JP5621655B2 - ボーリング工具 - Google Patents
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Description
ボーリング工具は、回動した状態で下穴に進入し、チップを下穴に接触させることで、下穴を切削する。また、荒加工に対応するボーリング工具および仕上加工に対応するボーリング工具にて、下穴を合計二回切削する。
つまり、二回の工程に分けて下穴を加工するため、生産性が低かった。
特許文献1に開示されるボーリングカッタは、図8(a)および図8(b)に示すように、ボデー(工具本体)に、ボデーの径方向および軸方向に一定量ずつ段階的にずらした状態で、複数のチップが取り付けられる。各チップは、最もボデーの先端側に取り付けられるチップが最もボデーの径方向内側に位置し、最もボデーの後端側に取り付けられるチップが最もボデーの径方向外側に位置するような位置関係となる。
従って、下穴の加工量が一定である場合、チップの枚数が少なければ仕上刃の取代の最大値が大きくなる。つまり、常に仕上刃の取代が最大となるような状態でボーリング加工を行う場合、常に仕上刃にかかる切削抵抗が最大となる(図8(b)参照)。この場合、加工精度が悪化してしまう可能性がある。
また、ボデーの軸方向に所定量ずつチップがずれていることにより、切削バランスが悪くなってしまう。このため、加工精度が悪化してしまう。
従って、切削バランスが悪くなり、加工精度が悪化してしまう。
このような場合としては、例えば、加工中心(ボーリング工具の回動中心)を下穴の中心に合わせたときに加工中心が下穴の中心に対してずれた場合(ボーリング工具が芯ずれした場合、図10参照)や、下穴に偏肉がある場合(図11参照)等がある。
この場合、図12に示すように、ボーリング工具が被削材に対して片あたりし、ボーリング工具が傾いた状態で下穴を切削してしまう(偏肉切削してしまう)可能性がある。
ボーリング工具10は、略円柱状の工具本体11が回動可能な主軸(例えば、工作機械の主軸等)に装着されることにより、回動可能に構成される。
このような突出部21には、荒刃22、仕上刃23、および接触面24が形成される。
荒刃22は、回動する工具本体11が下穴W1に進入したときに、下穴W1と接触し、下穴W1を切削する。
ボーリング工具10は、荒刃22により下穴W1を切削することで、下穴W1に対して荒加工を行う。
すなわち、仕上刃23は、荒刃22に対して、後方向に所定の間隔だけ離間するとともに、径方向外側に突出する。仕上刃23は、回動する工具本体11が下穴W1に進入したときに、下穴W1と接触し、下穴W1を切削する。
ボーリング工具10は、仕上刃23により下穴W1を切削することで、下穴W1に対して仕上加工を行う。
前後方向(図3では上下方向)と接触面24とが成す角度α1は、前後方向とチップの外側20bとが成す角度α2よりも小さくなる。
つまり、図2では上側および左下側の各突出部21・21に形成される各荒刃22・22および各仕上刃23・23は、予備の荒刃および予備の仕上刃である。
また、各仕上刃23・33・43は、周方向に互いに等間隔に配置される(図1(a)参照)。
また、各仕上刃23・33・43は、加工中心Cから径方向外側の端部までの長さが互いに同一となる(図4(a)に示す長さ寸法R23・R33・R43参照)。
また、各仕上刃23・33・43は、下穴W1に対して互いに同じ姿勢で、前後方向に互いにずれることなく配置される(図6(b)に示す線L2参照)。
その後、図5(a)および図5(b)に示すように、工具本体11は、回動した状態で下穴W1に進入する。
これにより、ボーリング工具10は、切削バランスを向上できる。
また、前記加工量が部分的に減少する部分を荒刃22が切削した場合、切削抵抗F22は、他の切削抵抗F32・F42よりも一時的に小さくなる。
従って、前記下穴W1の加工量の増減度合いが大きい場合には、各切削抵抗の間で生じる一時的な差異が大きくなり、切削バランスが悪化してしまう。
この場合、各切削抵抗F22・F32・F42の間で生じる一時的な差異は、前記下穴W1の加工量の増減度合いに応じたものよりも小さくなる。
これにより、ボーリング工具10は、前記外的な要因による加工精度の悪化を抑制できる。
これにより、ボーリング工具10は、各切削抵抗F23・F33・F43による加工精度の悪化を抑制できる。つまり、加工精度を向上できる。
従って、各切削抵抗F22・F32・F42は、それぞれ同時に発生する。また、各切削抵抗F23・F33・F43も、それぞれ同時に発生する。
また、前記外的な要因が発生した場合でも、切削抵抗F22・F32・F42および各切削抵抗F23・F33・F43の間で生じる一時的な差異をより小さくできるため、前記外的な要因による加工精度の悪化を抑制できる。
従って、前記外的な要因が発生した場合でも、下穴W1に求められる加工精度を確保できる。
つまり、加工された部分の前端部W2の前後方向に沿った断面形状は、突出部21・31・41の形状に対応する階段形状となる。
この場合、加工された部分の前端部W2の前後方向に沿った断面形状を、ベアリングW10に干渉しないような形状に成形する必要がある。
これにより、ボーリング工具10は、加工された部分の前端部W2を、ベアリングW10に干渉しないような形状に成形できる。
すなわち、各荒刃22・32・42と各中仕上刃26・36・46との間の前後方向の長さ寸法M3、各中仕上刃26・36・46の各荒刃22・32・42に対する突出寸法M4、各中仕上刃26・36・46と各仕上刃23・33・43との間の前後方向の長さ寸法M5、および各仕上刃23・33・43の各中仕上刃26・36・46に対する突出寸法M6を、適宜の長さ寸法に設定すればよい。
20・30・40 チップ
22・32・42 荒刃(第一の刃部)
23・33・43 仕上刃(第二の刃部)
F23・F33・F43 切削抵抗
W 被削材
W1 下穴
Claims (1)
- 回動可能に構成され、被削材に形成される下穴に回動した状態で進入し、前記下穴に対してボーリング加工を行うボーリング工具であって、
先端部に取り付けられる三つ以上のチップを具備し、
該各チップの先端部には、
前記ボーリング工具が前記下穴に進入したときに前記下穴と接触し、前記下穴を切削する第一の刃部と、
前記第一の刃部に対して、前記進入方向と反対側の方向に所定の間隔だけ離間するとともに、前記ボーリング工具の径方向外側に突出し、該突出量が前記下穴に対するボーリング加工の加工精度に影響を与えない程度の寸法に設定され、前記ボーリング工具が前記下穴に進入したときに、前記下穴と接触し、前記下穴を切削する第二の刃部と、
が形成され、
前記各第一の刃部は、
前記下穴に対して互いに同じ姿勢で、前記ボーリング工具の周方向に互いに等間隔に配置されるとともに、前記ボーリング工具の進行方向に互いにずれることなく配置され、前記ボーリング工具の回動中心から、前記ボーリング工具の径方向外側の端部までの長さが互いに同一となり、
前記各第二の刃部は、
前記下穴に対して互いに同じ姿勢で、前記ボーリング工具の周方向に互いに等間隔に配置されるとともに、前記ボーリング工具の進行方向に互いにずれることなく配置され、前記ボーリング工具の回動中心から、前記ボーリング工具の径方向外側の端部までの長さが互いに同一となり、
前記各チップの外側の端面には、前記下穴の内周面と面で接触する接触部が形成され、
前記ボーリング工具の回動中心方向と前記接触部との成す角度α1は、前記ボーリング工具の回動中心方向と前記チップの外側の端面との成す角度α2よりも小さい、
ボーリング工具。
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