JP5859527B2 - 測光において使用可能なダイナミックレンジの拡大 - Google Patents

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Description

本発明は、波長依存性の応答度を有する検出ユニットを含んでいる、試料中の検体の有無および/または濃度を決定する光学装置の分野のものである。本発明は、具体的には、検出ユニットの波長依存性の応答度を補償する光学装置および方法に関する。
生体試料などの試料の分析において使用される分析器には、試料を照らすための光源と、光度測定を行う光検出器とを備えるものがある。例えば、臨床化学分析器においては、液体試料が入ったキュベットを通した光伝送が測定される。その結果は、試料を通した光強度入出力間の比率である消衰データを生成するために使用される。光の消衰は、試料における光の吸収または分散のいずれかによって起こりうる。両過程とも、測定可能な減衰をもたらす。このようにして、典型的には使用可能な波長で検出器の応答信号を測定することによって、診断状態を示し得る試料中の検体の有無および/または濃度を決定できる。これらは、典型的には、より小さい変動が検出できるように、決定される検体の類型が光を吸収または分散する波長である。
典型的には、フォトダイオードは、入射光の関数としての出力電流が線形で、低ノイズで、小型および軽量で、長寿命で、量子効率が高く、かつ、光電子増倍管と比較して低コストであるため、検出器として使用される。その反面、光電子増倍管と比較して、フォトダイオードの全体的な感度は低く、その領域は小さく、内部利得がなく、通常、応答時間はより遅い。従って、より典型的には、より高速な並行読み出しを可能にするために、フォトダイオードアレイが使用される。
可視波長領域で作動する光検出器を製造するために選択される材料は、通常は、シリコンである。シリコンは、生体試料分析に使用可能な領域である約190〜約1100ナノメータに含まれる波長領域において、大量の光電流を生成することができる。
しかし、入射光の波長に対してシリコンベースの光検出器の応答は変動する。言い換えれば、この光検出器の応答度は波長に依存する。このことが意味するのは、波長領域全体に対して、同じ光パワーが光検出器に入力された場合、応答度の曲線と類似した曲線に沿って、測定される信号またはベースライン信号は波長領域にわたって変化するであろうということである。
応答度は、入射光のパワー(W)に対する、生成される光電流(A)の比率と定義され、典型的にはA/W(アンペア/ワット)で表される。応答度はまた、量子効率、すなわち入射光子に対する、光で生成されるキャリアの数の比率として表されることもある。
「ベースライン信号」は、試料を通さずに、または試料を空にもしくは標準液に置き換えて、光源から光路を通して検出器へ導かれる電磁エネルギーの変換によって生じる信号として定義される。従って、ベースライン信号は、異なる波長における、光源の強度および光検出器の応答度の関数である。言い換えれば、選択された使用可能な波長領域のそれぞれにおけるベースライン信号は、ブランク信号と定義されることもあり、こうしたベースライン信号からのいかなるずれも、試料内に存在する検体によって生じる信号の減衰として解釈されるべきである。
さらに、波長依存性の応答度を有するのは、こうした光検出器だけではない。光路の一部となりうる、レンズや分散素子といった構成要素のほとんどは、異なる波長で異なる特性を有するため、全体的なベースライン信号は、検出ユニットで使用されるいくつかの構成要素の関数である。
波長依存性の応答度は、検出ユニットの固有の特性、つまり、検出器、および、光が透過、反射、回折、屈折、分散などをされる経路に影響する、少なくともいくつかの光路の構成要素、典型的には、全ての構成要素の固有の特性であり、使用される波長に応じて変動しうる。
検出器に関して、「固有の特性」とは材料の固有の特性、例えば、シリコンベースの検出器のシリコンの波長依存性の応答度に関連し、これは、公知のとおり、シリコン材料に典型的な波長領域において変動する光電流を生じる。
光路の構成要素に関して、波長依存性の応答度は、例えば、レンズの材料および形状や、回折格子の材料および空間分解能など、構成要素の材料、および形態または形状の両方の結果によることがあり、同じ光源の強度で、異なる波長の光が、異なる強度で検出器に届くことがある。極端な場合は、遮られるか、または波長が一定の範囲外に逸れて、これらの波長の光が検出器に届かないことさえある。
また、光路内に置かれた試料の容器自体も、波長依存性の応答度を有することがある。例えば、ガラスまたはプラスチックのキュベットが使用される場合、これらが、例えば、紫外線領域における放射線の一部を吸収することが知られている。
また、ハロゲンランプのような現在使用されている光源は、一定の波長で低くなり、典型的には、領域の境界の紫外線および/または赤外線に向かって下方に傾斜し、かつ波長領域の中央部分、約700ナノメータにおいてピークを有する変動性の強度スペクトルを有する。
典型的には、領域、特に、紫外線領域の境界近くでは、光源の相対的な強度が低いほど検出器の応答度も低くなり、光源の相対的な強度が高いほど検出器の応答度も高くなる。この結果、領域の境界近くの波長で検出される検体の応答信号が弱くなりすぎることがある一方で、同じ濃度で、光源強度および検出器の応答度の両方が高くなるような波長で検出される別の検体の応答信号が信号飽和を生じることがある。こうした理由から、ベースライン信号は、典型的には、光源の相対的な強度および検出器の応答度が最も低くなるような使用可能な波長に応じて設定されるため、測定用のダイナミックレンジが制限される。これは、検体の低い濃度を測定できるようにするために行われる。
しかし、このことが意味するのは、使用可能なダイナミックレンジは小さいが、検出器用に非常に広いダイナミックレンジが必要とされるということである。これは、いくつかのケースでは、測定された消衰が高すぎる場合に、分析する試料を薄めて測定を繰り返すことを必要とすることになる。
各ピクセルに対してプリアンプを有するフォトダイオードアレイが、こうした問題に最適に対処するために通常使用されるが、複雑でコストがかかる。他の方法は、異なる波長で積分時間(integration time)を変えることであるが、迅速な測定が必要とされる場合、この方法は好適ではない。
本発明の目的は、シンプルでかつコスト効率に優れ、検出器のダイナミックレンジへの依存がより少ない光学装置を提供することである。
本発明の一実施形態によると、異なるそれぞれの使用可能な波長領域の光を放射する複数の発光素子を備えた光源であって、少なくとも選択された使用可能な波長に関して、検出ユニットの波長依存性の応答度を、少なくとも部分的に補償するために、少なくともいくつかの発光素子の強度が調整される光源を設けることによって、この目的は達成される。他の実施形態によると、検出ユニットの波長依存性の応答度を、少なくとも選択された使用可能な波長に関して、少なくとも部分的に補償するために、少なくとも1つの調光器を光路に設けることによって、この目的は達成される。他の実施形態によると、少なくとも選択された使用可能な波長に関して、検出ユニットの波長依存性の応答度を、少なくとも部分的に補償するために、光源の強度を連続的に調整することによって、この目的は達成される。
本発明の利点は、測定用に、つまり、試料中の検体の有無および/または濃度の決定のために、検出器の利用可能なダイナミックレンジをほぼ最大限に使用できることである。本発明のもう1つの利点は、CCDまたはCMOSタイプの検出器のような、より安価な検出器が使用できることである。もう1つの利点は、検出器のダイナミックレンジが小さくてもよく、検出器の利用可能なダイナミックレンジをほぼ完全にカバーするように、検出のために使用可能なダイナミックレンジを最大限にできることである。もう1つの利点は、測定された信号が高すぎる場合に、試料を希釈して分析を繰り返すことの必要性が回避されることである。
本発明のもう1つの利点は、光学装置における迷光(stray light)を少なくできることである。
本発明は、試料中の検体の有無および/または濃度を決定する光学装置に関し、該光学装置は、光路の構成要素および検出器を含んでいる検出ユニットを含んでおり、該検出ユニットは、波長依存性の応答度を有している。前記光学装置は、異なるそれぞれの使用可能な波長領域の光を放射する少なくとも2つの発光素子を含んでいる光源をさらに含んでいる。前記それぞれの使用可能な波長領域でベースライン信号を生成し、試料が前記光路内に置かれているときに該ベースライン信号に対する応答信号を生成するために、前記光源からの光が光路を通して前記検出器へ導かれ得るように前記光学装置が設定され、前記応答信号は、前記試料中の検体の有無および/または濃度を示している。少なくとも第1および第2の使用可能な波長領域それぞれについて、少なくとも第1および第2の発光素子の前記強度が、前記検出ユニットの波長依存性の応答度に反比例するように前記光学装置が設定され、前記検出ユニットの前記応答度は、前記第2の使用可能な波長領域におけるよりも前記第1の使用可能な波長領域において高いことにより、前記第1の使用可能な波長領域での第1の前記ベースライン信号と前記第2の使用可能な波長領域での前記ベースライン信号との比率は、前記第1の使用可能な波長領域での前記検出ユニットの前記応答度と前記第2の使用可能な波長領域での前記検出ユニットの前記応答度との比率を下回り、好ましくは、前記第1の使用可能な波長領域での前記検出ユニットの前記応答度と前記第2の使用可能な波長領域での前記検出ユニットの前記応答度との比率の50%以下である。
他の実施形態によると、光学装置は、光路の構成要素および検出器を含んでいる検出ユニットを含み、該検出ユニットは波長依存性の応答度を有する。前記光学装置は、使用可能な波長領域の光を放射する、少なくとも1つの光源をさらに含んでいる。前記使用可能な波長領域でベースライン信号を生成し、試料が前記光路内に置かれているときに該ベースライン信号に対する応答信号を生成するために、前記光源からの光が光路を通して前記検出器へ導かれ得るように前記光学装置が設定され、前記応答信号は、前記試料中の検体の有無および/または濃度を示している。少なくとも第1および第2の使用可能な波長領域それぞれについて前記検出ユニットの前記波長依存性の応答度を補償するために、前記光学装置は前記光路内に置かれた少なくとも1つの調光器をさらに備え、前記検出ユニットの前記応答度は、前記第2の使用可能な波長領域におけるよりも前記第1の波長領域において高いことにより、前記第1の使用可能な波長領域での第1の前記ベースライン信号と前記第2の使用可能な波長領域での前記ベースライン信号との比率は、前記第1の使用可能な波長領域での前記検出ユニットの前記応答度と前記第2の使用可能な波長領域での前記検出ユニットの前記応答度との比率を下回り、好ましくは、前記第1の使用可能な波長領域での前記検出ユニットの前記応答度と前記第2の使用可能な波長領域での前記検出ユニットの前記応答度との比率の50%以下である。
本発明によると、「光学装置」は、試料中に存在する検体の光学的分析、具体的には、試料を通した光伝送の測定に好適な、自立式(self standing)の機器または分析器内に一体化された構成部分もしくは分析システム内のモジュールのいずれかである。
光学装置は、具体的には、生体試料分析に好適である。試料は、好ましくは、血液、血清、血漿、尿、母乳、唾液、脳脊髄液などの体液のような、1つまたは2つ以上の対象の検体が見つけられる可能性がある溶液である。例えば、1つまたは2つ以上の診断分析評価、例えば、臨床化学分析評価や免疫分析評価のようなものを実行するために、試料は、それ自体で、または他の溶液で希釈した後もしくは試薬と混合した後に分析することができる。従って、光学装置は、例えば、凝固分析評価(coagulation assay)、癒着分析評価(agglutination assay)、比濁分析評価(turbidimetric assay)において、化学または生体反応の結果を検出するため、または、化学または生体反応の進行を監視するために、有利に使用できる。他の診断分析評価の例として、アルブミン、ALP、アラニン・アミノトランスフェラーゼ、アンモニア、アミラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、重炭酸塩、ビリルビン、カルシウム、心臓マーカー、コレステロール、レアチニン・キナーゼ、D−ダイマー、エタノール、g−グルタミルトランスフェラーゼ、グルコース、HBA1c、HDLコレステロール、鉄、乳酸塩、乳酸脱水素酵素、LDLコレステロール、リパーゼ、マグネシウム、無機リン、カリウム、ナトリウム、総タンパク量、トリグリセリド、尿素、尿酸といった検体の定性および/または定量分析が挙げられる。当然ながら、この一覧がすべてではない。
「検出ユニット」は、ここでは、光路の構成要素および検出器を備えた光学装置内のシステムとして定義され、制御された方法で試料を通して光を導いて、吸収、および/または、分散または反射などの光伝送を測定することを可能にする。しかし、検出ユニットは、他のあらゆる分光計測を実行するように構成されてもよい。これはまた、一時的に静的な測定(temporally static measurement)、時間分解計測(time resolved measurements)、またはそれら両方を伴うものであってよい。
光路は、レンズ、反射鏡、アパーチャ、フィルタ、シャッター、遮熱材、光ファイバー、分散体といった構成部品を含んでよい。分散体は、透過または反射回折格子であってよく、走査型モノクロメーターまたはポリクロメーターであってもよく、伝送される光を受け取り、複数のスペクトル成分に分散させるように構成される。分散体はまた、プリズムのような屈折要素であってもよい。
本発明による「検出器」は、光学検出器または光検出器であって、単一素子と複合素子との両方またはアレイ光学検出器を含む、電磁エネルギーを電気信号に変換する装置である。よって、光学検出器は、光学的電磁信号を監視し、光路内に置かれた試料中の検体の有無および/または濃度を示すベースライン信号に対する電気的出力信号または応答信号を提供できる装置である。こうした装置の例として、アバランシェフォトダイオードを含むフォトダイオード、フォトトランジスタ、光伝導検出器、リニアセンサアレイ、CCD検出器、CMOSアレイ検出器を含むCMOS光学検出器、光電子増倍管および光電子増倍管アレイが挙げられる。いくつかの実施形態によると、フォトダイオードや光電子増倍管のような光学検出器は、追加で信号調整用または処理用電子装置を含んでよい。例えば、光学検出器は、少なくとも1つのプリアンプ、電子フィルタまたは集積回路を含んでよい。好適なプリアンプは、積分型、トランスインピーダンス型および電流増幅型(カレントミラー)プリアンプを含む。好ましい実施形態によると、検出器は、CCDまたはCMOSタイプである。他の実施形態によると、検出器はフォトダイオードまたはPMTタイプである。
本発明による光源は、使用可能な光を放射することができる、少なくとも1つの発光素子を含んでいる光学装置内のユニットである。「使用可能」という用語は、より広域な波長領域において、選択された1つもしくは複数の波長、または、1つもしくは複数の波長領域に関し、こうした1つまたは複数の波長で、試料に存在する検体の濃度の小さな変動および/またはベースライン信号に対する最小の濃度を十分な感度で測定するために、試料を通して導かれる光を使用できる。当然、少なくとも1つの発光素子が、少なくとも1つの使用可能な領域で発光する限り、使用不可能な領域において発光してもよい。使用可能という用語はまた、一定の波長領域が1つまたは一群の検体を測定するのに使用可能であるかもしれないが、他の検体に対しては可用性が低くなり得るといった意味で、相対的な用語として意図されるべきで、つまり、感度の喪失が認められても、依然、他の検体についても使用できることを意味している。一方、最適な測定状況が必要とされる場合は、異なる使用可能な波長領域が選択される必要があろう。
「波長領域」という用語もまた、例えば、数ナノメータ、例えば、2〜20ナノメータの狭い領域と、例えば、20〜100ナノメータ以上の、より広い領域との両方を含む広い意味に解釈する必要がある。また、複数の領域が少なくとも部分的に重なってもよいと理解されるべきである。
「発光素子」とは、白熱灯、エレクトロルミネセント・ランプ、ガス放電灯、高輝度放電ランプ、レーザーのような電気的な動力による発光源である。
一実施形態によると、少なくとも1つの発光素子は、例えば、ハロゲンランプであり、あらゆる白熱電球と同様に、近紫外線から赤外線内の深くまでの連続した広域な光のスペクトルを生じる。
好ましい実施形態によると、少なくとも1つの発光素子は、発光ダイオードである。「発光ダイオード」または「LED」という用語は、ここで、従来の発光ダイオード、つまり、印加された電気的エネルギーを光に変換する無機半導体ダイオードを意味するのに使用されている。このような従来のLEDの例としては、概して赤および赤外光を生じるアルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)、概して緑色光を生じるアルミニウムガリウムリン、概して赤、橙―赤、橙および黄色光を生じるガリウム砒素リン(GaAsP)、概して緑色、真緑(または、エメラルドグリーン)および青色光を生じる窒化ガリウム、概して赤、黄および緑色光を生じるガリウムリン(GaP)、概して青色光を生じるセレン化亜鉛(ZnSe)、概して青緑および青色光を生じる窒化インジウムガリウム(InGaN)、概して橙―赤、橙、黄および緑色光を生じるインジウムガリウムアルミニウムリン、概して青色光を生じるシリコンカーバイド(SiC)、概して紫外光を生じるダイヤモンド、および、開発中のシリコン(Si)が挙げられる。LEDは、狭帯域または単色光LEDに限定されず、LEDは、広帯域、複合帯域、および、概して白色光のLEDをも含んでよい。
LEDという用語は、ここで、有機発光ダイオード(OLED)を意味するのにも使用され、これは、ポリマーベースまたは小分子ベース(有機または無機)の、端面発光ダイオード(ELED)、薄膜エレクトロルミネセント装置(TFELD)、量子ドットベースの無機「有機LED」、および燐光OLED(PHOLED)であってよい。
従って、いくつかの実施形態によると、LEDは、標準的な半導体装置、有機LEDまたは無機LEDであってよい。有機LEDの例としては、QDOTベースのLEDおよびナノチューブベースのLEDが挙げられる。LEDは、有機LEDをスタック(stack)したもの、または有機LEDの層をスタックしたものなど、LEDをスタックしたものであってよい。
好ましい実施形態によると、光源は、異なるそれぞれの使用可能な波長または波長領域を有する複数の発光素子を備える。例えば、光源は、必要とされる使用可能な波長の数やタイプによって、最終的には赤外線波長まで、第1の使用可能な比較的短い波長スペクトル(例えば、紫外線〜青)のLED、第2の使用可能な「より赤い」、つまりより長い波長スペクトルのLED、第3の使用可能なさらに赤い、つまり長い波長のスペクトルのLEDなどを有するような、2つ、3つ、または4つ以上のLEDを組み合わせたものを含む。
各LEDは、例えば、約500μW〜約1Wの発光エネルギーを生成するように構成されてもよい。代替的に、または組み合わせて、アレイのLEDは、低い発光エネルギーを生成するように構成されても、中間の発光エネルギーを生成するように構成されても、高い発光エネルギーを生成するように構成されてもよい。
光源は、発光素子によって生じた熱を取り除き、照明の変動および/またはスペクトルシフトを防ぐために、ヒートシンクまたはファンなどの冷却装置を含んでよい。
光源および光路の構成要素は、それぞれの使用可能な波長領域でベースライン信号を生成し、試料が光路内に置かれているときに、そのベースライン信号に対する応答信号を生じるように、光源からの光が光路を通して検出器へと導かれるように構成され、この応答信号は、試料中の検体の有無および/または濃度を示す。試料は、例えば、光路内に置かれた、キュベット、フロースルーセルなどの中に置かれてもよい。
いくつかの実施形態によると、光学装置は、例えば、光路内に置かれた試料を照射する前に、複数の発光素子が放射する光を均質化(homogenizing)し、照明の均一性を向上させるための、例えば、ミキシングロッドなどの光整形(light shaping)および均質化用光学素子から成る光混合素子を備える。
光混合素子は、光路の、または光源の構成要素であってよい。
本発明の一態様によると、光源は、複数の発光素子、例えば、少なくとも2つの発光素子を備える。具体的には、少なくとも第1発光素子および第2発光素子の強度が、少なくとも第1および第2の使用可能な波長領域それぞれについて、検出ユニットの波長依存性の応答度に反比例するように調整され、検出ユニットの応答度は、第2の使用可能な波長領域におけるよりも、第1の使用可能な波長領域において高い。このように、第1の使用可能な波長領域での第1のベースライン信号と第2の使用可能な波長領域でのベースライン信号との比率が得られ、この比率は、第1の使用可能な波長領域での検出ユニットの応答度と第2の使用可能な波長領域での検出ユニットの応答度との比率を下回る。
数学的には、ベースライン信号BL(λ)は、波長λの関数としての検出器の応答度Rd(λ)を、同じく波長λの関数である光源のスペクトルS(λ)倍し、さらに波長λの関数である光路の応答度Rop(λ)倍したものである。従って、その数式は、BL(λ)=S(λ)×Rd(λ)×Rop(λ)とすることができる。これは、BL(λ)=S(λ)×Rdu(λ)のように省略でき、Rdu(λ)は、検出ユニットの応答度であり、Rd(λ)×Rop(λ)と一致する。S(λ)は、ワット(W)で表される。Rdu(λ)は、アンペア/ワット(A/W)で表される。従って、BL(λ)は、アンペア(A)で表され、これは、検出器によって決定され、ベースライン信号に変換される電流である。
ベースライン信号のレベルは、上記数式に従って、波長に依存するように変動する。これは、一連の選択された使用可能な波長領域において、ベースラインが最大レベルである波長領域と、最小レベルである波長領域とがあることを意味する。従って、最大のベースライン信号で割ることによって、すべての選択された使用可能な波長で、ベースライン信号を正規化することができる。従って、最大ベースラインの線を100%の値とし、一方、その他すべてが、最大ベースライン信号の分数またはパーセントで表される。選択された波長領域における最大および最小のベースライン信号の比率によって、ベースライン信号のダイナミックレンジが定義される。光源Sが波長λの関数でない場合、つまり、光源がすべての波長で一定、例えば、1Wである場合、ベースライン信号のスペクトルは、検出ユニットRdu(λ)の応答度の曲線と合致することになる。
検出ユニットの波長依存性の応答度を補償するために、検出ユニットの波長依存性の応答度に反比例するように発光素子の強度を調整することは、少なくとも選択された使用可能な波長において、検出ユニットの応答度が低い程高く、検出ユニットの応答度が高い程低い強度で、個々の発光素子が発光するように光源が構成されることを意味する。これは、例えば、検出ユニットの応答度が、第2の使用可能な波長領域におけるよりも第1の使用可能な波長領域において高い、つまり、Rdu(λ1)>Rdu(λ2)となる、第1および第2の波長領域、λ1およびλ2をそれぞれ選択することによって、光源の、つまり第2の波長領域において発光する第2の発光素子の強度S(λ2)が、第1の光源の、つまり第1の波長領域において発光する第1発光素子の強度S(λ1)と比較して、増やされることを意味している。具体的には、λ1についての数式は、BL(λ1)=S(λ1)×Rdu(λ1)である。λ2についての数式は、BL(λ2)=S(λ2)×Rdu(λ2)である。λ1とλ2との関係は、数式BL(λ1)/BL(λ2)=S(λ1)/S(λ2)×Rdu(λ1)/Rdu(λ2)で与えられる。S(λ1)がS(λ2)に等しい場合、BL(λ1)と、BL(λ2)との比率は、Rdu(λ1)とRdu(λ2)との比率に等しくなる。
例えば、第1の使用可能な波長領域での検出ユニットの応答度と第2の使用可能な波長領域での検出ユニットの応答度との比率の50%以下となるような、第1の使用可能な波長領域での第1のベースライン信号と第2の使用可能な波長領域でのベースライン信号との比率を得ることは、BL(λ1)/BL(λ2)×Rdu(λ2)/Rdu(λ1)が0.5以下、好ましくは、0.1つまり10%未満となるように、第1発光素子S(λ1)の強度に対する第2発光素子Sの強度(λ2)を調整することを意味する。Rdu(λ1)およびRdu(λ2)それぞれに反比例させてS(λ1)およびS(λ2)を調整することによって、λ2に対するベースラインBL(λ2)と同じλ1に対するベースラインBL(λ1)が得られ、つまり、BL(λ1)/BL(λ2)=1になる。
好ましくは、選択された波長領域における最大ベースライン信号BL(λmax)と最小ベースライン信号BL(λmin)との比率である、ベースライン信号のダイナミックレンジが、全波長領域で一定な光源によって生成されるベースラインと比較して、少なくとも50%、好ましくは、少なくとも90%から100%まで減少するように、S(λn)が調整される。λnは、あらゆる選択された波長領域を表す。言い換えれば、BL(λmax)/BL(λmin)×Rdu(λmin)/Rdu(λmax)が、0.5以下、好ましくは、0.1未満である。Rdu(λn)に反比例するS(λn)を調整することによって、いずれの選択された波長においても同じベースラインBL(λn)が得られる。
検出ユニットの波長依存性のある応答度を補償するために発光素子の強度を調整することは、迷光という、よく見受けられ、そして望ましくない問題を最小限にする上でも役立つ。「迷光」は、光学装置、具体的には、検出ユニットにおける光と定義され、意図された1つまたは複数の波長以外の波長(λn)で検出器に到達する。この結果、検出器によって生成されるベース信号および/または応答信号は、意図された波長λnの光だけによるのではなく、意図されていない、λn以外の波長の光にもよるため、エラー、つまり、正常な信号からのずれが生じ、測定を偏らせる。意図された光による信号が迷光による信号よりもはるかに大きい限り、迷光によるエラーは、無視できるものである。しかし、検出器の応答度が意図される波長でより低く、意図された波長以外の1つまたは2つ以上の波長でより高い場合、迷光によるエラーは有意であり得る。意図されていない波長と比較して意図された波長における応答度がより低いことに加え、意図された波長の光強度が意図されていない波長の光強度よりも低い場合、迷光の影響は、さらに深刻となることがある。従って、本発明に従って検出ユニットの波長依存性の応答度を補償することは、迷光によって起こりうるエラーもまた減少させる。一実施形態によると、迷光の問題がより著しい少なくとも1つまたは2つ以上の波長については、それぞれの発光素子の強度がさらに調整される、つまり、他の使用可能な波長領域において発光する他の発光素子の強度と比較してさらに増やされ、および/または、他の使用可能な波長領域において発光する発光素子の強度がさらに減らされることがある。これは、第2の使用可能な波長領域より第1の使用可能な波長領域の方が高い、つまり、Rdu(λ1)>Rdu(λ2)となる検出ユニットの応答度で、例えば、第1および第2波長領域、λ1およびλ2をそれぞれ選択することによって、BL(λ1)/BL(λ2)<1となるように、第1の発光素子の強度S(λ1)と比較して第2の発光素子の強度S(λ2)が増加されることがあり、および/または、第2発光素子の強度S(λ2)と比較して第1発光素子の強度S(λ1)が低下されることがあることを意味している。
例えば、個々の発光素子に対する入力電力を変えることによって、例えば、検出ユニットの応答度がより低くなるような使用可能な波長または波長領域の光を放射する発光素子に、より大きな電力を供給することによって、かつ、任意選択で、検出ユニットの応答度がより高くなるような使用可能な波長または波長領域の光を放射する発光素子に、より小さい電力を供給することによって、発光素子の強度の調整が達成される。例えば、検出ユニットの応答度がより低くなるような選択された使用可能な波長領域に対して、1つだけの発光素子の強度を調整すれば十分となる場合がある。典型的には、選択された使用可能な波長領域が近いほど、それぞれのベースライン信号の値またはレベルの差異が小さくなる、つまり、この差異を補償することの重要性は、より低いものとなる。従って、少なくとも2つの発光素子の強度を調整することは、相対的に解釈されるべきで、第1の発光素子の強度を設定または固定すること、かつ、第1の発光素子がその特定の分析に使用されるかどうかに関わらず、第1の発光素子の強度に関連して第2発光素子の強度を調整することが含まれる。あるいは、波長依存性の応答度は検出ユニットの固有の特性であるため、発光波長に応じてエネルギー電力がそれぞれ異なる、異なった発光素子が使用できる。
発光素子の性質、発光素子の数および発光波長に応じて、使用可能な波長を含む連続する広帯域の発光スペクトル、または、選択された使用可能な波長を含む不連続の狭帯域の発光スペクトルのいずれかが生成できる。この結果、ベースライン信号もまた、選択された使用可能な波長のそれぞれおよびそれらの間の間隙についての信号領域で連続または不連続のいずれかであってよい。他がオフのままであることがあっても、選択された、例えば、選択された検体を検出するために使用可能な光を放射する発光素子だけがオンにされるか、または使用中となるように、光源もまた構成できる。
理想的には、これらの選択された使用可能な波長のそれぞれについて、ほぼ平坦および/またはほぼ同レベルのベースライン信号が得られ、そのダイナミックレンジは、1となるであろう。しかし、実際には、ベースライン信号の変動における如何なる減少も相当な利点をもたらし、これは、測定に利用可能なダイナミックレンジが同じ量増加するからである。
検体のダイナミックレンジは、試料におけるその検体の典型的な濃度の範囲と定義される。検出器のダイナミックレンジは、飽和状態またはその近くでの最大の検出可能な光と、典型的にはノイズレベルによって制限される最小の検出可能な光との比率と定義される。ベースライン信号のダイナミックレンジは、一連の選択された使用可能な波長領域についての最大ベースライン信号 BL(λmax)と最小ベースライン信号BL(min)との比率と定義される。測定用に利用できるダイナミックレンジは、検出用に効果的に使用できるダイナミックレンジ、言い換えれば、使用可能なダイナミックレンジである。これは、検体の濃度の最大の検出可能な変化と、BL(λmin)によって制限される、検体の濃度の最小の検出可能な変化との比率と定義される。従って、使用可能なダイナミックレンジは、検出器のダイナミックレンジから、ベースライン信号のダイナミックレンジを差し引いたものである。従って、これは、検出器のダイナミックレンジよりも小さい。従って、検体のダイナミックレンジは、測定に利用可能なダイナミックレンジを上回ることがある。つまり、検体の最大濃度が測定できない可能性がある。だからこそ、ベースライン信号のダイナミックレンジを小さくすることが重要なのである。
理想的な状態に近づけるため、例えば、プリアンプまたは電子フィルタによる検出器側の電子的な補償は、光の強度の補償と組み合わせることもできる。
他の実施形態によると、第1の使用可能な波長領域での検出ユニットの応答度と第2の使用可能な波長領域での検出ユニットの応答度との比率を下回る、好ましくは、その50%以下となる、第1の使用可能な波長領域での第1のベースライン信号と第2の使用可能な波長領域でのベースライン信号との比率が得られるように、少なくとも選択された使用可能な波長について、検出ユニットの波長依存性の応答度を補償するために、少なくとも1つの調光器が、光路に置かれている。
調光器は、少なくとも選択された波長について、検出器に届く光の量を減少させることができる光学素子である。調光器は、例えば、光フィルタや、スリットや絞りのような遮光体(obscuring object)であってよい。
光フィルタは、パターニングされたフィルタ、例えば、パターニングされたフィルタ層上に多帯域フィルタを備えたハイブリッドフィルタであってよいし、または、少なくとも選択された使用可能な波長について検出ユニットの波長依存性の応答度を補償するための、異なる波長に対する複数のフィルタ、例えば、フィルタのアレイやスタックを含んでもよい。これは、少なくとも選択された使用可能な波長で、検出ユニットの応答度に反比例するように、検出ユニットの応答度がより高くなるような波長において光が暗くされることを意味している。
少なくとも1つの調光器が、検出器上に、例えば、検出器のセンサ表面を少なくとも部分的に覆うように取り付けられてもよい。あるいは、調光器は、少なくとも1つの発光素子を少なくとも部分的にカバーするために光源に接続してよいし、または光路の構成要素であってよい。
少なくとも1つの光源は、例えば、1つの広帯域の発光素子を含むような、広帯域の光源であってよい。しかしながら、光源は狭帯域または広帯域の発光をする複数の発光素子を含んでよい。
調光器の補償は、選択された使用可能な波長のそれぞれに対するベースライン信号が一層少ない変動で得られるように、光の強度の補償および/または電子的な補償と組み合わせてよい。
本発明はまた、試料中の検体の有無および/または濃度を決定するための分析器に関するものであり、この分析器は、前記光学装置を含んでいる。本発明による分析器は、例えば、診断目的での試料の定性的および/または定量的な光学的評価といった検出についてユーザーをアシストする機器である。こうした分析器の例は、自立式の機器または複数のモジュールを備えたシステム内のモジュールのいずれかとして、化学または生体反応の結果を検出するため、または化学または生体反応の進行を監視するために使用される臨床化学分析器、凝固化学分析器、免疫化学分析器、尿分析器が挙げられる。
具体的には、分析器は、試料および/または試薬のピペット操作、投与、混合をアシストするユニット、試料管または試料管の入ったラックの搭載および/または取り出しおよび/または搬送および/または貯蔵のためのユニット、試薬容器またはカセットの搭載および/または取り出しおよび/または搬送および/または貯蔵のためのユニットを含んでよい。分析器はまた、例えば、バーコードリーダーといったセンサを備えた識別ユニットを含んでもよい。RFIDといった代替技術もまた識別に使用してもよい。
ピペットユニットは、再使用できる洗浄可能な針、例えば、スティール針、または使い捨てのピペットチップを含んでよい。典型的には、ピペットユニットは、分析装置に対してピペットチップまたは針を移動させるための自動位置決め装置に、動作できるように連結され、かつ、例えばガイドレール(guiding rail)によって平面上の2つの移動方向に、および、例えばスピンドルドライブによってその平面に直交する第3の移動方向に移動できる、例えば搬送ヘッドに取り付けられてよい。
分析器はまた、反応混合物を含有している、分析されるべき試料が入ったキュベットを検出ユニットの光路内にある検出位置内に移送するためのキュベット取り扱いユニット(handling unit)を含んでもよい。キュベット取り扱いユニットは、少なくとも1つの方向に移動するコンベア、例えば、リニアまたはロータ式コンベヤとして、または、1つまたは2つ以上の電気モータによって駆動される、1つまたは2つ以上の考えられる直交軸に沿った並進移動(translation movements)を実行できるロボットアームとして実施してよい。一実施形態によると、キュベット取り扱いユニットは、一度に少なくとも1つのキュベットを受け取り、少なくとも1つの検出位置内に搬送するいくつかのキュベット部を含む。
一実施形態によると、光路は、複数の試料を並行して分析するために、複数のキュベットを受け取るための複数の検出位置を含んでよい。
一実施形態によると、分析器は、複数の光学装置を含む。
分析器は、反応中、一定の温度で試料/試薬混合物を維持する培養ユニット、ピペットチップまたは針を洗浄する洗浄ステーション、ミキシングパドル(mixing paddles)などをさらに含んでもよい。
分析器は、好ましくは、所定の処理作業計画(process operation plan)に従って、試料の自動分析を制御するコントローラを含んでおり、例えば、処理作業計画に従って作業を実行するための命令を備えたコンピュータで読み取り可能なプログラムを実行する、プログラム可能なロジックコントローラとして具体化され得る。
本発明はまた、試料中の検体の有無および/または濃度を決定する方法に関し、該方法は、
異なるそれぞれの使用可能な波長領域の光を放射する少なくとも2つの発光素子を備えた光源からの光を、光路および検出器を備える検出ユニットへ導く工程と、該検出ユニットは前記それぞれの使用可能な波長領域におけるベースライン信号を生成するために波長依存性の応答度を有しており、
少なくとも第1および第2の使用可能な波長領域それぞれについて前記検出ユニットの前記波長依存性の応答度に反比例するように、少なくとも第1および第2の発光素子の強度を調整する工程と、前記検出ユニットの応答度が前記第2の使用可能な波長領域におけるよりも前記第1波長領域において高いことにより、前記第1の使用可能な波長領域での前記検出ユニットの前記応答度と前記第2の使用可能な波長領域での前記検出ユニットの前記応答度との比率を下回る、好ましくは50%以下となる前記第1の使用可能な波長領域における第1ベースライン信号と前記第2の使用可能な波長領域での前記ベースライン信号との比率が得られ、
試料が前記光路内に置かれているときに、前記ベースライン信号に対する応答信号を生成する工程および該応答信号を前記試料中の検体の有無および/または濃度に関連付ける工程
とを含んでいる。
「ベースライン信号に対する」という用語は、ここでは、分析される試料による、ベースライン信号からのあらゆるずれを意味するのに使用され、ベースライン信号を上回るか、または下回るかのいずれかの場合があるが、典型的には、伝送される値が消衰として記録されるので下回る。
好ましい実施形態によると、発光素子の強度の調整は、検出器のダイナミックレンジが、少なくとも選択された使用可能な波長について、決定される検体濃度のダイナミックレンジを含むようにベースライン信号のレベルを調整する工程を含む。これは、ベースライン信号が検出器の飽和限界近くになるように、少なくとも選択された使用可能な波長について、これらの波長で発光する発光素子の光強度が調整できることを意味している。このようにして、検体濃度が高すぎる場合に後に試料を希釈する必要なく、検出器の検出の限界まで検出器のダイナミックレンジ全体が、検体濃度を決定するために使用できる。例えば、検出器、例えば、CCDまたはCMOSタイプの検出器が使用される場合、この検出器タイプのダイナミックレンジは、典型的には、約1000:1である。検出ユニットの波長依存性の応答度を補償するために発光素子の強度が調整されなかった場合、使用可能な波長領域全体にわたる、検体濃度を決定するために利用可能なダイナミックレンジは、4:1未満に減少するであろう、なぜなら、このダイナミックレンジのかなりの部分が、ベースラインによって使い果たされるためであり、このため、このタイプの検出器は、ほぼ1000:1程度になることがある検体濃度の変化を検出するのに好適ではなくなる。従って、検出ユニットの波長依存性の応答度を補償することにより、検出器のダイナミックレンジをほぼカバーすることによって、測定用に使用可能なダイナミックレンジは、最大にされることができ、このため、より安価な検出器の使用を意味する、より小さいダイナミックレンジを有する検出器の使用が可能になる。もちろん、フォトダイオードアレイや光電子増倍管といった検出器も依然として使用してもよく、こうした検出器においては、測定に利用可能なダイナミックレンジが、一層大きくなり、そのため、例えば、濃度が高すぎる試料について試料を希釈する必要なく、より広い濃度範囲で検体の検出ができるようになる。
一実施形態によると、測定される試料のタイプまたは検体のタイプの相関において、ベースライン信号のレベル調整は実行される。つまり、検出される検体に従って、ならびに/または、試料および/もしくは試料に存在する検体に典型的な予測されるダイナミックレンジに従って、個々の使用可能な波長または波長領域についてベースライン信号が調整されてよい。例えば、ベースライン信号を飽和限界から、および低い検体濃度または小さい濃度変化が予測される場合は検出器の検出限界から十分に遠ざけるため、検出器のダイナミックレンジの中心部分に向かって移動させることも可能であってよい。言い換えれば、検出器のダイナミックレンジが測定される検体濃度のダイナミックレンジを含むようにベースライン信号のレベルを調整することだけでなく、例えば、少なくとも選択された使用可能な波長について、検出器のダイナミックレンジの中心に対して検体濃度のダイナミックレンジを中央に揃えることによって、ベースライン信号を、この領域における最適なレベルに置くこともできる。
本発明はまた、試料中の検体の有無および/または濃度を決定する方法に関し、該方法は、
使用可能な波長領域で光を放射する1つの光源からの光を、光路および検出器を備える検出に導く工程と、該検出ユニットは、それぞれの前記使用可能な波長領域におけるベースライン信号を生成するために波長依存性の応答度を有しており、
第1の使用可能な波長領域での前記検出ユニットの前記応答度と第2の使用可能な波長領域での前記検出ユニットの前記応答度との比率を下回る、好ましくは50%以下となる、前記第1の使用可能な波長領域での第1のベースライン信号と前記第2の使用可能な波長領域での前記ベースライン信号との比率が得られるように、前記光源の強度を連続的に調整することによって、少なくとも前記第1および第2の使用可能な波長領域それぞれについて前記検出ユニットの前記波長依存性の応答度を補償する工程と、
試料が前記光路内に置かれているときに、前記ベースライン信号に対する応答信号を連続的に生成する工程および該応答信号を前記試料中の検体の有無および/または濃度に関連付ける工程
とを含んでいる。
いくつかの実施形態によると、この方法は、光路内に置かれた少なくとも1つの調光器によって、少なくとも選択された使用可能な波長について、検出ユニットの波長依存性の応答度を少なくとも部分的に補償する工程を含み、これは、光源の強度を調整することによって達成される補償と、調光器によって達成される補償とを組み合わせることによる。
本発明はまた、試料中の検体の有無および/または濃度を決定する方法に関し、該方法は、
使用可能な波長領域で光を放射する少なくとも1つの光源からの光を、光路および検出器を備える検出ユニットへ導く工程と、該検出ユニットはそれぞれの使用可能な波長領域におけるベースライン信号を生成するために波長依存性の応答度を有しており、
前記光路内に置かれた少なくとも1つの調光器によって、少なくとも第1および第2の使用可能な波長領域それぞれについて、検出ユニットの波長依存性の応答度を補償する工程と、前記検出ユニットの前記応答度が前記第2の使用可能な波長領域におけるよりも前記第1の波長領域において高いことにより、前記第1の使用可能な波長領域での前記検出ユニットの前記応答度と前記第2の使用可能な波長領域での前記検出ユニットの前記応答度との比率を下回る、好ましくは50%以下となる前記第1の使用可能な波長領域での第1の前記ベースライン信号と前記第2の使用可能な波長領域での前記ベースライン信号との比率が得られ、
試料が前記光路内に置かれているときに、前記ベースライン信号に対する応答信号を生成する工程および該応答信号を前記試料中の検体の有無および/または濃度に関連付ける工程
とを含んでいる。
これは、光源の強度を調整することによって達成される補償、および/または、調光器によって達成される補償を伴って達成される補償は、ベースライン信号の変動をいっそう小さくするために、さらに電子的な補償を組み合わせることができることを意味している。
好ましい実施形態によると、第1の使用可能な波長領域での検出ユニットの応答度と第2の使用可能な波長領域での検出ユニットの応答度との比率の10%未満となる、第1の使用可能な波長領域での第1のベースライン信号と第2の使用可能な波長領域でのベースライン信号との比率が得られる。
好ましい実施形態について説明し、かつ、本発明の原理をより詳細に説明するに役立つ以下の記載および添付の図面から、本発明の、その他の、および、さらなる目的、特徴、および利点が明らかになる。
本発明の一実施形態による、光路内に置かれた試料中の検体の有無および/または濃度を決定するための光学装置を概略的に示している。 本発明の他の実施形態による、光路内に置かれた試料中の検体の有無および/または濃度を決定するための光学装置を概略的に示している。 従来技術の検出ユニットに典型的な波長依然性の応答度と、それぞれが使用可能な波長領域で発光する複数の発光素子で再現された、従来技術の広域なスペクトルの光源に典型的な波長依然性の強度とを同じグラフ上に示している。 図3aの使用可能な波長領域のそれぞれにおける、検出ユニットの波長依存性の応答度と、それぞれの波長での光源の強度との関数としての従来技術のベースライン信号を示している。 検出ユニットの波長依存性の応答度と、それぞれの使用可能な波長領域において発光する複数の発光素子それぞれの光強度とを同じグラフに示しており、ここで、その強度は、検出ユニットの波長依存性の応答度の逆数に調整されている。 図4aの使用可能な波長領域のそれぞれにおけるベースライン信号を示している。 1つの使用可能な波長領域での迷光の影響をさらに減らすために、複数の発光素子それぞれの光強度がどのようにして調整されるかの一例を、図4aと比較して示している。 図4cの光強度に従って得られたベースライン信号がどのように変わるかを、図4bのベースライン信号と比較して示している。 第1の使用可能な波長領域での検出ユニットの応答度と第2の使用可能な波長領域での検出ユニットの応答度との比率の50%となる、第1の使用可能な波長領域での第1のベースライン信号と第2の使用可能な波長領域でのベースライン信号との比率が、どのように計算されるかを示している。 図6aは、典型的な従来技術の、検出器のダイナミックレンジ、ベースラインのダイナミックレンジおよび検体の濃度のダイナミックレンジの関係を概略的に示している。図6bは、ベースラインのダイナミックレンジを減らした後の、検出器のダイナミックレンジ、ベースラインのダイナミックレンジおよび検体の濃度のダイナミックレンジの関係を概略的に示している。
図1は、検出ユニット50の光路51内に置かれた光学キュベット(optical cuvette)20に含まれる試料10中の検体の有無および/または濃度を決定するための光学装置100を概略的に示している。検出ユニット50は、レンズ52、アパーチャ53、反射鏡54、シャッター55、および、試料10を通して伝送された光67を受け取り、これを複数のスペクトル成分68に分散させるように構成される回折格子56といった光路の構成要素を含んでいる。検出ユニット50は、光68からの電磁エネルギーを電気信号へと変換する、CCDセンサのようなアレイ光学センサ71を含んでいる光学検出器70をさらに含む。センサ71は、セクターに分割され、そのそれぞれは、使用可能な1つの波長領域専用となる。光学装置100は、異なるそれぞれの使用可能な波長領域の光を放射する発光素子のアレイ、このケースでは、LED61を含んでいる光源60をさらに含んでおり、試料10中の検体の有無および/または濃度を示すベースライン信号に対する応答信号を生成するために、LEDからの光が、ミキシングロッド62によって混合され、光路51を通して検出器70へと導かれる。光源は、熱が検出ユニット50に入ることを防ぐ遮熱材63、および、LED61によって生じる熱を逃がすためのヒートシンク64をさらに含む。光の方向は、光路51に沿う矢印で示される。
それぞれのLED61によって放射される光の強度が、検出ユニット50の波長依存性の応答度の逆数に、これらのそれぞれの波長において調整されるように、光源60は構成され、波長依存性の応答度は、光学的な構成要素と検出器センサ71との両方に依存する。この補償によって、選択された使用可能な波長領域の1つにおける最大のベースライン信号と、もう1つの選択された使用可能な波長領域における最小のベースライン信号との比率の低減が得られる。言い換えれば、ベースラインのダイナミックレンジの低減が得られる。
図2は、検出ユニット50の光路51内に置かれた光学キュベット20に含まれる試料10中の検体の有無および/または濃度を決定するための、他の光学装置200を概略的に示している。本実施形態のほとんどの特徴は図1のものと共通するので、相違点だけが説明される。具体的には、光源60は、広い使用可能な波長領域で光を放射する1つの発光素子、この例では、ハロゲンランプを備える。光学装置200はまた、少なくとも選択された使用可能な波長領域について検出ユニットの波長依存性の応答度を補償するために、光路内に置かれた調光器72を含んでいる。この例において、調光器72は、検出器センサ71の表面上に広がる、パターニングされた遮光フィルタ(obscuring filter)である。検出ユニット50の応答度がより高くなる波長で、かつ、少なくとも選択された使用可能な波長について検出ユニット50の応答度に幾らか反比例させて、調光器72は、センサ71に届く光を暗くする。
検出ユニット50の波長依存性の応答度を補償する効果は、図3aと図4aとを、および図3bと図4bとをそれぞれ比較すると、最も良く理解される。
図3aのグラフは、異なる波長における、具体的には、選択された使用可能な波長領域(横軸上)における光源の強度の値を、ミリワット(mW)で、左の縦座標軸に示している。離散的な発光(Discrete light emissions)67は、それぞれが個々の使用可能な波長領域で発光する一連のLEDで得られ、結果として生じる強度スペクトルは、同様のアプリケーションにおいて使用される、典型的な広域スペクトルのハロゲンランプによって放射される強度スペクトルと、概略的に等しい。典型的な従来技術の検出ユニットの波長依存性の応答度Rdu(λ)は、右の縦座標軸に対して、曲線Rdu(λ)で表され、その単位はアンペア・パー・ワット(A/W)である。
図3bは、数式BL(λ)=S(λ)×Rdu(λ)に従って図3aの使用可能な波長領域のそれぞれで得られる、パーセント(%)表示の正規化されたベースライン信号90を示している。ここで「正規化された」という用語は、最大のベースライン信号が100%という相対的な値で与えられ、他の全てのベースライン信号は、この相対的な値の割合または%で表されることを意味している。340nmでのベースライン信号92は、660nm(100%)でのベースライン信号91の僅か0.3%であり、これらが、選択された使用可能な波長の、この範囲における最小および最大のベースライン信号をそれぞれ表していることがわかる。この場合、ベースラインのダイナミックレンジは、330:1である。
図4aと図3aとを比較すると、その相違は、それぞれのLED61の発光67の強度が、検出ユニット50の波長依存性の応答度Rdu(λ)の逆数に調整されていることである。
図4bは、数式BL(λ)=S(λ)×Rdu(λ)に従って図4aの使用可能な波長領域それぞれで得られる、パーセント(%)表示の正規化されたベースライン信号90を示している。図3bと比較すると、選択された使用可能な波長のそれぞれで、同じベースライン信号90が得られることがわかる。ベースラインのダイナミックレンジは、今や1:1まで小さくされている。
図4cは、図4aに示されるものと同じ、検出ユニットの波長依存性の応答度Rdu(λ)、および、個々の使用可能な波長領域で発光する複数の発光素子のそれぞれについての発光67の強度(点線)を比較のために示している。さらに、図4cは、1つの使用可能な波長領域で、この場合は340nmで、迷光の影響をさらに減らすために、複数の発光素子それぞれについて発光67の強度がどのようにして調整されるかの一例を、実線で同じグラフ上に示している。具体的には、340nmでの発光素子の強度が図4aよりも高くなり、一方、その他全てが図4aよりも比例的に低くなることがわかる。
図4dに示されるように、この光強度の相違により、図4bと比較してベースライン信号90に相違が生じる。この場合、340nmでの第1の波長領域が考慮されなければ、ベースラインのダイナミックレンジは、依然として1:1である。第1の波長領域も考慮されるとわずかに大きくなるが、それでも、図3bのダイナミックレンジと比較すると小さい方である。迷光を減らす利点が考慮されれば、1つまたは2つ以上の使用可能な波長領域についてのダイナミックレンジの、このわずかな増大は、許容可能であるかもしれない。
図5は、数式BL(λ)=S(λ)×Rdu(λ)に従って、かつ、光源の強度がすべての波長で一定であると想定して、図3aおよび図4aでのような使用可能な波長領域のそれぞれで得られた、パーセント(%)表示の正規化されたベースライン信号90を示している。従って、ベースライン信号は、検出ユニットの応答度曲線Rdu(λ)と一致する。340nmでのベースライン信号92は、550nm(100%)でのベースライン信号91の僅か11%であり、これらが、選択された使用可能な波長の、この範囲における最小および最大のベースライン信号をそれぞれ表していることがわかる。この場合、11%というのは、550nmでのRduと340nmでのRduとの比率でもある。最小のベースライン信号92が、550nmでの最大ベースライン信号の22%となるように、340nmの領域で、発光素子の強度を高めることによって、最大のベースライン信号と最小のベースライン信号との比率が、550nmでの検出ユニットの応答度と340nmでの検出ユニットの応答度との比率の50%となる。
図6aは、典型的な従来技術の、検出器のダイナミックレンジAC(A線とC線との間)、ベースラインのダイナミックレンジAB(A線とB線との間)および検体濃度のダイナミックレンジBD(B線とD線との間)の関係を概略的に示している。検出器のダイナミックレンジACのかなりの部分は、ベースラインによって使い果たされてしまうので、ACからBCへ(B線とC線との間)検出器のダイナミックレンジが小さくなる、ということがわかる。BCもまた、使用可能なダイナミックレンジ、つまり検体の濃度の測定に実際に利用可能なダイナミックレンジと定義できる。検体の濃度のダイナミックレンジBDが、検出器の使用可能なダイナミックレンジBCを上回る場合、信号飽和が起こり、試料を希釈してから、測定を繰り返すことが必要となることがある。あるいは、より広域なダイナミックレンジを有する、より複雑かつ高価な検出器が使用されるかもしれない。
図6bは、本発明のいずれかの実施形態による、ベースライン信号のダイナミックレンジAB’(A線とB’線との間)を小さくする効果を概略的に示している。具体的には、検出器の使用可能なダイナミックレンジB’C(B’線とC線との間)が、これに応じて大きくなることがわかる。検体濃度のダイナミックレンジB’D’(B’線とD’線との間)は、依然として図6aにおけるBDと同じであるが、これらの線は、同様に一定のままであり得る検出器のダイナミックレンジACに含まれるようにシフトしている。
上記記載を鑑みて、明らかに、多くの本発明の変更形態および変形形態があり得る。従って、本発明は、添付の請求項の範囲において、具体的に考案された方法とは異なる方法でも実施できることを理解されたい。

Claims (8)

  1. 紫外線および可視光線の波長範囲に含まれる波長領域の光を用いて、試料(10)中の検体の濃度を決定する光学装置(100)であって、該光学装置(100)は、
    光路の構成要素および検出器(70)を含み、波長依存性の応答度(Rdu(λ))を有している検出ユニット(50)と、
    異なるそれぞれの使用可能な波長領域で光(67)を放射する少なくとも2つの発光素子(61)を含んでいる光源(60)とを含み、
    該光源(60)からの光は、前記試料(10)が前記光路(51)内に置かれていないときの、前記それぞれの使用可能な波長領域での前記光源の強度と前記応答度(Rdu(λ))との関数であるベースライン信号(90、91、92)を前記検出ユニット(50)により生成し、試料(10)が光路(51)内に置かれているときに、前記検出ユニット(50)により、前記ベースライン信号(90、91、92)に対する応答信号を生成するために、光路(51)を通って前記検出器(70)へと導かれることが可能であり、前記応答信号が前記試料(10)中の検体の濃度を示し、
    少なくとも第1および第2の発光素子(61)の強度(67)が、少なくとも第1の使用可能な波長領域(λ1)および第2の使用可能な波長領域(λ2)それぞれについて前記検出ユニット(50)の前記波長依存性の応答度(Rdu(λ))に反比例し、前記第1の使用可能な波長領域(λ1)における前記検出ユニット(50)の応答度(Rdu(λ1))が、前記第2の使用可能な波長領域(λ2)における応答度(Rdu(λ2))よりも高く、前記第1および第2の発光素子(61)が、前記検出ユニット(50)の応答度(Rdu(λ2))が低い程高く、前記検出ユニット(50)の応答度(Rdu(λ1))が高い程低い強度で発光するように構成され、前記第1の使用可能な波長領域での第1の前記ベースライン信号(91)と前記第2の使用可能な波長領域での前記ベースライン信号(92)との比率が、前記第1の使用可能な波長領域での前記検出ユニットの前記応答度と前記第2の使用可能な波長領域での前記検出ユニットの前記応答度との比率を下回り、
    前記第1および第2の発光素子(61)の両方の強度(67)が調整され、前記検出器(70)のダイナミックレンジ(AC)が、決定される検体濃度のダイナミックレンジ(B’D’)を含むように、選択された使用可能な波長領域での前記ベースライン信号(90)のレベルが調整されるように構成された光学装置。
  2. 前記光源(60)が、複数の発光ダイオード(61)を含んでいる請求項1記載の光学装置(100)。
  3. 前記検出器(70)が、CCDまたはCMOSタイプである請求項1または2記載の光学装置(100、200)。
  4. 試料(10)中の検体の濃度を決定する分析器であって、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学装置(100、200)を含んでいる分析器。
  5. 紫外線および可視光線の波長範囲に含まれる波長領域の光を用いて、試料(10)中の検体の濃度を決定する方法であって、該方法が、
    異なるそれぞれの使用可能な波長領域の光(67)を放射する少なくとも2つの発光素子(61)を含んでいる光源(60)からの光を、光路(51)および検出器(70)を含み、前記試料(10)が前記光路(51)内に置かれていないときの、前記それぞれの使用可能な波長領域での前記光源(60)の強度(67)と応答度(Rdu(λ))との関数であるベースライン信号(90、91、92)を生成するために波長依存性の応答度(Rdu(λ))を有する検出ユニット(50)へ導く工程と、
    少なくとも第1および第2の使用可能な波長領域それぞれについて、前記検出ユニットの前記応答度が前記第2の使用可能な波長領域におけるよりも前記第1の波長領域において高く、前記第1の使用可能な波長領域での前記検出ユニットの前記応答度と前記第2の使用可能な波長領域での前記検出ユニットの前記応答度との比率を下回る、前記第1の使用可能な波長領域での第1の前記ベースライン信号(91)と前記第2の使用可能な波長領域での前記ベースライン信号(92)との比率が得られ、少なくとも第1および第2の使用可能な波長領域それぞれについて、前記検出ユニット(50)の前記波長依存性の応答度(Rdu(λ))の逆数に、少なくとも第1および第2の発光素子(61)の強度(67)を調整する工程と、
    試料(10)が前記光路(51)内に置かれているときに、前記ベースライン信号(90、91、92)に対する応答信号を生成する工程および該応答信号を前記試料(10)中の検体の濃度に関連付ける工程
    とを含み、
    前記第1および第2の発光素子(61)が、前記検出ユニット(50)の応答度(Rdu(λ2))が低い程高く、前記検出ユニット(50)の応答度(Rdu(λ1))が高い程低い強度で発光し、
    前記強度(67)を調整する工程が、
    前記検出器(70)のダイナミックレンジ(AC)が、決定される検体濃度のダイナミックレンジ(B’D’)を含むように、選択された使用可能な波長領域での前記ベースライン信号(90)のレベルを調整する工程を含む方法。
  6. 前記ベースライン信号(90)のレベルを調整する工程が、測定される試料(10)のタイプまたは検体のタイプの相関において実行される請求項5記載の方法。
  7. プリアンプまたは電子フィルタによって、少なくとも選択された使用可能な波長について、前記検出ユニット(50)の前記波長依存性の応答度(Rdu(λ))を少なくとも部分的に補償する工程を含んでいる請求項5または6記載の方法。
  8. 前記第1の使用可能な波長領域での前記検出ユニットの前記応答度と前記第2の使用可能な波長領域での前記検出ユニットの前記応答度との比率の50%以下である、前記第1の使用可能な波長領域での前記第1のベースライン信号(91)と前記第2の使用可能な波長領域での前記ベースライン信号(92)との比率が得られる請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
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