JP5621655B2 - ボーリング工具 - Google Patents

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Description

本発明は、被削材に形成される下穴に進入させることで、下穴を加工するボーリング工具に関する。
従来から、ボーリング工具を用いて、被削材の下穴(例えば、鋳造等により成形される鋳抜き穴)に対してボーリング加工を行っている。ボーリング工具は、その先端部にチップが取り付けられ、工作機械の主軸等に装着することで回動可能に構成される。
ボーリング工具は、回動した状態で下穴に進入し、チップを下穴に接触させることで、下穴を切削する。また、荒加工に対応するボーリング工具および仕上加工に対応するボーリング工具にて、下穴を合計二回切削する。
つまり、二回の工程に分けて下穴を加工するため、生産性が低かった。
このような問題を解決するボーリング工具として、特許文献1に開示されるボーリングカッタ(ボーリング工具)が開示されている。
特許文献1に開示されるボーリングカッタは、図8(a)および図8(b)に示すように、ボデー(工具本体)に、ボデーの径方向および軸方向に一定量ずつ段階的にずらした状態で、複数のチップが取り付けられる。各チップは、最もボデーの先端側に取り付けられるチップが最もボデーの径方向内側に位置し、最もボデーの後端側に取り付けられるチップが最もボデーの径方向外側に位置するような位置関係となる。
特許文献1に開示されるボーリングカッタでは、ボデーの最も後端側に配置されるチップが仕上刃として機能する(仕上加工を行う)。このような仕上刃の取代の最大値は、チップの枚数や下穴の加工量(加工前後の下穴の内径寸法)等に応じたものとなる。
従って、下穴の加工量が一定である場合、チップの枚数が少なければ仕上刃の取代の最大値が大きくなる。つまり、常に仕上刃の取代が最大となるような状態でボーリング加工を行う場合、常に仕上刃にかかる切削抵抗が最大となる(図8(b)参照)。この場合、加工精度が悪化してしまう可能性がある。
また、ボデーの軸方向に所定量ずつチップがずれていることにより、切削バランスが悪くなってしまう。このため、加工精度が悪化してしまう。
仕上刃にかかる切削抵抗を小さくするという観点から、図9(a)および図9(b)に示すように、各チップのボデーの径方向へのずれ量を変動させ、仕上刃の取代の最大値を少なくする構成が考えられる。このような構成では、各チップにかかる切削抵抗の最大値に違いが生じる(図9(a)参照)。
従って、切削バランスが悪くなり、加工精度が悪化してしまう。
ボーリング加工においては、図10および図11に示すように、下穴の加工量が部分的に(例えば、ある位相だけ)増大または減少する可能性がある。
このような場合としては、例えば、加工中心(ボーリング工具の回動中心)を下穴の中心に合わせたときに加工中心が下穴の中心に対してずれた場合(ボーリング工具が芯ずれした場合、図10参照)や、下穴に偏肉がある場合(図11参照)等がある。
この場合、図12に示すように、ボーリング工具が被削材に対して片あたりし、ボーリング工具が傾いた状態で下穴を切削してしまう(偏肉切削してしまう)可能性がある。
このように、ボーリング加工においては、ボーリング工具を駆動させる工作機械や被削材等、ボーリング工具以外の外的な要因が発生し、加工精度が悪化してしまう場合がある。
特許文献1に開示されるボーリングカッタによるボーリング加工では、前記外的な要因が発生した場合、仕上刃にかかる切削抵抗や切削バランスによる加工精度の悪化に加えて、偏肉切削による加工精度の悪化がさらに加わってしまう。この場合、下穴に求められる加工精度を確保できない可能性がある。
特開2005−186181号公報
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、加工精度を向上できるとともに、外的な要因による加工精度の悪化を抑制できるボーリング工具を提供するものである。
請求項1においては、回動可能に構成され、被削材に形成される下穴に回動した状態で進入し、前記下穴に対してボーリング加工を行うボーリング工具であって、先端部に取り付けられる三つ以上のチップを具備し、該各チップの先端部には、前記ボーリング工具が前記下穴に進入したときに前記下穴と接触し、前記下穴を切削する第一の刃部と、前記第一の刃部に対して、前記進入方向と反対側の方向に所定の間隔だけ離間するとともに、前記ボーリング工具の径方向外側に突出し、該突出量が前記下穴に対するボーリング加工の加工精度に影響を与えない程度の寸法に設定され、前記ボーリング工具が前記下穴に進入したときに、前記下穴と接触し、前記下穴を切削する第二の刃部と、が形成され、前記各第一の刃部は、前記下穴に対して互いに同じ姿勢で、前記ボーリング工具の周方向に互いに等間隔に配置されるとともに、前記ボーリング工具の進行方向に互いにずれることなく配置され、前記ボーリング工具の回動中心から、前記ボーリング工具の径方向外側の端部までの長さが互いに同一となり、前記各第二の刃部は、前記下穴に対して互いに同じ姿勢で、前記ボーリング工具の周方向に互いに等間隔に配置されるとともに、前記ボーリング工具の進行方向に互いにずれることなく配置され、前記ボーリング工具の回動中心から、前記ボーリング工具の径方向外側の端部までの長さが互いに同一とな前記各チップの外側の端面には、前記下穴の内周面と面で接触する接触部が形成され、前記ボーリング工具の回動中心方向と前記接触部との成す角度α1は、前記ボーリング工具の回動中心方向と前記チップの外側の端面との成す角度α2よりも小さい、ものである。
本発明は、仕上刃にかかる切削抵抗による加工精度への影響度合いを小さくできるとともに切削バランスを向上できるため、加工精度を向上できるとともに外的な要因による加工精度の悪化を抑制できる、という効果を奏する。
ボーリング工具の構成を示す図。(a)正面図。(b)図1(a)におけるA−A断面図。 チップを示す説明図。 接触面を示す説明図。 チップの位置関係を示す図。(a)正面図。(b)図4(a)におけるA−A断面図。 荒刃が被削材を切削する状態を示す図。(a)正面図。(b)図5(a)におけるA−A部分拡大断面図。 荒刃および仕上刃が被削材を切削する状態を示す図。(a)正面図。(b)図6(a)におけるA−A部分拡大断面図。 製品形状に制約がある場合のチップの形状を示す断面図。(a)二段形状のチップを示す図。(b)三段形状のチップを示す図。 従来の各チップの径方向の間隔が同一でないボーリング工具を示す図。(a)正面図。(b)説明図。 従来の各チップの径方向の間隔が同一であるボーリング工具を示す図。(a)正面図。(b)説明図。 ボーリング工具が芯ずれした状態を示す断面図。 下穴に偏肉がある被削材を示す断面図。 偏肉切削を示す断面図。
以下では、図面を参照して本実施形態のボーリング工具10について説明する。
ボーリング工具10は、図1(a)および図1(b)に示すように、被削材Wに形成される下穴W1(本実施形態では鋳造により製造されるHVケースの鋳抜き穴)に対してボーリング加工を行うものである。
ボーリング工具10は、略円柱状の工具本体11が回動可能な主軸(例えば、工作機械の主軸等)に装着されることにより、回動可能に構成される。
ボーリング工具10は、主軸を移動させる所定の移動機構により、被削材Wに対して近接離間可能に構成されるとともに、加工中心C(工具本体11の回動中心)を下穴の中心C1に位置合わせ可能に構成される。ボーリング工具10は、三つのチップ20・30・40を具備する。
なお、以下では、説明の便宜上、ボーリング工具10が被削材Wに対して接近する方向(図1(b)における左方向)を前方向として、「ボーリング工具10の前後方向」を規定する。
各チップ20・30・40は、それぞれボルト孔25・35・45に螺合するボルトを介して、工具本体11の前端部(先端部)に取り付けられ、工具本体11の回動に伴って一体的に回動する。
なお、各チップ20・30・40は全て同じ形状である。従って、各チップ20・30・40の形状の説明は、チップ20についてのみ行う。
チップ20は、図2に示すように、それぞれその厚み方向から見た場合、略三角形状の部材である。チップ20の頂点部分には、突出部21・21・21が形成される。
なお、各突出部21・21・21は全て同じ形状である。従って、各突出部21・21・21の形状の説明は、チップの前側20aとチップの外側20bとの間に形成される突出部21(図2では右下側の突出部21)についてのみ行う。
突出部21は、チップの前側20aの一端部(図2では右端部)より、後方向に向かって折れ曲がった後で、チップ20の一端側に向かって折れ曲がり、その後、斜め後方向(図2では左斜め後方向)に向かってさらに折れ曲がるような階段形状である。
このような突出部21には、荒刃22、仕上刃23、および接触面24が形成される。
第一の刃部としての荒刃22は、チップの前側20aの一端部に形成される刃である。
荒刃22は、回動する工具本体11が下穴W1に進入したときに、下穴W1と接触し、下穴W1を切削する。
加工中心Cから、荒刃22の、工具本体11の径方向(以下、単に「径方向」と表記する)の外側の端部までの長さ寸法R22(図1(a)および図4(a)参照)は、ボーリング工具10による加工後の下穴W1の内径寸法(下穴の中心C1から内周面までの寸法)よりもやや小さくなる。
ボーリング工具10は、荒刃22により下穴W1を切削することで、下穴W1に対して荒加工を行う。
第二の刃部としての仕上刃23は、荒刃22の一端部より後方向に向かって折れ曲がった後で、前記チップ20の一端側に向かって折れ曲がった部分に形成される刃である。
すなわち、仕上刃23は、荒刃22に対して、後方向に所定の間隔だけ離間するとともに、径方向外側に突出する。仕上刃23は、回動する工具本体11が下穴W1に進入したときに、下穴W1と接触し、下穴W1を切削する。
加工中心Cから仕上刃23の径方向外側の端部までの長さ寸法R23(図1(a)および図4(a)参照)は、ボーリング工具10による加工後の下穴W1の内径寸法と略同一となる。
ボーリング工具10は、仕上刃23により下穴W1を切削することで、下穴W1に対して仕上加工を行う。
つまり、チップ20は、突出部21を階段形状とすることで、下穴W1を切削するための刃を、荒刃22および仕上刃23に分割し、下穴W1に対して荒加工および仕上加工を一体的に行う構成である(図6(b)参照)。
図3に示すように、接触面24は、仕上刃23の一端部(図3では右端部)よりチップの外側20bに向かって、斜め後方向(図3では左斜め後方向)に延びる面である。
前後方向(図3では上下方向)と接触面24とが成す角度α1は、前後方向とチップの外側20bとが成す角度α2よりも小さくなる。
図2に示すように、各突出部21・21・21は、ボルト孔25の中心を基準とした円周方向に、互いに等間隔に位相をずらしたような位置関係となる。
チップの外側20bとチップの内側20cとの間に形成される突出部21(図2では上側の突出部21)の荒刃22および仕上刃23と、チップの前側20aとチップの内側20cとの間に形成される突出部21(図2では左下側の突出部21)の荒刃22および仕上刃23とは、下穴W1の切削を行わない。
つまり、図2では上側および左下側の各突出部21・21に形成される各荒刃22・22および各仕上刃23・23は、予備の荒刃および予備の仕上刃である。
切削を行っている荒刃22および仕上刃23(つまり、図2では右下側の荒刃22および仕上刃23)が摩耗したとき、チップ20を、中心(ボルト孔25の中心)を基準として回転させる。そして、前記予備の荒刃および予備の仕上刃を、切削を行う位置に移動させることで、ボーリング工具10は、荒刃22および仕上刃23の摩耗に容易に対応できる。
図1(a)および図1(b)に示すように、チップ20は、工具本体11の前端部に取り付けられ、その前側20aが工具本体11の前端部より前方向に突出する。
このような各チップ20・30・40は、それぞれ以下のような位置関係となる。
すなわち、図4(a)に示すように、各チップ20・30・40は、工具本体11の周方向(以下、単に「周方向」と表記する)に互いに等間隔に配置される。つまり、各チップ20・30・40は、加工中心Cを基準とした円周方向に、互いに等間隔に位相をずらしたような位置関係となる(図4(a)に示す角度β1・β2・β3参照)。
従って、各荒刃22・32・42は、周方向に互いに等間隔に配置される(図1(a)参照)。
また、各仕上刃23・33・43は、周方向に互いに等間隔に配置される(図1(a)参照)。
各チップ20・30・40は、加工中心Cから径方向外側の端部までの長さが互いに同一となる。
従って、各荒刃22・32・42は、加工中心Cから径方向外側の端部までの長さが互いに同一となる(図4(a)に示す長さ寸法R22・R32・R42参照)。
また、各仕上刃23・33・43は、加工中心Cから径方向外側の端部までの長さが互いに同一となる(図4(a)に示す長さ寸法R23・R33・R43参照)。
各チップ20・30・40は、その前側20a・30a・40aが径方向に対して平行となる。また、図4(b)に示すように、各チップの前側20a・30a・40aが前後方向に互いにずれることなく配置される(図4(b)に示す線L1参照)。
従って、各荒刃22・32・42は、下穴W1に対して互いに同じ姿勢で、前後方向に互いにずれることなく配置される(図6(b)に示す線L1参照)。
また、各仕上刃23・33・43は、下穴W1に対して互いに同じ姿勢で、前後方向に互いにずれることなく配置される(図6(b)に示す線L2参照)。
以下では、ボーリング工具10により行われるボーリング加工について説明する。
図1(b)に示すように、ボーリング工具10は、主軸を移動させる移動機構により、被削材Wに接近する。そして、主軸の回動により、工具本体11は回動を開始する。
その後、図5(a)および図5(b)に示すように、工具本体11は、回動した状態で下穴W1に進入する。
なお、図1(b)、図5(b)、および図6(b)では、外的な要因が発生せず、下穴W1の加工量(加工前後の下穴W1の内径寸法)が部分的に(ある位相だけ)増大または減少しない場合の、ボーリング工具10と被削材Wとの状態を示している。
このような外的な要因としては、加工中心Cを下穴の中心C1に合わせたときに、下穴の中心C1に対して加工中心Cずれた場合(ボーリング工具10が芯ずれした場合、図10参照)や下穴W1に偏肉がある場合(図11参照)等がある。
工具本体11が下穴W1に進入したとき、まず、各荒刃22・32・42が下穴W1と接触し、下穴W1の切削を開始する。つまり、ボーリング工具10は、荒加工を開始する。
各荒刃22・32・42は、前述のように、周方向に互いに等間隔に配置されるとともに、加工中心Cから径方向外側の端部までの長さ寸法R22・R32・R42が互いに同一である(図4(a)参照)。また、各荒刃22・32・42は、前述のように、下穴W1に対して互いに同じ姿勢である。
このため、仮に外的な要因が発生していない場合(つまり、ボーリング工具10が芯ずれせず、下穴W1に偏肉がない場合)、各荒刃22・32・42の取代は常に同一となる。この場合、各荒刃22・32・42にかかる切削抵抗F22・F32・F42は、互いに同一となる。
このような場合には、各切削抵抗F22・F32・F42は、同じ大きさで互いに打ち消しあうように作用する。従って、ボーリング工具10は、各荒刃22・32・42による切削時の切削バランスを良好な状態に保つことができる。
これにより、ボーリング工具10は、切削バランスを向上できる。
また、仮に前記外的な要因が発生した場合(つまり、ボーリング工具10が芯ずれした場合や下穴W1に偏肉がある場合)、下穴W1の加工量が部分的に増大または減少する。
この場合、例えば、前記加工量が部分的に増大する部分を荒刃22が切削したとき、切削抵抗F22が一時的に増大する。つまり、切削抵抗F22は、他の切削抵抗F32・F42よりも一時的に大きくなる。
また、前記加工量が部分的に減少する部分を荒刃22が切削した場合、切削抵抗F22は、他の切削抵抗F32・F42よりも一時的に小さくなる。
周方向に等間隔に配置される二つのチップを具備するボーリング工具では、このような場合、二つのチップにかかる切削抵抗が互いに打ち消しあうように作用するが、各切削抵抗の間で生じる一時的な差異は、下穴W1の加工量の増減度合いに応じたものとなる。
従って、前記下穴W1の加工量の増減度合いが大きい場合には、各切削抵抗の間で生じる一時的な差異が大きくなり、切削バランスが悪化してしまう。
一方、本実施形態のように周方向に等間隔に配置される三つのチップ20・30・40を具備するボーリング工具10では、三つの切削抵抗F22・F32・F42が互いに打ち消しあうように作用する。
この場合、各切削抵抗F22・F32・F42の間で生じる一時的な差異は、前記下穴W1の加工量の増減度合いに応じたものよりも小さくなる。
このように、ボーリング工具10は、前記外的な要因が発生した場合でも、切削バランスの悪化を抑制できる。
以上より、工具本体11に取り付けるチップの枚数は、三枚以上であることが好ましい。つまり、ボーリング工具10は三枚以上のチップ20・30・40を具備する構成であることが好ましい。
図6(a)および図6(b)に示すように、各荒刃22・32・42が下穴W1と接触した後で、ボーリング工具10がさらに下穴W1内に進入して、各仕上刃23・33・43が下穴W1と接触し、下穴W1の切削を開始する。つまり、ボーリング工具10は、仕上加工を開始する。
各仕上刃23・33・43は、前述のように、周方向に互いに等間隔に配置されるとともに、加工中心Cから径方向外側の端部までの長さ寸法R23・R33・R43が互いに同一である(図4(a)参照)。また、各仕上刃23・33・43は、前述のように、下穴W1に対して互いに同じ姿勢である。
このため、仮に前記外的な要因が発生していない場合、各仕上刃23・33・43にかかる切削抵抗F23・F33・F43は、互いに同一となる。
従って、ボーリング工具10は、各荒刃22・32・42の場合と同様に、各仕上刃23・33・43による切削時の切削バランスを良好な状態に保つことができる。つまり、切削バランスを向上できる。
また、仮に前記外的な要因が発生した場合、各切削抵抗F23・F33・F43の間で一時的に差異が生じるが、各荒刃22・32・42の場合と同様に、三つの切削抵抗F23・F33・F43が互いに打ち消しあうように作用する。
このように、本実施形態のボーリング工具10では、前記外的な要因が発生した場合でも、各切削抵抗F22・F32・F42および各切削抵抗F23・F33・F43の間で生じる一時的な差異をより小さくできるため、切削バランスの悪化を抑制できる。
これにより、ボーリング工具10は、前記外的な要因による加工精度の悪化を抑制できる。
ここで、各仕上刃23・33・43の取代(仕上刃23が下穴W1を切削する量)は、図6(b)に示すような各荒刃22・32・42が切削した部分を各仕上刃23・33・43が切削するとき等に最大となる。
仮に、このような各切削抵抗F23・F33・F43の最大値が大きい場合には、下穴W1の加工精度が悪化してしまう可能性がある。
このため、本実施形態では、各切削抵抗F23・F33・F43の最大値が、下穴W1に求められる加工精度に影響を与えない程度となるように、各仕上刃23・33・43の取代の最大値を設定している。
すなわち、各仕上刃23・33・43は、下穴W1に求められる加工精度に応じて、各荒刃22・32・42に対する突出寸法(図4(a)に示す長さ寸法R22・R32・R42と長さ寸法R23・R33・R43との差異)が適宜設定されている。
このように、各仕上刃23・33・43の、各荒刃22・32・42に対する径方向外側への突出量は、切削抵抗F23・F33・F43の最大値に基づいて決定される。
従って、各切削抵抗F23・F33・F43が常に最大となるような状態でボーリング加工を行った場合でも、各切削抵抗F23・F33・F43が与える加工精度への影響度合いは小さくなる。
これにより、ボーリング工具10は、各切削抵抗F23・F33・F43による加工精度の悪化を抑制できる。つまり、加工精度を向上できる。
各荒刃22・32・42および各仕上刃23・33・43は、前述のように前後方向に互いにずれることなく配置される(図6(b)に示す線L1・L2参照)。
このため、下穴W1の各荒刃22・32・42および各仕上刃23・33・43との接触部分が平らである場合、各荒刃22・32・42および各仕上刃23・33・43は、同時に下穴W1と接触する。
従って、各切削抵抗F22・F32・F42は、それぞれ同時に発生する。また、各切削抵抗F23・F33・F43も、それぞれ同時に発生する。
つまり、本実施形態のボーリング工具10は、外的な要因である下穴W1の各チップ20・30・40との接触部分の形状によってのみ、各切削抵抗F22・F32・F42、および各切削抵抗F23・F33・F43の発生タイミングに差異が生じる。
これによれば、各切削抵抗F22・F32・F42および各切削抵抗F23・F33・F43の発生タイミングの差異をより小さくできる。つまり、ボーリング工具10は、前記外的な要因の発生による切削バランスの悪化を抑制できる。
また、各切削抵抗F22・F32・F42および各切削抵抗F23・F33・F43は、前後方向にずれがない状態で発生するため、より確実に互いに打ち消しあうように作用する。このため、ボーリング工具10は、より切削バランスを向上できる。
このように、ボーリング工具10は、各仕上刃23・33・43にかかる切削抵抗F23・F33・F43による加工精度への影響度合いを小さくできるとともに、切削バランスを向上できるため、加工精度を向上できる。
また、前記外的な要因が発生した場合でも、切削抵抗F22・F32・F42および各切削抵抗F23・F33・F43の間で生じる一時的な差異をより小さくできるため、前記外的な要因による加工精度の悪化を抑制できる。
従って、ボーリング工具10は、前記外的な要因が発生した場合でも、切削バランスの悪化を最小限に抑制できる。つまり、加工精度の悪化を最小限に抑制できる。
従って、前記外的な要因が発生した場合でも、下穴W1に求められる加工精度を確保できる。
ボーリング加工時、下穴W1の内周面は、各接触面24・34・44の外側の端部と接触する。前述のように、前後方向と各接触面24・34・44とが成す角度α1は、前後方向と各チップの外側20b・30b・40bとが成す角度α2よりも小さくなる(図3参照)。
これによれば、各チップ20・30・40は、それぞれ下穴W1の内周面と各接触面24・34・44との接触面積がより大きくなる。従って、下穴W1の内周面にキズが生じにくくなる。つまり、ボーリング工具10は、加工精度を向上できる。
このように、各チップの外側20b・30b・40bの端面には、それぞれ下穴W1の内周面と面で接触する各接触面24・34・44が形成される。
なお、止まり穴(被削材Wを貫通しない穴)や、貫通孔に対して部分的に(貫通孔の中途部まで)ボーリング加工を行う場合には、加工された部分の前端部W2(図7(a)参照)には、各荒刃22・32・42および各仕上刃23・33・43の形状が反映される。
つまり、加工された部分の前端部W2の前後方向に沿った断面形状は、突出部21・31・41の形状に対応する階段形状となる。
このため、下穴W1の製品形状に制約がある場合、加工された部分の前端部W2の前後方向に沿った断面形状を考慮する必要がある。
このような場合としては、図7(a)に示すように、加工された部分の前端部W2にベアリングW10を嵌装する場合等がある。
この場合、加工された部分の前端部W2の前後方向に沿った断面形状を、ベアリングW10に干渉しないような形状に成形する必要がある。
本実施形態のボーリング工具10では、各荒刃22・32・42と各仕上刃23・33・43との間の前後方向の長さ寸法M1、および各仕上刃23・33・43の各荒刃22・32・42に対する突出寸法M2を、適宜の長さ寸法に設定している。
これにより、ボーリング工具10は、加工された部分の前端部W2を、ベアリングW10に干渉しないような形状に成形できる。
また、各チップ20・30・40に形成される段差の数(刃の数)は、任意に設定しても構わない。すなわち、図7(b)に示すような三段形状であってもよく、四段以上であっても構わない。
図7(b)に示すような三段形状である場合、各荒刃22・32・42と各仕上刃23・33・43との間に形成される刃は、各中仕上刃26・36・46として機能する。
このような構成において、下穴W1の製品形状に制約がある場合には、加工された部分の前端部W2の前後方向に沿った断面形状を考慮する。
すなわち、各荒刃22・32・42と各中仕上刃26・36・46との間の前後方向の長さ寸法M3、各中仕上刃26・36・46の各荒刃22・32・42に対する突出寸法M4、各中仕上刃26・36・46と各仕上刃23・33・43との間の前後方向の長さ寸法M5、および各仕上刃23・33・43の各中仕上刃26・36・46に対する突出寸法M6を、適宜の長さ寸法に設定すればよい。
10 ボーリング工具
20・30・40 チップ
22・32・42 荒刃(第一の刃部)
23・33・43 仕上刃(第二の刃部)
F23・F33・F43 切削抵抗
W 被削材
W1 下穴

Claims (1)

  1. 回動可能に構成され、被削材に形成される下穴に回動した状態で進入し、前記下穴に対してボーリング加工を行うボーリング工具であって、
    先端部に取り付けられる三つ以上のチップを具備し、
    該各チップの先端部には、
    前記ボーリング工具が前記下穴に進入したときに前記下穴と接触し、前記下穴を切削する第一の刃部と、
    前記第一の刃部に対して、前記進入方向と反対側の方向に所定の間隔だけ離間するとともに、前記ボーリング工具の径方向外側に突出し、該突出量が前記下穴に対するボーリング加工の加工精度に影響を与えない程度の寸法に設定され、前記ボーリング工具が前記下穴に進入したときに、前記下穴と接触し、前記下穴を切削する第二の刃部と、
    が形成され、
    前記各第一の刃部は、
    前記下穴に対して互いに同じ姿勢で、前記ボーリング工具の周方向に互いに等間隔に配置されるとともに、前記ボーリング工具の進行方向に互いにずれることなく配置され、前記ボーリング工具の回動中心から、前記ボーリング工具の径方向外側の端部までの長さが互いに同一となり、
    前記各第二の刃部は、
    前記下穴に対して互いに同じ姿勢で、前記ボーリング工具の周方向に互いに等間隔に配置されるとともに、前記ボーリング工具の進行方向に互いにずれることなく配置され、前記ボーリング工具の回動中心から、前記ボーリング工具の径方向外側の端部までの長さが互いに同一とな
    前記各チップの外側の端面には、前記下穴の内周面と面で接触する接触部が形成され、
    前記ボーリング工具の回動中心方向と前記接触部との成す角度α1は、前記ボーリング工具の回動中心方向と前記チップの外側の端面との成す角度α2よりも小さい、
    ボーリング工具。
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