンプの駆動がN+1回目の駆動であると判定されたときに、オイルポンプに与える駆動パルスのパルス幅を前記正規のストローク時間以上の定常時のパルス幅に設定するとともに、オイルポンプに駆動パルスを与える周期を定常時の駆動周期として、駆動パルスを定常時の駆動周期でオイルポンプに与えるように構成されたオイルポンプ主制御手段。
本発明の他の好ましい態様では、オイルポンプの制御装置が以下の要素を備えることにより構成される。
(a)′エンジンの始動時に、制御装置の電源が確立した後、オイルポンプを駆動する際に、オイルポンプの駆動が初回の駆動であるか否かを判定するオイルポンプ初回駆動判定手段。
(b)′オイルポンプ初回駆動判定手段によりオイルポンプの駆動が初回の駆動であると判定されたときに、オイルポンプに与える駆動パルスのパルス幅をオイルポンプ内にエアの侵入がないときのストローク時間である正規のストローク時間よりも短いエア抜き時のパルス幅に設定するとともに、オイルポンプの駆動周期をオイルポンプ内にエアの侵入がない定常時の駆動周期よりも短いエア抜き時の駆動周期に設定して、設定されたエア抜き時のパルス幅を有する駆動パルスをオイルポンプに与えてオイルポンプ内のエアを抜くエア抜き過程をオイルポンプに行わせる初回駆動時エア抜き用オイルポンプ駆動手段。
(c)′前回のオイルポンプの駆動時にオイルポンプに駆動電流が流れた期間の初期に設定されたタイミングでオイルポンプに流れていた駆動電流を検出するポンプ駆動電流検出手段。
(d)′オイルポンプ初回駆動判定手段によりオイルポンプの駆動が初回の駆動でないと判定されたときにオイルポンプの前回の駆動時にポンプ駆動電流検出手段により検出された駆動電流の電流値を設定された判定基準値と比較して、検出された電流値が判定基準値以上であるときに前回のオイルポンプの駆動時にオイルポンプにエアが侵入していたと判定し、検出された電流値が判定基準値未満であるときに前回のオイルポンプ駆動時にオイルポンプにエアが侵入していなかったと判定するエア侵入判定手段。
(e)′エア侵入判定手段により前回のオイルポンプ駆動時にオイルポンプにエアが侵入していたと判定されたときに、駆動パルスのパルス幅を前記エア抜き時のパルス幅に設定するとともに、駆動周期をエア抜き時の駆動周期に設定して、設定されたエア抜き時のパルス幅を有する駆動パルスをオイルポンプに与えてオイルポンプにエア抜き過程を行わせ、エア侵入判定手段により前回のオイルポンプ駆動時にオイルポンプにエアが侵入していなかったと判定されたときには、駆動パルスのパルス幅を定常時のパルス幅に設定するとともに、駆動周期を定常時の駆動周期に設定してオイルポンプから目標とする吐出量のオイルを吐出させるオイルポンプ主制御手段。
本発明によれば、オイルポンプを制御する制御装置の電源が確立した後に、オイルポンプ内にエアが侵入していないときのストローク時間よりも短い時間の間だけオイルポンプを駆動してオイルポンプ内のエアを抜くエア抜き過程をオイルポンプに少なくとも1回行わせるようにしたので、何らかの原因でオイルポンプ内にエアが入り込んでいた場合に、オイルポンプに吐出動作を素早く行わせて、短時間でオイルポンプのエア抜きを行うことができる。従って、エンジンを始動する際に万一オイルポンプ内にエアが入り込んでいたとしても、オイル不足の状態を生じさせることなくエンジンを始動することができ、オイル不足の状態でエンジンが運転されてエンジンが焼き付きを起こすのを防ぐことができる。
特に請求項2、4又は7に記載された発明によれば、オイルポンプの2回目以降の駆動を行う際に、前回のオイルポンプ駆動時にオイルポンプ内にエアが侵入していたか否かを判定して、前回のオイルポンプ駆動時にエアが侵入していたと判定されたときにのみエア抜き過程を行わせ、前回のオイルポンプ駆動時にオイルポンプ内にエアが侵入していなかったと判定された場合には、エア抜き過程を行わせずに定常時のパルス幅を有する駆動パルスをオイルポンプに供給してオイルポンプから定量のオイルを吐出させることができるため、エア抜き過程を行う回数を必要最小限の回数に制限して、オイルポンプの運転状態をエア抜き過程を行う状態から定常時の状態に速やかに移行させることができる。
本発明に係る2サイクルエンジン用オイルポンプ制御装置の一実施形態のハードウェアの構成を示したブロック図である。 マイクロプロセッサにより構成される機能実現手段を含む本実施形態の制御装置全体の構成を示したブロック図である。 図2に示した機能実現手段を構成するためにマイクロプロセッサに実行させる処理のアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。 本発明の他の実施形態の構成を示したブロック図である。 図4の実施形態の機能実現手段を構成するためにマイクロプロセッサに実行させる処理のアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。 (A)ないし(D)は、制御装置の電源電圧波形と、オイルポンプに与えられる駆動パルスの波形と、オイルポンプにエアが侵入していないときのオイルポンプのストローク量の変化と、オイルポンプにエアが侵入していないときのオイル吐出量の合計値の変化とを時間に対して示したタイムチャートである。 (A)ないし(D)は、従来のオイルポンプ制御装置の電源電圧波形と、オイルポンプに与えられる駆動パルスの波形と、オイルポンプにエアが侵入しているときに従来のオイルポンプ制御装置によりオイルポンプを制御した場合のオイルポンプのストローク量の変化と、オイル吐出量の合計値の変化とを時間に対して示したタイムチャートである。 (A)ないし(D)は、本発明の実施形態に係るオイルポンプ制御装置の電源電圧波形と、オイルポンプに与えられる駆動パルスの波形と、オイルポンプにエアが侵入しているときに本実施形態のオイルポンプ制御装置によりオイルポンプを制御した場合のオイルポンプのストローク量の変化と、オイル吐出量の合計値の変化とを時間に対して示したタイムチャートである。 (A)及び(B)は、定容積型の電磁式オイルポンプに与える駆動パルスの波形と、オイルポンプ内にエアが侵入していないときにオイルポンプに流れる駆動電流の波形と、オイルポンプ内にエアが侵入しているときにオイルポンプに流れる駆動電流の波形とを時間に対して示した波形図である。
以下、図面を参照して本発明に係るオイルポンプ制御方法及び該制御方法を実施する制御装置の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態の制御方法は、ポンプが1ストロークの吐出動作を行うのに要する時間をストローク時間として、該ストローク時間以上のパルス幅を有する駆動パルスにより駆動される定容積型の2サイクルエンジン用オイルポンプを制御する制御方法であって、以下の点を特徴としている。
(A)オイルポンプにエアの侵入がないときのストローク時間を正規のストローク時間とし、オイルポンプを制御する制御装置の電源が確立した後、オイルポンプの初回の駆動を行う際に、オイルポンプに与える駆動パルスのパルス幅を正規のストローク時間よりも短いエア抜き時のパルス幅に設定するとともに、オイルポンプの駆動周期をオイルポンプにエアの侵入がない定常時の駆動周期よりも短いエア抜き時の駆動周期に設定して、設定されたエア抜き時のパルス幅を有する駆動パルスを前記オイルポンプに与えることによりオイルポンプ内のエアを抜くエア抜き過程を行う。
(B)オイルポンプの2回目以降の駆動の際に、前回のオイルポンプ駆動時にオイルポンプに駆動電流が流れていた期間の初期に設定されたタイミングで検出したオイルポンプの駆動電流が設定された判定基準値以上であるときに、駆動パルスのパルス幅をエア抜き時のパルス幅に設定するとともに、駆動周期をエア抜き時の駆動周期に設定して、設定されたエア抜き時のパルス幅を有する駆動パルスをオイルポンプに与えることによりオイルポンプ内のエアを抜くエア抜き過程を行う。
(C)オイルポンプの2回目以降の駆動の際に、前回のオイルポンプ駆動時に設定されたタイミングで検出したオイルポンプの駆動電流が判定基準値未満であるときには、駆動パルスのパルス幅を定常時のパルス幅に設定するとともに、駆動周期を定常時の駆動周期に設定してオイルポンプから目標とする吐出量のオイルを吐出させる。
図1は、上記の制御方法を実施するために用いる2サイクルエンジン用オイルポンプの制御装置の一実施形態のハードウェアの構成を示したもので、同図において、1は2サイクルエンジン、2はバッテリ電圧VBにより駆動されて、オイルタンク3内の潤滑オイルを、エンジン1の燃焼室内やクランク軸の軸受け部等の潤滑が必要な箇所に供給するオイルポンプ、4はECU(電子式制御ユニット)である。
オイルポンプは、定容積型の電磁ポンプからなっている。定容積型の電磁ポンプは例えば、ソレノイドコイルと、ソレノイドコイルの内側に配置されたシリンダ内にストロークが一定に規制された状態でスライド自在に配置されてソレノイドコイルが励磁された時に原位置から最端前進位置まで直線変位し、ソレノイドコイルが消磁されたときに復帰バネの付勢力により原位置に復帰するプランジャと、プランジャと共にシリンダ内を往復動するピストンと、オイルの吸込み口及び吐出口やピストンに設けられたオイル流通孔を開閉するバルブとを備えている。この種のポンプにおいては、ソレノイドコイルに一定の電圧レベルを有する駆動パルスが与えられたときにプランジャがピストンとともに原位置から最端前進位置まで変位する1ストロークの吐出動作を行って、ピストンの前方にある一定量のオイルを吐出するとともに、ピストンの後方に新たなオイルを吸い込み、駆動パルスが消滅したときに復帰バネの付勢力によりピストンが原位置に復帰する。このような定容積型のオイルポンプにおいては、単位ストローク当たりのオイルの吐出量が一定になる。
定容積型のポンプからなる2サイクルエンジン用オイルポンプ2を駆動する際には、ポンプのソレノイドコイルに一定レベルの駆動電圧を与えた後、該ポンプが1ストロークの吐出動作を行うのに要する時間(ピストンが原位置から最端前進位置まで変位するのに要する時間)をストローク時間とし、このストローク時間以上のパルス幅を有する一定電圧レベルの駆動パルスをオイルポンプのソレノイドコイルに与えることにより、オイルポンプに1ストロークの吐出動作を行わせて、該オイルポンプから一定量のオイルを吐出させる。
オイルポンプが1ストロークの吐出動作を行うのに要する時間は、オイルポンプ内にエアが侵入しているときと、エアが侵入していないときとで相違する。オイルポンプ内にエアが侵入しているときには、ポンプのプランジャにかかる負荷が軽くなるため、ポンプが1ストロークの動作を行うのに要する時間が、エアの侵入がない場合に比べて大幅に短くなる。エンジンの定常運転時には、オイルポンプ内にエアが侵入していないときのストローク時間を正規のストローク時間として、この正規のストローク時間以上に設定された定常時のパルス幅を有する一定レベルの駆動パルス(このパルスを定常時駆動パルスと呼ぶ。)をオイルポンプに与え、この定常時駆動パルスを与える定常時の周期を制御することにより、オイルポンプから目標とする吐出量のオイルを吐出させる。オイルポンプに与える定常時駆動パルスの周期を長くするとオイルの吐出量が減少し、オイルポンプに与える定常時駆動パルスの周期を短くするとオイルの吐出量が増加する。
図1に示されたECU4は、CPU,ROM,RAM等を有するマイクロプロセッサ401と、マイクロプロセッサ401のポートA1からポンプ駆動指令が与えられているときにオイルポンプ2のソレノイドコイルに一定の電圧レベルを有する駆動パルスを供給して、ソレノイドコイルに駆動電流を流すポンプ駆動回路402と、ポンプ駆動回路を通してオイルポンプ2に流れる駆動電流を検出する駆動電流検出回路403と、駆動電流検出回路403が検出した駆動電流の検出値をデジタル値に変換してマイクロプロセッサ401のポートA2に与えるA/D変換器404とを備えて、オイルポンプ2を制御する。
オイルポンプ駆動回路402は、例えば、マイクロプロセッサからポンプ駆動指令が与えられている間オン状態を保持して、オイルポンプ2のソレノイドコイルに一定レベルの駆動電圧(例えばバッテリ電圧VB)を印加するスイッチ回路により構成することができる。
駆動電流検出回路403は、上記スイッチ回路に対して直列に接続されて、オイルポンプのソレノイドコイルに流れる電流を検出するシャント抵抗により構成することができる。
ECU4は更に、マイクロプロセッサ401が点火指令を発生した時にエンジン1を点火する点火プラグに点火用の高電圧を供給する点火回路や、マイクロプロセッサ401が噴射指令を発生したときにエンジン1に燃料を供給する燃料噴射弁を駆動する燃料噴射弁駆動回路等を有するが、これらの図示は省略されている。
本実施形態の制御装置のハードウェアの構成自体は、駆動電流検出回路403及びA/D変換器404が特に設けられている点を除き、従来の制御装置の構成とほぼ同様である。本発明に係る制御装置は、マイクロプロセッサ401が、オイルポンプ2にエア抜き過程を行わせるための各種の機能実現手段を構成するようにプログラムされている点で、従来の制御装置と相違する。以下、本実施形態において、マイクロプロセッサ401が構成する機能実現手段について詳細に説明するが、その説明を行う前に、従来の制御装置によりオイルポンプを制御した場合の動作について、図6及び図7を用いて説明しておく。
図6(A)ないし(D)は、従来のオイルポンプ制御装置に設けられていたECU401の電源電圧Ecの波形と、ポンプ駆動回路402からオイルポンプ2に与えられる駆動パルスVpの波形と、オイルポンプ2にエアが侵入していないときのオイルポンプのピストンのストローク量Sの変化と、オイルポンプにエアが侵入していないときのオイル吐出量の合計値Qの変化とを時間t[sec]に対して示している。
時刻toでECU401の電源が投入された後、時刻t1でECUの電源が確立すると、ECUが起動して、オイルポンプの最初の駆動を行うために、一定の時間幅Tpを有するパルス波形のポンプ駆動指令をポンプ駆動回路に与える。ポンプ駆動回路は、ポンプ駆動指令が発生している間オイルポンプ2に定常時のパルス幅を有する駆動パルスVpnを与える。図6(C)に示されているように、時刻t1で駆動パルスVpnが与えられると、オイルポンプ内のピストンのストローク量Sが直線的に増大していき、オイルの吐出量Qが増大していく。駆動パルスが与えられた後、一定時間Tsが経過して時刻t2になると、ピストンが最端前進位置に達して1ストロークの吐出動作を完了する。本明細書では、オイルポンプ内にエアが侵入していないときにピストンが1ストロークの吐出動作を行うのに要する時間Tsを正規のストローク時間と呼ぶ。駆動パルスVpnが与えられている間、オイルポンプ内のピストンは最端前進位置に保持される。時刻t3で駆動パルスVpnが消滅すると、オイルポンプ内のピストンは、復帰バネの付勢力により原位置に向けて後退していき、時刻t4で原位置に復帰する。
図7(A)ないし(D)は、ECU401の電源電圧Ecの波形と、ポンプ駆動回路402からオイルポンプ2に与えられる駆動パルスVpの波形と、オイルポンプ2にエアが侵入しているときのオイルポンプのピストンのストローク量Sの変化と、オイルポンプにエアが侵入しているときのオイル吐出量の合計値Qの変化とを時間t[sec]に対して示している。
オイルポンプ内にエアが侵入している場合も、時刻toでECU401の電源が投入された後、時刻t1でECUの電源が確立し、ECUが一定の時間幅Tpを有するポンプ駆動指令をポンプ駆動回路に与えると、オイルポンプ内のピストンのストローク量Sが直線的に増大していくが、オイルポンプ内にエアが入り込んでいるときには、ポンプのプランジャにかかる負荷が軽いため、図7(C)に示されているように、ピストンのストローク量Sは、エアの侵入がない場合にくらべて短い時間で増大していき、図6に示された時刻t2よりも早い時刻t2′でピストンが最端前進位置に達する。従って、オイルポンプ内にエアが侵入しているときには、駆動パルスVpnを発生させた後、オイルポンプが1ストロークの吐出動作を行うのに要する時間(ストローク時間)Ts′が、正規のストローク時間Tsに比べて大幅に短くなる。
オイルポンプ内にエアが侵入しているときには、ポンプ内からエアが排出されるまでオイルは吐出しないか、またはエアの量が少ないとしても殆ど吐出せず、オイルポンプがN回(Nは1以上の整数)駆動されて、ポンプ内のエアが排出された後、時刻t5でポンプが駆動されたときからオイルの正常な吐出が開始される。Nの値は、オイルポンプ内に存在するエアの量が多ければ多いほど大きくなある。図7において、Taはオイルポンプ内のエアを抜くために必要な時間を示し、Tbはオイルポンプ内にエアが存在しない期間を示している。時刻t1からt5の期間はオイルが殆ど吐出せず、エンジンにオイルが供給されない。従来の制御装置によった場合には、エア抜き過程が、オイルポンプ内にエアが侵入していないときのストローク時間以上に設定された定常時のパルス幅を有する駆動パルスにより、定常時の駆動周期で行われるため、エア抜きに要する時間Taが長くなって、エンジンに潤滑オイルが供給されない状態が長く続き、最悪の場合、エンジンが焼き付くおそれがある。
本発明は、このような事態が生じないようにすることを、解決すべき課題としたものであり、制御装置の電源(ECU4の電源)が確立した後、最初にオイルポンプ2を駆動する際にオイルポンプに正規のストローク時間よりも短く設定されたエア抜き時のパルス幅を有する駆動パルスを、定常時の駆動周期よりも短い周期で設定回数与えて、短時間の間にエア抜き過程を素早く行わせることにより,エンジンの始動時にオイルポンプ内にエアが侵入している場合に、オイルポンプからオイルが吐出されない期間が長く続くのを防止できるようにしたものである。
上記の課題を解決するため、マイクロプロセッサ401は、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより、オイルポンプにエア抜き過程を行わせるために必要な各種の機能実現手段を構成する。本実施形態においては、図2に示されているように、マイクロプロセッサ401が、オイルポンプ初回駆動判定手段4Aと、初回駆動時エア抜き用オイルポンプ駆動手段4Bと、ポンプ駆動電流検出手段4Cと、エア侵入判定手段4Dと、オイルポンプ主制御手段4Eとを構成するようにマイクロプロセッサ401がプログラムされている。
オイルポンプ初回駆動判定手段4Aは、制御装置の電源が確立し、エンジンの始動操作が開始された後にオイルポンプの駆動が初回の駆動であるか否かを判定する手段である。オイルポンプの駆動が初回の駆動であるか否かの判定は、例えば、マイクロプロセッサの電源が確率した後、各部の初期化を行う際にリセットされ、オイルポンプが1度駆動されるとセットされるオイルポンプ駆動判定用フラグを設けておいて、オイルポンプを制御する処理を行う際にこのフラグの状態を見ることにより行うことができる。
初回駆動時エア抜き用オイルポンプ駆動手段4Bは、エンジンの始動操作が開始された後、オイルポンプ初回駆動判定手段4Aによりオイルポンプの駆動が初回の駆動であると判定されたときに、正規のストローク時間(図6に示されたTs)よりも十分に短く設定されたパルス幅を有する駆動パルス(この駆動パルスをエア抜き時駆動パルスと呼ぶ。)を設定されたエア抜き時の駆動周期でオイルポンプに設定回数だけ与えてオイルポンプにエア抜き過程を行わせる。エア抜き時の駆動周期は、定常時の駆動周期に比べて十分に短く設定する。
図2に示されたポンプ駆動電流検出手段4Cは、前回のオイルポンプの駆動時にオイルポンプに駆動電流が流れた期間の初期に設定されたタイミングでオイルポンプに流れていた駆動電流を検出する手段である。この手段は、例えば、オイルポンプの駆動(オイルポンプへの駆動パルスの印加)が開始されたときに計時動作をスタートする計時手段と、この計時手段が計測している時間が設定値に達したときに設定されたタイミングを検出する手段と、設定されたタイミングが検出されたときに駆動電流検出回路403が検出している電流値をA/D変換器404を通して読み込んで、次回のオイルポンプの駆動時に行われるエア侵入の有無の判定に備えて、次回のオイルポンプ駆動時までの間記憶させておく手段とにより構成される。
またエア侵入判定手段4Dは、オイルポンプ初回駆動判定手段4Aによりオイルポンプ2の駆動が初回の駆動でないと判定されたときに、ポンプ駆動電流検出手段4Cにより検出された駆動電流の電流値を設定された判定基準値と比較して、検出された電流値が判定基準値以上であるときに前回のオイルポンプの駆動時にオイルポンプにエアが侵入していたと判定し、検出された電流値が判定基準値未満であるときに前回のオイルポンプ駆動時にオイルポンプにエアが侵入していなかったと判定する手段である。ポンプ駆動電流検出手段により検出された駆動電流の電流値を設定された判定基準値と比較することにより、ポンプ内にエアが侵入しているか否かを判定できる理由は以下の通りである。
図9は、定容積型の電磁式オイルポンプに与える駆動パルスVpの波形と、オイルポンプ内にエアが侵入していないときにオイルポンプに流れる駆動電流Idの波形と、オイルポンプ内にエアが侵入しているときにオイルポンプに流れる駆動電流Idの波形とを時間に対して示したものである。同図において、実線で示した駆動電流の波形はエアが侵入していないときの波形を示し、鎖線で示した駆動電流の波形はエアが侵入しているときの波形を示している。オイルポンプ2に駆動パルスVpを印加した際にオイルポンプ2に流れる駆動電流Idは、プランジャの変位に伴うソレノイドコイルのインダクタンスの変化に伴って変化し、時間の経過に伴って徐々に増大していく。オイルポンプ2内にエアが侵入している場合には、エアが侵入していない場合に比べてポンプの負荷が軽くなるため、ポンプの駆動開始時の駆動電流の立ち上がりが、エアの侵入がない場合よりも速くなる。
オイルポンプ内にエアが侵入していないときには、時刻toでオイルポンプの駆動を開始した後一定の時間Tiが経過した時刻tiで検出した駆動電流の電流値がId1となるが、オイルポンプ内にエアが侵入しているときには、時刻toでオイルポンプの駆動を開始した後一定の時間Tiが経過した時刻tiで検出した駆動電流の電流値がId2(>Id1)となり、Id2とId1との間にΔIdの差が生じる。従って、時刻tiを検出タイミングとして設定し、Id1とId2との間の適当な値を判定基準値Idsとして設定しておいて、検出タイミングtiで検出した駆動電流Idが判定基準値Ids未満であるときにオイルポンプ内にエアが侵入していないと判定することができ、検出タイミングtiで検出した駆動電流Idが判定基準値Ids以上であるときにオイルポンプ内にエアが侵入していると判定することができる。検出タイミング及び判定基準値は、実験データに基づいて適正な値に設定しておく。
図2に示されたオイルポンプ主制御手段4Eは、エア侵入判定手段4Dにより前回のオイルポンプ駆動時にオイルポンプにエアが侵入していたと判定されたときに、駆動パルスのパルス幅をエア抜き時のパルス幅に設定するとともに、オイルポンプの駆動周期をエア抜き時の駆動周期に設定して、設定されたエア抜き時のパルス幅を有する駆動パルスをオイルポンプ2に与えてオイルポンプにエア抜き過程を行わせ、エア侵入判定手段4Dにより前回のオイルポンプ駆動時にオイルポンプにエアが侵入していなかったと判定されたときには、駆動パルスのパルス幅を定常時のパルス幅に設定するとともに、駆動周期を定常時の駆動周期に設定して、オイルポンプから目標とする吐出量のオイルを吐出させるように構成される。
図8は、本実施形態の制御装置によりオイルポンプを制御する場合の動作を示したタイムチャートである。時刻t1でECUの電源が確立すると、初回駆動時エア抜き用オイルポンプ駆動手段4Bがオイルポンプの駆動が初回の駆動であると判定するため、初回駆動時エア抜き用オイルポンプ駆動手段4Bが、図8(B)に示すように、オイルポンプ2に与える駆動パルスVpのパルス幅を、正規のストローク時間Tsよりも十分に短いエア抜き時のパルス幅Tp′(<<Ts)に設定するとともに、オイルポンプの駆動周期(駆動パルスを与える周期)を定常時の駆動周期Tdよりも十分に短いエア抜き時駆動周期Td′に設定して、オイルポンプ2に駆動パルス(エア抜き時駆動パルス)Vpoを与える。エア抜き時の駆動パルスのパルス幅Tp′は、オイルポンプ内にエアが侵入しているときのストローク時間に設定しておく。オイルポンプ内にエアが侵入していると、オイルポンプはエア抜き時駆動パルスVpoが発生している短い期間内に1ストロークの吐出動作を行い、侵入しているエアを吐出するエア抜き過程を行う。
オイルポンプの初回の駆動が完了した後、Td′−Tp′時間が経過すると、2回目のオイルポンプの駆動が行われる。オイルポンプの2回目以降の駆動を行う際には、オイルポンプ初回駆動判定手段4Aによりオイルポンプの駆動が初回の駆動でないと判定されるため、エア侵入判定手段4Dが、ポンプ駆動電流検出手段403により所定の検出タイミングで検出された前回のポンプ駆動時の駆動電流の電流値を設定された判定基準値Idsと比較して、検出された電流値が判定基準値以上であるときに前回のオイルポンプの駆動時にオイルポンプにエアが侵入していたと判定し、検出された電流値が判定基準値未満であるときに前回のオイルポンプ駆動時にオイルポンプにエアが侵入していなかったと判定する。
本実施形態では、2回目以降のオイルポンプの制御を、オイルポンプ主制御手段4Eにより行う。オイルポンプ主制御手段4Eは、エア侵入判定手段4Dにより前回のオイルポンプ駆動時にオイルポンプ2にエアが侵入していたと判定されたときに、駆動パルスのパルス幅をエア抜き時のパルス幅Tp′(<<Tp)に設定するとともに、オイルポンプ2の駆動周期をエア抜き時の駆動周期Td′に設定して、設定されたエア抜き時のパルス幅を有する駆動パルスVpoをオイルポンプ2に与える。これによりオイルポンプに短時間で1ストロークの吐出動作を行わせて、エア抜き過程を行わせる。オイルポンプ主制御手段4Eはまた、エア侵入判定手段4Dにより前回のオイルポンプ駆動時にオイルポンプにエアが侵入していなかったと判定されたときに、駆動パルスのパルス幅を定常時のパルス幅Tpに設定して定常時駆動パルスVpnをオイルポンプに与え、駆動周期を定常時の駆動周期に設定してオイルポンプ2から目標とする吐出量のオイルを吐出させる。
図8に示された例では、2回目以降のオイルポンプ駆動時に、N回目のオイルポンプ駆動時まで、前回のオイルポンプ駆動時にエアが侵入していたとの判定が行われたため、続いてN個のエア抜き時駆動パルスVpoが、駆動周期Td′でオイルポンプに与えられている。図示の例では、N−1番目のオイルポンプの駆動時にオイルポンプ内のエアが完全に排除されたため、N番目のエア抜き時駆動パルスVpoが与えられたときにはオイルポンプからオイルが吐出しているが、オイルポンプ内にエアが侵入していない状態では、オイルポンプに1ストロークの吐出動作を行わせるために必要なストローク時間(正規のストローク時間)が長くなるため、オイルポンプは1ストロークの吐出動作を行うことができず、ごく僅かのオイルしか吐出することができない。
図2に示したオイルポンプ初回駆動判定手段4A、初回駆動時エア抜き用オイルポンプ駆動手段4B、ポンプ駆動電流検出手段4C、エア侵入判定手段及びオイルポンプ主制御手段4Eを構成するためにマイクロプロセッサに実行させる処理のアルゴリズムを示すフローチャートを図3に示した。図3に示した処理は、キースイッチが投入され、マイクロプロセッサ401の電源(ECUの電源)が確率した後、所定の制御サイクルで(十分に短い時間間隔で)繰り返し実行される。
図3に示したアルゴリズムによる場合には、先ずステップS101で、今回のオイルポンプの駆動が初回の駆動であるか否かを判定する。その結果、初回の駆動であると判定された時には、ステップS102に進んでポンプ駆動時間(駆動パルスのパルス幅)とオイルポンプの駆動周期とをエア抜き時の値に設定する。次いでステップS103で、設定されたポンプ駆動時間に等しいパルス幅を有するエア抜き時駆動パルスをオイルポンプに与えてオイルポンプを駆動し、オイルポンプにエア抜き過程を行わせる。次いでステップS104でオイルポンプに駆動電流が流れている期間の初期に設定された検出タイミングを検出し、検出タイミングが検出されたときにステップS105に進んでポンプ駆動電流を読み込んでこの処理を終了する。ステップS103でオイルポンプを駆動した後、ステップS102で設定された駆動周期が経過すると、2回目のオイルポンプの駆動が行われる。
2回目のオイルポンプの駆動を行う際には、ステップS101で今回のオイルポンプの駆動が初回の駆動ではないと判定されるため、ステップS106に進んで、前回のオイルポンプ駆動時に検出されたオイルポンプの駆動電流が設定された判定基準値以上であるか否かを判定する。その結果、前回のオイルポンプ駆動時に検出されたオイルポンプの駆動電流が設定された判定基準値以上であると判定されたとき(オイルポンプ内にエアが存在しているとき)には、ステップS102に進んで、ポンプ駆動時間(駆動パルスのパルス幅)とオイルポンプの駆動周期とをエア抜き時の値に設定し、以後ステップS103ないしS105を行わせて、オイルポンプにエア抜き過程を行わせる。ステップS106で前回のオイルポンプ駆動時に検出されたオイルポンプの駆動電流が設定された判定基準値未満であると判定されたとき(オイルポンプ内にエアが存在してないとき)には、ステップS107に進んで、ポンプ駆動時間(駆動パルスのパルス幅)とオイルポンプの駆動周期とを定常時の値(オイルポンプ内にエアが侵入していないときの値)に設定する。次いでステップS103に移行して、設定されたポンプ駆動時間に等しいパルス幅を有する定常時駆動パルスをオイルポンプに与えてオイルポンプを駆動し、オイルポンプに定常時の吐出動作を行わせる。オイルポンプに定常時の吐出動作を行わせる際には、ステップS103でオイルポンプに駆動パルスを与えた後、ステップS107で設定された駆動周期が経過したときに次のオイルポンプの駆動が行われる。オイルポンプ内にオイルが侵入していない状態では、定常時の駆動周期でオイルポンプに定常時のパルス幅Tpを有する定常時駆動パルスVpnがオイルポンプ2に与えられて、オイルポンプが駆動される。エンジンの回転速度などの所定の制御条件に応じて周期Tdを変えることにより、オイルポンプからのオイルの吐出量を制御することができる。
図3に示したアルゴリズムによる場合には、ステップS101により、オイルポンプ初期駆動判定手段4Aが構成され、ステップS102とS103とにより、初回駆動時エア抜き用オイルポンプ駆動手段4Bが構成される。またステップS104及びS105によりポンプ駆動電流検出手段4Cが構成され、ステップS106により、エア侵入手段4Dが構成される。更に、ステップS102,S103及びS107により、オイルポンプ主制御手段4Eが構成される。
本実施形態のように構成すると、オイルポンプの初回の駆動時にエア抜き過程を行わせた後、オイルポンプの2回目以降の駆動を行う際に、前回のオイルポンプ駆動時にオイルポンプ内にエアが侵入していたか否かを判定して、エアが侵入していたと判定されたときにのみ2回目以降のエア抜き過程を行わせ、前回のオイルポンプ駆動時にオイルポンプ内にエアが侵入していなかったと判定された場合には、エア抜き過程を行わせずに定常時のパルス幅を有する駆動パルスをオイルポンプに供給してオイルポンプから定量のオイルを吐出させることができるため、エア抜き過程を行う回数を必要最小限の回数に制限して、オイルポンプの運転状態をエア抜き過程を行う状態から定常時の状態に速やかに移行させることができる。
上記の実施形態において、初回のオイルポンプの駆動(エア抜き過程)は、2サイクルエンジンの始動操作(スタータモータを回転させる操作)を開始すると同時に、又は始動操作を開始した後に行わせても良く、エンジンの始動操作を開始する前に行わせても良いが、エンジンの焼き付きを確実に防ぐためには、オイルポンプに所定個数のエア抜き時駆動パルスを与えた後にエンジンの始動を許可して、エンジンの始動装置を起動させるようにするのが好ましい。
上記の実施形態では、オイルポンプ初回駆動判定手段4Aと、初回駆動時エア抜き用オイルポンプ駆動手段4Bと、ポンプ駆動電流検出手段4Cと、エア侵入判定手段4Dと、オイルポンプ主制御手段4Eとにより、制御装置の電源が確立した後に、オイルポンプ内にエアが侵入していないときのストローク時間よりも短い時間の間だけオイルポンプを駆動してオイルポンプ内のエアを抜くエア抜き過程を少なくとも1回行うエア抜き制御部が構成されている。
上記の実施形態のように構成する場合、設定回数エア抜き過程を行ってもオイルポンプ内のエアを排除できない場合に、発光手段や発音手段を動作させることにより警告を発生するとともに、エンジンの運転を禁止するようにしておくのが好ましい。
上記の実施形態では、、オイルポンプの初回の駆動時にエア抜き過程を行わせた後、オイルポンプの2回目以降の駆動を行う際に、前回のオイルポンプ駆動時にオイルポンプ内にエアが侵入していたか否かを判定して、エアが侵入していたと判定されたときにのみ2回目以降のエア抜き過程を行わせるようにしたが、エンジンの始動時にオイルポンプ2の初回の駆動を行う際に、オイルポンプに与える駆動パルスのパルス幅を正規のストローク時間よりも短いエア抜き時のパルス幅に設定するとともに、駆動周期を定常時の駆動周期よりも短いエア抜き時の駆動周期に設定して、設定されたエア抜き時のパルス幅を有する駆動パルスを設定されたエア抜き時の駆動周期で設定回数Nだけオイルポンプに与えてオイルポンプにエア抜き過程を行わせ、N回のエア抜き過程を行わせ後、N+1番目のオイルポンプの駆動からオイルポンプに定常時駆動パルスを定常時の駆動周期で与えて、定常時の吐出動作を行わせるようにしてもよい。この場合Nの値は、オイルポンプ内にエアのみが存在している場合でもN回のエア抜き過程を行うことによりエアを完全に排出することができるように、実験データに基づいて、適正な値に設定しておく。
このような方法によりオイルポンプを制御する場合には、制御装置が図4に示されるように構成される。図4に示した制御装置においては、オイルポンプ駆動回数判定手段4A′と、駆動開始時エア抜き用オイルポンプ駆動手段4B′と、オイルポンプ主制御手段4E′とがマイクロプロセッサにより構成される。図2の制御装置で設けられていた駆動電流検出回路403と、ポンプ駆動電流検出手段4Cと、エア侵入判定手段4Dは省略されている。
図4に示されたオイルポンプ駆動回数判定手段4A′は、制御装置の電源が確立した後オイルポンプを駆動する際に、オイルポンプの駆動がN+1回目の駆動であるか否かを判定する手段である。
駆動開始時エア抜き用オイルポンプ駆動手段4B′は、オイルポンプ駆動回数判定手段4A′によりオイルポンプの駆動がN+1回目の駆動でないと判定されているときに、オイルポンプに与える駆動パルスのパルス幅をオイルポンプにエアの侵入がないときのストローク時間である正規のストローク時間よりも短いエア抜き時のパルス幅に設定するとともに、駆動周期をオイルポンプにエアの侵入がない定常時の駆動周期よりも短いエア抜き時の駆動周期に設定して、設定されたエア抜き時のパルス幅を有する駆動パルスを設定されたエア抜き時の駆動周期でオイルポンプに与えてオイルポンプにエア抜き過程を行わせる手段である。
この場合オイルポンプ主制御手段4E′は、オイルポンプ駆動回数判定手段により今回のオイルポンプの駆動がN+1回目の駆動であると判定されたときに、オイルポンプに与える駆動パルスのパルス幅を正規のストローク時間以上の定常時のパルス幅に設定するとともに、オイルポンプに駆動パルスを与える周期を定常時の駆動周期として、駆動パルスを定常時の駆動周期でオイルポンプに与えるように構成される。
図4に示すように制御装置を構成する場合に、オイルポンプ駆動回数判定手段4A′と、駆動開始時エア抜き用オイルポンプ駆動手段4B′と、オイルポンプ主制御手段4E′とを構成するためにマイクロプロセッサに実行させる処理のアルゴリズムを示すフローチャートを図5に示した。
図5に示したアルゴリズムによる場合には、先ずステップS201で、今回のオイルポンプの駆動がN+1回目の駆動であるか否かを判定する。その結果、N+1回目の駆動ではないと判定された時には、ステップS202に進んでポンプ駆動時間(駆動パルスのパルス幅)とオイルポンプの駆動周期とをエア抜き時の値に設定する。次いでステップS203で、設定されたポンプ駆動時間に等しいパルス幅を有するエア抜き時駆動パルスをオイルポンプに与えてこの処理を終了する。
ステップS201で今回のオイルポンプの駆動がN+1回目の駆動であると判定されたときには、ステップS204に進んで、ポンプ駆動時間(駆動パルスのパルス幅)とオイルポンプの駆動周期とを定常時の値(オイルポンプ内にエアが侵入していないときの値)に設定する。次いでステップS203に移行して、設定されたポンプ駆動時間に等しいパルス幅を有する定常時駆動パルスをオイルポンプに与えて、オイルポンプに定常時の吐出動作を行わせる。
図5に示したアルゴリズムによる場合には、ステップS201により、オイルポンプ駆動回数判定手段4A′が構成され、ステップS202とS203とにより、駆動開始時エア抜き用オイルポンプ駆動手段4B′が構成される。またステップS202,S203及びS204により、オイルポンプ主制御手段4E′が構成される。
図4及び図5に示した実施形態において、制御装置の電源が確立した後に行うN回のエア抜き過程は、2サイクルエンジンの始動操作(スタータモータを回転させる操作)を開始すると同時に、又は始動操作を開始した後に行わせても良く、エンジンの始動操作を開始する前に行わせても良いが、エンジンの焼き付きを確実に防ぐためには、N回のエア抜き過程をエンジンの始動操作が行われる前に行わせるようにするのが好ましい。即ち、N回のエア抜き過程が行われた後に、スタータモータの起動を許可するようにするのが好ましい。
図4に示した実施形態においては、オイルポンプ駆動回数判定手段4A′と、駆動開始時エア抜き用オイルポンプ駆動手段4B′と、オイルポンプ主制御手段4E′とにより、制御装置の電源が確立した後に、オイルポンプ内にエアが侵入していないときのストローク時間よりも短い時間の間だけオイルポンプを駆動してオイルポンプ内のエアを抜くエア抜き過程を少なくとも1回行うエア抜き制御部が構成されている。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る制御方法においては、オイルポンプを制御する制御装置の電源が確立した後に、オイルポンプ内にエアが侵入していないときのストローク時間よりも短い時間の間だけオイルポンプを駆動してオイルポンプ内のエアを抜くエア抜き過程をオイルポンプに少なくとも1回行わせるようにすればよく、エア抜き過程の行わせ方は、上記の実施形態に限定されるものではない。
また本発明に係る制御装置は、制御装置の電源が確立した後に、オイルポンプ内にエアが侵入していないときのストローク時間よりも短い時間の間だけオイルポンプを駆動してオイルポンプ内のエアを抜くエア抜き過程を少なくとも1回行うエア抜き制御手段を備えていればよく、エア抜き制御手段の具体的構成は、上記実施形態で示したものに限定されるものではない。
オイルポンプの定常時の制御においては、オイルポンプからのオイルの吐出量を所定の量とするように、オイルポンプに与える駆動パルスの周期が各種の制御条件に応じて制御されるが、本発明において、定常時のオイルポンプの制御の方法は任意である。
本発明は、定容積型のオイルポンプにより潤滑オイルを供給する2サイクルエンジンに広く適用することができる。エンジンの用途は問わない。
1 2サイクルエンジン
2 オイルポンプ
3 オイルタンク
4 ECU
401 マイクロプロセッサ
402 ポンプ駆動回路
403 駆動電流検出回路
404 A/D変換器
4A オイルポンプ初回駆動判定手段
4A′ オイルポンプ駆動回数判定手段
4B 初回駆動時エア抜き用オイルポンプ駆動手段
4B′ 駆動開始時エア抜き用オイルポンプ駆動手段
4C ポンプ駆動電流検出手段
4D エア侵入判定手段
4E、4E′ オイルポンプ主制御手段

Claims (7)

  1. ポンプが1ストロークの吐出動作を行うのに要する時間をストローク時間として、該ストローク時間以上のパルス幅を有する駆動パルスにより駆動される定容積型の2サイクルエンジン用オイルポンプを制御する制御方法であって、
    オイルポンプ内にエアが侵入していないときのストローク時間よりも短い時間の間だけオイルポンプを駆動してオイルポンプ内のエアを抜くエア抜き過程を、エンジンの始動時に、オイルポンプを制御する制御装置の電源が確立した後に少なくとも1回行うことを特徴とする2サイクルエンジン用オイルポンプの制御方法。
  2. 各エア抜き過程が行われている期間の初期に検出した前記オイルポンプの駆動電流が設定された判定基準値以上であるときに次のエア抜き過程を更に行うようにして、各エア抜き過程が行われる期間の初期に検出した前記オイルポンプの駆動電流が判定基準値未満になるまでの間前記エア抜き過程を繰り返し行わせることを特徴とする請求項1に記載の2サイクルエンジン用オイルポンプの制御方法。
  3. ポンプが1ストロークの吐出動作を行うのに要する時間をストローク時間として、該ストローク時間以上のパルス幅を有する駆動パルスにより駆動される定容積型の2サイクルエンジン用オイルポンプを制御する制御方法であって、
    前記オイルポンプにエアの侵入がないときのストローク時間を正規のストローク時間とし、
    エンジンの始動時に、前記オイルポンプを制御する制御装置の電源が確立した後、前記オイルポンプの駆動回数が設定回数N(Nは1以上の整数)に達するまでの間、前記オイルポンプに与える駆動パルスのパルス幅を前記正規のストローク時間よりも短いエア抜き時のパルス幅に設定するとともに、前記オイルポンプの駆動周期を前記オイルポンプにエアの侵入がない定常時の駆動周期よりも短いエア抜き時の駆動周期に設定して、設定されたエア抜き時のパルス幅を有する駆動パルスを設定されたエア抜き時の駆動周期で前記オイルポンプに与えて前記オイルポンプにN回のエア抜き過程を行わせ、
    N+1回目以降の前記オイルポンプの駆動を行う際には、前記オイルポンプに与える駆動パルスのパルス幅を前記正規のストローク時間以上の定常時のパルス幅に設定するとともに、前記オイルポンプに駆動パルスを与える周期を前記定常時の駆動周期として、前記駆動パルスを前記定常時の駆動周期で前記オイルポンプに与えること、
    を特徴とする2サイクルエンジン用オイルポンプの駆動方法。
  4. ポンプが1ストロークの吐出動作を行うのに要する時間をストローク時間として、該ストローク時間以上のパルス幅を有する駆動パルスにより駆動される定容積型の2サイクルエンジン用オイルポンプを制御する制御方法であって、
    前記オイルポンプにエアの侵入がないときのストローク時間を正規のストローク時間とし、
    エンジンの始動時に、前記オイルポンプを制御する制御装置の電源が確立した後、前記オイルポンプの初回の駆動を行う際に、前記オイルポンプに与える駆動パルスのパルス幅を前記正規のストローク時間よりも短いエア抜き時のパルス幅に設定するとともに、前記オイルポンプの駆動周期を前記オイルポンプにエアの侵入がない定常時の駆動周期よりも短いエア抜き時の駆動周期に設定して、設定されたエア抜き時のパルス幅を有する駆動パルスを前記オイルポンプに与えることにより前記オイルポンプ内のエアを抜くエア抜き過程を行い、
    前記オイルポンプの2回目以降の駆動の際に、前回のオイルポンプ駆動時に前記オイルポンプに駆動電流が流れていた期間の初期に設定されたタイミングで検出した前記オイルポンプの駆動電流が設定された判定基準値以上であるときに、前記駆動パルスのパルス幅を前記エア抜き時のパルス幅に設定するとともに、前記駆動周期を前記エア抜き時の駆動周期に設定して、設定されたエア抜き時のパルス幅を有する駆動パルスを前記オイルポンプに与えることにより前記オイルポンプ内のエアを抜くエア抜き過程を行い、
    前記オイルポンプの2回目以降の駆動の際に、前回のオイルポンプ駆動時に前記設定されたタイミングで検出した前記オイルポンプの駆動電流が前記判定基準値未満であるときには、前記駆動パルスのパルス幅を前記定常時のパルス幅に設定するとともに、前記駆動周期を前記定常時の駆動周期に設定して前記オイルポンプから目標とする吐出量のオイルを吐出させること、
    を特徴とする2サイクルエンジン用オイルポンプの制御方法。
  5. ポンプが1ストロークの吐出動作を行うのに要する時間をストローク時間として、該ストローク時間以上のパルス幅を有する駆動パルスにより駆動される定容積型の2サイクルエンジン用オイルポンプを制御する制御装置であって、
    前記オイルポンプ内にエアが侵入していないときのストローク時間よりも短い時間の間だけ前記オイルポンプを駆動して前記オイルポンプ内のエアを抜くエア抜き過程を、エンジンの始動時に制御装置の電源が確立した後に少なくとも1回行うエア抜き制御部を備えたことを特徴とする2サイクルエンジン用オイルポンプの制御装置。
  6. ポンプが1ストロークの吐出動作を行うのに要する時間をストローク時間として、該ストローク時間以上のパルス幅を有する駆動パルスにより駆動される定容積型の2サイクルエンジン用オイルポンプを制御する制御装置であって、
    エンジンの始動時に、制御装置の電源が確立した後前記オイルポンプを駆動する際にオイルポンプの駆動がN+1回目の駆動であるか否かを判定するオイルポンプ駆動回数判定手段と、
    前記オイルポンプ駆動回数判定手段により前記オイルポンプの駆動がN+1回目の駆動でないと判定されているときに、前記オイルポンプに与える駆動パルスのパルス幅を前記オイルポンプにエアの侵入がないときのストローク時間である正規のストローク時間よりも短いエア抜き時のパルス幅に設定するとともに、前記オイルポンプの駆動周期を前記オイルポンプにエアの侵入がない定常時の駆動周期よりも短いエア抜き時の駆動周期に設定して、設定されたエア抜き時のパルス幅を有する駆動パルスを設定されたエア抜き時の駆動周期で前記オイルポンプに与えて前記オイルポンプ内のエアを抜くエア抜き過程を前記オイルポンプにN回行わせる駆動開始時エア抜き用オイルポンプ駆動手段と、
    前記オイルポンプ駆動回数判定手段により今回のオイルポンプの駆動がN+1回目の駆動であると判定されたときに、前記オイルポンプに与える駆動パルスのパルス幅を前記正規のストローク時間以上の定常時のパルス幅に設定するとともに、前記オイルポンプに駆動パルスを与える周期を前記定常時の駆動周期として、前記駆動パルスを前記定常時の駆動周期で前記オイルポンプに与えるように構成されたオイルポンプ主制御手段と、
    を具備したことを特徴とする2サイクルエンジン用オイルポンプの制御装置。
  7. ポンプが1ストロークの吐出動作を行うのに要する時間をストローク時間として、該ストローク時間以上のパルス幅を有する駆動パルスにより駆動される定容積型の2サイクルエンジン用オイルポンプを制御する制御装置であって、
    エンジンの始動時に、制御装置の電源が確立した後、前記オイルポンプを駆動する際に、前記オイルポンプの駆動が初回の駆動であるか否かを判定するオイルポンプ初回駆動判定手段と、
    前記オイルポンプ初回駆動判定手段により前記オイルポンプの駆動が初回の駆動であると判定されたときに、前記オイルポンプに与える駆動パルスのパルス幅を前記オイルポンプ内にエアの侵入がないときのストローク時間である正規のストローク時間よりも短いエア抜き時のパルス幅に設定するとともに、前記オイルポンプの駆動周期を前記オイルポンプ内にエアの侵入がない定常時の駆動周期よりも短いエア抜き時の駆動周期に設定して、設定されたエア抜き時のパルス幅を有する駆動パルスを前記オイルポンプに与えて前記オイルポンプ内のエアを抜くエア抜き過程を前記オイルポンプに行わせる初回駆動時エア抜き用オイルポンプ駆動手段と、
    前回のオイルポンプの駆動時に前記オイルポンプに駆動電流が流れた期間の初期に設定されたタイミングで前記オイルポンプに流れていた駆動電流を検出するポンプ駆動電流検出手段と、
    前記オイルポンプ初回駆動判定手段により前記オイルポンプの駆動が初回の駆動でないと判定されたときにオイルポンプの前回の駆動時に前記ポンプ駆動電流検出手段により検出された駆動電流の電流値を設定された判定基準値と比較して、検出された電流値が判定基準値以上であるときに前回のオイルポンプの駆動時に前記オイルポンプにエアが侵入していたと判定し、検出された電流値が判定基準値未満であるときに前回のオイルポンプ駆動時に前記オイルポンプにエアが侵入していなかったと判定するエア侵入判定手段と、
    前記エア侵入判定手段により前回のオイルポンプ駆動時に前記オイルポンプにエアが侵入していたと判定されたときに、前記駆動パルスのパルス幅を前記エア抜き時のパルス幅に設定するとともに、前記駆動周期を前記エア抜き時の駆動周期に設定して、設定されたエア抜き時のパルス幅を有する駆動パルスを前記オイルポンプに与えて前記オイルポンプにエア抜き過程を行わせ、前記エア侵入判定手段により前回のオイルポンプ駆動時に前記オイルポンプにエアが侵入していなかったと判定されたときには、前記駆動パルスのパルス幅を前記定常時のパルス幅に設定するとともに、前記駆動周期を前記定常時の駆動周期に設定して前記オイルポンプから目標とする吐出量のオイルを吐出させるオイルポンプ主制御手段と、
    を具備したことを特徴とする2サイクルエンジン用オイルポンプの制御装置。
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