JP5858238B2 - リーマ加工方法 - Google Patents
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Description
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、請求可能発明と称する)の態様を例示し、例示された各態様について説明する。ここでは、各態様を、特許請求の範囲と同様に、項に区分すると共に各項に番号を付し、必要に応じて他の項の記載を引用する形式で記載する。これは、請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施形態の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
なお、以下の各項において、(1)項が、特許請求の範囲に記載した請求項1に相当する。
ここで、例えば、3段の刃部を有する多段リーマを使用して、内径及び深さが異なる3段の下穴を加工する場合を想定する。なお、中段に位置する第2下穴と手前側に位置する内径が最大の第3下穴とは連続しているが、第2下穴と奥側に位置する内径が最小の第1下穴との間には空間が存在する。この場合、リーマは、ボデー先端から2段目の第2刃部の切刃(ろう付けチップ)のシャンク側端部が第2下穴の加工終端部を通過して送られるため、戻し(送りと反対方向への移動)の過程で、加工済みの第2下穴の加工終端部に、第2刃部の切刃のシャンク側端部が再接触される。
そして、本項記載のリーマ加工方法では、上記第2刃部の切刃の再接触時に、切刃のシャンク側端部に形成される食付き部が接触される。周知のように、食付き部には、下穴との接触時の衝撃を緩衝してリーマに作用する偏荷重を軽減させることによりリーマの心振れを抑制する効果がある。そこで、本項記載のリーマ加工方法によれば、第2刃部の切刃の再接触時に、切刃のシャンク側端部に形成される食付き部を接触させることにより、食付き部の心振れ抑制効果によって、第2刃部の切刃の再接触時におけるリーマの心振れを効果的に抑制することができる。これにより、リーマの戻し時の心振れに起因する刃部(切刃)と仕上げ面との接触によって仕上げ面が傷付いてしまうことがなく、仕上げ面の精度を確保することができる。
図1に示されるように、多段リーマ1は、ボデー2とシャンク3とを有する。ボデー2は、ボデー本体4の先端(図1における左端、以下、ボデー先端)からシャンク3側(図1における右側、以下、シャンク側)へ向けて段階的に刃径が大きくなる複数段(本実施形態では3段)の刃部5、6、7を有する。図1に示される多段リーマ1は、2枚刃に分類され、ボデー先端から1段目の刃部5(以下、第1刃部5)に2個の切刃8が配置され、ボデー先端から2段目の刃部6(以下、第2刃部6)に2個の切刃9が配置され、ボデー先端から3段目の刃部7(以下、第3刃部7)に2個の切刃10が配置される。なお、多段リーマ1は、各刃部5、6、7の各切刃8、9、10へ向けてクーラントを供給するためのクーラント供給路11を有する。
ここでは、上述した多段リーマ1をマシニングセンタの主軸に装着して、マシンテーブル上の治具に取り付けられたワーク19(図4参照)の内径及び深さが異なる3段の下穴21、22、23を加工する場合を例示する。
なお、図4乃至図8では、図の読み取りを容易にするため、多段リーマ1の各刃部5、6、7を簡略化して示すとともに、下穴21、22、23の稜部に形成される面取りを省略して示す。また、多段リーマ1によって下穴21、22、23を加工することにより得られた穴を、加工済みの下穴21、22、23という。
例えば、ろう付けによって接合された切刃を有するリーマにおいては、ボデー本体部の直径が、刃部の直径に対して0.2mm程度小さく形成されている。このようなリーマにおいては、切刃のシャンク側端部とボデー本体部との間に段差が形成される。この段差は、戻しの過程で、加工済みの下穴の加工終端部に刃部の切刃のシャンク側端部が再接触した時に、振動を発生させる要因となる。さらに、この振動は、リーマに心振れを発生させて、加工済みの面を傷付ける要因となる。
本実施形態によれば、第2刃部6の第2切刃9のシャンク側端部に食付き部15を形成したので、第2刃部6の第2切刃9と加工済みの第2下穴22との再接触時に、第2刃部6の第2切刃9のシャンク側端部に形成される食付き部15が加工済みの第2下穴22の加工終端部22Bに接触される。
これにより、第2刃部6の第2切刃9と加工済みの第2下穴22との再接触時の衝撃が緩衝されて、多段リーマ1に作用する偏荷重が軽減されることにより、多段リーマ1の心振れを抑制することが可能であり、例えば、型抜き勾配によって軸直角平面に対して傾斜した面19Aに加工済みの第2下穴22の加工終端部22Bが形成される場合であっても、第2刃部6の第2切刃9と加工済みの第2下穴22との再接触時の衝撃に起因する多段リーマ1の心振れが抑制されるので、加工済みの第2下穴22の仕上げ面と第2切刃9との接触を回避することができる。その結果、仕上げ面の精度を確保することができる。
少なくとも、ボデー先端側から2段目の刃部の切刃のボデー先端側端部とシャンク側端部との両端部に食付き部が形成されているのであれば、多段リーマの刃部を2段、あるいは4段とすることが可能である。また、ボデー先端側から2段目の刃部に加えて、3段目、あるいは4段目の刃部の切刃のボデー先端側端部とシャンク側端部との両端部に食付き部を形成して多段リーマを構成することができる。
ダイヤモンド焼結体によって形成された切刃がボデー本体にろう付けされた多段リーマを例示したが、例えば、ボデー本体に形成された切刃のボデー先端側端部とシャンク側端部との両端部に食付き部を形成して多段リーマを構成することができる。
Claims (1)
- ボデー先端からシャンク側へ向けて刃径が段階的に大きくなる複数段の刃部を有する多段リーマにより、同軸上に配置された内径が異なる複数個の下穴を加工する方法であって、
前記リーマを前記複数個の下穴に対して同軸上の加工開始位置に位置決めさせるステップと、
前記リーマを予め定められた送り速度で移動させるステップと、
ボデー先端から2段目の第2刃部の切刃のボデー先端側端部に形成される食付き部が加工対象である第2下穴の加工始端部に接触し、前記第2刃部による前記第2下穴の加工が開始されるステップと、
前記第2刃部の切刃のシャンク側端部に形成される食付き部が前記第2下穴の加工終端部を通過して前記第2刃部による前記第2下穴の加工が完了されるステップと、
ボデー先端から1段目の第1刃部の切刃のボデー先端側端部に形成される食付き部が、奥側に位置して前記第2下穴との間に空間が存在する第1下穴の加工始端部に接触し、前記第1刃部による前記第1下穴の加工が開始されるステップと、
前記リーマが予め定められた送り位置に到達して前記第1下穴及び前記第2下穴を含む全ての下穴の加工が完了されるステップと、
前記リーマを予め定められた戻し速度で移動させるステップと、
前記第1刃部の切刃のボデー先端側端部が加工済みの前記第1下穴の加工始端部から離れるステップと、
前記第2刃部の切刃のシャンク側端部に形成される食付き部を加工済みの前記第2下穴の加工終端部に再接触させるステップと、
前記リーマを前記複数個の加工済みの下穴に対して同軸上の加工終了位置に位置決めさせるステップと、
を含むことを特徴とするリーマ加工方法。
Priority Applications (1)
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JP2012182254A JP5858238B2 (ja) | 2012-08-21 | 2012-08-21 | リーマ加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014039968A JP2014039968A (ja) | 2014-03-06 |
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Family
ID=50392685
Family Applications (1)
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JP2012182254A Active JP5858238B2 (ja) | 2012-08-21 | 2012-08-21 | リーマ加工方法 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (1)
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2012
- 2012-08-21 JP JP2012182254A patent/JP5858238B2/ja active Active
Also Published As
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JP2014039968A (ja) | 2014-03-06 |
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