JP5861912B2 - 有機化合物とナノ銅粒子との複合体、有機化合物とナノ酸化銅(i)粒子との複合体、並びにそれらの製造方法 - Google Patents

有機化合物とナノ銅粒子との複合体、有機化合物とナノ酸化銅(i)粒子との複合体、並びにそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、分子内に複数のスルフィド(C−S−C)基を有するポリチオエーテル有機化合物と、ナノ銅粒子又はナノ酸化銅(I)粒子との複合体に関する。更に、チオエーテル含有有機化合物を金属コロイド保護剤として用い、その存在下で銅化合物を還元する、有機化合物とナノ銅粒子との複合体、有機化合物とナノ酸化銅(I)粒子との複合体の製造方法に関する。
電子回路の配線パターンの形成は、現状では専らフォトリソグラフィーに基づく複雑な工程を経て製造されるものであるが、近年開発が進んでいるナノ材料を何らかの媒体に分散させて塗布型配合物とし、これを各種の印刷技術を用いてパターニング、デバイスに組みあげるという塗布型電子デバイス製造技術の開発も進展してきている。このような技術をプリンタブルエレクトロニクスと呼ぶが、この手法には電子回路がroll−to−rollプロセスで大量生産できる可能性があること、オンデマンド性、工程の単純化と省資源が図れることによる経済性などの点から、電子デバイスの製造方法を一変させうる革新的技術として期待されているものである。塗布材料は、ナノ金属粒子またはナノ金属酸化物粒子をインキ化することで調製可能となるので、プリンタブルエレクトロニクスにおける基幹材料はナノ金属(またはナノ金属酸化物)粒子であるといっても過言ではない。そのような観点により、導電性材料としてのナノ銀粒子、ナノ銅粒子の開発は非常に活発で、特に原料が安価でプリント配線としたときにマイグレーションによる断線が起きにくいナノ銅粒子、半導体特性を有するナノ酸化銅(I)粒子には大きな期待が寄せられている。
一方、電子デバイスの高集積化、電子回路の高密度実装化は、装置の小型化と省エネルギーの観点から常に追求され続ける技術であるが、これに応えるべく配線印刷も極細化が求められている。たとえば、実装用としては、ライン幅およびラインとラインとのスペースが数十μmで、厚みは10μm以下などであり、また、半導体のナノパターニングに用いるためには、30nm程度の線幅を成形しなければならない。従って、これをプリンタブルエレクトロニクスで達成する為には、用いるナノ金属粒子も当然10〜20nm径以下とする必要がある。
銅の産業上の利用価値は、導電部材だけに留まるものではない。たとえば、酸化銅(I)は、古くは整流器などに用いられたp型半導体であって初歩的な太陽電池の実験にもしばしば用いられてきた(例えば、非特許文献1、2参照)。これをナノ粒子化すれば、探索途上にある金属酸化物p型半導体の塗布型材料の提供に繋がるだけでなく、10nm前後の原子クラスターサイズの微粒子とすることで久保効果(量子サイズ効果/多電子効果)による、バルク粒子では観察され得ない特異な現象が観察されると期待されており、その実用化は大いに検討されるべきであろう。
また、酸化銅(I)は、毒性懸念のある無機材料を代替し、環境負荷の少ない、経済的な太陽電池としても注目が集まる材料である(例えば、非特許文献3、4、5参照)。このような観点から、ナノレベルで構造化・界面制御したホモジャンクション型太陽電池、金属酸化物薄膜太陽電池としての研究もすすめられている(例えば、特許文献1、2参照)。
注目を集めるナノ銅/ナノ酸化銅(I)粒子ではあるが、その実用化には未解決の問題も多い。すなわち、粒子径をナノメートルレベルで制御する合成法、分散安定化、極めて容易に酸化・不均化される性質の抑制、また、導電材料として用いる場合にはナノ銅粒子の融着温度を低下させることも重要な課題である。
ナノ銅粒子の製造方法としては、銅化合物(酸化物、ハロゲン化物、カルボン酸塩など)を金属コロイド保護剤の存在下、ヒドラジン水和物等の還元剤を用いて還元し、合成するという液相還元法が一般的である。出発原料を銅(II)化合物にした場合には、還元剤の種類と条件の選択により、1価銅への部分還元が可能であり、銅(I)化合物中間体を経て、還元銅を製造する方法を採用することができる。その工程で得られる銅(I)中間体がコロイド状であって、ナノメートルレベルでの粒径制御ができれば、これ自体が塗布型半導体材料として応用可能である。また、引き続き行なわれる0価銅への還元工程における粒子の肥大化抑制も容易となる。
例えば、貴金属シード(種結晶)を用いて酸化銅(I)の粒径を制御し、続いてヒドラジン水和物で還元することにより、二段階で微細な銅粒子を製造する方法が述べられている(例えば、特許文献3参照)。また、酢酸銅(II)と酢酸銀をヒドロキシルアミン化合物で還元し、先行して生成するナノ銀粒子をシードとして利用することにより微細ナノ酸化銅(I)を得、つづいてナノ銅粒子へと2段階で還元する製造方法も提供されている(例えば、特許文献4参照)。
シードを用いずに酸化銅(I)を小粒径に制御する方法として、粒子成長の場を流体工学的な手法で制御する試みもある。例えばマイクロリアクター内の層流領域を反応場として利用する手法(例えば、特許文献5参照。)では、15−20nm程度の酸化銅(I)ができると報告されている。
しかしながら、これらの方法には、幾つかの欠点がある。まず、前二者は粒径制御の為に高価な貴金属シードを必要としている点である。前記特許文献3に記載の方法では、保護剤の選択が限定されるため、得られる粒径が300nm程度と大きく、微細粒子の粒径制御法にはなっていない。また、貴金属シードを添加するため、必ず多元系金属粒子(例えば銀コア銅シェル型粒子)として得られることにもなり、純粋な銅元素の性質を有する材料が得られないことが欠点である。これは、ナノ酸化銅(I)粒子を金属酸化物半導体として応用する場合には致命的といえる。また、シードとして加えた貴金属微粒子が、すべて銅粒子に複合化(例えばコアシェル構造化)されるかどうかは、製造条件と精製結果に依存し、それぞれの単独粒子が混在してしまう可能性があるので、性能のばらつきを生みやすい。一方、流体工学的方法には、多元系粒子となる欠点こそないものの、マイクロリアクター内の層流形成を維持する流量設定が微妙であり、特定の設定範囲に条件を維持せざるを得ない。従って、マスプロダクションにはリアクターを多数用意することでしか対応できないので、甚だ非効率である。
マイクロエマルジョンを反応場とする方法もあるが(例えば、特許文献6参照)、この方法では、まず、酢酸銅(I)と有機アミン化合物から錯化物を調製し、これをアルコール類の溶液とする工程が必要である。これを、水、有機溶媒および界面活性剤から調製したw/oマイクロエマルジョン中に添加して、その中で錯化物を分解することにより微細酸化銅(I)を調製するのであるが、1価の酢酸銅は入手し易い銅塩とは言い難く、操作も煩雑である。
丸山,谷,生産研究,1951,3(10),362−366 Rai,Sol.Cells 1988,25,265−272 Taro Toyoda et al.,Acc.Chem.Res.2009,42,1848−1857 Choi et al.,J.Phys.Chem.Lett.2010,1,266−267 Yong et al.,J.Am.Chem.Soc.2009,131,3756−3761
特開2007−019460号公報 特開2007−235040号公報 特開平04−116109号公報 特開2008−019461号公報 特開2006−096569号公報 特開2011−001213号公報
上記の実情を鑑みた本発明の課題は、銅化合物を液相中で還元して微細なナノ酸化銅(I)粒子およびナノ銅粒子を製造するのに必須な、粒子成長抑制効果(キャッピング効果)を有し、かつ生成したナノ粒子を媒体中で安定に分散させることができる有機化合物(すなわち金属コロイド保護剤)と、当該ナノ銅粒子、ナノ酸化銅(I)粒子との複合体を提供することであり、とりわけ、粒度分布の狭い10nm以下のナノ酸化銅(I)粒子、又は20nm以下のナノ銅微粒子を含有する複合体を提供することである。更には、それらの簡便な製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するには、高いキャッピング能力と分散安定化能力を有する金属コロイド保護剤を設計し、ナノ酸化銅(I)やナノ銅粒子の粒径を10〜20nm以下に制御・合成することが必要である。
本発明者らは、鋭意研究の結果、チオエーテル基(スルフィド結合)を分子内に複数含む特定構造の有機化合物の存在下、銅化合物に還元剤を作用させることで、当該有機化合物で保護された、粒子径が均一かつ非常に小さいナノ酸化銅(I)粒子、およびナノ銅粒子が得られ、得られた粒子/有機化合物複合体が、媒体中で長期間安定な分散状態を保つことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、多価チオール化合物との反応により分子中に2つ以上のチオエーテル基を含む下記一般式(1)または一般式(2)で表される構造を有するチオエーテル含有有機化合物(A)と、ナノ銅粒子(B)又はナノ銅粒子(I)粒子(C)とを含有することを特徴とする有機化合物とナノ銅粒子との複合体、又は有機化合物とナノ酸化銅(I)粒子との複合体を提供するものである。
[X−(OCHCHR)−O−CH−CH(OH)−CH−S−]Y (1)
[X−(OCHCHR)−O−CH−CH(OH)−CH−S−R’−]Z (2)
〔式(1)及び(2)中のXはC〜Cのアルキル基であり、Rは水素原子又はメチル基であり、nは2〜100の繰り返し数を示す整数であって、Rは繰り返し単位ごとに独立し同一であっても異なっていても良く、Yは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜4価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基又はC〜Cの飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR”−(R”はC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基である。式(1)中のmは2〜4の整数である。式(2)中のR’はC〜Cのアルキルカルボニルオキシ基であり、Zは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜6価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基、C2〜C6の飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR”−(R”はC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基、又はイソシアヌル酸−N,N’,N”−トリエチレン基であり、lは2〜6の整数である。〕
更に本発明は、前記一般式(1)又は一般式(2)で表される構造を有するチオエーテル含有有機化合物(A)の存在下で、銅化合物を還元する、有機化合物とナノ銅粒子との複合体、又は有機化合物とナノ酸化銅(I)粒子との複合体の製造方法をも提供するものである。
本発明の有機化合物とナノ銅粒子との複合体、有機化合物とナノ酸化銅(I)粒子との複合体の分散液は、気密、冷蔵保存下で、3月以上の分散安定性が確保できる分散液である。ナノ酸化銅(I)粒子およびナノ銅粒子の平均粒子径は5〜20nmに制御されており、ナノ酸化銅(I)粒子複合体の分散液に、還元剤(例えばグルコース)を添加し、塗膜化した後、不活性ガス雰囲気の下(例えば窒素ガス雰囲気下)で、例えば300℃で30分加熱することにより、10−4Ωcm程度の体積抵抗率を有する銅皮膜を容易に製造することができる。また、ナノ銅粒子複合体から製造した塗膜は、不活性ガス雰囲気の下(例えば、3%水素含有アルゴン雰囲気下)で、例えば250℃で30分加熱することにより、10−5Ωcm程度の体積抵抗率を有する銅皮膜を容易に製造することができ、従って、本発明の有機化合物とナノ銅粒子との複合体、有機化合物とナノ酸化銅(I)粒子との複合体の分散液は、プリンタブルエレクトロニクスに用いられる導電性インクおよび半導体インク、または、導電性接合剤および熱伝導体を提供できる。また、ナノ酸化銅(I)粒子との複合体の分散液からは、光応答性を有する半導体膜の形成も可能である。
実施例1で得られた有機化合物とナノ銅粒子との複合体の分散液の紫外可視吸収スペクトルである。 実施例1で得られた有機化合物とナノ銅粒子との複合体の分散液の広角X線回折スペクトルである。 実施例3で得られた有機化合物とナノ銅粒子との複合体の透過型電子顕微鏡像である。 比較例1で得られたナノ銅粒子の透過型電子顕微鏡像である。 実施例13で得られたナノ酸化銅(I)の透過型電子顕微鏡像である。 応用例1で得られた焼成前のナノ銅皮膜(成膜6日後)の広角X線回折スペクトルである。 比較応用例1で得られた焼成前のナノ銅皮膜(成膜翌日)の広角X線回折スペクトルである。 応用例2で得られた焼成前のナノ酸化銅(I)皮膜の広角X線回折スペクトルである。 応用例2で得られたナノ酸化銅(I)皮膜を、3%水素含有アルゴン中で焼成して得られた皮膜の広角X線回折スペクトルである。
以下、本発明について詳述する。
〔チオエーテル含有有機化合物(A)〕
ナノ銅粒子またはナノ酸化銅(I)粒子が、例えばプリンタブルエレクトロニクス材料として用いる場合に求められる粒径およびその分布、分散安定性、加えてナノ銅粒子については低温融着現象による低抵抗率の発現をこれらに付与するためには、高いキャッピング効果と分散安定化効果を発揮するコロイド保護剤の設計が必要である。そのためには、酸化銅(I)粒子または銅粒子の表面に対して適切に親和する吸着基と、媒体に対して親和しやすい官能基を合わせて有する有機化合物が必要である。
適切な親和吸着とは、媒体中では金属粒子表面によく吸着しているが、乾燥すると粒子から容易に離脱して、粒子同士の密着を妨げないということである。このような性質を示す化合物をコロイド保護剤として用いなければ、酸化銅(I)粒子からなる均一な半導体膜や低温焼結による高導電性銅薄膜は実現できない。
金属表面への親和基としてはチオール基(−SH)が頻用されているが、これは金属とチオラートのような強固な結合を形成するため、脱離性には劣る。そこで鋭意探索の結果、チオエーテル型(R−S−R’)のイオウ官能基含有化合物が、親和性と脱離性とのバランスにおいて好適であることが分かり、これを金属表面への吸着基として選択した。
このような吸着現象は、使用する条件下では吸着速度と脱離速度が同一となる動的吸着平衡に達しているものと理解される。すなわち、吸着官能基が一個しかないコロイド保護剤の場合、ある一分子に着目すれば、粒子表面に吸着している時と吸着していない時があり、このことが総体としては一定の吸着量を示すことになる。従って、吸着官能基が分子内に複数個あるならば、いずれかの吸着基が粒子上にある確率が高くなり、総体としての高い吸着性が示されるようになる。このような考察から、分子内にチオエーテル構造が複数ある化合物をコロイド保護剤として用いれば、ナノ銅粒子又はナノ酸化銅(I)粒子の複合体の分散安定化は優れたものとなると考えた。チオエーテル官能基の数は2〜6であることが取り扱い上、並びに分散安定性の観点から好ましいものである。
また、本発明において、ナノ銅粒子又はナノ酸化銅(I)粒子を含む複合体の分散安定性に寄与する官能基としては、エチレングリコール及びプロピレングリコールを繰り返し単位として有する鎖状の官能基を選択した。その繰り返し数は、通常2〜100のものを用いることができ、特に7〜50のもの(分子量としては300〜2000程度のもの)がより分散安定性に優れ、好ましい。
前述の、エチレングリコール及びプロピレングリコールを繰り返し単位として有する鎖状の官能基の片末端は非反応性基であって、製造方法や、工業的な入手の容易さ、および保護剤として使用したときの分散安定性の点からは、直鎖状または分岐状の炭素数1〜8のアルキル基であり、特に水性媒体中での安定性の観点から炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
以上の検討によって、本発明者がナノ銅粒子又はナノ酸化銅(I)粒子の保護剤として選択したポリマーは下記一般式(1)または一般式(2)の構造を有するものである。
[X−(OCHCHR)−O−CH−CH(OH)−CH−S−]Y (1)
[X−(OCHCHR)−O−CH−CH(OH)−CH−S−R’−]Z (2)
〔式(1)及び(2)中のXはC〜Cのアルキル基であり、Rは水素原子又はメチル基であり、nは2〜100の繰り返し数を示す整数であって、Rは繰り返し単位ごとに独立し同一であっても異なっていても良く、Yは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜4価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基又はC〜Cの飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR”−(R”はC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基である。式(1)中のmは2〜4の整数である。式(2)中のR’はC〜Cのアルキルカルボニルオキシ基であり、Zは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜6価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基、C2〜C6の飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR”−(R”はC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基、又はイソシアヌル酸−N,N’,N”−トリエチレン基であり、lは2〜6の整数である。〕
これらのうち、Yがエーテル(C−O−C)、チオエーテル(C−S−C)を部分構造として含む構造のもの、R’がメチレンカルボキシ基(−CHCOO−)またはエチレンカルボキシ基(−CHCHCOO−)であって、Zがエチレン基、2−エチル−2−メチレンプロパン−1,3−ジイル基、2,2−ビスメチレンプロパン−1,3−ジイル基であるものはナノ銅粒子/ナノ酸化銅(I)粒子の保護剤として最も好適である。
本発明のチオエーテル含有有機化合物(A)は、具体的には、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールを有するエポキシドと多価チオール化合物との反応により得られる化合物である。多価チオール化合物としては、下記に示すような化合物を使用することで、前記一般式(1)および一般式(2)で表される構造を有する化合物を容易に得ることができる。
〔チオエーテル含有有機化合物(A)の製造方法〕
前述のように、本発明において用いる保護剤は、前記一般式(1)および一般式(2)で表される構造を有する化合物である。この有機化合物(A)を合成する方法について、以下詳述する。
チオエーテル含有有機化合物(A)を簡便に合成する方法としては、グリシジル基を末端に有するポリエーテル化合物(a1)とチオール化合物(a2)とを反応させればよい。前記グリシジル基を末端に有するポリエーテル化合物(a1)は、下記一般式で表すことができる。
(式中、XはC〜Cのアルキル基であり、Rは水素原子又はメチル基であり、nは2〜100の繰り返し数を示す整数であって、Rは繰り返し単位ごとに独立し同一であっても異なっていても良い。)
グリシジル基を末端に有するポリエーテル化合物(a1)の合成方法としては、カリウム第三級ブトキシドを用いてポリエチレン/プロピレングリコールモノメチルエーテルをアルコキシドとし、これとエピクロロヒドリンとを縮合させればよい。
前記グリシジル基を末端に有するポリエーテル化合物(a1)の末端オキシラン環を、チオール化合物(a2)のSH基の求核攻撃により開環させ、目的とするチオエーテル含有有機化合物(A)を得ることができる。この反応については様々な活性化法が知られているが、化合物(A)の収率、反応の位置選択性に優れるフッ化テトラアルキルアンモニウムを触媒とする方法が好ましい(Penso et al.,Synthesis,1994,34−36)。この方法を適用することによって、グリシジル基を末端に有するポリエーテル化合物(a1)とチオール化合物(a2)の反応後、特別な精製を行わなくても、本発明で用いることができるチオエーテル含有有機化合物(A)を収率よく得ることができる。
〔有機化合物とナノ酸化銅(I)粒子との複合体〕
本発明の有機化合物とナノ酸化銅(I)粒子との複合体は、前述のチオエーテル含有有機化合物(A)と、ナノメートルオーダーの粒子径を有するナノ酸化銅(I)粒子とを含有するものであって、特には10nm前後の平均粒子径を有するナノ酸化銅(I)粒子がチオエーテル含有有機化合物(A)によって被覆され、全体として粒子状の複合体となっているものである。
有機化合物とナノ酸化銅(I)粒子との複合体の粒子径や粒子径分布の測定は、透過型電子顕微鏡像(以下、TEMと称する。)で行なうことができる。また、有機化合物とナノ酸化銅(I)粒子との複合体の形状観察も同じくTEMによって行なうことが可能である。粒子状の複合体における粒子径やその分布の測定は、TEM観察と併用して動的光散乱法により行なうことも可能である。
TEMにより複合体100個の粒子径を求め、その平均粒子径(一次粒子径)を算出すると、およそ5〜20nm、好ましくは5〜15nmの範囲であり、この範囲であれば、これを中間体としてナノ銅粒子を製造した場合にも20〜40nm程度の微細なものが得られる。動的光散乱法で求められる平均粒子径は、TEM観察によって得られる粒子径よりも大きく、100nm程度である。
また、後述する精製を行なった後の有機化合物とナノ酸化銅(I)粒子との複合体を乾固して得られる不揮発物について、これを強熱したときの重量減少率を熱重量分析計(TG/DTA法)により測定すると、これをもって複合体中における有機化合物の含有率とみなすことができる。この様にして求められるチオエーテル含有有機化合物(A)の含有率としては、2〜15質量%であるものが種々の応用方法に用いる材料として好適である。
複合体をスライドガラスなどの基板に塗布、乾燥させて生成した皮膜の広角X線回折によると、複合体を構成する金属粒子は1価の酸化銅のみからなることが確認できるので、酸化銅(I)の含有率は不揮発物の重量からTG/DTA法で測定される有機化合物の含有率を差し引いたものと考えて差し支えない。
〔有機化合物とナノ銅粒子との複合体〕
本発明の有機化合物とナノ銅粒子との複合体は、前述のチオエーテル含有有機化合物(A)と、ナノメートルオーダーの粒子径を有するナノ銅粒子とを含有するものであって、特には5〜20nmの平均粒子径を有するナノ銅粒子がチオエーテル含有有機化合物(A)によって被覆され、全体として粒子状の複合体となっているものである。
ナノ銅粒子の粒子径や粒子径分布の測定は、有機化合物とナノ酸化銅(I)粒子との複合体のそれと同じくTEMおよび動的光散乱法によるもので行なうことができ、同様にTG/DTA法により、不揮発物中の有機化合物含有率測定を行なうことができる。この様にして求められるチオエーテル含有有機化合物(A)の含有率として2〜15質量%であるものは、複合体やその分散体を導電性材料等として用いる場合に好適である。
広角X線回折によると、複合体を構成する金属粒子は0価の還元銅のみからなることが確認でき、銅(0)の含有率は不揮発物の重量からTG/DTA法で測定される有機化合物の含有率を差し引いたものと考えて差し支えない。
〔有機化合物とナノ酸化銅(I)粒子との複合体、有機化合物とナノ銅粒子との複合体の製造方法〕
本発明の有機化合物とナノ酸化銅(I)粒子との複合体、有機化合物とナノ銅粒子との複合体の製造方法は、前述のチオエーテル含有有機化合物(A)の存在下で、2価の銅イオン化合物を溶媒と混合する工程と、銅イオンを還元する工程と、を有することを特徴とするものである。
2価の銅イオン化合物としては、一般的に入手可能な銅化合物が利用可能であり、硫酸塩、硝酸塩、カルボン酸塩、炭酸塩、塩化物、アセチルアセトナート錯体等が利用できる。0価のナノ銅粒子との複合体を得る場合には2価の化合物から出発しても1価の化合物から製造してもよく、水分や結晶水を有していても差し支えない。ナノ酸化銅(I)粒子を含む複合体を製造する場合には、2価の銅化合物を部分還元して行えばよい。具体的には、結晶水を除いて表現すれば、CuSO、Cu(NO、Cu(OAc)、Cu(CHCHCOO)、Cu(HCOO)、CuCO、CuCl、CuO、CCuOなどが挙げられる。さらに、上記塩類を加熱したり、塩基性雰囲気に曝したりすることにより得られる塩基性塩、たとえばCu(OAc)・CuO、Cu(OAc)・2CuO、CuCl(OH)等は最も好適に用いることができる。これら塩基性塩は、反応系内で調製してもよいし、反応系外で別途調製したものを使用してもよい。また、アンモニアやアミン化合物を加えて錯体形成し、溶解度を確保してから還元に用いる一般的な方法も適用可能である。
これらの銅イオン化合物を、予めチオエーテル含有有機化合物(A)を溶解又は分散した媒体に溶解、または混合する。このとき用いることができる媒体としては、使用する有機化合物(A)の構造にもよるが、ポリエチレングリコール系の有機化合物(A)を用いて複合体を作製する場合には、水、エタノール、アセトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンおよびそれらの混合物が好適に用いられ、水−エチレングリコール混合物は特に好ましい。一方、ポリプロピレングリコール系の有機化合物(A)を用いる場合には、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート、ブチルジエチレングリコールアセタートなどのなどのグライム系溶媒を用いることができる。
チオエーテル含有有機化合物(A)の、各種媒体中における濃度としては、引き続き行なう還元反応の制御が容易になる点から、0.3〜10質量%の範囲に調整することが好ましい。
上記で調製した媒体中に、前記2価の銅イオン化合物を、一括又は分割して添加し、混合する。溶解しにくい媒体を使用する場合には、予め少量の良溶媒に溶解させておいてから、媒体中に添加する方法であっても良い。
混合するチオエーテル含有有機化合物(A)と銅イオン化合物との使用割合としては、反応媒体中でのチオエーテル含有有機化合物(A)の保護能力に応じて適宜選択することが好ましいが、通常、銅イオン化合物1molあたりに、チオエーテル含有有機化合物(A)として1mmol〜30mmol(分子量2000のポリマーを用いる場合、2〜60g程度)の範囲で調製し、特に5〜30mmolの範囲で用いることが好ましい。
引き続き、銅イオンの還元を、各種還元剤を用いて行なう。還元剤としては、ヒドラジン化合物、ヒドロキシルアミンおよびその誘導体、金属水素化物、ホスフィン酸塩類、アルデヒド類、エンジオール類、ヒドロキシケトン類など、氷冷温から80℃以下の温度で銅の還元反応を進行させることができる化合物であることが、銅鏡や沈殿物形成の少ない複合体を与えるため、好適である。
具体的にはヒドラジン水和物、非対称ジメチルヒドラジン、ヒドロキシルアミン水溶液、水素化ホウ素ナトリウムなどの強力な還元剤である。これらは、銅化合物を0価まで還元する能力を有するので、2価および1価の銅化合物を還元銅とし、有機化合物とナノ銅粒子との複合体を製造する場合に適している。また、ナノ酸化銅(I)粒子を得る場合には、ヒドラジン水和物、非対称ジメチルヒドラジン、またはヒドロキシルアミン水溶液を、添加当量を約四分の1倍モル程度に抑制した上で、ゆっくり添加するか、アスコルビン酸、アセトアルデヒド、ヒロドキシアセトン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミンなどを用いて部分還元する。これらの還元剤は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて使用してもよい。
還元反応に適する条件は、原料として用いる銅化合物、還元剤の種類、錯化の有無、媒体、チオエーテル含有有機化合物(A)の種類によって様々である。例えば、水系で酢酸銅(II)を水素化ホウ素ナトリウムで還元する場合には、氷冷程度の温度でも0価のナノ銅粒子が調製できる。一方、ヒドラジン水和物を用いる場合には、室温では反応は遅く、60℃程度に加熱してはじめて円滑な還元反応が起こる。また、アンモニアで錯化した場合には、錯体イオンの酸化還元電位はより貴となるため、さらに20℃程度高温を要するようになる。反応条件の決定においては、そのモニタリングが不可欠である。反応系の色調変化は重要な情報であるが、反応の完結は、反応液または反応液の限外濾過濾液に濃アンモニア水を加えて生成する、アンミン銅イオンの呈色消失によって知ることができる。また、銅イオン試験紙(メルク社メルコクァント1.10003)よると、半定量的な反応率を知ることができる。このようなモニタリングを行いながら反応の終結まで還元反応を行うが、エチレングリコール/水系で酢酸銅を還元する場合には、60℃で2時間程度の反応時間を要する。このようにして還元反応が終了すると、有機化合物とナノ銅粒子との複合体または有機化合物とナノ酸化銅(I)粒子との複合体を含む反応混合物が得られる。
〔分散液の製造方法〕
還元反応後は、必要に応じて銅化合物残渣、還元試薬残渣、余剰のチオエーテル含有有機化合物(A)等を除く工程が設けられる。特に余剰のチオエーテル含有有機化合物(A)が多いと、複合体中に含まれているナノ酸化銅(I)粒子又はナノ銅粒子同士の融着を阻害するおそれがあるため、複合体を半導体や導電性材料等として用いる場合には、これらを除く精製工程が必須となる。複合体の精製には、再沈殿、遠心沈降または限外濾過が適用可能であり、得られた複合体を含む反応混合物を洗浄溶媒、例えば水、エタノール、アセトンおよびこれらの混合物によって洗浄することで、前述の不純物を洗い流すことができる。特に、ナノ酸化銅(I)粒子の精製は、錯化剤となる還元剤の量がナノ銅粒子との複合体を含む反応混合物に比べ少ない為、遠心沈降が容易である。
精製の最終段階において、複合体に洗浄用溶媒を加える代わりに、使用目的にあわせた溶媒を加え、媒体交換することにより、目的によって選ばれた媒体中に複合体が分散してなる分散体を調製することができる。例えば水、エタノールおよびこれらの混合物を加えれば、乾燥が容易な分散体となり、導電性材料として好適である。
また、一旦、水またはエタノールに置換した後に、トルエン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート等の水、エタノールより沸点の高い溶媒を加え、続いて水またはエタノールを留去して、非極性溶媒分散体とすることも可能である。この場合は、インクジェット印刷法などへの適用を図ることができる。
分散体の濃度は使用目的により様々に調製でき、一般的な塗工用としては5〜40質量%、また、インクジェット印刷用途としては20〜80質量%程度のものが要求されるので、適宜媒体の添加量を加減してその濃度に調製すればよい。このように調製した複合体の分散体は、密閉容器中で保存すれば、調製濃度によらず3月は安定である。
〔酸化銅(I)皮膜、銅皮膜の製造方法〕
得られた複合体の分散体を、バーコーター(8番)等で基材に塗布し、不活性ガスまたは空気中で乾燥させると、安定な皮膜となる。酸化銅(I)皮膜は、3%水素混合アルゴンガス雰囲気下、300℃,30分加熱した。銅皮膜は不活性ガス雰囲気下で、300℃,30分、または3%水素混合アルゴンガス雰囲気下で250℃,30分加熱した後、比抵抗と膜厚を測定して薄膜の導電性を評価することにより、導電性材料としての評価を行なった。
還元性雰囲気は水素の他、一酸化炭素、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール蒸気およびそれらの混合物なども用いることができる。アルコール蒸気を用いる場合には250〜300℃程度の加熱が必要となるので、水素、一酸化炭素の方が加熱温度はやや低く、より好ましい。
基材は、上記焼成温度に耐えうるものであれば特に制限はないが、ガラス、ポリイミドフィルムはこの用途に用いることができる。
以下、本発明を実施例により説明する。特に断わりのない限り「部」、「%」は質量基準である。
H−NMRの測定
0.03%テトラメチルシラン含有重クロロホルム約0.8mLに、測定する化合物約20mgを溶かし、これを外径5mmのガラス製NMR測定用サンプル管に入れ、JEOL JNM−LA300型核磁気共鳴吸収スペクトル測定装置によりH−NMRスペクトルを取得した。化学シフト値δは、テトラメチルシランを基準物質として表わした。
紫外可視吸収スペクトルの測定
エチレングリコール約10mLに、複合体の分散体1滴を加えて振り混ぜ、直ちに日本分光工業株式会社製MV−2000型フォトダイオードアレイ式紫外可視吸収スペクトル測定装置を用いて、400nm〜800nmまで0.1秒間で掃引して、紫外可視吸収スペクトルを測定した。
銅薄膜の電気抵抗率の測定
得られた皮膜について、表面抵抗率(Ω/□)をロレスタ−GP MCP−T610型低抵抗率計(三菱化学株式会社製)を用い、JIS K7194「導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験」に準拠して測定した。薄膜厚み(cm)と表面抵抗率(Ω/□)から体積抵抗率(Ωcm)を次式により算出した。
体積抵抗率(Ωcm)=表面抵抗率(Ω/□)×厚み(cm)
なお、皮膜の厚みは、1LM15型走査型レーザー顕微鏡(レーザーテック株式会社製)を用いて計測した。
粒子径、粒子径分布の測定
透過型電子顕微鏡(TEM)観察
少量の分散体を精製水で希釈し、直ちにその一滴を電子顕微鏡観察用コロジオン膜付銅グリッドに滴下し、これをJEM−2200FS型透過型電子顕微鏡(加速電圧200kV、日本電子株式会社製)を用いて検鏡観察し、得られた写真像から粒子径を計測した。
動的光散乱法による粒径分布測定
分散体の一部をエチレングリコールで希釈し、FPAR−1000型濃厚系粒径アナライザー(大塚電子株式会社製)により、粒子径分布、平均粒子径を測定した。このとき、測定を25℃で行い、媒体の屈折率を1.4306、粘度を17.4cPとして解析した。
広角X線回折法
分散体:分散体を液体サンプルホルダーに充填し、直ちにRINT TTR2(50kv、300mA、株式会社リガク製)を用いて回折角(2θ)に対する回折X線の強度を測定した。
銅皮膜:銅皮膜付きスライドガラスを適当な大きさに切断して試料台に載せ、直ちにRINT TTR2(50kv、300mA、株式会社リガク製)を用いて回折角(2θ)に対する回折X線の強度を測定、記録した。
熱分析(熱重量分析(TG/DTA法)による銅/酸化銅(I)の含有率
得られた分散体約1mLをガラスサンプル瓶にとり、温水上で窒素気流下加熱濃縮し、残渣を更に40℃、8時間真空乾燥して乾固物を得た。この乾固物およそ5mgを熱重量分析用アルミパンに精密にはかり、EXSTAR TG/DTA6300型示差熱重量分析装置(セイコーインスツル株式会社製)に載せ、窒素気流下、室温から500℃まで毎分10℃の割合で昇温して、加熱に伴う重量減少率を測定した。銅または酸化銅(I)の含有率は以下の式で算出した。
含有率(%)=100−重量減少率(%)
合成例1.ポリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル(ポリエチレングリコール鎖の分子量2000)
1000gの脱水トルエン中に、カリウムt−ブトキシド(100.8g,0.8983mol)を加えて攪拌し、この混合物にポリエチレングリコールモノメチルエーテル(分子量2000,600g)のトルエン(2000g)溶液を、室温で3時間かけて滴下した。このまま室温で2時間攪拌した後、40℃に昇温して更に2時間攪拌した。この混合物に同温度でエピクロルヒドリン(168g,1.82mol)を滴下し、40℃で5.5時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して得られた残渣にクロロホルムを加えて再び溶かし、これを水で5回洗浄した。クロロホルム層に乾燥アルミナを加えて脱色し、アルミナを濾過し、濾液を濃縮した。濃縮残渣をトルエン/n−ヘキサンにより再沈殿精製し、生じた固体を集めて減圧乾燥すると、標題化合物が507.0g得られた(収率82%)。
H−NMR(重クロロホルム):δ=3.9−3.4(m,ポリエチレングリコール鎖他),3.43(dd,1H,J=6.0,5.7Hz,−オキシラン環隣接メチレン水素のうちのひとつ),3.38(s,3H,PEG末端メトキシ基),3.16(m,1H,オキシラン環メチン水素),2.79(m,1H,オキシラン環末端メチレン水素),2.61(m,1H,オキシラン環末端メチレン水素).
合成例2.ポリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル(ポリエチレングリコール鎖の分子量400)
合成例1のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(分子量2000,600g)のかわりに、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(分子量400,90g)として、他は合成例1と同様に操作すると、標題化合物が96g得られた(収率94%)。
H−NMR(重クロロホルム):δ=3.9−3.4(m,ポリエチレングリコール鎖他),3.55(dd,1H,J=6.0,5.7Hz,オキシラン環隣接メチレン水素のうちのひとつ),3.38(s,3H,PEG末端メトキシ基),3.17(m,1H,オキシラン環メチン水素),2.79(m,1H,オキシラン環末端メチレン水素),2.61(m,1H,オキシラン環末端メチレン水素).
合成例3.チオエーテル含有有機化合物(A−1)
エチレン=ビス(3−(メトキシ(ポリエトキシ)エトキシ)−2−ヒドロキシプロピルスルファニルプロピオナート)
(ポリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル(ポリエチレングリコール鎖の分子量2000)のエチレングリコールビス(メルカプトプロピオナート)による開環付加化合物)
合成例1で得られたポリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル(メトキシポリエチレングリコールの分子量2000,5.01g)に、エチレングリコール=ビス(メルカプトプロピオナート)(325mg,1.23mmol)および1mol/Lテトラブチルアンモニウムフルオリド/テトラヒドロフラン溶液(121μL,0.12mmol)を加えた後昇温し、70〜75℃で1時間攪拌した。冷却後、この混合物に水50mLと酢酸エチル50mLを加えて良く攪拌し、静置分液した。その後、更に水層を酢酸エチル(50mL)で2回洗浄した。水層に硫酸ナトリウムを加えると、油状物が析出したので、これを塩化メチレン(50mL×3回)で抽出した。塩化メチレン層を集めて、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮乾固すると4.29gの標題チオエーテル含有有機化合物(A−1)が得られた(収率約81%)。H−NMRから、特段の精製が不要な純度であった。
H−NMR(重クロロホルム):δ=4.32(t,4H,エステル隣接エチレン基),3.9−3.4(m,ポリエチレングリコール鎖他),3.38(s,6H,PEG末端メトキシ基),2.83(m,4H,チオール化合物側S隣接メチレン基),2.66(m,8H,ポリエーテル化合物側S隣接メチレン基,エステルカルボニル基α位メチレン基).
合成例4.チオエーテル含有有機化合物(A−2)
エチレン=ビス(3−(メトキシ(ポリエトキシ)エトキシ)−2−ヒドロキシプロピルスルファニルアセタート)
(ポリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル(ポリエチレングリコール鎖の分子量400)のエチレングリコールビス(メルカプトアセタート)による開環付加化合物)
合成例2で得られたポリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル(メトキシポリエチレングリコールの分子量400,5.02g)に、ビス(メルカプト酢酸)エチレングリコール(1.11g,5.30mmol)および1mol/Lテトラブチルアンモニウムフルオリド/テトラヒドロフラン溶液(0.53mL,0.53mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。この混合物に水50mLと酢酸エチル50mLを加えて良く攪拌し、静置分液した。その後、更に水層を酢酸エチル(50mL)で2回洗浄した。水層に硫酸ナトリウムを加えると、油状物が析出したので、これを塩化メチレン(50mL×3回)で抽出した。塩化メチレン層を集めて、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮乾固すると5.35gの標題チオエーテル含有有機化合物(A−2)が得られた(収率約87%)。H−NMRから、特段の精製が不要な純度であった。
H−NMR(重クロロホルム):δ=4.33(t,4H,エステル隣接エチレン基),3.9−3.5(m,ポリエチレングリコール鎖他),3.38(s,6H,PEG末端メトキシ基),3.33(s,4H,チオール化合物側S隣接メチレン基),2.75(m,4H,ポリエーテル化合物側S隣接メチレン基他).
合成例5.チオエーテル含有有機化合物(A−3)
エチレン=ビス(3−(メトキシ(ポリエトキシ)エトキシ)−2−ヒドロキシプロピルスルファニルプロピオナート)
(ポリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル(ポリエチレングリコール鎖の分子量400)のエチレングリコール ビス(メルカプトプロピオン酸)による開環付加化合物)
合成例4のエチレングリコール=ビス(メルカプトアセタート)(1.11g,5.30mmol)のかわりにエチレングリコール=ビス(メルカプトプロピオナート)(1.41g,5.61mmol)とし、他は合成例4と同様にしておこなうと、5.44gの標題チオエーテル含有有機化合物(A−3)が得られた(収率約87%)。
H−NMR(重クロロホルム):δ=4.27(t,4H,エステル隣接エチレン基),3.9−3.5(m,ポリエチレングリコール鎖他),3.35(s,6H,PEG末端メトキシ基),2.81(m,4H,チオール化合物側S隣接メチレン基),2.63(m,8H,ポリエーテル化合物側S隣接メチレン基,エステルカルボニル基α位メチレン基他).
合成例6.チオエーテル含有有機化合物(A−4)
テトラメチレン=ビス(3−(メトキシ(ポリエトキシ)エトキシ)−2−ヒドロキシプロピルスルファニルアセタート)
(ポリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル(ポリエチレングリコール鎖の分子量400)の1,4−ブタンジオール=ビス(メルカプトアセタート)による開環付加化合物)
合成例4のエチレングリコール=ビス(メルカプトアセタート)(1.11g,5.30mmol)のかわりに1,4−ブタンジオール ビス(メルカプトタート)(1.32g,5.41mmol)とし、他は合成例4と同様にしておこなうと、5.56gの標題チオエーテル含有有機化合物(A−4)が得られた(収率約89%)。
H−NMR(重クロロホルム):δ=4.14(t,4H,エステル隣接メチレン基),4.0−3.5(m,ポリエチレングリコール鎖他),3.36(s,6H,PEG末端メトキシ基),3.29(s,4H,チオール化合物側S隣接メチレン基),2.73(m,4H,ポリエーテル化合物側S隣接メチレン基),1.72(m,4H,エステル酸素β位メチレン基).
合成例7.チオエーテル含有有機化合物(A−5)
テトラメチレン=ビス(3−(メトキシ(ポリエトキシ)エトキシ)−2−ヒドロキシプロピルスルファニルプロピオナート)
(ポリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル(ポリエチレングリコール鎖の分子量400)の1,4−ブタンジオール=ビス(メルカプトプロピオナート)による開環付加化合物)
合成例4のエチレングリコール=ビス(メルカプトアセテート)(1.11g,5.30mmol)のかわりに1,4−ブタンジオール=ビス(メルカプトプロピオン酸)エステル(1.51g,5.38mmol)とし、他は合成例4と同様にしておこなうと、5.81gの標題チオエーテル含有有機化合物(A−5)が得られた(収率約90%)。
H−NMR(重クロロホルム):δ=4.11(t,4H,エステル隣接メチレン基),3.7−3.5(m,ポリエチレングリコール鎖他),3.35(s,6H,PEG末端メトキシ基),2.81(m,4H,チオール化合物側S隣接メチレン基),2.62(m,8H,ポリエーテル化合物側S隣接メチレン基,エステルカルボニル基α位メチレン基),1.69(m,4H,エステル酸素β位メチレン基).
合成例8.チオエーテル含有有機化合物(A−6)
2−エチル−2−(3−(メトキシ(ポリエトキシ)エトキシ)−2−ヒドロキシプロピルスルファニルアセトキシメチル)プロパン−1,3−ジイル=ビス(3−(メトキシ(ポリエトキシ)エトキシ)−2−ヒドロキシプロピルスルファニルアセタート)
(ポリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル(ポリエチレングリコール鎖の分子量400)のトリメチロールプロパン=トリス(メルカプトアセタート)による開環付加化合物)
合成例4のエチレングリコール=ビス(メルカプトアセタート)(1.11g,5.30mmol)のかわりにトリメチロールプロパン=トリス(メルカプトアセタート)(1.12g,2.95mmol)とし、他は合成例4と同様にしておこなうと、5.33gの標題チオエーテル含有有機化合物(A−6)が得られた(収率約85%)。
H−NMR(重クロロホルム):δ=4.10(s,6H,エステル隣接メチレン基),3.9−3.5(m,ポリエチレングリコール鎖他),3.37(s,9H,PEG末端メトキシ基),3.33(s,6H,チオール化合物側S隣接メチレン基),2.75(m,6H,ポリエーテル化合物側S隣接メチレン基),1.51(q,2H,末端エチルメチレン基),0.91(t,3H,末端エチルメチル基).
合成例9.チオエーテル含有有機化合物(A−7)
2−エチル−2−(3−(メトキシ(ポリエトキシ)エトキシ)−2−ヒドロキシプロピルスルファニルプロパノイルオキシメチル)プロパン−1,3−ジイル=ビス(3−(メトキシ(ポリエトキシ)エトキシ)−2−ヒドロキシプロピルスルファニルプロピオナート)
(ポリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル(ポリエチレングリコール鎖の分子量400)のトリメチロールプロパン=トリス(メルカプトプロピオナート)による開環付加化合物)
合成例4のエチレングリコール=ビス(メルカプトアセタート)(1.11g,5.30mmol)のかわりにトリメチロールプロパン=トリス(メルカプトプロピオナート)(1.66g,4.03mmol)とし、他は合成例4と同様にしておこなうと、5.88gの標題チオエーテル含有有機化合物(A−7)が得られた(収率約92%)。
H−NMR(重クロロホルム):δ=4.06(s,4H,エステル隣接エチレン基),3.9−3.5(m,ポリエチレングリコール鎖他),3.37(s,9H,PEG末端メトキシ基),2.82(t,6H,チオール化合物側S隣接メチレン基),2.66(m,12H,ポリエーテル化合物側S隣接メチレン基,エステルカルボニル基α位メチレン基),1.49(q,2H,末端エチルメチレン基),0.89(t,3H,末端エチルメチル基).
合成例10.チオエーテル含有有機化合物(A−8)
2,2−ビス((3−(メトキシ(ポリエトキシ)エトキシ)−2−ヒドロキシプロピルスルファニルアセトキシメチル)プロパン−1,3−ジイル=ビス((3−(メトキシ(ポリエトキシ)エトキシ)−2−ヒドロキシプロピルスルファニルアセタート)
(ポリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル(ポリエチレングリコール鎖の分子量400)のペンタエリトリトール=テトラキス(メルカプトアセタート)による開環付加化合物)
合成例4のエチレングリコール=ビス(メルカプトアセタート)(1.11g,5.30mmol)のかわりにペンタエリトリトール=テトラキス(メルカプトアセタート)(1.21g,2.79mmol)とし、他は合成例4と同様にしておこなうと、5.33gの標題チオエーテル含有有機化合物(A−8)が得られた(収率約86%)。
H−NMR(重クロロホルム):δ=4.21(s,8H,エステル隣接メチレン基),3.9−3.5(m,ポリエチレングリコール鎖他),3.36(s,12H,PEG末端メトキシ基),3.35(s,8H,チオール化合物側S隣接メチレン基),2.73(m,8H,ポリエーテル化合物側S隣接メチレン基).
合成例11.チオエーテル含有有機化合物(A−9)
2,2−ビス((3−(メトキシ(ポリエトキシ)エトキシ)−2−ヒドロキシプロピルスルファニルプロパノイルオキシメチル)プロパン−1,3−ジイル=ビス((3−(メトキシ(ポリエトキシ)エトキシ)−2−ヒドロキシプロピルスルファニルプロピオナート)
(ポリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル(ポリエチレングリコール鎖の分子量400)のペンタエリトリトール=テトラキス(メルカプトプロピオナート)による開環付加化合物
合成例4のエチレングリコール=ビス(メルカプトアセタート)(1.11g,5.30mmol)のかわりにペンタエリトリトール=テトラキス(メルカプトプロピオナート)(1.37g,2.68mmol)とし、他は合成例4と同様にしておこなうと、5.61gの標題チオエーテル含有有機化合物(A−9)が得られた(収率約89%)。
H−NMR(重クロロホルム):δ=4.17(s,4H,エステル隣接エチレン基),3.9−3.5(m,ポリエチレングリコール鎖他),3.35(s,12H,PEG末端メトキシ基),2.82(t,8H,チオール化合物側S隣接メチレン基),2.66(m,16H,ポリエーテル化合物側S隣接メチレン基,エステルカルボニル基α位メチレン基).
合成例12.チオエーテル含有有機化合物(A−10)
1,2−ビス(3−(メトキシ(ポリエトキシ)エトキシ)−2−ヒドロキシプロピルスルファニル)エタン
(ポリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル(ポリエチレングリコール鎖の分子量400)の1,2−エタンジチオールによる開環付加化合物)
合成例4のエチレングリコール=ビス(メルカプトアセタート)(1.11g,5.30mmol)のかわりに1,2−エタンジチオール(0.488g,5.18mmol)とし、他は合成例4と同様にしておこなうと、4.80gの標題チオエーテル含有有機化合物(A−10)が得られた(収率約87%)。
H−NMR(重クロロホルム):δ=3.9−3.4(m,ポリエチレングリコール鎖他),3.35(s,6H,PEG末端メトキシ基),2.78(t,4H,チオール化合物側S隣接メチレン基),2.66(m,4H,ポリエーテル化合物側S隣接メチレン基).
合成例13.チオエーテル含有有機化合物(A−11)
1,9−ビス(3−(メトキシ(ポリエトキシ)エトキシ)−2−ヒドロキシプロピルスルファニル)−3,7−ジチアノナン
(ポリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル(ポリエチレングリコール鎖の分子量400)の3,7−ジチア−1,9−ノナンジチオールによる開環付加化合物)
合成例4のエチレングリコール=ビス(メルカプトアセタート)(1.11g,5.30mmol)のかわりに3,7−ジチア−1,9−ノナンジチオール(1.39g,5.90mmol)とし、他は合成例4と同様にしておこなうと、4.58gの標題チオエーテル含有有機化合物(A−11)が得られた(収率約92%)。
H−NMR(重クロロホルム):δ=3.9−3.5(m,ポリエチレングリコール鎖他),3.36(s,6H,PEG末端メトキシ基),2.76−2.59(m,12H,チオール化合物側S隣接メチレン基),1.82(m,2H,チオール化合物Sβ位メチレン基).
合成例14.チオエーテル含有有機化合物(A−12)
トリス((3−(メトキシ(ポリエトキシ)エトキシ)−2−ヒドロキシプロピルスルファニルプロパノイルオキシ)エチル)=イソシアヌレート
合成例2で得られたポリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル(ポリエチレングリコール鎖の分子量400)(2.4g,5mmol)、トリス((3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル)イソシアヌレート(0.8g,1.5moml)、および1mol/Lテトラブチルアンモニウムフルオリド/テトラヒドロフラン溶液(500μL,0.5mmol)を混合し、70〜75℃で5時間攪拌した。後処理は、実施例3と同様に行ない、得られた濃縮乾固物にヘプタン50mLを加えてよく混ぜ、残った油状物をデカンテーションで回収した。この操作をあと2回繰り返し、残渣を減圧乾燥すると、標題チオエーテル含有有機化合物(A―12)が得られた(1.3g,収率58%)。
H−NMR(重クロロホルム):δ=3.9−3.5(m,ポリエチレングリコール鎖、N−エチレン基),3.54(t,6H,O−エチレン基),3.38(末端メトキシ基),2.8−2.6(m,チオール化合物側S隣接メチレン基およびチオール化合物Sβ位メチレン基).
比較合成例1.チオエーテル含有有機化合物(A−13)
メチル=3−(メトキシ(ポリエトキシ)エトキシ)−2−ヒドロキシプロピルスルファニル)プロピオナート
(ポリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル(ポリエチレングリコール鎖の分子量400)の3−メルカプトプロピオン酸メチルによる開環付加化合物)
合成例4のエチレングリコール=ビス(メルカプトアセテート)(1.11g,5.30mmol)のかわりに、ポリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル(メトキシポリエチレングリコールの分子量400,97.2g)に対して、3−メルカプトプロピオン酸メチル(22.5ml,207.5mmol)とし、他は合成例4と同様にしておこなうと、115.0gの標題チオエーテル含有有機化合物(A−13)が得られた(収率約94%)。
H−NMR(重クロロホルム):δ=3.9−3.5(m,ポリエチレングリコール鎖他),3.70(s,3H,エステルメチル基),3.36(s,3H,PEG末端メトキシ基),2.84(t,2H,J=7.2Hz,チオール化合物側S隣接メチレン基),2.76−2.59(m,4H,ポリエーテル化合物側S隣接メチレン基,エステルカルボニル基α位メチレン基).
比較合成例2.比較メタクリレート共重合物
メチルエチルケトン(以下、MEK)70部を、窒素気流中80℃に保ち、攪拌しながらメタクリル酸10部、メタクリル酸ベンジル5部、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート;分子量1000を85部、チオグリコール酸2部、MEK80部、および重合開始剤(「パーブチル(登録商標)O」〔日油(株)製〕)4部からなる混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、「パーブチル(登録商標)O」2部を添加し、80℃で22時間攪拌した。得られた反応混合物に水を加え、減圧脱溶剤した後、水で不揮発分量を調整した(不揮発分41%)。得られた共重合物の重量平均分子量は9800(ゲルパーミエーション・クロマトグラフ法)、酸価は76.5mgKOH/gであった。
実施例1.有機化合物とナノ銅粒子との複合体の合成
(有機化合物とナノ銅粒子との複合体の調製)
酢酸銅(II)一水和物(3.00g、15.0mmol)、上記合成例3で得たチオエーテル含有有機化合物(A−1)(0.454g)およびエチレングリコール(10mL)からなる混合物に、窒素を200mL/分の流量で吹き込みながら加熱し、125℃で2時間通気攪拌して脱気した。この混合物を室温に戻し、ヒドラジン水和物(1.50g、30.0mmol)を水7mLで希釈した溶液を、シリンジポンプを用いてゆっくり滴下した。このとき、初期の還元反応に伴う窒素の発生により、激しく発泡するので注意を要した。約1/4量を2時間かけてゆっくり滴下し、ここで一端滴下を停止し、2時間攪拌して発泡が沈静化するのを確認した後、残量を更に1時間かけて滴下した。得られた褐色の溶液を60℃に昇温して、さらに2時間攪拌し、還元反応を終結させた。このとき、黒色の反応溶液を少量、経時的に採取し、0.1%ヒドラジン水和物添加の脱気精製水で希釈して、直ちに紫外可視吸収スペクトルを取得すると、570〜580nmにピークが観測された。これは、ナノサイズの還元銅が示すプラズモン共鳴吸収に由来する吸収であり、これによりナノ銅粒子の生成が確認できた(図1)。
(水分散体の調製)
つづいて、この反応混合物をダイセン・メンブレン・システムズ社製中空糸型限外濾過膜モジュール(HIT−1−FUS1582、145cm、分画分子量15万)中に循環させ、滲出する濾液と同量の0.1%ヒドラジン水和物水溶液を加えながら、限外濾過モジュールからの濾液が約500mLとなるまで循環させて精製した。0.1%ヒドラジン水和物水溶液の供給を止め、そのまま限外濾過法により濃縮すると、2.85gの有機化合物とナノ銅粒子との複合体の水分散体が得られた。分散体中の不揮発物含量は18%、不揮発物中の金属含量は86%であった。分散体の広角X線回折からは、還元銅であることが確認できた(図2)。
実施例2〜12(有機化合物とナノ銅粒子との複合体の水分散体)
その他のチオエーテル含有有機化合物A−2〜12についても同様に行い、有機化合物とナノ銅粒子との複合体を調製した。反応混合物の一部をとり、紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、何れの化合物を用いた場合においても、ナノ銅粒子表面プラズモン共鳴由来の吸収極大が570〜600nmの間に観測されることを確認した。
(分散体の粒子径測定)
実施例3(合成例3で得られた化合物A−3を使用した場合)で得られた銅粒子を電子顕微鏡で観察すると平均粒子径7nmの微粒子であることが判明した(図3)。また、このとき動的光散乱法により測定した平均粒子径は106nmであった。その他の実施例については、以下の表1にまとめた。
実施例13.有機化合物とナノ酸化銅(I)粒子との複合体の合成
酢酸銅(II)1水和物(2.00g、10.0mmol)、上記合成例3で得たチオエーテル含有有機化合物A−1(0.30g)およびエチレングリコール(6.6mL)からなる混合物に、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン(85%,1.15g、11.0mmol)を水4.6mLで希釈した溶液を添加した。室温で30分攪拌した後、ポリプロピレン製遠沈管に移し、遠心分離機で13000Gの加速度を20分間与え、遠心沈降させた。上澄み液を捨て、沈降物にアルゴンガスで30分バブリングにより脱気した水を加え、不揮発物含量を30%に調製した。不揮発物中のナノ酸化銅(I)含量は85%であった。沈降物を電子顕微鏡で観察すると平均粒子径5nm程度の微粒子の凝集体であった(図5)。
実施例14〜24(有機化合物とナノ酸化銅(I)粒子との複合体の水分散体)
上記実施例13のチオエーテル含有有機化合物A−1のかわりに、チオエーテル含有有機化合物A−2〜12についても同様に行い、ナノ酸化銅(I)の水分散体を作製した。得られる酸化銅(I)の粒径については、表2にまとめた。
比較例1
実施例1において、チオエーテル含有有機化合物A−1の代わりに比較合成例1で合成したチオエーテル含有有機化合物A−13を用いる以外は、実施例1と同様にして還元反応を行った。部分還元時の反応混合物の一部をとり、酸化銅(I)の一次粒子径をTEMにより測定すると、平均粒子径は8nmであった。
反応混合物の一部をとり、紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、ナノ銅粒子表面プラズモン共鳴由来の吸収極大が570〜590nmの間に観測されることを確認した。また、得られた銅粒子を電子顕微鏡で観察すると粒子径5nmの微粒子もあるが、20nm程度の粒子も混じっており、平均は15nmで、形状が不揃いであることが判明した(図4)。
比較例2
実施例1において、チオエーテル含有有機化合物A−1の代わりに比較合成例で合成した比較メタクリレート共重合物を用いる以外は、実施例1と同様にして還元反応を行った。反応後の混合物から、実施例1と同様にして一部をとり、紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、570〜600nmの間に観測されるピークは存在していないことを確認した。
応用例1.銅薄膜の作成と薄膜の比抵抗測定
アルゴンを満たしたグローブバッグ中、上記実施例5で得られた複合体の水分散液を、7.6×2.6cmの清浄なスライドガラスの一端からおよそ0.5cm付近に約0.2mL程度滴下し、バーコーター(8番)を用いて展開して薄膜とし、そのまま、アルゴン雰囲気下で乾燥させた。乾燥したスライドガラスを広角X線回折法により確認すると、乾燥後6日経過後も銅のみが検出された(図6)この銅皮膜を3%水素含有アルゴンガスを0.5L/分の流量で流した雰囲気で、250℃で30分加熱した。放冷後、電気抵抗率を測定したところ、1.9×10−4Ω・cmであった。
比較応用例1
比較例1で得られた複合体の分散液についても、同様にスライドガラス上に塗布し、窒素ガスで乾燥させたが、乾燥翌日に酸化銅(I)がわずかに検出され、チオエーテル含有有機化合物をポリチオエーテルとすることで銅コロイド保護剤としての能力が高くなることが確認できた(図7)。また、この乾燥スライドガラスをホットプレート上に置き、3%水素含有アルゴンガスを0.5L/分の流量で流した雰囲気で、250℃で30分加熱したところ、2.4×10−4Ω・cmであった。
応用例2.酸化銅(I)ナノ粒子複合体を用いた銅薄膜の作製と薄膜の比抵抗測定
上記実施例13で得られたナノ酸化銅複合体の水分散液を、7.6×2.6cmの清浄なスライドガラスの一端からおよそ0.5cm付近に約0.2mL程度滴下し、バーコーター(8番)を用いて展開して薄膜とし、窒素ガスを0.2L/分の流量で流した雰囲気で乾燥させた。乾燥したスライドガラスを広角X線回折法により確認すると、酸化銅(I)のみが検出された(図8)。
上記実施例で得られたナノ酸化銅(I)複合体の水分散液を用い、上記と同様の方法でスライドガラス上に酸化銅(I)薄膜を作製した。乾燥したスライドガラスを、窒素ガスで置換した炉の中に置き、3%水素含有アルゴンガスを3L/分の流量で流した雰囲気中、300℃で30分加熱した。放冷後、電気抵抗率を測定し、結果は表にまとめた。また、比抵抗測定を実施した後、焼成したスライドガラスを広角X線回折法により、銅の生成が確認できた(図9)。
実施例3で得られたナノ銅粒子の複合体の分散液体を、ポリプロピレン製密閉容器中冷蔵庫で保存し、3月経過後の外観と紫外可視吸収スペクトル、動的光散乱法および電子顕微鏡による粒子径分布を測定したところ、3月にわたって変化がなかった(表3)。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)または一般式(2)
    [X−(OCHCHR)−O−CH−CH(OH)−CH−S−]Y (1)
    [X−(OCHCHR)−O−CH−CH(OH)−CH−S−R’−]Z (2)
    〔式(1)及び(2)中のXはC〜Cのアルキル基であり、Rは水素原子又はメチル基であり、nは2〜100の繰り返し数を示す整数であって、Rは繰り返し単位ごとに独立し同一であっても異なっていても良く、Yは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜4価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基又はC〜Cの飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR”−(R”はC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基である。式(1)中のmは2〜4の整数である。式(2)中のR’はC〜Cのアルキルカルボニルオキシ基であり、Zは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜6価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基、C2〜C6の飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR”−(R”はC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基、又はイソシアヌル酸−N,N’,N”−トリエチレン基であり、lは2〜6の整数である。〕
    で表されるチオエーテル含有有機化合物(A)と、ナノ銅粒子とを含有することを特徴とする有機化合物とナノ銅粒子との複合体。
  2. 下記一般式(1)または一般式(2)
    [X−(OCHCHR)−O−CH−CH(OH)−CH−S−]Y (1)
    [X−(OCHCHR)−O−CH−CH(OH)−CH−S−R’−]Z (2)
    〔式(1)及び(2)中のXはC〜Cのアルキル基であり、Rは水素原子又はメチル基であり、nは2〜100の繰り返し数を示す整数であって、Rは繰り返し単位ごとに独立し同一であっても異なっていても良く、Yは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜4価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基又はC〜Cの飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR”−(R”はC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基である。式(1)中のmは2〜4の整数である。式(2)中のR’はC〜Cのアルキルカルボニルオキシ基であり、Zは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜6価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基、C2〜C6の飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR”−(R”はC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基、又はイソシアヌル酸−N,N’,N”−トリエチレン基であり、lは2〜6の整数である。〕
    で表されるチオエーテル含有有機化合物(A)と、ナノ酸化銅(I)粒子とを含有することを特徴とする有機化合物とナノ酸化銅(I)粒子との複合体。
  3. 前記チオエーテル含有有機化合物(A)が、グリシジル基を末端に有するポリエーテル化合物(a1)とチオール化合物(a2)とを反応させて得られるものである請求項1又は2記載の複合体。
  4. 前記複合体中のチオエーテル含有有機化合物(A)の含有率が2〜15質量%である請求項1〜3の何れか1項記載の複合体。
  5. 前記複合体が粒子状であり、透過型電子顕微鏡像で観測される100個の当該粒子の平均粒子径が2〜20nmの範囲である請求項1〜4の何れか1項記載の複合体。
  6. 下記一般式(1)または一般式(2)
    [X−(OCHCHR)−O−CH−CH(OH)−CH−S−]Y (1)
    [X−(OCHCHR)−O−CH−CH(OH)−CH−S−R’−]Z (2)
    〔式(1)及び(2)中のXはC〜Cのアルキル基であり、Rは水素原子又はメチル基であり、nは2〜100の繰り返し数を示す整数であって、Rは繰り返し単位ごとに独立し同一であっても異なっていても良く、Yは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜4価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基又はC〜Cの飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR”−(R”はC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基である。式(1)中のmは2〜4の整数である。式(2)中のR’はC〜Cのアルキルカルボニルオキシ基であり、Zは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜6価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基、C2〜C6の飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR”−(R”はC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基、又はイソシアヌル酸−N,N’,N”−トリエチレン基であり、lは2〜6の整数である。〕
    で表されるチオエーテル含有有機化合物(A)の存在下、
    (i)2価の銅イオン化合物を溶媒と混合する工程と、
    (ii)銅イオンを0価のナノ銅粒子(B)に還元する工程と、
    を有することを特徴とする有機化合物とナノ銅粒子との複合体の製造方法。
  7. 前記工程(ii)の還元反応を、ヒドラジン水和物、非対称ジメチルヒドラジン、ヒドロキシルアミン水溶液又は水素化ホウ素ナトリウムを用いて行なうものである請求項6記載の複合体の製造方法。
  8. 下記一般式(1)または一般式(2)
    [X−(OCHCHR)−O−CH−CH(OH)−CH−S−]Y (1)
    [X−(OCHCHR)−O−CH−CH(OH)−CH−S−R’−]Z (2)
    〔式(1)及び(2)中のXはC〜Cのアルキル基であり、Rは水素原子又はメチル基であり、nは2〜100の繰り返し数を示す整数であって、Rは繰り返し単位ごとに独立し同一であっても異なっていても良く、Yは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜4価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基又はC〜Cの飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR”−(R”はC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基である。式(1)中のmは2〜4の整数である。式(2)中のR’はC〜Cのアルキルカルボニルオキシ基であり、Zは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜6価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基、C2〜C6の飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR”−(R”はC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基、又はイソシアヌル酸−N,N’,N”−トリエチレン基であり、lは2〜6の整数である。〕
    で表されるチオエーテル含有有機化合物(A)の存在下、
    (i)2価の銅イオン化合物を溶媒と混合する工程と、
    (ii’)銅イオンを1価のナノ酸化銅(I)粒子(C)に還元する工程と、
    を有することを特徴とする有機化合物とナノ酸化銅(I)粒子との複合体の製造方法。
  9. 前記工程(II’)の還元反応を、ヒドラジン水和物、非対称ジメチルヒドラジン、ヒドロキシルアミン水溶液、アスコルビン酸、アセトアルデヒド、ヒロドキシアセトン又はN,N−ジエチルヒドロキシルアミンを用いて行なうものである請求項8記載の複合体の製造方法。
  10. 前記チオエーテル含有有機化合物(A)が、グリシジル基を末端に有するポリエーテル化合物(a1)とチオール化合物(a2)とを反応させて得られるものである請求項6〜9の何れか1項記載の製造方法。
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